特許第6221018号(P6221018)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6221018
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】光学積層体、偏光板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20171016BHJP
   G02B 1/16 20150101ALI20171016BHJP
   G02B 1/18 20150101ALI20171016BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20171016BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20171016BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20171016BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20171016BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   G02B5/02 C
   G02B1/16
   G02B1/18
   G02B5/30
   G02F1/1335 510
   G09F9/00 313
   B32B7/02 103
   B32B27/20 Z
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-531798(P2017-531798)
(86)(22)【出願日】2017年2月14日
(86)【国際出願番号】JP2017005308
【審査請求日】2017年6月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-27340(P2016-27340)
(32)【優先日】2016年2月16日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314017635
【氏名又は名称】株式会社トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中西 隆之
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−45142(JP,A)
【文献】 特開2008−292987(JP,A)
【文献】 特開2005−300576(JP,A)
【文献】 特許第5066535(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00− 5/136
G02B 1/10− 1/18
G02B 5/30
B32B 3/30
B32B 7/02
B32B27/20
G02F 1/1335
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性基体上に光学機能層が少なくとも1層以上積層されてなる光学積層体であって、
前記光学機能層の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成されており、
前記光学機能層が2種類の無機微粒子と樹脂粒子とを含有し、
前記光学積層体が以下の条件式(1)〜(4)を満足する内部ヘイズXと、全ヘイズYとを有し、
Y>X ・・・(1)
Y≦X+25 ・・・(2)
Y≦50 ・・・(3)
7≦X≦25 ・・・(4)
0.5mm幅の光学くしを用いた透過像鮮明度が15〜55%であり、
前記光学機能層の最表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり900個以上であり、
前記光学機能層の最表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.7μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり60個以下であることを特徴とする、光学積層体。
【請求項2】
前記光学機能層の最表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.1μm以上である全ての凸部分の平均面積が310μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記光学機能層が含有する2種類の無機微粒子が、無機ナノ粒子と膨潤性粘土とであることを特徴とする、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記光学機能層中の前記樹脂粒子の含有割合A(%)と、前記無機ナノ粒子の含有割合B(%)とが、以下の条件式(5)及び(6)を満足することを特徴とする、請求項に記載の光学積層体。
0<B≦0.313A−1.06 ・・・(5)
5.0≦A≦13.0 ・・・(6)
【請求項5】
前記光学機能層の膜厚が樹脂粒子の平均粒径の100〜140%であることを特徴とする、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項6】
前記光学機能層が、放射線硬化型樹脂組成物を主成分とする1層以上の光学機能層からなることを特徴とする、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項7】
前記光学機能層が含有する2種類の無機微粒子が凝集体を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項8】
屈折率調整層、帯電防止層、防汚層のうちの少なくとも1層を更に備える、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項9】
請求項1に記載の光学積層体を構成する前記透光性基体上に、偏光基体が積層されてなることを特徴とする、偏光板。
【請求項10】
請求項1に記載の光学積層体を備えることを特徴とする、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防眩性フィルムに好適な光学積層体、並びに、これを用いた偏光板及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防眩性フィルムは、その表面の凹凸構造で外光を散乱させることによって防眩性を発揮する。防眩性フィルムの表面の凹凸構造は、樹脂層内で粒子(フィラー)を凝集させることにより形成される。
【0003】
防眩性フィルムには、防眩性以外に耐ギラツキ性、高コントラストなどの機能が求められる。従来、粒子(フィラー)の形状、粒径、屈折率、塗料物性(粘度)、塗工プロセスなどの調整により、表面の凹凸構造(外部散乱)と内部散乱との最適化を図り、防眩性、耐ギラツキ性、コントラストの改善が図られてきた。ただし、防眩性、耐ギラツキ性及びコントラストは、トレードオフの関係にある。
【0004】
防眩性は、粒径の大きいフィラーの使用、フィラー添加量の増量、フィラーの凝集を強めることにより高くなる。この場合、凹凸サイズが大きくなることで防眩性は高まるが、レンズ効果の増加により耐ギラツキ性が悪化する。
【0005】
耐ギラツキ性は、樹脂との屈折率差の大きいフィラーの使用やフィラー添加量の増量による内部散乱の増加により良化するが、拡散光が増加するため、コントラストは低下する。
【0006】
コントラストは、内部散乱を低下させることで良化するが、耐ギラツキ性は悪化する。また、低反射層を設けることでもコントラストは良化するが、多層構成となるためコスト面で不利になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/093769号
【特許文献2】国際公開第2007/111026号
【特許文献3】特開2011−232683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年の画像パネルの高精細化により、既存の防眩性フィルムの耐ギラツキ性は不十分であり、防眩性とコントラストとを維持しつつ、耐ギラツキ性を向上させた防眩性フィルムが求められている。
【0009】
それ故に、本発明は、画像表示パネル、特に、200ppi以上の高精細な画像表示パネルに適用した場合に、防眩性及びコントラストを維持しつつ、ギラツキを抑制できる光学積層体、並びに、これを用いた偏光板及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、透光性基体上に光学機能層が少なくとも1層以上積層されてなる光学積層体に関するものである。本発明に係る光学積層体において、光学機能層の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成されており、光学機能層が2種類の無機微粒子と樹脂粒子とを含有し、光学積層体が以下の条件式(1)〜(4)を満足する内部ヘイズXと、全ヘイズYとを有し、
Y>X ・・・(1)
Y≦X+25 ・・・(2)
Y≦50 ・・・(3)
7≦X≦25 ・・・(4)
0.5mm幅の光学くしを用いた透過像鮮明度が15〜55%であり、光学機能層の最表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり900個以上であり、光学機能層の最表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.7μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり60個以下である
【0011】
また、本発明に係る偏光板及び画像表示装置は、上記の光学積層体を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、200ppi以上の高精細な画像表示パネルに適用した場合でも、防眩性及びコントラストを維持しつつ、ギラツキを抑制できる光学積層体、並びに、これを用いた偏光板及び画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る光学積層体の概略構成を示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係る偏光板の概略構成を示す断面図である。
図3図3は、実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。
図4図4は、実施例5及び比較例5に係る光学積層体の光学機能層表面の凹凸形状を示す図である。
図5図5は、表2に示した実施例1〜13、比較例1〜3、7、8における樹脂粒子の添加量と、コロイダルシリカの添加量とをプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、実施形態に係る光学積層体の概略構成を示す断面図である。実施形態に係る光学積層体100は、透光性基体1と、透光性基体1に積層された少なくとも1層の光学機能層2とを備える。光学機能層2の表面には、微細な凹凸が形成されている。この凹凸が外交を乱反射させることによって、光学機能層2が防眩性を発揮する。
【0015】
透光性基体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。
【0016】
透光性基体の全光線透過率(JIS K7105)は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、透光性基体の厚さは、光学積層体の生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmであることが好ましく、25〜250μmであることがより好ましい。
【0017】
透光性基体には、光学機能層との密着性を向上させるために、表面改質処理を施すことが好ましい。表面改質処理としては、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理、界面活性剤やシランカップリング剤等の塗布、Si蒸着等を例示できる。
【0018】
光学機能層は、基材樹脂と、樹脂粒子(有機フィラー)と、2種類の無機微粒子とを含有する。光学機能層は、電離放射線または紫外線の照射により硬化する基材樹脂と、樹脂粒子と、2種類の無機微粒子とを混合した樹脂組成物を透光性基体に塗布し、塗膜を硬化させることによって形成される。
【0019】
以下、光学機能層の形成に用いる樹脂組成物の構成成分について説明する。
【0020】
基材樹脂としては、電離放射線または紫外線の照射により硬化する樹脂を使用できる。
【0021】
電離放射線の照射により硬化する樹脂材料としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独でまたは混合して使用できる。モノマーとしては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を例示できる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を例示できる。
【0022】
上述した樹脂材料は、光重合開始剤の添加を条件として、紫外線の照射により硬化させることができる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等のカチオン重合開始剤を単独でまたは混合して使用できる。
【0023】
光学機能層に添加する樹脂粒子(有機フィラー)は、基材樹脂中で凝集して、光学機能層の表面に微細な凹凸構造を形成する。樹脂粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等の透光性樹脂材料からなるものを使用できる。樹脂粒子の材料の屈折率は、1.40〜1.75であることが好ましい。屈折率や樹脂粒子の分散を調整するために、材質(屈折率)の異なる2種類以上の樹脂粒子を混合して使用しても良い。
【0024】
また、樹脂粒子の屈折率をn及び基材樹脂の屈折率nは、以下の条件(α)を満足することが好ましく、以下の条件(β)を満足することがより好ましい。
|n−n|≧0.025 ・・・(α)
|n−n|≧0.035 ・・・(β)
【0025】
基材となる樹脂材料の屈折率nと、樹脂粒子の屈折率をnとが、条件(α)を満足しない場合、所望の内部ヘイズを得るためには樹脂粒子の添加量を多くする必要があり、画像鮮明性が悪化する。
【0026】
樹脂粒子の平均粒径は、0.3〜10.0μmであることが好ましく、1.0〜7.0μmであることがより好ましい。樹脂粒子の平均粒径が0.3μm未満の場合、防眩性が低下する。一方、樹脂粒子の平均粒径が10.0μmを超えると、光学機能層表面の凹凸高さの面積比を制御できず、耐ギラツキ性が悪化する。
【0027】
本実施形態に係る光学積層体において、光学機能層の固形分中の樹脂粒子の含有量は、5.0〜13.0%である。樹脂粒子の含有量が5.0%を下回ると、光学機能層の表面の凹凸が少なくなり、防眩性が低下する。一方、樹脂粒子の含有量が13.0%を超えると、耐ギラツキ性が低下する。
【0028】
光学機能層の基材樹脂には、2種類の無機微粒子として、第1の無機微粒子及び第2の無機微粒子を添加する。
【0029】
第1の無機微粒子としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化亜鉛を単独でまたは混合して使用できる。第1の無機微粒子を添加することにより、樹脂粒子の過剰な凝集が抑制され、光学機能層の表面に形成される凹凸構造を均一化、すなわち、局所的に凹凸が大きくなることを抑制できる。第1の無機微粒子の添加により、防眩性及び高コントラストを維持したまま、耐ギラツキ性を向上できる。
【0030】
第1の無機微粒子は、平均粒径が10〜100nmの無機ナノ粒子であることが好ましい。第1の無機微粒子としてコロイダルシリカを使用する場合は、平均粒径が20nm程度であることがより好ましく、第1の無機微粒子としてアルミナまたは酸化亜鉛を使用する場合は、平均粒径が40nm程度であることがより好ましい。第1の無機微粒子の添加量は、光学機能層形成用樹脂組成物の全重量に対して0.05〜10%であることが好ましく、0.1〜3.0%であることがより好ましい。第1の無機微粒子の添加量がこの範囲を外れると、光学機能層表面の凹凸高さの面積比を制御できず、耐ギラツキ性が悪化する。
【0031】
第2の無機微粒子は、平均粒径が10〜200nmの無機ナノ粒子であることが好ましい。第2の無機微粒子の添加量は、0.1〜5.0%であることが好ましい。第2の無機微粒子としては、例えば、膨潤性粘土を用いることができる。膨潤性粘土は、陽イオン交換能を有し、該膨潤性粘土の層間に溶媒を取り込んで膨潤するものであればよく、天然物であっても合成物(置換体、誘導体を含む)であってもよい。また、天然物と合成物との混合物であってもよい。膨潤性粘土としては、例えば、雲母、合成雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、層状チタン酸、スメクタイト、合成スメクタイト等を挙げることができる。これらの膨潤性粘土は、1種を使用してもよいし、複数を混合して使用してもよい。
【0032】
第2の無機微粒子としては、層状有機粘土がより好ましい。本発明において、層状有機粘土とは、膨潤性粘土の層間に有機オニウムイオンを導入したものをいう。有機オニウムイオンは、膨潤性粘土の陽イオン交換性を利用して有機化することができるものであれば制限されない。第2の無機微粒子として、例えば、合成スメクタイト(層状有機粘土鉱物)を使用できる。合成スメクタイトは、光学機能層形成用樹脂組成物の粘性を増加させる増粘剤として機能する。増粘剤としての合成スメクタイトの添加は、樹脂粒子及び第1の無機微粒子の沈降を抑制して、光学機能層の表面の凹凸構造形成に寄与する。
【0033】
また、第1の無機微粒子と第2の無機微粒子とを併用した場合、光学機能層中で第1の無機微粒子と第2の無機微粒子が凝集体を形成する。この凝集体が樹脂粒子の凝集を抑制し、光学機能層表面の凹凸形状の凹凸高さが平準化されることで、光学機能層表面での光の散乱が均一化され、耐ギラツキ性を向上できる。
【0034】
また、光学機能層形成用の樹脂組成物には、レベリング剤を添加しても良い。レベリング剤は、乾燥過程の塗膜の表面に配向して、塗膜の表面張力を均一化し、塗膜の表面欠陥を低減させる機能を有する。
【0035】
更に、光学機能層形成用の樹脂組成物には、適宜有機溶剤を添加しても良い。有機溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族炭化水素等を例示できる。
【0036】
光学機能層の膜厚は、1.0〜12.0μmであることが好ましく、3.0〜10.0μmであることが更に好ましい。光学機能層の膜厚が1μm未満の場合、酸素阻害による硬化不良を生じ、光学機能層の耐擦傷性が低下しやすくなる。一方、光学機能層の膜厚が12.0μmを超えると、基材樹脂層の硬化収縮によるカールが強くなるため好ましくない。
【0037】
また、光学機能層の膜厚は、樹脂粒子の平均粒径の100〜140%であることが好ましく、樹脂粒子の平均粒径の100〜130%であることがより好ましい。光学機能層の膜厚が樹脂粒子の平均粒径の100%未満の場合、白味の際立った品位の低い防眩性となってしまう。一方、光学機能層の膜厚が樹脂粒子の平均粒径の140%を超えると、樹脂粒子の凝集抑制が困難となり、耐ギラツキ性が不足する。
【0038】
また、本実施形態に係る光学積層体は、内部ヘイズX及び全ヘイズYは、以下の条件(1)〜(4)を同時に満足する。
Y>X ・・・(1)
Y≦X+25 ・・・(2)
Y≦50 ・・・(3)
7≦X≦25 ・・・(4)
【0039】
内部ヘイズXが条件式(4)を満足せず、7%未満の場合、耐ギラツキ性が不足する。一方、内部ヘイズXが条件式(4)を満足せず、25%を超える場合、コントラストが悪化する。
【0040】
また、全ヘイズYが条件式(3)を満足せず、50%を超える場合、光学機能層表面の凹凸が大きく、耐ギラツキ性が不足する。
【0041】
本実施形態に係る光学積層体の透過像鮮明度は、0.5mm幅の光学くしを用いて測定した測定値が15〜55%である。透過像鮮明度が15%未満の場合、耐ギラツキ性が悪化する。一方、透過像鮮明度が55%を超えると、防眩性が悪化する。
【0042】
本実施形態に係る光学機能層表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数が測定面積1mm当たり900個以上である。ここで、凹凸高さとは、測定面の全ての凹凸高さの平均レベル(高さ0)を基準とした、測定面に対して直交する方向の凹部及び凸部のレベル差をいう。凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数が測定面積1mm当たり900個未満の場合、樹脂粒子の凝集により1つの凸部分が占める面積が大きくなるため、200ppi以上の画像表示装置の防眩性フィルムとして光学積層体を用いた場合に耐ギラツキ性が悪化する。
【0043】
また、本実施形態に係る光学機能層表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.7μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり60個以下である。凹凸高さが0.7μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり60個以下である場合、局所的に凹凸の大きい部分が少なくなり、耐ギラツキ性が向上する。
【0044】
また、本実施形態に係る光学機能層表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.1μm以上である全ての凸部分の平均面積が310μm以下である。凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数が1mm当たり900個以上で、かつ、凸部分の平均面積が310μm以下である場合、凸部分の平均面積が小さくなり、凸部分が均一に分布するため、耐ギラツキ性が向上する。
【0045】
従来、過剰なフィラー凝集を抑制するために、塗料粘度を調整する手法や、塗工時の塗料固形分濃度を高くする手法や、揮発速度の速い溶剤を使用して乾燥時の対流を抑制する手法が採用されてきたが、これらの手法を採用した場合、塗工ムラなどの面状故障が発生しやすくなるという問題がある。これに対して、上記の実施形態で説明したように、2種類の無機微粒子を添加する方法であれば、塗料物性や乾燥速度に影響を与えないため、塗工適性を維持したまま耐ギラツキ性の向上が可能となる。
【0046】
図2は、実施形態に係る偏光板の概略構成を示す断面図である。偏光板110は、光学積層体100と、偏光フィルム11とを備える。光学積層体100は、図1に示したものであり、透光性基体1の光学機能層2が設けられていない側の面に、偏光フィルム(偏光基体)11が設けられている。偏光フィルム11は、例えば、透明基材3と偏光層4と透明基材5とをこの順に積層したものである。透明基材3及び5、偏光層4の材質は特に限定されるものではなく、通常、偏光フィルムに使用されるものを適宜用いることができる。
【0047】
図3は、実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。表示装置120は、光学積層体100と、偏光フィルム11と、液晶セル13と、偏光フィルム(偏光基体)12と、バックライトユニット14とをこの順に積層したものである。偏光フィルム12は、例えば、透明基材6と偏光層7と透明基材8とをこの順に積層したものである。透明基材6及び8、偏光層7の材質は特に限定されるものではなく、通常、偏光フィルムに使用されるものを適宜用いることができる。液晶セル13は、透明電極を有する一対の透明基材の間に液晶分子が封入された液晶パネルと、カラーフィルタとを備え、透明電極間に印可された電圧に応じて液晶分子の配向を変化させることにより、各画素の光の透過率を制御して像を形成する装置である。バックライトユニット14は、光源と光拡散板と(いずれも図示せず)を備え、光源から出射された光を均一に拡散させて出射面から出射する照明装置である。
【0048】
尚、図3に示した表示装置120は、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルム、タッチセンサを更に備えていても良い。
【0049】
本実施形態に係る光学積層体は、ギラツキを抑制する光学機能層に加えて、更に、低屈折率層等の屈折率調整層、帯電防止層、防汚層の少なくとも1層を有していても良い。
【0050】
低屈折率層は、ギラツキを抑制する光学機能層の上に設けられ、表面の屈折率を低下させることにより反射率を低減するための機能層である。低屈折率層は、ポリエステルアクリレート系モノマー、エポキシアクリレート系モノマー、ウレタンアクリレート系モノマー、ポリオールアクリレート系モノマー等の電離放射線硬化性材料と重合開始剤とを含む塗液を塗布し、塗膜を重合により硬化させて形成できる。低屈折率層には、低屈折粒子としては、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、または、NaAlF(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率微粒子を分散させても良い。また、低屈折率微粒子としては、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を使用することで、屈折率を下げることができる。
【0051】
帯電防止層は、ポリエステルアクリレート系モノマー、エポキシアクリレート系モノマー、ウレタンアクリレート系モノマー、ポリオールアクリレート系モノマー等の電離放射線硬化性材料と、重合開始剤と、耐電防止剤とを含む塗液を塗布し、重合により硬化させることによって形成できる。帯電防止剤としては、例えば、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)等の金属酸化物系微粒子、高分子型導電性組成物や、4級アンモニウム塩等を使用できる。帯電防止層は、光学積層体の最表面に設けられても良いし、ギラツキを抑制する光学機能層と透光性基体との間に設けられても良い。
【0052】
防汚層は、光学積層体の最表面に設けられ、光学積層体に撥水性及び/または撥油性を付与することにより、防汚性を高めるものである。防汚層は、珪素酸化物、フッ素含有シラン化合物、フルオロアルキルシラザン、フルオロアルキルシラン、フッ素含有珪素系化合物、パーフルオロポリエーテル基含有シランカップリング剤等をドライコーティングまたはウェットコーティングすることにより形成できる。
【0053】
上述した低屈折率層、帯電防止層、防汚層の他に、または、低屈折率層、帯電防止層、防汚層に加えて、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等の少なくとも1層を設けても良い。
【実施例】
【0054】
以下、実施形態に係る光学積層体を具体的に実施した実施例を説明する。
【0055】
(光学積層体の製造方法)
以下に示す材料を表1及び2に記載の割合で配合した光学機能層形成用塗工液を調整し、調整した塗液を、厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(透光性基体)に塗布した。塗膜を乾燥(溶媒を揮発)させた後、塗膜を重合により硬化させることによって、光学機能層を形成し、実施例1〜13及び比較例1〜8に係る光学積層体を得た。尚、表1における「−」は、該当する材料を配合していないことを表す。
【0056】
[光学機能層形成用塗工液の使用材料]
・基材樹脂:UV/EB硬化性樹脂 ライトアクリレートPE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学株式会社製)、屈折率1.52
・樹脂粒子(有機フィラー):
架橋スチレン単分散粒子 SX350H(綜研化学株式会社製)、平均粒径3.50μm、屈折率1.595
テクポリマー SSX2035JXE(積水化成品工業株式会社)、平均粒径3.35μm、屈折率1.565
テクポリマー SSX504TNR(積水化成品工業株式会社)、平均粒径3.60μm、屈折率1.555
テクポリマー XX−104CR(積水化成品工業株式会社)、平均粒径3.50μm、屈折率1.595
テクポリマー XX−62CR(積水化成品工業株式会社)、平均粒径3.50μ、屈折率1.515
尚、上記のSX350H及びXX−104CRの材質は、ポリスチレンであり、SSX2035JXE、SSX504TNR及びXX−62CRの材質は、スチレン−メタクリル酸メチルの共重合体である。
・コロイダルシリカ:オルガノシリカゾル MEK−ST−40(日産化学工業株式会社製)、平均粒径10〜15nm
・合成スメクタイト:ルーセンタイト SAN(コープケミカル株式会社製)
・フッ素系レベリング剤:メガファック F−471(DIC株式会社製) 0.1%
・溶剤:トルエン
【0057】
表1に、実施例1〜13及び比較例1〜8で用いた樹脂粒子の組成を示す。また、表2に、実施例1〜13及び比較例1〜8で用いた光学機能層形成用塗工液の組成と、膜厚、ヘイズ値、透過像鮮明度、光学機能層の最表面に存在する凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数の測定値と、防眩性、耐ギラツキ性、輝度比、膜厚条件の評価結果とを示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
尚、表1及び2に示す各成分の添加割合は、光学機能層形成用塗工液の全固形分質量に占める割合(質量%)である。ここで、光学機能層形成用塗工液の全固形分とは、溶剤を除く成分を指す。したがって、光学機能層形成用塗工液の全固形分中の樹脂粒子、第1の無機微粒子、第2の無機微粒子の配合割合(質量%)と、光学機能層形成用塗工液の硬化膜である光学機能層中の樹脂粒子、第1の無機微粒子、第2の無機微粒子の含有割合(質量%)とは等しい。
【0061】
膜厚、ヘイズ値、透過像鮮明度、光学機能層の最表面に存在する凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数の測定方法は、次の通りである。
【0062】
[膜厚]
光学機能層の膜厚は、リニアゲージ(D−10HS、株式会社尾崎製作所製)を用いて測定した。
【0063】
[ヘイズ値]
ヘイズ値は、JIS K7105に従い、ヘイズメーター(NDH2000、日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。ここで、光学積層フィルムのヘイズ値を全ヘイズとした。また、光学積層フィルムの微細凹凸形状が設けられた表面に粘着剤付き透明性シートを貼り合わせて測定したヘイズ値から、粘着剤付き透明性シートのヘイズ値を引いた値を、内部ヘイズとした。尚、粘着材付き透明性シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)に、アクリル系粘着材(厚さ10μm)を塗布したものを用いた。
【0064】
[透過像鮮明度]
透過像鮮明度は、JIS K7105に従い、写像性測定器(ICM−1T、スガ試験器株式会社製)を用いて、光学くし幅0.5mmで測定した。
【0065】
[凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数の測定方法]
光学機能層の最表面の凹凸形状は、非接触表面・層断面形状計測システム(測定装置:バートスキャンR3300FL−Lite−AC、解析ソフトウェア:VertScan4、株式会社菱化システム製)を用いて、光干渉方式により測定した。測定データを装置の解析ソフトウェアを用いて解析し、凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数を解析ソフトウェアで計測した。
【0066】
表3に、当該計測システムの測定条件及び解析条件を示す。
【0067】
【表3】
【0068】
防眩性、耐ギラツキ性、輝度比、膜厚条件については、以下の評価方法にしたがって評価した。
【0069】
[防眩性の評価方法と評価基準]
防眩性は各実施例及び各比較例の光学積層体を透明な粘着層を介して黒色アクリル板(スミペックス960 住友化学株式会社製)に貼り合せた後、黒アクリル板の中心から垂直に50cm離れた場所より照度250lxの条件下で見た場合の自分の像(顔)の黒アクリル板への写り込みの有無を任意の100人の目視判定により評価した。評価結果は、写り込みを感じなかった人が70人以上の場合を「○」、30人以上70人未満の場合を「△」、30人未満の場合を「×」とした。
【0070】
[耐ギラツキ性の評価方法と評価基準]
耐ギラツキ性は、各実施例及び各比較例の光学積層体を透明な粘着層を介して液晶モニター(iPad3(第3世代) アップルインコーポレイテッド製、264ppi、「iPad」は登録商標)の画面表面に貼り合わせた後、液晶モニターを緑色表示状態にし、暗室下で画面表面の中心から垂直に50cm離れた場所より液晶モニターを見た場合のギラツキの有無を任意の100人の目視判定により評価した。評価結果は、ギラツキを感じなかった人が70人以上の場合を「○」、30人以上70人未満の場合を「△」、30人未満の場合を「×」とした。
【0071】
[輝度比の評価方法と評価基準]
輝度比は、各実施例及び各比較例の光学積層体と透光性基体を透明な粘着層を介して液晶モニター(iPad3(第3世代) アップルインコーポレイテッド製、264ppi「iPad」は登録商標)の画面表面に貼り合わせた後、液晶モニターを白色表示状態にし、暗室下で画面表面の中心から垂直に70cm離れた場所より分光放射計(SU−UL1R 株式会社トプコン製)にて輝度を測定した。透光性基体の輝度を100%として、95%以上の場合を「○」、95%未満の場合を「×」とした。
【0072】
[膜厚条件の評価方法と評価基準]
光学機能層の膜厚の測定値が、樹脂粒子の平均粒径の100〜140%である場合を「○」、樹脂粒子の平均粒径の100〜140%から外れる場合を「×」とした。
【0073】
表2に示すように、実施例1〜13に係る光学積層体の全ヘイズ(Y)及び内部ヘイズ(X)は、上述した条件式(1)〜(4)を全て満足し、透過像鮮明度も15〜55%の範囲内であり、更に、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分の測定面積1mm当たりの数も900個以上であった。そのため、実施例1〜13に係る光学積層体は、耐ギラツキ性、防眩性及び輝度比のいずれも良好であった。
【0074】
これに対して、比較例1及び2に係る光学積層体では、透過像鮮明度が55%を超えたことにより、防眩性が不十分であった。
【0075】
比較例3に係る光学積層体では、第1の無機微粒子としてコロイダルシリカを配合しなかったために、樹脂粒子の過剰な凝集を抑制できず、光学機能層の表面に形成される凹凸構造が局所的に大きくなり、耐ギラツキ性が不十分であった。
【0076】
比較例4及び5に係る光学積層体では、膜厚が樹脂粒子の平均粒径の140%を超えたため、耐ギラツキ性が不十分であった。
【0077】
比較例6に係る光学積層体では、内部ヘイズが7%未満となったことにより、耐ギラツキ性が不十分であった。
【0078】
比較例7及び8に係る光学積層体では、内部ヘイズが25%を越えたため、輝度比が悪化した。また、透過像鮮明度も15%を下回ったため、耐ギラツキ性が悪化した。
【0079】
図4は、実施例5及び比較例5に係る光学積層体を上述した非接触表面・層断面形状計測システムを用いて光干渉方式により測定し、光学機能層表面の凹凸形状を画像として出力したものである。より詳細には、図4の左列に示す画像は、光学機能層表面の凹凸形状を3次元画像として出力したものであり、濃淡の濃い部分が基準面に対して凹凸が大きな部分に相当する。図4の右列に示す画像は、光学機能層表面における、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分の分布を示す画像であり、濃淡の濃い部分が、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分を表している。尚、図4(a)及び図4(b)は、それぞれ、実施例5及び比較例5に対応する。
【0080】
図4に示す画像を対比すると、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分の単位面積当たりの数が増えると、各凸部分の面積が小さくなると共に凸部分の分布が均一化され、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分の単位面積当たりの数が少なくなると、各凸部分の面積が大きくなるため、局所的に凹凸の大きな部分(図4において色の濃い箇所)が多くなることが分かる。実施例1〜13に係る光学積層体では、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分の数が測定面積1mm当たり900個以上であることによって、凸部分が局在化せずに均一に分布し、この結果、耐ギラツキ性が向上していると考えられる。
【0081】
表4は、実施例1、4〜10、13、比較例4、5及び8に係る光学積層体の表面に凸部分の個数を高さ閾値毎に分類したものである。表4の各列において、光学積層体の表面に形成された凸部分のうち、高さ閾値欄に記載された値以上の凹凸高さを有する凸部分の個数を示している。
【0082】
【表4】
【0083】
表4に示すように、実施例1、4〜10及び13に係る光学積層体では、凹凸高さが0.7μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり60個以下である。これに対して、比較例4、5及び8に係る光学積層体では、凹凸高さが0.7μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり60個を超えている。表4に示した解析結果から、実施例1、4〜10及び13に係る光学積層体では、凹凸高さが均一化され、相対的に凹凸の大きな凸部分が少なくなっていることが分かる。
【0084】
表5に、実施例1、4〜10、13、比較例4、5及び8に係る光学積層体の表面に形成された凸部分の面積分布と、凸部分の平均面積とを示す。表5の面積分布の数値は、上述した非接触表面・層断面形状計測システムを用いて、所定の基準面積内に存在する高さ0.1μm以上の凸部分の面積を測定し、100μmの面積範囲毎に出現頻度を集計したものである。尚、表5における面積範囲の記載「a〜b」は、a以上b未満を意味する。例えば、面積範囲「0〜100」は、0以上100未満を意味する。また、表5の平均面積は、上述した非接触表面・層断面形状計測システムを用いて、高さ0.1μm以上の凸部分の面積及び個数を測定し、これらの測定値から算出したものである。
【0085】
【表5】
【0086】
表5に示すように、実施例1、4〜10及び13に係る光学積層体では、凹凸高さが0.1μm以上である全ての凸部分の平均面積が310μm以下である。これに対して、比較例4、5及び8に係る光学積層体では、凹凸高さが0.1μm以上である全ての凸部分の平均面積が310μmより大きくなっている。表5に示した解析結果からも、凹凸高さが0.1μm以上の凸部分の単位面積当たりの数が増えると、凸部分の平均面積が小さくなり、凸部分が均一に分布することが分かる。
【0087】
図5は、表2に示した実施例1〜13、比較例1〜3、7、8における樹脂粒子の添加量と、コロイダルシリカの添加量とをプロットしたグラフである。図5においては、実施例を黒丸でプロットし、比較例を×印でプロットしている。
【0088】
図5に示すように、実施例1〜13における樹脂粒子の添加量及びコロイダルシリカの添加量のプロットが、図5の破線で示す直線以下の領域(ただし、横軸上を除く)であって、かつ、樹脂粒子の添加量が5.0〜13.0%である領域内にある場合に、200ppi以上の高精細な画像表示装置の防眩性フィルムとして用いた場合でも、耐ギラツキ性と防眩性とコントラストとの全てにおいて優れた性能を得られることが確認された。つまり、光学機能層形成用樹脂組成物中の樹脂粒子の含有量をA(%)とし、コロイダルシリカの含有量をB(%)としたとき、以下の条件式(5)及び(6)を同時に満足した場合に、耐ギラツキ性と防眩性とコントラストとの全てに優れることがわかった。以下の条件式(5)は、実施例2及び14における樹脂粒子の添加量及びコロイダルシリカの添加量のプロットの両方を通過する直線である。
0<B≦0.313A−1.06 ・・・(5)
5.0≦A≦13.0 ・・・(6)
【0089】
条件式(5)及び(6)を同時に満たさない場合、表3から分かるように、耐ギラツキ性、防眩性、コントラストのいずれかが悪化するため、200ppi以上の高精細な画像表示装置の防眩性フィルムとしての用途には適さなかった。
【0090】
以上説明したように、実施例1〜13に係る光学積層体は、200ppi以上の高精細な画像表示装置の防眩性フィルムとして用いた場合でも、耐ギラツキ性と防眩性耐とコントラストとの全てにおいて優れた性能を発揮できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る光学積層体は、高精細(例えば、200ppi以上)な画像表示装置に用いる防眩フィルムとして利用できる。
【符号の説明】
【0092】
1 透光性基体
2 光学機能層
3、5、6、8 透明基材
4、7 偏光層
11、12 偏光板
13 液晶セル
14 バックライトユニット
100 光学積層体
110 偏光板
120 表示装置
【要約】
透光性基体上に光学機能層が少なくとも1層以上積層されてなる光学積層体であって、光学機能層の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成されており、光学機能層が2種類の無機微粒子と樹脂粒子とを含有し、条件式(1)Y>X、(2)Y≦X+25、(3)Y≦50、(4)7≦X≦25を満たす内部ヘイズXと、全ヘイズYとを有し、0.5mm幅の光学くしを用いた透過像鮮明度が15〜55%であり、光学機能層の最表面の凹凸形状を光干渉方式で計測した場合、凹凸高さが0.1μm以上である凸部分の数が、測定面積1mm当たり900個以上であることを特徴とする、光学積層体。
図1
図2
図3
図4
図5