(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓄積除外条件による蓄積除外を解除するための除外解除ルールを、解除対象の前記蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて記憶する除外解除ルール記憶手段と、
前記除外データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データについて、前記除外解除ルール記憶手段に記憶された前記除外解除ルールに該当するか否かを判断し、該当する場合には、解除対象の前記蓄積除外条件を削除または無効にする処理を実行する除外解除手段と、
前記蓄積除外条件自動登録手段による前記蓄積除外条件の自動登録と併せて、自動登録に係る前記蓄積除外条件の作成時に該当した前記除外対象抽出ルールを反転させることにより前記除外解除ルールを自動作成し、自動作成した前記除外解除ルールを、自動登録に係る前記蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて前記除外解除ルール記憶手段に記憶させる処理を実行する除外解除ルール自動登録手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のデータ収集システム。
蓄積除外対象とする区域および/または機器を指定するための入力を受け付けて前記蓄積除外条件を作成し、作成した前記蓄積除外条件を前記蓄積除外条件記憶手段に記憶させる処理を実行する蓄積除外条件入力受付手段と、
この蓄積除外条件入力受付手段による前記蓄積除外条件の入力の受付と併せて、受け付けた前記蓄積除外条件を解除するための前記除外解除ルールの入力も受け付け、受け付けた前記除外解除ルールを、解除対象の前記蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて前記除外解除ルール記憶手段に記憶させる処理を実行する除外解除ルール入力受付手段と
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のデータ収集システム。
区域にいるユーザに対してサービスの利用に係る課金をするための課金用データとして、前記蓄積データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データを、ネットワークを介して外部の連携システムへ送信する処理を実行する連携手段と、
ユーザ端末からネットワークを介して送信されてくる前記ユーザによるサービス利用期間を指定するための入力を受け付け、有効期間の指定のない状態で前記蓄積除外条件記憶手段に記憶されている前記蓄積除外条件を期間単位で複数に自動分割することにより、前記ユーザにより指定された前記サービス利用期間以外の期間についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行するユーザ入力受付手段と
を備えたことを特徴とする請求項3,4,6,7のいずれかに記載のデータ収集システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、HEMSデータは、各個宅に設置されたHEMSを構成するゲートウェイサーバ(HEMS−GW)からインターネットへ送信されるデータであるが、HEMSを構成する各種の機器の設置不備等により、不適正な値がクラウド上に連携されてしまうケースがある。そして、このようなケースを放置すると、クラウド上で収集し、蓄積したデータの正常な利活用の妨げとなり、蓄積したデータの価値や信頼性が低下してしまう。従って、不適正な値を含むデータについては、蓄積除外を行うことが求められる。
【0007】
ところが、従来は、上記のようなケースは、HEMSを設置した個宅の申告でしか気付くことができなかった。このため、不適正な値を含むデータについては、各個宅からの情報提供を受けて、システム運用担当者が蓄積除外のためのシステム設定作業(蓄積除外対象の登録作業)を行う必要があった。
【0008】
しかし、このことは、機器の正常な設置や、機器からの適正なデータ出力について、各個宅にいるユーザが自ら責任や監視義務を負うことに繋がってしまうおそれがあるため、好ましくない。本来、ユーザは、機器に関する専門知識はなく、また、監視を行う手間や時間をさく立場でもない。また、ユーザからの申告が遅れれば、それだけ蓄積除外を開始するタイミングが遅れ、不適正な値を含むデータの蓄積が進むことになる。必要な蓄積除外は、時期を逸することなく、適切なタイミングで開始しなければならない。従って、各個宅にいるユーザから情報提供を受けることを前提とした、あるいはそれを期待するようなデータ収集システムでは不十分であるといえる。
【0009】
さらに、収集データの蓄積除外は、例えば、何らかの理由で、ある期間はデータを公開したくない等の事情により必要になることもあるので、上記のような不適正な値を含むデータについての蓄積除外を含め、その他の様々な事情による蓄積除外も併せて行う必要がある。従って、様々な事情による蓄積除外を、必要な範囲で、かつ、適切な時期やタイミングで実現することができるデータ収集システムの構築が望まれる。
【0010】
そして、以上に述べたことは、HEMSデータのみならず、BEMSデータ、FEMSデータ、CEMSデータ等についても同様にいえることである。
【0011】
本発明の目的は、様々な事情による蓄積除外を、必要な範囲で、かつ、適切な時期やタイミングで実現することができるデータ収集システムおよびプログラムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、個宅、ビル、工場、またはその他の区域におけるエネルギ管理用データを収集するコンピュータにより構成されたデータ収集システムであって、
各区域に設けられたゲートウェイサーバと通信を行う各機器から出力されてゲートウェイサーバを経由してネットワークを介して送信されてくるエネルギ管理用データを受信するデータ受信手段と、
このデータ受信手段により受信したエネルギ管理用データを区域単位および/または機器単位で蓄積除外するためのゲートウェイサーバ識別情報および/または機器識別情報を含む蓄積除外条件を記憶する蓄積除外条件記憶手段と、
データ受信手段により受信したエネルギ管理用データについて蓄積除外条件記憶手段に記憶された蓄積除外条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には、受信したエネルギ管理用データを除外データ記憶手段に記憶させ、満たさない場合には、受信したエネルギ管理用データを蓄積データ記憶手段に記憶させる処理を実行する蓄積除外条件成否判断手段と、
蓄積除外条件として登録すべき蓄積除外対象の機器を抽出するための除外対象抽出ルールを、当該機器を識別する機器識別情報と関連付けて記憶する除外対象抽出ルール記憶手段と、
蓄積データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データについて、除外対象抽出ルール記憶手段に記憶された除外対象抽出ルールに該当するか否かを判断し、該当する場合には、該当したエネルギ管理用データに含まれるゲートウェイサーバ識別情報および機器識別情報を用いて、蓄積除外対象とする区域およびその区域の機器を特定した蓄積除外条件を自動作成し、自動作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段に記憶させる処理を実行する蓄積除外条件自動登録手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、「区域」とは、エネルギ利用情報を集約する単位となる空間若しくは場所をいい、例えば、個宅(HEMSの場合)、ビル(BEMSの場合)、工場(FEMSの場合)、またはこれらの個宅やビルや工場を含む地域(CEMSの場合)等を指す。
【0014】
また、「機器を識別する機器識別情報」とは、物理的な個々の機器を特定するための情報ではなく、本発明では、機器のタイプ、型式、種類等を識別するための情報を意味する。従って、本発明や本願明細書において「同一の機器」、「同じ機器」というときは、物理的に同じ個体(世界中で唯一の個体)を指すのではなく、複数の区域(複数の個宅、複数のビル、複数の工場等)に同時に存在し得る同じ構成および機能を有する機器を意味する。
【0015】
このような本発明のデータ収集システムにおいては、除外対象抽出ルール記憶手段および蓄積除外条件自動登録手段を備えているので、蓄積データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データについて除外対象抽出ルールに該当するか否かの監視を行い、該当する場合には、蓄積除外条件を自動作成し、蓄積除外条件記憶手段に登録することが可能となる。
【0016】
従って、例えば、設置や設定の不備、あるいは故障等の不具合が発生しやすい機器について、不具合の発生状態を判定するための除外対象抽出ルールを登録しておくことで、不具合が発生した際に、その不具合を自動的に捉え、当該機器についての蓄積除外条件を自動的に作成し、蓄積除外条件記憶手段に自動的に登録することができるので、個宅やビルや工場等の区域にいるユーザからの情報提供によることなく、従って、時期を逸することなく、適切なタイミングで蓄積除外条件の登録を行い、不適正な値を含むデータの蓄積除外を実現することが可能となる。
【0017】
また、蓄積除外条件記憶手段には、上記のような除外対象抽出ルールの成立により自動作成される蓄積除外条件に限らず、ユーザからの情報提供に基づく不適正な値を含むデータの蓄積除外のための蓄積除外条件を含め、様々な事情による蓄積除外条件を登録することができる。このため、様々な事情による蓄積除外を、必要な範囲で、かつ、適切な時期やタイミングで実現することが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
【0018】
<除外解除の自動化>
【0019】
また、前述したデータ収集システムにおいて、
蓄積除外条件による蓄積除外を解除するための除外解除ルールを、解除対象の蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて記憶する除外解除ルール記憶手段と、
除外データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データについて、除外解除ルール記憶手段に記憶された除外解除ルールに該当するか否かを判断し、該当する場合には、解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理を実行する除外解除手段と、
蓄積除外条件自動登録手段による蓄積除外条件の自動登録と併せて、自動登録に係る蓄積除外条件の作成時に該当した除外対象抽出ルールを反転させることにより除外解除ルールを自動作成し、自動作成した除外解除ルールを、自動登録に係る蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて除外解除ルール記憶手段に記憶させる処理を実行する除外解除ルール自動登録手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【0020】
このように除外解除ルール記憶手段、除外解除手段、および除外解除ルール自動登録手段を備えた構成とした場合には、先ず、除外解除ルール記憶手段および除外解除手段により、一旦、蓄積除外条件に該当するということで蓄積除外されて除外データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データについて、そのデータ内容を確認する監視処理(除外解除ルールの成否の判断処理)を行うことができるので、その後に、機器からの出力状態が変化し、蓄積除外を行わなくてもよい状態になったときに、その状態を捉え、蓄積除外条件を解除することが可能となる。
【0021】
次に、上記のように、蓄積除外を行わなくてもよい状態になったときに、除外解除ルールの成立による蓄積除外条件の解除が行われるが、これは自動解除であるので、登録されている蓄積除外条件を手作業で削除または無効にする必要がなくなるため、システム運用担当者の作業の手間が軽減されるうえ、不必要な蓄積除外が自動的に回避されるので、適正なデータの蓄積の進行を早期に再開することが可能となる。
【0022】
また、除外解除ルール自動登録手段により、蓄積除外条件の自動登録と併せて、その除外解除ルールの自動作成および自動登録も行われるので、この点でも、システム運用担当者の作業の手間の軽減、および適正なデータの蓄積の進行の早期再開を実現することが可能となる。
【0023】
<蓄積除外条件の入力受付、および除外解除ルールの入力受付>
【0024】
さらに、前述した前述したデータ収集システムにおいて、
蓄積除外対象とする区域および/または機器を指定するための入力を受け付けて蓄積除外条件を作成し、作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段に記憶させる処理を実行する蓄積除外条件入力受付手段と、
この蓄積除外条件入力受付手段による蓄積除外条件の入力の受付と併せて、受け付けた蓄積除外条件を解除するための除外解除ルールの入力も受け付け、受け付けた除外解除ルールを、解除対象の蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて除外解除ルール記憶手段に記憶させる処理を実行する除外解除ルール入力受付手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【0025】
このように蓄積除外条件入力受付手段および除外解除ルール入力受付手段を備えた構成とした場合には、蓄積除外条件記憶手段への蓄積除外条件の追加登録や、除外解除ルール記憶手段への除外解除ルールの追加登録を容易に行うことが可能となる。
【0026】
また、蓄積除外条件の入力の受付と併せて、その除外解除ルールの入力も受け付ける構成とされているので、蓄積除外を行わなくてもよい状態になったときに、除外解除ルールの成立による蓄積除外の自動解除が行われ、不必要な適用除外が自動的に回避されるため、適正なデータの蓄積の進行を早期に再開することが可能となる。
【0027】
<異なる区域(個宅等)に設けられた同一の機器についての蓄積除外条件の累積登録に基づく除外対象抽出ルールの登録>
【0028】
また、前述した前述したデータ収集システムにおいて、
蓄積除外条件入力受付手段は、
異なる区域に設けられた同一の機器についての蓄積除外条件の入力の受付が、予め定められた監視移行用の回数に達したか否かを判断する処理も実行する構成とされ、
蓄積除外条件入力受付手段により当該機器についての蓄積除外条件の入力の受付が監視移行用の回数に達したと判断された場合に、当該機器についての蓄積除外条件に対応させて除外解除ルール記憶手段に記憶されている除外解除ルールを反転させることにより除外対象抽出ルールを自動作成するか、または除外対象抽出ルールの入力を受け付け、自動作成しまたは入力を受け付けた除外対象抽出ルールを、当該機器を識別する機器識別情報と関連付けて除外対象抽出ルール記憶手段に記憶させる処理を実行する除外対象抽出ルール登録手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0029】
このように異なる区域(個宅等)に設けられた同一の機器についての蓄積除外条件の入力の受付が監視移行用の回数に達したときに、当該機器に係る除外対象抽出ルールを登録する構成とした場合には、当該機器は、データの蓄積除外を行うべき状態になりやすい機器であると判断し、さらに別の区域(個宅等)に設けられた当該機器についても、除外対象抽出ルールによる監視下に置くことが可能となる。すなわち、同一の機器についての蓄積除外条件の登録が累積するということは、当該機器は、例えば、設置や設定の不備、あるいは故障等の不具合が発生しやすい機器であると判断することができ、さらに別の区域(個宅等)に設けられた当該機器についても、同様の不具合が発生する可能性があるため、当該機器に係る除外対象抽出ルールを登録することにより、各区域(各個宅等)の当該機器のデータを監視することが可能となる。
【0030】
そして、登録した除外対象抽出ルールが成立すれば、蓄積除外条件の自動作成および登録が行われるので、さらに別の区域(個宅等)に設けられた当該機器のデータについても、蓄積除外が行われるようになる。
【0031】
<除外解除ルールの成立による除外解除を優先する場合の蓄積除外条件の自動分割>
【0032】
さらに、前述したデータ収集システムにおいて、
蓄積除外条件記憶手段に記憶された蓄積除外条件には、
蓄積除外条件の有効期限を示す除外終了日時、およびこの除外終了日時の到達よりも除外解除ルール記憶手段に記憶された除外解除ルールの成立による除外解除を優先するか否かを示す優先フラグが含まれ、
除外解除手段は、
除外データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データが除外解除ルールに該当する場合に、解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理と併せて、解除対象の蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件についての優先フラグが除外解除ルールの成立による除外解除を優先することを示しているときには、他の蓄積除外条件を機器単位で複数に自動分割することにより、除外解除に係る機器以外の機器についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0033】
このように除外解除ルールが成立したときに、解除対象の蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を、優先フラグに従って自動分割する構成とした場合には、除外解除手段により、解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理を行うことに加え、解除対象の蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件についても、蓄積除外を解除できる部分と解除できない部分とに分け、解除できない部分の蓄積除外条件だけを有効状態で残すことが可能となる。
【0034】
<蓄積除外条件の入力受付時に、内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、画面表示する構成>
【0035】
また、前述したデータ収集システムにおいて、
蓄積除外条件入力受付手段は、
入力を受け付けた蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段から抽出し、抽出した他の蓄積除外条件を画面表示する重複条件表示処理を実行するか、または、この重複条件表示処理に加え、抽出した他の蓄積除外条件に対応する除外解除ルールが除外解除ルール記憶手段に記憶されている場合には、対応する除外解除ルールも併せて画面表示する除外解除ルール表示処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0036】
このように蓄積除外条件の入力受付時に、内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、画面表示する構成とした場合には、システム運用担当者は、他の蓄積除外条件の内容を見て、自分が入力した蓄積除外条件を変更し、または抽出された他の蓄積除外条件を変更する等、双方の蓄積除外条件について適切な調整を図ることが可能となる。この際、システム運用担当者は、内容の重複を回避する調整を行ってもよく、あるいは、内容が重複したままで、自分が入力した蓄積除外条件を登録してもよい。
【0037】
<蓄積除外条件の入力受付時に、内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、蓄積除外理由を含めた状態で画面表示するとともに、指示入力を受け付けて他の蓄積除外条件を自動分割し、内容が重複しない蓄積除外条件を自動作成する構成>
【0038】
さらに、前述したデータ収集システムにおいて、
蓄積除外条件記憶手段に記憶された蓄積除外条件には、
蓄積除外条件の有効期間の始期および終期を示す除外開始日時および除外終了日時、並びに、蓄積除外理由が含まれ、
蓄積除外条件入力受付手段は、
入力を受け付けた蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段から抽出し、抽出した他の蓄積除外条件を、蓄積除外理由を含めた状態で画面表示するとともに、システム運用担当者による指示の入力を受け付けて当該指示に従って他の蓄積除外条件を区域単位、機器単位、または期間単位で複数に自動分割することにより、内容が重複しない蓄積除外条件を自動作成し、自動作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0039】
このように蓄積除外条件の入力受付時に、内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、蓄積除外理由を含めた状態で画面表示するとともに、指示入力を受け付けて他の蓄積除外条件を自動分割し、内容が重複しない蓄積除外条件を自動作成する構成とした場合には、システム運用担当者は、他の蓄積除外条件についての蓄積除外理由を適宜参照しながら判断を行い、内容が重複しない蓄積除外条件の登録を容易に行うことができるようになる。
【0040】
<課金を伴うサービスとの連携>
【0041】
また、前述したデータ収集システムにおいて、
区域にいるユーザに対してサービスの利用に係る課金をするための課金用データとして、蓄積データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データを、ネットワークを介して外部の連携システムへ送信する処理を実行する連携手段と、
ユーザ端末からネットワークを介して送信されてくるユーザによるサービス利用期間を指定するための入力を受け付け、有効期間の指定のない状態で蓄積除外条件記憶手段に記憶されている蓄積除外条件を期間単位で複数に自動分割することにより、ユーザにより指定されたサービス利用期間以外の期間についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行するユーザ入力受付手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【0042】
このように課金を伴うサービスとの連携を行う構成とした場合には、蓄積除外条件の登録を利用して蓄積データ記憶手段に記憶されるエネルギ管理用データを制御し、ユーザの指定したサービス利用内容に沿った課金処理を行うことが可能となる。
【0043】
<プログラムの発明>
【0044】
本発明のプログラムは、以上に述べたデータ収集システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0045】
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュディスク等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、LAN、MAN、WAN、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0046】
以上に述べたように本発明によれば、蓄積データ記憶手段に記憶されたエネルギ管理用データについて除外対象抽出ルールに該当するか否かの監視を行い、該当する場合には、蓄積除外条件を自動作成し、蓄積除外条件記憶手段に登録することができるので、ユーザからの情報提供によることなく、不適正な値を含むデータの蓄積除外を実現するための蓄積除外条件の登録を適切なタイミングで行うことができるとともに、その他の事情による蓄積除外条件も登録することができるため、様々な事情による蓄積除外を、必要な範囲で、かつ、適切な時期やタイミングで実現することができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態のデータ収集システム10を含むHEMS関連システムの全体構成が示されている。
図2には、各個宅50からデータ収集システム10までのデータ構造の変遷が示されている。また、
図3、
図4、
図5には、蓄積除外条件記憶手段43、除外対象抽出ルール記憶手段44、除外解除ルール記憶手段45の各レコード構成が示されている。さらに、
図6〜
図10には、データ収集システム10による各種処理の流れがフローチャートで示されている。また、
図11には、重複確認画面100の一例が示され、
図12には、個宅にいるユーザが課金を伴うサービスを利用する場合のシステム連携の例が示されている。
【0049】
<データ収集システム10を含むHEMS関連システムの全体構成>
【0050】
図1において、データ収集システム10は、1台または複数台のコンピュータ(サーバ)により構成され、各個宅50(本実施形態では、説明の便宜上、3つの個宅50A,50B,50Cを図示している。)からネットワーク1を介して送信されてくるHEMSデータを受信し、データの収集、蓄積、蓄積除外、管理を行う基盤システムである。
【0051】
また、データ収集システム10には、システム運用担当者が操作するシステム運用担当者端末60がネットワーク1を介して接続されている。さらに、データ収集システム10には、例えば課金を伴うサービス等を提供するサービス事業者により運用・管理される連携システム70がネットワーク1を介して接続されている。
【0052】
ここで、ネットワーク1は、主としてインターネットであるが、例えば、インターネットと、LANやイントラネット等のネットワークとの組合せ等のように、様々なネットワークの組合せにより構成されていてもよく、それらの構成ネットワークが、有線であるか、無線であるか、それらの混在型であるかは問わない。
【0053】
各個宅50には、少なくとも1つ(通常は、複数)の機器52が設けられている。ここで、機器52とは、例えば、PV(photovoltaic:太陽光発電)システム、蓄電池、スマートメータ、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle:プラグインハイブリッド自動車)用充電器、家電等のエネルギ関連機器をいう。また、各個宅50(50A,50B,50C)には、各機器52からの出力データを集めてデータ収集システム10へ送信するゲートウェイサーバ51(51A,51B,51C)と、各個宅50(50A,50B,50C)にいるユーザA,B,Cが操作するユーザ端末53(53A,53B,53C)とが設けられている。なお、ユーザ端末53は、ここでは各個宅50内に図示されているが、「個宅にいるユーザ」や「個宅のユーザ」は、個宅50に住んでいるユーザまたは個宅50を所有若しくは賃借しているユーザという意味であるから、当該ユーザが会社やその他の出先に行って操作する端末も、ユーザ端末53に含まれる。
【0054】
システム運用担当者端末60は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイ等の表示手段とを備えている。なお、システム運用担当者端末60は、例えば、携帯電話機(PHSを含む)、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末等の携帯機器であってもよい。
【0055】
連携システム70は、1台または複数台のコンピュータ(サーバ)により構成され、データ収集システム10からネットワーク1を介して送信されてくるHEMSデータ(蓄積データ記憶手段41に記憶されているHEMSデータ)を受信し、受信したHEMSデータを用いて、各種のサービス提供に係る処理(本実施形態では、一例として、
図12に示すように、サービスを利用した各個宅50のユーザに対する課金処理とする。)を実行するシステムである。
【0056】
<データ収集システム10の詳細構成>
【0057】
データ収集システム10は、HEMSデータの収集、蓄積、蓄積除外、管理に必要な各種処理を実行する手段として、データ受信手段21と、蓄積除外条件成否判断手段22と、蓄積除外条件自動登録手段23と、除外解除ルール自動登録手段24と、除外解除手段25と、蓄積除外条件入力受付手段26と、除外解除ルール入力受付手段27と、除外対象抽出ルール登録手段28と、連携手段29と、ユーザ入力受付手段30とを備えている。
【0058】
また、データ収集システム10は、HEMSデータの収集、蓄積、蓄積除外、管理に必要な各種情報を記憶する手段として、蓄積データ記憶手段41と、除外データ記憶手段42と、蓄積除外条件記憶手段43と、除外対象抽出ルール記憶手段44と、除外解除ルール記憶手段45と、ユーザ情報記憶手段46とを備えている。
【0059】
データ受信手段21は、各個宅50に設けられたゲートウェイサーバ51からネットワーク1を介して送信されてくるHEMSデータ(エネルギ管理用データ)を受信し、単位等が欠落しているHEMSデータについて欠落部分を補完する処理を実行し、さらに、HEMSデータのフォーマットを変換する処理を実行し、その後、フォーマット変換後のHEMSデータを、蓄積除外条件成否判断手段22に引き渡す処理を実行するものである(
図6参照)。
【0060】
蓄積除外条件成否判断手段22は、データ受信手段21から受け取ったHEMSデータについて蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶された蓄積除外条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には、受け取ったHEMSデータを除外データ記憶手段42(
図2参照)に記憶させ、満たさない場合には、受け取ったHEMSデータを蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に記憶させる処理を実行するものである(
図6参照)。
【0061】
より具体的には、蓄積除外条件成否判断手段22は、データ受信手段21から受け取ったHEMSデータの内容(
図2参照)と、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶された蓄積除外条件を示す各レコードの内容とを比較し、判定対象のHEMSデータが、各レコードで示された蓄積除外条件を満たすか否かを判断する。この際、蓄積除外条件成否判断手段22は、同一レコード内に含まれる各カラムの条件要素(蓄積除外条件を構成する各要素)については、AND条件として扱う。従って、例えば、ゲートウェイサーバ51(個宅50)を識別するゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)のカラムの条件要素と、機器52を識別する機器識別情報(Eoj)のカラムの条件要素との双方について指定があれば、双方の条件要素を満たす場合が、全体としてそのレコードで示される蓄積除外条件を満たす場合となる。また、一部または全部のカラムの条件要素について内容が重複する複数の蓄積除外条件のレコードがある場合には、それらの異なるレコード間の条件要素は、OR条件として扱う。従って、いずれかのレコードで示される蓄積除外条件が満たされれば、そのレコードで指定されている蓄積除外が行われるので、双方の蓄積除外条件の蓄積除外の範囲が包含関係になく、ずれている場合には、全体として蓄積除外の範囲が広くなり、双方の蓄積除外条件の蓄積除外の範囲が完全な包含関係にある場合には、蓄積除外の範囲が広いほうの蓄積除外条件により全体としての蓄積除外の範囲が決まり、蓄積除外の範囲が狭いほうの蓄積除外条件は存在意義が無いに等しい状態となる。
【0062】
蓄積除外条件自動登録手段23は、蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に記憶されたHEMSデータ(すなわち、蓄積除外条件成否判断手段22による処理を経て、一旦、蓄積除外条件を満たさないと判断されたHEMSデータ)について、除外対象抽出ルール記憶手段44(
図4参照)に記憶された除外対象抽出ルールに該当するか否かを判断し、該当する場合には、該当したHEMSデータに含まれるゲートウェイサーバ識別情報および機器識別情報を用いて、蓄積除外対象とする個宅50(または個宅50内の複数のノード(HEMS)のうちの1つ)およびその個宅50(またはその個宅50内のノード(HEMS))の機器52を特定した蓄積除外条件を自動作成し、自動作成した蓄積除外条件を、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶させる処理を実行するものである(
図7のステップS21〜S24参照)。本実施形態では、この蓄積除外条件自動登録手段23による処理は、バッチ処理で行う。
【0063】
また、蓄積除外条件自動登録手段23は、蓄積除外条件の自動登録を行った場合には、その旨を電子メール等により、自動登録した蓄積除外条件の個宅50のユーザに自動的に通知する処理を実行する。ユーザは、自分の操作するユーザ端末53等でその通知を確認することができる。
【0064】
除外解除ルール自動登録手段24は、蓄積除外条件自動登録手段23による蓄積除外条件の自動登録が行われた場合に、自動登録に係る蓄積除外条件の作成時に該当した除外対象抽出ルールを反転させることにより除外解除ルールを自動作成し、自動作成した除外解除ルールを、自動登録に係る蓄積除外条件(すなわち、解除対象とする蓄積除外条件)を識別する蓄積除外条件識別情報と関連付けて除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶させる処理を実行するものである(
図7のステップS25,S26)。本実施形態では、この除外解除ルール自動登録手段24による処理は、バッチ処理で行う。
【0065】
除外解除手段25は、除外データ記憶手段42(
図2参照)に記憶されたHEMSデータ(すなわち、蓄積除外条件成否判断手段22による処理を経て、一旦、蓄積除外条件を満たすと判断されたHEMSデータ)について、除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶された除外解除ルールに該当するか否かを判断し、該当する場合には、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶されている解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理を実行するものである。本実施形態では、この除外解除手段25による処理は、バッチ処理で行う。
【0066】
また、除外解除手段25は、除外データ記憶手段42(
図2参照)に記憶されたHEMSデータが除外解除ルールに該当する場合に、上述した解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理と併せて、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)から、解除対象の蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、抽出した他の蓄積除外条件についての優先フラグ(除外終了日時の到達よりも除外解除ルールの成立による除外解除を優先するか否かを示すフラグ)が除外解除ルールの成立による除外解除を優先することを示しているときには、他の蓄積除外条件を機器単位で複数に自動分割することにより、除外解除に係る機器52以外の機器52についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行する(
図10参照)。
【0067】
蓄積除外条件入力受付手段26は、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくる蓄積除外対象とする個宅50(区域)および/または機器52を指定するための入力を受け付けて蓄積除外条件を作成し、作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶させる処理を実行するものである(
図8のステップS41、
図9のステップS61参照)。
【0068】
また、蓄積除外条件入力受付手段26は、入力を受け付けた蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)から抽出し、抽出した他の蓄積除外条件を、蓄積除外理由を含めた状態でシステム運用担当者端末60に画面表示する重複条件表示処理を実行する(
図11参照)。
【0069】
さらに、蓄積除外条件入力受付手段26は、上記の重複条件表示処理で抽出した他の蓄積除外条件に対応する除外解除ルールが除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶されている場合には、対応する除外解除ルールも取得して併せてシステム運用担当者端末60に画面表示する除外解除ルール表示処理を実行するようにしてもよい(
図11での記載は省略)。
【0070】
また、蓄積除外条件入力受付手段26は、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)を検索し、異なる個宅50(区域)に設けられた同一の機器52についての蓄積除外条件の入力の受付(登録でもよい。)が、今回の入力の受付(今回の登録でもよい。)を含めて、予め定められた監視移行用の回数に達したか否かを判断し、達したと判断した場合に、その情報を除外対象抽出ルール登録手段28に送る処理も実行する(
図8のステップS44参照)。
【0071】
さらに、蓄積除外条件入力受付手段26は、前述した重複条件表示処理と併せて、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくるシステム運用担当者による指示の入力を受け付けて当該指示に従って他の蓄積除外条件(入力を受け付けた蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件)を個宅単位(区域単位)、機器単位、または期間単位で複数に自動分割することにより、内容が重複しない蓄積除外条件を自動作成し、自動作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶させる処理も実行する(
図9参照)。
【0072】
除外解除ルール入力受付手段27は、蓄積除外条件入力受付手段26により蓄積除外条件の入力を受け付けた場合に、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくる除外解除ルール(蓄積除外条件入力受付手段26により受け付けた蓄積除外条件を解除するための除外解除ルール)の入力も受け付け、受け付けた除外解除ルールを、解除対象の蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報(レコードNo.)と関連付けて除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0073】
除外対象抽出ルール登録手段28は、蓄積除外条件入力受付手段26により異なる個宅50(区域)での同一の機器52についての蓄積除外条件の入力の受付(登録でもよい。)が監視移行用の回数に達したと判断された場合に、当該機器52についての蓄積除外条件に対応させて除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶されている除外解除ルールを反転させることにより除外対象抽出ルールを自動作成するか、またはシステム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくる除外対象抽出ルールの入力を受け付け、自動作成しまたは入力を受け付けた除外対象抽出ルールを、当該機器52を識別する機器識別情報と関連付けて除外対象抽出ルール記憶手段44(
図4参照)に記憶させる処理を実行するものである(
図8参照)。
【0074】
連携手段29は、個宅50(区域)にいるユーザに対してサービスの利用に係る課金をするための課金用データとして、蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に記憶されたHEMSデータのうちの当該ユーザの個宅50の特定の機器52についてのHEMSデータを、ネットワーク1を介して外部の連携システム70へ送信する処理を実行するものである。なお、連携手段29は、このような課金用データに限らず、各種のサービスとの連携を図り、必要な機器52のHEMSデータを連携システム70へ送信するようにすることができる。
【0075】
ユーザ入力受付手段30は、ユーザ端末53(53A,53B,53C)からネットワーク1を介して送信されてくるユーザA,B,Cの入力によるユーザ情報(申告情報、設定情報等)を受信し、受信したユーザ情報を、ユーザ(すなわち個宅50)を識別するゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)と関連付けてユーザ情報記憶手段46に記憶させる処理を実行するものである。
【0076】
ここで、ユーザ情報には、例えば、電気自動車を所有しているか否かの情報(申告情報)が含まれる。ユーザ入力受付手段30は、この情報の入力を受け付けると、電気自動車所有フラグFのON(所有している)、OFF(所有していない)の形でユーザ情報記憶手段46に記憶させる処理を実行する(
図4、
図5参照)。
【0077】
また、ユーザ情報には、例えば、ユーザA,B,Cが課金を伴うサービスの提供を受ける場合の設定情報が含まれる。ユーザ入力受付手段30は、ユーザA,B,Cによるサービス利用方法やサービス利用期間を指定するための入力を受け付け、サービス利用期間の指定入力を受け付けた場合には、有効期間の指定のない状態で蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶されている蓄積除外条件を期間単位で複数に自動分割することにより、ユーザA,B,Cにより指定されたサービス利用期間以外の期間についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行する(
図12参照)。
【0078】
蓄積データ記憶手段41は、
図2に示すように、各個宅50のゲートウェイサーバ51から収集したHEMSデータのうち、蓄積対象のHEMSデータを記憶するものである。後述するように、本実施形態では、KVS方式でのデータ保存を行うが、これに限定されるものではない。
【0079】
除外データ記憶手段42は、
図2に示すように、各個宅50のゲートウェイサーバ51から収集したHEMSデータのうち、蓄積除外されたHEMSデータを記憶するものである。後述するように、本実施形態では、KVS方式でのデータ保存を行うが、これに限定されるものではない。
【0080】
蓄積除外条件記憶手段43は、
図3に示すように、データ受信手段21により受信したHEMSデータについて蓄積除外を行うための蓄積除外条件を、蓄積除外条件識別情報(レコードNo.)と関連付けて記憶するものである。ここで、蓄積除外条件には、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)と、機器識別情報(Eoj:機器オブジェクトを示す情報)と、値の取得方法を示すコード(Esv)と、レコードの参照有効期間の始期を示す除外開始日時と、終期を示す除外終了日時とが含まれる。また、蓄積除外条件記憶手段43には、蓄積除外条件と関連付けて、システム運用担当者により入力された蓄積除外理由(テキスト情報または選択情報)や、除外終了日時の到達よりも除外解除ルールの成立による除外解除を優先するか否かを示す優先フラグ等が記憶されている。
【0081】
ここで、
図3に示す蓄積除外条件(レコードNo.=11)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=NULLとされているので、ゲートウェイサーバ識別情報に関わらず、従って、全ての個宅50について、機器識別情報(Eoj)=0x0287の機器52を、蓄積除外対象とする場合である。また、蓄積除外条件(レコードNo.=12)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=51A(ここでは、ゲートウェイサーバ51Aの符号と同じにしている。)、機器識別情報(Eoj)=0x0287とされているので、個宅50Aの当該機器(Eoj=0x0287)を、蓄積除外対象とする場合である。さらに、蓄積除外条件(レコードNo.=13)は、機器識別情報(Eoj)=NULLとされているので、個宅50Aの全ての機器52を、蓄積除外対象とする場合である。
【0082】
また、レコード参照有効期間については、蓄積除外条件(レコードNo.=21)は、除外開始日時=2016年01月01日00時00分00秒、除外終了日時=NULLとしているので、2016年01月01日00時00分00秒以降を、蓄積除外対象とする場合である。また、蓄積除外条件(レコードNo.=22)は、除外開始日時=NULL、除外終了日時=2016年12月31日23時59分59秒としているので、2016年12月31日23時59分59秒までを、蓄積除外対象とする場合である。さらに、蓄積除外条件(レコードNo.=23)は、除外開始日時=2016年01月01日00時00分00秒、除外終了日時=2016年12月31日23時59分59秒としているので、2016年01月01日00時00分00秒から2016年12月31日23時59分59秒までを、蓄積除外対象とする場合である。
【0083】
さらに、個宅50(ゲートウェイサーバ51)や機器52と、レコード参照有効期間とを組み合わせた蓄積除外条件(例えば、レコードNo.=31〜33)を作成することもできる。蓄積除外条件(レコードNo.=31)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=51B、機器識別情報(Eoj)=0x0287、除外開始日時=2016年03月01日02時30分00秒、除外終了日時=NULLとされているので、個宅50Bの当該機器(Eoj=0x0287)について、2016年03月01日02時30分00秒以降を、蓄積除外対象とする場合である。
【0084】
また、互いに内容が重複する蓄積除外条件が登録されることもある。蓄積除外条件(レコードNo.=41)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=NULL、機器識別情報(Eoj)=0x0287とされ、全ての個宅50の当該機器(Eoj=0x0287)を蓄積除外対象としているのに対し、蓄積除外条件(レコードNo.=42)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=51C、機器識別情報(Eoj)=0x0287とされ、個宅50Cの当該機器(Eoj=0x0287)を蓄積除外対象としている。従って、これらの蓄積除外条件は、完全な包含関係にあり、前述したように、蓄積除外条件成否判断手段22による処理では、異なるレコード間の条件要素の内容重複は、OR条件として扱われるので、結果として、蓄積除外の範囲が広いほうの蓄積除外条件(レコードNo.=41)により、全体としての蓄積除外の範囲が決まり、蓄積除外の範囲が狭いほうの蓄積除外条件(レコードNo.=42)は、存在意義が無いに等しい状態となる。
【0085】
さらに、蓄積除外条件の内容の重複は、個宅50(ゲートウェイサーバ51)や機器52と、レコード参照有効期間とを組み合わせた状態でも生じる。蓄積除外条件(レコードNo.=51)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=NULL、機器識別情報(Eoj)=NULL、除外開始日時=2016年03月01日12時00分00秒、除外終了日時=2016年03月31日11時59分59秒とされている。一方、蓄積除外条件(レコードNo.=52)は、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)=51C、機器識別情報(Eoj)=NULL、除外開始日時=2016年02月15日00時00分00秒、除外終了日時=2016年03月15日23時59分59秒とされている。従って、これらの蓄積除外条件は、蓄積除外の範囲の重複はあるが、包含関係にはなく、ずれている状態であり、蓄積除外条件成否判断手段22による処理では、「全ての個宅50の全ての機器51について2016年03月01日12時00分00秒から2016年03月31日11時59分59秒までの期間」という蓄積除外条件(レコードNo.=51)と、「個宅50Cの全ての機器51について2016年02月15日00時00分00秒から2016年03月15日23時59分59秒までの期間」という蓄積除外条件(レコードNo.=52)とを、OR条件で扱うことになる。このため、2016年02月15日00時00分00秒から2016年03月01日11時59分59秒までの期間は、個宅50CのHEMSデータのみが蓄積除外対象となるが、2016年03月01日12時00分00秒から2016年03月31日11時59分59秒までの期間は、全ての個宅50を指定している蓄積除外条件(レコードNo.=51)が優先されるため、個宅50CのHEMSデータについては、蓄積除外条件(レコードNo.=52)の除外終了日時である2016年03月15日23時59分59秒を過ぎても、蓄積除外条件(レコードNo.=51)の除外終了日時である2016年03月31日11時59分59秒までは、蓄積除外対象とされてしまう。
【0086】
除外対象抽出ルール記憶手段44は、
図4に示すように、蓄積除外条件として登録すべき蓄積除外対象の機器52を抽出するための除外対象抽出ルールを、除外対象抽出ルール識別情報(ルールNo.)と関連付けて記憶するものである。ここで、除外対象抽出ルールは、機器識別情報(Eoj:機器オブジェクトを示す情報)と、時間帯と、ユーザ情報参照有無を示す情報と、判定アルゴリズム(機器52の値(Edt)やユーザ情報等を用いて構成された条件式)とを含んで構成されている。
【0087】
除外解除ルール記憶手段45は、
図5に示すように、蓄積除外条件による蓄積除外を解除するための除外解除ルールを、解除対象の蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報(ルールNo.)と関連付けて記憶するものである。ここで、除外解除ルールは、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)と、機器識別情報(Eoj:機器オブジェクトを示す情報)と、時間帯と、ユーザ情報参照有無を示す情報と、判定アルゴリズム(機器52の値(Edt)やユーザ情報等を用いて構成された条件式)とを含んで構成されている。
【0088】
ユーザ情報記憶手段46は、ユーザにより入力されたユーザ情報(申告情報、設定情報等)を、ユーザ(すなわち個宅50)を識別するゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)と関連付けて記憶するものである。ここで、ユーザ情報には、例えば、電気自動車を所有しているか否かのユーザの申告情報(電気自動車所有フラグF)や、ユーザが課金を伴うサービスの提供を受ける場合の設定情報等が含まれる。なお、ユーザに代わって、システム運用担当者が入力したユーザ情報が含まれていてもよい。
【0089】
以上において、データ収集システム10は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【0090】
また、データ収集システム10において各種処理を実行する各手段21〜30は、データ収集システム10を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、このCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、および主メモリやキャッシュメモリ等により実現される。
【0091】
さらに、データ収集システム10において各種情報を記憶する各記憶手段41〜46としては、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュディスク、EEPROM、フラッシュ・メモリ、MO、CD、DVD、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
【0092】
<データ収集システム10を含むHEMS関連システムでの各種処理の流れ>
【0093】
このような本実施形態においては、以下のようにしてデータ収集システム10を含むHEMS関連システムにより、HEMSデータの作成、収集、蓄積、管理、利活用等に関する各種処理が行われる。
【0094】
(収集データの蓄積および蓄積除外の処理の基本的な流れ)
【0095】
図2に示すように、各個宅50(50A,50B,50C)では、各機器52からの出力データ(各機器52で使用された電力等を検出するセンサからの出力データ)は、無線または有線により各個宅50(50A,50B,50C)に設けられたゲートウェイサーバ51(51A,51B,51C)に送信される。各機器52からの出力データは、例えば、EchonetLite(経済産業省認定のプロトコルであり、ゲートウェイサーバ51と各機器52との間の通信等で使用される標準プロトコル)のフォーマットに準拠したデータであり、機器識別情報(ここでは、一例として、Eoj:機器オブジェクトを示す情報とする。)と、値の取得方法を示すコード(ここでは、一例として、Esvとする。)と、例えば単位等のような値の内容を示すコード(ここでは、一例として、Epcとする。)と、値(ここでは、一例として、Edtとする。)とを含んでいる。
【0096】
ゲートウェイサーバ(HEMS−GW)51は、HEMSの主要構成装置であり、各機器52からの出力データを集め、集めた出力データにゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)およびタイムスタンプ(HEMSが機器52から値を取得した日時)を付してHEMSデータを作成し、作成したHEMSデータを、図示されないルータ経由でネットワーク1を介してデータ収集システム10に送信する。ゲートウェイサーバ51から出力されるHEMSデータは、例えば、EchonetLiteに準拠したhttp/jsonフォーマットを有するデータである。
【0097】
なお、ゲートウェイサーバ識別情報は、1つの個宅50に1つのHEMS(1つのゲートウェイサーバ51)しかない場合には、HEMS−IDでよいが、1つの個宅50に複数のHEMS(複数のゲートウェイサーバ51)が設けられている場合には、HEMS−IDおよびNODE−IDの組合せとする。後者の場合、HEMS−IDは、個宅50を識別する情報となり、NODE−IDは、その個宅50に設けられた1台目のHEMS、2台目のHEMS等を識別する情報となる。従って、1つの個宅50に複数のHEMS(複数のゲートウェイサーバ51)が設けられている場合には、HEMSデータは、各個宅50の各ノードに対応する各機器52単位で収集されるデータとなる。
【0098】
また、従来は、HEMS(ゲートウェイサーバ51)、およびHEMSから出力されるHEMSデータを収集する基盤システム(本実施形態のデータ収集システム10に相当するシステム)は、様々なベンダが個々に構築し、HEMSから基盤システムへのデータ連携いついても、各ベンダ独自のプロトコル、フォーマットで行っていた。このため、各社のHEMS(ゲートウェイサーバ51)に対応させて各社の基盤システムが設けられ、ベンダ単位でのデータ収集が行われていたので、HEMSおよびデータ収集用の基盤システムが一体化されたベンダロックイン状態となっていた。これに対し、本実施形態のデータ収集システム10は、各社のHEMS(ゲートウェイサーバ51)から送信されてくるHEMSデータを収集する構成とされているので、ベンダロックイン状態は解消されている。但し、本発明のデータ収集システムは、従来のようなベンダロックイン状態となっている各社の基盤システムであることを排除するものではなく、ベンダ単位でのデータ収集を行うシステムであってもよい。
【0099】
図6において、データ収集システム10では、データ受信手段21により、各個宅50に設けられたゲートウェイサーバ51からネットワーク1を介して送信されてくるHEMSデータを受信すると(ステップS1)、単位等が欠落しているHEMSデータについて欠落部分を補完する処理を実行し(ステップS2)、さらに、HEMSデータのフォーマットを変換する処理を実行し(ステップS3)、その後、フォーマット変換後のHEMSデータを、蓄積除外条件成否判断手段22に引き渡す。
【0100】
続いて、蓄積除外条件成否判断手段22により、データ受信手段21から受け取ったHEMSデータについて蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶された蓄積除外条件を満たすか否かを判断する(
図6のステップS4)。
【0101】
ここで、蓄積除外条件を満たさない場合(蓄積除外対象でない場合)には、受け取ったHEMSデータを蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に記憶させる(
図6のステップS5)。一方、蓄積除外条件を満たす場合(蓄積除外対象である場合)には、受け取ったHEMSデータを除外データ記憶手段42(
図2参照)に記憶させる(
図6のステップS6)。そして、収集したHEMSデータの蓄積および蓄積除外の処理の基本的な流れを終了する。
【0102】
この際、蓄積除外条件成否判断手段22は、本実施形態では、一例として、
図2に示すように、蓄積するHEMSデータについても、蓄積除外するHEMSデータについても、KVS(キーバリューストア:Key-Value Store)方式でデータ保存を行う。
【0103】
すなわち、ゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)と、機器識別情報(Eoj)と、値の取得方法を示すコード(Esv)との組合せに対し、数字や文字列からなるキー(Key)を付与し、これらの対応関係を、タイムスタンプ(HEMSが機器52から値を取得した日時)とともにキー変換テーブルのレコードに格納する。このキー変換テーブルは、リレーショナル・データベース(RDB)によるデータ保存でよい。
【0104】
また、例えば単位等のような値の内容を示すコード(Epc)および値(Edt)を、KVSのバリュー(Value)とし、付与したキー(Key)と対応させて蓄積データ記憶手段41または除外データ記憶手段42に格納する。なお、
図2では、キー変換テーブルは、説明の便宜上、蓄積データ記憶手段41や除外データ記憶手段42に含まれるものとして図示されているが、実際には、キー変換テーブルは、KVSのデータ記憶領域とは別途に確保された領域に記憶される。
【0105】
(蓄積除外条件および除外解除ルールの自動登録の処理の流れ)
【0106】
また、
図7に示すように、蓄積除外条件自動登録手段23により、蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に蓄積されたHEMSデータ(すなわち、蓄積除外条件成否判断手段22による処理を経て、一旦、蓄積除外条件を満たさないと判断されたHEMSデータ)が、除外対象抽出ルールに該当するか否かの監視処理をバッチ処理で実行する。
【0107】
図7において、蓄積除外条件自動登録手段23により、蓄積データ記憶手段41(
図2参照)から、判定対象とするHEMSデータを読み込む(ステップS21)。例えば、1日に1回、夜間のバッチ処理で実行する場合には、1日分のHEMSデータが判定対象となり、1日に何回か、あるいは1週間に何回か、定時にバッチ処理で実行する場合等には、前回の処理後に蓄積されたHEMSデータが判定対象となる。
【0108】
続いて、蓄積除外条件自動登録手段23により、読み込んだHEMSデータについて、除外対象抽出ルール記憶手段44(
図4参照)に記憶された除外対象抽出ルールに該当するか否かを判断する(
図7のステップS22)。この除外対象抽出ルールは、例えば、
図4に示すルールNo.=R1のレコードの場合には、夜間の時間帯に、太陽光発電量が積算されているというルール、
図4に示すルールNo.=R2のレコードの場合には、太陽光発電をしていないのに、売電が積算されているというルール、
図4に示すルールNo.=R3のレコードの場合には、電気自動車を所有していないのに(ユーザの申告情報)、PHV充電器に充電があるというルール等である。
【0109】
この際、蓄積除外条件自動登録手段23は、除外対象抽出ルール(
図4参照)を構成する機器識別情報(Eoj)と一致する機器識別情報(Eoj)を有するHEMSデータ(
図2参照)を抽出する。また、除外対象抽出ルール(
図4参照)を構成する機器識別情報(Eoj)が複数ある場合には、それらの複数の機器識別情報(Eoj)とそれぞれ一致する機器識別情報(Eoj)を有するHEMSデータ(
図2参照)であって同じ時刻または略同じ時刻のタイムスタンプを有するものを抽出する。さらに、除外対象抽出ルール(
図4参照)を構成する時間帯の指定がある場合には、その時間帯に含まれるタイムスタンプを有するHEMSデータ(
図2参照)を抽出する。また、除外対象抽出ルール(
図4参照)を構成するユーザ情報参照の指定がある場合には、抽出したHEMSデータ(
図2参照)に含まれるゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)によりゲートウェイサーバ51を特定できる(すなわち、そのゲートウェイサーバ51が設置された個宅50のユーザを特定できる)ので、ユーザ情報記憶手段46から、そのゲートウェイサーバ識別情報に関連付けられたユーザ情報(参照指定に係るユーザ情報)を取得する。そして、抽出したHEMSデータ(
図2参照)に含まれる値(Edt)および取得したユーザ情報を用いて、除外対象抽出ルール(
図4参照)を構成する判定アルゴリズムを示す条件式が成立するか否かを判断する。
【0110】
具体的には、蓄積除外条件自動登録手段23は、例えば、
図4に示すルールNo.=R1のレコードの場合には、機器識別情報(Eoj)が、太陽光発電量を出力する機器XとなっているHEMSデータを抽出する。さらに、その中から、タイムスタンプの時刻が、20時〜翌日04時の時間帯に含まれるHEMSデータを抽出する。そして、抽出したHEMSデータについて「機器Xの値(Edt)がK以上」という条件式が成立するか否かを判断する。これにより、夜間の時間帯に、太陽光発電量が積算されているという除外対象抽出ルールの成否判断を行うことができる。
【0111】
また、
図4に示すルールNo.=R2のレコードの場合には、機器識別情報(Eoj)が太陽光発電量を出力する機器XとなっているHEMSデータを抽出するとともに、それと同じ時刻または略同じ時刻のタイムスタンプを有するHEMSデータであって機器識別情報(Eoj)が売電データを出力する機器Yとなっているものを抽出する。そして、抽出したHEMSデータについて「機器Xの値(Edt)がK以下、かつ、機器Yの値(Edt)がL以上」という条件式が成立するか否かを判断する。これにより、太陽光発電をしていないのに、売電が積算されているという除外対象抽出ルールの成否判断を行うことができる。
【0112】
さらに、
図4に示すルールNo.=R3のレコードの場合には、機器識別情報(Eoj)が、PHV充電器の充電量を出力する機器ZとなっているHEMSデータを抽出する。また、抽出したHEMSデータに含まれるゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)を用いて、ユーザ情報記憶手段46から、ユーザ情報(電気自動車所有フラグFの状態)を取得する。そして、「電気自動車所有フラグF=OFF(所有していない)、かつ、機器Zの値(Edt)がM以上」という条件式が成立するか否かを判断する。これにより、電気自動車を所有していないのに(ユーザの申告情報)、PHV充電器に充電があるという除外対象抽出ルールの成否判断を行うことができる。
【0113】
そして、ステップS22で、除外対象抽出ルールに該当しないと判断した場合には、後述するステップS27の処理に移行する。一方、除外対象抽出ルールに該当すると判断した場合には、蓄積除外条件自動登録手段23により、該当したHEMSデータに含まれるゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID、または、HEMS−IDとNODE−IDとの組合せ)および機器識別情報(Eoj)を用いて、蓄積除外対象とする個宅50(または個宅50内の複数のノード(HEMS)のうちの1つ)およびその個宅50(またはその個宅50内のノード(HEMS))の機器52を特定した蓄積除外条件を自動作成する(
図7のステップS23)。なお、ここで自動作成する蓄積除外条件の有効期間(除外開始日時および除外終了日時)は、NULLとする。
【0114】
例えば、
図4に示すルールNo.=R1のレコードの場合には、除外対象抽出ルールを構成する機器は、機器Xであるから、除外対象抽出ルールに該当したHEMSデータが、個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の機器XについてのHEMSデータであれば、個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の機器XについてのHEMSデータを蓄積除外するための蓄積除外条件(レコードNo.=61)を自動作成する(
図3参照)。
【0115】
また、
図4に示すルールNo.=R2のレコードの場合には、除外対象抽出ルールを構成する機器は、2つの機器X,Yとなるので、そのルールの成否判定には、機器XについてのHEMSデータおよび機器YについてのHEMSデータが関与している。この場合において、(1)除外対象抽出ルールに該当したHEMSデータは、双方の機器X,YについてのHEMSデータであるとし、双方を蓄積除外するための蓄積除外条件を自動作成してもよいが、(2)除外対象抽出ルールの判定アルゴリズム(「機器Xの値(Edt)がK以下、かつ、機器Yの値(Edt)がL以上」という条件式)の前提部分である前半(機器X)については、蓄積除外条件を作成せず、後半(機器Y)についてだけ蓄積除外条件を自動作成するようにしてもよい。従って、ここでは後者の(2)を採用し、例えば、除外対象抽出ルールに該当したHEMSデータを、個宅50B(ゲートウェイサーバ51B)の機器YについてのHEMSデータだけとし、個宅50B(ゲートウェイサーバ51B)の機器YについてのHEMSデータを蓄積除外するための蓄積除外条件(レコードNo.=62)を自動作成する(
図3参照)。なお、前者の(1)を採用するときは、機器X,Yのどちらの値が不適正なのかが不明なので、いずれのHEMSデータも蓄積除外するという考え方となり、例えば、個宅50B(ゲートウェイサーバ51B)の機器YについてのHEMSデータを蓄積除外するための蓄積除外条件(レコードNo.=62)を自動作成する(
図3参照)だけではなく、個宅50B(ゲートウェイサーバ51B)の機器XについてのHEMSデータを蓄積除外するための蓄積除外条件(レコードNo.=64)も自動作成することになる(但し、
図3での記載は省略)。
【0116】
さらに、
図4に示すルールNo.=R3のレコードの場合には、除外対象抽出ルールを構成する機器は、機器Zであるから、例えば、除外対象抽出ルールに該当したHEMSデータが、個宅50C(ゲートウェイサーバ51C)の機器ZについてのHEMSデータであれば、個宅50C(ゲートウェイサーバ51C)の機器ZについてのHEMSデータを蓄積除外するための蓄積除外条件(レコードNo.=63)を自動作成する(
図3参照)。
【0117】
それから、蓄積除外条件自動登録手段23により、自動作成した蓄積除外条件を、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶させる(
図7のステップS24)。上記の例では、蓄積除外条件(レコードNo.=61〜63、またはこれらに加えて64)を自動登録する。
【0118】
また、蓄積除外条件自動登録手段23により、蓄積除外条件の自動登録を行った旨(蓄積除外条件の内容を含む。)を電子メール等により、自動登録した蓄積除外条件の個宅50のユーザに自動的に通知する(
図7のステップS24)。ユーザは、自分の操作するユーザ端末53等でその通知を確認する。
【0119】
その後、除外解除ルール自動登録手段24により、自動登録に係る蓄積除外条件の作成時に該当した除外対象抽出ルール(前述したステップS22で該当すると判断された除外対象抽出ルール)を反転させることにより除外解除ルールを自動作成する(
図7のステップS25)。
【0120】
ここで、除外対象抽出ルールを反転させるとは、判定アルゴリズムにおける以上(超過でもよい。)と、以下(未満でもよい。)とを入れ替えるという意味である。例えば、
図4に示すルールNo.=R1のレコードの場合には、除外対象抽出ルールの判定アルゴリズムが「機器Xの値(Edt)がK以上」という条件式であるから、これを反転させると、
図5に示す蓄積除外条件(レコードNo.=61)を解除するための除外解除ルールのように、「機器Xの値(Edt)がK以下」という条件式となる。これにより、夜間の時間帯に、太陽光発電量が積算されていないという除外解除ルールの自動作成を行うことができる。
【0121】
また、
図4に示すルールNo.=R2のレコードの場合には、除外対象抽出ルールの判定アルゴリズムが「機器Xの値(Edt)がK以下、かつ、機器Yの値(Edt)がL以上」という条件式であるから、これを反転させると、
図5に示す蓄積除外条件(レコードNo.=62)を解除するための除外解除ルールのように、「機器Xの値(Edt)がK以下、かつ、機器Yの値(Edt)がL以下」という条件式となる。これにより、太陽光発電をしていない、かつ、売電が積算されていないという除外解除ルールの自動作成を行うことができる。なお、この場合、以上(超過でもよい。)と以下(未満でもよい。)との入替えを、前半および後半の2箇所で行うと、無意味なルールとなるので、前提部分である前半(機器Xの条件式)はそのままとし、後半(機器Yの条件式)だけを入れ替える。
【0122】
さらに、
図4に示すルールNo.=R3のレコードの場合には、除外対象抽出ルールの判定アルゴリズムが「電気自動車所有フラグF=OFF(所有していない)、かつ、機器Zの値(Edt)がM以上」という条件式であるから、これを反転させると、
図5に示す蓄積除外条件(レコードNo.=63)を解除するための除外解除ルールのように、「電気自動車所有フラグF=OFF(所有していない)、かつ、機器Zの値(Edt)がM以下」という条件式となる。これにより、電気自動車を所有していない(ユーザの申告情報)、かつ、PHV充電器に充電がないという除外解除ルールの自動作成を行うことができる。なお、この場合も、前提部分である前半(電気自動車所有フラグFのON、OFF)はそのままとし、後半(機器Zの条件式)だけを入れ替える。
【0123】
続いて、除外解除ルール自動登録手段24により、自動作成した除外解除ルールを、自動登録に係る蓄積除外条件(すなわち、解除対象とする蓄積除外条件)を識別する蓄積除外条件識別情報(レコードNo.)と関連付けて除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶させる(
図7のステップS26)。上記の例では、解除対象とする蓄積除外条件は、蓄積除外条件(レコードNo.=61〜63)である。なお、
図4に示すルールNo.=R2のレコードの場合において、機器X,Yの双方の蓄積除外条件(レコードNo.=62,64)を自動作成し、自動登録するようにしたときには、解除対象とする蓄積除外条件は、蓄積除外条件(レコードNo.=62,64)となり、それらの双方の識別情報が、除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)の解除対象の蓄積除外条件識別情報カラムに格納されることになる。
【0124】
そして、前述したステップS21で読み込んだ判定対象のHEMSデータのうち、処理していないHEMSデータが残っているか否かを判断し(
図7のステップS27)、残っている場合には、前述したステップS22の処理に戻り、残っていない場合には、処理を終了する。
【0126】
さらに、フローチャートによる図示は省略しているが、除外解除手段25により、除外データ記憶手段42(
図2参照)に記憶されたHEMSデータ(すなわち、蓄積除外条件成否判断手段22による処理を経て、一旦、蓄積除外条件を満たすと判断されたHEMSデータ)が、除外解除ルールに該当するか否かの監視処理をバッチ処理で実行する。
【0127】
すなわち、除外解除手段25により、除外データ記憶手段42(
図2参照)から、判定対象とするHEMSデータを読み込む。例えば、1日に1回、夜間のバッチ処理で実行する場合には、1日分のHEMSデータが判定対象となり、1日に何回か、あるいは1週間に何回か、定時にバッチ処理で実行する場合等には、前回の処理後に蓄積除外されたHEMSデータが判定対象となる。
【0128】
続いて、除外解除手段25により、読み込んだHEMSデータについて、除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶された除外解除ルールに該当するか否かを判断する。この際、除外解除ルールに該当するか否かの判断は、前述した
図7のステップS22における蓄積除外条件自動登録手段23による除外対象抽出ルールに該当するか否かの判断と同様である。
【0129】
そして、除外解除ルールに該当すると判断した場合には、除外解除手段25により、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶されている解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理を実行する。
【0130】
(同じ機器についての蓄積除外条件の複数の登録の存在による除外対象抽出ルールの登録の処理の流れ)
【0131】
データ収集システム10では、蓄積除外条件の自動登録だけではなく、システム運用担当者による手動登録も行われる。この際、異なる個宅50に設けられた同一の機器52についての蓄積除外条件の手動登録が、複数回行われることがあり、以下では、
図8において、そのような場合の処理の説明を行う。なお、これらの複数回の手動登録は、同じシステム運用担当者により入力されたものでもよく、異なるシステム運用担当者により入力されたものでもよい。
【0132】
図8において、蓄積除外条件入力受付手段26により、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくる蓄積除外対象とする個宅50(ゲートウェイサーバ51)および/または機器52、並びにその蓄積除外の有効期間(除外開始日時および除外終了日時)を指定するためのシステム運用担当者による入力を受け付けて蓄積除外条件を作成し(ステップS41)、作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に登録する(ステップS42)。なお、この登録の際に、内容が重複する蓄積除外条件の確認処理が行われる場合があるが、これについては、後述する
図9において詳細に説明する。
【0133】
また、除外解除ルール入力受付手段27により、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくる除外解除ルール(蓄積除外条件入力受付手段26により受け付けた蓄積除外条件を解除するための除外解除ルール)の入力も受け付け、受け付けた除外解除ルールを、解除対象の蓄積除外条件を識別する蓄積除外条件識別情報(レコードNo.)と関連付けて除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に登録してもよい。
【0134】
続いて、蓄積除外条件入力受付手段26により、入力を受け付けた蓄積除外条件の機器52についての機器識別情報(Eoj)を用いて蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)を検索し(
図8のステップS43)、入力を受け付けた蓄積除外条件の機器52と同一の機器52(異なる個宅50に設けられた当該機器52)についての蓄積除外条件の入力の受付(登録でもよい。)が、今回の入力の受付(今回の登録でもよい。)を含めて、予め定められた監視移行用の回数(例えば10回等)に達したか否かを判断する(
図8のステップS44)。例えば、監視移行用の回数=10回と設定されているものとし、既に9軒の個宅50において、機器Xについての蓄積除外条件の登録が存在し、今回の登録で10軒目の登録となったときには、監視移行用の回数に達することになる。
【0135】
ここで、監視移行用の回数に達しないと判断した場合には、処理を終了する。一方、監視移行用の回数に達したと判断した場合には、蓄積除外条件入力受付手段26は、その情報を除外対象抽出ルール登録手段28に送る。それから、除外対象抽出ルール登録手段28により、入力の受付(登録でもよい。)が監視移行用の回数に達した当該機器52についての各蓄積除外条件の蓄積除外条件識別情報(レコードNo.)を用いて、これらの各蓄積除外条件に対応させて除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶されている各除外解除ルールを取得する(
図8のステップS45)。ここで取得される除外解除ルールの数は、1つに限らず、複数となることもあり、また、対応する除外解除ルールが無いこともある。
【0136】
続いて、除外対象抽出ルール登録手段28により、取得した除外解除ルールを反転させることにより除外対象抽出ルールを自動作成する(
図8のステップS46)。この際、反転方法は、除外解除ルール自動登録手段24により除外対象抽出ルールを反転させて除外解除ルールを自動作成する際(
図7のステップS25)の反転方法と同様であり、反転の方向が逆になるだけである。なお、上記の
図8のステップS45で取得した除外解除ルールが複数あり、それらの複数の除外解除ルールの内容が異なる場合(例えば、判定アルゴリズムを定める閾値が異なる場合等)には、平均値をとる、最も厳しい値をとる、最も緩やかな値をとる等により、反転させる除外解除ルールの内容を決めればよい。
【0137】
また、上記の
図8のステップS45で取得することができた除外解除ルールが無い場合には、除外対象抽出ルール登録手段28により、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくるシステム運用担当者による除外対象抽出ルールの入力を受け付ける(
図8のステップS46)。なお、上記の
図8のステップS45で取得することができた除外解除ルールが少なくとも1つあり、除外対象抽出ルールの自動作成が可能な場合であっても、システム運用担当者による除外対象抽出ルールの入力を受け付けてもよい。
【0138】
このステップS46で自動作成しまたは入力を受け付けた除外対象抽出ルールは、例えば、全ての個宅50(登録済の10軒の個宅50を除く)の機器Xを監視対象とするためのものである。従って、この例では、今まで9軒の個宅50の機器XについてのHEMSデータが蓄積除外対象とされていたところ、今回で10軒目の個宅50の機器Xについての蓄積除外条件の登録となったので、機器Xが、監視の必要な機器52として設定されたことになる。
【0139】
そして、除外対象抽出ルール登録手段28により、自動作成しまたは入力を受け付けた除外対象抽出ルールを、入力の受付(登録でもよい。)が監視移行用の回数に達した当該機器52を識別する機器識別情報(Eoj)と関連付けて除外対象抽出ルール記憶手段44(
図4参照)に登録し(
図8のステップS47)、処理を終了する。
【0140】
その後、以上のようにして除外対象抽出ルールが除外対象抽出ルール記憶手段44(
図4参照)に登録されたことにより、前述した
図7のステップS22の監視処理が行われ、除外対象抽出ルールが成立すると、前述した
図7のステップS23,S24の蓄積除外条件の自動作成および自動登録が行われることになる。従って、前述した例では、11軒目以降の個宅50の機器Xについての蓄積除外条件の登録が行われることになり、11軒目以降の個宅50の機器XについてのHEMSデータが蓄積除外対象となる。
【0141】
(内容が重複する蓄積除外条件がある場合の登録の処理の流れ)
【0142】
図9において、蓄積除外条件入力受付手段26により、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくる蓄積除外対象とする個宅50(ゲートウェイサーバ51)および/または機器52、並びにその蓄積除外の有効期間(除外開始日時および除外終了日時)を指定するためのシステム運用担当者による入力を受け付けて蓄積除外条件を作成する(ステップS61)。なお、この蓄積除外条件の入力の受付は、前述した
図8のステップS41の蓄積除外条件の入力の受付と同様である。また、除外解除ルール入力受付手段27により除外解除ルールの入力を受け付けてもよいことも、前述した
図8のステップS41の場合と同様である。
【0143】
続いて、蓄積除外条件入力受付手段26により、入力を受け付けた蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)から抽出する(
図9のステップS62)。また、蓄積除外条件入力受付手段26により、抽出した他の蓄積除外条件に対応する除外解除ルールが除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)に記憶されている場合には、対応する除外解除ルールを取得してもよい(
図9のステップS62)。
【0144】
それから、蓄積除外条件入力受付手段26により、抽出した他の蓄積除外条件を、蓄積除外理由を含めた状態でシステム運用担当者端末60に画面表示し、また、対応する除外解除ルールを取得した場合には、対応する除外解除ルールも画面表示する(
図9のステップS63)。
【0145】
図11には、システム運用担当者端末60に画面表示された重複確認画面100の一例が示されている。この重複確認画面100には、内容が重複している既登録の蓄積除外条件の表示部110が設けられ、内容が重複している全ての既登録の蓄積除外条件の内容が、
図3のレコードに対応する状態で示されている。また、重複確認画面100には、今回、登録対象として入力を受け付けた蓄積除外条件の表示部120が設けられ、この表示部120も、表示部110と同様に、
図3のレコードに対応する状態で示されている。
【0146】
さらに、重複確認画面100には、内容が重複している既登録の蓄積除外条件、および、今回、登録対象として入力を受け付けた蓄積除外条件について、個宅単位(ゲートウェイサーバ単位)、機器単位、および期間単位で自動的に分解し、システム運用担当者が各蓄積除外条件の重複状況を容易に把握することができるようにした重複状況の表示部130が設けられている。
図11の例では、表示部130には、2つの既登録の蓄積除外条件、および、今回、入力を受け付けた蓄積除外条件の合計3つの蓄積除外条件について、期間T1,T2,T3に分解して重複状況が示されている。
【0147】
その後、蓄積除外条件入力受付手段26により、システム運用担当者端末60からネットワーク1を介して送信されてくるシステム運用担当者による指示の入力を受け付ける(
図9のステップS64)。この指示は、既登録の蓄積除外条件の分割を含め、内容の重複を回避しつつ妥当な蓄積除外条件を登録する方法等、どのような蓄積除外条件の登録を行うかの登録方法の指示である。
【0148】
図11の重複確認画面100には、システム運用担当者による指示の入力部140が設けられている。この入力部140には、重複状況の表示部130に対応して入力ボックスが設けられ、
図11の例では、期間T1,T2,T3に分けて入力ボックスが設けられている。ここで、システム運用担当者は、期間T1については、既登録の蓄積除外条件(レコードNo.=81)は、個宅50Aの全機器52を蓄積除外対象としているのに対し、当初の自分の入力は、個宅50Aの機器Xを蓄積除外対象としているところ、全ての機器52ではなく、2つの機器X,Yを蓄積除外対象とすればよいという指示を入力している。また、期間T2については、既登録の蓄積除外条件(レコードNo.=82)は、全個宅50の機器Xを蓄積除外対象としているのに対し、当初の自分の入力は、個宅50Aの機器Xを蓄積除外対象としているところ、全ての個宅50ではなく、3つの個宅50A,50B,50Cを蓄積除外対象とすればよいという指示を入力している。なお、期間T3については、内容の重複がないので、入力ボックスへの入力はできないようになっている。
【0149】
そして、蓄積除外条件入力受付手段26により、システム運用担当者による指示に従って、他の蓄積除外条件(入力を受け付けた蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件)を、個宅単位(ゲートウェイサーバ単位)、機器単位、または期間単位で複数に自動分割することにより、内容が重複しない蓄積除外条件を自動作成し、自動作成した蓄積除外条件を蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に登録し(
図9のステップS65)、蓄積除外条件の内容重複に関する処理を終了する。
【0150】
図11の重複確認画面100には、指示内容の「確認」ボタン150が設けられ、この「確認」ボタン150をクリックすると、システム運用担当者による指示に従って自動作成される分割後の蓄積除外条件の表示部160が表示される。
図11の例では、期間T1については、同じ個宅50Aの2つの機器X,Yの蓄積除外条件(レコードNo.=83,84)が表示されている。また、期間T2については、3つの個宅50A,50B,50Cの同じ機器Xの蓄積除外条件(レコードNo.=85,86,87)が表示されている。さらに、期間T3については、個宅50Aの機器Xの蓄積除外条件(レコードNo.=88)が表示されている。そして、重複確認画面100に設けられた「登録」ボタン171をクリックすると、表示部160に表示された通りの蓄積除外条件の登録が実行され、「入力のやり直し」ボタン172をクリックすると、指示の入力部140の各入力ボックスへの入力がクリアされるとともに、分割後の蓄積除外条件の表示部160の表示が消えて、入力をやり直すことができるようになり、「中止」ボタン173をクリックすると、
図11の重複確認画面100の表示やそこで行った入力がすべてキャンセルされる。
【0151】
(除外解除ルールの成立による蓄積除外条件の自動分割の流れ)
【0152】
データ収集システム10では、前述したように(但し、フローチャートによる図示は省略されている。)、除外解除手段25により除外解除ルールの成否の監視処理が行われるが、この際、
図10に示すように、除外解除ルールの成立により、蓄積除外条件の自動分割が行われることがある。
【0153】
図10において、先ず、個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の機器Xについての蓄積除外条件(レコードNo.=71、除外終了日時=NULL)およびその除外解除ルールの登録が行われたとする(ステップS81)。この登録は、蓄積除外条件自動登録手段23および除外解除ルール自動登録手段24による自動登録でもよく(
図7のステップS24,S26参照)、蓄積除外条件入力受付手段26および除外解除ルール入力受付手段27による入力受付での手動登録でもよい(
図8のステップS41、
図9のステップS61参照)。前者の自動登録の場合は、例えば、機器Xについては、設定を間違えるユーザが多いということで除外対象抽出ルールとされているときに、個宅50Aの機器XのHEMSデータが異常な値となったため、除外対象抽出ルールが成立し、個宅50Aの機器Xを蓄積除外するための蓄積除外条件(レコードNo.=71、除外終了日時=NULL)が自動登録されるとともに、その蓄積除外条件(レコードNo.=71)を解除するための除外解除ルールも自動登録された場合等である。
【0154】
そして、個宅50Aの機器Xについての蓄積除外条件(レコードNo.=71、除外終了日時=NULL)が登録されているので、個宅50Aの機器XのHEMSデータは、蓄積除外されて除外データ記憶手段42(
図2参照)に保存されることになる。
【0155】
次に、個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の全機器52についての蓄積除外条件(レコードNo.=72、除外終了日時=t、優先フラグ=ON(除外解除ルールを優先))の手動登録が行われたとする(
図10のステップS82)。例えば、除外終了日時=tまでは、個宅50AのHEMSデータを公開したくない等の蓄積除外理由からの登録である。また、優先フラグ=ONとしているのは、例えば、全体としては、個宅50AのHEMSデータは公開したくない状況であるが、一部の機器52のHEMSデータが正常な値であるという保証が得られれば、その機器52のHEMSデータだけは公開してもよい場合等である。この蓄積除外条件(レコードNo.=72)は、除外終了日時=tという期間の設定があることを除けば、上記の
図10のステップS81で登録した蓄積除外条件(レコードNo.=71)を包含する広い範囲の蓄積除外を行うものである。
【0156】
その後、蓄積除外されて除外データ記憶手段42(
図2参照)に保存されていた個宅50Aの機器XのHEMSデータが正常な値になり、除外解除手段25による除外解除ルールの成否の監視処理において、先に登録された蓄積除外条件(レコードNo.=71)に対応する除外解除ルールが成立したとする(
図10のステップS83)。
【0157】
このとき、先に登録された蓄積除外条件(レコードNo.=71)は、除外解除手段25により、解除対象の蓄積除外条件として、削除または無効にされる。また、除外解除手段25により、この処理と併せて、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)から、解除対象の蓄積除外条件(レコードNo.=71)と内容が重複している他の蓄積除外条件の抽出処理が行われ、後に登録した蓄積除外条件(レコードNo.=72)が抽出される(
図10のステップS84)。
【0158】
続いて、除外解除手段25により、抽出した他の蓄積除外条件、すなわち、後に登録した蓄積除外条件(レコードNo.=72)についての優先フラグ(除外終了日時の到達よりも除外解除ルールの成立による除外解除を優先するか否かを示すフラグ)を参照する。そして、蓄積除外条件(レコードNo.=72)についての優先フラグ=ON(除外解除ルールの成立による除外解除を優先することを示す状態)となっているので、除外解除手段25により、他の蓄積除外条件、すなわち、後に登録した蓄積除外条件(レコードNo.=72)を機器単位で複数に自動分割することにより、除外解除に係る機器X以外の機器52(ここでは、機器Y、機器Z等があるものとする。)についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行する(
図10のステップS85)。換言すれば、機器Xについては、蓄積除外を解除し、それ以外の機器Y,Z等については、蓄積除外を継続する。
【0159】
すなわち、除外解除手段25により、個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の全機器52についての蓄積除外条件(レコードNo.=72)を自動分割し、個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の機器Yについての蓄積除外条件(レコードNo.=73)、および個宅50A(ゲートウェイサーバ51A)の機器Zについての蓄積除外条件(レコードNo.=74)等を自動作成し、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に自動登録する。
【0161】
図12には、データ収集システム10と、課金を伴うサービスとの連携の例が示されている。課金を伴うサービスとは、各個宅50に設けられた特定の機器52(
図12の例では、機器Y)の出力値が、各個宅50のユーザによるサービス利用に伴って変動するので、その特定の機器52の出力値を用いて、ユーザに対する課金処理を行うサービスである。また、ここで対象とするサービスについては、例えば、ユーザがサービスを利用していないときでも、特定の機器52からゼロではない出力値(ユーザに転嫁すべきではない出力値)が検出される等の理由により、利用していないときには、基本的には蓄積除外を行ったほうがよい(蓄積データを用いた課金処理が容易になる)場合などである。このサービスを提供するサービス事業者は、連携システム70の運用・管理を自ら行うか、または代行者に依頼している。
【0162】
ユーザは、課金を伴うサービスの利用登録を行うために、自分のユーザ端末53を操作し、データ収集システム10にアクセスする。データ収集システム10では、ユーザ入力受付手段30により、ユーザ端末53(53A,53B,53C)からネットワーク1を介して送信されてくるユーザA,B,Cの入力によるユーザ情報(サービスの利用に関する設定情報)を受信し、受信したユーザ情報を、ユーザ(すなわち個宅50)を識別するゲートウェイサーバ識別情報(HEMS−ID)と関連付けてユーザ情報記憶手段46に登録する。
【0163】
具体的には、
図12に示すように、ユーザ入力受付手段30により、ユーザ端末53の画面上には、先ず、サービス利用方法の指定画面200が表示される。このサービス利用方法の指定画面200には、サービスを常時利用するプラン1の選択部201と、期間(日時)を予め指定してサービスを利用するプラン2の選択部202と、「登録」ボタン203とが設けられている。これらの選択部201,202におけるユーザの選択情報は、「登録」ボタン203をクリックすると、ネットワーク1を介してデータ収集システム10に送信され、ユーザ入力受付手段30により、ユーザ情報(ユーザの設定情報)として、ユーザ情報記憶手段46に登録される。
【0164】
また、プラン2が選択された場合には、ユーザ入力受付手段30により、サービス利用に係る特定の機器52(
図12の例では、機器Y)についての蓄積除外条件であって初期状態では有効期間の指定のない状態のものを作成し、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に登録する。なお、有効期間の指定のない状態(初期状態)の蓄積除外条件は、システム運用担当者が入力し、蓄積除外条件入力受付手段26により、この入力を受け付けて登録するようにしてもよい。一方、プラン1が選択された場合には、サービス利用に係る特定の機器52(
図12の例では、機器Y)についてのHEMSデータは、常に課金処理に用いられるので、蓄積除外する必要がないことから、蓄積除外条件は作成しない。
【0165】
続いて、ユーザがプラン2を選択した場合には、ユーザ入力受付手段30により、ユーザ端末53の画面上には、プラン2の詳細設定画面210が表示される。この詳細設定画面210には、サービスを利用する期間(日時)を指定するための入力部211と、「登録」ボタン212とが設けられている。
図12の例では、入力部211は、カレンダー形式で日単位の入力を行うようになっているが、この入力形式に限定されるものではない。そして、入力部211においてサービスを利用する日を指定した状態で、「登録」ボタン212をクリックすると、サービスを利用する日の指定情報が、ネットワーク1を介してデータ収集システム10に送信され、ユーザ入力受付手段30により、ユーザ情報(ユーザの設定情報)として、ユーザ情報記憶手段46に登録される。
【0166】
また、ユーザ入力受付手段30により、サービス利用期間(サービスを利用する日)の指定情報を受け付けた場合には、有効期間の指定のない状態(全期間を蓄積除外対象としている状態)で蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に記憶されている蓄積除外条件を期間単位で複数に自動分割することにより、ユーザ(
図12の例では、ユーザB)により指定されたサービス利用期間(入力部211でチェックを入れた日)以外の期間(入力部211でチェックが入っていない日)についての蓄積除外条件だけを有効状態で残す処理を実行する。すなわち、サービス利用に係る特定の機器52(
図12の例では、機器Y)についての蓄積除外条件であってサービスを利用しない日を有効期間とするものを自動作成し、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に登録する。
図12の例では、入力部211でのサービスを利用する日の指定情報に従って、初期状態では有効期間の指定のない状態となっている蓄積除外条件(レコードNo.=91)を自動分割し、11個の蓄積除外条件(レコードNo.=92〜102)を自動作成し、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に登録する。
【0167】
これらの11個の蓄積除外条件(レコードNo.=92〜102)の登録により、サービスを利用しない日の個宅50Bの機器YのHEMSデータは、蓄積除外されて除外データ記憶手段42に保存される。一方、サービスを利用する日の個宅50Bの機器YのHEMSデータは、蓄積除外されずに蓄積データ記憶手段41に保存される。そして、蓄積データ記憶手段41に保存された個宅50Bの機器YのHEMSデータは、連携手段29により、ネットワーク1を介して連携システム70へ送信され、課金処理に使用される。
【0169】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、データ収集システム10は、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)および蓄積除外条件成否判断手段22を備えているので、各個宅50から収集したHEMSデータについて必要な蓄積除外を行うことができる(
図6参照)。
【0170】
また、データ収集システム10は、除外対象抽出ルール記憶手段44(
図4参照)および蓄積除外条件自動登録手段23を備えているので、蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に記憶されたHEMSデータについて除外対象抽出ルールに該当するか否かの監視を行い、該当する場合には、蓄積除外条件を自動作成し、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に登録することができる。
【0171】
従って、例えば、設置や設定の不備、あるいは故障等の不具合が発生しやすい機器52について、不具合の発生状態を判定するための除外対象抽出ルールを登録しておくことで、不具合が発生した際に、その不具合を自動的に捉え、当該機器52についての蓄積除外条件を自動的に作成し、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)に自動的に登録することができるので、個宅50にいるユーザからの情報提供によることなく、従って、時期を逸することなく、適切なタイミングで蓄積除外条件の登録を行い、不適正な値を含むデータの蓄積除外を実現することができる。
【0172】
また、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)には、上記のような除外対象抽出ルールの成立により自動作成される蓄積除外条件に限らず、ユーザからの情報提供に基づく不適正な値を含むデータの蓄積除外のための蓄積除外条件を含め、様々な事情による蓄積除外条件を登録することができる。このため、様々な事情による蓄積除外を、必要な範囲で、かつ、適切な時期やタイミングで実現することができる。
【0173】
そして、蓄積除外条件自動登録手段23は、蓄積除外条件の自動作成および登録を行った場合には、ユーザへの通知を行う構成とされているので、ユーザへのサービスレベルの向上を図ることができる。
【0174】
さらに、データ収集システム10は、除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)および除外解除手段25を備えているので、一旦、蓄積除外条件に該当するということで蓄積除外されて除外データ記憶手段42(
図2参照)に記憶されたHEMSデータについて、そのデータ内容を確認する監視処理(除外解除ルールの成否の判断処理)を行うことができるため、その後に、機器52からの出力状態が変化し、蓄積除外を行わなくてもよい状態になったときに、その状態を捉え、蓄積除外条件を解除することができる。
【0175】
また、除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)および除外解除手段25を備えているので、上記のように、蓄積除外を行わなくてもよい状態になったときに、除外解除ルールの成立による蓄積除外条件の解除が行われるが、これは自動解除であるので、登録されている蓄積除外条件を手作業で削除または無効にする必要がなくなるため、システム運用担当者の作業の手間を軽減できるうえ、不必要な蓄積除外を自動的に回避できるので、適正なHEMSデータの蓄積の進行を早期に再開することができる。
【0176】
そして、データ収集システム10は、除外解除ルール自動登録手段24を備えているので、蓄積除外条件自動登録手段23による蓄積除外条件の自動登録と併せて、その除外解除ルールの自動作成および自動登録も行うことができるため、この点でも、システム運用担当者の作業の手間の軽減、および適正なHEMSデータの蓄積の進行の早期再開を実現することができる。
【0177】
また、データ収集システム10は、蓄積除外条件入力受付手段26および除外解除ルール入力受付手段27を備えているので、蓄積除外条件記憶手段43(
図3参照)への蓄積除外条件の追加登録や、除外解除ルール記憶手段45(
図5参照)への除外解除ルールの追加登録を容易に行うことができる。
【0178】
さらに、データ収集システム10は、除外解除ルール入力受付手段27を備え、蓄積除外条件の入力の受付と併せて、その除外解除ルールの入力も受け付ける構成とされているので、蓄積除外を行わなくてもよい状態になったときに、除外解除ルールの成立による蓄積除外の自動解除を行うことができ、不必要な蓄積除外を自動的に回避できるため、適正なHEMSデータの蓄積の進行を早期に再開することができる。
【0179】
また、蓄積除外条件入力受付手段26は、異なる個宅50に設けられた同一の機器52についての蓄積除外条件の入力の受付が監視移行用の回数に達したときに、当該機器52に係る除外対象抽出ルールを登録する構成とされているので(
図8参照)、当該機器52は、HEMSデータの蓄積除外を行うべき状態になりやすい機器であると判断し、さらに別の個宅50に設けられた当該機器52についても、除外対象抽出ルールによる監視下に置くことができる。すなわち、同一の機器52についての蓄積除外条件の登録が累積するということは、当該機器52は、例えば、設置や設定の不備、あるいは故障等の不具合が発生しやすい機器であると判断することができ、さらに別の個宅50に設けられた当該機器52についても、同様の不具合が発生する可能性があるため、当該機器52に係る除外対象抽出ルールを登録することにより、各個宅50の当該機器52のHEMSデータを監視することができる。そして、このようにして登録した除外対象抽出ルールが成立すれば、蓄積除外条件自動登録手段23により蓄積除外条件の自動作成および登録が行われるので、さらに別の個宅50に設けられた当該機器52のHEMSデータについても、蓄積除外を行うことができる。
【0180】
また、除外解除手段25は、除外解除ルールの成立時に、解除対象の蓄積除外条件を削除または無効にする処理と併せて、解除対象の蓄積除外条件と内容が重複している他の蓄積除外条件を、優先フラグに従って自動分割する構成とされているので(
図10参照)、他の蓄積除外条件についても、蓄積除外を解除できる部分と解除できない部分とに分け、解除できない部分の蓄積除外条件だけを有効状態で残すことができる。
【0181】
さらに、蓄積除外条件入力受付手段26は、蓄積除外条件の入力受付時に、内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、画面表示する構成とされているので(
図11参照)、システム運用担当者は、他の蓄積除外条件の内容を見て、自分が入力した蓄積除外条件を変更し、または抽出された他の蓄積除外条件を変更する等、双方の蓄積除外条件について適切な調整を図ることができる。この際、システム運用担当者は、内容の重複を回避する調整を行ってもよく、あるいは、内容が重複したままで、自分が入力した蓄積除外条件を登録してもよい。
【0182】
そして、蓄積除外条件入力受付手段26は、蓄積除外条件の入力受付時に、内容が重複している他の蓄積除外条件を抽出し、蓄積除外理由を含めた状態で画面表示するとともに、指示入力を受け付けて他の蓄積除外条件を自動分割し、内容が重複しない蓄積除外条件を自動作成する構成とされているので(
図11参照)、システム運用担当者は、他の蓄積除外条件についての蓄積除外理由を適宜参照しながら判断を行い、内容が重複しない蓄積除外条件の登録を容易に行うことができる。
【0183】
また、データ収集システム10は、連携手段29およびユーザ入力受付手段30を備えているので、課金を伴うサービスとの連携を図ることができ(
図12参照)、蓄積除外条件の登録を利用して蓄積データ記憶手段41(
図2参照)に保存されるHEMSデータを制御することにより、ユーザの指定したサービス利用内容に沿った課金処理を容易に実現することができる。
【0184】
そして、蓄積データ記憶手段41や除外データ記憶手段42に保存されるHEMSデータは、機器単位で整理されているので(
図2参照)、これらのオープンデータ化を実施した際には、サービス事業者が必要な機器52のHEMSデータだけを容易に取得することができる。このため、上記のような課金を伴うサービスに限らず、各種のサービスとの連携を図ることができる。
【0186】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0187】
例えば、前記実施形態のデータ収集システム10では、蓄積または蓄積除外の対象となるエネルギ管理用データは、HEMSデータとされていたが、本発明におけるエネルギ管理用データは、これに限定されるものではなく、例えば、BEMSデータ、FEMSデータ、CEMSデータ等であってもよい。
【解決手段】各機器52から出力されてゲートウェイサーバ51経由で受信したエネルギ管理用データについて蓄積除外条件記憶手段43に記憶された蓄積除外条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には除外データ記憶手段42に記憶させ、満たさない場合には蓄積データ記憶手段41に記憶させる蓄積除外条件成否判断手段22と、蓄積データについて除外対象抽出ルール記憶手段44に記憶された除外対象抽出ルールに該当するか否かを判断し、該当する場合には蓄積除外条件を自動作成し、蓄積除外条件記憶手段43に記憶させる蓄積除外条件自動登録手段23とを設け、データ収集システム10を構成した。