特許第6220025号(P6220025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミョンファ インダストリー カンパニー,リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000002
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000003
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000004
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000005
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000006
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000007
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000008
  • 特許6220025-デュアルポンプシステム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6220025
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】デュアルポンプシステム
(51)【国際特許分類】
   F04C 14/02 20060101AFI20171016BHJP
   F04C 14/00 20060101ALI20171016BHJP
   F04C 14/26 20060101ALI20171016BHJP
   F01M 1/16 20060101ALI20171016BHJP
   F01M 1/02 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   F04C14/02
   F04C14/00 C
   F04C14/26 A
   F01M1/16 F
   F01M1/16 E
   F01M1/02 F
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-171622(P2016-171622)
(22)【出願日】2016年9月2日
(65)【公開番号】特開2017-53353(P2017-53353A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2016年9月2日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0128133
(32)【優先日】2015年9月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516265366
【氏名又は名称】ミョンファ インダストリー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン ヨン
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−080717(JP,A)
【文献】 特開2009−236074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 14/02
F01M 1/02
F01M 1/16
F04C 14/00
F04C 14/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立した複数のチャンバが具備され、各チャンバ毎に入力ポートと出力ポートがそれぞれ具備されたデュアルポンプ;
前記複数のチャンバの各出力ポートにそれぞれ連結された複数の出力ライン;および、
前記複数の出力ラインのうち一側の出力ライン上に具備され、一方の作動時には、前記一側の出力ラインに流体が流れるようにし、他方の作動時には、前記一側の出力ラインから分岐したバイパスラインに流体がドレーンされるようにする切換バルブ;を含んで構成されており、
前記切換バルブは、エンジンの第1のRPM地点で他方に作動され、エンジンの第2のRPM地点で一方に作動され、前記第1のRPM地点よりも前記第2のRPM地点のRPMが高いことを特徴とする、デュアルポンプシステム。
【請求項2】
前記複数の出力ラインのうち他側の出力ライン上に具備され、所定の圧力以上である時に、流体をドレーンさせるリリーフバルブ;をさらに含んで構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルポンプシステム。
【請求項3】
前記切換バルブは、エンジンの第1のRPM地点で他方に作動され、エンジンの第2のRPM地点で一方に作動され、
前記複数の出力ラインのうち他側の出力ライン上に具備され、所定の圧力以上である時に、流体をドレーンさせるリリーフバルブが具備され、
前記第1のRPM地点A、前記第2のRPM地点B、前記リリーフバルブが流体をドレーンさせるRPM地点Cが、A<B<Cの関係を有するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルポンプシステム。
【請求項4】
前記複数の出力ラインは、1つのラインに合流して吐出されることを特徴とする、請求項1に記載のデュアルポンプシステム。
【請求項5】
前記デュアルポンプは、
互いに独立した複数のチャンバを形成するハウジング;
前記複数のチャンバのうち一側のチャンバに具備され、入力ポートに流入した流体を出力ポートに圧送するように噛み合った第1、第2のギア;および、
前記複数のチャンバのうち他側のチャンバに具備され、入力ポートに流入した流体を出力ポートに圧送するように噛み合った第3、第4のギア;を含んで構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルポンプシステム。
【請求項6】
前記一側のチャンバ内の1つのギアと前記他側のチャンバ内の1つのギアとが1つのシャフトで連動され、前記一側のチャンバ内の他の1つのギアと前記他側のチャンバ内の他の1つのギアとが1つのシャフトで連動されることを特徴とする、請求項に記載のデュアルポンプシステム。
【請求項7】
前記デュアルポンプの各チャンバにおけるポンピング容量が互いに異なるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルポンプシステムに関し、より詳細には、エンジンに供給されるオイルの供給圧力が過度に増加した時、オイルの一部をバイパスさせることにより、エンジンの各部分に常に良好なオイルの供給圧力が維持されるようにするデュアルポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両のエンジンにおいては、エンジンオイルが循環することによってエンジンの過熱防止や各種機具の間の摩擦力の低減が行われており、このためにオイルポンプが適用される。
【0003】
しかし、オイルポンプは、吐出側に流量を吐出するとともに、吸入側に戻る流量を吸い込むように稼働されることにより、オイルポンプの稼働時、エンジンの駆動トルクは損失するしかない。
【0004】
車両において、エンジンの駆動トルクの改善は、燃費改善のために必須の事項であるので、オイルポンプの‘流量×油圧'の関係に比例するオイルポンプによる駆動トルクの損失(オイルを送出するために消費される消費馬力)は、オイルポンプの性能改善によって低減することができる。
【0005】
最近、車両の燃料低減は、世界的な高油価および二酸化炭素の規制によってその重要性がさらに加重されていることから、車両の開発時、燃費の向上および親環境が核心的な項目として挙げられている。
【0006】
特に、エンジンの駆動トルクの改善は、燃費改善のための必須の事項である側面を考慮する時、オイルポンプによる駆動トルクの損失の低減は、燃費改善において非常に効果的であり得る。
【0007】
例えば、図1に示されたように、高速RPMでリリーフバルブを通じてオイルの一部をバイパスさせることにより、オイルの圧力を下げ、燃費を改善させる構造が開示されている。
【0008】
しかし、上述したような方式のオイルポンプは、高速区間のオイル圧力は解消することができるが、中速区間のオイル圧力は、依然として高い状態に維持されるため、燃費改善の効率が劣るという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1509994号(登録日2015年4月1日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の技術による問題点を解決するための本発明の目的は、エンジンに供給されるオイルの供給圧力が過度に増加した時、オイルの一部をバイパスさせることにより、エンジンの各部分に常に良好なオイルの供給圧力が維持されるようにするデュアルポンプシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的と第を解決するための本発明のポンプシステムは、互いに独立した複数のチャンバが具備され、各チャンバ毎に入力ポートと出力ポートがそれぞれ具備されたデュアルポンプ;前記複数のチャンバの各出力ポートにそれぞれ連結された複数の出力ライン;および、前記複数の出力ラインのうち一側の出力ライン上に具備され、一方の作動時には、前記一側の出力ラインに流体が流れるようにし、他方の作動時には、前記一側の出力ラインから分岐したバイパスラインに流体がドレーンされるようにする切換バルブ;を含んで構成される。
【0012】
好ましくは、前記切換バルブは、エンジンの第1のRPM地点で他方に作動され、エンジンの第2のRPM地点で一方に作動され、前記第1のRPM地点よりも前記第2のRPM地点のRPMが高くなるように構成することができる。
【0013】
好ましくは、前記複数の出力ラインのうち他側の出力ライン上に具備され、所定の圧力以上である時に、流体をドレーンさせるリリーフバルブ;をさらに含んで構成することができる。
【0014】
好ましくは、前記切換バルブは、エンジンの第1のRPM地点で他方に作動され、エンジンの第2のRPM地点で一方に作動され、前記複数の出力ラインのうち他側の出力ライン上に具備され、所定の圧力以上である時に、流体をドレーンさせるリリーフバルブが具備され、前記第1のRPM地点A、前記第2のRPM地点B、前記リリーフバルブが流体をドレーンさせるRPM地点Cが、A<B<Cの関係を有するように構成することができる。
【0015】
好ましくは、前記複数の出力ラインは、1つのラインに合流されて吐出することができる。
【0016】
好ましくは、前記デュアルポンプは、互いに独立した複数のチャンバを形成するハウジング;前記複数のチャンバのうち一側のチャンバに具備され、入力ポートに流入した流体を出力ポートに圧送するように噛み合った第1、第2のギア;および、前記複数のチャンバのうち他側のチャンバに具備され、入力ポートに流入した流体を出力ポートに圧送するように噛み合った第3、第4のギア;を含んで構成することができる。
【0017】
好ましくは、前記一側のチャンバ内の1つのギアと前記他側のチャンバ内の1つのギアとが1つのシャフトで連動され、前記一側のチャンバ内の他の1つのギアと前記他側のチャンバ内の他の1つのギアとが1つのシャフトで連動されることができる。
好ましくは、前記デュアルポンプの各チャンバにおけるポンピング容量が互いに異なるように構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
上述したような本発明は、エンジンに供給されるオイルの供給圧力が過度に増加した時、オイルの一部をバイパスさせることにより、エンジンの各部分に常に良好なオイルの供給圧力が維持されるようにする利点がある。
【0019】
具体的に、中速区間において過度なオイルの供給圧力を解消することにより、中速区間のポンピングトルクを低減して燃費を改善することができるという利点がある。
【0020】
また、複数のチャンバにそれぞれ一対のギアを通じて各チャンバの流体を吐出するように構成することで、ギアの形状条件を異なるものとしてポンピング容量の選定の自由度を上げることができ、ギア仕様の共用化が可能であるという利点がある。
【0021】
また、駆動ギアと被動ギアが同一のギアで構成されることにより、オイルの吐出時、脈動圧力が安定する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のポンプシステムの作動による圧力変化を示したグラフである。
図2】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプの概略的構成を示した斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプの概略的構成を示した分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプの概略的構成を示した断面図である。
図5】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプが具備されたポンプシステムの低速区間の作動を示した概略図である。
図6】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプが具備されたポンプシステムの中速区間の作動を示した概略図である。
図7】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプが具備されたポンプシステムの高速区間の作動を示した概略図である。
図8】本発明の一実施例によるデュアルギアポンプが具備されたポンプシステムの作動による圧力変化を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、その技術的思想または主な特徴から外れることなく、他の様々な形態で実施することができる。したがって、本発明の実施例は、すべての点で単なる例示に過ぎないものであり、限定的に解釈されてはならないものである。
【0024】
第1、第2のような用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されるものではない。
【0025】
上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されていてもよく、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されていてもよい。
【0026】
および/またはの用語は、複数の関連して記載された項目の組み合わせまたは複数の関連して記載された項目のうちのいずれかの項目を含む。
【0027】
ある構成要素が別の構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された場合には、その別の構成要素に直接連結されているか、または接続されていることもできるが、その中間に他の構成要素が存在することもあり得ると理解しなければならない。
【0028】
一方、ある構成要素が別の構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された場合には、その中間に他の構成要素は存在しないものと理解しなければならない。
【0029】
本出願において使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に違うことを意味しない限り、複数の表現を含んでいる。
【0030】
本出願において、“含む”または“具備する”、“有する”等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加可能性を前もって排除するものではないと理解すべきである。
【0031】
別途で定義されない限り、技術的或いは科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有しいる。
【0032】
一般的に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的か、若しくは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0033】
以下において、添付の図面を参照しながら本発明による好ましい実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく、同一または対応の構成要素には同一の参照番号を付与し、これに対する重複の説明は省略することとする。
【0034】
本発明を説明する上で関連のある公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をぼかすおそれがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0035】
本発明の一実施例によるポンプシステムは、図2乃至図4に示されたようなデュアルポンプPを含んで構成される。
【0036】
前記デュアルポンプPは、互いに独立した複数のチャンバC1、C2が具備され、各チャンバC1、C2毎に入力ポート110h1、120h1と出力ポート110h2、120h2とがそれぞれ具備されたポンプである。
【0037】
一方、本実施例のポンプシステムは、前記複数のチャンバC1、C2の各出力ポート110h2、120h2にそれぞれ連結された複数の出力ラインL3、L3'、L4、L4、および前記複数の出力ラインL3、L3'、L4、L4'のうち一側の出力ラインL3、L4上に具備され、一方の作動時には、前記一側の出力ラインL3、L4に流体が流れるようにし、他方の作動時には、前記一側の出力ラインL3、L4から分岐されたバイパスラインBPLに、流体がオイルパンにドレーンされるようにする切換バルブSOLを含んで構成される。
【0038】
まず、前記デュアルポンプPの構成について説明する。
【0039】
前記デュアルポンプPは、図3に示されたように、互いに独立した複数のチャンバC1、C2を形成するためのハウジングを含んで構成され、前記ハウジングは、一側のハウジング110、他側のハウジング120、前記一側のハウジング110と他側のハウジング120の間に具備された隔壁130を含んで構成することができる。
【0040】
前記一側のハウジング110は、一側のチャンバC1を形成するとともに、第1の入力ポート110h1と第1の出力ポート110h2とが形成され、前記他側のハウジング120は、他側のチャンバC2を形成するとともに、第2の入力ポート120h1と第2の出力ポート120h2とが形成される。
【0041】
また、前記一側のハウジング110の内部には、前記第1の入力ポート110h1に流入された流体を前記第1の出力ポート110h2に圧送するために互いに噛み合った第1、第2のギアG1、G2が内蔵設置され、前記他側のハウジング120の内部には、前記第2の入力ポート120h1に流入された流体を前記第2の出力ポート120h2に圧送するために互いに噛み合った第3、第4のギアG3、G4が内蔵設置される。
【0042】
前記第1、第3のギアG1、G3は、前記一側のハウジング110と他側のハウジング120を貫通する第1のシャフト140に軸結合して回転され、前記第2、第4のギアG2、G4は、前記一側のハウジング110と他側のハウジング120を貫通する第2のシャフト140'に軸結合して回転され、前記第1のシャフト140と第2のシャフト140'のいずれか1つが、駆動モータ(図示省略)と連結されて回転することにより、第1乃至第4のギアG1、G2、G3、G4の全てが一緒に連動して回転駆動することができる。
【0043】
上述したように構成されたデュアルポンプPは、一側のハウジング110によって形成される一側のチャンバC1と、他側のハウジング120によって形成される他側のチャンバC2のポンピング容量が互いに異なるように構成することができ、このために、前記一側のハウジング110の内部空間と他側のハウジング120の内部空間が互いに異なる体積を有するように形成することができる。
【0044】
また、前記第1、第2のギアG1、G2、及び第3、第4のギアG3、G4の厚さやギアの数等のような形状条件を適切に設計変更することによって、一側のチャンバC1と他側のチャンバC2のポンピング容量を選択的に変更して適用することができ、このように、ギアの形状条件を異ならせる簡単な方式でポンピング容量を調節することが可能となる。
【0045】
次に、上述したようなデュアルポンプPが具備されたポンプシステムについて説明する。
【0046】
上述したとおり、本実施例のポンプシステムは、図5乃至図7に示されたように、上述したデュアルポンプPと、複数の出力ラインL3、L3'、L4、L4'と、切換バルブSOLとを含んで構成される。
【0047】
具体的に、本実施例のポンプシステムは、オイルパンの流体を流入させる第1の流入ラインL1と、前記第1の流入ラインL1から前記第1の入力ポート110h1に流体を流入させる第2の流入ラインL2と、前記第1の流入ライン流入ライL1から前記第2の入力ポート120h1に流体を流入させる第2’の流入ラインL2'と、前記第1の出力ポート110h2から前記切換バルブSOLの入力ポートP1に流体を流入させる第1の出力ラインL3と、前記第2の出力ポート120h2からリリーフバルブRVに流体を流入させる第1’の出力ラインL3'と、前記切換バルブSOLの入力ポートP1に流入した流体を最終出力ラインL5に流入させる第2の出力ラインL4と、前記リリーフバルブRVを通過した流体を最終出力ラインL5に流入させる第2’の出力ラインL4'と、前記リリーフバルブRVの入力ポートP1に流入した流体を前記オイルパンにドレーンさせるバイパスラインBPLと、を含んで構成される。
【0048】
前記切換バルブSOLは、前記第1の出力ラインL3と第2の出力ラインL4との間に具備され、内部のスプールSPが一方に作動する時、前記入力ポートP1に流入した流体が出力ポートP2に出力されて前記第2の出力ラインL4に流れるようにして、前記スプールSPが他方に作動する時、前記入力ポートP1に流入した流体が出力ポートP3に出力されて前記バイパスラインBPLに流れるように切換作動するようになる。
【0049】
前記リリーフバルブRVは、前記第1'の出力ラインL3'と第2’の出力ラインL4'との間に具備され、所定の圧力以上である時に開放されて、第1’の出力ラインL3'に流入した流体の一部を前記オイルパンにドレーンさせるように作動するようになる。
【0050】
具体的に、前記切換バルブSOLは、エンジンの第1のRPM地点Aで前記スプールSPが他方に作動し、エンジンの第2のRPM地点Bで前記スプールSPが一方に作動することができ、前記リリーフバルブRVが流体をドレーンさせるRPM地点Cと相互比較すると、A<B<Cの関係を有するように構成することができる。
【0051】
次に、上述したようなデュアルポンプPが具備されたポンプシステムの低速、中速、高速における作動についてそれぞれ説明する。
【0052】
<低速区間:エンジンのRPMが第1のRPM地点Aを未満>
図5に示されたように、低速区間では、前記切換バルブSOLが一方に作動するようになり、これに伴って前記切換バルブSOLの入力ポートP1に流入した流体が、前記第2の出力ラインL4に流れるようになる。
【0053】
一方、オイルの圧力が所定の圧力P未満であるので、前記リリーフバルブRVは、開放作動しない。
【0054】
したがって、最終出力ラインL5に出力されるオイルの圧力は、第2の出力ラインL4を通じて出力されるオイルの圧力T1と 第2’の出力ラインL4'を通じて出力されるオイルの圧力T2とが足し合った圧力T1+T2と決定され、図8の(1)区間に対応するグラフの形態に急激に増加するようになる。
【0055】
<中速区間:エンジンのRPMが第1のRPM地点A第2のRPM地点Bとの間>
図6に示されたように、中速区間では、前記切換バルブSOLが他方に作動するようになり、これに伴って前記切換バルブSOLの入力ポートP1に流入した流体が前記バイパスラインBPLに流れるようになる。
【0056】
一方、オイルの圧力が所定の圧力P未満であるので、前記リリーフバルブRVは、開放作動しない。
【0057】
したがって、最終出力ラインL5に出力されるオイルの圧力は、第2‘の出力ラインL4'を通じて出力されるオイルの圧力T2と決定され、図8の(2)区間に対応するグラフの形態に緩やかに増加するようになる。
【0058】
<高速区間:エンジンのRPMが第2のRPM地点Bを超過>
図7に示されたように、高速区間では、前記切換バルブSOLが一方に作動するようになり、これに伴って前記切換バルブSOLの入力ポートP1に流入した流体が、前記第2の出力ラインL4に流れるようになる。
【0059】
一方、エンジンのRPMが第2のRPM Bを超過した初期には、オイルの圧力が所定の圧力P未満であるため、前記リリーフバルブRVは開放作動しないが、エンジンのRPMが徐々に高くなるにつれ、オイルの圧力が所定の圧力Pに到逹するようになると、前記リリーフバルブRVが開放作動するようになる。
【0060】
したがって、最終出力ラインL5に出力されるオイルの圧力は、オイルの圧力が所定の圧力Pに到逹する以前は、第2の出力ラインL4を通じて出力されるオイルの圧力T1と 第2’の出力ラインL4'を通じて出力されるオイルの圧力T2とが足しあった圧力T1+T2と決定され、オイルの圧力が所定の圧力Pに到逹した後には、 第2の出力ラインL4を通じて出力されるオイルの圧力と 第2’の出力ラインL4'を通じて出力されるオイルの圧力とが足しあった圧力T1+T2からリリーフバルブRVを通じて減圧された圧力T1+T2−Sと決定され、図8の(3)区間に対応するグラフの形態に緩やかに増加するようになる。
【0061】
本発明は、添付の図面を参照しながら好ましい実施例を中心に記述されたが、当業者であれば、このような記載から本発明の範疇を外れることなく、多くの多様で且つ自明な変形が可能であることは明白である。したがって、本発明の範疇は、このような多くの変形例を含むように記述された特許請求の範囲によって解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0062】
110:一側のハウジング
120:他側のハウジング
130:隔壁
P:デュアルポンプ
SOL:切換バルブ
RV:リリーフバルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8