(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る照明器具11について、
図1から
図5を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、LED42を光源とする照明器具である。
図1に示すように、照明器具11は、天井に直付けされるシーリングライトである。以下では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側とし、照明器具11における天井等の取付面に対向する側を照明器具11の取付面側(取付状態では天井側)として説明する。
【0013】
図1、
図2に示すように、照明器具11は、主に器具本体21、電源装置31、光源部41、セード51、及び保護部材(図示せず)を有している。
【0014】
図2、
図3及び
図4に示すように、器具本体21は、照明器具11の本体を構成するものである。器具本体21は、いわゆるベースやシャーシと呼ばれる部材である。本実施形態に係る照明器具11は平面形状が円形であり、器具本体21の平面視での外形輪郭形状も円形である。器具本体21は、電源装置31、光源部41、及びセード51等を保持するものである。器具本体21は、光源取付部22、リブ部25、収容部23、及び取付孔24を有している。器具本体21には、該照明器具11の照射面側に突出する突出面(後述する光源取付面部22a)を有する複数の光源取付部22と、前記複数の光源取付部22の間に配置されるリブ部25と、が単一の部材として一体的に形成されている。収容部23、及び取付孔24は、器具本体21の半径方向中央部側に設けられ、光源取付部22は、収容部23の半径方向外周側に設けられている。器具本体21は、電源装置31と光源部41とセード51とを保持可能な耐久性と、光源部41が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、アルミニウム等の金属板を用いて形成されている。なお、器具本体21は、耐久性及び放熱性が高い材料であれば、金属やアルミニウムに限らず、他の材料で形成することができる。
なお、本実施形態においては、リブ部25及び光源取付部22を器具本体21と一体的に形成しているが、特に限定するものではない。
【0015】
光源取付部22は、器具本体21の周方向に沿って、一定の幅の領域に設けられ、器具本体21の半径方向中央部の外周側の周囲に略円弧状に複数配置されている。光源取付部22は、光源部41が取り付けられる部分である。光源取付部22は、
図2に示すように、光源部41が取り付けられる面が照射面側に突出している。光源取付部22は、光源取付面部22a、及び光源固定部22bを有している。光源取付面部22aは、照射面側に突出する突出面であって、周方向及び半径方向に所定幅を有する円弧状の面であり、LED光源モジュール44を当接して取り付けるための面である。光源固定部22bは、光源部41をボルトにより固定するために光源取付面部22aの外周近傍の四隅に設けられたボルトを螺合するための孔である。光源固定部22bは、例えばバーリング加工によって形成されることにより、ボルトとの螺合部分の長さを長く確保することができるので好ましい。器具本体21の半径方向中央部には収容部23が形成されており、光源取付部22は、収容部23を取り囲むように半径方向外側の領域に設けられている。また、光源取付部22は器具本体21の外周縁部より半径方向やや内側の領域に形成されている。光源取付部22は、光源部41で発生した熱を伝えて外部に放出する放熱部でもあるため、光源部41が取り付けられる光源取付面部22aは、光源部41との接触面積が広くなるよう平坦に形成されている。光源取付部22は、照射面側に突出して形成することで、照明器具11を天井等の取付面に取り付けた状態において、器具本体21の取付面側に空間S(
図5参照)が形成される。
【0016】
リブ部25は、器具本体21の半径方向中央部の外周側から放射状に複数延設される部分である。リブ部25は、複数の光源取付部22の間に配置される。すなわち、リブ部25及び光源取付部22は、器具本体21の半径方向中央部の外周側の周囲に交互に配置される。リブ部25は、光源取付部22が突出する側(照射面側)とは反対側である取付面側に突出している。リブ部25の半径方向の長さは、リブ部25に隣接する光源取付部22の半径方向の幅と略同一である。リブ部25は、器具本体21を補強するための補強用リブとしての機能を有し、断面形状を台形状とし(
図2参照)、かつ器具本体21の半径方向中央部の外周側から放射状に複数延設することで、器具本体21の剛性を向上することができる。すなわち、器具本体21は、光源取付部22及びリブ部25によって屈曲される部分が形成される。屈曲形状は、平坦形状よりも曲げ剛性が高い。したがって、屈曲部分を器具本体21の半径方向に長くかつ周方向に多数配置することで、器具本体21の剛性を上げることができる。
なお、本実施形態では、リブ部25を光源取付部22が突出する側(照射面側)とは反対側である取付面側に突出する構成としているが、特に限定するものではない。リブ部25は器具本体21の剛性を向上させる補強用リブとしての機能を有する形状であればよく、例えば、リブ部25を光源取付部22が突出する側である照射面側に突出するように形成してもよい。また、リブ部25の断面形状を断面矩形状、断面円弧状、断面凹凸状などに形成してもよい。
【0017】
収容部23は、光源部41のLED42を点灯させるための電源装置31や点灯装置(図示せず)等が収容される部分である。収容部23は、器具本体21の半径方向中央部に設けられている。収容部23は、内部に電源装置31や点灯装置等を収容するための高さ及び幅が確保されている。収容部23は光源部41が取り付けられる光源取付部22に隣接しており、収容部23が光源部41からの光を遮るとセード51に収容部23の影が映ることとなる。このため、収容部23の外側は、傾斜面に形成され、光源部41からの光を遮りにくくしている。
【0018】
取付孔24は、照明器具11を天井に取り付ける際、アダプタ(図示せず)を取り付ける部分である。取付孔24は、器具本体21の半径方向中心となる位置に設けられている。取付孔24は、収容部23の照射面側から器具本体21の取付面側まで貫通して設けられている。照明器具11を天井に取り付ける場合は、照明器具用の天井配線器具(引っ掛けシーリング)にアダプタを取付け、取付孔24にアダプタを差し込むようにして取り付ける。
【0019】
電源装置31は、点灯装置(図示せず)等とともに光源部41のLED42を点灯させるための装置である。電源装置31及び点灯装置等は、収容部23に収容されている。電源装置31にはコネクタ32が設けられている。照明器具11を天井に取り付ける際、コネクタ32をアダプタ側のコネクタ(図示せず)と接続することで、照明器具用の天井配線器具を介して外部電源と電気的に接続される。点灯装置と光源部41は電線(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0020】
光源部41は、複数のLED42を有し、前記光源取付部22の突出面である光源取付面部22aに配置される平板状のものである。具体的には、光源部41は、複数のLED光源モジュール44を有しており、各LED光源モジュール44は、平板状の基板43上に複数のLED42が実装されて構成されている。
図2、
図4に示すように、本実施形態では、光源部41は、8枚のLED光源モジュール44で構成されている。各LED光源モジュール44の基板43は、全て同一形状及び同一面積とすることにより、作製が容易となるため、好ましい。また、基板43は、円弧形状とすることにより、基板43を作製する際に廃棄する部分が少なく製造歩留まりが良いため、好ましい。各LED光源モジュール44は、収容部23の半径方向外側を取り囲むように配置されている。各LED光源モジュール44は、それぞれ4つのボルト71で光源取付部22に取り付けられている。各LED光源モジュール44は、各光源取付部22の光源取付面部22aに当接して固定されるため、各LED光源モジュール44が発熱した際には、LED光源モジュール44の熱が器具本体21に伝わる。器具本体21に伝わった熱は、器具本体21の温度よりも周辺温度が低い場合、器具本体21周辺の空気へ伝わる。これにより、器具本体21に伝わった熱は、各光源取付面部22aを介して器具本体21の取付面側に放熱される。
なお、各LED光源モジュール44は、光源取付部22に熱伝導性シート(図示せず)や放熱グリスを介して取り付けてもよく、これにより、より高い放熱性を得ることもできる。
【0021】
光源部41は、複数のLED42が光源取付部22の光源取付面部22aの照射面側に少なくとも配置される。これは、基板43上に実装されたLED42が発熱源となるため、少なくともLED42を光源取付面部22aの領域内に配置することで放熱の効率化を図るためである。例えば、
図4、
図5に示すように、LED光源モジュール44の平面視における大きさ・形状と、光源取付面部22aの平面視における大きさ・形状とは、同一である必要はない。すなわち、発熱源であるLED42を基板43を介して光源取付面部22aの領域内に配置すれば本発明による放熱効果が得られるため、基板43の外周縁部などの基板43上にLED42が実装されていない部分は、
図5に示すように、光源取付面部22aの領域からはみ出して配置してもかまわない。
【0022】
セード51は、器具本体21の照射面側を覆うように取り付けられ、光源部41からの光を反射及び拡散させつつ、外部へ配光する部材である。セード51は、透光性を有する樹脂素材で形成されている。セード51の全体形状は、平面形状が円形であり、下面側に緩やかにドーム状に膨らんでいる。セード51は、セード51の内部の清掃や器具本体21の部品交換等のために器具本体21に対して着脱できる構造となっている。
図2に示すように、セード51の上面側の開口縁部には、器具本体21に取り付けるための第1被保持部52が形成されている。
【0023】
器具本体21には、セード51の第1被保持部52を保持する、第1保持部26が設けられている。詳細は省略するが、セード51を器具本体21の取り付け位置に配置して第1の方向に回動させると、セード51の第1被保持部52が器具本体21の第1保持部26に保持されてセード51が器具本体21に取り付けられる。また、セード51が器具本体21に取り付けられた状態でセード51を第2の方向に回動させると、器具本体21の第1被保持部52がセード51の第1保持部26から外れて、セード51が器具本体21から取り外すことができる。
【0024】
保護部材は、器具本体21とセード51との間において、光源部41を覆うように配置される部材である。保護部材は、透光性を有する例えば樹脂素材で形成されている。なお、保護部材は必須ではない。
【0025】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11では、
図5に示すように、光源取付部22を照射面側に突出させることで、器具本体21の取付面側に空間Sが形成される。このため、光源取付部22の光源取付面部22aに光源部41を当接して配置すると、光源部41から発生した熱は器具本体21を介して空間Sにある空気へ放熱される。例えば、照明器具11を建物の天井に取り付けた場合、照明器具11と天井との間に空間Sを確保することで、照明器具11の取付面側の空気の通りを良くして熱がこもることを防ぎ、より効率的に取付面側に放熱することができる。
【0026】
また、本実施形態によれば、器具本体21に、該照明器具11の照射面側に突出する突出面を有する複数の光源取付部22を備える。これにより、器具本体21の撓みを低減できるため、器具本体21の剛性を上げることができる。すなわち、器具本体21に、上記のような複数の光源取付部22を備えることで、剛性を向上するとともに放熱性を向上することができる。
【0027】
さらに、照明器具11では、器具本体21が備える光源取付部22の間にリブ部25を配置したことにより、器具本体21がさらに補強され、光源取付部22を備えることによる効果に加えて、さらに、器具本体21の撓みを低減できるため、器具本体21の剛性を上げることができる。
つまり、本実施形態に係る照明器具11によれば、光源部41から発生する熱を照明器具11の外部に効率的に放熱可能であるとともに、器具本体21の剛性を確保することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、複数のLED42が光源取付部22の突出面である光源取付面部22aの照射面側に少なくとも配置される。これにより、発熱源となる複数のLED42が光源取付面部22aに接触または近接する位置に配置されるため、光源取付面部22aを介して空間Sにある空気へと熱を効率的に伝導させ、さらに放熱性を向上することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、器具本体21が、平面視略円形に形成され、光源取付部22が、器具本体21の半径方向中央部の周囲に略円弧状に配置され、リブ部25が、器具本体21の半径方向中央部から放射状に配置される。これにより、器具本体21の半径方向に加わる力に対して剛性を確保することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、照射面側に突出させた光源取付部22、または光源取付部22とリブ部25の両方を備えることで、器具本体21の撓みを抑えて剛性を上げることができるので、剛性を確保しつつ器具本体21を薄くすることができる。器具本体21を薄くすることにより、材料コストを低減することができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、器具本体21の剛性を上げることで、長期間使用することによる器具本体21の歪み(経年変化)を軽減することができる。また、器具本体21の剛性を上げることで、照明器具の輸送時などにおいて外部から衝撃が加わったとしても歪みが生じにくいため、製品の不良を低減することができる。器具本体21が歪むと、器具本体21とセード51との隙間が大きくなり、照明器具11内に埃や害虫が入り込む可能性が高まるが、本実施形態のように器具本体21の歪みを抑えることにより、このような問題は軽減される。
【0032】
図6は、本実施形態に係る照明器具11の変形例を示す斜視図である。
図6は、器具本体21の主に取付面C側の構成を示している。
図7は、本実施形態に係る照明器具11の変形例を示す側面図である。
図8は、
図7におけるB−B矢視断面図である。
図6〜
図8に示す照明器具11において、
図1等に示す照明器具11と同様の構成については同一符号を付与して詳細な説明を省略する。照明器具11の変形例は、
図1等に示す照明器具11と比較して、収容部23の構成が異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0033】
収容部23は、器具本体21の上面21aよりも取付面C側に突出している。収容部23は、光源取付部22よりも、器具本体21の半径方向中央側に設けられている。光源取付部22と収容部23と取付面Cとに囲まれた部分に、空間S1が形成される。寸法Hは、収容部23の突出量であり、器具本体21の器具上面21aと収容部23の収容部上面23aとの高低差である。寸法Hは、大きいほど、器具本体21と取付面Cとの間にできる空間S1を大きく確保することができるため、光源部41から発生した熱が取付面Cに与える熱的影響(高温による取付面Cの溶解等)を小さくすることができる。寸法Hは、例えば5〜40mmとすることができるが、この数値範囲に限定されない。収容部上面23aは、照明器具11を取付面Cに取り付けた際に姿勢を安定させるため、平面であることが好ましい。本実施形態では、電源装置31が実装された基板33は、電源装置31に対して取付面C側(収容部上面23a側)に位置しており、器具本体21の器具上面21aよりも取付面C側(収容部上面23a側)に位置している。また、電源装置31の少なくとも一部も、器具本体21の器具上面21aよりも取付面C側(収容部上面23a側)に位置している。なお、電源装置31に対する基板33の位置を
図8において上下反転させて、基板33が電源装置31に対して照射面側に位置してもよい。その場合は電源装置31の少なくとも一部を器具本体21の器具上面21aよりも取付面C側(収容部上面23a側)に位置させる。
【0034】
また、電源装置31から発生した熱は、収容部23の収容部側面23bを介して、外気(空間S1)へ伝わる。収容部23の収容部側面23bの表面積は、収容部23を取付面C側に大きく突出させたことにより、
図2に示す収容部23の側面の表面積よりも大きい。したがって、収容部23の表面において外気に触れる面積が大きくなるため、電源装置31が蓄える熱を低下させることができ、電源装置31の性能低下を軽減することができる。
【0035】
器具本体21は、パッキン61が取り付けられている。パッキン61は、収容部23の収容部上面23a(外面の一例)に接着剤等により固定されている。パッキン61は、ウレタンなどの弾性変形可能な材料で形成されている。パッキン61は、照明器具11を取付面Cに取り付けた際に、器具本体21により取付面C側に押されて、圧縮変形する。照明器具11は、圧縮変形したパッキン61が元の形状に戻ろうとする力により取付面Cから離れる方向へ押されるため、取付面Cに取り付けられた状態においてぐらつきが少なく姿勢が安定する。なお、パッキン61は、省略することができる。
【0036】
変形例に係る照明器具11では、収容部23を器具本体21の器具上面21aに対して取付面C側に突出させることで、器具本体21の取付面C側に空間S1が形成される。このため、光源部41から発生した熱は、器具本体21を介して空間S1にある空気へ放熱される。例えば、照明器具11を建物の天井に取り付けた場合、照明器具11と天井との間に空間S1を確保することで、照明器具11の取付面C側の空気の通りを良くして器具本体21に熱がこもることを防ぎ、より効率的に取付面C側に放熱することができる。これにより、光源部41が蓄える熱を低下させることができ、温度上昇による光源部41の光量低下を軽減することができる。また、空間S1を大きく確保することで、器具本体21と取付面Cとのクリアランスを大きく確保することができるので、器具本体21が取付面Cに与える熱的影響(取付面Cの熱溶解等)を軽減することができる。
【0037】
また、収容部上面23aや収容部側面23bに複数のフィンを備えることで、収容部23の表面積を大きくすることができるので、器具本体21の放熱性をさらに向上させることができる。
【0038】
また、光源取付部22に複数のフィンを備えることで、光源取付部22の表面積を大きくすることができるので、器具本体21の放熱性がさらに向上させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、照明器具11は丸型としたが、角型やその他の形状としてもよい。また、シーリングライトの他、ペンダントライト等に適用してもよい。
【0040】
本実施形態の器具本体21の形状は一例であり、本実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、照明器具11の形状が丸型以外の角型やその他の形状である場合には、それに応じた形状とすることができる。また、光源部41の形状に応じて適宜変形させることも可能である。