(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6220274
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】見切り部のシール構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/86 20160101AFI20171016BHJP
B60J 10/24 20160101ALI20171016BHJP
B60J 10/277 20160101ALI20171016BHJP
B60J 10/16 20160101ALI20171016BHJP
【FI】
B60J10/86
B60J10/24
B60J10/277
B60J10/16
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-9168(P2014-9168)
(22)【出願日】2014年1月22日
(65)【公開番号】特開2014-177266(P2014-177266A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2016年12月27日
(31)【優先権主張番号】特願2013-25403(P2013-25403)
(32)【優先日】2013年2月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】重廣 康明
【審査官】
岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−077131(JP,U)
【文献】
特開2000−264065(JP,A)
【文献】
特開2006−168588(JP,A)
【文献】
特開2000−043572(JP,A)
【文献】
実開平03−115513(JP,U)
【文献】
実開平03−063444(JP,U)
【文献】
特開昭59−040958(JP,A)
【文献】
特開2004−122807(JP,A)
【文献】
特開平11−310041(JP,A)
【文献】
特開平08−080738(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0025564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/86
B60J 10/16
B60J 10/24
B60J 10/277
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略舌状で、リヤドアの周縁に取付けられたリヤ側ウェザーストリップの前端上部から下方に延びるとともに、その付け根側にリヤドアの前端に組付けられる組付部が形成されてなるシールリップで、センターピラーに弾接するフロント側ウェザーストリップが周縁に取付けられたフロントドアの後端とリヤドアの前端との間の見切り部を車内側から塞ぐ見切り部のシール構造であって、
洗車による放水時などに高圧水が前記シールリップにかかった場合に前記シールリップを車内側に向けて膨出湾曲させその先端側が前記センターピラーに弾接するように、前記シールリップの付け根側に折れ点を設けたことを特徴とする見切り部のシール構造。
【請求項2】
前記シールリップの先端の肉厚をシールリップの湾曲する他の部位の肉厚よりも厚くしたことを特徴とする請求項1に記載の見切り部のシール構造。
【請求項3】
前記シールリップの先端を車外側に向けて折り曲げたことを特徴とする請求項1又は2に記載の見切り部のシール構造。
【請求項4】
前記シールリップの先端側をスポンジ製,付け根側をソリッド製でそれぞれ形成するとともに、前記折れ点を、前記スポンジ製の部位とソリッド製の部位の境界車内側としたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の見切り部のシール構造。
【請求項5】
前記折れ点を、車内側から設けたノッチとしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の見切り部のシール構造。
【請求項6】
前記センターピラーに弾接したときの前記シールリップの先端車外側の位置を、前記センターピラーに弾接して撓んだときの前記フロント側ウェザーストリップの中空シール部における最もリヤドア側になる頂部の位置よりも車外側にしたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の見切り部のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4ドアセダン車等のリヤドアに取付けられ、リヤドア前端に設けられた見切りシールでフロントドアの後端とリヤドアの前端との間の見切りを塞いでシールする見切り部のシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7乃至
図11に示すようにし、4ドアセダン車等のリヤドア1の周縁に取付けられたリヤ側ウェザーストリップ10の前端上部から分岐して下方に延びるシールリップ30で、フロントドア2の後端とリヤドア1の前端との間の見切り部を車内側から塞いでシールする構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
シールリップ30のその付け根31b側にはリヤドア1の前端に取付けられる組付部32が形成されてなる。組付部32の構造は様々であるが、ここで示した組付部32は、断面略コ字状で内側に、
図11に示すように、リヤドア1の前端に溶接などによって固定された断面略T字状で上下に連続して延びるレール部材5の頭部5aが案内されるようになっている。
また、
図8に示すように、センターピラー4の前方車外側には、フロントドア2の周縁に取付部21がクリップ6を介して取付けられたフロント側ウェザーストリップ20の中空シール部22が、フロントドア2閉時に弾接するとともに、センターピラー4の後方車外側には、リヤドア1の周縁に取付部11がリヤドア1のインナーパネルを曲げて形成された嵌合部7に取付けられたリヤ側ウェザーストリップ10の中空シール部12が、リヤドア1閉時に弾接するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−264065号公報
【0004】
これによれば、シールリップ30を設けることでフロントドア2の後端とリヤドア1の前端との間の見切り部から、風が侵入して騒音が発生することが低減されるとともに、見切り部からセンターピラー4が目視されることによって外観の見栄えが低下することが防止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例のシールリップ30は、通常、その先端31a側がスポンジゴム材で形成される一方、付け根31b側はソリッドゴム材で形成されるとともに、シールリップ30撓み時の折れ点100となるスポンジゴム材の部位とソリッドゴム材の部位の境界車内側の位置は、
図9に示すように、リヤドア1の前側で見切り部寄り(リヤドア1の前側至端寄り)にあるので、例えば、洗車による放水時や雷雨時などに高圧水Wが車外側から見切り部を通してシールリップ30にかかった場合、シールリップ30の先端31a側が折り点100を中心に車内側に向けて反り返るように湾曲する。
【0006】
このとき、シールリップ30の先端31a側は、センターピラー4に弾接することなく車内側に向けて湾曲するので(
図9の二点鎖線)、見切り部から車内側にかけて斜め前方に向かう流路が形成される。
その結果、
図8に示すように、形成された流路に沿って導かれる高圧水Wが、フロント側ウェザーストリップ20の中空シール部22がセンターピラー4に弾接することによって生じる三角隙9を直撃して、フロント側ウェザーストリップ20とセンターピラー4の間から車内側に水が浸入するといった問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、見切り部にかかる高圧水による水漏れの発生を抑制しうる見切り部のシール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の見切り部のシール構造は、断面略舌状で、リヤドア(1)の周縁に取付けられたリヤ側ウェザーストリップ(10)の前端上部から下方に延びるとともに、その付け根(41b)側にリヤドア(1)の前端に組付けられる組付部(42)が形成されてなるシールリップ(40)で、センターピラー(4)に弾接するフロント側ウェザーストリップ(20)が周縁に取付けられたフロントドア(2)の後端とリヤドア(1)の前端との間の見切り部を車内側から塞ぐ見切り部のシール構造であって、
洗車による放水時などに高圧水(W)が前記シールリップ(40)にかかった場合に前記シールリップ(40)を車内側に向けて膨出湾曲させその先端(41a)側が前記センターピラー(4)に弾接するように、前記シールリップ(40)の付け根(41b)側に折れ点(200)を設けたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記シールリップ(40)の先端(41a)の肉厚(401)をシールリップ(40)の湾曲する他の部位の肉厚(402)よりも厚くしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記シールリップ(40)の先端(41a)を車外側に向けて折り曲げたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記シールリップ(40)の先端(41a)側をスポンジ製,付け根(41b)側をソリッド製でそれぞれ形成するとともに、前記折れ点(200)を、前記スポンジ製の部位とソリッド製の部位の境界車内側としたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記折れ点(200)を、車内側から設けたノッチ(501)としたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記センターピラー(4)に弾接したときの前記シールリップ(40)の先端(41a)車外側(41c)の位置を、前記センターピラー(4)に弾接して撓んだときの前記フロント側ウェザーストリップ(20)の中空シール部(22)における最もリヤドア(1)側になる頂部(22a)の位置よりも車外側にしたことを特徴とする。
【0014】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の見切り部のシール構造によれば、フロントドアの後端とリヤドアの前端との間の見切り部を車内側から塞ぐシールリップの付け根側に折れ点を設けて、洗車による放水時などに高圧水がシールリップにかかった場合にシールリップを車内側に向けて膨出湾曲させその先端側をセンターピラーに弾接させる構造にしたので、車外側から見切り部にかかる高圧水は、見切り部からセンターピラーに向かって真っ直ぐ、すなわちセンターピラーの車外側面に対して垂直な方向に進んでシールリップに当たった後、シールリップの車外側面に沿って、すなわちセンターピラーの車外側面に略平行に進むように角度が変えられる。
このように、見切り部にかかる高圧水は、従来例で示したように斜め前方に真っ直ぐ進むのではなく、略垂直に折れ曲がるように進むようにしたので、高圧水が、フロント側ウェザーストリップの中空シール部がセンターピラーに弾接することによって生じる三角隙を直撃することが抑制される。
特にシールリップは高圧水を受けるとセンターピラーに弾接され、その後は、弾接した状態で高圧水を受け続けるので、従来例のようにシールリップが車内外方向にペラペラ振動することなく、安定した状態で高圧水を三角隙を直撃しない一定の方向に導く。
よって、フロント側ウェザーストリップとセンターピラーの間から高圧水が車内側に侵入し水漏れが発生することが防止される。
【0016】
また、本発明によれば、シールリップの先端の肉厚をシールリップの湾曲する他の部位の肉厚よりも厚くしたり、シールリップの先端を車外側に向けて折り曲げたりしたので、車外側から見切り部にかかる高圧水は、見切り部からセンターピラーに向かって真っ直ぐに進んでシールリップに当たった後、シールリップの車外側面に沿い車外側に戻るように角度が大きく変えられる。
よって、高圧水が、フロント側ウェザーストリップの中空シール部がセンターピラーに弾接することによって生じる三角隙を直撃することはさらに抑制される。
【0017】
また、本発明によれば、シールリップに対する折れ点を、シールリップの先端側をスポンジ製,付け根側をソリッド製でそれぞれ形成しスポンジ製の部位とソリッド製の部位の境界車内側に形成したり、車内側からノッチを設けることにより形成するので簡易に形成することができる。
【0018】
また、本発明によれば、センターピラーに弾接したときのシールリップの先端車外側の位置を、センターピラーに弾接して撓んだときのフロント側ウェザーストリップの中空シール部における最もリヤドア側になる頂部の位置よりも車外側にしたので、これによっても、高圧水が三角隙を直撃することが抑制される
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る見切り部のシール構造を示す、
図7のA−A線拡大断面図である。
【
図3】
図1のY部における別態様を示す拡大断面図である。
【
図4】
図1のY部における別態様を示す拡大断面図である。
【
図5】
図1のY部における別態様を示す拡大断面図である。
【
図6】
図1のY部における別態様を示す拡大断面図である。
【
図8】従来例に係る見切り部のシール構造を示す、
図7のA−A線拡大断面図である。
【
図10】リヤ側ウェザーストリップの要部を示す斜視図である。
【
図11】
図7に示すリヤドア前端の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1,
図2,
図7,
図10及び
図11を参照して、本発明の実施形態に係る見切り部のシール構造について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る見切り部のシール構造を示すもので、
図7のA−A線拡大断面図に相当し、
図2は、
図1のY部を示す拡大断面図である。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付したものであり、
図10及び
図11の構成は同一である。
【0021】
この見切り部のシール構造は、
図10に示すように、リヤドア1の周縁に取付けられたリヤ側ウェザーストリップ10の前端上部から分岐して下方に延びるシールリップ40で、フロントドア2の後端とリヤドア1の前端との間の見切り部を、
図1に示すように、車内側から塞いでシールするものであり、従来例(
図8,
図9)のシールリップ30と比較した場合、断面形状においてシールリップ40の折れ点200の位置が大きく相違し、それにともないシールリップ40の撓み形状が相違するものである。
【0022】
なお、
図1に示すように、センターピラー4の前方車外側には、フロントドア2の周縁に取付部21がクリップ6を介して取付けられたフロント側ウェザーストリップ20の中空シール部22が、フロントドア2閉時に弾接するとともに、センターピラー4の後方車外側には、リヤドア1の周縁に取付部11がリヤドア1のインナーパネルを曲げて形成された嵌合部7に取付けられたリヤ側ウェザーストリップ10の中空シール部12が、リヤドア1閉時に弾接するようになっている。そして、フロント側ウェザーストリップ20の中空シール部22がセンターピラー4に弾接して撓むことによって中空シール部22における最もリヤドア1側になる頂部22aが車外側に浮き上がり、センターピラー4と中空シール部22の頂部22aとの間には三角隙9が生じる。
【0023】
本実施形態におけるシールリップ40は、
図2に示すように、断面略舌状でベルトラインの位置まで下方に延び、その付け根41b側にはリヤドア1の前端にレール部材5を介して組付けられる断面略コ字状の組付部42が形成されている。なお、レール部材5は、断面略T字状でリヤドア1のヘミング結合された前端の車内側(インナーパネル側)に溶接などで固定されたものであり、上下に連続して延びている。そして、そのレール部材5の頭部5aがシールリップ40の組付部42の内側に案内されるようにして、シールリップ40はリヤドア1に組付けられる。
【0024】
また、シールリップ40は、その先端41a側をスポンジゴム材で形成し、付け根41b側をソリッドゴム材で形成して、スポンジ製の部位とソリッド製の部位の境界車内側を、シールリップ40の折れ点200としている。
折れ点200は、
図2に示すように、シールリップ40の付け根41b側、ここでは組付部42の位置まで設けられている。すなわち、断面形状においてシールリップ40の全体の先端41a側の略2/3以上をスポンジゴム材で形成し、付け根41b側の残り略1/3以下をソリッドゴム材で形成している(なお、従来例の場合は、
図9に示すように、断面形状においてシールリップ40の全体の先端41a側の略1/3をスポンジゴム材で形成し、付け根41b側の残り略2/3をソリッドゴム材で形成している)。
【0025】
折れ点200をシールリップ40の付け根41b側に形成してスポンジゴム材の範囲を従来例(
図9)のものと比較して拡大することで、洗車による放水時や雷雨時などに高圧水Wが車外側から見切り部を通してシールリップ40にかかった場合、
図1及び
図2で示す二点鎖線のように、シールリップ40を車内側に向けて膨出湾曲させその先端41a側がセンターピラー4に弾接するようにしている。
ここでは、折れ点200の位置をシールリップ40の組付部42の位置までとしたが、高圧水Wが車外側から見切り部を通してシールリップ40にかかった場合、
図1及び
図2で示す二点鎖線のように、シールリップ40を車内側に向けて膨出湾曲させその先端41a側をセンターピラー4に弾接させる位置であればよい。
【0026】
また、
図1に示すように、高圧水Wを受けることによりシールリップ40の先端41aの車内側がセンターピラー4に弾接したとき、シールリップ40の先端41a車外側41cの位置を、フロント側ウェザーストリップ20の中空シール部22の頂部22aの位置よりも車外側にするように設定している。
【0027】
このような見切り部のシール構造によれば、フロントドア2の後端とリヤドア1の前端との間の見切り部を車内側から塞ぐシールリップ40の付け根41b側に折れ点200を設けて、洗車による放水時などに高圧水Wがシールリップ40にかかった場合にシールリップ40を車内側に向けて膨出湾曲させてその先端41a側をセンターピラー4に弾接させる構造にして、車外側から見切り部にかかる高圧水Wを強制的に略垂直に折り曲げるようにしたので、高圧水Wが、フロント側ウェザーストリップ20の中空シール部22がセンターピラー4に弾接することによって生じる三角隙9を直撃することが抑制される。
よって、フロント側ウェザーストリップ20とセンターピラー4の間から高圧水Wが車内側に侵入し水漏れが発生することが防止される。
【0028】
また、
図3に示すように、シールリップ40の先端41aの肉厚401をシールリップ40の湾曲する他の部位の肉厚402よりも厚くしてもよい。
これによれば、見切り部からセンターピラー4に向かって真っ直ぐに進んでシールリップ40に当たった高圧水Wは、
図2に示したものより車外側に戻るように角度が大きく変えられるので、高圧水Wが三角隙9を直撃することはさらに抑制される
【0029】
さらに、
図4に示すように、シールリップ40の先端41aを車外側に向けて折り曲げるようにしてもよい。この形態は、
図3に示すシールリップ40の先端41aの肉厚401を厚くした形態において、後述するシールリップ40の先端41aの車外側に凹部601を設けた形態であると言い換えることもできる。
これによれば、見切り部からセンターピラー4に向かって真っ直ぐに進んでシールリップ40に当たった高圧水Wは、
図2及び
図3に示したものより車外側に戻るように角度がさらに大きく変えられるので、高圧水Wが三角隙9を直撃することはさらに一層抑制される
【0030】
また、折れ点200については、
図5に示すように、車内側からノッチ501を設けることで形成することもできる。
図5に示したものでは、スポンジゴム材とソリッドゴム材の境界車内側にノッチ501を設けたのでノッチ501を設けない
図2の場合と比較してより撓み易い。また材質を変えることなくノッチ501だけを設けてシールリップ40をセンターピラー4に弾接させるようにすることもできる。
【0031】
また、
図6に示すように、見切り部から高圧水Wが直接かかるシールリップ40の先端41aの車外側に凹部601を設けるようにしてもよい。
これによれば、見切り部からセンターピラー4に向かって真っ直ぐに進んでシールリップ40に当たった高圧水Wは、
図2に示したものより車外側に戻るように角度が大きく変えられるので、高圧水Wが三角隙9を直撃することはさらに抑制される
【0032】
なお、本実施例では、シールリップ40の付け根41b側に断面略コ字状の組付部42を形成して、リヤドア1の前端に設けられた上下に連続するレール部材5に組付けられるようにしたが、シールリップ40の付け根41b側がリヤドア1の前端に組付けられるものであれば他の構造でも良い。例えば、レール部材5を上下に連続するものでなく間隔をあけて複数設けるようにしたり、あるいは、上述した特許文献1に記載されたもののように、組付部についてはシールリップ40の付け根41b側に上下に間隔をあけて形成された複数の穴とし、これら複数の穴にそれぞれ嵌合する突起部をリヤドア1の前端に設けるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、シールリップ40をスポンジゴム材とソリッドゴム材で形成したが、熱可塑性エラストマーによるスポンジ樹脂材やソリッド樹脂材を使用したものにも適用可能である。またゴム又は樹脂であってもスポンジとせずにシールリップ40には付け根41bよりも柔軟であればよく、そのような材質のソリッド材を用いてもよい。
【0034】
また、本願の実施例では、シールリップ40がリヤ側ウェザーストリップ10の前端上部から分岐して下方に延びているとしたが、ここで、シールリップ40はリヤ側ウェザーストリップと分離出来ない一体化された構造、または、一体化されていない分離可能な構造のどちらであってもよい。一体化された構造とは、リヤ側ウェザーストリップ10の前端上部が金型成形されている場合に、この金型成形の際にシールリップ40が熱融着によって一体化されたり、金型成形であってもなくても接着剤などを用いて一体化されることが一般的に知られている。また、本願実施例のようにシールリップ40がリヤ側ウェザーストリップ10の前端上部から分岐するような形態ではなく、分離可能な構造においては、シールリップ40とリヤ側ウェザーストリップ10の間に明らかに隙間や空間がある構造であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 リヤドア
2 フロントドア
4 センターピラー
5 レール部材
5a 頭部
6 クリップ
7 嵌合部
9 三角隙
10 リヤ側ウェザーストリップ
11 取付部
12 中空シール部
20 フロント側ウェザーストリップ
21 取付部
22 中空シール部
22a 頂部
30 シールリップ
31a 先端
31b 付け根
32 組付部
40 シールリップ
41a 先端
41b 付け根
41c 車外側
42 組付部
100 折れ点
200 折れ点
501 ノッチ
601 凹部
W 高圧水