特許第6221010号(P6221010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6221010
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】光硬化性組成物及び電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/44 20060101AFI20171016BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   C08F2/44 Z
   H05K3/28 D
【請求項の数】12
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-501722(P2017-501722)
(86)(22)【出願日】2016年12月26日
(86)【国際出願番号】JP2016088746
【審査請求日】2017年4月21日
(31)【優先権主張番号】特願2015-256978(P2015-256978)
(32)【優先日】2015年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】金 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 駿夫
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−144090(JP,A)
【文献】 特開平11−292910(JP,A)
【文献】 特開2012−009364(JP,A)
【文献】 特開2015−089928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00−2/60
H05K 3/00−3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーと、窒素含有化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレート又はポリエステル(メタ)アクリレートであり、
前記窒素含有化合物が、モルホリン基含有モノマー又はイソシアネート化合物であり、
前記白色顔料が、酸化チタンを含み、
光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記オリゴマーの含有量が、5重量%以上、40重量%以下であり、
前記窒素含有化合物が、前記モルホリン基含有モノマーである場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記モルホリン基含有モノマーの含有量が、1重量%以上、40重量%以下であり、
前記窒素含有化合物が、前記イソシアネート化合物である場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記イソシアネート化合物の含有量が、0.1重量%以上、5重量%以下であり、
光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記酸化チタンの含有量が、30重量%以上であり、
25℃及び10rpmでの光硬化性組成物の粘度が1Pa・s以上、30Pa・s以下である、光硬化性組成物。
【請求項2】
光硬化性組成物がエポキシ化合物を含む場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、エポキシ化合物の含有量が5重量%以下である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
【請求項3】
光硬化性組成物が熱硬化剤及び前記熱硬化剤の作用により硬化される熱硬化性化合物を含む場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記熱硬化性化合物の含有量が5重量%以下である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
【請求項4】
前記窒素含有化合物が、エチレン性不飽和結合を1個以上有するモルホリン基含有モノマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項5】
前記窒素含有化合物が、(メタ)アクリロイルモルホリンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項6】
前記窒素含有化合物が、イソシアネート化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項7】
光照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずに硬化物膜を形成するために用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項8】
塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項9】
熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられない、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項10】
電子部品本体の表面上に、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を塗布して、組成物層を形成する工程と、
前記組成物層に光を照射して、硬化物膜を形成する工程とを備え、
前記硬化物膜を形成するために、前記組成物層を現像しない、電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、前記光硬化性組成物を塗布する、請求項10に記載の電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記硬化物膜を形成するために、熱硬化剤の作用により前記組成物層を熱硬化させない、請求項10又は11に記載の電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の照射により硬化されて用いられる光硬化性組成物に関する。また、本発明は、上記光硬化性組成物を用いる電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板を高温のはんだから保護するための保護膜として、ソルダーレジスト膜が広く用いられている。
【0003】
また、様々な電子部品において、プリント配線板の上面に発光ダイオード(以下、LEDと略す)チップが搭載されている。LEDから発せられた光の内、上記プリント配線板の上面側に到達した光も利用するために、プリント配線板の上面に白色ソルダーレジスト膜が形成されていることがある。白色ソルダーレジスト膜は、白色顔料を含む。このような白色ソルダーレジスト膜を形成した場合には、LEDチップの表面からプリント配線板とは反対側に直接照射される光だけでなく、プリント配線板の上面側に到達し、白色ソルダーレジスト膜により反射された反射光も利用できる。従って、LEDから生じた光の利用効率を高めることができる。
【0004】
また、ソルダーレジスト膜用途以外にも、様々な光反射用途において、白色顔料を含む硬化物膜が用いられている。
【0005】
上記白色ソルダーレジスト膜を形成するための材料の一例として、下記の特許文献1には、カルボキシル基を有さず、2以上の不飽和基を有し、かつ分子量が500〜5000である化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、2以上の不飽和基を有する反応性希釈剤(C)と、アミノ基又はイミノ基を少なくとも1つ有する化合物(D)とを含む光硬化性組成物が開示されている。
【0006】
下記の特許文献2には、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する光硬化性組成物が開示されている。上記光硬化性組成物は、上記(A)成分として、二官能のエポキシ(メタ)アクリレート(A1)を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2011/065228A1
【特許文献2】特開2011−158628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の光硬化性組成物では、硬化物膜の鉛筆硬度が低くなることがある。従来、高い光の反射率と、高い鉛筆硬度とを両立することが困難である。
【0009】
本発明の目的は、鉛筆硬度が高い硬化物膜を得ることができ、かつ白色顔料が使用されていることにより、光の反射率が高い硬化物膜を得ることができる光硬化性組成物を提供することである。また、本発明は、上記光硬化性組成物を用いる電子部品の製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広い局面によれば、カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーと、窒素含有化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、25℃及び10rpmでの光硬化性組成物の粘度が1Pa・s以上、30Pa・s以下である、光硬化性組成物が提供される。
【0011】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、光硬化性組成物がエポキシ化合物を含む場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、エポキシ化合物の含有量が5重量%以下である。
【0012】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、光硬化性組成物が熱硬化剤及び前記熱硬化剤の作用により硬化される熱硬化性化合物を含む場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記熱硬化性化合物の含有量が5重量%以下である。
【0013】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記窒素含有化合物が、エチレン性不飽和結合を1個以上有するアミド基含有モノマー又はエチレン性不飽和結合を1個以上有するモルホリン基含有モノマーである。
【0014】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記窒素含有化合物が、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル4級塩、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドである。
【0015】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記窒素含有化合物の含有量が1重量%以上、40重量%以下である。
【0016】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記窒素含有化合物が、テトラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、イソシアネート化合物、又はメラミン化合物である。
【0017】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、前記窒素含有化合物の含有量が0.1重量%以上、5重量%以下である。
【0018】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記窒素含有化合物が、モルホリン基含有化合物、又はイソシアネート化合物である。
【0019】
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、光硬化性組成物は、光照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずに硬化物膜を形成するために用いられる。
【0020】
本発明に係る光硬化性組成物は、好ましくは、塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられる。
【0021】
本発明に係る光硬化性組成物は、好ましくは、熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられない。
【0022】
本発明の広い局面によれば、電子部品本体の表面上に、上述した光硬化性組成物を塗布して、組成物層を形成する工程と、前記組成物層に光を照射して、硬化物膜を形成する工程とを備え、前記硬化物膜を形成するために、前記組成物層を現像しない、電子部品の製造方法が提供される。
【0023】
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、前記光硬化性組成物を塗布する。
【0024】
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記硬化物膜を形成するために、熱硬化剤の作用により前記組成物層を熱硬化させない。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る光硬化性組成物は、カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーと、窒素含有化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、25℃及び10rpmでの光硬化性組成物の粘度が1Pa・s以上、30Pa・s以下であるので、鉛筆硬度が高い硬化物膜を得ることができ、かつ白色顔料が使用されていることにより、光の反射率が高い硬化物膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る光硬化性組成物を用いて、電子部品を製造する方法の一例を説明するための断面図である。
図2図2(a)〜(e)は、従来の現像型レジスト組成物を用いて、電子部品を製造する方法の一例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0028】
[光硬化性組成物]
本発明に係る光硬化性組成物は、光の照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずに硬化物膜を形成するために用いられることが好ましい。本発明に係る光硬化性組成物は、非現像型レジスト光硬化性組成物であることが好ましい。本発明に係る光硬化性組成物を用い、レジスト膜を形成するために現像が行われない場合には、光硬化性組成物は、レジスト膜を形成するために現像を行う現像型レジスト組成物とは異なる。本発明に係る光硬化性組成物では、現像を行わなくても、良好なレジスト膜を得ることができる組成が採用されている。
【0029】
本発明に係る光硬化性組成物は、(A)カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーと、(C)窒素含有化合物と、(D)白色顔料と、(E)光重合開始剤とを含む。
【0030】
本発明では、上記の構成が採用されているので、鉛筆硬度が高い硬化物膜(レジスト膜など)を形成することができる。さらに、本発明に係る光硬化性組成物は、(D)白色顔料を含むので、白色の硬化物膜(レジスト膜など)を形成することができ、光の反射率が高い硬化物膜を得ることができる。硬化物膜が白色であることにより、硬化物膜の光の反射率を高めることができる。さらに、本発明では、上記の構成が採用されているので、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性も高くなる。
【0031】
さらに、本発明では、フォトリソグラフィーにおける露光工程及び現像工程などの多くの工程を行わなくても、良好な硬化物膜(レジスト膜など)を形成することができる。露光工程及び現像工程を行わない場合には、廃棄物の量を少なくすることができ、環境負荷を低減できる。さらに、電子部品などの製造コストも低くすることができる。
【0032】
上記光硬化性組成物は、光の照射により硬化させるために、(F)熱硬化性化合物を含んでいなくてもよく、熱硬化剤を含んでいなくてもよい。上記光硬化性組成物は、熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられないことが好ましい。上記硬化物膜(レジスト膜など)を形成するために、塗布対象部材の表面上に配置された組成物層(レジスト層など)を熱硬化させなくてもよい。上記硬化物膜を形成するために、塗布対象部材の表面上に配置された組成物層を加熱しなくてもよい。但し、上記組成物層では、低温での加熱が行われてもよい。上記硬化物膜を形成するために、上記組成物層を、280℃以上に加熱しないことが好ましく、180℃以上に加熱しないことがより好ましく、60℃以上に加熱しないことが更に好ましい。上記組成物層を加熱する温度が低いほど、電子部品本体などの塗布対象部材の熱劣化を抑えることができる。
【0033】
硬化物膜の鉛筆硬度を高めるために、25℃及び10rpmでの光硬化性組成物の粘度が1Pa・s以上、30Pa・s以下である。(A),(C)〜(F)成分を組み合わせるとともに、光硬化性組成物の粘度を上記の範囲内とすることで、硬化物の鉛筆硬度を効果的に高めることができる。上記粘度が上記下限未満であると、印刷後かつ硬化後における硬化物膜の厚みが薄くなり鉛筆硬度が下がることがある。上記粘度が上記上限を超えると、印刷後における組成物層の厚みが厚くなり、光が内部まであたらずに内部での硬化性が低くなり、鉛筆硬度が下がることがある。
【0034】
硬化物膜の鉛筆硬度をより一層効果的に高める観点からは、25℃及び10rpmでの光硬化性組成物の粘度は、好ましくは5Pa・s以上、より好ましくは5Pa・sを超え、更に好ましくは7Pa・s以上であり、好ましくは25Pa・s以下である。
【0035】
上記粘度は、E型粘度計を用いて、25℃及び10rpmの条件で測定される。上記E型粘度計としては、東機産業社製「VISCOMETER TV−22」等が挙げられる。
【0036】
以下、上記光硬化性組成物に含まれる各成分を説明する。
【0037】
((A)カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマー)
上記光硬化性組成物に含まれる(A)オリゴマーは、カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有する。(A)オリゴマーの使用により、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性が効果的に高くなる。特に(D)白色顔料の含有量が多い場合に、(A)オリゴマーを用いていないと、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性が低くなりやすい傾向がある。(A)オリゴマーを用いることで、(D)白色顔料の含有量が多くても、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性を高めることができる。また、(A)オリゴマーがカルボキシル基を有さないことにより、硬化物膜におけるカルボキシル基による悪影響を防ぐことができ、例えば硬化物膜の変色を抑えることができる。(A)オリゴマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0038】
(A)オリゴマーは、光硬化性化合物であることが好ましい。
【0039】
(A)オリゴマーにおけるエチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。効果的に反応を進行させ、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(メタ)アクリロイル基が好ましい。(A)オリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
【0040】
塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性を高める観点からは、(A)オリゴマーは、(A1)エポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましい。硬化物膜の鉛筆硬度を高める観点からは、(A1)エポキシ(メタ)アクリレートは、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとを含むことが好ましい。2官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を2個有することが好ましい。3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することが好ましい。
【0041】
(A1)エポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られる。(A1)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を(メタ)アクリロイル基に変換することにより得ることができる。上記光硬化性組成物は光の照射により硬化させるので、(A1)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を有さないことが好ましい。
【0042】
(A1)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート)、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0043】
2官能のエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、KAYARAD R−381(日本化薬社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)、EBECRYL3700、EBECRYL3701及びEBECRYL3708(ダイセル・オルネクス社製、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート)等が挙げられる。また、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、EBECRYL3603(ダイセル・オルネクス社製、ノボラックエポキシアクリレート)等が挙げられる。また、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基を変性させて、(メタ)アクリロイル基を導入することにより、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートを得てもよい。
【0044】
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
【0045】
オリゴマーは、モノマーと異なり、モノマーが2以上結びついた多量体である。(A)オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは500を超え、より好ましくは600を超え、更に好ましくは800を超え、特に好ましくは1000以上、最も好ましくは2000以上である。(A)オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは10000以下である。(A)オリゴマーの重量平均分子量が上記下限以上であると、硬化物膜の密着性がより一層高くなり、リフロー後の変色がより一層生じにくくなる。
【0046】
(A)オリゴマーにおける重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量であり、下記の測定装置及び測定条件にて測定することができる。この測定条件で測定した場合に、後述するEBECRYL 3700の重量平均分子量は1300である。
【0047】
測定装置:日本ウォーターズ社製「Waters GPC System(Waters 2690+Waters 2414(RI))」
測定条件カラム:Shodex GPC LF−G×1本、Shodex GPC LF−804×2本
移動相:THF 1.0mL/分
サンプル濃度:5mg/mL
検出器:示差屈折率検出器(RID)
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製、分子量:620〜590000)
【0048】
剥離及び変色を効果的に抑える観点からは、(A)オリゴマーは、脂環式骨格を有する化合物ではないことが好ましく、脂環式骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートではないことが好ましい。剥離及び変色をより一層抑える観点からは、(A)オリゴマーは、芳香族骨格を有する化合物を含むことが好ましく、芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
【0049】
剥離及び変色を効果的に抑える観点からは、(A)オリゴマーは、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレート、又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
【0050】
(A1)エポキシ(メタ)アクリレートは、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、又は脂肪族エポキシ化合物などのエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得られる。
【0051】
(A1)エポキシ(メタ)アクリレートは、水酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基を変性させたエポキシ(メタ)アクリレートであってもよい。この場合には、架橋度を高め、鉛筆硬度を効果的に高めることができる。変性に用いることができる化合物としては、シランカップリング剤、及びイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、スルフィド基、ウレイド基、及びイソシアネート基などの官能基を有する化合物等が挙げられる。光反応性があるので、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又はメルカプト基を有する化合物が好ましい。イソシアネート基を有するモノマーとしては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又はメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。
【0052】
(A)オリゴマーの酸価は、20mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が上記上限以下であると、酸性基の影響が抑えられ、硬化物膜の耐熱性を向上させることができる。なお、上記光硬化性組成物が(A)エチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーを複数種含む場合は、上記酸価は、(A)エチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーの混合物の酸価を意味する。
【0053】
(A)オリゴマーの酸価は、以下のようにして測定される。
【0054】
(A)オリゴマー1gにアセトン30gを添加し、(A)オリゴマーを均一に溶解し、溶液を得る。なお、(A)オリゴマーに合成溶媒、希釈溶媒等の揮発分が添加されている場合は、上記溶液を得る前に予め、揮発分の沸点よりも10℃程度高い温度で1〜4時間加熱し、揮発分を除去する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインを、得られた溶液に適量添加して、0.1Nの水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いて滴定を行う。測定対象である上記溶液((A)オリゴマーのアセトン溶液)を中和するのに必要なKOHのmg数を算出することで、酸価を求める。
【0055】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(A)オリゴマー及び(A1)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。(A)オリゴマー及び(A1)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が上記下限以上であると、硬化物膜の密着性が効果的に高くなる。また、硬化物膜の密着性を効果的に高める観点から、上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、オリゴマーである2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、オリゴマーである3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとの合計の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0056】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%は、光硬化性組成物が溶剤を含む場合には、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%を意味し、光硬化性組成物が溶剤を含まない場合には、光硬化性組成物100重量%を意味する。
【0057】
((B)エチレン性不飽和結合を1個以上有するモノマー(反応性希釈剤))
硬化物膜の密着性を効果的に高め、更に光硬化性組成物の粘度を最適な範囲に制御しやすくする観点からは、上記光硬化性組成物は、(B)エチレン性不飽和結合を1個以上有するモノマーを含むことが好ましい。(B)モノマーは、例えば、反応性希釈剤である。(A)オリゴマーとともに(B)モノマーを用いることにより、(D)白色顔料の含有量が多くても、硬化物膜の密着性を効果的に高めることができ、更に光硬化性組成物の粘度を最適な範囲に制御することが容易である。(B)モノマーの分子量は好ましくは2000未満であり、より好ましくは800以下、更に好ましくは600以下、特に好ましくは500以下である。(B)モノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。(B)モノマーの分子量は構造式から計算することができる。
【0058】
(B)モノマーにおけるエチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。効果的に反応を進行させ、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(メタ)アクリロイル基が好ましい。(B)モノマーは、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
【0059】
(B)モノマーとしては、特に限定されず、多価アルコールの(メタ)アクリル酸付加物、及び多価アルコールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。上記多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、及びペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0060】
(B)モノマーは、(B1)エチレン性不飽和結合を1個有する化合物であってもよい。硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)モノマーは、(B1)エチレン性不飽和結合を1個有する化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物を含むことが好ましい。
【0061】
(B)モノマーは、エチレン性不飽和結合を2個有する化合物を含んでいてもよく、(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物を含んでいてもよい。硬化物膜の密着性を更に一層高める観点からは、(B)モノマーは、(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物を含むことが好ましい。
【0062】
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)モノマーは、脂環式化合物を含むか、又は、芳香環又は水酸基を含むことが好ましい。単官能の成分が好ましいが、二官能や三官能などの多官能の複数成分が含まれていてもよい。
【0063】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(B)モノマー及び(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。(B)モノマー及び(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の密着性が効果的に高くなる。
【0064】
((C)窒素含有化合物)
(C)窒素含有化合物の使用により、鉛筆硬度が高い硬化物膜を得ることができることができ、硬化物膜の傷付きを抑えることができる。(C)窒素含有化合物は、(E)光重合開始剤ではない。(C)窒素含有化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0065】
(C)窒素含有化合物としては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル4級塩等のエチレン性不飽和結合を1個以上有するアミド基含有モノマー;(メタ)アクリロイルモルホリン等のエチレン性不飽和結合を1個以上有するモルホリン基含有モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、テトラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、イソシアネート化合物、及びメラミン化合物等が挙げられる。
【0066】
硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、(C)窒素含有化合物は、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル4級塩、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、テトラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、イソシアネート化合物、又はメラミン化合物であることが好ましい。
【0067】
硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、(C)窒素含有化合物は、メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル4級塩、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド(これらを(C1)成分ともいう)であることが好ましい。硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、(C)窒素含有化合物は、テトラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、イソシアネート化合物、又はメラミン化合物(これらを(C2)成分ともいう)であることも好ましい。(C2)成分は、エチレン性二重結合を有さないことが好ましい。
【0068】
上記テトラゾール化合物としては、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−エチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール、2−メトキシ−5−(5−トリフルオロメチル−1H−テトラゾール−1−イル)−ベンズアルデヒド、5,5’−ビ−1H−テトラゾール・ジアンモニウム塩、4,5−ジ(5−テトラゾリル)−[1,2,3]トリアゾール、5,5’−アゾビス−1H−テトラゾール、1−メチル−5−ベンゾイル−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、及びフェニルメタノンオキシム(E+Z)(いずれも東洋紡社製)等が挙げられる。上記テトラゾール化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0069】
上記イミダゾール化合物としては、イミダゾール−4−カルボキシアルデヒド、2−フェニルイミダゾール−4−カルボキシアルデヒド、イミダゾール−2−カルボキシアルデヒド、イミダゾール−4−カルボニトリル、2−フェニルイミダゾール−4−カルボニトリル、4−ヒドロキシメチルイミダゾールヒドロクロリド、2−ヒドロキシメチルイミダゾールヒドロクロリド、4−イミダゾールカルボン酸、4−イミダゾールジチオカルボン酸、4−イミダゾールチオカルボキシアミド、2−ブロモイミダゾール、及び2−メルカプトイミダゾール(いずれも四国化成工業社製)等が挙げられる。上記イミダゾール化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0070】
上記トリアゾール化合物としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、及び1,2,3−ベンゾトリアゾール・ナトリウム塩溶液(いずれも城北化学工業社製)等が挙げられる。上記トリアゾール化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0071】
上記イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート;メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が挙げられる。また、これらイソシアネート化合物のビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、及びカルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も、上記イソシアネート化合物として挙げられる。上記イソシアネート化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。紫外線による硬化物膜の黄変を避ける観点からは、芳香族イソシアネート化合物よりも脂肪族イソシアネート化合物又は脂環族イソシアネート化合物がより好ましい。
【0072】
上記イソシアネート化合物をブロックイソシアネートの状態で使用する場合、ブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩;フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン化合物;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン化合物;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタムなどのラクタム化合物;ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン化合物;アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物等が挙げられる。上記ブロック剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0073】
上記イソシアネート化合物の市販品としては、昭和電工社製の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズAOI)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI)、メタクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート(カレンズMOI−EG)、カレンズMOIのイソシアネートブロック体(カレンズMOI−BM)、カレンズMOIのイソシアネートブロック体(カレンズMOI−BP)、及び1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート)(カレンズBEI)等が挙げられる。
【0074】
上記メラミン化合物としては、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させた部分エーテル化化合物、及びアルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させた完全エーテル化化合物等が挙げられる。上記メラミン化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記のエーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール及びイソブタノール等が挙げられる。また、メラミン化合物は、単量体であってもよく、2量体以上の多量体であってもよく、単量体と多量体との混合物であってもよい。メラミン化合物は、メラミンの一部に尿素等を共縮合させた化合物であってもよい。メラミン化合物の反応性を上げるために触媒を用いてもよい。
【0075】
硬化物膜の傷付きをより一層抑え、硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、(C)窒素含有化合物は、モルホリン基含有化合物、又はイソシアネート化合物であることが好ましく、モルホリン基含有化合物であってもよく、イソシアネート化合物であってもよい。この場合に、硬化物膜の傷付きをより一層抑え、硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、上記モリホリン基含有化合物は、モリホリン基含有モノマーであることが好ましく、エチレン性不飽和結合を1個以上有することが好ましく、イソシアネート化合物は、脂肪族イソシアネート化合物又は脂環族イソシアネート化合物であることが好ましい。
【0076】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(C)窒素含有化合物の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは45重量%以下、より好ましくは33重量%以下である。(C)窒素含有化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の鉛筆硬度がより一層高くなる。
【0077】
上記光硬化性組成物が(C1)成分を含む場合に、上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(C1)成分の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは33重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。(C1)成分の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の鉛筆硬度がより一層高くなる。
【0078】
上記光硬化性組成物が(C2)成分を含む場合に、上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(C2)成分の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。(C2)成分の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の鉛筆硬度がより一層高くなる。
【0079】
(C)窒素含有化合物がモルホリン基含有化合物である場合に、硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、モルホリン基含有化合物の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは33重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。(C)窒素含有化合物がイソシアネート化合物である場合に、硬化物膜の鉛筆硬度をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、イソシアネート化合物の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
【0080】
((D)白色顔料)
上記光硬化性組成物が(D)白色顔料を含むことにより、光の反射率が高い硬化物膜を形成することができる。(D)白色顔料の使用によって、(D)白色顔料以外の充填材のみを用いた場合と比較して、光の反射率が高い硬化物膜が得られる。(D)白色顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0081】
(D)白色顔料としては、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン及び酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0082】
硬化物膜の光の反射率をより一層高める観点からは、(D)白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムであることが好ましい。この好ましい白色顔料を用いる場合に、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムの中で、1種又は2種以上の白色顔料を用いることができる。(D)白色顔料は、酸化チタン又は酸化亜鉛であることが好ましく、酸化チタンであることが好ましく、酸化亜鉛であることが好ましい。(D)白色顔料は、酸化ジルコニウムであってもよい。
【0083】
上記酸化チタンは、ルチル型酸化チタンであることが好ましい。ルチル型酸化チタンの使用により、硬化物膜の耐熱性がより一層高くなり、硬化物膜の変色がより一層抑えられる。
【0084】
上記酸化チタンは、アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタン(アルミニウム酸化物による表面処理物であるルチル型酸化チタン)であることが好ましい。上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンの使用により、硬化物膜の耐熱性がより一層高くなる。
【0085】
上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンとしては、例えば、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製「CR−90−2」、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製「CR−58」、ルチル塩素法酸化チタンであるデュポン社製「R−900」、並びにルチル硫酸法酸化チタンである石原産業社製「R−630」等が挙げられる。
【0086】
上記酸化亜鉛は、表面処理された酸化亜鉛であることが好ましい。硬化物膜の加工性及び硬化物膜の光の反射率をより一層高める観点からは、上記酸化亜鉛は、珪素、アルミニウム又はジルコニアを含む材料により表面処理されていることが好ましく、珪素を含む材料により表面処理されていることがより好ましい。上記酸化亜鉛は、上記の材料による表面処理物であることが好ましい。上記珪素を含む材料は、シリコーン化合物であることが好ましい。
【0087】
上記酸化ジルコニウムは、表面処理された酸化ジルコニウムであることが好ましい。硬化物膜の光の反射率をより一層高める観点からは、上記酸化ジルコニウムは、珪素、アルミニウム又はジルコニアを含む材料により表面処理されていることが好ましく、珪素を含む材料により表面処理されていることがより好ましい。上記珪素を含む材料は、シリコーン化合物であることが好ましい。
【0088】
上記表面処理の方法は特に限定されない。表面処理の方法として、乾式法、湿式法、インテグラルブレンド法、並びに他の公知慣用の表面処理方法を用いることができる。
【0089】
(D)白色顔料の平均粒径は、好ましくは1nm以上であり、好ましくは40μm以下である。上記平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の光の反射率をより一層高めることができる。
【0090】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(D)白色顔料の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。(D)白色顔料の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の光の反射率がより一層高くなり、上記硬化物膜の密着性がより一層高くなる。上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(D)白色顔料の含有量は、50重量%以上であってもよい。
【0091】
本発明では、特定の組成が採用されているために、(D)白色顔料の含有量が多くても、硬化物膜の密着性を高めることができる。例えば、上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(D)白色顔料の含有量が50重量%以上であっても、硬化物膜の密着性が十分に高くなる。
【0092】
((E)光重合開始剤)
上記光硬化性組成物は、(E)光重合開始剤を含むので、光の照射により光硬化性組成物を硬化させることができる。(E)光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0093】
(E)光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド、ハロメチル化トリアジン、ハロメチル化オキサジアゾール、イミダゾール、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、アントラキノン、ベンズアンスロン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、チオキサントン、安息香酸エステル、アクリジン、フェナジン、チタノセン、α−アミノアルキルフェノン、オキシム、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0094】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、o−ベンゾイル安息香酸メチル及びミヒラーズケトン等が挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤の市販品としては、EAB(保土谷化学社製)等が挙げられる。
【0095】
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、Lucirin TPO(BASF社製)、及びイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0096】
チオキサントン系光重合開始剤の市販品としては、イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0097】
アルキルフェノン系光重合開始剤の市販品としては、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア651(BASF社製)、及びエサキュア1001M(Lamberti社製)等が挙げられる。
【0098】
発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(E)光重合開始剤は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含むことが好ましく、アセトフェノン系光重合開始剤と、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との双方を含むことがより好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との双方を含むこともより好ましい。
【0099】
(A)オリゴマーと(B)モノマーとの合計100重量部に対して、(E)光重合開始剤の含有量は好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。(E)光重合開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光硬化性組成物を良好に光硬化させることができる。
【0100】
(A)オリゴマーと(B)モノマーとの合計100重量部は、光硬化性組成物が(B)モノマーを含まない場合には、(A)オリゴマー100重量部を意味し、光硬化性組成物が(B)モノマーを含む場合には、(A)オリゴマーと(B)モノマーとの合計100重量部を意味する。
【0101】
((F)熱硬化性化合物)
上記光硬化性組成物は、(F)熱硬化性化合物を含まないか、又は、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中で(F)熱硬化性化合物を5重量%以下で含むことが好ましい。すなわち、上記光硬化性化合物が熱硬化剤及び該熱硬化剤の作用により硬化される(F)熱硬化性化合物を含む場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は5重量%以下であることが好ましい。本発明では、(F)熱硬化性化合物を使用する場合には、(F)熱硬化性化合物の使用量を少なくすることが好ましい。光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中で(F)熱硬化性化合物の含有量が5重量%以下である組成物と、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中で(F)熱硬化性化合物の含有量が例えば10重量%以上である組成物とでは、硬化物の基本物性が一般に異なる。(F)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0102】
(F)熱硬化性化合物としては、(F1)エポキシ化合物等が挙げられる。
【0103】
上記光硬化性組成物は、(F1)エポキシ化合物を含まないか、又は、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中で(F1)エポキシ化合物を5重量%以下で含むことが好ましい。すなわち、上記光硬化性化合物が(F1)エポキシ化合物を含む場合に、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(F1)エポキシ化合物の含有量は5重量%以下であることが好ましい。(F1)エポキシ化合物は熱硬化剤の作用に硬化されることができる。本発明では、(F1)エポキシ化合物を使用する場合には、(F1)エポキシ化合物の使用量を少なくすることが好ましい。光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中で(F1)エポキシ化合物の含有量が5重量%以下である組成物と、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中で(F1)エポキシ化合物の含有量が例えば10重量%以上である組成物とでは、硬化物の基本物性が一般に異なる。(F1)エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0104】
剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は少ないほどよい。光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。
【0105】
剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(F1)エポキシ化合物の含有量は少ないほどよい。光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(F1)エポキシ化合物の含有量は好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。
【0106】
((G)チオール基を1個以上有するチオール基含有化合物)
(G)チオール基を1個以上有するチオール基含有化合物の使用により、高温下に晒されても、発泡及び剥離が生じ難い硬化物膜を得ることができ、かつ、耐熱性が高い硬化物膜を得ることができることができる。(G)チオール基含有化合物は窒素原子を有さないことが好ましい。(G)チオール基含有化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0107】
(G)チオール基含有化合物としては、メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸4−メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、1,4−ビス(3−メルカプトプロピオニルオキシ)ブタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)等のメルカプトカルボン酸エステル化合物;エチルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、tert−ブチルメルカプタン、n−ドデカンチオール、tert−ドデカンチオール等のメルカプトアルカン化合物;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール化合物;チオフェノール、ベンジルチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオール等の含芳香環メルカプタン化合物;(γ−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン及び(γ−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン等のシラン含有チオール化合物等が挙げられる。
【0108】
(G)チオール基含有化合物は、メルカプトカルボン酸エステル化合物であることが好ましく、2級チオール化合物であることがより好ましい。メルカプトカルボン酸エステル化合物を用いると、メルカプトカルボン酸エステル化合物が光硬化時に架橋構造に取り込まれることから、硬化後の揮発成分を抑制することができ、発泡をより一層抑制することができる。2級チオール化合物を用いると、チオール基含有化合物独特の臭気を抑制することができる。
【0109】
(G)チオール基含有化合物の具体例としては、SC有機化学社製のトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)等の1級多官能チオール;昭和電工社製のペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1)等の2級多官能チオール;SC有機化学社製のβ−メルカプトプロピオン酸(BMPA)、メチル−3−メルカプトプロピオネート(MPM)、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート(EHMP)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(NOMP)、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート(MBMP)、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート(STMP)等の単官能チオール等が挙げられる。
【0110】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、(G)チオール基含有化合物の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。(G)チオール基含有化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜における発泡、剥離及び変色がより一層抑制される。また、(G)チオール基含有化合物の含有量が上記上限以下であると、保存中に光硬化性組成物のゲル化が進行しにくい。(G)チオール基含有化合物の含有量が上記下限以上であると、硬化性がより一層高くなる。
【0111】
(A)オリゴマーと(B)モノマーとの合計100重量部に対して、(G)チオール基含有化合物の含有量は好ましくは0.2重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは6重量部以下である。(G)チオール基含有化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜における発泡、剥離及び変色がより一層抑制される。また、(G)チオール基含有化合物の含有量が上記上限以下であると、保存中に光硬化性組成物のゲル化が進行しにくい。(G)チオール基含有化合物の含有量が上記下限以上であると、硬化性がより一層高くなる。
【0112】
(他の成分)
高い鉛筆硬度と高い耐熱性とを両立する観点からは、上記光硬化性組成物は、酸化防止剤を含むことが好ましい。
【0113】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記硫黄系酸化防止剤は硫黄原子を含有する酸化防止剤である。上記リン系酸化防止剤はリン原子を含有する酸化防止剤である。
【0114】
酸化防止性能をより一層高め、高い鉛筆硬度と高い耐熱性とを効果的に高める観点からは、上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤であることが好ましい。
【0115】
上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
【0116】
上記リン系酸化防止剤としては、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、及び2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
【0117】
高い鉛筆硬度と高い耐熱性とを両立する観点からは、上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であることが好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]であることが特に好ましい。
【0118】
(D)白色顔料100重量部に対して、上記酸化防止剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは6重量部以下である。上記酸化防止剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、高い鉛筆硬度と高い耐熱性とを両立することができる。
【0119】
鉛筆硬度をより一層高くする観点からは、上記光硬化性組成物は、消泡剤を含むことが好ましい。
【0120】
上記消泡剤としては、KS−66及びKS−69(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0121】
上記光硬化性組成物の溶剤を除く成分100重量%中、上記消泡剤の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。上記消泡剤の含有量が上記下限以上であると、硬化物膜の均一性が高くなり、硬化物膜の鉛筆硬度がより一層高くなる。上記消泡剤の含有量が上記上限以下であると、硬化性がより一層高くなる。
【0122】
上記光硬化性組成物は、安定化剤を含むことが好ましい。上記光硬化性組成物が安定化剤を含むことで、(G)チオール基含有化合物を用いていても、保管中の光硬化性組成物のゲル化及び粘度変化がより一層抑えられる。具体的には、安定化剤として、例えば特開平5−155987号公報、特開2012−17448号公報等に記載された化合物を用いることができる。
【0123】
上記光硬化性組成物は、上述した成分以外に、溶剤、白色顔料以外の無機フィラー、有機フィラー、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、界面活性剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、ワックス、マスキング剤、消臭剤、芳香剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤及び密着性付与剤等を含んでいてもよい。上記密着性付与剤としては、シランカップリング剤等が挙げられる。
【0124】
上記光硬化性組成物は、溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0125】
上記溶剤は、一般的には、有機溶剤である。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル化合物、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素化合物、石油エーテル、ナフサ等の石油系溶剤並びに二塩基酸エステル等が挙げられる。上記二塩基酸エステルは、DBEと呼ばれている溶剤である。
【0126】
上記光硬化性組成物は、溶剤を含まないか、又は溶剤を50重量%以下で含むことが好ましい。溶剤の含有量は少ない方がよい。上記光硬化性組成物100重量%中、上記溶剤の含有量は好ましくは5重量%以下である。
【0127】
[電子部品及び電子部品の製造方法]
本発明に係る電子部品の製造方法は、電子部品本体の表面上に、上記光硬化性組成物を塗布して、組成物層を形成する工程と、上記組成物層に光を照射して、硬化物膜を形成する工程とを備える。本発明に係る電子部品の製造方法では、上記硬化物膜を形成するために、上記組成物層を現像しないことが好ましい。上記組成物層がレジスト層であることが好ましく、上記硬化物膜がレジスト膜であることが好ましく、ソルダーレジスト膜であることがより好ましい。上記光硬化性組成物は、レジスト膜を形成するために好適に用いることができ、ソルダーレジスト膜を形成するためにより好適に用いることができる。
【0128】
上記光硬化性組成物は現像を行わずに硬化物膜を形成するために好適に用いられるので、電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上記光硬化性組成物を塗布することが好ましい。
【0129】
電子部品本体の熱劣化を防ぐ観点からは、上記硬化物膜を形成するために、熱硬化剤の作用により上記組成物層を熱硬化させないことが好ましい。
【0130】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な電子部品の製造方法を説明する。以下に説明する実施形態では、上記組成物層がレジスト層であり、上記硬化物膜がレジスト膜である。レジスト膜を形成するために、非現像型レジスト光硬化性組成物が用いられている。
【0131】
先ず、図1(a)に示すように、塗布対象部材11を用意する。塗布対象部材11は、電子部品本体である。塗布対象部材11として、基板11Aが用いられており、基板11Aの表面上に複数の電極11Bが配置されている。
【0132】
次に、図1(b)に示すように、塗布対象部材11の表面上に、非現像型レジスト光硬化性組成物を塗布して、レジスト層12(組成物層)を形成する。図1(b)では、塗布対象部材11の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上記非現像型レジスト光硬化性組成物を塗布し、複数のレジスト層12を形成している。具体的には、基板11Aの表面上の複数の電極11Bの間に、複数のレジスト層12を形成している。レジスト層12は、例えばレジストパターンである。例えば、レジスト層12は、従来の現像型レジスト組成物を用いることを想定したときに、現像後に残存させて形成されるレジスト層部分に対応する位置にのみに形成されている。レジスト層12は、従来の現像型レジスト組成物を用い、現像により除去されるレジスト層部分に対応する位置に形成されていない。
【0133】
光硬化性組成物の塗布方法は、例えば、ディスペンサーによる塗布方法、スクリーン印刷による塗布方法、及びインクジェット装置による塗布方法等が挙げられる。製造効率に優れることから、スクリーン印刷が好ましい。非現像型レジスト光硬化性組成物をパターン印刷することが好ましい。
【0134】
次に、レジスト層12に光を照射する。例えば、レジスト層12の塗布対象部材11側とは反対側から、レジスト層12に光を照射する。この結果、図1(c)に示すように、レジスト層12が光硬化し、レジスト膜2(硬化物膜)が形成される。この結果、塗布対象部材11(電子部品本体)の表面上に、レジスト膜2が形成された電子部品1が得られる。
【0135】
なお、図1(a)〜(c)を用いて説明したレジスト膜を備える電子部品の製造方法は、一例であり、電子部品の製造方法は、適宜変更することができる。電子部品の製造時に、レジスト膜を形成するために現像は行われないことが好ましい。
【0136】
なお、従来、現像型レジスト組成物が用いられることが多かった。ネガ型の現像型レジスト組成物を用いる場合には、図2(a)に示すように、例えば、基板111Aと、基板111Aの表面上に配置された電極111Bとを有する塗布対象部材111を用意する。次に、図2(b)に示すように、塗布対象部材111の表面上に、全体に、レジスト層112を形成する。次に、図2(c)に示すように、マスク113を介して、電極111B間上のレジスト層112のみに光を照射する。その後、図2(d)に示すように、現像し、電極111B上に位置しかつ光が照射されていないレジスト層112を部分的に除去する。レジスト層112を部分的に除去した後、残存しているレジスト層112を熱硬化させる。この結果、図2(e)に示すように、塗布対象部材111(電子部品本体)の表面上に、レジスト膜102が形成された電子部品101を得る。
【0137】
このように、現像型レジスト組成物を用いる場合には、レジスト膜の形成効率及び電子部品の製造効率が悪い。さらに、現像を行う必要がある。
【0138】
これに対して、本発明に係る光硬化性組成物を用いることにより、硬化物膜(レジスト膜など)の形成効率及び電子部品の製造効率を高めることができる。また、現像を行う必要がない。
【0139】
また、本発明では、電子部品として、上記硬化物膜を光反射層として備える反射板を作製してもよい。
【0140】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0141】
(合成例)
エポキシ(メタ)アクリレートの合成例1:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「YD−127」)100gとアクリル酸28gとを反応容器に入れ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.06gとテトラブチルアンモニウムブロマイド0.64gとを加えて、90℃にて4時間反応を行った。次に、トルエン300mlと水200mlと炭酸ナトリウム1gとを加えて、常温で1時間撹拌した。その後、水相を分相し、除去した。トルエン相に無水芒硝10gを加え、常温にて1時間撹拌した。その後、芒硝を濾過により除去し、トルエンを減圧除去して、目的物のエポキシアクリレート1を120gを得た。
【0142】
得られた縮合物の重量平均分子量は900、酸価は10mgKOH/gであった。
【0143】
エポキシ(メタ)アクリレートの合成例2:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「YD−134」)100gとアクリル酸22gとを反応容器に入れ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.06gとテトラブチルアンモニウムブロマイド0.64gとを加えて、90℃にて4時間反応を行った。次に、トルエン300mlと水200mlと炭酸ナトリウム2gとを加えて、常温で1時間撹拌した。その後、水相を分相し、除去した。トルエン相に無水芒硝10gを加え、常温にて1時間撹拌した。その後、芒硝を濾過により除去し、トルエンを減圧除去して、目的物のエポキシアクリレート2を120gを得た。
【0144】
得られた縮合物の重量平均分子量は1700、酸価は1mgKOH/gであった。
【0145】
エポキシ(メタ)アクリレートの合成例3:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「YD−011」)100gとアクリル酸18gとを反応容器に入れ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.06gとテトラブチルアンモニウムブロマイド0.64gとを加えて、90℃にて4時間反応を行った。次に、トルエン300mlと水200mlと炭酸ナトリウム2gとを加えて、常温で1時間撹拌した。その後、水相を分相し、除去した。トルエン相に無水芒硝10gを加え、常温にて1時間撹拌した。その後、芒硝を濾過により除去し、トルエンを減圧除去して、目的物のエポキシアクリレート3を100gを得た。
【0146】
得られた縮合物の重量平均分子量は3000、酸価は1mgKOH/gであった。
【0147】
エポキシ(メタ)アクリレートの合成例4:
ノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「YDCN−704」)100gとアクリル酸22gとを反応容器に入れ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.06gとテトラブチルアンモニウムブロマイド0.64gとを加えて、90℃にて4時間反応を行った。次に、トルエン300mlと水200mlと炭酸ナトリウム2gとを加えて、常温で1時間撹拌した。その後、水相を分相し、除去した。トルエン相に無水芒硝10gを加え、常温にて1時間撹拌した。その後、芒硝を濾過により除去し、トルエンを減圧除去して、目的物のエポキシアクリレート4を110gを得た。
【0148】
得られた縮合物の重量平均分子量は1900、酸価は1mgKOH/gであった。
【0149】
(実施例6,9,11、参考例1〜5,7,8,10,12〜14及び比較例1〜3)
(1)非現像型レジスト光硬化性組成物の調製
以下の表1,2に示す配合成分を以下の表1,2に示す配合量で配合して、非現像型レジスト光硬化性組成物を調製した。
【0150】
(2)電子部品の作製
100mm×100mm×厚さ0.8mmのFR−4に銅箔を積層した基板を用意した。この基板上に、MD−4S−UFF(3M社製、番手:1000)でバフ処理後、スクリーン印刷法により、255メッシュのポリエステルバイアス製の版を用いて、マスクパターンで非現像型レジスト光硬化性組成物を印刷して、レジスト層を形成した。印刷後、紫外線照射装置を用い、レジスト層に波長365nmの紫外線を、照射エネルギーが1500mJ/cmとなるように500mW/cmの紫外線照度で、ベルトコンベアー式露光器に流すことにより照射し、測定サンプルとしてのレジスト膜を得た。得られたレジスト膜の厚みは20μmであった。
【0151】
(評価)
(1)粘度
得られた光硬化性組成物について、E型粘度計:東機産業社製「VISCOMETER TV−22」を用いて、25℃及び10rpmの条件で粘度を測定した。
【0152】
[粘度の判定基準]
A:1Pa・s以上、かつ30Pa・s以下
B:1Pa・s未満、又は30Pa・sを超える
【0153】
(2)硬度(鉛筆硬度)
得られた電子部品のレジスト膜について、JIS K5600−5−4に準拠して、鉛筆硬度を求めた。
【0154】
(3)硬度(鉛筆硬度)試験におけるきず跡の大きさ
実施例及び参考例の電子部品のレジスト膜について、上記(2)硬度(鉛筆硬度)の試験において、4Hの鉛筆を用いた場合のきず跡の大きさを評価した。参考例1をSTDとして、他の実施例及び他の参考例のきず跡の大きさを評価した。
【0155】
[きず跡の大きさの判定基準]
A:参考例1(STD)よりもきず跡がかなり小さい
B:参考例1(STD)よりもきず跡がやや小さい
C:参考例1(STD)、又は参考例1(STD)と同等
D:参考例1(STD)よりもきず跡が大きい
−:評価せず
【0156】
(4)反射率
得られた電子部品のレジスト膜について、色彩色度計(コニカミノルタ社製「CR−400」)を用いて反射率Yを測定し、以下の基準で判定した。
【0157】
[反射率の判定基準]
○:80%以上
×:80%未満
【0158】
(5)密着性(碁盤目試験)
得られた電子部品について、クロスカットテープ試験(JIS 5600)で確認し、密着性を確認した。1mm間隔で碁盤目に、硬化物に切り込みを20マス分カッターで作成し、次に切り込み部分を有する硬化物にセロハンテープ(JIS Z1522)を十分に貼りつけて、テープの一端を60度の角度で強く引き剥がして、剥離状態を確認した。剥離状態をJISに従い分類した。分類0,1,2の場合に、剥離した基盤目の数は0である。
【0159】
組成及び結果を下記の表1,2に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
【表2】
【符号の説明】
【0162】
1…電子部品
2…レジスト膜(硬化物膜)
11…塗布対象部材(電子部品本体)
11A…基板
11B…電極
12…レジスト層(組成物層)
【要約】
鉛筆硬度が高い硬化物膜を得ることができ、かつ白色顔料が使用されていることにより、光の反射率が高い硬化物膜を得ることができる光硬化性組成物を提供する。
本発明に係る光硬化性組成物は、カルボキシル基を有さず、かつエチレン性不飽和結合を2個以上有するオリゴマーと、窒素含有化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、25℃及び10rpmでの光硬化性組成物の粘度が1Pa・s以上、30Pa・s以下である。
図1
図2