特許第6219942号(P6219942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社の特許一覧
特許6219942心電図におけるリアルタイムQRS期間測定
<>
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000003
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000004
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000005
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000006
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000007
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000008
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000009
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000010
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000011
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000012
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000013
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000014
  • 特許6219942-心電図におけるリアルタイムQRS期間測定 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6219942
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】心電図におけるリアルタイムQRS期間測定
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/04 20060101AFI20171016BHJP
   A61B 5/0472 20060101ALI20171016BHJP
   A61B 5/0404 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   A61B5/04ZDM
   A61B5/04 312Q
   A61B5/04 310H
【請求項の数】17
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-518433(P2015-518433)
(86)(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公表番号】特表2015-536690(P2015-536690A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013044892
(87)【国際公開番号】WO2013191932
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年6月7日
(31)【優先権主張番号】13/548,175
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12290201.8
(32)【優先日】2012年6月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ヴァシレ ゾイカ
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0190648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/04 − 5/0472
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯デバイスにおいてECGデータを処理するための方法であって、
PQRSTパターンサイクルを含むフィルタリングされたECGデータサンプルのストリームを前記携帯デバイスによって受け取ることと、
前記フィルタリングされたECGデータにおけるPQRSTパターンのR点を求めることと、
前記R点を囲む前記フィルタリングされたECGデータからサンプルの一部を選択することと、
前記携帯デバイスによって実行されるアプリケーションプログラムを用いてサンプルの前記選択された一部を処理することによって前記PQRSTパターンのQRS期間を導出することと、
を含み、
前記QRS期間を導出することが、
基線に対してサンプルの前記一部を正規化することと、
サンプルのノイズが低減された部分を形成するためにサンプルの前記正規化された部分に非線形関数を適用することと、
サンプルの前記ノイズが低減された部分の1次導関数を取ることによってサンプルの前記正規化された部分上の増加変曲点と減少変曲点とを求めることと、
サンプルの前記正規化された部分の最大のサンプルと前記増加変曲点とから第1の直線関数を生成することと、
サンプルの前記正規化された部分の前記最大のサンプルと前記減少変曲点とから第2の直線関数を生成することと、
前記基線と前記第1の直線関数の交点と、前記基線と前記第2の直線関数の交点との間の時間差から前記QRS期間を導出することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記QRS期間を導出することが、前記第1及び第2の直線関数を生成するために、サンプルの前記ノイズが低減された部分の1次導関数の最大値と最小値とをサンプルの前記正規化された部分上の振幅に投影することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記非線形関数が、サンプルの前記正規化された部分の各サンプルxに対してxである、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法あって、
前記QRS期間を導出することが、前記QRS期間をスケーリングファクタZによってスケーリングすることを更に含み、ZがNの関数である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記QRS期間を導出することが、サンプルの前記一部を正規化する前にサンプルの前記一部のM倍補間を実施することを更に含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記サンプルの一部を選択することが、前記PQRSTパターンサイクルのサイクル時間の半分より短い時間にわたって前記R点の周りのサンプルのシーケンスを選択することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記サンプルの一部を選択することが、前記R点の周りの300ミリ秒以下のウィンドウからサンプルのシーケンスを選択することを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
所与のPQRSTパターンについて前記QRS期間を導出することが、そのPQRSTパターンについてのサンプルの前記選択された部分のみを処理することによって行われる、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記QRS期間が閾値を超えるときに前記携帯デバイスのユーザインターフェースを介してアラートを提供することを更に含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記携帯デバイスに結合されるアナログフロントエンドによって、PQRSTパターンサイクルを含むロー(raw)ECGデータサンプルのストリームを受け取ることと、
前記フィルタリングされたECGデータを形成するために前記ローECGデータをフィルタリングすることによって基線ばらつきを最小限にすることと、
を更に含む方法。
【請求項11】
1本又は複数本のリードからECGデータを収集するように構成され、アナログの前記ECGデータをデジタルECGデータに変換するよう動作し得るアナログフロントエンドモジュールと、
前記デジタルECGデータを受け取るように結合される携帯デバイスと、
を含むシステムであって、
前記アナログフロントエンドが、
PQRSTパターンサイクルを含むローECGデータサンプルのストリームを受け取り、
基線ばらつきを最小限にするためにフィルタリングされたECGデータを形成するために前記ローECGデータをフィルタリングする、
ように動作可能であり、
前記携帯デバイスが、
前記フィルタリングされたECGデータにおけるPQRSTパターンのR点を求め、
前記R点を囲む前記フィルタリングされたECGデータからサンプルの一部を選択し、
サンプルの前記選択された一部を処理することによって前記PQRSTパターンのQRS期間を導出する、
ように構成され、
前記携帯デバイスが、或る方法を実施するアプリケーションプログラムを実行することによってQRS期間を導出するように構成され、
前記方法が、
基線に対してサンプルの前記一部を正規化することと、
サンプルのノイズが低減された部分を形成するためにサンプルの前記正規化された部分に非線形関数を適用することと、
サンプルの前記ノイズが低減された部分の1次導関数を取ることによってサンプルの前記正規化された部分上の増加変曲点と減少変曲点とを求めることと、
サンプルの前記正規化された部分の最大のサンプルと前記増加変曲点とから第1の直線関数を生成することと、
サンプルの前記正規化された部分の前記最大のサンプルと前記減少変曲点とから第2の直線関数を生成することと、
前記基線と前記第1の直線関数の交点と、前記基線と前記第2の直線関数の交点との間の時間差から前記QRS期間を導出することと、
を含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記方法が、前記第1及び第2の直線関数を生成するために、サンプルの前記ノイズが低減された部分の1次導関数の最大値と最小値とをサンプルの前記正規化された部分上の振幅に投影することを更に含む、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、
前記非線形関数が、サンプルの前記正規化された部分の各サンプルxに対してxであり、
前記QRS期間を導出することが、前記QRS期間をスケーリングファクタZによってスケーリングすることを更に含み、ZがNの関数である、システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、
前記QRS期間を導出することが、サンプルの前記一部を正規化する前にサンプルの前記一部のM倍補間を実施することを更に含む、システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、
前記サンプルの一部を選択することが、前記PQRSTパターンサイクルのサイクル時間の半分より短い時間にわたって前記R点の周りのサンプルのシーケンスを選択することを含む、システム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムであって、
前記QRS期間が閾値を超えるときに前記携帯デバイスのユーザインターフェースを介してアラートを提供することを更に含む、システム。
【請求項17】
請求項11に記載のシステムであって、
前記携帯デバイスがスマートフォンである、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して心電図信号の解析に関し、特にこの目的に低コストコンシューマデバイスを用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
心電図検査は、或る時間期間にわたる心臓の電気的活動の経胸を介する(胸郭又は胸部を介する)分析であり、この電気的活動は、皮膚の外表面に取り付けられる電極によって検出され、体外デバイスによって記録される。この非侵襲手順によって生成される記録は心電図と呼ばれる(ECG又はEKGとも呼ばれる)。心電図(ECG)は、心臓の電気的活動を記録する検査である。
【0003】
ECGは、心臓鼓動の速さ及び規則正しさ、並びに心室の大きさ及び位置、心臓に何らかの損傷が存在するか、心臓を調節するために用いられる薬物又は例えばペースメーカなどのデバイスの影響を測定するために用いられる。
【0004】
ECGデバイスは、各心臓鼓動の間心筋が脱分極する際に生じる皮膚上の微小な電気的変化を検出し増幅する。静止時、各心筋細胞は、その外壁(又は細胞膜)にわたって負の電荷(膜電位)を有する。この負の電荷をゼロに向かって増加させること(Na+及びCa++の正イオンの流入による)を脱分極と呼ぶ。脱分極により細胞内の機構が活性化されて、細胞を収縮させる。各心臓鼓動の間、健常な心臓であれば、洞房結節内の細胞によって誘発され、心房を通って拡がり、「固有伝導経路」を通過して、心室全体に拡がる、脱分極の波が規則的に進行する。これは、心臓の両側に配される2つの電極間の電圧の微小な増減として検出され、スクリーン又は紙の上に波状の線として表示される。この表示は、心臓の全体的なリズム及び心筋の異なる部分における弱いところを示す。
【0005】
通常、2つよりも多い電極が用いられ、電極は多数の対に組み合わされ得る。例えば、左腕(LA)、右腕(RA)、及び左足(LL)の電極により、LA+RA、LA+LL、RA+LLの3対が形成される。各対からの出力はリードとして知られている。各リードは、異なる角度から心臓を見ていると言える。記録されるリードの数によって異なるタイプのECGを表すことができ、例えば、3リード、5リード、又は12リードECGと呼ぶ(単に「12リード」と呼ぶこともある)。12リードECGは、12個の異なる電気信号がほぼ同時に記録され、従来は紙コピーとして印刷されるECGの単発記録としてしばしば用いられるECGである。3リード及び5リードECGは、大抵、連続的にモニタリングされ、適切なモニタリングデバイスのスクリーン上でのみ、例えば手術中又は救急車で搬送中に、観察される傾向がある。3リード又は5リードECGの恒久的な記録は、用いられる機器に応じて、存在することもあるし、存在しないこともある。
【0006】
幾つかの研究により、約120ミリ秒よりも長いQRS期間が、病理上の兆候であり、様々な心筋疾患に相関することが多いことが示されている。QRS群(心室性脱分極)の期間を正確に測定することは難しい課題であり、特にノイズの多いECGではそうである。典型的に、臨床医は、印刷された紙ECG又はモニタスクリーン上でQRS期間を手作業で測定する。臨床医は、このような解析のためのコンピュータベースのソフトウェア(SW)を用いるが、このソフトウェアは期間をリアルタイムで測定しない。ECGは、まず記録され、次いで、専用のECG解析ツール(例えば、ゼネラルエレクトリック社のMAC1600 Marquette 12SL ECG解析プログラム)を用いて後処理される。
【0007】
QRS期間を測定するための別のシステムは、非侵襲的であり、ペースメーカのためのものである。別のシステムは、QRS波に存在する高周波成分を用いるが、このシステムは、幾つかの鼓動を平均化する必要があるので、厳密にはリアルタイムで動作しない。
【発明の概要】
【0008】
一般に、2タイプの既存の心臓モニタがある。1)フィットネス携帯モニタ、これは能力が限定されており、例えば、心拍数しか測定できず、ECG波形は測定できず、事前アラートもなく、QRS検出器性能が劣っているもの、2)医療グレードモニタ、これは携帯用とは必ずしも言えないが、高性能であり、事前アラートを発するもの。ECG、EMG(筋電図)、EEG(脳波図)などの医療グレード機器のコストは依然として消費者には手が出ないものである。既存のソリューションの中には高性能を示すものもあるが、リアルタイムではない。他に、フィットネス心拍数モニタなどの、携帯できるリアルタイムのものもあるが、性能が劣っている。医療グレード機器は、妥当な性能を有し、概してリアルタイムで動作するが、携帯機器として用いるには十分に小型化されておらず、価格が高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】携帯ECGシステムにおける本発明の実施形態を示すブロック図である。
【0010】
図2図1の携帯ECGシステムによって解析されるECGグラフである。
図3図1の携帯ECGシステムによって解析されるECGグラフである。
【0011】
図4図1のECGシステムによって実装されるリアルタイムECGフィルタの概略図である。
【0012】
図5】QRS期間を求めるためのプロセスを示す図である。
【0013】
図6図5のプロセスの図式表現を示すグラフである。
【0014】
図7】病理学的QRS形状に対するQRS期間結果を示す。
図8】病理学的QRS形状に対するQRS期間結果を示す。
【0015】
図9】ECGシステムによるECG解析の動作を示すフローチャートである。
【0016】
図10】携帯コンシューマデバイス上に表示されているECGを示す
【0017】
図11】携帯ハンドセットを利用する携帯ECGシステムの別の実施形態を示す。
【0018】
図12】携帯ECGシステムの他の実施形態を示す。
図13】携帯ECGシステムの他の実施形態を示す。
【0019】
本実施形態の他の特徴は、添付の図面及び下記の詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
QRS期間とQRS波形に存在する増減変曲点との間に関連があることが実験的にわかっている。変曲点は1次導関数を用いて検出され得、直線方程式を用いて、正規化QRS波の基線を表すx軸を横切らせ得る。次いで、QRS期間が、各QRS波パターンについて、直線方程式のx軸交点に基づいて計算され得る。これにより解がノイズにほとんど影響されなくなり、したがって鼓動間で平均を取る必要がなくなる。その結果、どの単一の鼓動の期間も正確にリアルタイムで測定され得る。
【0021】
例示実施形態は、ECGモニタリングの間どの単一の心臓鼓動のQRS期間も正確にリアルタイムで測定するシステムを提供する。実施形態は、ノイズの多い環境でも良好に動作し得、したがって、歩行中のモニタリングやフィットネスアクティビティ中に用いられ得、リアルタイム事前アラートが生成され得る。例えば、アラートは、連続運動の間1つ又は複数の心臓鼓動に対しQRS期間が120ミリ秒よりも長い場合に生成され得る。
【0022】
実施形態は、様々なタイプのECGで、正常及び異常PQRST形状のいずれについても、極めて良好なQRS確度の測定を提供する。
【0023】
実施形態は、例えば、オープンOS(オペレーティングシステム)アプリケーションフレームワークを用いるモニタリング応用例に容易に組み込まれ得る。
【0024】
ECG信号の測定は、DCオフセット及び様々な干渉信号が存在するために、難しい課題である。この電位は、典型的な電極の場合、最大で300mVになり得る。干渉信号は、電源からの50/60Hz干渉、患者が動くことによる動きアーチファクト、電気手術機器からの無線周波数干渉、除細動パルス、ペースメーカパルス、他のモニタリング機器などを含む。本発明の実施形態により、心臓異常のリアルタイム処理及び解析が高検出性能で可能になり、それによって、例えば、身体の動き、摩擦、又は電極の変形、被検者の健康状態などによって生じ得る状態悪化の場合に、リアルタイム事前アラートの生成が可能になる。
【0025】
実施形態は、低コスト携帯ヘルスECGモニタリングデバイスにおいて提供され得る。例えば、実施形態は、スマートフォンハンドセット、情報携帯端末(PDA)、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パーソナルコンピュータなどに実装され得る。これらのデバイスは、個人的なフィードバック及び情報用として用いられ得、遠隔医療用の一般消費者医療マーケットをサポートするために携帯電話ネットワーク又は他のワイヤレスネットワークを介して接続することもできる。他の実施形態が、例えば、医院又は病院で用いられる医療グレード機器に実装され得る。
【0026】
或る実施形態は、ECG信号を受信及びフィルタリングし得、本明細書で簡単に説明するQRS検出を実施し得る。QRS検出は、米国特許出願番号13/434,725、発明の名称「適応IIRフィルタされた閾値に基づくリアルタイムQRSアルゴリズム」において詳細に説明されており、この米国特許出願を参照により本明細書に組み込む。この実施形態は、IIR(無限インパルス応答)フィルタを介して適応フィルタ閾値に結合される幾つかのカスケード接続フィルタを用いる。IIRフィルタのカットオフ周波数は、元の信号からのノイズレベルに対数スケールでリアルタイムに適応される。ただし、本発明の他の実施形態では、本明細書で説明されるQRS期間測定を、他の既知の技術又は今後開発される技術を用いてフィルタリング及び正規化されるECG信号に対して実施し得る。
【0027】
図1は、携帯ECGシステム100における一実施形態を示す。アナログフロントエンドセクション110が、モニタリング対象である対象130に結合されるリード120のセットに結合される。モニタリングされる対象130は、通常、人間であるが、本発明の実施形態は、例えば、動物、鳥、又は爬虫類などの他のタイプの対象をモニタリングするために用いられ得る。モニタリングリード120は、対象130の様々な箇所に取り付けられる複数のリードを含む。ECGモニタリングには、典型的に、3本、5本、7本、又は12本のリードが用いられるが、本発明の実施形態はいかなる特定のリード数にも限定されない。
【0028】
アナログフロントエンドセクション110は、リード120のセットから様々な信号を選択するためのマルチプレクサ111、各入力に対するEMI(電磁干渉)及びローパスフィルタリング、並びにハイパスフィルタリングを含み得るデルタ・シグマ・アナログ・デジタル・コンバータ112を含み得る。右足駆動(RLD)信号113が、選択される1つ又は複数の入力信号の組合せから導出され得る。
【0029】
標準のモニタリングは、典型的に、0.05〜30Hzの信号周波数を必要とする。診断用モニタリングは、0.05〜1000Hzの周波数を必要とする。50Hz/60Hz共通モード干渉には、両方の入力に共通のACラインノイズを除去するハイ入力インピーダンス計数アンプ(INA)でキャンセルされ得るものもある。ラインパワーノイズをさらに取り除くために、信号が反転され得、アンプによって駆動されて右足を介して患者に戻され得る。有意なCMR改善を実現し、UL544制限内に留めるには、数マイクロアンペア以下あればよい。また、50/60Hzデジタルノッチフィルタを用いて、この干渉をさらに減衰させてもよい。
【0030】
アナログセクション110は、ADS1294/6/8/4R/6R/8Rなどの単一の集積回路に実装され得る。ADS1294/6/8/4R/6R/8Rは、プログラマブルゲインアンプ(PGA)、内部基準、及びオンボード発振器が内蔵された、マルチチャネル、同時サンプリング、24ビットのデルタ・シグマ・アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)のファミリである。ADS1294/6/8/4R/6R/8Rは、医療用心電図(ECG)及び脳波図(EEG)の応用例で通常必要とされる特徴をすべて組み込んでいる。ADS129xデバイスは、テキサス・インスツルメンツ社から入手可能な、2012年1月に改訂されたデータシートSBAS459Iにおいてより詳細に説明されている。このデータシートを参照により本明細書に組み込む。
【0031】
低分解能(16ビット)ADCが用いられる場合、必要な分解能を実現するために、信号は大きく(典型的には100倍〜200倍)増幅される必要がある。高分解能(24ビット)シグマデルタADCが用いられる場合、適度の利得、例えば0〜5倍、が信号に必要とされる。したがって、DCオフセットを除去するために必要とされる第2の利得段及び回路要素が取り除かれ得る。これにより、面積及びコストが全体的に低減される。デルタシグマ手法では、信号の全周波数成分が保持され、デジタル後処理に関して極めて大きな柔軟性が与えられる。
【0032】
信号処理セクション140が、アナログセクション110からデジタルECGデータ150のストリームを受け取るように結合される。デジタル信号プロセッサ(DSP)141が、様々な信号処理アルゴリズムを定義する命令を格納し得る不揮発性メモリ144に結合される。様々な信号処理アルゴリズムを実施する一方でのデータの格納のためランダムアクセスメモリ(RAM)143がDSP141によって用いられる。ディスプレイドライバ142は、例えば、液晶スクリーン(LCD)或いは現在既知の又は今後開発される任意の他のディスプレイデバイスとし得るディスプレイデバイス145に表示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を管理するマイクロコントロールユニット(MCU)とし得る。DSP141及びMCU142は、例えば、テキサス・インスツルメンツ社から入手可能なOMAP(登録商標)プロセッサデバイスなどの単一のICに実装され得る。他の実施形態が、現在既知の又は今後開発されるプロセッサ又は信号プロセッサの他の実装形態を用い得る。例えば、様々なタイプのシステムオンチップ(SoC)ICが、例えば、2〜16個又はそれよりも多いDSPコアを含み得る。
【0033】
処理されたECG信号をさらなる評価のため別のシステムに転送するためのUSB(ユニバーサルシリアルバス)、RS232、又は他のタイプの有線インターフェースをサポートする1つ又は複数の有線インターフェース146が提供され得る。処理されたECG信号をさらなる評価のため別のシステムに転送するためのZigBee、ブルートゥース、又は他のタイプのワイヤレスインターフェースをサポートする1つ又は複数のワイヤレスインターフェース147が提供され得る。さらに、処理されたECG信号を、例えば、携帯電話又はデータネットワークを介して遠隔システムに送るためのワイヤレスインターフェース147も提供され得る。
【0034】
アナログシステム110及びDSPシステム140のためのパワー及び温度制御を提供するために、パワーマネジメントロジック102、クロック、温度感知ロジック、及びファン制御ロジックがECGシステム100内に含められてもよい。
【0035】
信号処理セクション140内に含まれる構成要素の大部分又は全部が、現在、必要とされる信号処理を提供するようにプログラムされ得るスマートフォンなどの携帯ハンドセット内で利用可能であることに留意されたい。以前は、ECG、EMG、EEG機器のコストは、コンシューマタイプのデバイスには高価に過ぎた。下記でより詳細に説明するように、ECG処理を実施するようにスマートフォンがプログラムされれば、アナログフロントエンドセクション110をスマートフォンに結合することによって、コスト効果の高い医療用モニタリングデバイスが提供され得る。
【0036】
図2は、典型的な心臓鼓動サイクルを示すグラフ200である。他の生体医療信号と同様に、ECGは非静止プロセスと考えられる。その平均値及びその標準偏差は時間とともに変化する。しかし、ECGは、PQRSTパターンと称する準決定論的パターンと解釈され得る有用な情報を含む。各心臓鼓動の間、健常な心臓であれば、洞房結節内の細胞によって誘発され、心房を通って拡がり、「固有伝導経路」を通過して、心室全体に拡がる、脱分極の波が規則的に進行する。正常なECG(EKG)は、P波、QRS群、及びT波で構成される。P波は心房性脱分極を表し、QRSは心室性脱分極を表す。T波は心室の速い再分極の位相を反映する。
【0037】
図3は、約50秒の期間にわたって、図1のアナログセクション110から受け取ったロー(raw)ECGデータ150のシーケンスを示すグラフ300である。この実施形態では、アナログ・デジタル(ADC)コード値は24ビットコンバータに基づいている。他の実施形態では、異なるADCコンバータ精度に基づく異なる値が用いられ得る。ノイズ、アーチファクト、体内の他の筋肉からのEMG(筋電図)干渉、呼吸、パワーラインからの60Hz干渉などにより、ECGの単純な解析が難しくなる。PQRST情報を保持するために、約3Hz〜30Hzの帯域の提供が必要とされる。幾つかの実施形態では、約1000Hzまでの帯域を用いることにより正確さが増し得る。
【0038】
図4は、図1のECGシステムによって実装されるリアルタイムECGフィルタ400の概略図である。各QRS波を堅固に検出することは、ECGシーケンスのさらなるデジタル処理にとって重要である。検出器は、信号雑音比(SNR)が悪化した場合でも機能しなければならない。この実施形態では、ECGフィルタは、セクション1 410のバンドパスフィルタ、セクション2 420のバンドパスフィルタ、及びセクション3 430のQRS検出器の3つの部分に区分される。図1を再度参照して、ローECG150のストリームがアナログフロントエンドセクション110から受け取られる。典型的に、このローECGは、図3に関して説明したように、干渉及び歪を含む。本明細書で説明するリアルタイムECGフィルタの実施形態を、各々30分間の、ファイルベースの48個の記録を含むMIT−BIHデータベースに対して試験した。これは、QRS検出アルゴリズムを試験するために広く用いられている基準ベンチマークである。本明細書で説明する実施形態では、99.7%の感度及び99.9%の正しい予測精度が得られた。これらは、より複雑な非リアルタイムアルゴリズムを用いる医療グレード機器と同等である。
【0039】
セクション2 420は、心臓専門医の解釈に供されるバンドパスフィルタリングされたECGを提供することを意図している。この実施形態では、250Hzのサンプリング周波数を用いてアナログフロントエンド110によってローデータECGが記録される。別の実施形態では、サンプリング周波数をより高く又は低くし得る。ECGローデータは、すべての高周波成分が除去されるようにメジアンフィルタ(P点)422を用いて非線形にフィルタリングされ、次いで、残りのメジアンフィルタノイズを除去するためローパスフィルタLP1 423を介して搬送される。同じECGローデータがP個のサンプルによって遅延され424、その値からLP1フィルタ423の出力が減算されて425、ECGの基線ばらつきが抑制される。メジアンフィルタ422、LP1フィルタ423、及び元の遅延信号からの減算425の組合せはハイパスフィルタリングと等価である。ローパスフィルタLP2 426は、33Hzのカットオフ周波数を有する5次フィルタであり、セクション3 430からの結果と整合するように遅延された427、フィルタリングされたECG信号Hを生成する。出力信号Hは心臓専門医の解釈に供される。フィルタリングされたECG信号Hの例が450に示されている。Pに適切な値を用いることによって、全PQRST波が保持され、歪められない。典型的に、Pの値は、例えばP=Fs/2となるように選択され得る。
【0040】
セクション1 410は、鼓動検出器430に対してECG信号を準備することを意図している。セクション1 410は、メジアンフィルタ412が(N)のポイント値を有するように変更されていることを除き、セクション2と同じである。Nに適切な値を選択することによって、この部分で、基線ばらつき、P波、及びT波も抑制され得、信号のQRS部分のみが信号B444としてさらなる処理のために保持されるようになる。典型的に、Nの値は、例えば、N=Fs/10となるように選択され得る。
【0041】
セクション3 430はQRS検出器自体を表す。QRS波の高周波成分を増幅するために、信号Bは2度二乗されて431信号C1が生成される。信号C1から、3つの閾値信号が下記のように導出される。信号C1は、信号C2が形成されるように非線形にスケーリングされる。式(1)によって示されるように、信号C2の各サンプルkが、底が10の対数として生成され、Q個のサンプルによって遅延される432。
C2=log10(C1) (1)
【0042】
第1の閾値信号が信号Dである。式(2)に示すように、信号Dの各サンプルkが、信号C1上のM点スライドウィンドウを用いる移動最大点433を用いて生成され、底が10の対数とされ、Q−M個のサンプルによって遅延される。そのため、信号Dは信号C1のピーク値を表す。
=log10(max(C(k)...C(k+M))) (2)
【0043】
第2の閾値信号が信号Eである。式(3)に示すように、信号Eの各サンプルkが、信号C1上のT点スライドウィンドウを用いる移動平均434を用いて生成され、底が10の対数とされ、Q−T個のサンプルによって遅延される。そのため、信号Eはウィンドウ範囲にわたる信号C1の平均値を表す。
【数1】
【0044】
第3の閾値信号が信号Gである。信号Gの各サンプルkが、式(4)に示すように、信号Eの各サンプルkが、信号C1上のQ点スライドウィンドウを用いる移動最大点を用いて得られる。
=(max(C(k)...C(k+Q))) (4)
【0045】
信号Gは、式(5)に従った伝達関数を有するフィルタLP3 436を通される。
H(z)=(b+b・z−1)/(1+a・z−1) (5)
ここで、係数a1、b0、b1は、式(6)に従って、信号Dと信号Eとの差の関数として動的に計算される。
=s・(D−E) (6)
ここで、sはスケーリング定数である。次いで、係数a0、a1、b0、b1が準線形回帰から得られる。
【0046】
a1、b0、b1を、Matlab、Octaveなどの環境で利用可能な既知の方法を用いて(Fc=[1〜10Hz]で反復的に)計算した。例えば、関数[B,A]=BUTTER(N,Wn)が、入力N=次数及びWn=2*pi*Fc/サンプリング周波数を用いることにより、[B,A]ベクトル内のb0及びb1及びa0を戻す。この基礎となるアルゴリズムは下記である。
− カットオフ周波数Fc及びフィルタ次数を選択する(Fc=[1〜10Hz]及び次数が1である)
− Fc及び次数の各対について、対応するアナログ伝達関数を導出する
− 適用される双線形変換を用いて対応するデジタル係数を得る
【0047】
この実施形態では、カットオフ周波数Fcに対するb0、b1、及びa1の変化は準線形であり、b0=b1=0.034*Fc+0.064、a1=0.022*Fc+0.99と記述され得る。カットオフ周波数の値Fc=[1〜10Hz]は、どのサンプルについても、式(6)からのFkとともに適切なスケーリングによって、これらの式に代入され得る。例えば、Fk=0の値がFc=1Hzに変換され、Fkの100dB値は10HzのFcに対応する。
【0048】
第3の閾値信号Jが、この例では閾値=6dBになるように選択される閾値438だけ小さく437されたdBで表現される、フィルタH(z)436の出力から形成される。上記で説明したように、信号Fkは、DkとEkとの差に比例し、したがって、信号C1のピークと平均の比(dBの差)に比例する。ECG信号にノイズがある場合、ピーク−平均比は小さく、したがって、H(z)のカットオフ周波数が低く、偽検出を防止するために、信号J(これは主閾値である)は強くローパスフィルタリングされる。信号C1にノイズが含まれていない場合、LP3のカットオフ周波数が増加し、信号Jがローパスフィルタリングされる度合いが小さくなり、したがって、信号C1の小さな値に追従し得る。これにより、鼓動の喪失(偽陰性)が避けられる。鼓動検出器439による各判定が、信号C2、D、及びJを用いて行われる。C2==J及びC2>Dの場合、QRSピークは真の鼓動とみなされる(ここで、「==」はC2がJに等しいことを意味する)。各鼓動について、単一点451においてのみC2がJに等しいことは注目する価値がある。したがって、この時点で、セクション2 420の出力として提供される信号H上で鼓動がアノテートされ(annotated)得る。
【0049】
例示の信号Hが、451で示されるアノテートされた心臓鼓動とともに450に示されている。このアノテーション(annotation)は、心臓専門医によって、フィルタリングされたECG信号450が解釈される際に用いられるように信号450とともに提供され得る。
【0050】
分当たりの鼓動での心拍数は、式(7)によって示されるように、下記のように計算され得る。
HR=(60・Bnb)/T=(60・Bnb・Fs)/N (7)
ここで、Bnbは検出された鼓動の数であり、Fはサンプリング周波数であり、Nは取得されたサンプル数であり、Tは秒で表される観察ウィンドウである。
【0051】
図5は、R点を囲むフィルタリングされたECGデータからのサンプルの一部を選択すること、および、サンプルの選択された部分のみを処理することによってPQRSTパターンのQRS期間を導出することによってQRS期間を求めるためのプロセスを示す。
【0052】
図4を再度参照して、ECGデータ150などの、PQRSTパターンサイクルを含むローECGデータサンプルのストリームが、リードのセットから受け取られる。ローECGデータをフィルタリングすることによって基線ばらつきが最小限にされて、フィルタリングされたECGデータが形成される。この実施形態では、ローECGデータのフィルタリングは、正規化された信号450を形成するため、図4に関して説明したように実施され得る。別の実施形態では、ローECGデータのフィルタリングは、別の既知の技術又は今後開発される技術を用いて実施され得る。
【0053】
QRSピークの周りで信号の一部が抽出され510、この部分をg(k)と称する。この段階でのサンプリング周波数はFsである。抽出される部分510の大きさは、PQRSTパターンの全期間と、典型的に80〜120ミリ秒である正常なQRS期間とに基づき得る。例えば、300ミリ秒のウィンドウが、任意の人間の心拍数についてのQRS期間又はQRS形状を求めるのに十二分である。心拍数が既知である場合、計算やパワー消費を低減するためにRの周りにややより精巧なウィンドウが動的に選択され得る。例えば、式(8)又は類似の式を用いてウィンドウが選択され得る。
QRSウィンドウ=60/HR*0.4+0.2 (8)
【0054】
機能段520は、g(k)のローパス補間をM倍で実施して、信号gM(k)523が生成される。Mの典型的な値は、約250Hzのサンプリング周波数Fsに対して32であり、これによって、効果的なサンプリング周波数8000Hzを有するgM(k)信号が生成される。gM(k)のピークRに対応する指数はxRであり、これは451で示されるサンプルに対応する。
【0055】
次いで、段522で、信号gM(k)は、最大正規化gM(k)が1に等しくなるように正規化される。最大gM(k)もピークRに対応する。
【0056】
次いで、段524で、正規化されたgM(k)信号523は非線形関数で処理されて、サンプルの正規化されたgM(k)部分から、ノイズが低減された信号525が形成される。この実施形態では、非線形関数はNのべき乗であり、これは、1よりもかなり小さい値がすべてさらに小さくする。これにより、信号雑音比が効果的に増加し、したがって、ノイズに対する耐性が増大する。この実施形態ではN=4であるが、他の実施形態ではNはより大きく又はより小さく選択され得る。他の手段によってノイズが除去されたシステムでは、NはN=1になるように選択され得る。
【0057】
次いで、段526で、ノイズが低減された信号の1次導関数が取得されて、信号527が生成される。段528で、正規化されたgM(k)曲線上の増化及び減少変曲点指数(xa,xb)及び対応する振幅(ya,yb)を見つけるために、この導関数信号の最大点及び最小点が計算される。
【0058】
次いで、段530で、増加変曲指数及び対応するgM(k)曲線振幅(xa,ya)並びに減少変曲点指数及び対応するgM(k)曲線振幅(xb,yb)を、ピークRのxとともに用いて、式(9)及び式(10)によって示されるように、2つの直線方程式が形成される。
y1(x)=(1−y)/(x−x)×(x−x)+y (9)
y2(x)=(y−1)/(x−x)×(x−x)+1 (10)
【0059】
次いで、式(9)及び式(10)がy1(k)=0及びy2(k)=0の場合について解かれて、xの値が求められ、これらにより、2つの直線が基線と交差する点が定義される。QRS期間は、式(11)に示されるように、段532で、xR、xa、xb、ya、yb、M、及びFsの関数として計算され得る。
QRS期間[ミリ秒]=Z/(M・Fs)[(xRyb-xb)/(yb-1)-(xa-xRya)/(1-ya)] (11)
【0060】
スケーリングファクタZは、非線形べき関数Nに関係する定数である。この実施形態では、N=4の場合、Z=1.06である。この実施形態では、様々なQRSパターンに対してQRS期間を測定することによってZを実験的に求めた。唯一の依存性はファクタNであり、Nの値が大きいほどgM(k)^Nが小さくなるので、ノイズシーケンスが低減される。異なる技術を用いてローECGデータを収集及びフィルタリングする別の実施形態では、異なる補間フィルタ、例えば異なるスケーリングファクタZ、を求める必要があり得る。
【0061】
図6は、図5に示すプロセスのグラフ表現を示す図である。正規化されたgM(k)信号523、ノイズが低減された信号525、及び導関数信号527が示されている。基線610は、正規化されたgM(k)信号523についての振幅=0を表す。
【0062】
点601は最大gM(k)を表し、これは図5において451で示されるピークRにも対応する。導関数信号527の最大値により指数xaが定義され、指数xaはgM(k)曲線523上の振幅yaに投影される。同様に、導関数信号527の最小値により指数xbが定義され、指数xbはgM(k)曲線523上の振幅ybに投影される。次いで、直線方程式630が(xa,ya)及び最大点601を交差するように構築される。直線方程式631が(xb,yb)及び最大点601を交差するように構築される。式9によって決まるように、直線630は点640で基線610を交差する。式10によって決まるように、直線631は点641で基線610を交差する。式11によって決められるような点641と点640との時間差は、点Q及び点Sによって示されるように、QRSサイクルに対するQRS期間と密接に相関する。式(11)で示されるように、スケーリングファクタZが、上記で説明したように、導出されるQRS期間の正確さを改善するために点Q及び点S間の差を調節するために用いられ得る。
【0063】
図7及び図8は、病理学的QRS形状に対するQRS期間結果を示す。様々なタイプのQRS形状を用いてアルゴリズムを検証して、このアルゴリズムが異常な(病理学的)QRS形状に対して極めて良好に働くことを確認した。図7は、大きなST欠乏領域を含むMIT−BIHデータベース(実際のECGデータ)の記録108から抽出したQRSパターンであり、図8は、MIT−BIHデータベースの記録109から抽出したQRSパターンである。
【0064】
図9は、ECGシステムによるECG解析の動作を示すフローチャートである。例えば、スマートフォン又は携帯情報端末などの、携帯ハンドセットデバイスに対して実施形態が実装され得る。上記でより詳細に説明したように、ECG信号をサンプリングしECGデータサンプルのストリームに変換するアナログフロントエンドサブシステムから、ローECGデータサンプルのストリームが受け取られる902。ECGデータサンプルのストリームは、PQRSTパターンの周期的なシーケンスを表す。
【0065】
ローECGデータは、基線ばらつきを最小限するため及び各PQRSTパターンのT波部分を抑制するために非線形フィルタを用いることによりフィルタリングされて904、フィルタリングされたECGデータが形成される。ローECGデータのフィルタリング904は、例えば、上記でより詳細に説明したように、ローECGデータをメジアンフィルタ及びローパスフィルタのカスケードを用いてフィルタリングすること、ローECGデータを遅延させること、及び、ハイパスフィルタリングされたデータを供給するために、遅延させたローECGデータからローパスフィルタの出力信号を減算することによって成され得る。
【0066】
フィルタリングされたECGデータにおけるPQRSTパターンのR点が求められる906。これは、例えば、R点451に関して上記でより詳細に説明したように成される。R点は、フィルタリングされたPQRSTパターンの最大サンプル点である。
【0067】
R点を囲むフィルタリングされたECGデータからサンプルの一部が選択される908。上記で説明したように、選択される部分の大きさは、PQRSTパターンの全期間と、典型的に80〜120ミリ秒である正常なQRS期間とに基づき得る。例えば、300ミリ秒のウィンドウが、任意の人間の心拍数についてのQRS期間又はQRS形状を求めるために十二分である。心拍数が既知である場合、計算及びパワー消費を低減するためにRの周りにややより精巧なウィンドウが動的に選択され得る。例えば、式(8)又は類似の式を用いてウィンドウが選択され得る。
【0068】
PQRSTパターンのQRS期間が、サンプルの選択された部分を処理することによって求められる910。これは、サンプルのこの部分を基線に対して正規化すること911、サンプルの正規化された部分の1次導関数を取ることにより増加変曲点及び減少変曲点を求めること912、R点(これは、サンプルの正規化された部分の最大サンプルである)及び増加変曲点から直線関数を生成すること913、及び、R点及び減少変曲点から直線関数を生成すること914によって成され得る。
【0069】
次いで、基線と第1の直線関数の交点と、基線と第2の直線関数の交点との時間差からQRS期間が導出される915。
【0070】
非線形関数が、増加及び減少変曲点を求める前に、サンプルの正規化された911部分に適用されて、サンプルのノイズが低減された部分が形成される。上記でより詳細に説明したように、非線形関数は、1よりもかなり小さい値をすべてさらに小さくする、Nの単純なべき乗であり得る。これにより、信号雑音比が効果的に増加し、したがってノイズに対する耐性が増大する。この実施形態ではN=4であるが、他の実施形態では、Nはより大きく又はより小さくなるように選択されてもよい。他の手段によってノイズが除去されたシステムでは、NはN=1になるように選択され得る。この場合、非線形関数の適用は必要とされない。
【0071】
増加及び減少変曲点は、直線関数を生成するために、サンプルのノイズが低減した部分からサンプルの正規化された部分に投影され得る。ノイズが低減されたサンプルに非線形関数が適用されなかった場合、変曲点は、ノイズが低減されたサンプルを直接用いて求められ得る。
【0072】
正規化911は、サンプリングされたECGデータの信号忠実度を改善するために、サンプルの一部を正規化する前にサンプルの一部のM倍補間を実施することも含み得る。倍率Mは、ECGデータのサンプリング周波数に基づいて選択され得る。Mの典型的な値は、Fs≒250Hzのサンプリング周波数では、32であり、これにより、効果的なサンプリング周波数8000Hzを有する信号gM(k)が生成される。
【0073】
QRS期間の導出915は、スケールファクタZによってQRS期間をスケーリングすることを含み得る。ここで、Zは、上記でより詳細に説明したように、Nの関数である。
【0074】
QRS期間が閾値を超えるとき、携帯デバイスのユーザにアラートが提供され得る920。これは、デバイスのスクリーン上のメッセージ、警告音、振動などの形態を取り得る。閾値は、例えば、携帯デバイスが提供するユーザインターフェースを介してユーザによって設定又は選択され得る。初期設定閾値も選択され得る。例えば、120ミリ秒の初期設定値が提供され得る。
【0075】
このプロセスは、各PQRSTパターンに対して反復され得る930。各PQRSTパターンの期間は個々に求められ、そのため、平均化又は他のタイプの後処理に起因する期間確度の損失がない。
【0076】
図10は、携帯コンシューマデバイス1000に表示されているECGを示す。この例では、3つのECG信号が表示されており、3リード構成のリード毎にオンになっている。携帯デバイス1000により提供されるキーパッド及びユーザインターフェースを用いて、ユーザが、QRS期間についてのアラート点を選択又は指定し得る。次いで、携帯デバイス1000で実行されるソフトウェアが、ECGデータにおける各PQRSTパターンを処理し得、ユーザに通知し得、かつ/又は、医院などの遠隔レシーバ、或いは、例えば、アラート表示を友人又は家族に提供し得る別の固定又は携帯デバイスに、アラートを送出し得る。
【0077】
図11は、携帯ハンドセット1120を利用する携帯ECGシステム1100の別の実施形態を示す。アナログフロントエンドセクション1110が、オペアンプ1112、1113などの様々な電極リード用のハイインピーダンス入力を含み得る。アナログ−デジタル・コンバータ1114が、ローパスフィルタリングされたアナログ信号をデジタル表現に変換する。この実施形態では、ADC1114は24ビットの精度を有する。他の実施形態では、精度がより高い又は低いADCが用いられ得る。この例では3本の電極リードが示されているが、これはスポーツや単純なモニタリングに有用である。他の実施形態が、上記でより詳細に説明したように、より多くのリードを含んでいてもよい。
【0078】
アナログセクション1111が、ADS1294/6/8/4R/6R/8Rなどの単一の集積回路に実装され得る。ADS1294/6/8/4R/6R/8Rは、マルチチャネル、同時サンプリング、24ビット、デルタ・シグマ・アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)のファミリであり、プログラマブルゲインアンプ(PGA)、内部基準、及びオンボード発振器が内蔵されている。ADS1294/6/8/4R/6R/8Rは、医療用心電図(ECG)及び脳波図(EEG)の応用例で通常必要とされる特徴のすべてを組み込んでいる。
【0079】
USB機能1116が、ADCによって生成されるECGサンプルのデジタルシーケンスを携帯電話1120のUSB入力に送信し得る。或いは、ADCによって生成されるECGサンプルのデジタルシーケンスを携帯電話1120のブルートゥースレシーバにワイヤレスで送信するためにブルートゥーストランスミッタ回路1115を含めることもできる。
【0080】
携帯電話1120は、様々なベンダから入手可能ないくつかのスマートフォンのいずれかを代表したものである。スマートフォンは、典型的に、信号処理ハードウェア及び図1の信号処理セクション140に類似の能力を含む。「app」とも称するアプリケーションソフトウェアが、スマートフォン用の通常のappダウンロード処理を用いてスマートフォンにダウンロードされ得る。appは、スマートフォン1120に含まれる、DSPプロセッサ又は他のタイプのプロセッサによりアクセス可能なメモリに格納されるソフトウェア命令を実行することによって、上記でより詳細に説明した、フィルタリング、閾値設定、及びQRS検出機能並びにQRS期間機能を実施するように構成される。上記でより詳細に説明したように、アプリケーションは、処理されたECG信号をモニタリングし得、心臓鼓動情報を提供し得、それとともに、例えば、QRS期間、HRV、二段脈、及び大きなST体節欠乏などの様々なアラート状態を検出し得る。
【0081】
電極は、人間や動物などの対象に、対象の心臓のパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングするために接続され得る。ECG appは、例えば、スマートフォンのディスプレイスクリーン上にECG信号を表示し得る。ECG appは、例えば、ディスプレイスクリーン上にECG事前アラートを表示し得、又は、スマートフォンに含まれるスピーカを用いて可聴アラートを発し得る。ECG appはまた、例えば、スマートフォンに含まれるデータ送信能力を用いて、遠隔モニタリングシステムにリアルタイムで、図4の信号Hと等価なフィルタリングされたECG信号を転送し得る。ECG appはまた、それが検出した事前アラート状態を遠隔モニタリングシステムに転送し得る。
【0082】
遠隔モニタリングシステムは、例えば、病院又は医院に配置され得る。心臓専門医が、遠隔モニタリングシステムについてのECG信号及び関連する事前アラート情報を直ちに検討し得る。心臓専門医は、スマートフォンのデータチャネルを用いてECGデータが遠隔地点に継続して送信される一方で、スマートフォンの音声チャネルを用いて対象と対話し得る。
【0083】
図12は、携帯ECGシステムの別の実施形態を示す。この例では、アナログフロントエンドモジュール1210がリード1204のセットに結合され得、リード1204はシャツ1202の終端点に結合され得る。シャツ1202は、シャツに取り付けられ、対象がシャツ1202を着たときに対象に皮膚接触するように配置される電極を含む。シャツ1202の一例は、Textronics社から入手可能なNuMetrexシャツまたはスポーツブラである。
【0084】
フロントエンドモジュール1210は、フロントエンドモジュール1110に類似しており、例えば、12本のECGリード、又はそれよりも少ない数のECGリードをサポートするように実装され得る。フロントエンドモジュールは、上記でより詳細に説明したように、ADS1294アナログ・デジタル・コンバータ1212を用いて実装され得る。マイクロコントローラが、ADC1212に結合され得、ADC1212からUSB出力へのデータ送信を制御し得る。マイクロコントローラは、ブルートゥース回路1214にも結合され得、それによって、ADC1212からのデータのワイヤレス送信を制御し得る。マイクロコントローラ1213は、例えば、テキサス・インスツルメンツ社から入手可能なMSP430デバイスとし得る。ブルートゥース回路1214は、例えば、テキサス・インスツルメンツ社から入手可能なCC2560デバイスとし得る。
【0085】
フロントエンドモジュール1210を、例えば、ラップトップ1230に結合するためにUSBケーブルが用いられ得る。ラップトップ1230は、上記でより詳細に説明したリアルタイムフィルタリング及びQRS識別を実施するために十分な処理能力を含む任意の数の既知の携帯コンピュータを代表するものである。ラップトップ1230は、フロントエンドモジュール1210からECGデータのストリームを受け取るように構成される。また、ラップトップ1230は、ラップトップ1230に含まれるプロセッサを利用するソフトウェアアプリケーションとともに、シャツ1202を着ている対象から送信されるECGデータのストリームを処理するように構成される。
【0086】
appは、コンピュータ1230に含まれるDSPプロセッサによりアクセス可能なメモリに格納されるソフトウェア命令を実行することによって、上記でより詳細に説明したフィルタリング、閾値設定、QRT検出、及びQRS期間機能を実施するように構成される。上記でより詳細に説明したように、アプリケーションは、処理されたECG信号をモニタリングし得、心臓鼓動情報を提供し得、それとともに、例えば、QRS期間、HRV、二段脈、及び大きなST体節欠乏などの様々な事前アラート状態を検出し得る。
【0087】
電極は、人間や動物などの対象に接続され得、対象の心臓のパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングし得る。ECG appは、例えば、ラップトップコンピュータ1230のディスプレイスクリーン上にECG信号を表示し得る。ECG appは、例えば、ディスプレイスクリーン上にECG事前アラートを表示し得、又は、ラップトップコンピュータに含まれるスピーカを用いて可聴アラートを発し得る。ECG appはまた、例えば、ラップトップコンピュータに含まれるデータ送信能力を用いて、遠隔モニタリングシステムにリアルタイムで、図4の信号Hと等価な、フィルタリングされたECG信号を転送することができる。ECG appはまた、それが検出したアラート状態を遠隔モニタリングシステムに転送し得る。遠隔モニタリングサイトへの送信は、例えば、ラップトップコンピュータ1230に含まれる有線又はワイヤレス接続を用いて、インターネットを介して成され得る。
【0088】
遠隔モニタリングシステムは、例えば、病院又は医院に置かれ得る。心臓専門医が、遠隔モニタリングシステムに関するECG信号及び関連するアラート情報を直ちに検討し得る。心臓専門医は、ラップトップコンピュータのデータチャネルを用いて遠隔地点にECGデータが継続して送信される一方で、ボイスオーバーインターネットなど、ラップトップコンピュータの音声チャネルを用いて対象と対話し得る。
【0089】
図13は、携帯ECGシステムの別の実施形態を示す。この例では、アナログフロントエンドモジュール1210が、シャツ1203に取り付けられ、シャツ1203の終端点のセットに結合される。シャツ1203は、対象がシャツ1203を着たときに対象に皮膚接触するように配置される電極を含む。シャツ1203の一例は、アナログフロントエンドモジュール1210を担持するように適切に改変されるNuMetrexシャツまたはスポーツブラである。
【0090】
アナログフロントエンドモジュール1210は、例えば、スマートフォン1220内に配される近くのブルートゥースレシーバに、シャツ1203を着ている対象から収集されるECGデータをワイヤレスに送信するように構成される。スマートフォン1220は、上記でより詳細に説明したように、ECG appを備えて構成され、それによって、ECGデータをリアルタイムで処理及び表示し得、また、心臓専門医又は他の健康管理者による解析のため遠隔地点にECGデータを送信し得る。
【0091】
このように、公開されている既存の研究よりも優れたリアルタイムQRS検出性能を提供する低コスト携帯システムを説明してきた。多くの従来のアルゴリズムが必要とするような何らかの学習段階は不要である。様々な実施形態が、PQRST波形を解析することによって、心拍数のみであることを凌駕した付加的な心臓情報を提供し得る。これにより、様々な実施形態が、様々な状態に対してリアルタイム事前アラートを提供し得る。これらの低コスト携帯システムは、家庭利用、フィットネス利用などとして有用であり得る。
【0092】
他の実施形態
本説明を参照すれば、本発明の上述した実施形態及び他の実施形態に対する様々な改変が当業者には明らかであろう。例えば、アナログフロントエンドセクションは、保護及び使いやすさを提供し得る現在既知の今後開発される様々な方式でパッケージ化され得る。例えば、こうしたパッケージは、アナログフロントエンドが恒久的にシャツ又はスポーツブラに取り付けられ得、通常の使用や洗濯処理に耐え得るように防水で頑丈なものとし得る。
【0093】
アナログフロントエンドは、電池駆動としてもよいし、検査対象の動きから電力を引き出すエネルギー収集ユニット、太陽エネルギーなどをとともにパッケージ化されてもよい。
【0094】
有線USB接続又はワイヤレスブルートゥース接続を説明してきたが、他の実施形態が、必要な転送レートをサポートする任意の種類の既知の又は今後開発される有線(金属線接続又は光接続)又はワイヤレス相互接続プロトコルを用いて、フィルタリングされたECGデータのリアルタイム送信をサポートし得る。当然のことながら、必要な転送レートは、実施形態のために選択されるADC精度及びサンプリングレートに依存する。
【0095】
本明細書では、フィルタリング及び検出機能を実施するための必須な信号処理を提供するためにパーソナルコンピュータ及びスマートフォンを説明してきたが、タブレットコンピュータ、携帯情報端末などの他のタイプの携帯コンシューマデバイスを用いて、本明細書で説明したフィルタリング及び検出機能を実施してもよい。本明細書で用いるように、概して、コンシューマデバイスは、ECGモニタリングを提供することに加えて、コンシューマが他のタスクのために用い得る汎用デバイスである。
【0096】
本明細書で説明した実施形態は携帯デバイス内でQRS期間を実施するが、別の実施形態において、QRS期間は、例えば、携帯システムから送信されるECGデータを用いて遠隔地点に位置するシステムによって実施されてもよい。
【0097】
本明細書では閾値の対数スケーリングを説明したが、別の実施形態において、別の形式の非線形スケーリングが用いられ得る。別の実施形態において、線形表現が用いられ得、閾値を比較するための差の代わりに比が用いられ得る。
【0098】
他の実施形態において、フィルタリング及び検出機能を実施するための必須な信号処理は、ECG用に設計されるデジタル処理システム、非携帯システム、医療グレードシステムなどによって提供されてもよい。
【0099】
本明細書で説明したシステムはフィルタリングされたECGデータを遠隔地点にリアルタイムで送信し得るが、他の実施形態において、後で遠隔システムに転送するために、フィルタリングされたECGデータの一部を格納する格納機能が提供され得る。
【0100】
本明細書で説明したフィルタ及び方法の実施形態は、幾つかのタイプのデジタルシステムのいずれかに設けられ得る。これらのシステムには、デジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用プログラマブルプロセッサ、特定用途向け回路、又はDSPと縮小命令セット(RISC)プロセッサを様々な特殊アクセレレータとともに組み合わせたものなどのシステムオンチップ(SoC)が含まれる。SoCは、設計ライブラリによって提供される既成機能回路と組み合わされたカスタム設計機能回路を各々が含む、1つ又は複数のメガセルを含み得る。
【0101】
本開示で説明した技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアは、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、或いはデジタル信号プロセッサ(DSP)などの、1つ又は複数のプロセッサにおいて実行され得る。これらの技術を実行するソフトウェアは、まず、コンパクトディスク(CD)、ディスケット、テープ、ファイル、メモリ、又は任意のコンピュータ可読ストレージデバイスなど、コンピュータ可読媒体に記憶され得、プロセッサによってロード及び実行され得る。場合によっては、ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体およびこのコンピュータ可読媒体用のパッケージ材料を含むコンピュータプログラム製品で販売され得る。場合によっては、ソフトウェア命令は、着脱可能なコンピュータ可読媒体(例えば、フロッピーディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、USBキー)を介して、別のデジタルシステム上のコンピュータ可読媒体から送信経路を介する等で配信され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13