(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6220900
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】モバイル端末
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20171016BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
G09F9/00 347Z
G09F9/00 362
H04M1/02 C
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-558345(P2015-558345)
(86)(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公表番号】特表2016-514281(P2016-514281A)
(43)【公表日】2016年5月19日
(86)【国際出願番号】CN2014091193
(87)【国際公開番号】WO2015109886
(87)【国際公開日】20150730
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】201410038298.5
(32)【優先日】2014年1月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224180
【氏名又は名称】小米科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Xiaomi Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】高 原
(72)【発明者】
【氏名】韓 高才
(72)【発明者】
【氏名】▲じん▼ 宏志
(72)【発明者】
【氏名】張 斌
【審査官】
小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0014787(US,A1)
【文献】
特開2007−316847(JP,A)
【文献】
特開2009−060293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
H04M 1/02−1/23
H05K 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル端末の中間支持体である中間外殻(5)と、
前記中間外殻(5)の前面側に固定された前面外殻(6)と、
前記中間外殻(5)の背面側に固定され、前記中間外殻(5)の背面側を覆う背面カバー(3)と、
前記背面カバー(3)に固定され、バッテリーを覆うバッテリーカバー(1)と、
前記前面外殻(6)上に順に配置された表示画面(7)およびタッチ画面(8)と、を備え、
前記前面外殻(6)は、前記表示画面(7)と前記タッチ画面(8)とを支持するとともに、前記前面外殻(6)と前記タッチ画面(8)との間に前記表示画面(7)が位置され、
前記中間外殻(5)は、フレーム(52)と、前記フレーム(52)内に配置されて前記フレームにより囲まれた領域を三つ以上の分割領域に分割する横断梁(51)と、を備え、前記三つ以上の分割領域は、少なくとも、第1回路基板が配置される領域と第2回路基板が配置される領域と、バッテリー領域とを含む、モバイル端末。
【請求項2】
前記背面カバー(3)において前記バッテリー領域(56)に対応する位置に、バッテリー脱着のための操作開口が設けられている、請求項1に記載のモバイル端末。
【請求項3】
前記前面外殻(6)、前記中間外殻(5)、および前記背面カバー(3)それぞれの縁部分に接続孔として、第1接続孔(33)、第2接続孔(57)、および第3接続孔(62)が設けられ、
前記第1接続孔(33)が前記背面カバー(3)に設けられ、前記第2接続孔(57)が前記中間外殻(5)に設けられ、前記第3接続孔(62)が前記前面外殻(6)に設けられ、前記前面外殻(6)、前記中間外殻(5)、および前記背面カバー(3)が、前記接続孔に挿入されたねじ接続部材を介して接続されている、請求項1に記載のモバイル端末。
【請求項4】
前記背面カバー(3)の前面側表面において前記第1接続孔(33)に対応する位置に第1突起部(32)が設けられ、前記中間外殻(5)において前記第1突起部(32)に対応する位置に凹部(54)が設けられ、前記凹部(54)が前記第1突起部(32)と係合している、請求項3に記載のモバイル端末。
【請求項5】
前記前面外殻(6)の背面側表面に第2突起部(61)が設けられ、前記第3接続孔(62)は、前記第2突起部(61)を貫通し、かつ前記ねじ接続部材が挿入されるねじ孔であり、前記第2突起部(61)は前記第2接続孔(57)内に配置される、請求項4に記載のモバイル端末。
【請求項6】
前記第2接続孔(57)に挿入されている前記第2突起部(61)の側面が、段形状の制限面(611)である、請求項5に記載のモバイル端末。
【請求項7】
前記前面外殻(6)の周囲における前面側の縁部分にエピタキシャル突起部(63)が設けられ、前記エピタキシャル突起部(63)は前記中間外殻(5)の前面側表面の縁部分に接している、請求項1に記載のモバイル端末。
【請求項8】
前記バッテリーカバー(1)は前記背面カバー(3)とスナップ・フィットを介して取り付けられており、前記バッテリーカバー(1)、前記中間外殻(5)、および前記エピタキシャル突起部(63)の外周表面は、モバイル端末の外側面を構成する、請求項7に記載のモバイル端末。
【請求項9】
前記前面外殻(6)の前面側表面には段状溝が設けられており、前記表示画面(7)はスナップ・フィットを介して前記段状溝の底部に接続されており、前記表示画面(7)の前面側表面と前記段状溝の段状面とが同じ平面上に位置しており、
前記タッチ画面(8)はスナップ・フィットを介して前記段状溝の上部に接続されており、前記タッチ画面(8)の背面側表面が前記段状面に接しており、前記タッチ画面(8)の前面側表面と前記前面外殻(6)の前面側表面とが同じ平面上に位置している、請求項1から8のいずれか1つに記載のモバイル端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年1月26日に出願された中国特許出願:出願番号201410038298.5に基づいて優先権を主張するものであり、その中国特許出願の全内容が参照により本願明細書に援用される。
【0002】
本開示は、モバイル端末の組み立て技術の分野に関し、より具体的には、モバイル端末に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話、iPad、PalmPilotなどのモバイル端末の構造設計において、個々の部品設計は最も重要なステップとなる。このような個々の部品設計は、生産性を向上させて、特定の機能を実現できるようなモバイル端末の個々の部品設計に関係する。個々の部品設計によれば、モバイル端末全体が組み立てられ、分解され、個々の部品に対処することでメンテナンスを行うことができる。モバイル端末において、電子部品(例えば、素子、抵抗体、キャパシタなど)は標準部品であり、通常、これら部品のサイズを変更することはできない。機械部品(例えば、モバイル端末の外殻、電子装置の支持フレームなど)はカスタマイズされた部品であり、これらの構造およびサイズは実用状況に基づいて設計されるべきである。個々の部品設計は、カスタマイズされた部品の設計にも関係する。
【0004】
現在のところ、2種類の共通したモバイル端末構造が採用されている。1つは、前面外殻と背面外殻とからなる構造、すなわち、モバイル端末の全体構造が前面外殻と背面外殻とにより構成される構造である。このような構造では、前面外殻には、液晶画面(LCD)、支持フレーム、その他多くの部品が備えられ、背面外殻は、モバイル端末の側面および背面を取り囲む外観部材である。もう1つは、前面外殻、背面外殻、およびバッテリーカバーを備える構造である。このような構造では、1つ目の構造に加えて、背面外殻はバッテリー脱着のためのバッテリーカバーを備えている。
【0005】
上述したように、2種類のモバイル端末構造は共により少ない部材で構成されており、各々の部材は多くの電子部品を支持しなければならない(例えば、前面外殻には多くの部品が設けられている)。モバイル端末における多くの電子部品は標準部品であるため、各々の部材は、その上に配置される個々の電子部品の配置要求に応じる必要があり、その結果、モバイル端末の多くの部材が複雑な構造となってしまう。部材構造が複雑になればなる程、また部材の製造工程に手間がかかればかかる程、部材の製造コストが増加する。さらに、手間のかかる製造工程は、相対的に部材の歩留まりの低下を招き、さらに製造コストが増加する。モバイル端末の使用時に僅かな衝撃を受けただけで、複雑な構造を有する部材は、修理を要するかもしれず、あるいは損傷してしまうかもしれず、部材の修理に高いコストが必要となる。このように複雑な構造を有する部材は、製造コストおよび修理コストが高くなる。それに伴って、モバイル端末においても製造コストおよび修理コストが増加し、モバイル端末の市場競争力が低下する。
【発明の概要】
【0006】
本開示では、背景技術において述べたモバイル端末における課題、すなわち高い製造コストおよび修理コストを要するという課題を解決するようなモバイル端末を提供する。
【0007】
上述の技術課題を解決するために、本開示では、以下の課題解決策を提供する。
【0008】
本開示の第1態様によれば、モバイル端末を提供する。このモバイル端末は、モバイル端末の中間支持体である中間外殻と、中間外殻の前面側に固定された前面外殻と、中間外殻の背面側に固定され、中間外殻の背面側を覆う背面カバーと、背面カバーに固定され、バッテリーを覆うバッテリーカバーと、前面外殻上に順に配置された表示画面およびタッチ画面と、を備え、前面外殻は、表示画面とタッチ画面とを支持するとともに、前面外殻とタッチ画面との間に表示画面が位置されている。
【0009】
望ましくは、モバイル端末において、中間外殻は、フレームと、フレーム内に配置されてフレームにより囲まれた領域を複数の分割領域に分割する横断梁とを備え、複数の分割領域は、少なくとも回路基板領域とバッテリー領域とを含む。
【0010】
望ましくは、モバイル端末において、背面カバーにおいてバッテリー領域に対応する位置に、バッテリー脱着のための操作開口が設けられている。
【0011】
望ましくは、モバイル端末において、前面外殻、中間外殻、および背面カバーそれぞれの縁部分に接続孔として、第1接続孔、第2接続孔、および第3接続孔が設けられ、第1接続孔が背面カバーに設けられ、第2接続孔が中間外殻に設けられ、第3接続孔が前面外殻に設けられ、前面外殻、中間外殻、および背面カバーが、接続孔に挿入されたねじ接続部材を介して接続されている。
【0012】
望ましくは、モバイル端末において、背面カバーの前面側表面において第1接続孔に対応する位置に第1突起部が設けられ、中間外殻において第1突起部に対応する位置に凹部が設けられ、凹部が第1突起部と係合している。
【0013】
望ましくは、モバイル端末において、前面外殻の背面側表面に第2突起部が設けられ、第3接続孔は、第2突起部を貫通しかつねじ接続部材が挿入されるねじ孔であり、第2突起部は第2接続孔内に配置される。
【0014】
望ましくは、モバイル端末において、第2接続孔に挿入されている第2突起部の側面が、段形状の制限面である。
【0015】
望ましくは、モバイル端末において、前面外殻の周囲における前面側の縁部分にエピタキシャル突起部が設けられ、エピタキシャル突起部は中間外殻の前面側表面の縁部分に接している。
【0016】
望ましくは、モバイル端末において、バッテリーカバーは背面カバーとスナップ・フィットを介して取り付けられており、バッテリーカバー、中間外殻、およびエピタキシャル突起部の外周表面は、モバイル端末の外側面を構成する。
【0017】
望ましくは、モバイル端末において、前面外殻の前面側表面には段状溝が設けられており、表示画面はスナップ・フィットを介して段状溝の底部に接続されており、表示画面の前面側表面と段状溝の段状面とが同じ平面上に位置しており、タッチ画面はスナップ・フィットを介して段状溝の上部に接続されており、タッチ画面の背面側表面が段状面に接しており、タッチ画面の前面側表面と前面外殻の前面側表面とが同じ平面上に位置している。
【発明の効果】
【0018】
本開示の実施の形態の技術的解決手段は、次のような効果を奏する。
【0019】
モバイル端末全体が、中間外殻、前面外殻、背面外殻、表示画面、タッチ画面、およびバッテリーカバーを含む複数の部材を備え、複数の電子部品がそれぞれの部材に振り分けられている。したがって、各々の部材上にはより少ない電子部品が配置され、個々の部材に多くの部品配置構造を設けることを避けることができる。このような構造では、それぞれの部材の製造における複雑さを低減でき、製造工程を簡素化でき、部材製造の歩留まりを高めることができる。部材を多数化することにより、個々の部材の重要性およびコストが低減し、損傷により生じる部材の被害を低減できる。これにより、部材の修理コストを低減できる。モバイル端末全体に関しても、製造コストと修理コストとを低減できる。
【0020】
上述の説明および以下の詳細な説明は例示的なものに過ぎず、本開示が限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の実施の形態において技術的解決策をより明確に示すために、実施の形態を説明する図面は概略的に示している。また、当業者であれば、創造的な活動を行うこと無く、以下の図面に基づいて他の図面を得ることができることは明白である。
【
図1】例示的な実施の形態にかかるモバイル端末の分解組み立て斜視図
【
図2】例示的な実施の形態にかかる
図1の部分斜視図
【
図3】例示的な実施の形態にかかる中間外殻の斜視図
【
図4】例示的な実施の形態にかかるモバイル端末の部分断面図
【
図5】例示的な実施の形態にかかるモバイル端末のフレームにおける複数の分割領域を示す図 本発明を実現する実施の形態を示して、明細書に沿って本発明の原理を説明するために、これらの図面は明細書の一部として取り込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施の形態では、背景技術にて述べた課題、すなわち高い製造コストおよび修理コストを要するという課題を解決するようなモバイル端末を提供する。
【0023】
本開示の実施の形態における技術的解決策は、明細書の図面を参照して詳細に示される。当業者であればさらに良い技術的解決策を理解することができ、また、実施の形態における目的、特徴、および効果は明白となり、十分に理解されるであろう。
【0024】
本開示の実施の形態にかかるモバイル端末の構造を
図1に示す。
図1のモバイル端末は、中間外殻5、前面外殻6、背面カバー3、バッテリーカバー1、表示画面7、およびタッチ画面8を備える。
【0025】
中間外殻5は、実施の形態のモバイル端末のメインサポートフレームであり、モバイル端末の中間支持体として構成されている。中間外殻5は、その上に配置されるモバイル端末の電子部品を支持し、また、前面外殻6と背面カバー3とのマウントベースとなる。そのため、中間外殻5の外周面は、モバイル端末の外側面の一部となる、あるいは、モバイル端末の外側面の全体となる。
【0026】
前面外殻6はモバイル端末全体の前面側の外殻部材であり、中間外殻5の前面側に固定されている。通常、前面外殻6は、表示画面部品の支持体として機能する補助的な部品である。言い換えれば、前面外殻6は、表示画面7とタッチ画面8とを支持するように構成されている。
【0027】
背面カバー3はモバイル端末全体の背面側の外殻部材であり、中間外殻5の背面側を覆うように中間外殻5の背面側に固定されている。また、背面カバー3は、モバイル端末におけるアンテナやフレキシブル基板のような部品のためのマウントベースとなる。バッテリーカバー1は背面カバー3に固定され、バッテリーを覆う。通常、モバイル端末の背面カバー3にはバッテリーを取り出すための開口が設けられている。バッテリーカバー1の構造は、モバイル端末からのバッテリーの取り出しを容易にし、バッテリーの装着または取り出しの際にバッテリーカバー1を開放できるものであればよい。
【0028】
表示画面7およびタッチ画面8は、それぞれモバイル端末における表示部品および操作部品であり、前面外殻6に順に配置され(一般的には固定され)、前面外殻6とタッチ画面8との間に表示画面7が位置する。
【0029】
背景技術に対して、本開示の実施の形態におけるモバイル端末は、中間外殻5、前面外殻6、背面カバー3、バッテリーカバー1、表示画面7、およびタッチ画面8を含む複数の部材からなる。背景技術では、モバイル端末の電子部品が前面外殻に集中していたのに対して、本実施の形態では電子部品が複数の部材に振り分けられている。そのため、各々の部材上にはより少ない電子部品しか存在せず、各々の部材には多くのマウント構造を設ける必要がなく、部材の製造における複雑さを低減でき、製造工程を簡素化できる。これにより部材製造における歩留まりを高めることができる。部材を多数化することにより、個々の部材の重要性およびコストが低減し、損傷により生じる部材の被害を低減でき、部材の修理コストを低減できる。したがって、モバイル端末における製造コストと修理コストとを低減できる。
【0030】
モバイル端末は複数の部材から構成され、モバイル端末の外表面が損傷した場合であっても、ほとんどの部品および部材を回収することができ、モバイル端末の製造コストおよび修理コストをさらに低減できる。
【0031】
モバイル端末のメインサポートフレームとしての中間外殻5は、様々な構造を有することができ、モバイル端末の形態に応じて決定できる。通常、中間外殻5は、支持機能を最適化するためにより高い強度が要求される。そのため、製造者は、中間外殻5の形成材料として、より高い強度を有する材料(例えば、金属)を採用する傾向にあり、中間外殻5の製造コストの上昇を招く。このようなコストに関する課題を解決するために、本開示の実施の形態では、特別な構造を有する中間外殻を提供する。
図3に示すように、中間外殻3はフレーム52と横断梁51とを備える。横断梁51はフレーム52の内側に配置されており、フレーム52によって囲まれた領域を複数の領域に分割している。これら分割された複数の領域にはモバイル端末の電子部品が配置される。中間外殻5はフレーム構造(建物の骨組みのような)を有し、中間外殻5の強度を高めている。横断梁51は中間外殻5全体の強度を高め、様々な電子部品のための分割領域を形成する機能を有する。本開示の実施の形態では、中間外殻5は、簡単でありかつ容易に交換可能なフレーム構造を有し、損傷した場合の修理コストを効果的に抑制できる。
【0032】
図3に示すように、複数の分割領域は、回路基板領域(例えば、回路基板9および回路基板10が配置されるようにそれぞれ構成された回路基板領域53および回路基板領域55)と、バッテリー領域56(バッテリー4を受け入れるように構成されたバッテリー領域56)とを含む。もちろん、複数の分割領域は他の機能を備えてもよく、本開示の実施の形態は分割領域の機能を限定するものではない。また、本実施の形態は横断梁を用いて領域を複数の分割領域に分けることを限定するものではなく、縦断梁(すなわち、モバイル端末の長手方向に延びる梁)を用いてもよく、あるいは縦断梁と横断梁とを組み合わせて用いてもよいことは理解できるであろう。領域の分割方法について
図5に示す。
図5に示すように、フレーム52に囲まれた領域が、構造補強モジュール領域(構造補強モジュール領域A、構造補強モジュール領域B、構造補強モジュール領域C、および構造補強モジュール領域D)、音楽モジュール領域E、通信モジュール領域F、カメラモジュール領域G、ゲームモジュール領域Hに分割されている。当業者であれば、モバイル端末のタイプや電子部品の配置に基づいて、横断梁51および縦断梁の本数および形態を調整することができる。本開示の実施の形態は、横断梁51および縦断梁の本数、ならびにそれらの形態について限定されない。
【0033】
バッテリー領域56が分割領域に含まれる場合には、バッテリー脱着のための操作開口31が、背面カバー3においてバッテリー領域56に対応する位置に設けられる。このような形態では、バッテリーは背面カバー3から実質的に露出されており、操作開口31を通じてバッテリーの脱着ができるため、作業時に背面カバー3上に配置されたモバイル端末における他の電子部品が損傷を受けることはない。実用上、取り出し動作において、モバイル端末の他の要素、例えばスマートカードなどを円滑に取り出せるようにしてもよい。そのような場合には、他の要素に対応した操作開口を背面カバー3に設けてもよい。
【0034】
本開示の実施の形態にかかるモバイル端末では、前面外殻6が中間外殻5の前面側に固定され、背面カバー3が中間外殻5の背面側に固定されている。そして、これらの部材は、直接固定(すなわち、接続部材または接続構造を介して前面外殻6が中間外殻5の前面側に直接的に固定されており、接続部材または接続構造を介して背面カバー3が中間外殻5の背面側に直接的に固定されている。)、あるいは間接固定(例えば、前面外殻6が背面カバー3に固定されて、両者の間に中間外殻5がクランプされている。)にて固定してもよい。固定工程において、接続部材または接続構造(例えば、スナップ・フィット構造)を用いてもよい。
図2、
図3、
図4に示すように、本開示の実施の形態では接続構造を提供する。本実施の形態では、前面外殻6、中間外殻5、および背面カバー3それぞれの縁部分に、複数の接続孔として、第1接続孔33、第2接続孔57、第3接続孔62が設けられている。第1接続孔33は背面カバー3に形成され、第2接続孔57は中間外殻5に形成され、第3接続孔62は前面外殻6に形成されている。前面外殻6、中間外殻5、および背面カバー3はこれらの接続孔内に配置された接続部材、例えば、ねじ接続部材を介して互いに接続されている。組み立て工程では、前面外殻6、中間外殻5、および背面カバー3におけるそれぞれの接続孔の位置合わせが行われた後、接続部材を介して前面外殻6、中間外殻5、および背面カバー3が接続されて、組み立て体が完成する。
【0035】
前面外殻6、中間外殻5、および背面カバー3が単に重ね合わされた後、接続部材を介して接続されるのであれば、組み立ての信頼性が高くなく、モバイル端末全体の容積も相対的に大きくなるかもしれないという問題が生じる。このような問題を解決するために、本開示の実施の形態における背面カバー3では、背面カバー3の前面側表面において第1接続孔33に対応する位置に第1突起部32が設けられ、中間外殻5において第1突起部32に対応する位置に凹部54が設けられている。凹部54が第1突起部32と係合することにより、背面カバー3と中間外殻5とが位置決めされる。このような構成において、第1突起部32が凹部54に係合された後、背面カバー3と中間外殻5とが接続部材を介して接続される。したがって、部材同士がよりコンパクトに接続され、部材組み立てにおける信頼性が高まる。凹部54は第1突起部32とスナップ・フィットを介して固定されてもよく、これにより位置決め性と部材の組み立て性が高まる。
【0036】
本開示の実施の形態にかかるモバイル端末では、前面外殻6の背面側表面に第2突起部61が設けられており、第3接続孔62は、第2突起部61を貫通し、ねじ接続部材が挿入されるように形成されている。第2突起部61と第2接続孔57とは位置決めされて互いに係合する。
図4に示すように、第2突起部61は第2接続孔57内に配置される。ねじ接続部材(例えば、ボルト2)は、第1接続孔33を貫通して第3接続孔62に接続される。さらに、中間外殻5が前面外殻6と背面カバー3との間に配置されて、前面外殻6における第2突起部61が接続孔62内に位置され、これにより、中間外殻5に対する固定が実現される。このような中間外殻5と前面外殻6との間の位置決めおよび係合は、小型化および部材組み立ての信頼性を高める。第2接続孔57に係合する第2突起部61の側面は段形状の制限面611となっており、中間外殻5および前面外殻6の生産性を高めることができ、迅速な位置決めおよび組み立てが実現できる。ボルト2は、再現性と修理との便宜のために、より高い再現性(すなわち、繰り返し利用性能)を有するボルトであってもよい。
【0037】
同様に、本開示の実施の形態にかかるモバイル端末では(
図4に示すように)、前面外殻6の周囲における前面側の縁部分にエピタキシャル突起部63が配置されている。前面外殻6と中間外殻5との組み立ての便宜のために、エピタキシャル突起部63は中間外殻5の前面側表面の縁部分に接している。本開示の実施の形態では、バッテリーカバー1は、接続部材または接続構造を介して、取り外し可能に背面カバー3に接続することができる。接続構造(例えば、スナップ・フィット)は、接続性とモバイル端末の外部表面における美しい外観性とを向上させる。バッテリーカバー1、中間外殻5、およびエピタキシャル突起部63の外周表面は、モバイル端末の外側面を構成する。バッテリーカバー1および中間外殻5の組み立て面はモバイル端末の側面に位置し、バッテリーカバー1の取り外しを容易にするとともに、動作の効率性が向上する。
【0038】
本開示の実施の形態において、表示画面7およびタッチ画面8は、接続部材を介して前面外殻6に接続することができ、もちろん、固定された接続構造を介して前面外殻6に接続することもできる。
図4に示すように、前面外殻6の前面側表面には段状溝が形成されている。表示画面7はスナップ・フィットを介して段状溝の底部に接続されており、表示画面7の前面側表面と段状溝の段状面とが同じ平面上に位置している。タッチ画面8は、スナップ・フィットを介して段状溝の上部に接続されており、タッチ画面8の背面側表面は段状面に接しており、タッチ画面8の前面側表面と前面外殻6の前面側表面とが同じ平面に位置している。
【0039】
本開示の実施の形態にて提供されるモバイル端末は、携帯電話、iPad、PalmPilot、POSなどであってもよい。本開示では、モバイル端末の種類は限定されない。
【0040】
本開示の実施の形態において、「前面側」または「前面側表面」は、ユーザの操作インタフェースまたは表示インタフェースに近い、部材の側または部材の側の表面を意味する。また、「背面側」または「背面側表面」は、ユーザの操作インタフェースまたは表示インタフェースから離れた、部材の側または部材の側の表面を意味する。
【0041】
本明細書の各々の実施の形態は進歩的な方法で記述することができ、各々の実施の形態において同じまたは類似部分を互いに参照することができる。各々の実施の形態において着目すべき点は、他の実施の形態とは区別される。
【0042】
上述した本開示の実施の形態は、開示の保護範囲を限定するものではない。本開示の意図および原理を逸脱しない範囲でのいかなる改変、代替、改良は、本開示の保護範囲に含まれる。