【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 申請の原因:特許出願に係る発明の公開 販売した日:平成29年4月12日、及び平成29年4月21日 販売した場所:熊本不二コンクリート工業株式会社 (熊本県菊池市泗水町田島2444) 公開者:株式会社宝機材
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
以下に、本願発明の実施形態1について、
図1から
図5を用いて説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本願発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0018】
まず、
図1を参照して、本願発明の固定部材300の受け枠100について説明する。なお、
図1(a)は、受け枠100の全体斜視図、(b)は、当該受け枠100の平面図、(c)は当該受け枠100の側面図である。
【0019】
受け枠100は、パイプ状の嵩上げ部材110と、当該嵩上げ部材110を互いに連結する略L字状の連結部材120とで、枠体状に形成されている。この嵩上げ部材110の上面111は平坦面となっており、後述するグレーチング本体400を安定して受けることができる。また、上面111の両端には、グレーチング本体400を固定するために用いる貫通孔112が形成されている。一方、嵩上げ部材110の下面113は、後述する排水溝500の蓋掛部530の上面531に載置される部分であり、当該蓋掛部530の上面531に安定して載置できるように、当該上面531に対応した形状となっている。
【0020】
また、連結部材120は、二本の嵩上げ部材110を、所定の間隔で平行に連結するものである。この所定の間隔は、両側のそれぞれの嵩上げ部材110が、排水溝500の両側の蓋掛部530の上面531に載置できる間隔に設定されている。また、連結部材120の下面121には、後述する係止部200を固定するために用いる貫通孔122が二つ形成されている。
【0021】
なお、受け枠100全体は金属製であるが、実際の使用に耐えうる強度を備える他の素材で形成してもよい。また、受け枠100は、嵩上げ部材110と連結部材120とで構成されているが、これに限定されず、略長方形の板材等、その他にも、グレーチング本体400を受けると共に排水溝500の蓋掛部530の上面531に載置できる形状であれば、任意の形状を採用してもよい。
【0022】
では次に、
図2を参照して、本願発明の固定部材300の係止部200について説明する。なお、
図2(a)は、係止部200の全体斜視図、(b)は係止部200の側面図、(c)は係止部200の平面図である。
【0023】
係止部200は、一枚の金属板の両端を屈曲させて形成したもので、平坦な固定片210と、当該固定片210から下方へ傾斜する係止片220とを備える。この係止片220は、後述する排水溝500の蓋掛部530の下面532に当接できるように、当該下面532に対応する形状となっている。また、固定片210は、受け枠100の下面121に固定する部分であり、二つの貫通孔211が形成されている。さらに、固定片210の裏面にはナット230が溶接されており、当該ナット230の螺孔231は貫通孔211と上下に一致している。そのため、貫通孔211の上方から貫通孔211に差し込まれたボルトの先端は、ナット230の螺孔231に螺号できるようになっている。なお、本実施形態ではボルトの先端と螺号する構成としてナット230を利用したが、これに限定されず、ボルトの先端と螺号できる構成であれば、適宜任意の構成を採用できる。
【0024】
また、係止片220は斜め下方に延出しており、係止片220の全長は、後述するように、排水溝500の蓋掛部530の下面532に係止できる長さとなっている。さらに、係止片220は金属製であるから、外力が加わると弾性変形し、元の状態へ戻ろうとする弾性力が働く。
【0025】
では、次に
図3を参照して、本願発明の固定部材300を固定する対象である排水溝500について説明する。なお、
図3(a)は排水溝500の全体斜視図、
図3(b)は排水溝500の側面図である。
【0026】
この排水溝500は、既存のコンクリート製の略U字状の構造物である。そして、排水溝500は、底壁510と当該底壁510の両側の側壁520とからなり、その底壁510と側壁520とで囲まれた内側は、雨水等を流す水路Xとなっている。また、側壁520の内面には、内側へ向けて突出する蓋掛部530が形成されている。
【0027】
詳しくは後述するが、この蓋掛部530の上面531は、受け枠100の嵩上げ部材110が載置する部分であり、蓋掛部530の下面532は、係止部200の係止片220が係止する部分である。そして、上面531は、内側に向けて斜めに傾斜する斜面となっているが、これに限定されず、例えば水平面等の任意の形状でもよい。また、下面532は、内側の水路Xの幅が拡がるように、外側に向けて斜めに傾斜する斜面となっているが、これに限定されず、例えば水平面等の任意の形状でもよい。また、排水溝500は、略U字状であったが、これに限定されず、内部に水路Xを備えると共に、蓋掛部530が形成されていれば、任意の形状でもよい。
【0028】
なお、既存の多くの排水溝では、グレーチングを載置するための蓋掛部(フランジ部)を、側壁の上端であって、水路の外側に張り出すように形成していたので、排水溝の上端側の幅が広くなり、その結果、排水溝全体が大型化していた。また、蓋掛部外側に張り出すように設けた分だけ、側壁の厚さも厚くなっていた。しかしながら、近年登場した
図3に示す排水溝500では、グレーチングを載置するための蓋掛部530を、側壁520の内側に向けて突出させている。そのため、水路Xの幅を確保しつつ、排水溝500の上端側の幅を広げることもないので、その結果、排水溝500全体を小型化でき、さらに、側壁520の厚さも薄くできるのである。そして、近年登場したこの排水溝500が普及してきたことに伴い、グレーチングの跳ね上がり方向への固定力に優れる固定部材の開発が望まれ、本願発明を想到するに至ったのである。
【0029】
では次に、本願発明の固定部材300を、排水溝500に固定する方法について、
図3(b)から
図4を参照して説明する。なお、
図4(a)及び(b)は排水溝500の側面図である。
【0030】
まず、
図3(b)に示すように、排水溝500の両側の蓋掛部530の上面531の上に、受け枠100の嵩上げ部材110を載置する。嵩上げ部材110の下面113は、蓋掛部530の上面531と対応する形状をしているので、
図3(b)に示すように、受け枠100は両側の蓋掛部530に安定して載置している。
【0031】
次に、この状態から受け枠100の下面側に係止部200を取り付ける。具体的には、
図4(a)に示すように、受け枠100の連結部材120の下面121側に、係止部200の固定片210を宛がう。その際、連結部材120の下面121の貫通孔122と、固定片210のナット230の螺孔231が一致するように、係止部200の位置を調節する。そして、受け枠100の上方からボルトB1の先端を貫通孔122に差し込んで挿通させ、ナット230の螺孔231に螺号していく。このボルトB1の頭部は、受け枠100の下面121に当接して移動できないことから、このボルトB1を時計回りに回転させると、ナット230が取り付けられた固定片210は受け枠100の下面へ向けて引き寄せられるように、締め付けられていくことになる。
【0032】
すると、
図4(b)に示すように、係止部200の固定片210は、受け枠100の下面に近接する方向、すなわち上方向に向けて締め付けられて固定されることになる。そして、この状態では、係止部200の係止片220が、蓋掛部530の下面532に向けて当接するように係止している。
【0033】
このように、本願発明の固定部材300は、受け枠100が蓋掛部530の上面に載置され、係止部200の係止片220が蓋掛部530の下面532に向けて当接していることから、受け枠100と係止部200とで蓋掛部530を上下から挟み込むように挟持している。そのため、跳ね上がり方向、つまり上方向への固定力が非常に強く、グレーチングの跳ね上がりを効果的に防止することが出来るのである。また、受け枠100と係止部200とで蓋掛部530を上下から挟み込むように挟持しているので、グレーチングの跳ね上がり方向への外力が繰り返し加えられても、係止片220が下面532からズレることがなく、グレーチングの跳ね上がり防止効果を維持できる。
【0034】
なお、係止部200を受け枠100の下面に近接する上方向へ向けて固定する方法であるが、
図4に示すような、ボルトB1による固定方法に限定されない。例えば、受け枠100の下面121の貫通孔122と、係止部200の固定片210の貫通孔211(
図2参照)にワイヤーを通しておき、このワイヤーをきつく結びつけるなどして、係止部200を受け枠100の下面に近接する上方向へ向けて固定してもよく、その他にも、係止部200を受け枠100の下面に近接する上方向へ向けて固定する任意の方法を適宜採用してもよい。
【0035】
ただ、ボルトB1で、係止部200を受け枠100に固定することで、本願発明の固定部材300が排水溝500により強固に固定され、その固定力も容易に調節可能である。例えば、ボルトB1を強く締め付ければ、係止部200の係止片220が蓋掛部530の下面532に強く押圧され、その結果、受け枠100と係止部200とで蓋掛部530を上下から強く挟み込んで、より強固に固定できる。また長期間の使用によって挟持力が弱くなっても、再びボルトB1を締め直せば、容易に固定力を取り戻せる。
【0036】
なお、係止部200は両側に係止片220を備えているが、これに限定されない。例えば、係止部200は、片側に一つの係止片220を備えたものでもよい。ただ、係止部200の両側に係止片220を備えた方が、グレーチングの跳ね上がり防止の効果が高まる。また、係止部200の両側に係止片220を備えた方が、係止部200の受け枠100への一回の取り付けで、二つの係止片220を一度に同時に設置できるので、施工性がよいのである。
【0037】
さらに、係止片220は弾性変形可能であるから、係止部200が受け枠100に固定され、係止片220が下面532に上方に向けて当接した際に、係止片220は、当接した方向とは反対方向の下方へ向けて弾性変形する。すると、弾性変形した係止片220には、元の状態に戻ろうとする上方への弾性力が働く。そのため、この係止片220の上方への弾性力によって、係止片220が蓋掛部530の下面532により強く当接し、受け枠100と係止部200とが蓋掛部530を上下からより強く挟み込む。その結果、固定部材300は、排水溝500により強固に固定されるのである。
【0038】
では次に、本願発明の固定部材300にグレーチング本体400を取り付けたグレーチングユニット600について、
図5を参照して説明する。なお、
図5(a)は、グレーチング本体400の全体斜視図、
図5(b)は、排水溝500に既に固定された固定部材300にグレーチング本体400を取り付ける様子を示す側面図である。なお、このグレーチングユニット600は、固定部材300とグレーチング本体400とを備える。
【0039】
まず、
図5(a)に示すように、グレーチング本体400は、複数のメインバー410を立てた状態で平行に並べ、当該メインバー410の端部をエンドバー420で連結し、さらに、当該メインバー410の上端側を長尺状のクロスバー430で連結することで、格子状に組まれて形成されている。そして、グレーチング本体400の四隅の底面には、取付板440が設けられており、当該取付板440には、後述するボルトB2の先端が挿通可能な取付孔441が形成されている。この取付孔441は、受け枠100の嵩上げ部材110の貫通孔112(
図1参照)と対応する位置に設けられている。なお、グレーチング本体400は金属製の格子形状であるが、これに限定されず、受け枠100上に設置可能な形状であれば、任意の形状であってもよい。
【0040】
次に、このグレーチング本体400を、受け枠100に取り付ける様子について、
図5(b)を参照して説明する。なお、
図5(b)では、固定部材300が既に排水溝500に固定されている状態である。
【0041】
まず、
図5(b)に示すように、受け枠100の嵩上げ部材110の貫通孔112にボルトB2を挿通させ、当該ボルトB2の先端を嵩上げ部材110から上方へ突出させる。そして、受け枠100の上方から、グレーチング本体400を嵩上げ部材110の上面111に載置する。その際、ボルトB2の先端がグレーチング本体400の取付孔441に挿通するように位置を調節しながら、グレーチング本体400は受け枠100上に載置される。その後、グレーチング本体400の取付孔441から突出したボルトB2の先端に、ナットN1を螺号して締め付け固定することで、グレーチング本体400は受け枠100に固定されることになる。以上より、排水溝500に固定部材300を固定した後、固定部材300にグレーチング本体400を固定することで、グレーチングユニット600の排水溝500への取付けが完了する。
【0042】
このように、本願発明のグレーチングユニット600によれば、固定部材300の受け枠100と係止部200とで蓋掛部530を上下から挟み込むように挟持して、強固に固定されているので、跳ね上がり方向への固定力が非常に強く、固定部材300に固定されたグレーチング本体400の跳ね上がりをより効果的に防止することが出来る。
【0043】
(実施形態2)
以下では、本願発明の実施形態2に係る固定部材300Aについて説明する。なお、
図6(a)は、固定部材300Aの係止部200Aの側面図、
図6(b)は、排水溝500Aに固定部材300Aを取り付けた状態の側面図である。また、この固定部材300Aは、係止部200Aの係止片220Aの構成が実施形態1の固定部材300の係止部200の係止片220と異なるが、他の構成は固定部材300と同じである。さらに、固定部材300Aが固定される対象の排水溝500Aは、蓋掛部530Aの形状が
図3に示す排水溝500の蓋掛部530と異なるが、他の構成は排水溝500と同じである。
【0044】
まず、
図6(a)に示すように、固定部材300Aの係止部200Aは、一枚の金属板の両端を屈曲させて形成したもので、平坦な固定片210Aと、当該固定片210Aから下方へ傾斜する係止片220Aと、当該係止片220Aから上方へ屈曲した係止爪221Aを備える。この係止爪221Aは、
図6(b)に示す排水溝500Aの蓋掛部530Aの下面532Aに係止できる形状となっている。なお、この下面532Aは水平面となっている。そのため、実施形態2にかかる固定部材300Aでは、下面532Aに係止できるように、係止片220Aの先端に係止爪221Aを設けたのである。
【0045】
そして、この係止部200Aを用いて固定部材300Aを排水溝500Aに取り付ける際は、
図6(b)に示すように、受け枠100の連結部材120の下面121側に、係止部200Aの固定片210Aを宛がい、受け枠100の上方からボルトB1の先端を受け枠100の貫通孔122に差し込んで挿通させ、係止部200Aのナット230Aに螺号させてゆく。すると、ナット230Aが取り付けられた固定片210Aが受け枠100の下面へ向けて引き寄せられるように締め付けられ、係止部200Aの固定片210Aは、受け枠100の下面に近接する方向、すなわち上方向に向けて締め付けられて固定されることになる。そして、この状態では、係止部200Aの係止片220Aの係止爪221Aが、蓋掛部530Aの下面532Aに向けて当接するように係止している。
【0046】
また、係止爪221Aは、係止片220Aの先端を屈曲形成したものであるから、係止片220A全体として剛性が高くなっている。そして、
図6(b)に示すように、係止爪221Aが下面532Aに上方に向けて当接した際に、係止片220A全体は、当接した方向とは反対方向の下方へ向けて弾性変形する。ただ、係止片220Aは剛性が高くなっているので、元の状態に戻ろうとする上方への弾性力は、より強くなっている。したがって、より強くなった弾性力によって、係止爪221Aが蓋掛部530Aの下面532Aにより強く当接する。その結果、受け枠100と係止部200Aとで蓋掛部530Aを上下からより強く挟み込んで、固定部材300Aは排水溝500Aにより強固に固定される。
【0047】
なお、本実施形態2の係止爪221Aは、係止片220Aの先端を屈曲形成したものであるが、これに限定されず、係止爪221Aを別体として形成しておき、係止片220Aの先端に溶接固定してもよい。また、別体として形成された係止爪221Aは板状に限定されず、丸棒形状等、蓋掛部530Aの下面532Aに係止できる形状であれば、当該下面532Aの形状に合わせて、適宜任意の形状を採用できる。
【0048】
(実施形態3)
では次に、以下では、本願発明の実施形態3に係る固定部材300Bについて説明する。なお、
図7(a)及び(b)は、固定部材300Bの係止部200Bの全体斜視図、
図7(c)は、排水溝500に固定部材300Bを取り付けた状態の側面図である。また、この固定部材300Bは、係止部200Bの構成が実施形態1の固定部材300の係止部200と異なるが、他の構成は固定部材300と同じである。
【0049】
まず、
図7(a)に示すように、固定部材300Bの係止部200Bは、平坦な板状の固定片210Bと、略くの字状に屈曲した二つの係止片220Bとを備える。固定片210Bには、二つの長尺状の貫通孔211Bが形成されている。また、係止片220Bは、平坦な上部221Bと、当該上部221Bから斜め下方へ延出する側部223Bとを備える。また、上部221Bには、ボルトB3の先端側を挿通させることのできる貫通孔222Bが形成されている。
【0050】
そして、係止片220Bの貫通孔222Bに裏面側からボルトB3の先端を挿通させ、固定片210Bの裏面と上部221Bの表面とを当接させつつ、ボルトB3の先端を貫通孔211Bから突出させることで、
図7(b)に示すように、係止部200Bが組み立てられる。そして、係止片220Bは、長尺状の貫通孔211Bの範囲内で側方へ移動できる。なお、ボルトB3の頭部は、上部221Bの裏面に当接している。また、このボルトB3と貫通孔211Bとで、係止片220Bを蓋掛部530へ向けてスライドさせるスライド機構を構成している。
【0051】
そして、この係止部200Bを用いて固定部材300Bを排水溝500に取り付ける際は、
図7(c)に示すように、受け枠100の連結部材120の下面121側に、係止部200Bの固定片210Bを宛がい、固定片210Bから突出しているボルトB3の先端を、受け枠100の下面121の貫通孔122へ貫通させる。そして、貫通孔122を貫通したボルトB3の先端側から、ナットN2を螺号していく。
【0052】
ここで、排水溝500の蓋掛部530の下面532と、係止部200Bの係止片220Bの側部223Bとの間に隙間がある場合は、その隙間が埋まるように、係止片220Bを側方へ移動させて調節する。その際、ボルトB3とナットN2は完全に締め付けられておらず、係止片220Bは貫通孔211Bの範囲内で側方へ移動できる状態である。
【0053】
その後、引き続きナットN2を螺号していくと、ボルトB3が取り付けられた固定片210Bが受け枠100の下面へ向けて引き寄せられるように上方へ締め付けられ、係止部200Bの固定片210Bは、受け枠100の下面に近接する方向、すなわち上方向に向けて締め付け固定されることになる。そして、この状態では、係止部200Bの係止片220Bの側部223Bが、蓋掛部530の下面532に向けて当接するように係止している。したがって、固定部材300Bの受け枠100と係止部200Bとで蓋掛部530を上下から挟み込むように挟持し、固定部材300Bは排水溝500に固定される。
【0054】
このように、本願発明の固定部材300Bによれば、係止片220Bを蓋掛部530へ向けてスライドさせるスライド機構を備えることから、蓋掛部530の下面532と係止片220Bとの間に隙間があっても、当該スライド機構により隙間を埋めることができ、係止片220Bが蓋掛部530の下面532に確実に当接することができる。
【0055】
(実施形態4)
では次に、以下では、本願発明の実施形態4に係る固定部材300Cについて説明する。なお、
図8(a)及び(b)は、固定部材300Cの係止部200Cの全体斜視図、
図7(c)は、排水溝500に固定部材300Cを取り付けた状態の側面図である。また、この固定部材300Cは、係止部200Cの構成が実施形態1の固定部材300の係止部200と異なるが、他の構成は固定部材300と同じである。
【0056】
まず、
図8(a)に示すように、固定部材300Cの係止部200Cは、平坦な板状の固定片210Cと、略L字状に屈曲した係止片220Cとを備える。固定片210Cには、二つの長尺状の貫通孔211Cが形成されている。また、係止片220Cは、平坦な上部221Cと、当該上部221Cから下方へ延出する側部223Cとを備える。
【0057】
この上部221Cには、ボルトB4の先端側を挿通させることのできる貫通孔222Cが形成されている。また、側部223Cには内面にネジ溝が形成されたネジ孔224Cと、当該ネジ孔224Cに螺号するボルトB5とが備えられ、ボルトB5の先端には板状の当接部226Cが固定されている。そのため、ボルトB5を時計回りに回転させると、ボルトB5は外側へ向けて進んでゆき、ボルトB5の先端の当接部226Cは側部223Cから離れるように移動する。反対に、ボルトB5を反時計回りに回転させると、ボルトB5は内側へ向けて進んでゆき、ボルトB5の先端の当接部226Cは、側部223Cに接近するように移動する。
【0058】
次に、係止片220Cの貫通孔222Cに裏面側からボルトB4の先端を挿通させ、固定片210Cの裏面と上部221Cの表面とを当接させつつ、ボルトB4の先端を貫通孔211Cから突出させることで、
図8(b)に示すように、係止部200Cが組み立てられる。そして、係止片220Cは、長尺状の貫通孔211Cの範囲内で側方へ移動できる。なお、ボルトB4の頭部は、上部221Cの裏面に当接している。また、このボルトB4と貫通孔211Cとで、係止片220Cを蓋掛部530へ向けてスライドさせるスライド機構(以下、第一スライド機構と呼ぶ)を構成している。
【0059】
次に、この係止部200Cを用いて固定部材300Cを排水溝500に取り付ける際は、
図8(c)に示すように、受け枠100の連結部材120の下面121側に、係止部200Cの固定片210Cを宛がい、固定片210Cから突出しているボルトB4の先端を、受け枠100の下面121の貫通孔122へ貫通させる。そして、貫通孔122を貫通したボルトB4の先端側から、ナットN3を螺号していく。
【0060】
ここで、排水溝500の蓋掛部530の下面532と、係止部200Cの係止片220Cの当接部226Cとの間に隙間がある場合は、その隙間が埋まるように、係止片220Cを側方へ移動させて調節する。その際、ボルトB4とナットN3は完全に締め付けられておらず、係止片220Cは長尺状の貫通孔211Cの範囲内で側方へ移動できる状態である。なお、ボルトB5を回転させることで、ボルトB5の先端の当接部226Cを蓋掛部530の下面532に向けて移動させて、隙間を埋めるようにしてもよい。
【0061】
その後、引き続きナットN3を締める方向に螺号していくと、ボルトB4が取り付けられた固定片210Cが受け枠100の下面へ向けて引き寄せられるように上方へ締め付けられ、係止部200Cの固定片210Cは、受け枠100の下面に近接する方向、すなわち上方向に向けて締め付け固定されることになる。そして、この状態では、係止部200Cの係止片220Cの当接部226Cが、蓋掛部530の下面532に向けて当接するように係止している。そして、固定部材300Cの受け枠100と係止部200Cとで蓋掛部530を上下から挟み込むように挟持し、固定部材300Cは排水溝500に固定される。
【0062】
その後、さらにボルトB5を回転させ、ボルトB5の先端の当接部226Cを蓋掛部530の下面532に向けて移動させてもよい。すると、当接部226Cが下面532により強く当接して係止するので、固定部材300Cは排水溝500により強固に固定される。また、このボルトB5により、当接部226Cを蓋掛部530へ向けてスライドさせるスライド機構(以下、第二スライド機構と呼ぶ)を構成している。なお、第二スライド機構は、ボルトB5により構成されることに限定されず、係止片220Cに対して相対的に当接部226Cを移動させることができる構成であれば、適宜任意の構成を採用してもよい。
【0063】
このように、本願発明の固定部材300Cによれば、係止片220Cを蓋掛部530へ向けてスライドさせる第一スライド機構を備えることから、蓋掛部530の下面532と係止片220Cとの間に隙間があっても、当該スライド機構により隙間を埋めることができ、係止片220Cが蓋掛部530の下面532に確実に当接することができる。
【0064】
特に、本願発明の固定部材300Cでは、係止片220Cの当接部226Cを蓋掛部530へ向けてスライドさせる第二スライド機構が、ボルトB4及び貫通孔211Cからなる第一スライド機構とは独立している。そして、このボルトB4は係止部200Cを受け枠100に固定する部分でもある。したがって、当接部226Cをスライドさせる第二スライド機構は、係止部200Cの受け枠100への固定とは独立しているので、係止部200Cを受け枠100に固定した後に、更に、当接部226Cのみを蓋掛部530の下面532により強く当接させて係止させることができるため、固定部材300Cは排水溝500に、より一層強固に固定されることになる。
【0065】
なお、本願発明の固定部材及びグレーチングユニットは、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
排水溝500に配置されるグレーチング本体400を、当該排水溝500に固定するための固定部材300であって、前記グレーチング本体400を受けると共に、前記排水溝500の蓋掛部530の上面531に載置される受け枠100と、前記蓋掛部530の下面532側に係止する係止部200と、を備え、当該係止部200は、前記受け枠100に固定される固定片210と、前記蓋掛部530の下面532側へ延びて係止する係止片220とを備えており、前記固定片210を前記受け枠100の下面に近接する上方向へ向けて固定することで、前記係止片220が前記蓋掛部530の下面532側に、前記上方向へ向けて当接して係止することを特徴とする。