(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口は、固定装置のナットを受容するように適用され、前記スロットは、前記固定装置のねじ部を受容するように適用され、前記スロットは、前記ナットの寸法よりも小さい幅を有する、請求項1に記載の装置。
ボルト、ナット、およびワッシャーを含む固定装置をさらに含み、前記ボルトは、前記スロットに嵌合されるようにサイズ設定されたねじ部を有し、前記ワッシャーは、前記スロットのそれぞれの側面にある前記凹部のそれぞれのレセプタクルに嵌合されるように成形される、請求項2に記載の装置。
前記スロットに嵌合されるように適用されたねじ部を有するポストをさらに含み、前記ポストは、前記ボルトを受容するための長手方向スロットを有し、前記ポストは、前記スロットのそれぞれの側面にある前記凹部の前記レセプタクルのそれぞれを締結するための実装面を有する、請求項5に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施例に関わる本開示の記載は、別添の図面とともに理解するように意図されており、別添の図面は、全体の記述内容の一部分として見なすべきである。本明細書において、「下方」、「上方」、「水平」、「垂直」、「上」、「下」、「上に」、「下に」、「上部」および「下部」のような相対語だけでなく、その派生語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上方に」など)は、後述するまたは論議中の図面に示されているような配向を意味するように解釈すべきである。前記相対語は、説明の便宜性のためのものであって、装置が特定の配向に構成または作動されることを必要としていない。「連結された」および「互いに連結された」のような取付、結合などに関する用語は、特に記載されない限り、移動可能なまたは強固な取付または関係だけでなく、介在する構造物を介して構造物が互いに直接的にまたは間接的に固定または取付けられる関係を意味する。
【0012】
本開示は、固定装置の取付のための複数のスロットを備えたリングを含む円形固定器を提供する。固定装置は、例えば、患者の脚および/または足の中に挿入されるワイヤを固定する。円形固定器は、本明細書に記載のとおり、他の変形構造を有する他の四肢に使用され得る。一部の実施例において、固定装置は、ワイヤを受容するための側面スロットを備えたボルトを含む。固定装置は、外科医が手術室に着く前に円形固定器に(例えば、スクラブ技術者により)予め組み立ておよび予めロードが可能である。ワイヤを挿入した後、外科医は、固定装置の側面スロット内でワイヤを取るための位置に予めロードされていた固定装置を迅速且つ容易に摺動させることができる。一部の実施例において、リングは、凹部を有する。凹部は、スカラップ状凹部、曲線状凹部、V形状凹部、長方形、半六角形、半八角形、またはスロットの両側面の凹状ポケット、及び固定装置を受容するように適用される凹部のようなレセプタクルを含み、外科医が関節または骨折の圧縮または伸延のためにワイヤに張力を加える際に固定装置が接線方向に滑ることを防止することができる。一部の実施例において、固定装置は、それぞれの凹部内に嵌合されるように適用されたワッシャーを含む。固定装置は、レセプタクル内に嵌合されるように構成される。一部の実施例において、固定装置の少なくとも一つのエッジは、レセプタクルにより受容され得るが、固定装置の形状がレセプタクルの形状と異なり得る。例えば、長方形のレセプタクルは、六角形の固定装置を受容することができ、レセプタクルの二つの側面は、滑りを防止するために六角形の固定装置の二つの対向側面を締結する。
【0013】
一部の実施例において、固定装置の一つ以上は、リングの平面と固定ボルトとの間にオフセットを提供するためのポストを含む。一部の実施例において、ポストは、水平溝を有し、ワッシャーは、ボルトがポストから滑ることを防止するために、ポストの溝のうち一つの溝を締結するためのリッジを有する。一部の実施例において、ポストは、凹部内に嵌合されるように適用される。
【0014】
一部の実施例において、手術中に中立位置または他の所望の位置で脚および足を支持するための脚位置決め装置が提供される。一部の実施例において、脚位置決め装置は、いずれのツールも使用することなく迅速且つ容易に円形固定器に位置および取付けることができ、脚位置決め装置は、支持要素を有し、これは、脚を位置させるためのツールを使用することなく迅速且つ容易に調整できる。
【0015】
図1Aは、本開示の一部の実施例による円形固定器100の等角図である。
図1Bは、固定術の前および途中に脚を位置させるための円形固定器の例示的な使用を示すために、仮想線で描かれた患者の足と
図1Aの円形固定器100を図示している。
図1Cは、手順にしたがってワイヤ412により固定された患者の足と円形固定器100を図示している。
図2A、
図2Bおよび
図3は、円形固定器100の平面図、背面図および側面図を図示している。
【0016】
円形固定器100は、複数のリング102,130および142を含む装置である。一部の実施例において、複数のリングのうち一つのリング102は細長い。細長いリング102は、近位部102aおよび遠位部102bを有する。細長いリング102は、遠位部102bが近位部102aと平行なまたは同一平面上にある第1位置の第1部102aに強固に取付けられるように構成される。
図3に仮想線で示されているように、遠位部102bは、近位部に対して0ではない角度を有する第2位置の第1部102aに強固に取付けられ得る。一部の実施例において、0ではない角度は90度である。
【0017】
一部の実施例において、複数のリングは、固定の間患者の脚の周りに位置するように適用された第1および第2円形リング142,130を含み、第1リング142は、第2リング130および132よりも大きな直径を有する。この構成は、外科医が所定の距離を維持できるようにする。一般経験則として、それぞれのリングの内径と最も近い脚組織との間の間隔は、患者の脚に沿う異なる高さにおいて、略2本の指の幅(例えば、略3.7cm〜略4cm)である。同様に、固定器が他の四肢に使用するために適用されると、それぞれのリングの内径と最も近い組織との間の類似する間隔が使用される。患者の脹脛が足首からより遠いほど直径がより大きいため、これに相応して、上部リング142は、中間リング130よりも、内径がより大きい。リング130がより小さいため、ピンまたはワイヤのためのモーメントアームを減少させる。例えば、一実施例において、上部リング142は、略18cmの内径を有し、中間リング130は、略16cmの内径を有する。これは一例であって、リングサイズのある組み合わせは、患者の脹脛の幾何学構造を受容するために使用されてもよい。
【0018】
それぞれのリング102,130および142は、第1(例えば、上部)面、第2(例えば、下部)面、および少なくとも一つのスロットを有する。例えば、リング102は、スロット104,110,116,122を有し;リング130は、スロット132,138を含む四つのスロットを有し;リング142は、スロット144,150,154、および160を有する。それぞれのスロットは、スロットの両対向側面にあるそれぞれのリング102,130および142の第1および第2内部エッジにより規定される。それぞれのスロット(例えば、104)は、リング(例えば、102)の第1面から第2面まで貫通する。それぞれのリング(例えば、102)の第1(例えば、上部)面は、スロット104に隣接した第1エッジ上に第1スカラップ状凹部(例えば、106a)およびスロット104に隣接した第2エッジ上に第2スカラップ状凹部(例えば、106b)を有する。スロット104は、スロットのそれぞれの端部にある開口108a,107bで終端する。開口108a,108bは、スロット106の幅よりも実質的に大きな寸法を有する。同様に、
図1の例で、スロット110は、スカラップ状凹部112a,112bおよび端部開口114a,114bを有し;スロット116は、凹部118a,118bおよび端部開口120a,120bを有し;スロット122は、凹部124a,124bおよび端部開口126a,126bを有し;スロット132は、凹部134a,134bおよび端部開口136a,136bを有し;スロット138は、凹部140a,140bおよび端部開口141a,141bを有し;スロット144は、凹部146a,146bおよび端部開口148a,148bを有し;スロット150は、凹部151a,151bおよび端部開口152a,152bを有し;スロット160は、凹部162a,162bおよび端部開口164a,164bを有する。
【0019】
他の実施例において、スカラップ状凹部134a,134b、146a,146bの代りに、リングのうち一つ以上は、
図4Aおよび
図4Bを参照して、下記のように、凹状ポケットを含む。一部の実施例において、円形固定器は、以下の
図4Aの説明に記載されているように、スカラップ状凹部106a,106b,112a,112b,118a,118bを有する少なくとも一つのリング102、および凹状ポケットを有する少なくとも一つのリングを含む。
【0020】
図4Aおよび
図4Bは、円形固定器700の変形を図示している。一部の実施例において、円形固定器700は、各スロットの各側面上にスカラップ凹部を有する、上述のような同じ下部リング102を含む。スカラップは、例えば、継手を圧縮または伸延させるためにワイヤを伸ばしたときに、固定装置の滑りに対してさらなる保護を提供する。一部の実施例において、中間リング702は、スロット712の各側面に(スカラップのない)凹部714a,714bを有するスロット712を有する。同様に、上部リング704は、スロット712の各側面に(スカラップのない)凹部718a,718bを有するスロット716を有する。多くの手順において、外科医は、中間リング702または上部リング704のレベルで足または脚の圧縮や伸延を要求しない。かかるリング702,704は、脚を安定させる。スカラップを有するリング130,142は、
図1〜
図3を参照して、上述のように、脚の上位レベルで使用され得る。
【0021】
しかし、上位および中間リングが安定のためにのみ使用される場合、スカラップのないリング702,704は、固定装置300がスカラップにかかるいかなる可能性もなく、より迅速にワイヤ側に移動できるようにする。また、スカラップのない凹部714a,714b,718a,718bは、外科医がスロットの長さに沿ってどこにでも固定装置300が固定できるようにし、外科医は、固定位置の個別のセットに制限されない。
【0022】
ワイヤがスロット712,716に垂直に作動すると、固定装置300がスロット内で滑る可能性はほとんどない。ワイヤがスロットに垂直にまたは略垂直に作動すると、外科医は、(スカラップのない)リング702,704が使いやすさのために使用されることを好むかもしれない。他方、ワイヤとスロットとの間の角度がより大きいほど、スカラップの利益がより大きくなり、滑りを防止する。
【0023】
(図示していない)他の実施例において、すべての三つのリング102,702,704は、スカラップなしで提供できる。
【0024】
図1Aに図示された対応する部品と同じ
図4Aおよび
図4Bの円形固定器の他の特徴の参照番号は、理解の便宜を図るために省略され、その記載は繰り返さない。
【0025】
装置は、複数のリング130,142のそれぞれのリングを複数のリングのうち隣接リングに結合する複数のポスト270をさらに含む。一部の実施例において、中央リング130は、固定ポスト270により上部リング142に連結され、中央リング130は、複数の目盛り付きストラット260により下部リング102に連結される。目盛り付きストラットは、(例えば、足の圧縮/伸延または好ましい高さに対する高さ調整のための)下部リング102と中央リング130との距離に対する正確且つ均一な調整を許容する。一部の実施例において、すべてのポスト270は、(
図4Aに示されるとおり)同じ固定タイプである。一部の実施例において、
図1Aに示されるように、ポスト270のうち一つ以上は、適切に構成されたプレート271、ねじロッド、スペーサまたはストラットに代えることができる。例えば、場所271は、それぞれの垂直スロット272をそれぞれ有することができる。それぞれのスロット272は、スロットの上部および下部に開口273を有する。スロット272は、スロット112a,112bと同じ幅を有することができ、開口273は、開口114a,114bと同じサイズを有することができる。プレート271のスロット272は、固定要素330を受容することができ、開口273は、下記の方法で固定要素330を予めロードするためにプラグ170を受容することができる。他の実施例において、ポスト270、プレート271、ロッド、スペーサおよび/またはストラットのいずれの組み合わせが使用されてもよい。
【0026】
他の実施例において、それぞれのスカラップ状凹部(例えば、112a,112b)は、複数の曲線状弧を含み、それぞれの曲線状弧は、略10度から略170度までの範囲内の角度に対応する。一部の実施例において、円弧角は、30度から150度までの範囲である。一部の実施例において、円弧角は、60度から略120度までの範囲である。一部の実施例において、それぞれのスカラップ状凹部は、複数の円弧を含み、それぞれの円弧は、略90度の角度に対応する。弧は、特に、ある力の成分がスロット(例えば、110)の方向と平行に固定装置330に加えられると、スロットに対して任意の固定装置330(
図5、下記)の滑りを防止するのに十分に大きな角度に対応する。一部の実施例において、リング102,130,142は、アルミニウムまたはチタンのような金属で構成される。
【0027】
一部の実施例において、固定装置300の少なくとも一つは、ボルト330、ナット334およびワッシャー340を含む。ボルト330は、ヘッド332と、スロット(例えば、112a,112b)を介して嵌合されるようにサイズ設定されたねじ部331を有する。ボルト330は、ワイヤ(
図1C)を受容するためのねじ部331の側面に側面スロット348を含む。ワッシャー340は、リング102のスロット110の各側面上のスカラップ状凹部114a,114bで形成された曲線状弧のそれぞれの弧に嵌合されるように成形される。一部の実施例において、ワッシャー340は、ワイヤを確実に位置させるための質感のある(textured)把持面346を有する。ワッシャー340は、スカラップ状凹部の曲線状弧に嵌合されるように適用された二つの曲線状エッジ343を有する。ワッシャーの他の二つのエッジは、平坦であってもよい。把持面は、リッジ(ridge)、かかり(barb)、スプライン、スロット、こぶだらけ(knurled)の表面などを有し得る。一部の実施例において、それぞれのスロット(例えば、112a,112b)のそれぞれの端部の開口(例えば、114a,114b)は、開口を介して固定装置330のナット334を受容するように適用される。一部の実施例において、スロット(例えば、112a,112b)は、スロットを介して固定装置330のねじ部331を受容するように適用されるが、スロットは、ナット334の寸法よりも短い幅を有する。したがって、ナット334がねじ部331に取付けられると、固定装置330は、開口(例えば、114a,114b)内に挿入され得るが、スロットから外れることができない。固定装置は、予め組み立てられ、予め組み立てられた固定装置は、手術前にスロット上に予めロードされてもよい。次に、開口(例えば、114a,114b)は、固定装置330の解体を防止するために塞がれ得る。
【0028】
一部の実施例は、リング102のスロット(例えば、110)に嵌合されるように適用されたねじ本体部314を有する少なくとも一つのポスト302(
図7)をさらに含む。ポスト302は、固定装置330のボルト330を受容するためのポストを貫通する(また、ポストの長手方向軸と平行な)長手方向スロット307(図面に添付)を有する。ポスト302は、スロット110の各側面上のスカラップ状凹部(例えば、112a)上にあるそれぞれの曲線状弧を締結するための実装面303を有する。一部の実施例において、ポスト302の実装面303は、スカラップ状凹部上の曲線状弧のうち一つの弧内に受容されるように適用された二つの曲線状(例えば、円形)弧エッジ310を有する。一部の実施例において、ポスト302の実装面303は、二つの平坦なエッジ312を有し、エッジは、レンチまたは他の適切なツールのあご部で把持され得る。ポスト302は、外科医がリング102,130,142からオフセットされた高さに固定装置300のボルト330を位置できるようにする。
【0029】
図7に示されるように、ポスト302は、ポストの長さ(長手方向軸)に垂直に配向した、ポストの少なくとも一つの側面上に複数の溝306を有する。一部の実施例において、ポスト302の反対側面304は、
図8に示されるように平坦である。他の実施例において、ポストの両側面は、溝306を有する。ワッシャー340は、溝306のうち一つの溝を締結するように適用されたリッジ342を含む。これは、特に、ボルト330に加えられた力の成分がポスト302のスロット307の方向と平行なときに、ボルト330がポスト302に対して滑ることを防止する。一部の実施例において、ワッシャー340は、上述のものと同じタイプであり、リッジ342は、質感のある把持面346の反対側のワッシャーの表面に含まれる。
【0030】
一部の実施例において、外科医はまた円形固定器100を使用してロッド350を骨内に挿入することができる。ピンキューブ351(
図1C)は、(ロッドとも称する)ピン350を固定するためにスロット(例えば、154、
図1C)内に実装され得る。
【0031】
一部の実施例において、外科医は、ボルトまたはナットを締めたり緩めたりするためにねじロッドを摺動自在な開放ソケットを有するラチェットレンチ600(
図33および
図34)を使用してボルト330を締める。レンチは、ラチェット機構を有する。一部の実施例において、ラチェット機構は、一方向への回転を許容するために、ばねによりギヤ610側に偏向され歯止めとして作動するスイッチピンを含む。レンチ本体601は、開放端部605を有し、回転ソケット602は、開放端部603を有する。ロッド上の適所にレンチを配置するために、ソケットの開放端部603は、
図33および
図34に示されるように、レンチ本体の開放端部605とともに整列される。かかるレンチの構成は、ねじロッド、ボルトおよびナットを締めたり緩めたりするのに特に有効である。
【0032】
(図示していない)一部の実施例において、スイッチピンは省略される。レンチの回転方向は、一方向に回転するときにのみトルクを印加するために固定される。斜めのピストン面を有するばね偏向ピストンは、六角形ソケットの一方向回転を許容するために六角形ソケット602のギヤ610を締結する歯止めとして作動する。レンチ600は、一側面が上方へ向かう際にボルト330を締結するトルクを印加し、他側面が上方へ向かう際にボルトを弛緩するトルクを印加するように配向する。一部の実施例において、しるしはレンチ上に位置して、ユーザが締結ステップまたは弛緩ステップのためにレンチのどの側面が上方へ向かうべきかを迅速に判断することができる。
【0033】
一部の実施例において、
図31および
図32に示されるように、装置は、複数の分離可能なプラグ170をさらに含む。それぞれのプラグ170は、ナット334およびボルト330を締める前にスロット110内にボルト330を保持するために、それぞれの開口(例えば、114a)内に分離可能に保持されるように適用された形状およびサイズを有する。それぞれのプラグ170は、それぞれの開口114a内にプラグを保持するために圧縮可能な管状端部176およびリッジ180を有する。スクラブ技術者は、円形固定器上に予め組み立てられ予めロードされた固定装置330、ポスト300、またはピンキューブを保持するために、スロット110のそれぞれの開口114a,114b内にかかるプラグのうち一つのプラグを迅速且つ容易に挿入することができる。
【0034】
一部の実施例において、プラグ170は、輪郭部のような把持面174を含んでもよい把持部172を含む。プラグ170は、それぞれのスロットの端部にある開口(例えば、114a,114b)に嵌合されるように成形されたプラグ部176をさらに含む。円形開口(例えば、114a)に対して、プラグ部176は、一般的に円形シリンダーのように成形される。プラグ部176は、長手方向に配向する複数のスロット178をさらに含む。例えば、プラグ部176は、プラグ部176の周りに均一に離隔した四つのスロットを有することができる。プラグ部176は、開口114a内にプラグ170を保持するためのリッジ180をさらに含む。リッジは、開口114aよりも大きな直径を有する。スロット178は、プラグ部176の部材が開口内へ挿入または開口から除去するために互いに押し合うことができるようにする。プラグは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)のようなプラスチック材料で製造される。
【0035】
一部の実施例において、外科医がワイヤおよび/またはロッドを脚に挿入する間、複数の脚位置決め装置は中立位置で患者の脚を固定する。脚位置決め装置は、一般的に、患者の手足を支持するための凹部または角状(angled)部を有する少なくとも一つのY状部材(または円形または湾曲部材)、およびツールなしで複数のリングのうち一つのリングに位置決め装置を取付けるための実装装置を含む。
【0036】
図1および
図11A〜
図11Bは、内側‐外側脚位置決め装置230の一例を図示しており、Y状部材230は、アームを貫通してスロット235を有する支持アーム231を含む。角状支持部材233は、アーム231に取付けられる。脚位置決め装置230は、いずれのツールも使用することなくリング102に取付けられるかリングから分離されてもよい。
【0037】
図12Aおよび
図12Bは、支持アーム262および支持部材263を有する内側‐外側脚位置決め装置261の他の例を図示している。支持部材263は非対称であり、足下に延びて足を支持するように構成された延長カップ状部材265を含む。延長部材265は、曲線形かまたは角状であってもよい。一部の実施例において、延長部材265は実質的に平坦な部分267で終端する。支持部材263の他の部分264は平坦かまたは曲線状であってもよく、
図11Aの部材233と類似していてもよい。支持アーム262は、アームを貫通してスロット2266を有する。脚位置決め装置230は、いずれのツールも使用することなくリング102に取付けられるかリングから分離されてもよい。
【0038】
一部の実施例において、アーム231をリング102に取付けるために、複数のリング102のうち一つのリングのスロット(例えば、110)とともに支持アーム231のスロット235に嵌合されるように適用されたねじ部材256を含む実装装置257(
図13)により、脚位置決め装置230がリング102に取付けられる。ねじ部材256は、一端部にヘッド254を有する。ヘッド254は、リングのスロット110の幅よりも短い幅W1、およびリング102のスロット110の幅よりも長い長さL1を有する。前記長さは、ヘッドが複数のリング102のうち一つのリングのスロット110のそれぞれの側面上にあるスカラップ状凹部112a,112bの曲線状弧のうちの一つとヘッドを締結できるように選択される。
【0039】
一部の実施例において、実装装置257は、複数のリング102のうち一つのリングのスカラップ状凹部112aの曲線状弧のうち一つの弧内に選択的に受容されるように構成されたねじノブ252をさらに含む(しかし、ノブ252は、他の位置に位置してもよい)。ねじノブ252は、実装装置257のねじ部材256を受容するように構成される。ねじノブ252は、リングのスロット110の幅よりも大きいが、開口114a,114bのサイズよりも小さなサイズを有する。したがって、実装装置は、Y状部材230に予め組み立てることが可能であり、次に、ノブは、リング102上に脚位置決め装置230を設置するために開口114a,114bを介して通過できる。代案として、予め組み立てられた実装装置257は、スロット110と平行にヘッド254を配向し、スロット110を介してヘッド254を通過することによりリング上に設置できる。
【0040】
図14は、上部リング142への取付に好適な他の脚位置決め装置250を図示しており、Y状部材250は、アームを貫通してスロット255を有する支持アーム251を含む。角状支持部材253は、アーム251に取付けられる。脚位置決め装置250は、前記の(
図13に示す)実装装置257と同じタイプを使用してリング142に取付けることができ、簡潔にするために実装装置の記載は繰り返さない。実装装置257のねじ部材256は、リング(130または142)にアーム251を取付けるために、複数のリング102のうち一つのリングのスロット(例えば、110)とともに支持アーム251のスロット255に嵌合されるように適用される。
【0041】
これは、脚位置決め装置の2つの例に過ぎない。他の実施例において、支持部材(233および/または253)は、他の角度を有することができる。他の実施例において、支持部材(233および/または253)は、凹状曲線形状を有することができる。
【0042】
図15〜
図21は、二つの異なる高さで脚の二つの異なる部分を同時に支持するのに好適な脚位置決め装置200の他のタイプを図示している。
図15,
図16Aおよび
図16Bは、それぞれ脚位置決め装置組立体200の等角図、左側面図および右側面図である。
図17〜
図19は、組立体200の本体201の等角図、側面図および前方正面図である。
図20および
図21は、
図15の上部脚位置決め装置212の等角図および後方正面図である。
【0043】
脚位置決め装置200は、患者の手足を支持するための複数の独立して位置可能な支持装置204,206を含む。支持装置204は、踵を支持するために、それぞれのアーム207およびアーム207に取付けられたそれぞれの凹状部または角状部208を有する。支持装置206は、脹脛を支持するために、それぞれのアーム207およびアーム207に取付けられたそれぞれの凹状部または角状部212を有する。支持装置204,206の位置は、所望の場合には、外科医または技術者により入れ替えられ得る。
【0044】
脚位置決め装置200は、開口203を介して複数の支持装置204,206のそれぞれの装置を摺動自在に受容するための複数の開口203を有する本体201を含む。一部の実施例において、支持装置204,206は互いに同じタイプである。一部の実施例において、支持装置204,206は互いに異なるタイプである(すなわち、異なる凹状部または角状部を含む)。他の実施例において、支持装置204,206は異なるサイズおよび/または異なるタイプである。
【0045】
一部の実施例において、少なくとも一つの支持装置206の凹状部または角状部212は、保持ストラップ(図示せず)を貫通して受容するための複数のスロット214a,214bを有する。例えば、技術者または外科医は、スロット214a,214bを介してベルクロストラップ(Velcro(登録商標) strap)を通過して、患者の脚の周りにストラップを巻きつけることができる。
【0046】
また、脚位置決め装置200は、連続して選択可能な位置で支持装置204,206のそれぞれを保持するために、それぞれの開口203に近接したそれぞれの保持装置209,215を含む。
【0047】
脚位置決め装置200は、複数のリングのうち一つのリングのエッジに脚位置決め装置を分離可能に実装するための実装装置218をさらに含む。例えば、
図1Aに示されるように、脚位置決め装置200は、下部リング102に取付けられ得る。
【0048】
図17〜
図19に最もよく示されるように、本体201は、第1開口203を有する。第1開口203は、本体201の第1面201aから第1面の反対側の第2面201bまで本体201を完全に貫通する通路203p(
図19)、および通路203pから本体の側面エッジ201eまで延びる相対的に狭いスロット205を含む。スロット205は、第1開口203の高さH1未満の高さH2を有する。
【0049】
図15,
図16A,
図20および
図21に示されるように、それぞれの支持装置(脚位置決め要素とも称する)204(206)は、 第1面201aに垂直な第1方向Xに沿って摺動するために第1開口203内に摺動自在に嵌合されるように適用されたアーム207を含む。支持部208(212)は、患者の手足の第1部分を支持するように適用される。ネック部207nは、アーム207の端部に支持部208(212)を連結する。ネック部207nは、本体201からスロット205を介して第1面201aと平行な第2方向Yへ脚位置決め要素204(206)の除去を可能にするために、スロット205内で摺動自在に嵌合されるように適用される。支持装置204,206がX方向に前進して、保持部材221がアーム207を締結すると、支持装置204,206はY方向に移動できなくなる。
【0050】
ここで、
図16Bを参照すると、本体201は、その間にスロット205を規定する第1および第2保持部材221を有する。保持部材221は、第1方向における本体201の深さ201d未満の第1方向Xにおける深さ221dを有する。ネック部207nの長さは、保持部材221の深さ221dよりも大きく、ネック207nが保持部材221の間に整列されるまでアーム207の端部が(X方向に)除去できるように、また、保持部材221を介してY方向に移動できるように十分に長い。一部の実施例において、ネック部207nは、第1方向Xにおける本体201の深さ201d未満の長さLN(
図20)を有する。
図16Bは、(凹状部または角状部208,212が本体201の第1面201aに当接する)完全に収縮した位置で両支持装置204,206を有する位置決め装置200を図示している。この位置で、ネック部207nは、保持部材221の間に位置し、保持部材221の間のスロット205を介してY方向へ支持装置を摺動させることにより支持装置204,206が本体から除できるようにする。逆に、凹状部または角状部208,212が本体201の第1面201aに当接しないようにアーム207が延びると、アーム207はX方向へ摺動することができるが、Y方向に移動することができない。
【0051】
一部の実施例において、外科医がワイヤおよび/またはピンの挿入を完了すると、脚位置決め装置組立体200は、支持装置204,206それぞれを完全に収縮させ、脚位置決め装置組立体200の本体201に対してY方向へ支持装置を摺動させる(または、支持装置204,206に対して本体201を摺動させる)ことにより容易に除去できる。したがって、脚位置決め装置組立体200は、フレーム100に対して脚の位置を妨害することなく除去できる。
【0052】
脚位置決め装置200は、ツールを使用することなく本体201に対する固定位置にアーム207をロックするための第1ロック装置209(215)をさらに含む。例えば、
図15に示されるように、ロック装置209(215)は、ツールなしでねじをつかんで前進させるための拡大ヘッドを含むねじであってもよい。
【0053】
一部の実施例は、ツールを使用することなく、円形固定器100に本体を実装するための実装装置218をさらに含む。例えば、本体201は、リング102のうち一つのリングのエッジを受容するために十分に遠く離隔した二つのあご部216,217、および下部あご部216を貫通するねじ218を有する。
【0054】
図23〜
図26は、患者の脚をフレーム100に固定するためにワイヤ412を挿入するためのワイヤ穿孔ガイド400を図示している。穿孔ガイド400は、柔軟なワイヤ(図示せず)および(オリーブ構造413を有する)オリーブワイヤ412に使用されるように適用される。
図22は等角図であり、
図24は側面図である。
図23は、
図22および
図24に示されたワイヤ挿入先端406の前方正面図である。
図25は平面図であり、
図26は
図25の26‐26断面線に沿って切り取った断面図である。
図26は、参照のために、円形固定器100のリング102およびオリーブ構造413を有するワイヤ412を含む。リング102、ワイヤ412およびオリーブ構造413は、穿孔ガイド400の一部ではないが、ワイヤ穿孔ガイド400の使用を理解しやすくするために
図26に含まれる。
【0055】
穿孔ガイド400は、ワイヤ412が通過可能なバレル401を含む。バレル401は、一般的に、その下部に平坦なエッジ401bを有する中空半円筒シェルの形態である。ハンドル402は、穿孔ガイド400の後端部に提供される。バレル401の前端部は、後方延長フィンガー404を有する。バレルの平坦なエッジ401bが、リング102,130,142のうち一つのリングの上部または下部面に載置されているまま、後方延長フィンガー404は、外科医がワイヤ412を挿入する間安定性を提供するために、リング(例えば、102)の内部エッジの下部周りを取り囲む。例えば、
図26において、リング102の断面は仮想線で描かれている。図示されているように穿孔ガイド400をリング102の内部エッジに対して位置することにより、穿孔ガイド400は、患者の脚側に半径方向内側に安定して向けられる。
【0056】
図26に示されるように、バレル401は、バレルの後方にある入口開口409を有する近位ガイド部410を有する。近位ガイド部410の開口409は、オリーブ構造413よりも大きな直径を有する。通路410および入口409は、標準オリーブワイヤ412のオリーブ413よりも大きく、オリーブが入口409を介して挿入できるようにする。また、バレル401は、オリーブ413よりも大きな直径を有する出口通路411を含む。
【0057】
穿孔ガイド400は、中央長手方向通路407を有する先端405をさらに含む。通路407は、ワイヤ412(例えば、K‐ワイヤ)よりも大きな直径を有するが、オリーブ413よりも小さな直径を有する(オリーブワイヤを用いた一例が本明細書に記載されているが、同じ穿孔ガイド400もまた柔軟なワイヤとともに使用できる。)。
図22および
図24に最もよく示されるように、先端405は、通路407から先端の外部面まで半径方向に延びたスロット406を有する。したがって、オリーブワイヤ412がバレル401および出口通路411を介して挿入して、オリーブ413が先端405内にあるまでまたはこれと隣接するまで前進すると、穿孔ガイド400の先端405は、ワイヤ412の前方部412f上で先端のスロット406を通過することで除去できる。次に、穿孔ガイド400の他の部分は、オリーブ413を通り過ぎて退避することができ、ワイヤ412(患者の遠位)の後方部は、固定要素330によりフレーム100に固定される。穿孔ガイドは、例えば、630ステンレス鋼で製造され得る。
【0058】
少なくとも一つのワイヤ412を挿入するために穿孔ガイド400を使用する方法は、円形固定器100のリング102上に穿孔ガイド400を配置して、患者の骨側に少なくとも一つのワイヤ412を向けるステップを含み、穿孔ガイド400は、少なくとも一つのワイヤ412を通過するように適用された(しかし、オリーブ413を通過するのに不十分な)長手方向開口407を有する。外科医または技術者は、穿孔ガイド400を配置するためにハンドル402を把持する。外科医は、長手方向開口407を介してまた骨を介して少なくとも一つのワイヤ412を前進させる。
【0059】
一部の実施例において、穿孔ガイド400は、平坦な表面401bと、リング102の近位エッジ周辺を取り囲むためのフィンガー404を有し、穿孔ガイド400を配置するステップは、平坦な表面401bがリング102の上面または下面を締結するように穿孔ガイドを位置させるステップを含む。バレルは、正確な穿孔のために先端405が骨と接触するまで外科医が穿孔ガイド400を前方に摺動できるように十分長く(または傾斜して)サイズ設定される。
【0060】
前記方法の他の実施例において、外科医は、リング102下に穿孔ガイド400を位置させ、平坦な表面はリングの下面を締結し、フィンガー404はリングの上面周辺を取り囲むことができる。
【0061】
一部の実施例において、穿孔ガイド400は、開口409を有する近位ガイド部410を有し、近位ガイド部の開口は、オリーブ構造413よりも大きな直径を有する。少なくとも一つのワイヤ412を前進させるステップは、近位ガイド部410の開口409を介してオリーブ構造413を通過させるステップをさらに含む。
【0062】
一部の実施例において、穿孔ガイド400は、スロット406を有する除去可能な先端405と、ワイヤ412を供給するための前方開口407を有する。ワイヤ412は、前方開口407よりも大きなオリーブ構造413を有する。少なくとも一つのワイヤ412を前進させるステップは、オリーブ構造413が先端405内にあるまでまたはこれと隣接するまでワイヤ412を前進させるステップと、ワイヤ412上を通り過ぎて先端のスロット407を通過させることで穿孔ガイド400の先端405を除去するステップと、を含む。
【0063】
一部の実施例において、ソケット414(カラー(collar))は、バレル401の前端部および先端405の後端部を受容する。一部の実施例において、ソケット414がバレルの前端部416および先端405の後端部をぴったりと受容できるようにソケット414は十分なコンプライアンスを提供するスロットを有する。一部の実施例において、前端部416の長さおよびソケット416の長さは、ソケット414がソケットの長さの一部を前方に摺動させて穿孔ガイドの長さを(
図22に図示された位置に)延ばすように選択される。代案として、穿孔ガイドは、異なる長さの複数のソケット414を有するキット内に含まれ得る。
【0064】
図27および
図28は、バレル401とソケット415とが一つの単一部品として一体に結合した穿孔ガイド400‐2の他の実施例の等角図および側断面図である。穿孔ガイド400‐2の他の要素は、同様の参照番号により示されているように、穿孔ガイド400に対するものと同一であり、かかる要素の記載は、簡潔にするのために繰り返さない。穿孔ガイド400‐2の動作および使用は、
図23〜
図26を参照して上述されているものと同一であり、その記載は簡潔にするために繰り返さない。
【0065】
図29および
図30は、先端425とソケット427とが一つの単一部品として一体に結合された穿孔ガイド400‐3の他の実施例の等角図および側断面図である。先端425は、前方開口を有する中央通路427と、中央通路427を先端425の外部面に連結する半径方向スロット426と、を含む。ソケットレセプタクル428は、穿孔ガイドバレル401の前端部416を受容する。穿孔ガイド400‐2の他の要素は、同様の参照番号により示されているように、穿孔ガイド400に対するものと同一であり、かかる要素の記載は、簡潔にするために繰り返さない。穿孔ガイド400‐3の動作および使用は、
図23〜
図26を参照して上述されているものと同一であり、その記載は簡潔にするために繰り返さない。
【0066】
図35〜
図40は、本明細書に記載の固定術のいずれかの手順(例えば、シャルコー(Charcot)固定術)の間使用可能なスポンジクリップを図示している。クリップは、(
図40に示され、
図39の40‐40断面線と一致する)長手方向軸520を有する本体500を含む。本体500は、本体の周りに一体に取付けられた管状側壁511を有する。本体500は、長手方向軸520と平行に延びたスロット501を有する。スロット501は、管状側壁504を貫通し、本体500を介してある程度延びる。
【0067】
本体500は、スロット501内に第1および第2長手方向管状把持面(503および504)を有する。第2長手方向管状把持面504は、第1長手方向管状把持面503の内径と異なる内径を有する。スロット501は、第1および第2長手方向管状把持面503,504それぞれを介して延びる。把持面503は、ワイヤ412を把持するようにサイズ設定され(例えば、スムーズな1.8mmまたは2mmのK‐ワイヤまたはオリーブワイヤ)、把持面504は、手順の間外科的に挿入されたタイプの
図1Cに示された標準(4mm、5mmまたは6mm)ハーフピン350を把持するようにサイズ設定される(ピン350は、脛骨の前方側または踵骨内に挿入できるが、ワイヤ412は、他のところで使用される。また、ワイヤは脛骨および/または踵骨内で使用できる)。ワイヤ412またはピン350をスロット501内に挿入し、ワイヤ412の周りに把持面503(または、ピンの周りに把持面504)を配置することにより、クリップは、ツールなしでピン350またはワイヤ412に迅速に取付けられる。クリップは、創傷部位に対してスポンジまたは他の吸収材料を保持するために、ワイヤまたはピンの挿入部位に近接して位置することができる。
【0068】
本体は、第1および第2端面510,511を有する。第1端面510は、長手方向軸520に垂直であり、第2端面511は、長手方向軸520に対して斜角をなす。クリップ500は、第1端面510が創傷部位に向かい、第2端面511が創傷部位の反対側に向かう状態で、骨に垂直なワイヤ412またはピン350に取付け可能である。かかる配向において、第1端面510は、骨の表面と平行であり、創傷部位に対してスポンジを保持する。代案として、クリップ500は、第2端面511が創傷部位に向かい、第1端面510が創傷部位の反対側に向かう状態で、骨に対して斜角でワイヤ412またはピン350に取付け可能である。かかる配向において、第2端面511は、骨の表面と平行であり、創傷部位に対してスポンジを保持する。したがって、クリップ500のどの端部を創傷部位により近く配置するかを選択することにより、外科医は、ワイヤ412またはピンと整列されたクリップ500の長手方向スロット501にスポンジ(または他のドレッシング)を締結するクリップの領域を最大化することができる。
【0069】
一部の実施例において、クリップ500は、創傷部位に対する圧力を緩和させるために、第1端面510にカウンタボア505を有する。一部の実施例において、クリップ500は、第2端面511にカウンタボア518を有する。カウンタボア505,518は、スポンジまたは他のドレッシングを保持するのに役立ち得る。一部の実施例において、カウンタボア505,518の一方または両方は強化リブ517を有する。
【0070】
一部の実施例において、第1長手方向管状把持面503は、長手方向軸520にあるまたはこれに隣接し、第2長手方向管状把持面504は、本体の周辺に隣接する。一部の実施例において、第2長手方向管状把持面504は、長手方向軸520に垂直な第1長手方向管状把持面503の寸法G1よりも大きな長手方向軸520に垂直な寸法G2を有する。
【0071】
一部の実施例において、クリップは、外科医または技術者がクリップをワイヤ412またはピン上に押圧できるように、長手方向スロット501の開口の反対側に平坦な表面513を有する。平坦な表面は、クリップを開閉し、ピン上にクリップを保持するために、柔軟性を提供するキー515を有することができる。本体の残りは除去しやすいように円形周辺部を有する。
【0072】
一部の実施例において、クリップは、アクリロニトリル‐ブタジエン−スチレン(ABS)のようなプラスチック製の単一の部品で形成される。
【0073】
一部の実施例において、患者の脚を位置させるための前記装置を使用する方法は、円形固定器100の複数のスロット(例えば、110)内にそれぞれの固定装置330,332を予めロードするステップを含む。それぞれの固定装置330は、側面エッジに側面スロット307を備えるねじボルトを有する。円形固定器100は、リングを貫通して延びる複数の延長スロット(例えば、110)を有する少なくとも一つのリング、例えば102を含む。リング102は、スロット110を規定する二つの内部エッジの各エッジ上に複数の曲線状弧を有するスカラップ状凹部112a,112bまたは凹状ポケットを有する。固定装置330は、それぞれのエッジのそれぞれの凹部112a,112bのそれぞれの曲線状弧内に嵌合されるように適用された周辺エッジ343を有するワッシャー340をさらに含む。代案として、ユーザが固定装置330をスカラップの間に置くことを希望した場合、ユーザは、ワッシャー340を横に回してスカラップを除去することができる。
【0074】
それぞれのねじボルト330は、それぞれのヘッド332およびそれぞれのナット334を有し、円形固定器100の少なくとも一つのスロット(例えば、110)は、スロットのそれぞれの端部に開口114a,114bを有する。開口114a,114bは、ヘッド332のサイズよりも大きなサイズを有する。予めロードするステップは、開口114a,114bのうち一つの開口を介して固定装置330のうち一つの装置のヘッド332またはナット334を挿入して、リング102がヘッドとナットとの間にあるステップと、固定装置330がリング102から外れることを防止するためにヘッド332またはナット334を挿入した後、開口114a,114bのそれぞれの開口内にプラグ170を挿入するステップと、を含む。
【0075】
一部の実施例において、少なくとも一つの脚位置決め装置200は、位置決めステップの前にツールを使用することなく円形固定器の後端部に取付けられる。一部の実施例において、脚位置決め装置200は、複数の調整可能な支持部204,206を含み、前記方法は、脚を受容するためにツールを使用することなくそれぞれの支持部204,206の位置を独立して調整するステップをさらに含む。
【0076】
一部の実施例は、少なくとも一つのワイヤ412を挿入する前に、足を中立または他の所望の位置で支持するために、ツールを使用することなく患者の脚の内側および外側側面上で円形固定器100に脚位置決め装置230,250を取付けることを含む。一部の実施例において、更なる脚位置決め装置230,250のそれぞれは、ねじ部材256を有する実装装置257を含む。更なる脚位置決め装置を取付けるステップは、実装装置のねじ部材256がリング130のスロット(例えば、138)および脚位置決め装置230(250)のアーム231(251)内のスロット235(255)を介して延び、実装装置257のヘッド254がリング130のスロット138の両側面にあるリング130のそれぞれの凹部(例えば、140a,140b)を締結するように実装装置257を配置するステップと、実装装置257および脚位置決め装置230,250をナット252でリング130に固定するステップを含む。
【0077】
円形固定器100は、脚周りに位置する。一部の実施例において、円形固定器100は、患者の脚周りに位置するように適用された第1および第2円形リング142,130を有する。第1リング142は、第2リング130よりも大きな直径を有し、位置させるステップは、第1リング130を脚の第1部分の周りに位置させるステップと、第2リング142を脚の第2部分の周りに位置させるステップと、を含む。脚の第1部分は、脚の第2部分の前方に対する後方の寸法(anterior−to−posterior dimension)よりも大きい前方に対する後方の寸法を有する。
【0078】
少なくとも一つのワイヤ412は、予めロードされた後に脚を介して挿入される。外科医は、フィンガー404が挿入部位に隣接して円形固定器100のリング(例えば、102)を締結する状態でワイヤ穿孔ガイド400を位置させ、先端405を骨側に向かって内側に向ける。先端405は、骨と接触するように延びることができる。外科医は、ワイヤ412を挿入する。オリーブ構造413が通路411に達すると、先端405が除去され、穿孔ガイド400は、挿入部位から退避することができる。
【0079】
それぞれの予めロードされた固定装置は、その側面スロット348が少なくとも一つのワイヤ412を締結するまで摺動する。このステップを許容するために、予めロードするステップは、ボルトに取付けられたナット334で円形固定器リング102のスロット110を介して固定装置のうち一つの固定装置のねじボルト330を配置して、摺動を可能にするためにナットが十分に弛緩されるステップを含む。摺動させるステップは、固定装置の対応するワッシャー340の周辺エッジ343がそれぞれのエッジのそれぞれの凹部112a,112bのそれぞれの曲線状弧内に受容されるまで固定装置330のうち一つの固定装置を移動させるステップを含む。
【0080】
一部の実施例において、少なくとも一つの固定装置330は、長手方向スロット307を有するポスト302およびねじ部材314を含み、予めロードするステップは、固定装置のポスト302内のスロット307を介して固定装置のうち一つの固定装置のねじボルト330を配置するステップと、ポスト302のねじ部材314およびねじボルト330上にそれぞれのナット316を配置するステップと、固定装置330をリング102内に配置して、ポストのねじ部材314がリング102のスロット110を介して延び、摺動を可能にするために、ポスト302のねじ部材314上のナット316が十分に弛緩されるステップと、を含む。リング102は、リングのスロットを規定する二つの個別の内部エッジのそれぞれの上に複数の曲線状弧を有するスカラップ状凹部112a,112bを有し、ポスト302は、リング102内のスロット110のそれぞれの個別側面上にあるスカラップ状凹部112a,112bの曲線状弧のそれぞれの弧内に嵌合されるように構成された実装面303を有し、摺動させるステップは、ねじボルト330の側面スロット348がワイヤ412を締結し、ポスト302の実装面303がスカラップ状凹部112a,112bの一対の曲線状弧により受容されるまでポスト302のねじ部材314を摺動させるステップを含む。
【0081】
一部の実施例において、ポスト302は、側面に複数の溝306を有し、固定装置は、リッジ342を有するワッシャー340をさらに含み、前記方法は、ワッシャー340を介してねじボルト330を挿入するステップをさらに含み、ポスト302内のスロット307を介してねじボルト330を配置するステップは、リッジ342で溝306のうち一つの溝を締結するステップを含む。
【0082】
固定装置330,350は、締結されたワイヤ412を円形固定器に固定するために締めることで固定される。一部の実施例において、固定するステップは、固定装置330を固定するためにソケット部材に開放端部603を有するソケット部材602を有するラチェットレンチ600を使用して少なくとも一つの固定装置330のヘッド332またはナット334を締めるステップと、レンチを除去するために締めた後、ソケット602の開放端部603を介してワイヤ412またはピン350を通過させるステップと、を含む。
【0083】
ワイヤ412および/またはピン350が挿入されると、脚位置決め装置200,230,250が除去される。側面脚位置決め装置230,250は、実装装置257から対応するナット252を緩め、位置決め装置230,250を分離することで除去される。脚位置決め装置組立体200を除去するステップは、対応するアーム207の対応するネック部207nが保持部材221の間に整列されるまでそれぞれの支持装置204,206を後退するステップと、後退方向に垂直で、脚位置決め装置組立体200の本体201の前面201aと平行な方向に保持部材の間の通路205を介して支持部材204,206を外に摺動させるステップと、を含む。支持部材204,206が除去されると、脚位置決め装置組立体200の本体201は、ノブ218を外すことで除去できる。
【0084】
一部の実施例において、少なくとも一つのワイヤ412またはピン350の挿入の後、スポンジを位置させるワイヤ412またはピン350を受容し把持するために第1クリップ500の側面に長手方向スロット501を有する第1クリップ500を使用して患者の第1創傷部位に第1スポンジまたは他のドレッシング(図示せず)が保持される。
【0085】
第1クリップ500は、第1クリップ500の長手方向軸520が第1創傷部位で患者の組織に略垂直な状態でスポンジを締結するために、第1端部に平坦な表面510を有する。第1クリップ500は、第1端部の反対側の第2端部に傾斜した表面511を有し、前記方法は、第2スポンジを位置させるために、第2ワイヤ412を受容し把持するための第2クリップ500を使用して、患者の第2創傷部位に第2スポンジ(図示せず)を保持するステップをさらに含む。第2クリップ500は、第1クリップと同一である。第2クリップの傾斜した表面511は、第2クリップの長手方向軸520が第2創傷部位で患者の組織に対して斜角をなす状態で第2スポンジを締結する。
【0086】
一部の実施例において、第1クリップは、長手方向スロット内に第1および第2管状把持面503,504を有する。少なくとも一つのワイヤ412は、第1管状把持面503により把持される。第2管状把持面504は、第1管状把持面503とは異なるサイズを有する。第2創傷部位は、内部にハーフピン350または第2ワイヤ412が挿入され、ハーフピン350または第2ワイヤ412は、少なくとも一つのワイヤとは異なる直径を有し、ハーフピン350または第2ワイヤは、第2クリップの第2管状把持面により把持される。
【0087】
本開示は例示的な実施例について記載されているが、これに制限されない。むしろ、別添の請求項は当業者によって成り立つことができる他の変形および実施例を含むように広く解釈されるべきである。