(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6220512
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】パッテング練習具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20171016BHJP
【FI】
A63B69/36 533A
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-258448(P2012-258448)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-104101(P2014-104101A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】512306944
【氏名又は名称】ブラディミア グリボブスキー
【氏名又は名称原語表記】Vladimir Gribovsky
(74)【代理人】
【識別番号】100062982
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】ブラディミア グリボブスキー
【審査官】
古屋野 浩志
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0148815(US,A1)
【文献】
特開平08−089613(JP,A)
【文献】
特開平11−042310(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0243944(US,A1)
【文献】
米国特許第04483536(US,A)
【文献】
米国特許第05116058(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1整列ラインを有する細長いゴルフストローク練習装置と、
第2整列ラインを有する反射機構と、
上記細長いゴルフストローク練習装置に対して上記反射機構を保持するための取付機構とより成るパッテング練習具であって、上記取付機構がベースと、
このベースから延びるアームとを有し、上記反射機構が、上記ベースに対向する上記アームの一端に取り付けられており、上記ベースが少くともその一縁から延びるくぼみを有し、このくぼみが上記細長いゴルフストローク練習装置の一部を受容し、上記ベースが更に上記細長いゴルフストローク練習装置を上記ベースに対して固定するため細長いゴルフストローク練習装置に係合できる固定装置を有するパッテング練習具。
【請求項2】
上記第2整列ラインが垂直方向のラインである請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項3】
上記第2整列ラインが上縁と下縁間に延びる請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項4】
上記第2整列ラインはその幅が上記第1整列ラインの幅より広くない請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項5】
上記反射機構の高さが幅より大きい請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項6】
上記反射機構の幅が上記細長いゴルフストローク練習装置の幅より大きい請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項7】
上記第1整列ラインが、細長いゴルフストローク練習装置の両側縁の中間にある請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項8】
上記固定装置が複数の指を有し、この指が初期形状から変形できる請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項9】
上記アームが、使用状態と非使用状態との間で傾動可能に上記ベースに取り付けられており、非使用状態のとき上記アームが上記ベースに対して平行な向きとなる請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項10】
上記細長いゴルフストローク練習装置と上記ベースの少くとも1つに取り付けられる水準機構を更に有し、この水準機構は、上記細長いゴルフストローク練習装置が少くとも1つの方向において水平であるか否かを評価できる請求項1記載のパッテング練習具。
【請求項11】
第1整列ラインを有する細長いゴルフストローク練習装置と、
第2整列ラインを有する反射機構と、
上記細長いゴルフストローク練習装置に対して上記反射機構を保持するための取付機構とより成るパッテング練習具であって、上記第1整列ラインは上記細長いゴルフストローク練習装置の第1、第2端間に延びており、上記取付機構がベースと、
このベースから延びるアームとを有し、上記反射機構が、上記ベースに対向する上記アームの一端に取り付けられており、上記ベースが少くともその一縁から延びるくぼみを有し、このくぼみが上記細長いゴルフストローク練習装置の一部を受容し、上記ベースが更に上記細長いゴルフストローク練習装置を上記ベースに対して固定するため細長いゴルフストローク練習装置に係合できる固定装置を有し、上記固定装置が複数の指を有し、この指が初期形状から変形できるパッテング練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフの技量向上に用いる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ、特にパッテングの技量向上には種々の装置が開発されている。特殊な装置としては、パッテングストロークに関するものがある。
【0003】
ボールのアドレスに関連しては、足、肩、腰、手及び眼等の位置が問題となる。バックスインク及びパッテングストロークのフォロースルーに好ましい眼と手の位置、打力も問題となる。
【0004】
装置に関する複雑さは、繰り返す練習を介して訂正する数に比例する。或る装置では練習ホールを含む芝生に近い面を有する。或るものはストローク条件をフィードバックするための電子センサを含む。
【0005】
或るものはゴルフボールの室内練習を行なうため床面上またはHVACシステムレジスタ内に置き得るターゲットホールを有する。或る装置ではヘッド整列のための反射機構または磁気的インジケータを有する。他のものはパターに対し腕、手首及びまたはヘッド位置を定めるための機械的抑制具を有する。
【0006】
夛くの装置は、パッテングストローク運動の間ボールに対するパターヘッドの直交性を確実ならしめる。或る装置は、機械ゲージ及び反射機構を有し、ゴルファはストロークの間の頭の動きをモニタできる。或る装置はパターシャフトが直線運動をなすようにするガイド面を有する。
【0007】
後述する夛くの装置によって繰り返し練習が可能であるが、好ましいストロークの運動を行なうためボールの軌跡をフィードバックするという効果をゴルファが得られないという欠点を有する。
【0008】
従って、繰り返しの練習では学んだストロークを単に行なうのみであり、正しい結果は得られない。ゴルファは運動の選択された部分をモニタし、ボールの軌跡をフィードバックすることはできるが、練習装置では正常なストローク運動をなすようにするのが好ましい。
【0009】
正しい向きとしたパターでゴルフボールを直線に沿って打つようにスイングすることが重要であり、パッテングの1つの目標であることは知られている。
【0010】
細長いゴルフストローク練習装置は米国特許第5,409,231号公報に示されている。この練習装置では、装置上にゴルフボールを置き、これをパターで打ち、ゴルフボールがゴルフストローク練習装置に沿ってころがり、ゴルフボールの初期位置の反対側の端部に向うようにする。
【0011】
上述の従来装置の欠点をふまえて本発明ではゴルファが自己の初期位置とバックスイングの間のストローク運動をモニタできるようにすると共に、パターヘッドがボールに直角になっているか否かを確認し、また、細長い移動路に沿ってゴルフボールが直線的に移動することを確認できるようにしたものである。この結果、正しいパッテングに対応した制御された正しいバックスイングとフォロースルーが得られるようになる。
【発明の概要】
【0012】
本発明の一実施例は反射材料を取り付けたパッテング練習具である。このパッテング練習具は細長いゴルフストローク練習装置と共に用いる。このパッテング練習具によれば、使用者の目をゴルフボールの直上に正しく位置決めできパッテングの精度が向上される。
【0013】
本発明の他の実施例は、細長いゴルフストロークの練習装置と、反射機構と、保持機構とを有するパッテング練習具である。上記細長いゴルフストローク練習装置は第1整列ラインを有する。上記反射機構は第2整列ラインを有する。上記保持機構は上記細長いゴルフストローク練習装置に対して上記反射機構を保持する。
【0014】
本発明の他の実施例は、パッテング練習具の使用方法である。これには細長いゴルフストローク練習装置が設けられている。上記細長いゴルフストローク練習装置は第1整列ラインを有する。
【0015】
上記細長いゴルフストローク練習装置に対して反射機構が位置決めされている。この反射機構は第2整列ラインを有する。上記細長いゴルフストローク練習装置の少なくとも一部が上記反射機構内で見られるように上記反射機構の向きを定める。
【0016】
ゴルフボールは上記ゴルフストローク練習装置上に位置決めする。上記第1整列ラインと第2整列ラインを上記細長いゴルフストローク練習装置に相対的に移動することによって上記両ラインを整列せしめる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面は本発明の実施例を更に説明するためのものであり、本発明の明細書の一部を成す。この図面は説明と共に本発明の実施例の本質を説明する。本発明の他の実施例及びこの実施例による夛くの利益は、後述する詳細な説明を参照してより良く明らかならしめる。図面の構成要素の互の寸法は説明する必要がない。同一符号を同一部分に付す。
【0018】
図1は本発明の一実施例を示すパッテング練習具の斜視図である。
【0019】
図2は
図1に示すパッテング練習具の正面図である。
【0020】
図3は
図1に示すパッテング練習具の第1の側面図である。
【0021】
図4は
図1に示すパッテング練習具の第2の側面図である。
【0022】
図5は
図1に示すパッテング練習具の平面図である。
【0023】
図6はゴルフストローク練習装置と共に用いるパッテング練習具の斜視図である。
【0024】
図7はゴルフストローク練習装置と共に用いるパッテング練習具の他の斜視図である。
【0025】
図8はパッテング練習具を用いる者の位置を正すために用いるパッテング練習具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施例はパッテングするときのゴルフボールに対するゴルファの位置を正確に定めてゴルファの能力を向上せしめるためのパッテング練習具である。このパッテング練習具20は、図に示すように反射機構22と取付機構24とを有する。
【0027】
反射機構22は反射率の高い種々の材料により作る。一実施例においては反射機構22はミラーである。反射機構22は、ガラスより破損に強いプラスチック材料から作り得る。
【0028】
反射機構22には整列プロセスの際に用いる整列ライン30を設ける。この整列ライン30は、垂直方向に延びるラインである。この整列ライン30は、反射機構22の下縁32から上縁34まで少なくとも部分的に伸ばす。一実施例においては、整列ライン30は上記下縁32から上縁34迄延ばす。
【0029】
この整列ライン30は、パッテング練習具20を用いるゴルファによって容易に視認できるほどに十分に大きい幅のものとする。然しながら整列ライン30の幅は、整列プロセスの間ゴルフストローク練習装置18を見る能力を減少せしめる程大きいものとするべきではない。本発明の一実施例においては、整列ライン30の幅を約1/2インチ以下とする。本発明の他の実施例においては整列ライン30の幅をゴルファがラインとゴルフボールを見得る限度において約1/8インチまたはそれ以下とする。整列ライン30は完全な線のみならず、破線状となし得る。
【0030】
反射機構22の高さはその幅より大きくなし得る。この形状の反射機構によれば、ゴルファの正しく整列する能力を高めることができ、他方、パッテング練習具20を使用しないときこれをコンパクトにできる。
【0031】
本発明の他の実施例においては、反射機構22の高さは約2インチ〜約10インチとする。
本発明の他の実施例においては、反射機構22の高さを約4インチ〜約6インチとする。
【0032】
本発明の一実施例においては、反射機構22の幅は約1インチ〜約6インチとする。本発明の他の実施例においては、反射機構22の幅は約3インチ〜約4インチとする。
【0033】
取付機構24にはベース40と、このベース40から延びるアーム42を設ける。上記ベース40の長さと幅は、反射機構22を所望の位置に支持するのに十分な大きさとし、パッテング練習具を位置決めした後は倒れる傾向を減少できるようにする。然しながらこのベース40は、パッテング練習具20を使用しないとき、このパッテング練習具20を格納するのに便利なように十分に小さなものとする。
【0034】
本発明の一実施例においては、ベース40は矩形とする。このベース40の長さと幅は夫々約3インチと約10インチの間とする。本発明の他の実施例においては、上記長さと幅は夫々約3インチと約5インチの間とする。
【0035】
ベース40の高さは、パッテング練習具20と共に用いるゴルフストローク練習装置18の高さと略同一とする。本発明の一実施例においては、ベース40の高さは約1/4インチと約1/2インチの間とする。
【0036】
ベース40には、ベース40の縁からベース40の中央部に延びるくぼみ44を設ける。くぼみ44の幅は、パッテング練習具20と共に用いるゴルフストローク練習装置18の幅と略同一とする。本発明の一実施例においては、くぼみ44の幅は約1/2インチと約2インチの間とする。
【0037】
ベース40には、パッテング練習具20に対して固定の位置にゴルフストローク練習装置18を抑制するために用いるくぼみ44に接して保持装置46を設ける。保持装置46にはくぼみ44の両側に沿って複数の指48を設ける。
【0038】
この指48は、ゴルフストローク練習装置18をくぼみ44内に挿入したとき変形することができる材料によって作る。従ってこの指48はゴルフストローク練習装置18の両側に係合できるようになる。ゴルフストローク練習装置18の幅をくぼみ44の幅と略同一とすれば、ゴルフストローク練習装置18をくぼみ44に挿入したとき、指48は大きく変形しないようになる。
【0039】
ゴルフストローク練習装置18に対しその両側に係合する指48により加えられる力を十分に大きくすれば、ゴルフストローク練習装置18は、パッテング練習具20の使用の間ベース40に対して動かないようになる。然しながら、指48によって加えられる力はあまり大きくせずゴルフストローク練習装置18を用いないとき、これをパッテング練習具20から分離できるようにするのが好ましい。
【0040】
上記指48は、ベース40の他の部分の材料と同一の材料で作り、指48がベース40から分離する可能性を最少ならしめる。
【0041】
本発明の他の実施例においては保持装置をベース40を通して延びる少くとも1つのねじ(図示せず)によって形成する。このねじはくぼみ44内に延び細長いゴルフストローク練習装置18に係合し、その結果、細長いゴルフストローク練習装置18をベース40に固定できるようにする。
【0042】
本発明の他の実施例においては、くぼみ44の両側に溝(図示せず)を形成する。細長いゴルフストローク練習装置18の一端両側面から延びる延長部(図示せず)を設け、ベース44に係合せしめる。
【0043】
この実施例によれば、ゴルフストローク練習装置18をベース44に対し摺動係合できるようになる。当業者にとって他の形状をとり得るのは容易である。
【0044】
アーム42は、反射機構22をベース40に取り付けるように機能する。アーチ42には第1のアーム部分50と第2のアーム部分52とを設ける。第1のアーム部分50はベース40に対して交互する方向とする。
【0045】
本発明の一実施例においては、ベース40に第1のアーム部分50の幅と厚さに略等しい幅と長さの孔54を設け、第1のアーム部分50をベース40に摩擦係合できるようにする。
【0046】
第2のアーム部分52は接着剤や、ファスナ等を用いて反射機構22の表面に取り付ける。
【0047】
締付け機構56を用い第1のアーム部分50を第2のアーム部分52に取り付ける。この締付け機構56により反射機構22をベース40に対して傾動自在とし、パッテング練習具20を使用するゴルファの身長等をベースとして反射機構22を対応せしめる。
【0048】
上記締付け機構56はねじと蝶ナットより成る構成を用いる。この構成とすれば工具を用いることなく締付け機構56を調節できるようになる。
【0049】
ゴルフストローク練習装置18をその上面がパター練習具20の上面に一致するようパッテング練習具20に取り付ける。
【0050】
ゴルフストローク練習装置18をその両側が略同一高さとなるよう調節する。一実施例においてはこの調節は、ゴルフストローク練習装置18とパッテング練習具20の少なくとも1つに対応するレベル調節機構を用いて行なう。
【0051】
ゴルフストローク練習装置18のレベル調節は重要なことであるが、ゴルフストローク練習装置18の両端間を結ぶ方向の相対レベルの調節も重要である。
【0052】
ゴルファがパッテングのためパッテング練習具20の端部であるゴルフストローク練習装置18の端部に立ったとき反射機構22を調節し、ゴルフストローク練習装置18の少なくとも1部を見ることができるよう反射機構22を位置決めする。この状況は種々の身長のゴルファに対応できる。
【0053】
初めに
図7に示すようにゴルフボールをゴルフストローク練習装置18のスタート位置上に置く。ゴルファはパターのヘッドをゴルフボールに接近せしめる。
【0054】
ゴルファは次いで頭を上げて反射機構22を見る。若し整列ライン30がゴルフ練習装置18の中心に一致していないときは、ゴルファは
図8に示すように整列ライン30がゴルフストローク練習装置18と一緒になる迄ゴルフストローク練習装置18から離接するよう移動する。
【0055】
次いでゴルファによりパターをスイングしてゴルフボールをゴルフストローク練習装置18の上面に沿ってその端部迄移動せしめる。このプロセスをゴルフボールを用いて繰り返しゴルファの位置がゴルフボールに関して最適になるようにしてゴルファの能力を向上せしめる。
【0056】
本発明においては種々の位置における情報をゴルファにフィードバックする。ゴルファは、ゴルフストロークの始めにおいてゴルファの目がゴルフボールに向けられているか否かを定めることができる。ゴルファは、ゴルフクラブがインサイドまたはアウトサイドではなく真直ぐにバックスイングしているか否かをモニタできる。ゴルファは、ゴルフクラブがゴルフボールに接するように移動したときゴルフクラブが加速されたか否かをモニタできる。
【0057】
ゴルファは、ゴルフクラブがボールに接したとき、ゴルフクラブのフエースの向きを定めることができる。ゴルフクラブのフエースはゴルフボールに対して直角とすべきである。フエースが開いているときはゴルフボールは細長いゴルフストローク練習装置18から右方に移動し、フエースが閉じているときは、ゴルフボールは左方に移動するようになる。以上は右きゝのゴルファに対するもので、左きゝのゴルファの場合はその逆となる。
【0058】
上述の詳細な説明においては、図面に符号を付して行なったがこれは特定の実施例についてのものである。“平面”、“底面”、“前面”、“背面”、“先端”、“後端”等は図面の向きを示すためのものである。実施例では夛くの異なる向きとなり得るものであり、上記のものに限定されるものではない。本発明の範囲内において種々変更でき、本発明の範囲は添付請求項の記載によって定められることは勿論である。
【0059】
符号と共に示した本発明の以上の説明は特定の状況に合致するものである。当業者にとって種々変更できることは明らかである。