(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープ(2)及び熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーで作成されたパイプ状中空品(1)であって、該中空品(1)において、該テープ(2)は巻かれて中空品(1)を形成しており、該テープ(2)はASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率並びに少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、該中空品(1)中の該テープ(2)の少なくとも半分の本数の主伸長方向(7)は該中空品(1)の主伸長方向(8)に対して20から100°の角度(5)にあり、該テープの少なくとも半分の本数はこれらのテープ(7)の主伸長方向(7)に対して平行な200/110一平面配向を有し、該中空品(1)中の重なっているテープ(2)の少なくとも半分の本数の主伸長方向(7)は相互に異なっていることを特徴とする、パイプ状中空品(1)。
該中空品(1)が、ASTM D1599−99に準拠して測定した、400バールよりも大きな破裂圧に少なくとも70秒間耐える、請求項1又は2に記載のパイプ状中空品(1)。
該熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーがフィルム(4)の形態で、該テープ(2)上及び/又は間に存在する、前記請求項のいずれか一項に記載のパイプ状中空品(1)。
該中空品(1)が、巻かれて該中空品(1)を形成する、少なくとも1つのテープ(2)製シート(3)を含む、前記請求項のいずれか一項に記載のパイプ状中空品(1)。
少なくとも1つの該テープ(2)製シート(3)が少なくとも1枚の熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーのフィルム(4)によって被覆された、請求項6に記載のパイプ状中空品(1)。
該中空品(1)が少なくとも2枚のテープ(2)製シート(3,3’)から成り、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーのフィルム(4)がこれらのテープ(2)製シート(3,3’)の間にある、請求項6又は7に記載のパイプ状中空品(1)。
少なくとも1枚の該テープ(2)製シート(3)が該テープ(2)製一方向シート(3)であり、又は該テープ(2)が織られて該シート(3)を形成している、請求項6から8のいずれか一項に記載のパイプ状中空品(1)。
少なくとも2枚の該テープ(2)製シート(3,3’)が相互に対して交差して積層されており、又は少なくとも2枚の該シート(3,3’)がレンガ積み配置にある、請求項6から9のいずれか一項に記載のパイプ状中空品(1)。
熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーで被覆された少なくとも1枚の超高分子量ポリエチレンテープ(2)製シート(3)をマンドレル(6)に巻いてパイプ状中空品(1)を作成する、パイプ状中空品(1)の製法であって、該テープ(2)が、ASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率並びに少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、少なくとも1枚の該テープ(2)製シート(3)及び熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーと共にマンドレル(6)を加熱して、該熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーを融解させ、ここで、温度は150℃未満であり、該超高分子量ポリエチレンテープ(2)が該中空品(1)の主伸長方向(8)に対して20から100°の角度(5)を有するように少なくとも1枚の該超高分子量ポリエチレンテープ(2)製シートをマンドレル(6)に巻いて該パイプ状中空品(1)を形成することを特徴とする製法。
1枚を超えるテープ(2)製シート(3,3’)を用い、該テープ(2)製シート(3,3’)を交差積層配置及び/又はレンガ積み配置で配置させ、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーのフィルム(4)をテープ(2)製シート(3,3’)の中間、最上部及び/又は底部に配置させる請求項12に記載の製法。
超高分子量ポリエチレンテープ(2)をマンドレル(6)の周りに巻き、該超高分子量ポリエチレンテープ(2)は熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーで被覆されている、該超高分子量ポリエチレンテープで作成されたパイプ状中空品(1)の製法であって、該テープ(2)が、ASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率並びに少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、該テープ(2)及び熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーと共に該マンドレルを加熱して、該熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーを融解させ、ここで、温度は150℃未満であり、該超高分子量ポリエチレンテープ(2)の該テープ(2)の少なくとも半分の本数を、これらのテープ(2)の主伸長方向(7)が該マンドレル(8)の主伸長方向に対して20から100°の角度となるように、該マンドレル(6)の周りに巻くことを特徴とする製法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
EP0803347においては、例えば、タンク用のファブリックのための改良されたコーティングが開示されている。このコーティングは、芳香族化合物及び鉱酸の浸透に対する改良された抵抗性及び曲げ割れに対する抵抗性を有する。これを達成するために、超高分子量ポリエチレンテープが用いられ、そこでは、全てのテープが芯にラセン状に巻かれて、製品を形成する。本書類は、ASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率、及び少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを持つテープの使用を開示していない。加えて、EP0803347は、該製品中のテープの少なくとも半分の本数の主伸長方向が、製品の主伸長方向に対して20から100°の角度にあり、また、これらのテープの200/120一平面配向パラメータがこれらのテープの主伸長方向に対して平行であることを開示していない。テープについての破裂圧及び巻かれた技術の利点はこの書類では議論されていない。
【0008】
EP2307180は、超高分子量ポリエチレンテープを開示しており、そこでは、該テープはASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率、並びに少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有する。この書類は、パイプ状製品のためにそのようなテープの使用を開示しておらず、製品中でのテープの配置は議論されていない。加えて、EP2307180は、そのような製品の破裂圧を増大させるための、製品におけるそのようなテープの配置に関して何ら示唆を与えていない。
【0009】
本発明のパイプ状中空品は、その長さ寸法が幅の寸法よりも大きな製品である。パイプ状中空品は、例えば、パイプ又は容器であり、容器は幅寸法よりも大きな高さ寸法を有する。好ましくは、パイプ状製品はパイプであり、パイプは、該パイプの主伸長方向に対してほぼ垂直な2つの開口を有する製品と理解されるべきである。
【0010】
本発明で用いるUHMWPEは、エチレンのホモポリマー、又はエチレンと、共に一般に3及び20の間の炭素原子を持つもう1つのαオレフィン又は環状オレフィンであるコモノマーとのコポリマーとすることができる。例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、シクロヘキセン等が挙げられる。20個までの炭素原子を持つジエン、例えば、ブタジエン又は1−4ヘキサジエンを用いることも可能である。本発明の方法で用いるエチレンホモポリマー若しくはコポリマーにおける(非―エチレン)αオレフィンの量は、好ましくは、最大10モル%、好ましくは、最大5モル%、より好ましくは、最大1モル%である。(非−エチレン)αオレフィンを用いれば、それは、一般には、少なくとも0.001モル%、特別には、少なくとも0.01モル%、なおより特別には、少なくとも0.1モル%の量で存在する。
【0011】
用いるUHMWPEテープは、少なくとも500000グラム/モル、特別には、1×10
6グラム/モルと1×10
8グラム/モルとの間の重量平均分子量を有する。重量平均分子量は、溶媒として1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を用い、160℃の温度において、ASTM D 6474−99に準拠して決定される。高温試料調製デバイス(PL/SP260)を含めた適切なクロマトグラフィー機器(ポリマー・ラボラトリーズ(Polymer Laboratories)からのPL/GPC220)を用いてよい。200万g/モルよりも大きな平均分子量の決定では、Talebiら(Micromolecules 2010,43,2780−2788;DOI:10.1021/ma902297b)に記載されたレオロジー的方法を用いることもできる。この方法においては、レオメトリックス(Rheometrics)社のRMS800歪制御スペクトロメータを用い、広い範囲の温度(140−220℃)、角周波数(0.001から100rad/s)及び歪(0.5から2%)にわたって、線形粘弾性(LVE)方式における振動剪断測定及び応力緩和を行う。歪掃引を行うことによって、LVE領域が確立される。試料の高い剛性のため、平行板幾何学的配置を、8mmのディスク直径において用いる。試料の厚みは1mmである。高いモル質量材料では、応力緩和実験を行って、測定の時間窓を拡大させる。測定に先立って、ポリマー粉末を、まず、50℃及び200バールで圧縮し、このようにして得られた焼結粉末からの8mm直径のディスクをレオメータ中で平衡融解温度を十分超えるまで急速に(ほぼ30℃/分)加熱する。応力緩和及び周波数掃引実験は、LVE方式において歪振幅を適用することによって行う。
【0012】
UHMWPEテープ(またはテープともいう)の引張強さは、ASTM D882−00に準拠して決定する。延伸比及び延伸温度に依存して、少なくとも1.5GPa、又は少なくとも1.7GPaの引張強さを得ることができる。いくつかの実施態様においては、少なくとも2.0GPaの引張強さを持つ材料を得ることができる。時々、少なくとも2.5GPa、特別には、少なくとも3.0GPa、より特別には、少なくとも3.5GPaの引張強さを得ることができる。少なくとも4GPaの引張強さを得ることもできる。
【0013】
好ましくは、テープは、高い引張破断エネルギーを有する。引張破断エネルギーは、50%/分の歪速度を用い、ASTM D882−00に準拠して決定する。それは、応力−歪曲線下で単位質量当たりのエネルギーを積分することによって計算される。延伸比に依存して、少なくとも15J/gの引張破断エネルギー、又は少なくとも25J/gの引張破断エネルギーを有するテープを得ることができる。いくつかの実施態様において、少なくとも30J/g、特別には、少なくとも40J/g GPa、より特別には、少なくとも50J/g GPaの引張破断エネルギーを持つ材料を得ることができる。
UHMWPEテープの弾性率は、少なくとも100GPaである。弾性率は、ASTM D822−00に準拠して測定する。テープについては、少なくとも140GPa、又は少なくとも150GPaの弾性率を得ることが可能である。
【0014】
本発明において出発材料として用いるテープは、少なくとも3の200/110一平面配向パラメータφを有する。200/110一平面配向パラメータφは、反射幾何学的配置において決定された、テープ試料のX線回折(XRD)パターンにおける200及び110ピーク面積間の比と定義される。広角X線散乱(WAXS)は、物質の結晶構造についての情報を提供する技術である。該技術は、具体的には、広角において散乱したブラッグピークの分析をいう。ブラッグピークは、長距離構造的秩序に由来する。WAXS測定は、回折パターン、すなわち回折角2θ(これは、回折ビームと一次ビームとの間の角度である)の関数としての強度を生じさせる。
【0015】
200/110一平面配向パラメータは、テープ表面に対する200及び110結晶面の配向の程度についての情報を与える。高い200/110一平面配向を持つテープ試料では、200結晶面はテープ表面に対して高度に平行に配向している。ランダムに配向した結晶子を持つ供試体についての200及び110ピーク面積間の比は0.4前後である。200/110一平面配向パラメータの値は、X線回折計を用いて決定することができる。Cu−Kα放射(K波長=1.5418Å)を生じるX線多層膜集光光学系(ゲーベル(Goebel)ミラー)を備えたブルーカー(Bruker)社のAXS D8回折計が適切である。測定条件:2mm散乱防止スリット、0.2mmディテクタースリット及び発生装置設定40kV、35mA。テープ供試体は、例えば、何らかの両面装着テープで試料ホルダーに取り付ける。テープ試料の好ましい寸法は15mm×15mm(l×w)である。試料が完全に平らに保たれ、試料ホルダーに対して位置合わせされていることに注意を払うべきである。テープ供試体を備えた試料ホルダーを、引き続いて、反射幾何学的配置(テープの法線はゴニオメーターに対して垂直かつ試料ホルダーに対して垂直)において、D8回折計に入れる。回折パターンについての走査範囲は5°から40°(2θ)であり、ステップサイズは0.02°(2θ)及びカウント時間はステップ当たり2秒である。測定の間、試料ホルダーは、さらなる試料位置合わせが必要でないように、テープの法線の周りを1分当たり15回転で回転させる。引き続いて、回折角2θの関数として強度を測定する。200及び110反射のピーク面積は、標準的なプロファィル・フィッティング・ソフトウェア、例えば、Bruker−AXSからのTopasを用いて決定する。200及び110反射は単一のピークであるので、フィッティング過程は単純であり、適切なフィッティング手法を選択し、実行するのは当業者の技量内のものである。200/110一平面配向パラメータは、200及び110ピーク面積間の比と定義される。このパラメータは、200/110一平面配向の定量的な尺度である。
好ましくは、テープは、EP2307180に記載された製法に従って生産される。
【0016】
中空品の、半分のテープ、最も好ましくは、半分を超える本数のテープは、パイプ状中空品(または中空品ともいう)の主伸長方向に対して、20°から100°の角度に、より好ましくは、30°から95°の角度に、最も好ましくは、45°から90°の角度に配置される。最も好ましい実施態様においては、中空品の全てのテープは、製品の主伸長方向に対して、20°から100°の角度に、より好ましくは、30°から95°の角度に、最も好ましくは、45°から90°の角度に配置されて中空品を形成する。中空品を作るためには、好ましくは、少なくとも1本のテープをマンドレルの周りに該角度で巻き(このようにして、テープは特許請求されるように製品中に配置される)。超高分子量ポリエチレンのテープの少なくとも半分の本数は、製品中に20°から100°の角度に配置され、これらのテープの200/110一平面配向はこれらのテープの主伸長方向に対して平行であり、製品中のこれらの重なったテープの主伸長方向は相互に異なる。ここで述べた角度でのテープの特別な配置のため、テープにおける結晶配向は中空品内で調整され、したがって、製品は高い圧力、特別には、破裂圧を相殺することができる。
【0017】
中空品中の特殊な種類のテープの使用及びテープの特殊な配置のため、中空品は圧力に対して大きな抵抗性を有する。好ましくは、中空品は、ASTM D1599−99に準拠した測定において、400バールを超える破裂圧に少なくとも70秒間耐える。高い破裂圧抵抗性のため、中空品は適用の大きな変化に対して有用であり、ここで、請求項1の中空品は、同時に特別に軽い。しかしながら、中空品の製法は容易であって、特殊な装置を必要としない。
【0018】
好ましくは、少なくとも2本の重なったテープ、より好ましくは、重なったテープの少なくとも半分の本数、最も好ましくは、重なったテープの本数の半分を超えるものの主伸長方向は、相互に対して、0°から130°の角度、又は好ましくは、45°から130°の角度、より好ましくは、90°から120°の角度、最も好ましくは、106°から110°の角度にある。重なったテープのこの配置のため圧力抵抗性はなおより増加する。
【0019】
好ましくは、中空品を作るためのテープは、10mmを超える幅及び0.5mm未満の厚みを有する。200/110一平面配向は、テープの幅に対して垂直、したがって、テープの主伸長方向に対して平行である。薄いテープの使用のため、テープを部材の周りに容易に巻いて中空品を作成することができる。したがって、湾曲物又は曲がりくねった製品を得ることも可能である。1つの領域における中空品用のテープの本数は、10mmを超える幅を持つテープを選択することによって低下させることができる。したがって、該製法は時間を節約する。
【0020】
好ましい実施態様において、中空品はテープ製シートによって作成される。テープ製シートは、好ましくは、巻かれて中空品を形成する。1つの実施態様において、2枚のテープ製シート、より好ましくは、4枚のテープ製シートを一緒に積層し、その後、それらを巻いて中空品を形成する。一緒に積層した2枚又は4枚のシートを(シートの)積層体という。
【0021】
好ましくは、テープは(テープ製の)シートにおいて一方向に配置される。一方向とは、テープがシート内で相互に平行に配向していることを意味する。もう1つの好ましい実施態様において、シートは、縦糸及び横糸方向のテープで作成された織物シートである。全ての一般的な織りパターン、例えば、平織、綾織又は朱子織が可能である。
積層体が用いられる場合、好ましくは積層体の少なくとも1枚のシート、より好ましくは全てのシートが一方向の配置である、及び/又は、織物形態であるテープを示す。
【0022】
シートが一方向配置を有する場合、好ましくは少なくとも2枚のシートを相互に対して交差重ねし、又は積層体内にレンガ積み配置で配置する。レンガ積み配置では、テープの方向はあらゆるシートにおいて同一であり、各シートのテープは、そのシートの上方又は下方の隣接するシートのテープに対してずれて配置されており、ここで、各シート中のテープは一方向に配向する(これは、平行に並ぶ、を意味する)。好ましくは、テープは1枚のシート中では相互間にスペースを有しない。スペースが有る場合、テープは、第一のシートにおいて間隔を置いて平行に並んで配置され、第一のシート中のテープ間のスペースは好ましくは、テープの幅よりも小さく、そして、テープは第二のシートにおいて間隔を置いて平行に並んで配置され、その位置において、第一のシート中のスペースは第二のシート中のテープによって覆われる。有用なレンガ積み配置は、EP1868808及びWO2008/040506に開示されている。
【0023】
好ましくは、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーは、フィルムの形態であるテープの上に、及び/又はテープの間に存在する。テープそれ自体を中空製品の作成のために用いる場合(テープ製シートは用いない)、フィルムは、好ましくは、テープの片面、又はテープの両面に存在する。テープは1つの面に熱可塑性プラスチックを含み、他の面に、熱可塑性エラストマーフィルムを含むことができる。もう1つの実施態様において、中空品はテープ製シートを巻くことによって作られる。また、ここでは、シートは熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーのフィルムによって被覆することができ、ここで、シートの各表面は熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーフィルムで被覆してもよい。シートの積層体を用いる場合、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーフィルムは積層体の外面に、及び/又は積層体中の(テープ製の)シートの間に配置することができる。フィルムは、テープ又はテープ製シートをすっかり又は部分的に被覆することができる材料の薄いシートである。好ましい実施態様において、テープ又はテープで作成されたシートはフィルムによってすっかり被覆される(これは、80%を超えるテープ表面又はシート表面がフィルムによって被覆されることを意味する)。
【0024】
たとえ少なくとも1本のテープ又はテープで作成されたシートが熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーによって被覆されても、テープ又はシートへの熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーの含浸は起こらない。コーティング又は被覆と含浸との差は、コーティング又は被覆プロセスにおいては、テープ又はシートの表面のみがこの材料で被覆されることである。含浸工程においては、コーティング材料は表面にあり、またテープ又はシート内にもある。
熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーは、UHMWPEテープの融点未満の融点(例えば、145℃)を有する。低密度ポリエチレンは1つの有用な例である。
【0025】
中空品は、好ましくは、パイプ又は容器である。UHMWPEテープの化学的抵抗性のため、そのような容器又はパイプは水、ガス又は化学物質を輸送するのに有用であり得る。さらに、他の成形品、例えば、釣竿、コンクリート補強用の部品又はシェールガスの輸送用の容器もまた、該テープから形成することができる。
【0026】
本発明のさらなる態様は、上記段落に記載したパイプ状中空品の製法である。この製法においては、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーでコーティングされた、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープの少なくとも1枚のシートをマンドレルに巻いて該製品を形成するが、ここで、少なくとも1枚のテープ製シート及び熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーと共にマンドレルを加熱して、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーを溶融させ、このとき温度は150℃未満及び好ましくは135℃未満とする。パイプ状中空品の製法においては、超高分子量ポリエチレンテープが該製品の主伸長方向に対して20から100°の角度を有するように、少なくとも1枚の超高分子量ポリエチレンテープ製シートをマンドレルに巻いてパイプ状中空品を形成する。
【0027】
好ましくは、少なくとも1枚の超高分子量ポリエチレンテープ製シート、より好ましくは、超高分子量ポリエチレンテープ製シートの少なくとも半分の枚数を、20から100°の角度でマンドレルに巻き、ここで、これらの超高分子量ポリエチレンテープの200/110一平面配向はテープの主伸長方向に対して平行である。
好ましくは、パイプ状中空品を作成するためにテープの1枚を超えるシートを用いる。好ましくは、シートは交差積層配置及び/又はレンガ積み配置で配置させ、ここで、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーのフィルムを(テープ製の)シートの中間、最上部及び/又は底部に配置する。
【0028】
本発明のなおもう1つの態様は、超高分子量ポリエチレンテープで作成されたパイプ状中空品の製法であり、そこでは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープをマンドレルの周りに巻き、該テープは熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーで被覆されており、該テープと共にマンドレルを加熱して、150℃未満、好ましくは、135℃未満の温度で熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーを融解させ、テープの少なくとも半分の数をマンドレルの主伸長方向に対して20°から100°の角度でマンドレルに巻く。
【0029】
好ましくは、(マンドレルの主伸長方向に対して20°から100°の角度に配置された)これらの超高分子量ポリエチレンテープの200/110一平面配向は、該テープの主伸長方向に対して平行である。
好ましくは、双方の製法において(テープ製製品及びシート製製品)、ほぼ半分の本数のテープ、より好ましくは、半分を超える本数のテープ、最も好ましくは、ほとんど全てのテープを、マンドレルの主伸長方向に対して、20°から100°の角度、より好ましくは、30°から95°の角度、最も好ましくは、45°から90°の角度でマンドレルに巻いて、中空品を形成する。
【0030】
双方の製法では(テープ製製品及びシート製製品)、150℃よりも高い温度で行う製造工程はない。これは、双方の製法における全ての製造工程が150℃未満、好ましくは、135℃未満で行われることを意味する。150℃よりも高い温度はテープの結晶構造を破壊し、したがって、テープは高い引張強さ及び弾性率を失うであろう。したがって、仕上げられた製品の破裂圧もまた劇的に減少し、本発明で記載され、記載したように立証されたテープ製製品の破裂圧に匹敵しない。
双方の製法において、適用されたテープは、ASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ、及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率、及び少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有する。
【0031】
好ましくは、双方の製法におけるテープを、製品中の重なったテープの少なくとも半分の主伸長方向が相互に異なるように巻いて製品を作成する。
(テープ製)シートで作成された積層体を用いた場合、少なくとも2枚のシートを、135℃の温度及び35バール下で、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーフィルムで処理する。得られた組成物をマンドレル又はいずれかの他の形状の型の周りに巻き、又は巻き上げて、所望の中空品を作成する。引き続いて、該製品を熱及び加圧処理に付して最終の中空品を得る。
【0032】
中空品を作成するためには、好ましくは、テープ製シートをマンドレルの周りに数回巻く。マンドレルは、好ましくは、膨張可能であり、加熱可能である。マンドレル及び巻き上げた組成物を型に入れる。型を加熱する。マンドレルを膨張させることによって、予備的なパイプ状製品を加圧処理に付す。上昇させた温度(150℃未満)及び圧力下で、最終製品に形状を付与する。所望であれば、異なる材料をマンドレルに隣接するテープ層(シート)に導入することによって(例えば、ナイロン、金属ホイル)、又は内側層テープを融解させることによって、中空品の平滑な内面を得ることができる。
【0033】
好ましくは、中空品は、アラミド(好ましくは、ポリp−フェニレンテレフタルアミド(PPTA))又は炭素繊維のような補強繊維によって補強することができる。1つの好ましい実施態様において、テープ又はテープ製シートで作成された中空品をマトリックスでコーティングする。マトリックスは、好ましくは、中空品の外面に配置させる。マトリックスは、好ましくは、3未満、より好ましくは2未満、最も好ましくは、1未満の200/110一平面配向パラメータを有する低弾性率ポリエチレンで作成される。マトリックスによって、中空品はより柔軟となり、その際、高い破裂圧抵抗性は依然として存在する。1つの実施態様において、マトリックスは液状で中空品上に適用される。
中空品について記載したようなシート中でのテープの向きに関する全ての実施態様は、中空品を作成するための製法においても適用可能である。加えて、中空品の製法で述べた全ての製品の特長も中空品それ自体に対して適用可能である。
【実施例】
【0034】
本発明は、実施例を参照することによって最も良く理解することができ、本発明は実施例によって限定されない。
【0035】
実施例1
24mmの外径及び1.8mmの壁厚みを有する中空パイプを作成する。中空パイプはテープ製シートから作成される。各テープはUHMWPEから作成され、2.4GPaの引張強さ、50μmの厚み及び133mmの幅を有する。1枚のシート中のテープは一方向に配置され、隣接するシート中のテープの主伸長方向は交互に約90°をなしている。
テープは以下のプロセスによって作成する:453g/lの嵩密度を持つポリオレフィン粉末を、120バールの圧力において等圧プレスで圧縮した。圧縮後の密度は、粉末の圧縮シートの重量及び体積を測定することによって決定した。圧縮は142℃未満、好ましくは135から138℃の領域で行った。粉末の圧縮シートを、各々、142℃及び152℃の付近の温度において(誤差範囲2℃)2段で圧延及び延伸した。
【0036】
シートで作成した積層体は以下の構造を有する:
積層体:
相互の最上部:
10μmの厚みを有する接着性フィルム層(低密度ポリエチレンポリマー粘着フィルム、すなわち、スーパーマーケットから購入された食品を包装し又は被覆するために用いられる熱可塑性プラスチック)
第一のテープ製シートにおいて、テープの主伸長方向は0°の向きにある。第二のテープ製シートにおいては、テープの主伸長方向は、第一のシートに配置されたテープに対して90°である。
10μmの厚みを有する接着性フィルム層
2枚のテープ製シート間の接着性層は低密度ポリエチレン(LDPE)から成る。第一及び第二のテープ製シートから作成された積層体を、130℃において50バール圧力で600秒間ラミネートした。
【0037】
積層体から作成されたパイプ:
積層体をマンドレルの周りに巻き、それにより、外側のテープ製シート(第一のテープ製シート)の主伸長方向はマンドレルの主伸長方向に対してほぼ90°の角度にある。
マンドレルはケイ素製であり、少なくとも30分間、50バールの加圧処理に付し、135℃まで加熱した。その後、マンドレル及び巻いた積層体を室温まで冷却し、得られたパイプをマンドレルから引き出した。
温度は配向したUHMWPEテープの融点を決して越えなかったので、テープの高い配向性及び引張強さ並びに引張弾性率はパイプにおいて維持された。得られた中空パイプは高い剛性を有し、その結果、セラミック床に落下した場合に金属音が生じる。パイプを22℃の室温において、ASTM D1599−99に準拠して水圧処理に付した。
得られたパイプは500バールまでの圧力に少なくとも70秒間耐えることができ、ここで、パイプの内部の流体の圧力を1分間で1バールから500バールまで増加させ、ASTM T1599−99のセクション10に掲げられた式から計算して、3083バールの最大周方向応力(500バールの半径方向圧力)がもたらされた。測定は22℃で行う。
【0038】
比較例1
比較例は、EP223252によるパイプのテープが、ASTM D882−00に準拠した1.5GPaよりも大きな引張強さ、及びASTM D822−00に準拠した100GPaよりも大きな弾性率、並びに少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有しないことを示す。
最初の試験において、実施例1に従ってパイプを作成した。このパイプをEP223252における適用された処理温度に従って180℃まで加熱した。該温度への加熱のため、パイプは形状を失い、圧力測定は行うことができなかった。
第二の試験において、実施例1に従ってテープ製シートを作成した。このシートは、EP223252における適用された処理温度に従って180℃まで加熱した。該温度への加熱のため、シート中のテープでは、
図5及び表1に示すように、それらの一方向配向パラメータ200/100が5.98の初期値から0.51まで減少する。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から分かるように、比較例のテープでは、180℃の処理温度のため、それらの200/110一方向配向パラメータが減少する。実施例及び比較例のテープは出発物質として同一であったが、製造条件はテープの機械的挙動を変化させる。そのようなテープは、より劣った引張強さ及び弾性率を有し、これは、実施例によるテープに匹敵しない。
【0041】
さらなる実施例
中空パイプをテープ製シートから作成する。各テープはUHMWPE(超高分子量ポリエチレン)で作成され、2.4GPaの引張強さ、50μmの厚み及び133mmの幅を有する。1枚のシート中のテープは一方向に配置する。
テープは以下の製法によって作成する:453g/Lの嵩密度を持つポリオレフィン粉末を、120バールの圧力において、等圧プレスで圧縮した。圧縮後の密度は、粉末の圧縮されたシートの重量及び体積を測定することによって決定した。圧縮は、142℃未満、好ましくは、135から138℃の範囲で行った。粉末の圧縮されたシートを、各々、142℃及び152℃の付近の温度(誤差範囲2℃)において、2段で圧延及び延伸した。
【0042】
シートで作成された積層体は以下の構造を有する:
積層体:
相互の最上部:
10μmの厚みを有する接着性フィルム層
第一のテープ製シート
第二のテープ製シート
10μmの厚みを有する接着性フィルム層
第一及び第二のテープ製シートから作成された積層体を、130℃及び50バール圧力において600秒間ラミネートした。
【0043】
積層体から作成されたパイプ:
積層体をマンドレルの周りに巻いた。
マンドレルはケイ素製であり、少なくとも30分間、50バールの圧力処理に付し、135℃まで加熱した。その後、マンドレル及び巻いた積層体を室温まで冷却し、得られたパイプをマンドレルから引き出した。
温度は決して配向したUHMWPEテープの融点を超えて上昇させなかったので、テープの高い配向、及び引張強さ並びに引張弾性率は(表2における比較例IVを例外として)パイプで維持された。得られた中空パイプは高い剛性を有し、その結果、セラミック床に落下した場合に金属音を生じる。パイプは、22℃の室温においてASTM D1599−99に準拠した水圧処理に付した。破裂圧は、ASTM D1599−99に準拠して測定した。パイプ内側の流体を1分間で1バールから500バールまで加圧し、ASTM D1599−99のセクション10に掲げられた式から計算して、(500バールの半径方向圧力につき)3083バールの最大周方向応力がもたらされた。測定は、22℃で行った。
【0044】
【表2】
【0045】
実施例II及び実施例IIIにおいて、テープは層(シート)状に一方向に配置させ、各層をマンドレルの周りに巻いて、45°の角度でパイプを作る。テープの200/110一平面配向はテープの主伸長方向に対して平行であり、したがって、テープの200/110一平面配向もまた得られたパイプの主伸長方向に対して45°角度にある。(異なるテープ層中の)重なっているテープは相互に対して90°の角度を有し、これは、テープ層が交差して積層されていることを意味する(
図2参照)。得られたパイプは、双方の実施例において、4層の交差して積層されたテープの層によって作成され、外径の顕著な変化なしに1000バールの破裂圧に耐える。これは、実施例II及びIIIで得られたパイプは高い寸法安定性によって特徴付けられることを意味する。実施例II、III及びIVに対する比較例(比較例II、比較例III及び比較例IV)においては、実施例II及びIIIにおいてと同一種類のテープが用いられている。テープはやはり層内で一方向に配置され、ここで、テープの200/110一平面配向はテープの主伸長方向に対して平行である。比較例IIにおいては、全ての4層のテープ層は、90°の角度でマンドレルに巻かれている。これは、得られたパイプ内の全てのテープがパイプの主伸長方向に対して90°の角度を有することを意味する。パイプ内の重なっているテープは、相互間で角度を有しない。そのようなパイプは、13バールの破裂圧をかけることによって破壊する。破裂圧をかけた後には外径を測定することはできない。比較例IIIにおいては、(4層のテープ層に配置した)全てのテープは、マンドレルの主伸長方向に対して45°の角度でマンドレルに巻かれ(したがって、テープの主伸長方向は、得られたパイプの主伸長方向に対して45°の角度にある)。得られたパイプ内の重なったテープは、相互間に角度を有しない。また、この比較例においては、得られたパイプは、17バールの破裂圧をかけることによって破裂した。破裂圧をかけた後の外径は測定することができない。比較例IVにおいては、パイプは、パイプがほぼ180°の温度まで加熱されたことを除いて、実施例II及びIIIについて記載したのと同一の方法で作成した。パイプを冷却した後、破裂圧をパイプにかけた。パイプは、15バールの破裂圧をかけることによって破裂した。さらなる測定は行わなかった。パイプの加熱処理のため、パイプ内のテープの200/110一平面配向は消失し、したがって、破裂圧安定性が消失する。したがって、比較例IVは、配向していないUHMWPEテープで作成されたパイプは、やはり高い破裂圧に耐えないであろうことを示す。
【0046】
以下の図面1から5を参照することによって、本発明は最も良く理解できる。図面は、好ましい実施態様を記載することを意図した例であり、いかなる方法においても添付の請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0047】
図1において、主伸長方向8を持つマンドレル6が示され、このマンドレル6の周りに、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)で作成されたテープ2が巻かれている。テープ2は主伸長方向7を有し、マンドレル6への巻きつけは、テープ2の主伸長方向7が、マンドレル6の主伸長方向8に対して20から60°、好ましくは、ほぼ53°の角度5で行われる。マンドレル6の主伸長方向8は、(
図1には示されていない)得られる製品1の主伸長方向に対して同等であることは明らかなはずである。
【0048】
図2は、テープ2で作成されたシート3,3’で作成された積層体9を示す。積層体9は、(本実施態様においては)2枚のシート3,3’から成る。第一のシート3は、一方向配置(垂直)のテープ2を含み、(2つのテープ2のみ示されている)第二のシート3’は、この第一のシート3に対して交差して積層されている。これは、第一のシート3のテープ2が、第二のシート3’のテープ2に対して一定角度(好ましくは、90°)にあることを意味する。積層体9の両面には、熱可塑性プラスチック及び/又は熱可塑性エラストマーのフィルム4(
図2では示さず)又はホイルが被覆されている。また、第一のシート3及び第二のシート3’の間にも、そのようなフィルム4が配置されている。積層体9はマンドレル6の周りに巻かれ、ここで、テープ2の主伸長方向は、マンドレル6の主伸長方向8に対してほぼ53°及び37°の角度5,5’である。1つの他の例において、積層体9は、第二のシート3’のテープ2がマンドレル6の主伸長方向8に対して90°の角度を有するようにマンドレル6の周りに巻かれている。
【0049】
図3においては、積層体9が分解図において示されている。この例においては、積層体9は第一のシート3及び第二のシート3’から成る。第一のシート3のテープ2は、第二のシート3’のテープ2に対してほぼ90°の角度で配置されている。また、第一及び第二のシート3,3’のテープ2間では他の角度も可能である:例えば、45°。積層体9の最上部及び底部には、熱可塑性プラスチック又は熱可塑性エラストマーのフィルム4又はホイルが設けられている。また、第一のシート3及び第二のシート3’の間にも、フィルム4又はホイルが設けられている。積層体9が織物シート、又は織られたシートと一方向性シートの組合せによって形成されている場合、フィルム4又はホイルは同じ位置に配置されていてもよい。
【0050】
図4は、パイプ状中空品1を示し、この例においては、(2つの開口10を備えた)パイプ1が図示されている。パイプ1はテープ2によって形成されており、テープ2は、パイプ1中のテープ2の主伸長方向がパイプ1の主伸長方向8に対してほぼ50°の角度となるように、パイプ2中に配置されている。テープ2は、パイプ1の主伸長方向8に対してほぼ90°の角度を有することも可能である。
【0051】
図5は、実施例によるパイプ1及び比較例によるシート3のX線回折(XRD)を示す。試料としてのシート3は、曲線Aに示されたようなかなりの程度の非晶質の寄与を有し、これは、曲線Bにおける強い一平面配向パラメータを示す実施例によるパイプ1よりもランダムな組織にかなり近い。矢印11は、曲線Aにおけるより大きな非晶質の分布を特徴付ける。10.3倍した曲線Aは、180℃の加工温度で処理されたパイプ1を指す。