特許第6218970号(P6218970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6218970
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】ランダム分散型反射偏光子
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20171016BHJP
【FI】
   G02B5/30
【請求項の数】8
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-561984(P2016-561984)
(86)(22)【出願日】2014年12月30日
(65)【公表番号】特表2017-501458(P2017-501458A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】KR2014013030
(87)【国際公開番号】WO2015102364
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2016年6月27日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0169215
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0169217
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515246650
【氏名又は名称】トーレ・ケミカル・コリア・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】コ,スン ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ドク ジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ファン キュ
【審査官】 井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−268861(JP,A)
【文献】 特開2003−075643(JP,A)
【文献】 特開2009−128904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から照射される第1偏光を透過させ第2偏光を反射させるために、基材の内部に複数個の分散体を含むランダム分散型反射偏光子であって、前記複数個の分散体は前記基材と少なくとも一つの軸方向に屈折率が異なり、前記複数個の分散体の個数は、32インチを基準として厚さが120μmであるとき、25,000,000〜80,000,000個であり、前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち、80%以上が長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短縮の長さの縦横比が1/2以下であり、前記縦横比が1/2以下である各分散体は断面積が異なる3つ以上のグループを含み、第1グループの断面積は0.2〜2.0μmであり、第2グループの断面積は2.0μm超から5.0μm以下であり、第3グループの断面積は5.0超から10.0μm以下であり、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、前記第1グループの個数比率は30〜50%であり、前記第2グループの個数比率は25〜45%であり、前記第3グループの個数比率は10〜30%であり、前記第1グループの分散体の個数を前記第3グループの分散体の個数で割った値が3〜5であり、前記第1グループの分散体、前記第2グループの分散体および前記第3グループの分散体はランダムに配列されたコア層を含む、ランダム分散型反射偏光子。
【請求項2】
前記基材と前記分散体の屈折率は2つの軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、残りの1つの軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であることを特徴とする、請求項1に記載のランダム分散型反射偏光子。
【請求項3】
前記反射偏光子は少なくとも一つの軸方向に延伸されことを特徴とする、請求項1に記載のランダム分散型反射偏光子。
【請求項4】
前記コア層の少なくとも一面にスキン層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のランダム分散型反射偏光子。
【請求項5】
前記コア層の少なくとも一面に形成された構造化された表面層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のランダム分散型反射偏光子。
【請求項6】
前記コア層と前記構造化された表面層の間に接着力強化のためのプライマー層をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のランダム分散型反射偏光子。
【請求項7】
前記構造化された表面層は微細パターン層であることを特徴とする、請求項または請求項に記載のランダム分散型反射偏光子。
【請求項8】
前記微細パターンプリズム、レンチキュラー、マイクロレンズ、三角錐およびピラミッドパターンで構成される群から選択されるいずれか一つ以上であることを特徴とする、請求項に記載のランダム分散型反射偏光子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランダム分散型反射偏光子に関するもので、より詳細には光損失を最小化しつつ輝度向上を最大化できるランダム分散型反射偏光子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ技術はTV分野で既に市場を確保した液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクションディスプレイおよびプラズマディスプレイ(PDP)が主流をなしており、また、電界放出ディスプレイ(FED)と電界発光ディスプレイ(ELD)などが関連技術の向上とともに各特性による分野を占有するものと展望される。液晶ディスプレイは現在、ノートパソコン、パーソナルコンピュータのモニター、液晶TV、自動車、航空機など、その使用範囲が拡大される中、フラットパネル市場の80%ほどを占めており、世界的にLCDの需要が急増して現在まで好況を享受している。
【0003】
従来の液晶ディスプレイは、一対の吸光性光学フィルムの間に液晶および電極マトリックスを配置する。液晶ディスプレイにおいて、液晶部分は二つの電極に電圧を印加して生成される電場によって液晶部分を動かすことによって、これにより変更される光学状態を有している。このような処理は情報を載せた「ピクセル」を特定方向の偏光を利用して映像を表示する。このような理由から、液晶ディスプレイは偏光を誘導する前面光学フィルムおよび背面光学フィルムを含む。
【0004】
このような液晶ディスプレイで用いられる光学フィルムはバックライトから発射される光の利用効率が必ずしも高いとは限らない。これは、バックライトから発射される光のうち、50%以上が背面側光学フィルム(吸収型偏光フィルム)によって吸収されるためである。そのため、液晶ディスプレイにおけるバックライト光の利用効率を高めるために、光学キャビティーと液晶アセンブリーの間に反射型偏光子を設置する。
【0005】
図1は従来の反射型偏光子の光学原理を図示する図面である。具体的に光学キャビティーから液晶アセンブリーへ向かう光のうち、P偏光は反射型偏光子を通過して液晶アセンブリーに伝達されるようにし、S偏光は反射型偏光子から光学キャビティーに反射された後、光学キャビティーの拡散反射面で光の偏光方向が無作為化された状態で反射されて再び反射型偏光子に伝達され、結局はS偏光が液晶アセンブリーの偏光器を通過できるP偏光に変換されて反射型偏光子を通過した後、液晶アセンブリーに伝達されるようにすることである。
【0006】
前記反射型偏光子の入射光に対するS偏光の選択的反射とP偏光の透過作用は異方性屈折率を有するフラットパネル上の光学層と、等方性屈折率を有するフラットパネル上の光学層が相互交互に積層された状態で各光学層間の屈折率差と積層された光学層の伸長処理による各光学層の光学的厚さの設定および光学層の屈折率変化によってなされる。
【0007】
すなわち、反射型偏光子に入射される光は各光学層を通過しながらS偏光の反射とP偏光の透過作用を繰り返し、結局は入射偏光のうち、P偏光だけが液晶アセンブリーに伝達される。一方、反射したS偏光は、前述した通り、光学キャビティーの拡散反射面で偏光状態が無作為化された状態で反射されて再び反射型偏光子に伝達される。これによって、光源から発生した光の損失とともに無駄な電力を減らすことができた。
【0008】
ところで、このような従来反射型偏光子は屈折率が異なるフラットパネル上の等方性光学層と異方性光学層が交互に積層され、これを伸長処理して入射偏光の選択的反射および透過に最適化され得る各光学層間の光学的厚さおよび屈折率を有するように製作されるため、反射型偏光子の製作工程が複雑であるという問題点があった。特に、反射型偏光子の各光学層がフラットパネル構造を有しており、入射偏光の広範囲な入射角範囲に対応してP偏光とS偏光を分離しなければならないため、光学層の積層数が過度に増加して生産費用が幾何級数的に増加するという問題点があった。また、光学層の積層数が過度に形成される構造によって光損失による光学的性能が低下する恐れがあるという問題点があった。
【0009】
図2は従来の多層反射型偏光子(DBEF)の断面図である。具体的には、多層反射型偏光子は基材8の両面にスキン層9、10が形成される。基材8は4つのグループ1、2、3、4に区分されるが、それぞれのグループは等方層と異方層が交互に積層されて概略200層を形成する。一方、前記基材8を形成する4つのグループ1、2、3、4の間にこれらを結合するための別途の接着層5、6、7が形成される。また、それぞれのグループは200層内外の非常に薄い厚さを有するため、これらのグループを個別的に共圧出する場合、それぞれのグループが損傷する恐れがあり、前記グループは保護層(PBL)を含む場合が多かった。この場合、基材の厚さが厚くなり製造原価が上昇する問題があった。また、ディスプレイパネルに含まれる反射型偏光子の場合、スリム化のために基材の厚さに制約があるため、基材および/またはスキン層に接着層が形成されるとその厚さの分だけ基材が減らされることになるため、光学物性を向上することができないという問題があった。さらには、基材の内部および基材とスキン層を接着層で結合しているため、外力を加えたり、長時間が経過または保管場所が悪い場合には層間剥離現象が発生するという問題があった。また、接着層の付着過程において不良率が過度に高くなるたけでなく、接着層の形成によって光源に対する相殺干渉が発生する問題があった。
【0010】
前記基材8の両面にスキン層9、10が形成され、前記基材8とスキン層9、10の間にこれらを結合するために別途の接着層11、12が形成される。従来のポリカーボネート材質のスキン層とPEN−coPENが交互に積層された基材と共圧出を通じて一体化する場合、相溶性の不在によって剥離が発生する可能性があり、結晶化度が15%内外であるため、延伸工程遂行時に伸長軸に対する複屈折発生の危険性が高い。そのため、無延伸工程のポリカーボネートシートを適用するためには接着層を形成せざるを得なかった。その結果、接着層工程の追加によって外部の異物および工程不良発生にともなう歩留まりの減少が現れ、通常、スキン層のポリカーボネート無延伸シートを生産するときは、ワインディング工程による不均一なせん断圧力による複屈折発生が現れ、これを補完するためのポリマー分子構造変形および圧出ラインの速度制御などの別途の制御が要求され、生産性低下の要因が発生した。
【0011】
前記従来の多層反射型偏光子の製造方法を簡単に説明すると、基材を形成する平均光学的厚さが異なる4つのグループを別途共圧出した後、再び4つの共圧出された4つのグループを延伸した後、延伸された4つのグループを接着剤で接着して基材を製作する。その理由は、接着剤を接着した後で基材を延伸すると剥離現象が発生するためである。その後、基材の両面にスキン層を接着することになる。つまり、多層構造を作るためには、2層構造を折って4層構造を作り連続して折る方式の多層構造を作る工程を通じて一つのグループ209層を形成し、これを共圧出するため、厚さの変化を与えることができず、一つの工程で多層の内部にグループを形成するのが困難であった。その結果、平均光学的厚さが異なる4つのグループを別途共圧出した後、これを接着せざるを得ないのが実情である。
【0012】
前述した工程は断続的になされるため、製作単価の顕著な上昇をもたらし、その結果、バックライトユニットに含まれるすべての光学フィルムの中でコストが最も高いという問題があった。そのため、コスト低減のレベルで輝度低下を覚悟してでも反射型偏光子を除いた液晶ディスプレイが頻繁に発売される深刻な問題が発生した。
【0013】
そこで、多層反射型偏光子ではない、基材の内部に長さ方向に伸張された複屈折性ポリマーを並べて反射型偏光子の機能を果たし得る分散体が分散された反射偏光子が提案された。図3は棒状ポリマーを含む反射型偏光子20の斜視図であり、基材21の内部に長さ方向に伸張された複屈折性ポリマー22が一方向に配列されている。これを通じて、基材21と複屈折性ポリマー22間の複屈折性界面によって光変調効果を誘発して反射型偏光子の機能を遂行することができるようになるのである。しかし、前述した交互に積層された反射型偏光子と比べて可視光線の全体波長領域の光を反射することが難しく、光変調効率が過度に低下する問題が発生した。したがって、交互に積層された反射偏光子同等の透過率および反射率を有するためには基材の内部に非常に多い数の複屈折性ポリマー22を配置しなければならない問題があった。具体的には、反射型偏光子の垂直断面を基準として、横32インチディスプレイパネルを製造する場合、横1580mm、高さ(厚さ)400μm以下の基材21の内部に前述した積層型反射偏光子同等の光学物性を有するためには、前記長さ方向の断面直径が0.1〜0.3μmの円形または楕円形の複屈折性ポリマー22が少なくとも1億個以上含まれなければならないが、この場合、生産コストが過度に多くなるだけでなく、設備が過度に複雑となり、また、これを生産する設備を製作すること自体がほとんど不可能であり商用化が難しいという問題があった。また、シート内部に含まれる複屈折性ポリマー22の光学的厚さを多様に構成することが困難であるため、可視光線の全体領域の光を反射することが難しく、物性が減少する問題があった。
【0014】
これを克服するために、基材の内部に複屈折性海島糸を含む技術的思想が提案された。図4は基材の内部に含まれる複屈折性海島糸の断面図であり、前記複屈折性海島糸は内部の島の部分と海の部分の光変調界面で光変調効果を発生させることができるため、前述した複屈折性ポリマーのように非常に多数の海島糸を配置しなくても光学物性を達成することができる。しかし、複屈折性海島糸は繊維であるため、ポリマーである基材との相溶性、取り扱い容易性、密着性の問題が発生した。ひいては、円形状であるため、光散乱が誘導されて可視光線領域の光波長に対する反射偏光効率が低下し、既存製品対比偏光特性が低下して輝度向上に限界があり、合わせて海島糸の場合、島接合現象を減らしながら海成分の領域が細分化されるため、空隙の発生によって光漏れ、すなわち光損失現象による光特性低下の要因が発生した。また、織物形態の組織構成のため、レイヤー構成の限界によって反射および偏光特性向上に限界点が発生する問題があった。また、分散型反射偏光子の場合、レイヤー間の間隔および分散体間の離隔空間によって輝線現象が観察される問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は前述した問題を解決するために案出されたもので、本発明は従来の分散型反射偏光子と比べて輝線現象が改善されながらも視野角が広く、光損失を最小化しながらも輝度向上を最大化できる、ランダム分散型反射偏光子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、外部から照射される第1偏光を透過させ第2偏光を反射させるために、基材の内部に複数個の分散体を含み、前記複数個の分散体は前記基材と少なくとも一つの軸方向に屈折率が異なり、前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち、80%以上が長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短縮の長さの縦横比が1/2以下であり、前記縦横比が1/2以下である各分散体は断面積が異なる3つ以上のグループを含み、第1グループの断面積は0.
【0017】
2〜2.0μmであり、第2グループの断面積は2.0μm超から5.0μm以下であり、第3グループの断面積は5.0μm超から10.0μm以下であり、第1グループの分散体、第2グループの分散体および第3グループの分散体がランダムに配列されたコア層;を含むランダム分散型反射偏光子を提供する。
【0018】
より好ましくは、前記コア層の少なくとも一面に形成された一体化されたスキン層をさらに含む、ランダム分散型反射偏光子を提供する。
【0019】
本発明の好ましい一実施例によれば、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、第3グループの分散体の個数が10%以上であり得る。
【0020】
本発明の好ましい他の一実施例によれば、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、第1グループの個数は30〜50%であり、第3グループの個数は10〜30%であり得、より好ましくは、第1グループの分散体の個数/第3グループの分散体の個数が3〜5であり得る。
【0021】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、第2グループの個数は25〜45%であり得る。
【0022】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記基材と分散体の屈折率は2つの軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、残りの1つの軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であり得る。
【0023】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記反射型偏光子は少なくとも一つの軸方向に延伸されたものであり得る。
【0024】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記基材の少なくとも一面に形成された構造化された表面層を含むことができる。
【0025】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記基材と構造化された表面層の間に接着力強化のためのプライマー層をさらに含むことができる。
【0026】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記構造化された表面層は微細パターン層であり得る。
【0027】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記微細パターンはプリズム、レンチキュラー、マイクロレンズ、三角錐およびピラミッドパターンで構成される群から選択されるいずれか一つ以上であり得る。
【0028】
本発明の好ましい他の実施例によれば、(1)外部から照射される第1偏光を透過させ第2偏光を反射させるために、基材の内部に複数個の分散体を含み、前記複数個の分散体は前記基材と少なくとも一つの軸方向に屈折率が異なり、前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち、80%以上が長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短縮の長さの縦横比が1/2以下であり、前記縦横比が1/2以下である各分散体は断面積が異なる3つ以上のグループを含み、第1グループの断面積は0.2〜2.0μmであり、第2グループの断面積は2.0μm超から5.0μm以下であり、第3グループの断面積は5.0μm超から10.0μm以下であり、第1グループの分散体、第2グループの分散体および第3グループの分散体がランダムに配列されたコア層を含む、ランダム分散型反射偏光子を製造する段階;を含む。
【0029】
本発明の好ましい他の一実施例によれば、前記コア層の少なくとも一面に一体化されたスキン層を製造する段階をさらに含むことができる。
【0030】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記(1)段階の後で(2)段階として、基材の少なくとも一面に構造化された表面層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0031】
本発明のさらに他の好ましい一実施例によれば、前記(1)段階と(2)段階の間に、前記基材と構造化された表面層の間に接着力強化のためのプライマー層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0032】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記構造化された表面層は微細パターン層であり得、より好ましくは、前記微細パターンはプリズム、レンチキュラー、マイクロレンズ、三角錐およびピラミッドパターンで構成される群から選択されるいずれか一つ以上であり得る。
【0033】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記構造化された表面層は微細パターン層であり得、より好ましくは、前記微細パターンはプリズム、レンチキュラー、マイクロレンズ、三角錐およびピラミッドパターンで構成される群から選択されるいずれか一つ以上であり得る。
【0034】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記(2)段階はパターン形成用モールドフィルムを通じて製造され得る。
【0035】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記(2)段階はa)前記反射型偏光子を移送させる段階;b)前記構造化された表面層の逆相のパターンが一面に成形されたパターン形成用モールドフィルムを移送させる段階;c)前記反射型偏光子と前記パターン形成用モールドフィルムのうち、前記パターンが成形された一面を密着させる段階;d)前記反射型偏光子と前記パターン形成用モールドフィルムが密着する領域で流動性のある材料を注入して前記パターンの間を充填させる段階;e)前記パターンの間に充填された材料を硬化させることによって前記材料を前記反射型偏光子に塗布させる段階;およびf)前記パターン形成用モールドフィルムと前記材料が塗布された前記反射型偏光子を分離する段階を含み、前記a)段階とb)段階は順序に関わらず遂行され得る。
【0036】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記d)段階と前記e)段階の間に、密着された前記スキン層と前記モールドフィルムに圧力を加えて前記材料を前記パターンの間に均一に充填させる段階をさらに含むことができる。
【0037】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記e)段階が、前記パターンの間に充填された材料に熱またはUVを照射する段階を含むことができる。
【0038】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記(2)段階は2−1)前記構造化された表面層の逆相のパターンが一面に成形されたマスターロールに反射型偏光子を密着移送させ、前記マスターロールのパターン面または前記反射型偏光子に溶融された高分子樹脂を塗布する段階;および2−2)前記高分子樹脂が前記マスターロールのパターン面上で加圧成形される間、UVまたは熱を照射して前記高分子樹脂をUV硬化させてこれを分離する段階;を含むことができる。
【0039】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記2−2)段階の後で再度UVまたは熱を照射して前記高分子樹脂を二次硬化させることができる。
【0040】
本発明の好ましい他の一実施例によれば、前記基材は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、ヨウ素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)、エラストマーおよびシクロオレフィンポリマーのうち、いずれか一つ以上であり得る。
【0041】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記分散体は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、ヨウ素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)、エラストマーおよびシクロオレフィンポリマーのうち、いずれか一つ以上であり得る。
【0042】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記基材と分散体の屈折率の差は伸張された軸方向の屈折率の差が他の軸方向の屈折率の差より大きいこともある。
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記基材と分散体の屈折率は2つの軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、残りの1つの軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であり得る。
【0043】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記分散体は長さ方向に伸張することができる。
【0044】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記分散体と基材間に複屈折界面が形成され得る。
【0045】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記分散体は光学的複屈折性を有し、前記基材は光学的等方性であり得る。
【0046】
以下、本明細書に用いられた用語について簡略に説明する。
【0047】
「分散体が複屈折性を有する」という意味は、方向により屈折率が異なる繊維に光を照射する場合、分散体に入射した光が方向が異なる二つの光以上で屈折されるという意味である。
【0048】
「等方性」とは、光が物体を通過する時、方向にかかわらず屈折率が一定であることを意味する。
【0049】
「異方性」とは、光の方向により物体の光学的性質が異なるもので、異方性物体は複屈折性を有し、等方性に対応する。
【0050】
「光変調」とは、照射された光が反射、屈折、散乱したり、光の強さ、波動の周期または光の性質が変化することを意味する。
【0051】
「縦横比」とは、分散体の長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短縮の長さの比を意味する。
【発明の効果】
【0052】
本発明の反射型偏光子は、従来の分散型反射偏光子と比べて輝線現象が改善されながらも視野角が広く、光損失を最小化しながらも輝度向上を最大化することができる。
【0053】
また、反射偏光子の具現において、単純制御を通じてグループ分散体を形成することができ、工程簡素化を通した生産性の向上を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】従来の反射型偏光子の原理を説明する概略図である。
図2】現在使用されている多層反射型偏光子(DBEF)の断面図である。
図3】棒状ポリマーを含む反射型偏光子の斜視図である。
図4】反射型偏光子に用いられる複屈折性海島糸に入射した光の経路を図示した断面図である。
図5】本発明の好ましい一実施例に係るランダム分散型反射偏光子の断面図である。
図6】本発明の好ましい一実施例に係るランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図7】本発明の好ましい一実施例に係る分散体の断面図である。
図8】本発明の好ましい一実施例に係る規則的にレンチキュラーパターンが形成されたランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図9】本発明の好ましい一実施例に係る不規則的にレンチキュラーパターンが形成されたランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図10】本発明の好ましい一実施例に係る規則的にマイクロレンズが形成されたランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図11】不規則的にマイクロレンズが形成されたランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図12】本発明の好ましい一実施例に係る規則的にプリズムパターンが形成されたランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図13】本発明の好ましい一実施例に係る不規則的にプリズムパターンが形成されたランダム分散型反射偏光子の斜視図である。
図14】本発明の好ましい一実施例に係るコートハンガーダイの断面図と側面図である。
図15】本発明の好ましい一実施例に係るコートハンガーダイの断面図と側面図である。
図16】本発明の好ましい一実施例に係る微細パターン形成工程の概略図である。
図17図16の成形部の細部構造を示した断面図である。
図18】本発明の好ましい一実施例に係る微細パターン形成工程の概略図である。
図19】本発明の好ましい一実施例に係る微細パターン形成工程の概略図である。
図20】本発明の好ましいさらに他の一具現例に係る本発明の反射型偏光子を含む分散体が分散された反射型偏光子の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明を添付された図面を参照してより詳細に説明する。
【0056】
本発明のランダム分散型反射型偏光子は外部から照射される第1偏光を透過させ第2偏光を反射させるために、基材の内部に複数個の分散体を含み、前記複数個の分散体は前記基材と少なくとも一つの軸方向に屈折率が異なり、前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち、80%以上が長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短縮の長さの縦横比が1/2以下であり、前記縦横比が1/2以下である各分散体は断面積が異なる3つ以上のグループを含み、第1グループの断面積は0.2〜2.0μmであり、第2グループの断面積は2.0μm超から5.0μm以下であり、第3グループの断面積は5.0μm超から10.0μm以下であり、第1グループの分散体、第2グループの分散体および第3グループの分散体はランダムに配列されたコア層;を含む。これを通じて従来の分散型反射偏光子と比べて輝線現象が改善されながらも視野角が広く、光損失を最小化しながらも輝度向上を最大化することができる。
【0057】
図5は本発明の好ましい一実施例に係る基材の内部に分散体がランダムに分散された反射偏光子の断面図である。具体的には、基材200の内部に複数個の分散体201〜206がランダムに分散して配列されたコア層200、201〜206を含み、前記コア層の少なくとも一面に一体形成されたスキン層207をさらに含むことができる。
【0058】
まず、コア層を説明する。コア層は前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち、80%以上は長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短縮の長さの縦横比が1/2以下でなければならなく、より好ましくは、90%以上が前記縦横比の値が1/2以下を満足しなければならない。図7は本発明に用いることができる分散体の長さ方向の垂直断面であり、長軸の長さをaとし、短縮の長さをbとした時、長軸の長さaと短縮の長さbの相対的な長さの比(縦横比)が1/2以下でなければならない。換言すれば、長軸の長さaが2のとき、短縮の長さbはその1/2である1より小さいか同じでなければならない。万一、長軸の長さに対する短縮の長さの比が1/2よりも大きい分散体が全体分散体の個数のうち、20%超過で含まれる場合には所望の光学物性を達成し難い。
【0059】
前記縦横比が1/2以下である各分散体は断面積が異なる3つ以上のグループを含む。具体的には、図5で断面積が最も小さい第1グループの分散体201、202と断面積が中間の大きさを有する第2グループの分散体203、204および断面積が最も大きい第3グループ205、206の分散体をすべて含めてランダムに分散される。この場合、第1グループの断面積は0.2〜2.0μmであり、第2グループの断面積は2.0μm超から5.0μm以下であり、第3グループの断面積は5.0μm超から10.0μm以下であり、第1グループの分散体、第2グループの分散体および第3グループの分散体はランダムに配列される。万一、第1〜第3グループの分散体のうち、いずれか一つのグループの分散体を含まない場合には所望の光学物性を達成し難い(表1参照)。
【0060】
この場合、好ましくは、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、第3グループの分散体の個数は10%以上であり得る。万一、10%未満であると光学的物性の向上が不十分となり得る。より好ましくは前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、第1グループに該当する分散体の個数は30〜50%を満足し、第3グループに該当する分散体の個数が10〜30%であり得、これを通じて光学物性を向上させることができる(表1参照)。
【0061】
一方、より好ましくは、第1グループの分散体の個数/第3グループの分散体の個数が3〜5の値を有する場合、光学物性の最大化に非常に有利となり得る(表1参照)。
【0062】
好ましくは、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち、第2グループに該当する分散体の個数は25〜45%を満足することができる。また、前記第1〜第3分散体の断面積の範囲から外れる分散体が既縦横比が1/2以下である分散体に残量として含まれ得る。
【0063】
これを通じて、従来の分散型反射偏光子と比べて輝線現象が改善されながらも視野角が広く、光損失を最小化しながらも輝度向上を最大化することができる。
【0064】
また、前述したコア層の少なくとも一面にスキン層207をさらに含むことができるが、前記コア層とスキン層207の間にも一体形成される。その結果、接着層による光学物性の低下を防止できるだけでなく、より多くの層を限定された厚さに付加することができ、光学物性を顕著に改善させることができる。さらに、スキン層はコア層と同時に製造された後延伸工程が遂行されるため、従来のコア層の延伸後未延伸スキン層との接着とは違って本発明のスキン層は少なくとも一つの軸方向に延伸され得る。これを通じて未延伸スキン層に比べて表面硬度が向上して耐スクラッチ性が改善され、耐熱性が向上され得る。
【0065】
図6は本発明の好ましい一実施例に係る反射型偏光子の斜視図であり、基材210の内部に複数個のランダム分散体211が長さ方向に伸張されており、スキン層212はコア層の上部に形成される。この場合、前記ランダム分散体211は、それぞれ多様な方向に伸張され得るが、好ましくは、ある一方向に平行して伸張されることが有利であり、より好ましくは、外部光源から照射される光に垂直する方向に伸長体間に平行して伸張されることが光変調効果の最大化に効果的である。
【0066】
本発明の好ましい一具現例によれば、基材の内部に含まれる分散体(第1成分)と基材(第2成分)との間に複屈折界面が形成され得る。具体的には、基材の内部に分散体を含む反射型偏光子において、基材と分散体との間の空間上のX、YおよびZ軸に沿った屈折率の実質的な一致または不一致の大きさはその軸に沿って偏光された光線の散乱程度に影響を及ぼす。一般的に、散乱能は屈折率の不一致の自乗に比例して変化する。したがって、特定軸に沿った屈折率の不一致の程度がより大きいほど、その軸に沿って偏光された光線がより強く散乱される。反対に、特定軸に沿った不一致が小さい場合、その軸に沿って偏光された光線はより少ない程度で散乱される。ある軸に沿って基材の屈折率が分散体の屈折率と実質的に一致する場合、このような軸に平行した電場で偏光された入射光は、分散体の部分の大きさ、形および密度にかかわらず散乱されずに分散体を通過するであろう。また、その軸に沿った屈折率が実質的に一致する場合、光線は実質的に散乱されずに物体を通じて通過する。より具体的には、第1偏光(P波)は、基材と分散体の境界に形成される複屈折界面に影響を受けずに透過されるが、第2偏光(S波)は基材と分散体との間の境界に形成される複屈折性界面に影響を受けて光変調が起きる。これを通じてP波は透過しS波は光の散乱、反射などの光変調が発生し、結局偏光の分離がなされるのである。
【0067】
したがって、前記基材と分散体は複屈折界面を形成しなければ光変調効果を誘発することができないため、前記基材が光学的等方性である場合、分散体は複屈折性を有することができて、反対に前記基材が光学的に複屈折性を有する場合には分散体は光学的等方性を有することができる。具体的には、前記分散体のx軸方向の屈折率がnX、y軸方向の屈折率がnYおよびz軸方向の屈折率がnZであり、基材の屈折率がnX、nYおよびnZであるとき、nXとnYの間の面内複屈折が発生する可能性がある。さらに好ましくは、基材と分散体のX、Y、Z軸屈折率のうち、少なくともいずれか一つが異なり得、より好ましくは、伸長軸がX軸である場合、Y軸およびZ軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、X軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であり得る。一方、通常的に屈折率の差が0.05以下であれば整合と解釈される。
【0068】
一方、本発明で基材の厚さは20〜180μmであり得るがこれに制限されず、スキン層の厚さは50〜500μmであり得るがこれに制限されない。また、全体分散体の個数は32インチを基準として基材の厚さが120μmであるとき、25,000,000〜80,000,000個であり得るがこれに制限されない。
【0069】
図6は本発明の好ましい一実施例に係る構造化された表面層が形成された反射型偏光子の斜視図であり、基材の内部に複数個の分散体が長さ方向に伸張されており、これらはコア層を形成する。この場合、前記分散体はそれぞれ多様な方向に伸張され得るが、好ましくは、ある一方向に平行して伸張されることが有利であり、より好ましくは、外部光源から照射される光に垂直する方向に伸長体間に平行して伸張されることが光変調効果の最大化に効果的である。前記スキン層212の一面(スキン層を含まない場合、基材の一面)にプライマー層(図示されず)が選択的に形成され得る。これを通じて構造化された表面層の接着力、外観、電光特性を改善することができる。この材料としては、アクリル、エステル、ウレタンなどを用いることができるがこれに限定されない。プライマー層は他の層と比べて薄く形成することができ、プライマー層の厚さを調節して光透過率を向上させることができ、反射率を低くすることができる。
【0070】
このようなプライマー層の厚さは5nm〜300nmであり得る。万一、プライマー層の厚さが5nm未満であると、コア層と構造化された表面層との間の接着力が微小となり得、プライマー層の厚さが300nmを超過すると、プライマー処理時にシミや分子の塊が発生する恐れがある。
【0071】
一方、本発明の反射型偏光子は少なくとも一面に構造化された表面層を形成して集光効果を最大化し、表面で乱反射を防止して輝度を顕著に向上させることができる。前記構造化された表面層は基材上に形成されるかプライマー層上に形成され得る。
【0072】
本発明で適用され得る構造化された表面層は集光効果を向上させることができる構造として、好ましくは、微細パターン層であり得る。この場合、適用され得る微細パターンは、プリズム、レンチキュラー、マイクロレンズ、三角錐およびピラミッドパターンで構成される群から選択されるいずれか一つ以上であり得、これらのそれぞれが単独でパターンを形成したり組合わせられて形成され得る。
【0073】
図8では反射型偏光子の基材層の一面にスキン層212およびレンチキュラーパターン層213が形成されており、これを中心に説明すると、レンチキュラーの高さ(h)は10〜50μmであり得る。万一、レンチキュラーパターンの高さが10μm未満であるとパターン層の具現に困難な問題が発生する恐れがあり、50μmを超過すると光の全反射量の増加によって輝度が減少する問題が発生する恐れがある。
【0074】
また、レンチキュラーのピッチ(pitch)は20〜100μmであり得る。万一、レンチキュラーパターンのピッチが20μm未満であると単位面積当たりのフィルムの谷部分の増加によってレンズ形状の集光効果が多少低下し、形状加工の精密度の限界とパターンの形状が過度に狭くてパターンの具現が難しい問題が発生する恐れがあり、100μmを超過するとパターン構造物とパネルとの間のモアレ発生の可能性が非常に大きくなる。
【0075】
一方、レンチキュラーレンズ当たり、楕円断面の短縮半径をaとし、長軸半径をbと定義するとき、長軸/短縮(b/a)の比が1.0〜3.0を充足する。長軸/短縮(b/a)の比率が前記範囲から外れると、複屈折偏光層を通過する光に対する輝線隠蔽効率が低下する問題が発生する恐れがある。
【0076】
また、レンチキュラーレンズの高さhを定義するにあたって、レンズ下端部の両端点での接線角度αは30〜80度間を充足しなければならない。この時、αが30度より小さいと、輝線隠蔽効率が低下し、80度より大きいと、レンズパターンの製作が難しくなる問題がある。レンチキュラーレンズの断面形状が三角形の場合には輝線隠蔽効果のために頂点角度θが90〜120度を充足した方が良い。
【0077】
一方、レンチキュラーの形状は図8に示したように、同一高さとピッチを有するパターンで形成されるか、図9のように異なる高さとピッチを有するレンチキュラーパターンが混在され得る。
【0078】
図10は反射型偏光子の一面にマイクロレンズパターン層が形成されたものであり、これを中心に説明すると、マイクロレンズの高さは10〜50μmであり得る。万一、マイクロレンズパターンの高さが10μm未満であると集光効果が多少低下し、パターンの具現も難しい問題が発生する恐れがあり、50μmを超過するとモアレ現象が発生しやすく、画像にパターンが見える問題が発生する恐れがある。
【0079】
また、マイクロレンズの直径は20〜100μmであり得る。好ましくは、30〜60μmであり得る。前記範囲において、外観特性が良好でありつつマイクロレンズの集光機能および光拡散特性が優秀であり得、実際の製作が容易であり得る。万一、マイクロレンズパターンの直径が20μm未満であると、有効でない角度から入射される入射光に対して集光効率が低い問題が発生する恐れがあり、100μmを超過すると垂直光に対する集光効率が低下し、またモアレ現象問題が発生する恐れがある。
【0080】
一方、マイクロレンズパターン層も図10のように、同一高さと直径を有するパターンで形成されるか、図11のように異なる高さと直径を有するマイクロレンズパターンが混在され得る。このようなマイクロレンズパターンは、レンズの密集度(Density)、含浸度(Aspect Ratio)によって光特性に大きい差があるため、密集度を最大限に上げて、含浸度は1/2を有するのが理想的である。
【0081】
図12においては、反射型偏光子の一面にプリズムパターン層213が形成されており、これを中心に説明すると、プリズムの高さ(h)は10〜50μmであり得る。万一、プリズムパターンの高さが10μm未満であると、プリズムパターン部の形状を製造する時、ベースフィルムが圧力に損傷を受ける恐れがあり、50μmを超過すると光源から入射される光の透過率が低下する問題が発生する恐れがある。
【0082】
また、プリズムのピッチ(pitch)は20〜100μmであり得る。万一、プリズムパターンのピッチが20μm未満であると、印刻が難しく、パターン層の具現および製造工程が複雑となる問題が発生する恐れがあり、100μmを超過するとモアレ現象が発生しやすく、画像にパターンが見える問題が発生する恐れがある。
【0083】
一方、プリズムの形状は図12のように同一高さとピッチを有するパターンで形成されるか、図13のように異なる高さとピッチを有するプリズムパターンが混在され得る。このようなプリズムパターンは、ベースフィルムよりも屈折率が高い物質で構成され得るが、これはベースフィルムの屈折率がより高い場合、ベースフィルムの後面に入射された光の一部がプリズムパターンの表面から全反射されてプリズム構造に入射できない恐れがあるためである。前記プリズムの形状は好ましくは、線形プリズムの形状であり、垂直断面は三角形であり、前記三角形は下部面と対向する頂点が60〜110°の角をなした方が好ましい。
【0084】
構造化された表面層の材質は好ましくは、熱硬化性または光硬化性アクリル樹脂などを含む高分子樹脂を用いることができる。例えば、プリズムパターンは不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸とその誘導体、メタクリロニトリルのようなビニルシアナイド化合物などを用いることができ、具体的には、ウレタニックアクリレート、メタクリリックアクリレート樹脂などを用いることができる。また構造化された表面層は反射型偏光子より屈折率が高い物質で構成され得る。
【0085】
次にランダム分散型反射型偏光子の製造方法を説明する。
【0086】
まず、(1)段階として、基材成分、分散体成分およびスキン層成分を圧出部に供給する。前記基材成分は、通常的に分散体が分散された反射偏光子で用いられることならば制限なしに用いられるし、好ましくは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、ヨウ素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを用いることができ、より好ましくは、PENであり得る。
【0087】
前記分散体の成分は、通常的に分散体が分散された反射偏光子で用いられるものであれば制限なく用いることができ、好ましくは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、ヨウ素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを単独または混合して用いることができ、より好ましくは、ジメチル−2、6−ナフタレンジカルボキシレート、ジメチルテレフタレートおよびエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)などの単量体が適切に重合されたco−PENであり得る。
【0088】
前記スキン層の成分は、通常的に用いられる成分を用いることができ、好ましくは、反射偏光子で用いられるものであれば制限なく用いることができ、好ましくは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、ヨウ素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを単独または混合して用いることができ、より好ましくは、ジメチル−2、6−ナフタレンジカルボキシレート、ジメチルテレフタレートおよびエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)などの単量体が適切に重合されたco−PENであり得る。
【0089】
一方、前記基材成分と分散体成分を個別的に独立した圧出部に供給することができ、この場合、圧出部は2つ以上に構成され得る。また、ポリマーが混合されないように、別途の供給路および分配口を含む一つの圧出部に供給するものも本発明に含まれる。前記圧出部は押出機であり得、これは固体相で供給されたポリマーを液相に転換させ得るように加熱手段などをさらに含むことができる。
【0090】
基材成分の内部に分散体成分が配列され得るように、ポリマーの流れ性に差があるように粘度を差があるように設計し、好ましくは、基材成分の流れ性を分散体成分の流れ性より良くする。次に、基材成分と分散体成分がミキシングゾーンとメッシュフィルタゾーンを通過しながら基材内に分散体成分が粘性の差を通じてランダムに配列される。
【0091】
その後、前記製造されたコア層の少なくとも一面を圧出部から移送されたスキン層成分をラミネートすることができる。好ましくは、前記スキン層成分は前記コア層の両面にラミネートすることができる。両面にスキン層がラミネートされる場合、前記スキン層の材質および厚さは互いに同一であるか異なり得る。
【0092】
次に、基材の内部に含まれた分散体成分がランダムに配列されるように、流れ制御部で拡散を誘導する。具体的には、図14は本発明に適用され得る好ましい流れ制御部の一種であるコートハンガーダイの断面図であり、図15はその側面図である。これを通じて基材の拡散の程度を適切に調節して分散体成分の断面積の大きさおよび配列をランダムに調節することができる。図14において、流路を通じて移送されたスキン層がラミネートされた基材がコートハンガーダイで左右に広く拡散するため、内部に含まれた分散体成分も左右に広く拡散される。
【0093】
本発明の好ましい一具現例によれば、流れ制御部で移送された拡散が誘導された偏光子を冷却および平滑化する段階、前記平滑化段階を経た偏光子を延伸する段階;および前記延伸された偏光子を熱固定する段階をさらに含むことができる。
【0094】
まず、流れ制御部で移送された偏光子を冷却および平滑化する段階として、通常の反射偏光子の製造で用いられていた偏光子を冷却してこれを固形化し、その後キャスティングロール工程などを通して平滑化段階を遂行することができる。
【0095】
その後、前記平滑化段階を経た偏光子を延伸する工程を経る。前記延伸は、通常の反射偏光子の延伸工程を通じて遂行することができ、これを通じて基材成分と分散体成分との間の屈折率差を誘発して界面で光変調現象を誘発することができ、前記拡散が誘導された第1成分(分散体成分)は延伸を通じて縦横比がさらに減少される。このために好ましくは、延伸工程は一軸延伸または二軸延伸を遂行することができ、より好ましくは、一軸延伸を遂行することができる。一軸延伸の場合、延伸方向は第1成分の長さ方向に延伸を遂行することができる。また、延伸比は3〜12倍であり得る。一方、等方性材料を複屈折性に変化させる方法は通常的に知られているものであり、例えば適切な温度条件下で延伸させる場合、分散体の分子が配向されて材料が複屈折性に変化され得る。
【0096】
次に、前記延伸された偏光子を熱固定する段階を経て最終的な反射型偏光子を製造することができる。前記熱固定は常法を通じて熱固定することができ、好ましくは、180〜200℃で0.1〜3分の間IRヒーターを通じて遂行され得る。
【0097】
次に、(2)段階として、製造された反射型偏光子(コア層またはスキン層)の少なくとも一面に構造化された表面層を形成する。この時、構造化された表面層の形成をより容易にするために、コア層(またはスキン層)の少なくとも一面にプライマー層をさらに形成することができる。これを通じて構造化された表面層の接着力、外観、電光特性を改善することができる。この材料としては、アクリル、エステル、ウレタンなどを用いることができるがこれに限定されない。プライマー層は他の層に比べて薄く形成され得、プライマー層の厚さを調節して、光透過率を向上させることができ、これとともに反射率を低くすることができる。
【0098】
このようなプライマー層の厚さは5nm〜300nmであり得る。万一、プライマー層の厚さが5nm未満であると、コア層と構造化された表面層との間の接着力が微小となり得、プライマー層の厚さが300nmを超過すると、プライマー処理時のシミや分子の塊が発生する恐れがある。
【0099】
一方、本発明の反射型偏光子は少なくとも一面に構造化された表面層を形成して集光効果を最大化し、表面で乱反射を防止して輝度を顕著に向上させることができる。
【0100】
本発明で適用され得る構造化された表面層は、集光効果を向上させることができる構造として好ましくは、微細パターン層であり得る。この場合、適用され得る微細パターンはプリズム、レンチキュラー、マイクロレンズ、三角錐およびピラミッドパターンで構成される群から選択されるいずれか一つ以上であり得、これらのそれぞれが単独でパターンを形成するか組合わせられて形成され得る。また、単独でパターンが形成される場合にも、パターンが一定であるか、高さ、ピッチなどが異なるように配列され得る。
【0101】
構造化された表面層の材質は好ましくは、熱硬化性または光硬化性アクリル樹脂などを含む高分子樹脂を用いることができる。例えば、プリズムパターンは不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸とその誘導体、メタクリロニトリルのようなビニルシアナイド化合物などを用いることができ、具体的には、ウレタンアクリレート、メタクリリックアクリレート樹脂などを用いることができる。また構造化された表面層は反射型偏光子より屈折率が高い物質で構成され得る。
【0102】
一方、前記微細パターン層はパターン形成用モールドフィルムを通じて製造され得る。パターン形成用モールドフィルムの材質としては、透明で柔軟性があり、所定の引張強度および耐久性があるフィルムを用いることができ、PETフィルムを用いることが好ましい。
【0103】
この場合、本発明の好ましい一具現例によれば、前記(2)段階は、2−1)前記構造化された表面層の逆相のパターンが一面に成形されたマスターロールに反射型偏光子を密着移送させ、前記マスターロールのパターン面または前記コア層面に溶融された高分子樹脂を塗布する段階;および2−2)前記高分子樹脂が前記マスターロールのパターン面上で加圧成形される間、UVまたは熱を照射して前記高分子樹脂をUV硬化させてこれを分離する段階;を含むことができる。
【0104】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によれば、前記2−2)段階の後で再度UVまたは熱を照射して前記高分子樹脂を二次硬化させることができる。
【0105】
具体的には、図16は本発明の好ましい一実施例に係る微細パターン形成工程の概略図であり、図17図16の成形部の細部構造を示した断面図である。図16において、反射型偏光子770はスタートロール755から巻き出されながらガイドロール754を過ぎて赤外線ランプ751を経ることになる。この過程で、前記反射型偏光子770は赤外線ランプの赤外線によって表面が改質されて前記パターン形成層771との付着性が良くなる。スタートロール755を離れた反射型偏光子770は、パターンガイドロール764を経てマスターロール705に引入られる時、注入部742から前記マスターロール705のパターン面にはパターン形成層771の材料、パターン層高分子が塗布されて 反射型偏光子770と合わせられる。この過程で前記レジンは常温で溶融された樹脂であり、前記マスターロール705の下部に置かれた1次UV硬化装置752から照射される1次UV光により1次硬化され得る。この時、前記硬化装置752周辺の温度は20〜30℃であり、前記レジンが硬化されながら発生する熱の温度は40〜80℃であって、前記レジンのガラス転移温度(Tg:高分子樹脂で、固体から液体に完全な相変化を経る前にやわらかいゴムのように変化された特性を現わす温度)付近となり得る。前記ガラス転移状態でマスターロール表面のパターンの形を完全にコピーしたパターン形成層771は、再びパターンガイドロール764を通り過ぎながら反射型偏光子770とパターン形成層771が合体されたパターンが形成された反射型偏光子772に成形され、ガイドロール754を通ってフィニッシュロール756に巻き取られる。
【0106】
図16のように、2回にわたってUVを照射して製作されたターンが形成された反射型偏光子772の断面は、マスターロール705の断面に相反する形態の面であって、例えばマスターロールが陰刻のエングレービング(engraved)面であるとすれば、ターンが形成された反射型偏光子772は陽刻のエンボシング(embossed)面となる。
【0107】
この場合、本発明の好ましい一具現例によれば、前記(2)段階は、a)前記反射型偏光子を移送させる段階;b)前記構造化された表面層の逆相のパターンが一面に成形されたパターン形成用モールドフィルムを移送させる段階;c)前記反射型偏光子の一面と前記パターン形成用モールドフィルムのうち、前記パターンが成形された一面を密着させる段階;d)前記反射型偏光子と前記パターン形成用モールドフィルムが密着される領域で流動性のある材料を注入して前記パターンの間を充填させる段階;e)前記パターンの間に充填された材料を硬化させることによって前記材料を前記反射型偏光子に塗布させる段階;およびf)前記パターン形成用モールドフィルムと前記材料が塗布された前記反射型偏光子を分離する段階を含み、前記a)段階とb)段階は順序に関係なく遂行され得る。
【0108】
好ましくは、前記d)段階と前記e)段階の間に、密着された前記反射型偏光子と前記モールドフィルムに圧力を加えて前記材料を前記パターンの間に均一に充填させる段階をさらに含むことができる。
【0109】
好ましくは、前記e)段階が、前記パターンの間に充填された材料に熱またはUVを照射する段階を含むことができる。
【0110】
具体的には、図18は本発明の好ましい他の具現例に係る微細パターン形成工程の概略図である。まず、第1ロール820に巻き取られた反射型偏光子810はガイドロール830a〜830cにより移送される。この時、パターンモールディング部840の成形モールド842もマスターロール844とパターンガイドロール846a、846bに巻き取られたまま移送/回転する状態となる。この時、マスターロール844はガイドロール830cおよび830dに噛み合わせられているため、反射型偏光子810はガイドロール830cに引きずられて成形モールド842に噛み合わせられることになる。ここで、ガイドロール830cは反射型偏光子810に塗布されるコート液、すなわちパターン層が樹脂印刻された反射型偏光子812のパターン層の厚さを調節するギャップ調節機能を遂行することになる。より具体的には、ガイドロール830cがマスターロール844に密着すると反射型偏光子のパターン層をより薄く形成することができ、反対にガイドロール830cをマスターロールとより離れるようにする場合、反射型偏光子のパターン層をより厚く形成することができる。このような反射型偏光子パターン層の厚さは、ガイドロール830cとマスターロール844の間の間隔の以外にも、コート液の粘度、パターニングの速度および反射型偏光子の張力などによって調節可能である。
【0111】
一方、反射型偏光子810が、ガイドロール830cとマスターロール844噛み合わせられた地点には、コート液注入手段860によりコート液が注入されて成形モールド842のパターンの間に入っていき充填され、ガイドロール830cとマスターロール844の間の圧力によって均一に分布されてパターンが成形される。パターンの間に分布されたコート液は硬化手段870から放出される熱またはUVによって硬化される。パターン成形されたコート液が硬化および塗布された反射型偏光子は、ガイドロール830dに引きずられながら成形モールド842と分離され、パターンが形成された反射型偏光子812はガイドロール830eにより移送されて第2ロール850に巻き取られることになる。ここで、ガイドロール830dはコート液が塗布された、すなわちパターン層が形成された反射型偏光子812を成形モールド842と分離させる剥離機能を遂行することになる。
【0112】
前記において、反射型偏光子810とパターン層が形成された反射型偏光子812は互いに連結された状態であって、説明の便宜上名称を分類したのである。すなわち、反射型偏光子810はパターンが形成される以前の状態を意味し、パターン層が形成された反射型偏光子812はパターンモールディング部840を通過してパターン成形されたコート液が反射型偏光子に塗布されて完成された状態を意味する。また、図18ではパターン層が形成された反射型偏光子812に形成されたパターン層の一部だけを図示しているが、実際には第2ロール850に巻き取られた反射型偏光子もパターン層が形成された状態となる。
【0113】
図19は本発明の好ましい他の具現例に係る微細パターン形成工程の概略図である。具体的には、成形モールド942を反射型偏光子910の長さだけロールタイプに形成することによって、パターン層が形成された反射型偏光子912に継ぎ目が無いようにした実施例である。
【0114】
本発明に係る光学部材製造装置の第2実施例も反射型偏光子910が巻き取られている第1ロール920とパターン層が形成された反射型偏光子912が巻き取られる第2ロール950が両側に具備され、反射型偏光子およびパターン層が形成された反射型偏光子を移送させるガイドロール930a〜930fが第1ロール920と第2ロール950の間に具備される。また、ガイドロール930cとガイドロール930dの間には反射型偏光子910にパターン成形されたコート液を塗布するために、パターンモールディング部940のマスターロール946が密着される。ここで、ガイドロール930a〜930fの個数と位置などは実施状態により変更可能であることは言うまでもない。パターンモールディング部940はパターンの形状が具現されたフィルム状の成形モールド942、成形モールドが巻き取られている第3ロール944、注入されるコート液を成形モールドに圧着させて成形モールドのパターンの通りにコート液をパターン成形し、これを反射型偏光子910に塗布させるマスターロール946、成形モールドを移送させるパターンガイドロール947a〜947dおよび移送された成形モールドが巻き取られる第4ロール948からなる。パターンガイドロール947a〜947dの個数と位置などは実施状態により変更できるということは言うまでもない。
【0115】
前記成形モールド942は、図18の実施例とは違って第3ロール944に巻き取られたままマスターロール946およびガイドロール947a〜947dにより移送されながら反射型偏光子910にコート液からなるパターンを成形した後、第4ロール948に巻き取られることになる。この時、成形モールド942は反射型偏光子910と同じ長さで形成することが好ましく、これを通じてパターン層が形成された反射型偏光子912に継ぎ目によるパターン不良やパターンが切れることなく、全領域にわたってパターンが均一に形成される。図19では成形モールドのパターン層に具現されたパターンを一部だけ図示しているが、実際の実施においては、成形モールド全体にかけてパターンが具現される。
【0116】
反射型偏光子910がパターンモールディング部940に引入られる地点、すなわちガイドロール930cとマスターロール946が密着される地点にはコート液を注入するためのコート液注入手段960が具備され、反射型偏光子と成形モールド942が密着移動する地点には熱またはUVを照射してコート液を硬化させるための硬化手段970が具備される。
【0117】
具体的には、図20は本発明の反射型偏光子を採用した液晶表示装置の一例であって、フレーム270上に反射板280が挿入され、前記反射板280の表面に冷陰極蛍光ランプ290が位置する。前記冷陰極蛍光ランプ290の表面に光学フィルム320が位置し、前記光学フィルム320は拡散板321、光拡散フィルム322、プリズムフィルム323、反射型偏光子324および吸収偏光フィルム325の順で積層されるが、前記積層順序は目的により変更されたり、一部構成要素が省略されたり、複数個で具備され得る。例えば、拡散板321、光拡散フィルム322やプリズムフィルム323などは全体の構成から除外することもあり、順序が変更されるか他の位置に形成されることもある。さらに、位相差フィルム(図示されず)なども液晶表示装置内の適切な位置に挿入され得る。一方、前記光学フィルム320の表面に液晶表示パネル310がモールドフレーム300に挿入されて位置することができる。
【0118】
光の経路を中心に詳察すれば、冷陰極蛍光ランプ290から照射された光が光学フィルム320中の拡散板321に到達する。前記拡散板321を通じて伝達された光は、光の進行方向を光学フィルム320に対し垂直で進行させるために光拡散フィルム322を通過することになる。前記光拡散フィルム322を通過したフィルムはプリズムフィルム323を経た後、反射型偏光子324に到達して光変調が発生することになる。具体的には、P波は反射型偏光子324を損失なく透過するが、S波の場合、光変調(反射、散乱、屈折など)が発生して再び冷陰極蛍光ランプ290の裏面である反射板280により反射され、その光の性質がP波またはS波にランダムに変わった後、再び反射型偏光子324を通過することになるのである。その後、吸収偏光フィルム325を過ぎた後、液晶表示パネル310に到達することになる。つまり、前述した原理によって本発明の反射型偏光子を液晶表示装置に挿入させて使う場合、通常の反射型偏光子と比べて飛躍的な輝度の向上を期待することができる。一方、前記冷陰極蛍光ランプ290はLEDで代替することができる。
【0119】
一方、本発明では反射型偏光子の用途を液晶ディスプレイを中心に説明したがこれに限定されるものではなく、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、電界放出ディスプレイおよび電界発光ディスプレイなど、フラットパネルディスプレイ技術に広く用いることができる。
発明の実施のための形態
【0120】
以下、本発明を実施例および実験例によって詳細に説明する。下記の実施例および実験例は本発明を例示するたけのものに過ぎず、本発明の範囲は下記の実施例および実験例に限定されるものではない。
<実施例1>
【0121】
分散体成分として屈折率が1.65であるポリエチレンナフタレート(PEN)と、基材成分としてポリカーボネート60重量%にテレフタレートとエチルグリコールとシクロヘキサンジメタノール1:2モル比で重合反応したポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%を含んだ原料をそれぞれ第1圧出部および第2圧出部に投入した。スキン層成分として、ポリカーボネート60重量%にテレフタレートとエチルグリコールとシクロヘキサンジメタノール1:2モル比で重合反応したポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%を第3圧出部に投入した。
【0122】
基材成分と分散体成分の圧出温度は245℃とし、Cap.Rheometer確認してI.V.調整を通じてポリマー流れを補正し、Filteration Mixerが適用された流路を通過して基材の内部に分散体がランダム分散されるように誘導し、その後基材層成分の両面にスキン層成分をラミネートした。ポリマーを流速および圧力勾配を補正する図14、15のコートハンガーダイで拡散を誘導した。具体的には、ダイ入口の幅は200mmであり、厚さは10mm、ダイ出口の幅は1,260mm、厚さは2.5mm、流速は1.0m/minである。その後、冷却およびキャスティングロールで平滑化工程を遂行し、MD方向に6倍延伸した。引き続き、180℃で2分の間ヒーターチャンバーを通じて熱固定を遂行して厚さが120μmである(Skin層を含む厚さは300μm)、表1のようなランダム分散型偏光子を製造した。製造された反射型偏光子のポリエチレンナフタレート(PEN)成分の屈折率は(nx:1.88、ny:1.58、nz:1.58)であり、ポリカーボネート60重量%にテレフタレートとエチルグリコールとシクロヘキサンジメタノール1:2モル比で重合反応したポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%の屈折率は1.58であった。コア層の厚さは120μmであり、スキン層の厚さは上下面それぞれ90μmである。
【0123】
その後、製造された反射型偏光子を図19のような工程を経て屈折率が1.59であるウレタンアクリル系プリズムパターン層が形成された反射型偏光子を製造した。プリズムパターンで高さは20μm、ピッチは40μmであった。
<実施例2〜5および比較例1〜2>
【0124】
下記の表1の条件を除いては実施例1と同一に実施してランダム分散型反射偏光子を製造した。
<実験例>
【0125】
前記実施例1〜5および比較例1〜2を通じて製造された反射型偏光子について、次のような物性を評価し、その結果を表1に示した。
【0126】
1.相対輝度
前記製造された反射型偏光子の輝度を測定するために下記のように遂行した。拡散板、反射型偏光子が具備された32”直下型バックライトユニットの上にパネルを組み立てた後、トプコン社のBM−7測定機を利用して9つの地点の輝度を測定して平均値を示した。
相対輝度は実施例1の反射型偏光子の輝度を100(基準)とした時、他の実施例および比較例の輝度の相対値を示したものである。
【0127】
2.輝線現象
反射型偏光子、拡散板、拡散シート、プリズムシート、輝度強化フィルムが具備された32”直下型バックライトユニットの上にパネルを組み立てた後、輝線現象を評価した。具体的には、輝線現象の評価は目視で輝線を観察し、輝線の個数が0個:非常に良好、1個:良好、2〜3個:普通、4〜5個以上:不良と評価した。
【0128】
【表1】
【0129】
前記表1で縦横比は全体分散体の個数のうち、縦横比が1/2以下である分散体の個数を%で示し、1グループ、2グループ、3グループは縦横比が1/2以下である分散体のうち、本発明の1グループ、2グループおよび3グループの断面積範囲に属する分散体の個数を%で示し、1/3グループは1グループ個数/3グループ個数を%で示した。
【0130】
表1からわかるように、本発明の範囲を満足する実施例1〜5は、これを満足しない比較例1、2に比べて輝度、偏光度および輝線現象がすべて優秀であった。一方、本発明の1/3グループの範囲に属する実施例1は、これを満足しない実施例2〜4に比べて優秀な光学物性を示した。さらに1グループの含有量が範囲殻外れる実施例5に比べて実施例1の光学物性が非常に優秀であった。
【0131】
本発明の反射型偏光子は光変調性能が優秀であるため、光変調が要求される分野において幅広く使用可能である。具体的には、モバイルディスプレイ、LCD、LEDなど、高輝度が要求される液晶表示装置、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、電界放出ディスプレイおよび電界発光ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ技術に広く用いることができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図16
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図18
図19
図20