特許第6219946号(P6219946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6219946マルチロールデバイスのためのチャネルスキャンのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6219946
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】マルチロールデバイスのためのチャネルスキャンのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/08 20090101AFI20171016BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20171016BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20171016BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20171016BHJP
【FI】
   H04W72/08 110
   H04W72/04 131
   H04W88/04
   H04W84/12
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-521713(P2015-521713)
(86)(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公表番号】特表2015-532023(P2015-532023A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】US2013049668
(87)【国際公開番号】WO2014011600
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年7月7日
(31)【優先権主張番号】13/544,389
(32)【優先日】2012年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ケレン ドール
(72)【発明者】
【氏名】ヨエル ボガー
(72)【発明者】
【氏名】アーター ザクス
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−010806(JP,A)
【文献】 特開2009−239385(JP,A)
【文献】 特開2005−142883(JP,A)
【文献】 特開2008−035375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワークにおいてアクセスポイント(AP)及びステーション(STA)として同時に機能し得るマルチロールデバイスであって、前記デバイスが、
ステーション機能の処理とアクセスポイント機能の処理とチャネルスキャンの処理の間で時分割多重化するベースバンドコントローラであって、前記ベースバンドコントローラが、前記チャネルスキャンをチャネルスキャン時間スライスに分割し、複数のチャネルにわたるチャネルスキャンを複数のチャネルスキャン時間期間に分割し、前記複数のチャネルスキャン時間期間の各々が、前記STA機能と前記AP機能との提供のための時間期間で時分割多重化される、前記ベースバンドコントローラと、
前記ベースバンドコントローラから受信したデータを前記ワイヤレスネットワークの他のデバイスに送信し、前記ワイヤレスネットワークの前記他のデバイスから前記ベースバンドコントローラへのデータを受信して提供する、トランシーバと、
を含み、
前記チャネルスキャンが受動スキャンであり、
各チャネルスキャン時間スライスが、部分ターゲットビーコン送信時間(TBTT)期間の持続時間を有し、
前記ベースバンドコントローラが、全TBTT期間をカバーする複数の部分TBTT期間の各々にわたって単一のチャネルをスキャンし、
前記ベースバンドコントローラが、CTS時間期間の他のデバイスからの更なる通信からの前記AP機能の保護を提供するために、各チャネルスキャン時間期間の前に前記AP機能へのセルフメッセージにクリアツーセンド(CTS)を送信し、
前記複数の部分TBTT期間の各々が、CTS時間期間より小さいか又はそれに等しい、マルチロールデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチロールデバイスであって、
前記トランシーバに結合されるアンテナと、
前記ベースバンドコントローラに結合されるコントローラと、
前記ベースバンドコントローラに結合されるディスプレイと、
少なくとも1つの付加的な通信コントローラと、
前記マルチロールデバイスに電力を供給するための電源と、
を更に含む、マルチロールデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して電子機器に関し、具体的には、マルチロール(multirole)デバイスのためのチャネルスキャンのためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
WiFi(Wireless Fidelity)と呼ぶこともあるIEEE802.11に基づくワイヤレス及びモバイルネットワークが急速に成長してきている。WiFiは、コンピュータネットワークを介して電子デバイスがワイヤレスにデータを交換することを可能にするメカニズムである。パーソナルコンピュータ、ビデオゲーム機、スマートフォン、タブレット、又はデジタルオーディオプレーヤーなどの、WiFi対応のデバイスは、ワイヤレスネットワークアクセスポイントを介してインターネットなどのネットワークリソースに接続することができる。アクセスポイント(又はホットスポット)は、屋内で約20メートル(65フィート)の範囲、そして屋外ではより大きな範囲を有する。ホットスポットのカバレッジは、無線信号を遮断する壁のある単一の部屋程度に小さなエリア、又は複数の重複するアクセスポイントによりカバーされる、数マイル平米ほどの大きさの大きなエリアを含み得る。ワイヤレスアクセスポイント(WAP)は、一群のワイヤレスデバイスを、近隣の有線LANに接続する。アクセスポイントは、ネットワークハブに類似し、大概はイーサネットハブ又はスイッチである(通常は)単一の接続された有線デバイスに加えて、接続されたワイヤレスデバイス間でデータを中継して、ワイヤレスデバイスを他の有線デバイスと通信させる。
【0003】
2.402GHzから2.483GHzまでの範囲にわたって分布し、各チャネルが22MHz幅である、14個の候補となるチャネルに対して、種々のIEEE802.11規格が用意されている。これらの種々のIEEE802.11規格は、アクセスポイント間の通信ハンドオフを可能にするためにこれら14チャネルの少なくとも大部分にわたって周期的チャネルスキャンサイクルを要求する。スキャンは能動及び受動スキャンに分割され得る。能動スキャンの間、ステーション(STA)が、これらの特定のチャネルにおける全てのアクセスポイント(AP)がそれらの存在とプローブ応答の能力とを伝えることを要求するパケットを放送する。受動スキャンでは、STAは、例えば、ビーコンインタバル、能力情報、サポートされる速度、及びAPに関連付けられるその他のパラメータなどの全ての必要な情報を含むAPビーコンを受動的にリッスンする。
【0004】
マルチロールデバイスは、ユーザーにそのデバイスをマルチロールモードで動作させることができ、マルチロールモードでは、そのデバイスは、ステーション及びアクセスポイントの両方として機能し得る。単一のマルチロールデバイスを用いる増大された接続性用途のための需要が生じているため、単一のベースバンドプロセッサによる2帯域/チャネルでのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)同時マルチロールオペレーションをサポートすることが必要とされる。従って、マルチロールデバイスは、ステーションモードとアクセスポイントモードでのリソース割り当ての提供間でスイッチする。しかし、ステーションモードで動作しているとき、マルチロールデバイスは、ローミングを可能にするために他のアクセスポイントをサーチするようにチャネルスキャンを行うことを要求される。利用可能なチャネルの少なくとも大部分にわたるチャネルスキャンは相当な量の時間を消費し得、これにより、マルチロールデバイスがアクセスポイントモードでアクセスポイントとして働くときマルチロールデバイスにより提供されている、マルチロールデバイスと接続デバイスとの間の接続が損なわれる恐れがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの態様に従って、ワイヤレスネットワークにおいてアクセスポイント(AP)及びステーション(STA)として同時に機能し得るマルチロールデバイスが提供される。このマルチロールデバイスは、STA機能(function)、AP機能の提供とチャネルスキャンとの間で時分割多重化するベースバンドコントローラを含む。ベースバンドコントローラは、チャネルスキャンをチャネルスキャン時間スライスに分割し、複数のチャネルにわたるチャネルスキャンを複数のチャネルスキャン時間期間に分割する。複数のチャネルスキャン時間期間は各々、STA機能及びAP機能の提供のための時間期間で時分割多重化される。このマルチロールデバイスは更に、ベースバンドコントローラから受信したデータをそのワイヤレスネットワークの他のデバイスに送信するため、及びそのワイヤレスネットワークの他のデバイスからベースバンドコントローラへのデータを受信及び提供するためのトランシーバを含む。
【0006】
本発明の別の態様に従って、マルチロールデバイスにおける機能を提供するための方法が提供される。この方法は、複数のチャネルにわたるチャネルスキャンを複数のチャネルスキャン時間期間に分割すること、及びSTA機能及びAP機能の一方の提供のための時間期間と、STA機能及びAP機能の他方の提供のための時間期間と、複数のチャネルスキャン時間期間の各々のためのチャネルスキャン時間期間とを反復的に時分割多重化することを含む。
【0007】
本発明の更に別の態様に従って、ワイヤレスネットワークシステムが提供される。このワイヤレスネットワークシステムは、ネットワークからSTAデバイスへのリソースの通信を提供する1つ又は複数のアクセスポイント(AP)、及びネットワークAPからリソースを要求する1つ又は複数のSTAデバイスを含む。このワイヤレスネットワークシステムは更に、AP及びSTAとして同時に機能し得る少なくとも1つのマルチロールデバイスを含む。少なくとも1つのマルチロールデバイスは、STA機能、AP機能を提供することと、チャネルスキャンとの間で時分割多重化し、ベースバンドコントローラが、複数のチャネルにわたるチャネルスキャンを複数のチャネルスキャン時間期間に分割し、複数のチャネルスキャン時間期間の各々が、STA機能及びAP機能の提供のための時間期間で時分割多重化される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の1つの態様に従ったワイヤレスネットワークシステムの一例を図示する。
【0009】
図2】本発明の1つの態様に従ったマルチロールデバイスの一例のブロック図を図示する。
【0010】
図3】本発明の1つの態様に従った部分保護を備えた能動スキャンを図示するスケジュール・タイムラインである。
【0011】
図4】本発明の1つの態様に従った全保護を備えた能動スキャンを図示するスケジュール・タイムラインである。
【0012】
図5】本発明の1つの態様に従った全保護を備えた受動スキャンを図示するスケジュール・タイムラインである。
【0013】
図6】本発明の1つの態様に従ったマルチロールデバイスによる機能を提供するための方法の一例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の1つの態様に従ったワイヤレスネットワークシステム10の一例を図示する。ワイヤレスネットワークシステム10は、WiFiネットワークのためのIEEE802.11規格のバージョンの一つに準拠し得る。ワイヤレスネットワークシステム10は、ワイヤレス通信リンク16でのアンテナ14を介する無線周波数(RF)通信を、アンテナ20を介してマルチロールデバイス18に送信するWiFiアクセスポイント(AP)12を含む。WiFi AP12、及び1つ又は複数の他のWiFiアクセスポイント(AP)は、同じ又は異なる有線ネットワーク(図示せず)に接続され得る。マルチロールデバイス18は、周期的チャネルスキャンを実行して、複数のAPのいずれが所与のWiFiネットワークに接続すること及び所与のWiFiネットワークからリソースを受信することを選択するかを判定する。選択されたAPに関連付けられる1つ又は複数のパラメータ(例えば、キャパシティ、信号強度、ユーザー選択など)に基づいてAPが選択され得る。マルチロールデバイス18は、選択されたAPからリソースを受信するとき、ステーション(STA)デバイスとして機能する。
【0015】
また、マルチロールデバイス18はAPとして機能し得、リソースを、それぞれのワイヤレス通信リンク22でそれぞれのアンテナ26を介して1つ又は複数のステーションデバイス24に提供し得る。マルチロールデバイス18は更に、STA及びAPとして同時に機能することもできる。STA及びAPとして同時に機能するとき、マルチロールデバイス18は、異なるチャネルでのSTA機能及びAP機能の提供の間で時間多重化し得る。例えば、マルチロールデバイス18は、STAとして機能し得、家庭のAP端子又は公共のWiFiホットスポットからインターネットからのメディア、ゲーム、又はウェブサイト情報を受信し得、また、APとして同時に機能し得、受信したメディア、ゲーム、又はウェブサイトデータを、テレビ、ラップトップ、又は他のステーションデバイスなどの1つ又は複数のステーションデバイスへストリーミングし得る。また、マルチロールデバイス18は、STAとして機能し得、家庭のAP端子又は公共のWiFiホットスポットからインターネットからのインスタントメッセージ及び/又はeメール情報を受信し得、また、マルチロールデバイス18でストアされた、メディア、ゲーム、又はウェブサイトデータを、テレビ、ラップトップ、又は他のステーションデバイスなどの1つ又は複数のステーションデバイスに直にストリーミングすることにより、APとして同時に機能し得る。
【0016】
IEEE802.11に準拠するSTAは、1つのAPから別のAPへのローミングをサポートするために周期的チャネルスキャンを実行することが必要とされることを理解されたい。従って、マルチロールデバイス18は、STAとして機能しているとき周期的チャネルスキャンを実行することを要求される。チャネルスキャンの間、マルチロールデバイス18は、STA機能専用であり、AP機能はアイドルのままである。周期的チャネルスキャンは、相当な量の時間(例えば、最大120ms)を必要とし得、そのため、マルチロールデバイス18及び1つ又は複数のワイヤレスステーション24のためのAP機能のための接続が損なわれる可能性がある。本発明の1つの態様に従って、チャネルスキャンは、AP機能に関連付けられる接続漏れを緩和するためにチャネルスキャン時間スライスがSTA機能及びAP機能で時分割多重化されるように、複数のチャネルスキャン時間スライスに分割される。下記で更に説明するように、チャネルスキャンは能動スキャン又は受動スキャンであり得る。また、チャネルスキャン時間スライスは、AP機能によりセルフメッセージへクリアツーセンド(CTS)を送信することにより部分的に又は完全に保護され得る。これは、そのネットワークに接続される他のものに、CTS時間期間にマルチロールデバイス18のAP機能により用いられている情報をチャネルに送らないように指令し得る。
【0017】
図2は、本発明の1つの態様に従ったマルチロールデバイス50の一例のブロック図を図示する。マルチロールデバイス50は、タッチスクリーン又は非接触スクリーンディスプレイとし得るディスプレイ52を含む。ディスプレイ52は、メディア、ゲーム、又はウェブサイト情報を表示するように動作し得、また、指又はスタイラスからなどのユーザーからのタッチ入力を受信するようにも動作し得る。マルチロールデバイス50は更に、プッシュボタン及びLEDインジケータなどの入力/出力(I/O)デバイス54を含む。
【0018】
ディスプレイ52及びI/Oデバイス54は両方、コントローラ56に結合される。コントローラ56は、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ58(μΡとして示す)、及びメモリ60を含む。ユーザーは、データをディスプレイ52及び/又はI/Oデバイス54を介してマルチロールデバイス50に入力し得る。データは、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ58によって処理され得及び/又はメモリ60にストアされ得る。また、データが、メモリ60からリトリーブされ得、ディスプレイ52上に表示され得る。マルチロールデバイス50は更に内部電源68を含む。内部電源68は、例えば、リチウムイオンバッテリーなどの再充電可能なバッテリーであり得る。内部電源68は、外部電源(例えば、DC電力アダプタ)が電力入力70にプラグされ得るように、電力入力70に結合される。そのため、外部電源は、それが電力入力70にプラグされる一方で、電力をマルチロールデバイス50に供給することができ、内部電源68が再充電する一方で、マルチロールデバイス50を外部電源から動作させ得る。
【0019】
マルチロールデバイス50は、マルチロールデバイス50のAP機能及びSTA機能両方を管理するように動作する、WLAN AP/STAベースバンドコントローラ62を含む。WLAN AP/STAベースバンドコントローラ62は、WLAN AP/STAトランシーバ64に結合される。WLAN AP/STAトランシーバ64は、アンテナ66を介して他のワイヤレスデバイスに送信されるべきベースバンドコントローラ62からのデータをアップコンバートするように、及び他のワイヤレスデバイスからアンテナ66で受信され、ベースバンドコントローラ62に提供されるべきデータを、ダウンコンバートするように構成される。ベースバンドコントローラ62は、送信及び受信されたデータが、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ58によって処理され得及び/又はメモリ60にストアされ得るように、コントローラ54に結合される。
【0020】
ベースバンドコントローラ62は、1つのチャネル(例えば、第1のチャネル)でのマルチロールデバイス50のSTA機能とワイヤレスネットワークのAP、並びに、異なるチャネル(例えば、第2のチャネル)でのマルチロールデバイス50のAP機能とワイヤレスネットワークの1つ又は複数のSTAデバイスとの間でデータを送信すること、受信すること、及び時間多重化することに関連付けられる機能性を管理する。また、ベースバンドコントローラ62は、ワイヤレスデバイス50のAP機能に関連付けられる接続漏れを緩和するために、STA機能のチャネルスキャン時間スライスの時分割多重化の機能性を扱う。上述のように、チャネルスキャンは、能動スキャン又は受動スキャンであり得、図3図5に示す時分割多重化時間ラインに基づいてこれ以降に図示及び説明するように、AP機能によりセルフメッセージへのCTSを送信することにより部分的に又は完全に保護され得る。
【0021】
マルチロールデバイス50は更に、付加的な通信トランシーバ74に結合される付加的な通信コントローラ72を含み得る。付加的な通信トランシーバ74は、セルラーネットワークなど(例えば、3Gネットワーク、4Gネットワークなど)の他の通信ネットワークを介して通信を送信及び受信するようにアンテナ76に結合される。付加的な通信コントローラ及びトランシーバが、例えば、IEEE802.15(即ち、ブルートゥース)などの、他の通信ネットワークのために提供されてもよい。
【0022】
図3は、本発明の1つの態様に従った部分保護を備えた能動スキャンを図示するスケジュール・タイムライン80である。能動スキャンは、比較的短く(例えば、60ms)、APを発見するようにメッセージを要求するためにSTA機能によるプローブ要求を用いる。能動スキャンは、各々が単一のチャネルスキャンをカバーする、複数のチャネルスキャン時間スライスに分割される。スキャンされる必要のあるチャネルの数は最大で14であり得るが、応用例の必要性に基づいて、より少ない数のチャネルがスキャンされてもよいことを理解されたい。
【0023】
スケジュール・タイムライン80は、複数の異なる時間期間にわたる、STA機能時間スライス、AP機能時間スライス、及び単一のチャネルスキャン時間スライス間の反復的な時分割多重化スケジュールを図示する。STA機能時間スライス及びAP機能時間スライスは、STA DTIM(delivery traffic indication message)受信と共にAPビーコン送信を可能にするような方式でスケジュールされる。DTIMは、APにおける所与のSTAのためのバッファされたマルチキャスト/放送データの存在についてSTAに通知する、トラフィックインディケーションメッセージである。DTIMの後、APは、ノーマルチャネルアクセスルールに続くチャネルで、マルチキャストされた放送データを送り得る。ビーコンは、APの存在をSTAに示すためにAPにより送られる周期的フレームであり、STAに同期化情報(同期化されたクロック)を提供し、能力情報、及びAPに関連付けられる他のパラメータを提供する。
【0024】
スケジュール・タイムライン80に図示するように、マルチロールデバイスは、所与のアクセスポイントからのDTIMを可能にするようにスケジュールされる第1の時間期間82の間、STA機能を提供する。第1の時間期間82の終わりに、STA機能は、所与のアクセスポイントに電力節約(PS)インディケーションを送る。マルチロールデバイスはその後、第2の時間期間84の間、AP機能を提供するように切り替わる。第2の時間期間84は、AP機能からのDTIMの送信を可能にするようにスケジュールされる。第2の時間期間82の終わりに、AP機能は自身にCTSメッセージを送る。これは、他のステーションに、ワイヤレスネットワークに関連付けられる仕様により規定されたCTS時間期間にデータをAP機能に送信しないように通知する。これは、CTS時間期間の送信漏れからマルチロールデバイスのAP機能を保護する。マルチロールデバイスはその後、第1の時間インタバル88及び第2の時間インタバル90を含む第3の時間期間86にわたる、第1のチャネル(チャネルx)のチャネルスキャンに切り替わる。
【0025】
チャネルスキャンの間、STA機能は、その特定のチャネル(チャネルx)における全てのAPに、それらの存在及びプローブ応答要求を備えた能力を示すため、プローブ要求を送信する。全てのプローブ応答要求を受信するためにSTA機能が待機する時間が設定され得、これは典型的に約30msであるが、IEEE802.11仕様において規定される32ミリ秒のCTS保護時間より大きくし得る。CTS時間期間は、第3の時間期間86の第1の時間インタバル88として図示されている。第3の時間期間86の第2の時間インタバル90の間、AP機能は送信漏れからもはや保護されない。しかし、アクセスポイント機能は、AP機能に接続される1つ又は複数のワイヤレスステーション送信デバイスから後続の再送信を受信し得、従って、如何なる重要な通信をも受信し損なう可能性は低い。
【0026】
第3の時間期間の後、マルチロールデバイスは、第2の時間期間84の間に交換されていない任意のパケットの交換を完了するために、及びAP機能から1つ又は複数のSTAへのビーコンの送信を可能にするために、第4の時間期間92の間AP機能の提供に切り替わる。マルチロールデバイスはその後、第1の時間期間82の間に交換されていない任意のパケットの交換を完了するために、及びSTA機能によるAPからのビーコンの受信を可能にするために、第5の時間期間94の間STA機能の提供に切り替わる。第5の時間インタバルの後、マルチロールデバイスは、第2のチャネルのチャネルスキャン(チャネルyスキャン)に切り替わる。プロセスは、APのための全ての所望のチャネルがスキャンされるまで反復する。
【0027】
図4は、本発明の1つの態様に従った全保護を備えた能動スキャンを図示するスケジュール・タイムライン100である。全保護を備えた能動スキャンにおいて、所与のチャネルのためのチャネルスキャンが、複数の時間期間に分割され、各時間期間はCTS時間期間に等しいか又はそれより小さい。能動スキャンは複数のチャネルスキャン時間スライスに分割され、チャネルスキャン時間スライスは各々、単一のチャネルスキャンのための複数のスキャン時間期間を含む。ここでも、スケジュール・タイムライン100は、複数の異なる時間期間にわたる、STA機能時間スライス、AP機能時間スライス、及びチャネルスキャン時間スライス間で反復的に時分割多重化することを図示する。STA機能時間スライス及びAP機能時間スライスは、STA DTIM(delivery traffic indication message)受信と共にAPビーコン送信を可能にするような方式でスケジュールされる。
【0028】
スケジュール・タイムライン100に図示するように、マルチロールデバイスは、第1の時間期間102にわたりSTA機能を提供し、第1の時間期間102は、所与のアクセスポイントからのDTIMを可能にするようにスケジュールされる。第1の時間期間102の終わりに、STA機能は、電力節約(PS)インディケーションをこの所与のアクセスポイントに送る。マルチロールデバイスはその後、第2の時間期間104の間AP機能の提供に切り替わり、第2の時間期間104は、AP機能からのDTIMの送信を可能にするようにスケジュールされる。第2の時間期間104の終わりに、AP機能は自身にCTSメッセージを送る。これは、他のステーションに、そのワイヤレスネットワークに関連付けられた仕様により規定されたCTS時間期間にデータをAP機能に送信しないように通知する。これは、CTS時間期間の送信漏れからマルチロールデバイスのAP機能を保護する。マルチロールデバイスはその後、CTS時間期間に等しいか又はそれより小さい第3の時間期間106の間、第1のチャネルの部分チャネルスキャン(チャネルxスキャン)に切り替わる。
【0029】
第3の時間期間106が終わると、AP機能は送信漏れからもはや保護されない。従って、マルチロールデバイスは、第2の時間期間106の間に交換されていない任意のパケットの交換を完了するために第4の時間期間108の間AP機能に切り替わる。第4の時間期間108の後、マルチロールデバイスは、CTS時間期間に等しいか又はそれより小さい第5の時間期間110にわたって第1のチャネル(チャネルxスキャン)の別の部分チャネルスキャンに切り替わる。第5の時間期間110が終わると、マルチロールデバイスは、第1の時間期間102の間に交換されていない任意のパケットの交換を完了するために、第6の時間期間112の間STA機能に切り替わる。
【0030】
第6の時間期間112の後、マルチロールデバイスは、AP機能から1つ又は複数のSTAへのビーコンの送信のためのスケジュールを可能にするために第7の時間期間114の間AP機能の提供に切り替わる。マルチロールデバイスはその後、STA機能によるAPからのビーコンの受信を可能にするために第8の時間期間116の間STA機能の提供に切り替わる。第1のチャネルが完全にスキャンされたとみなすと、マルチロールデバイスは、第2のチャネルのチャネルスキャン(チャネルyスキャン)に切り替わる。プロセスはその後、APに対し全ての所望のチャネルがスキャンされるまで反復する。
【0031】
図5は、本発明の1つの態様に従った全保護を備えた受動スキャンを図示するスケジュール・タイムライン120である。受動スキャンにおいて、STA機能は、近傍のAPからビーコンを受信すること、及び、チャネル毎に少なくとも1つの名目上のターゲットビーコン送信時間(TBTT)期間を実行してそのチャネルで全てのAPからの全てのビーコンを受信する機会を提供するようなニーズに向けられる。従って、本発明の1つの態様に従って、所与のチャネルのための受動チャネルスキャンが、複数の異なる時間期間にわたってスケジュールされる複数の時間スライスに分割され、各時間期間はCTS時間期間に等しいか又はそれより小さくし得る。他のSTA機能及びAP機能は、複数の受動スキャン時間期間の間で提供され得る。従って、スケジュール・タイムライン120は、複数の異なる時間期間にわたり、STA機能時間スライス、AP機能時間スライス、及びチャネルスキャン時間スライス間で反復的に時分割多重化することを図示する。
【0032】
図5の例において、チャネルスキャン時間スライスは、全TBTT時間期間をカバーするために、各チャネルに対し、時間期間1〜4で示す4つの部分スキャンTBTT時間期間に分割される。この例では、各部分TBTT時間期間は、約30ms秒又はそれより短い時間期間を有し得、これは、30msのCTS時間期間より小さいか又はそれに等しい。従って、CTS期間が部分TBTT時間期間より大きいか又はそれに等しいため、部分TBTT時間期間のすぐ前の自身へのCTSが全保護を提供し得る。所与のチャネルのための受動チャネルスキャンは、部分TBTT時間期間の各々に対して受動チャネルスキャンが実行されるまで、所与のチャネルでAPビーコンをリッスンするために4つの部分スキャン時間期間の各々の間で周期的に交代する。マルチロールデバイスは、図3及び図4に示したものと同様に、部分スキャンTBTT時間期間の各々の間で、能動時間期間130の間AP機能及びSTA機能の提供の間で時間多重化する。
【0033】
図5の図示した例において、第1の部分TBTT時間期間122の間APからビーコンが送信されており、第2の部分TBTT時間期間124の間STA機能が受動チャネルスキャンを実行している。従って、STA機能が第1の部分TBTT時間期間122で実行されてビーコンが検出されるまで、受動チャネルスキャンが、第3の部分TBTT時間期間126及び第4の部分TBTT時間期間128で実行され得る。このプロセスは、APのための所望のチャネルが全てスキャンされるまで各チャネルに対して反復する。
【0034】
上述の構造的及び機能的特徴を考慮すると、図6を参照すれば或る方法がよりよく分かるであろう。図示される動作は、他の実施例において、異なる順序で及び/又は他の動作と同時に生じてもよいことを理解及び認識されたい。また、図示される全ての特徴が、或る方法を実行するために必要とされるわけではない。
【0035】
図6は、マルチロールデバイスによる機能を提供するための方法150の一例を図示する。この方法は、複数のチャネルにわたるチャネルスキャンが、マルチロールデバイスにより複数のチャネルスキャン時間期間に分割される152で始まる。154で、マルチロールデバイスは、複数のチャネルスキャン時間期間の各々に対し、STA機能及びAP機能の一方の提供のための時間期間、STA機能及びAP機能の他方の提供のための時間期間、及びチャネルスキャンのための時間期間を反復的に時分割多重化する。156で、各チャネルスキャン時間期間の前にAP機能へのセルフメッセージにCTSが送信される。
【0036】
図3に関連して述べたように、チャネルスキャンは能動スキャンであり得、各単一チャネルは単一のチャネルスキャン時間期間にわたってスキャンされる。図4に関連して述べたように、チャネルスキャンは能動スキャンであり得、各チャネルスキャン時間期間は、複数のチャネルスキャン時間期間の各々のための単一のチャネルスキャンの一部をカバーし、チャネルスキャン時間期間の各々は、CTS時間期間より小さいか又はそれに等しい。代替として、図5に関連して述べたように、チャネルスキャンは受動スキャンであり得、各チャネルスキャン時間期間は、全TBTT時間期間をカバーする複数の部分TBTT時間期間の各々にわたってマルチロールデバイスが単一のチャネルをスキャンするように、部分ターゲットビーコン送信時間(TBTT)期間の時間期間を有する。
【0037】
当業者であれば、本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得ること、及び多くの他の実施例が可能であることが分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6