(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0017]理解を容易にするため、図面に共通な同じ要素を指示するのに、できるだけ同じ参照番号を使用する。ある実施形態に開示される要素は、特に指示なしに、他の実施形態にも有益に使用されることが意図される。ここで参照する図面は、特に指示のない限り、正しい縮尺で描かれたものでないことを理解されたい。また、図面はしばしば簡単化され、そして提示及び説明を明瞭にするために細部又は成分が省略されている。同じ要素が同じ呼称で示された図面及び議論は、以下に示す原理を説明する上で役立つ。
【0018】
[0018]本発明の実施形態は、複数のレベルを有する駆動信号を使用して容量方式センサを駆動するための解決策について述べる。マルチレベル駆動スキームは、容量性センサのセトリングに要する時間を短縮化し、(所与のセトリング要求に対して)感知周波数を上昇できるようにする。従来の駆動技術は、2つのレベル、即ち方形波を発生する高レベル及び低レベルを発生する。感知サイクルの期間は、容量方式センサがあるレベル(例えば、ターゲットレベルの95%以内)にセトリングするのを許すに足る長さとなるように限定される。センサが薄く且つ大きくなり、そして設計要件が更に極端になる(より小さいピッチを要求する)につれて、セトリングの振舞いは、より重要なファクタとなる。低い感知周波数は、ノイズ性能の低下を招く。従って、本発明の実施形態は、感知周波数を高めて容量方式センサ性能の著しい利得を導く技術を提供する。
【0019】
[0019]
図1は、本発明の技術の実施形態による規範的な入力装置100のブロック図である。1つの実施形態において、入力装置100は、一体型感知装置を有するディスプレイ装置を備えている。本開示の実施形態は、感知装置と一体化されたディスプレイ装置に使用されるが、本発明は、一体的な入力装置をもたないディスプレイ装置において実施されることが意図される。入力装置100は、電子システム150に入力を与えるように構成される。本書で使用する「電子システム」(又は「電子装置」)という用語は、情報を電子的に処理できるシステムを広く指す。電子システム150の幾つかの非限定例は、全てのサイズ及び形状のパーソナルコンピュータ、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、e−ブックリーダー、及びパーソナルデジタルアシスタント(PDA)を含む。電子装置の付加的な例は、複合入力装置、例えば、入力装置100及び個別のジョイスティック又はキースイッチを含む物理的キーボードを含む。更に別の規範的な電子システム150は、データ入力装置(リモートコントロール及びマウスを含む)及びデータ出力装置(ディスプレイスクリーン及びプリンタを含む)のような周辺機器を備えている。他の例は、リモートターミナル、キオスク、及びビデオゲームマシン(例えば、ビデオゲームコンソール、ポータブルゲーム機、等)を含む。他の例は、通信装置(スマートホンのような携帯電話を含む)、及びメディア装置(レコーダー、エディタ、及びプレーヤ、例えば、テレビジョン、セットトップボックス、音楽プレーヤ、デジタルフォトフレーム、及びデジタルカメラを含む)を含む。更に、電子システムは、入力装置に対してホストであってもスレーブであってもよい。
【0020】
[0020]入力装置100は、電子システム150の物理的な一部分として実施されてもよいし、又は電子システム150とは物理的に個別のものでもよい。明らかなように、入力装置100は、次のもの、即ちバス、ネットワーク、及び他のワイヤード又はワイヤレス相互接続のうちの1つ以上を使用して、電子システムの各部分と通信する。例えば、I
2C、SPI、PS/2、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Bluetooth
(登録商標)、RF及びIRDAがある。
【0021】
[0021]
図1において、入力装置100は、感知領域120における1つ以上の入力物体140により与えられる入力を感知するように構成された近接センサ装置(「タッチパッド」又は「タッチセンサ装置」とも称される)として示されている。規範的入力物体は、例えば、
図1に示すように、指及びスタイラスを含む。
【0022】
[0022]感知領域120は、入力装置100がユーザ入力(例えば、1つ以上の入力物体140により与えられるユーザ入力)を検出できる入力装置100上、周囲、その中及び/又はその付近のスペースを包囲する。特定の感知領域のサイズ、形状及び位置は、実施形態ごとに広く変化し得る。ある実施形態では、感知領域120は、入力装置100の表面から1つ以上の方向に、信号対雑音比が充分に正確な物体検出を妨げるまでスペースへと延びる。この感知領域120が特定の方向に延びる距離は、種々の実施形態において、1ミリメータ以下、数ミリメータ、数センチメータ、又はそれ以上であり、そして使用する感知技術の形式及び望ましい精度と共に著しく変化し得る。従って、ある実施形態では、入力装置100の表面との非接触、入力装置100の入力表面(例えば、タッチ表面)との接触、ある程度の力又は圧力の付与に関連した入力装置100の入力表面との接触、及び/又はその組み合わせを含む入力が感知される。種々の実施形態において、入力表面は、センサ電極が存在するケーシングの表面、センサ電極上に適用されるフェースシート、又は任意のケーシング、等により形成される。ある実施形態では、感知領域120は、入力装置100の入力表面に投影されたときに長方形の形状を有する。
【0023】
[0023]入力装置100は、センサコンポーネント及び感知技術の組み合わせを利用して感知領域120においてユーザ入力を検出する。入力装置100は、ユーザ入力を検出するための1つ以上の感知素子を備えている。多数の非限定例として、入力装置100は、容量性、弾力性、抵抗性、誘導性、磁気、音響、超音波、及び/又は光学的技術を使用する。
【0024】
[0024]ある実施形態は、一次元、二次元、三次元又はそれ以上の次元のスペースに及ぶ画像を与えるように構成される。ある実施形態は、特定の軸又は平面に沿って入力の投影を与えるように構成される。
【0025】
[0025]入力装置100のある抵抗性実施形態では、柔軟で且つ導電性の第1層が、導電性の第2層から1つ以上のスペーサ素子で分離される。動作中に、層を横切って1つ以上の電圧勾配が生成される。柔軟な第1層を押圧すると、層間に電気的接触を生じるに充分なほど撓み、層間の接触ポイントを反映する電圧出力が生じる。それらの電圧出力を使用して、位置情報を決定する。
【0026】
[0026]入力装置100のある誘導性実施形態では、1つ以上の感知素子が、共振コイル又はコイル対により誘起されるループ電流をピックアップする。次いで、電流の大きさ、位相及び周波数のある組み合わせを使用して、位置情報を決定する。
【0027】
[0027]入力装置100のある容量性実施形態では、電圧又は電流を印加して電界を発生する。近傍に入力物体があると、電界が変化して、容量性結合に検出可能な変化を生じさせ、それが、電圧、電流、等の変化として検出される。
【0028】
[0028]ある容量性実施形態では、容量性感知素子のアレイ或いは他の規則的又は不規則なパターンを使用して、電界を生成する。ある容量性の実施形態では、個別の感知素子が一緒にオーミック短絡されて大きなセンサ電極を形成する。ある容量性の実施形態では、均一な抵抗性である抵抗シートが使用される。
【0029】
[0029]ある容量性の実施形態では、センサ電極と入力物体との間の容量性結合の変化に基づく「自己キャパシタンス」(又は「絶対的キャパシタンス」)感知方法が使用される。種々の実施形態において、入力物体がセンサ電極付近にあると、センサ電極付近の電界を変化させ、測定される容量性結合を変化させる。1つの実施形態では、絶対的キャパシタンス感知方法は、基準電圧(例えば、システム接地)に対してセンサ電極を変調し、そしてセンサ電極と入力物体との間の容量性結合を検出することにより作用する。
【0030】
[0030]ある容量性の実施形態では、センサ電極間の容量性結合の変化に基づく「相互キャパシタンス」(又は「トランスキャパシタンス」)感知方法が使用される。種々の実施形態において、入力物体がセンサ電極付近にあると、センサ電極間の電界を変化させ、測定される容量性結合を変化させる。1つの実施形態では、トランスキャパシタンス感知方法は、1つ以上の送信器センサ電極(「送信器電極」又は「送信器」)と1つ以上の受信器センサ電極(「受信器電極」又は「受信器」)との間の容量性結合を検出することにより作用する。送信器センサ電極は、送信器信号を送信するために基準電圧(例えば、システム接地)に対して変調される。受信器センサ電極は、結果信号の受信を容易にするために基準電圧に対して実質的に一定に保持される。結果信号は、1つ以上の送信器信号及び/又は1つ以上の環境干渉源(例えば、他の電磁信号)に対応する作用(1つ又は複数)を含む。センサ電極は、送信器又は受信器専用であってもよいし、又はセンサ電極は、送信器及び受信器の両方に対して構成されてもよい。
【0031】
[0031]
図1において、処理システム110は、入力装置100の一部分として示されている。処理システム110は、入力装置100のハードウェアを動作して、感知領域120の入力を検出するように構成される。処理システム110は、1つ以上の集積回路(IC)及び/又は他の回路コンポーネントの一部又は全部を備えている。(例えば、相互キャパシタンスセンサ装置のための処理システムは、送信器センサ電極で信号を送信するように構成された送信器回路と、受信器センサ電極で信号を受信するように構成された受信器回路とを備えている。)ある実施形態では、処理システム110は、ファームウェアコード、ソフトウェアコード、等の電子的に読み取り可能なインストラクションも含む。ある実施形態では、処理システム110を構成するコンポーネントは、例えば、入力装置100の感知素子(1つ又は複数)付近に一緒に配置される。他の実施形態では、処理システム110のコンポーネントは、入力装置100の感知素子(1つ又は複数)に接近した1つ以上のコンポーネント、及びどこかにある1つ以上のコンポーネントとは物理的に個別である。例えば、入力装置100は、デスクトップコンピュータに結合された周辺装置であり、そして処理システム110は、デスクトップコンピュータの中央処理ユニット、及び中央処理ユニットとは個別の1つ以上のIC(おそらく関連ファームウェアを伴う)上で実行されるように構成されたソフトウェアを含む。別の例として、入力装置100は、電話に物理的に一体化されてもよく、そして処理システム110は、電話のメインプロセッサの一部分である回路及びファームウェアを含んでもよい。ある実施形態では、処理システム110は、入力装置100を専用に実施するものである。他の実施形態では、処理システム110は、ディスプレイスクリーンを動作し、触覚アクチュエータを駆動する、等の他の機能も遂行する。
【0032】
[0032]処理システム110は、処理システム110の異なる機能を取り扱う1組のモジュールとして実施されてもよい。各モジュールは、処理システム110の一部分である回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はその組み合わせでよい。種々の実施形態において、モジュールの異なる組み合わせが使用されてもよい。規範的なモジュールは、センサ電極及びディスプレイスクリーンのようなハードウェアを動作するためのハードウェア動作モジュール、センサ信号及び位置情報のようなデータを処理するためのデータ処理モジュール、並びに情報をレポートするためのレポートモジュールを含む。更に別の規範的なモジュールは、感知素子(1つ又は複数)を動作して入力を検出するように構成されたセンサ動作モジュール、モード切り換えジェスチャーのようなジェスチャーを識別するように構成された識別モジュール、及び動作モードを切り換えるためのモード切り換えモジュールを含む。1組のモジュール(例えば、ドライバモジュール、受信器モジュール、等)を有する処理システム110の1つの実施形態を、
図2を参照して以下に説明する。
【0033】
[0033]ある実施形態では、処理システム110は、感知領域120におけるユーザ入力(又はユーザ入力の欠如)に応答して、1つ以上のアクションを直接的に生じさせる。規範的なアクションは、動作モードの切り換え、並びにカーソル移動、選択、メニューナビゲーション、及び他の機能のようなGUIアクションを含む。ある実施形態では、処理システム110は、入力(又は入力の欠如)に関する情報を電子システムのある部分へ(例えば、処理システム110とは個別の電子システムの中央処理システムが存在する場合には、そのような個別の中央処理システムへ)与える。ある実施形態では、電子システムのある部分は、処理システム110から受け取った情報を処理して、モード切り換えアクション及びGUIアクションを含む全範囲のアクションを促進するようにユーザ入力に作用する。
【0034】
[0034]例えば、ある実施形態では、処理システム110は、入力装置100の感知素子(1つ又は複数)を動作して、感知領域120における入力(又は入力の欠如)を表わす電気信号を発生する。処理システム110は、その電気信号に対して適当な量の処理を行って、電子システムへ送る情報を生成する。例えば、処理システム110は、センサ電極から得られたアナログ電気信号をデジタル化する。別の例として、処理システム110は、フィルタリング又は他の信号コンディショニングを行う。更に別の例として、処理システム110は、情報が電気信号と基線との間の差を反映するように、基線を減算するか、又は他の仕方でそれを考慮する。更に別の例では、処理システム110は、位置情報を決定し、入力をコマンドとして認識し、手書きを認識し、等々を行う。
【0035】
[0035]ここで使用する「位置情報」とは、絶対的位置、相対的位置、速度、加速度及び他の形式の空間的情報を広く含む。規範的な「ゼロ次元」位置情報は、近/遠又は接触/無接触情報を含む。規範的な「一次元」位置情報は、軸に沿った位置を含む。規範的な「二次元」位置情報は、平面における動きを含む。規範的な「三次元」位置情報は、空間内の瞬時速度又は平均速度を含む。更に別の例は、空間的情報の他の表現を含む。例えば、位置、動き、又は瞬時速度を時間と共に追跡する履歴データを含めて、1つ以上の形式の位置情報に関する履歴データも決定され及び/又は記憶される。
【0036】
[0036]ある実施形態では、入力装置100は、処理システム110又は他の処理システムにより動作される付加的な入力コンポーネントで実施される。それらの付加的な入力コンポーネントは、感知領域120の入力に対する冗長な機能又は他の機能を与える。
図1は、入力装置100を使用してアイテムの選択を容易にするために使用されるボタン130を感知領域120の付近に示している。他の形式の付加的な入力コンポーネントは、スライダー、ボール、ホイール、スイッチ、等を含む。逆に、ある実施形態では、入力装置100は、他の入力コンポーネントなしに実施されてもよい。
【0037】
[0037]ある実施形態では、入力装置100は、タッチスクリーンインターフェイスを備え、そして感知領域120は、ディスプレイ装置のディスプレイスクリーンのアクティブエリアの少なくとも一部分に重畳する。例えば、入力装置100は、ディスプレイスクリーンの上に横たわる実質的に透明なセンサ電極を備え、そして関連電子装置のためのタッチスクリーンインターフェイスをなす。ディスプレイスクリーンは、ユーザに視覚的インターフェイスを表示できる任意の形式のダイナミックディスプレイであり、そして任意の形式の発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、エレクトロルミネセンス(EL)又は他のディスプレイ技術を含む。入力装置100及びディスプレイ装置は、物理的素子を共用する。例えば、ある実施形態では、表示及び感知に対して同じ電気的コンポーネントの幾つかが使用される。別の例として、ディスプレイ装置が、処理システム110により部分的に又は完全に動作される。
【0038】
[0038]本発明の多数の実施形態を完全に機能する装置に関して説明するが、この技術のメカニズムは、種々の形態のプログラム製品(例えば、ソフトウェア)として配布できることを理解されたい。例えば、この技術のメカニズムは、電子プロセッサにより読み取り可能な情報保持媒体(例えば、処理システム110により読み取り可能な、非一時的なコンピュータ読み取り可能な及び/又は読み取り/書き込み可能な情報保持媒体)上にソフトウェアプログラムとして実施され配布される。更に、この技術の実施形態は、特定形式の媒体を使用して配布を実行するのにも関わらず、等しく適用される。非一時的な電子的に読み取り可能な媒体は、例えば、種々のディスク、メモリスティック、メモリカード、メモリモジュール、等を含む。電子的に読み取り可能な媒体は、フラッシュ、光学的、磁気的、ホログラフィー、又は他の記憶技術に基づくものである。
【0039】
[0039]
図2は、ある実施形態により、規範的なセンサ電極パターンの一部分を伴い、そのパターンに関連した感知領域120において感知を行うよう構成された入力装置100の1つの実施形態を示す。図示及び説明を明瞭化するために、
図2は、センサパターンを複数の簡単な長方形として示すが、アレイは、他の幾何学的形態及び/又は図示されていない種々のコンポーネントを有してもよいことを理解されたい。このセンサ電極パターンは、複数の送信器電極210(210−1、210−2、210−3、・・・210−n)と、これら複数の送信電極210の上に配置された複数の受信器電極220(220−1、220−2、220−3、・・・220−n)とを備えている。
【0040】
[0040]送信器電極210及び受信器電極220は、互いにオーミック分離される。即ち、1つ以上の絶縁体が送信器電極210と受信器電極220を分離し、そしてそれらが互いに電気的に短絡するのを防止する。ある実施形態では、送信器電極210及び受信器電極220は、その交差エリアにおいてそれらの間に配置された絶縁材料により分離され、そのような構成では、送信器電極210及び/又は受信器電極220は、同じ電極の異なる部分を接続するジャンパーと共に形成される。ある実施形態では、送信器電極210及び受信器電極220は、1つ以上の絶縁材料層によって分離される。他の実施形態では、送信器電極210及び受信器電極220は、1つ以上の基板により分離され、例えば、それらは、同じ基板の両側に配置されるか、又は互いにラミネートされた異なる基板に配置される。
【0041】
[0041]送信器電極210と受信器電極220との間の局部的容量性結合のエリアは、「容量性ピクセル」と称される。例えば、
図2に示す実施形態では、第1の容量性ピクセル212(破線の円として示す)が送信器電極210−1と受信器電極220−2との交点に位置されて示されている。別の例として、感知領域120は、第1の容量性ピクセル212と同じ送信器電極210−2と、異なる受信器電極220−3との交点に位置する第2の容量性ピクセル214も備えている。更に別の例では、感知領域120は、異なる送信器電極210−3と異なる受信器電極220−nとの交点に位置する第3の容量性ピクセル216も備えている。送信器電極210と受信器電極220との間の容量性結合は、その送信器電極210及び受信器電極220に関連した感知領域における入力物体の接近性及び動きと共に変化する。
【0042】
[0042]ある実施形態では、それらの容量性結合を決定するためにセンサパターンが「スキャン」される。即ち、送信器電極210は、送信器信号を送信するために駆動される。送信器は、一度に1つの送信器電極が送信するか又は複数の送信器電極が同時に送信するように動作される。複数の送信器電極が同時に送信する場合には、それらの複数の送信器電極は、同じ送信器信号を送信して、実際上大きな送信器電極を効果的に形成してもよいし、又はそれら複数の送信器電極は、異なる送信器信号を送信してもよい。例えば、複数の送信器電極は、受信器電極220の結果信号に対するそれらの合成作用を独自に決定できるようにする1つ以上のコード化スキームに基づいて異なる送信器信号を送信してもよい。
【0043】
[0043]受信器センサ電極220は、単独で又は複数で動作されて結果信号を取得する。その結果信号を使用して、容量性ピクセルにおける容量性結合の測定値を決定する。
【0044】
[0044]容量性ピクセルからの測定値のセットは、ピクセルにおける容量性結合を表わす「容量性画像」(容量性フレームともいう)を形成する。複数の時間周期にわたり複数の容量性画像が取得され、そしてそれらの間の差を使用して、感知領域における入力に関する情報を導出する。例えば、連続する時間周期にわたり取得した連続する容量性画像を使用して、感知領域に入る、感知領域を出る及び感知領域内にある1つ以上の入力物体の動きを追跡することができる。
【0045】
[0045]センサ装置のバックグランドキャパシタンスは、感知領域に入力物体がないことに関連した容量性画像である。バックグランドキャパシタンスは、環境及び動作条件と共に変化し、そして種々の仕方で推定される。例えば、ある実施形態では、感知領域に入力物体がないことが決定されたとき「基線画像」を取り上げ、そしてそれら基線画像をバックグランドキャパシタンスの推定値として使用する。
【0046】
[0046]容量性画像は、より効率的な処理のためにセンサ装置のバックグランドキャパシタンスに対して調整することができる。ある実施形態では、容量性ピクセルにおける容量性結合の「基線」測定によりこれを行って、「基線容量性画像」を形成する。即ち、ある実施形態では、容量性画像を形成する測定値を、それらピクセルに関連した「基線画像」の適当な「基線値」と比較して、その基線画像からの変化を決定する。
【0047】
[0047]あるタッチスクリーン実施形態では、送信器電極210は、ディスプレイスクリーンの表示を更新するのに使用される1つ以上の共通電極(例えば、「V−com電極」)を含む。これらの共通電極は、適当なディスプレイスクリーン基板に配置される。例えば、共通電極は、あるディスプレイスクリーンにおけるTFTガラス(例えば、イン・プレーン・スイッチング(IPS)又はプレーン・ツー・ラインスイッチング(PLS))に配置されるか、あるディスプレイスクリーンのカラーフィルタガラスの底(例えば、パターン化垂直整列(PVA)又はマルチドメイン垂直整列(MVA))に配置されるか、有機発光ダイオード(OLED)の一端に結合されるか、等々である。そのような実施形態では、共通電極は、複数の機能を遂行するので、「コンビネーション電極」とも称される。種々の実施形態において、各送信器電極210は、1つ以上の共通電極を含む。他の実施形態では、少なくとも2つの送信器電極210が少なくとも1つの共通電極を共用する。
【0048】
[0048]種々のタッチスクリーン実施形態において、「容量性フレームレート」(連続する容量性画像が取得されるレート)は、「表示フレームレート」(同じ画像を再表示するためにスクリーンをリフレッシュすることを含めて、表示画像が更新されるレート)と同じでもよいし、異なってもよい。2つのレートが異なるある実施形態では、連続する容量性画像が異なる表示更新状態で取得され、そして異なる表示更新状態は、取得された容量性画像に影響を及ぼす。即ち、表示更新は、特に、バックグランド容量性画像に影響を及ぼす。従って、表示更新が第1の状態にあるときに第1の容量性画像が取得され、そして表示更新が第2の状態にあるときに第2の容量性画像が取得される場合に、第1及び第2の容量性画像が異なるのは、表示更新状態に関連したバックグランド容量性画像の相違のためであり、感知領域における変化のためではない。これは、容量性感知及び表示更新電極が互いに接近している場合、又はそれらが共用される(例えば、コンビネーション電極)ときには、より生じ易い。
【0049】
[0049]説明の便宜上、特定の表示更新状態中にとられる容量性画像は、特定のフレーム形式であると考えられる。即ち、特定のフレーム形式は、特定の容量性感知シーケンスと特定の表示シーケンスとのマッピングに関連している。従って、第1の表示更新状態中にとられる第1の容量性画像は、第1のフレーム形式と考えられ、第2の表示更新状態中にとられる第2の容量性画像は、第2のフレーム形式と考えられ、第3の表示更新状態中にとられる第3の容量性画像は、第3のフレーム形式と考えられ、等々である。表示更新状態と容量性画像取得との関係が周期的である場合には、取得される容量性画像は、フレーム形式を通して循環し、次いで、繰り返される。
【0050】
[0050]1つの実施形態では、処理システム110は、複数の送信器電極210に結合するように構成されたドライバ回路(図示せず)を有するドライバモジュール202を備えている。ドライバモジュール202は、1つ以上の送信器電極210に電圧を印加することにより1つ以上の送信器電極210を駆動するように構成される。処理装置110は、更に、複数の受信器電極220に結合された受信器回路(図示せず)を有する受信器モジュール204も備え、これは、1つ以上の送信器電極210が駆動される間に受信器電極220を動作して結果信号を取得するように構成される。ある実施形態では、処理システム110は、複数の送信器電極210を駆動する方法のチューニングを容易にするように構成された決定モジュール208を備え、これは、以下で詳細に述べる。
【0051】
[0051]
図3は、センサ302、ドライバ回路及び受信器回路を含む規範的なタッチセンサ回路300の回路図である。
図3は、容量方式センサ302におけるトランスキャパシタンスピクセルの簡単な概略を抵抗器及びキャパシタの回路として示している。例えば、図示されたタッチセンサ回路300は、送信器電極210−1及び受信器電極220−2の交点より成る第1の容量性ピクセルに対応する。
図3は、本発明の実施形態によって駆動される負荷の一例を示すが、例えば、タッチセンサ回路の他の構成、センサの他の形式、ディスプレイ及び入力装置の他の回路において、他の実施形態も意図されることを理解されたい。
【0052】
[0052]図示された実施形態において、ドライバ回路は、センサの送信器電極の1つ以上(例えば、送信器電極210−1)に駆動信号V
drive(t)を印加する。1つ以上の受信器電極(例えば、受信器電極220−2)に結合された受信器回路は、結果信号を積分して、V
out(t)を発生する。従って、センサの各送信器電極210及び受信器電極220は、電極ごとに単極として近似できる分散型RCネットワークと考えられる。従って、
図3に示すタッチセンサ回路300の全体的な振舞いは、「二次」システムのものであり、即ちトランスキャパシタンスは、電荷を発生する微分器として働き、電荷は、その後、タッチコントローラ受信器(例えば、受信器モジュール204)によって積分される。二次モデルは、適度な忠実度のモデルであり、ここでは、規範的なモデルとして表わされることが明らかである。実際のセンサが、より複雑な振舞いを示したとしても、このモデルは、ここに述べる本発明の実施形態の効果を実証する振舞いを捕獲する。
【0053】
[0053]1つの実施形態では、センサ302の容量性ピクセルは、ここに実施するタッチセンサ回路の特性に基づく変化する「セトリング応答」を有する。セトリング応答とは、ある電圧信号(例えば、送信器信号)によって駆動されるのに応答して出力信号により表わされる容量性ピクセルの振舞いを指す。容量性ピクセルに対するセトリング応答は、
図3に概略的に示されたタッチセンサ回路300の抵抗器及びキャパシタの値により決定される。セトリング応答は、同じセンサにおいて容量性ピクセルごとに変化する。多くのケースでは、入力装置のセンサ電極パターンに沿って抵抗及びキャパシタンスが僅かに変化すれば、第1の容量性ピクセルのセトリング応答は、第2の容量性ピクセルより速いものになる。例えば、ドライバ回路から離れた容量性ピクセルは、ドライバ回路に近い容量性ピクセルよりもセトリング時間が長くなる。というのは、ルートトレース又はワイヤが長いために抵抗値が高くなるからである。更に、容量性ピクセルのセトリング応答の範囲が、異なる形式のセンサに対して異なるからである。
【0054】
[0054]1つの実施形態では、容量性ピクセルのセトリング時間は、特定の電圧信号を印加した際に、容量性ピクセルの出力が、目標値のある範囲又はあるパーセンテージ(例えば、終了出力の2〜5%)以内に到達しそしてそこに留まるのに要する時間を示す。
【0055】
[0055]
図4は、高レベル及び低レベルをもつ従来の駆動方法のセトリング特性を示す。便宜上、ここに述べる駆動方法は、容量方式タッチセンサに関するものであるが、この方法は、容量性又は抵抗性感知装置に使用されてもよいし、或いはディスプレイにおけるピクセルの駆動又はタッチセンサ装置の送信器電極の駆動に関連した負荷に使用されてもよいことが認識される。
【0056】
[0056]図示されたように、従来の駆動方法は、周期Tで電圧レベルV
lowとV
highとの間に振れる方形波信号として
図4に示されたタッチ感知信号402を使用する。
図4は、更に、異なるセトリング応答を有する2つの容量性ピクセルに対する積分信号V
out(t)、即ち高速セトリング応答を有する容量性ピクセルに対応する第1の出力信号404、及び低速セトリング応答を有する容量性ピクセルに対応する第2の出力信号406も示している。
図4から明らかなように、低速セトリングピクセルは、高速セトリングピクセルより、希望の電圧レベル(例えば、V
high、V
low)へ遷移するのに時間がかかる。
【0057】
[0057]本発明の実施形態によれば、「低速」ピクセルのセトリング時間は、マルチレベル波形でピクセルを駆動することにより短縮できることが決定された。特に、タッチ感知波形は、ピクセルがセトリングする電圧を越える「昇圧」電圧を与えてピクセルを「オーバードライブ」する。終了電圧(例えば、V
high及びV
low)だけではなく、昇圧電圧で駆動することにより、低速セトリングピクセルを激しく駆動して、希望の電圧レベル(例えば、V
high又はV
lowレベル)へのセトリング時間を短縮することができる。
図5は、センサを駆動するのに使用される昇圧されたタッチ感知波形500の一実施形態を一般的に示すものである。
【0058】
[0058]この実施形態では、波形500は、昇圧電圧レベル(例えば、V+V
boost)が第1期間502中(例えば、時間T1まで)印加される昇圧部分506を含む。波形500は、更に、第2の電圧レベル(例えば、V)が第2期間504中(例えば、時間T2まで)印加されるセトリング部分508を含む。1つの実施形態では、昇圧部分506の電圧レベルは、極性に関わらず、セトリング部分508の電圧レベルより
大きさが大きい。極性は、電圧遷移の符号を指す。単に慣習上、電圧レベルの増加を生じる遷移は、正の極性を有すると称され、一方、電圧レベルの減少を生じる遷移は、負の極性を有する。ある実施形態では、電圧レベルVは、感知動作中に使用される電圧を指す。図示された波形500は、高いレベル(例えば、V
high)を駆動するためのものであるが、
図6に示すように、マルチレベル波形を低電圧レベル(例えば、V
low1への昇圧を伴うV
low)に適用してもよいことを認識されたい。更に、目標鎮静化時間を達成するための最適な昇圧電圧(例えば、V
boost)及び昇圧期間(例えば、期間502)を決定するために多数の解決策をとり得ることも認識されたい。
【0059】
[0059]
図6は、本発明の一実施形態によりタッチセンサ装置を駆動するために昇圧
された波形を使用するセンサのセトリング特性を示す。タッチセンサ装置は、
図4に示す信号402と同じ周期Tで電圧レベルV
low1とV
high1との間を揺動するマルチレベル感知信号602を使用して駆動される。レベルV
highは、各第1の半感知周期に、時間オフセットT
1で使用され、そしてレベルV
lowは、各第2の半感知周期に、同じ時間オフセットT
1で使用される。V
high及びV
lowだけでなく、昇圧電圧(例えば、V
high1及びV
low1)でも駆動することにより、感知信号602は、低速セトリングピクセル(即ち、出力信号606)を激しく駆動して、V
high又はV
lowレベルのような希望の電圧レベルへのセトリング時間を短縮する。
図6は、高速セトリングピクセル(例えば、出力信号604)及び低速セトリングピクセル(例えば、出力信号606)の両方が、
図4にパラレルに示された従来の感知より速くV
high及びV
lowにセトリングすることを示している。図示されたように、初期遷移は、V
high−V
lowを越える。即ち、第1の遷移V
lowからV
high1へは、V
high−V
lowを量V
boost=V
high1−V
highだけ越える。第2の遷移も、−(V
high−V
low)を量−V
boostだけ越える。
【0060】
[0060]従って、本発明の実施形態は、ディスプレイにおけるピクセルの駆動又はタッチセンサ装置の送信器電極の駆動に関連した負荷のような負荷を、駆動時にセトリングするのに要する時間を短縮する技術を提供する。タッチセンサ装置の場合には、セトリング時間を短縮することで、センサを高い周波数で動作することができ、多数の効果が発揮されると決定された。
【0061】
[0061]例えば、高い感知周波数を達成する昇圧
された波形で送信器信号を使用することにより、入力装置は、良好なノイズ軽減のために送信器信号当たりより多くのサンプルを平均化することができ、或いは別のケースでは、従来の駆動方法のように送信器当たり同じ数のサンプルを平均化しつつ、タッチデータのレポート率を高めることができる。更に、昇圧
された波形を使用して、所与のセンサに対する最大感知周波数を上げて、干渉回避を容易にすることができる(例えば、干渉エネルギーは、周波数と共に低下する傾向があるので)。
【0062】
[0062]表示更新及びタッチ感知のための時間を分担するマルチプレクススキームを使用する実施形態では(セル内表示技術のような)、ここに述べる解決策は、タッチデータの収集に使用する時間があまり許されず、従って、上述したように、表示更新により多くの時間を与えると共に、良好な干渉軽減も与える。
【0063】
[0063]
図7は、本発明の1つの実施形態により、センサを駆動するための方法700のフローチャートである。方法700は、ステップ702で始まり、第1の送信器電極に関連した第1のセトリング応答が決定される。ある実施形態では、第1のセトリング応答は、第1の送信器電極(例えば、送信器電極210−1)及び第1の受信器電極(例えば、受信器電極220−2)より成る第1の容量性ピクセル(例えば、容量性ピクセル212)に関連付けられる。
【0064】
[0064]ステップ704において、センサに関連した第2のセトリング応答が決定され、この第2のセトリング応答は、第1のセトリング応答とは異なる。第2のセトリング応答のための種々の実施形態が意図されており、幾つかの例を以下に述べる。
【0065】
[0065]1つの実施形態において、第2のセトリング応答は、第1の送信器電極に関連付けられる。例えば、第2のセトリング応答は、第2の容量性ピクセル214に関連付けられ、これは、第1の容量性ピクセルと同じ送信器電極210−1を共用するが、異なる受信器電極220−2を含む。
【0066】
[0066]別の実施形態では、第2のセトリング応答は、第2の送信器電極に関連付けられる。例えば、第2のセトリング応答は、第1の容量性ピクセルとは異なる送信器電極210−3及び異なる受信器電極220−nより成る第3の容量性ピクセル216に関連付けられる。
【0067】
[0067]ステップ706において、ドライバモジュール202は、第1の送信器電極に第1電圧を第1期間中印加する。第1電圧は、第1の送信器電極の終了電圧を越え、「昇圧電圧」とも称される。例えば、ドライバモジュール202が第1電極の電圧を上げることを望むときには、昇圧電圧は、後で印加される電圧V
highより高い(即ち、それを越える)。送信器電極に印加される電圧を下げることが望まれる別の例では、昇圧電圧は、後で印加される電圧V
lowより低い(即ち、それを越える)。
【0068】
[0068]ステップ708において、ドライバモジュール202は、第1の送信器電極に第2電圧を第2期間中印加する。ある実施形態では、第1及び第2の電圧の印加は、ステップ702及び704で決定された第1のセトリング応答及び第2のセトリング応答に基づく。ある実施形態では、第1及び第2の期間は、第1のセトリング応答及び第2のセトリング応答に基づいて選択される。第1及び第2の期間は、第1のセトリング応答に関連した第1のセトリング時間、及び第2のセトリング応答に関連した第2のセトリング時間を類似させるように選択される。第1及び第2の期間は、第1及び第2のセトリング時間を、ある場合に、類似させ、同一にさせ、又は実質的に同一にさせるように選択される。
【0069】
[0069]これらの期間は、全電子装置150に対する単一の昇圧
された波形、容量性ピクセルの異なるグループ(例えば、ピクセルの線)に対する異なる昇圧
された波形、又は個々のピクセルに対する異なる昇圧
された波形を駆動することを含めて、種々の使用ケースをサポートするように選択できることを認識されたい。全センサパターンとして単一の波形が使用される1つの実施形態では、第1及び第2の期間を有する単一の波形は、センサパターンにおける全ての容量性ピクセルのセトリング時間が同じになるように使用される。例えば、容量性ピクセル212及び216に対して容量性を遂行するときに、容量性ピクセル212及び216のセトリング時間が類似するように、同じ波形を使用して送信器電極210−1及び210−3を各々駆動することができる。
【0070】
[0070]容量性ピクセルの異なるグループに対して異なる波形が使用される1つの規範的な実施形態では、容量性ピクセルのグループごとに異なる波形が選択されて、各グループ内の全ての容量性ピクセルが類似となるようにする。ある実施形態では、容量性ピクセルは、それに対応する送信器電極に対して編成される。従って、各送信器電極には、異なる波形が関連付けられて使用され、各波形は、その送信器電極を有する容量性ピクセルの異なるセトリング応答に基づいて選択されたそれ自身の各々の第1及び第2の期間を有する。例えば、第1及び第2の期間を有する波形は、送信器電極210−1に関連した容量性ピクセルの線(容量性ピクセル212及び214を含む)に対して、ピクセルのその線における最低速セトリングの容量性ピクセルのセトリング時間と、ピクセルのその線における最高速セトリングの容量性ピクセルのセトリング時間とが類似したものとなるように、選択される。
【0071】
[0071]容量性ピクセルの異なるグループに対して異なる波形が使用される別の実施形態では、例えば、センサパターンを駆動するためのコード分割マルチプレクス(CDM)スキームにおいて、送信器電極の異なるグループを同時に駆動するために異なる波形が選択される。そのような実施形態では、送信器電極の各グループに対して、そのグループの全ての送信器電極に関連した全ての容量性ピクセルのセトリング時間が同様のものとなるように、波形が選択される。例えば、CDM駆動スキームが送信器電極210−1及び210−3を同時に駆動させるケースでは、その送信器電極210−1及び210−3に関連した全ての容量性ピクセル(容量性ピクセル212、214及び216を含む)のセトリング時間が同様のものとなるように波形が選択される。
【0072】
[0072]異なる波形が使用される実施形態では、各々の第1及び第2の期間を有する異なる波形を使用して、共通のセトリング時間を達成できることを認識しなければならない。例えば、送信器電極210−1に関連したピクセルの線は、全体で、送信器電極210−3に関連したピクセルの線より低速のセトリング応答を有する。そのようなケースでは、送信器電極210−1を駆動するのに使用される波形は、昇圧電圧を駆動する第1の期間及びセトリング電圧を駆動する第2の期間を有するものが選択され、そして送信器電極210−3を駆動するのに使用される波形は、昇圧電圧を駆動する第3の期間(第1の期間とは異なる)及びセトリング電圧を駆動する第4の期間(第2の期間とは異なる)を有するものが選択され、全ての容量性ピクセルに対するセトリング時間が同様のものとなるようにする。
【0073】
[0073]1つの実施形態において、第1及び第2の電圧も、第1のセトリング応答及び第2のセトリング応答に基づいて選択される。種々の実施形態によれば、電子装置150は、特定の電圧レベル(例えば、V
high1及びV
low1電圧)を与えるように構成される。或いは、電子装置に既に存在する電圧を使用して、電子装置に準備しなければならない電圧の数を最小にすることができる。更に、種々の使用ケースについて選択される波形に関する前記説明は、第1及び第2電圧の選択にも適用でき、即ち第1及び第2電圧を有する波形は、異なるセトリング応答に関連したセトリング時間が(全センサパターンにわたるか、容量性ピクセルのグループ内であるか、等に関わらず)同様のものとなるように選択されることを認識されたい。
【0074】
[0074]1つの実施形態では、所与のセンサに対して「昇圧」電圧を印加する期間は、
図3に示すような二次システムとしての容量性ピクセルシステムの分析に基づいて決定される。センサ(例えば、容量性ピクセル212)のセトリング応答は、ほぼRC/2の極時間制約(poles time-constraints)を伴う二次システムと同様であると決定された。容量性ピクセルシステムの分析は、次の通りである。
【0075】
[0075]1つの実施形態では、二次システムのラプラス変換は、次のようになる(受信器及び送信器の極が同じ周波数でないと仮定して)。
【数1】
ステップ応答のラプラス変換は、センサに流れる電荷を積分しそして
図3の積分器の出力に電圧を発生するために1/sを含む。
【数2】
但し、V
outは、積分された受信信号を表わす。従って、時間ドメインステップ応答は、次のようになる。
【数3】
但し、μ(t)は、単位ステップ関数である。
【0076】
[0076]1つの実施形態では、
図3に示す術語を仮定すれば、電圧信号V
boostが時間T
1の間に印加され、そして電圧レベルVが時間T
2まで印加される場合には、時間T
1までの応答は、次のように決定される。
【数4】
更に、時間T
2における最終的応答は、以下の式4Bで示す関数により決定される。
【数5】
【0077】
[0077]ある実施形態では、容量性ピクセルを駆動するのに使用できる電圧レベル(例えば、V及びV
boost)は、固定である。例えば、V=6及びV
boost=3の使用可能な電圧レベルを有する電子システムでは、駆動に使用される電圧レベルは、ある場合には、V
low1=0、V
low=3、V
high=6、及びV
high1=9である。これら実施形態では、昇圧
された波形は、1つ以上のセンサにおいて希望のセトリング時間を達成するために事前に構成された電圧レベルを印加する期間が最適化される。
【0078】
[0078]1つの実施形態では、複数のピクセルに対する昇圧期間T
1は、セトリング時間を同様のものにすべき複数のピクセルの「最低速」セトリングピクセル及び「最高速」セトリングピクセルに基づいて決定される。従って、前記式4Bでは、(α
1、β1)をセンサの「最低速」セトリングピクセルの極とし、そして(α
2、β2)をセンサの「最高速」セトリングピクセルの極とする。従って、本発明の実施形態は、次の条件を満足するようなセトリング時間T
2とするべく昇圧期間T
1及び電圧V
boostを選択するよう構成される。
(i)V
out(T
2)=(1−c)V:但し、c≒5%が最低速ピクセルのセトリング要件である;
(ii)Tは、最小にされ;及び
(iii)最高速セトリングピクセルも、少なくとも(1+c)Vにセトリングされる。
【0079】
[0079]条件(iii)は、単にT
1=T
2を選択することから記述されたものであり、そして第1の条件(i)を満足するために式4Aを解くことで、最高速セトリングピクセルがオーバーシュートさせられる。3つの条件(i)〜(iii)を満足するための多数の解決策を以下に述べる。
【0080】
[0080]1つの解決策によれば、昇圧電圧を印加する時間周期は、最低速及び最高速セトリングピクセルの応答を最適化問題の一部分として合体させる数値的最適化解決策を使用して決定される。例えば、V
out1が最低速セトリングピクセルの応答に対応し、そしてV
out2が最高速セトリングピクセルの応答に対応するとする。(α
1、β
1)及び(α
2、β
2)に対応する値をセンサに対して実験で測定する。従って、次のようになる。
【数6】
従って、事前に構成された電圧V及びV
boostを伴う所与の実施形態では、昇圧期間T
1の選択は、セトリング時間T
2を最小化(例えば、短縮)するための最適化問題として次のように表わされる。
【数7】
ある実施形態では、式6は、数値的最適化を遂行するための良く知られた技術による扱い易い数値的最適化問題として解くことができる。或いはまた、次に述べる反復チューニング技術で式6を解くことができる。
【0081】
[0081]別の解決策によれば、昇圧電圧を印加するための電圧及び時間周期は、動的なチューニングを経て決定される。1つの実施形態では、電子装置150は、1つ以上の容量性ピクセルのセトリング時間を監視するためのフィードバックを与えるように構成される。例えば、タッチセンサ装置のケースでは、送信器を駆動する信号を監視するために受信器を設けることができる。1つの実施形態では、処理システム110は、所与の時点で特定の容量性ピクセルの電圧応答(例えば、V
out(t))を測定するように構成された測定モジュール208(
図2に示すような)を備えている。受信したフィードバックに基づいて、希望のセトリング時間を達成するように昇圧周期及び電圧を調整することができる。
【0082】
[0082]1つの実施形態では、測定モジュール208は、測定されている第1の容量性ピクセル212が第2の容量性ピクセル214に関連したセトリング時間に終了電圧をオーバーシュートするまで、昇圧電圧を印加する期間T
1を繰り返しインクリメントすることにより、昇圧電圧を印加する期間T
1を決定するように構成される。この実施形態では、第1の容量性ピクセルに関連した第1のセトリング応答が、第2の容量性ピクセルに関連した第2のセトリング応答より高速であると仮定する。このチューニングアルゴリズムを以下のテーブル1に示すが、測定モジュール208に限定されない、動的なチューニングのための他の実施形態も使用することができる。
1.T
1=0にセット
2.T
1=T
1+1にセット、但し、T
1は、クロックサイクルで測定
3.v
out1(T
2)>(1−c)Vとなるように最低速ピクセルのT
2を決定
4.v
out2(T
2)<(1+c)Vの場合には:
a.ステップ2へ進む、さもなければ、
b.T
1=T
1−1にセットし、退出する
テーブル1:規範的なチューニングアルゴリズム
【0083】
[0083]テーブル1に示すように、チューニングアルゴリズムは、昇圧期間T
1をゼロに初期化する。チューニングアルゴリズムの繰り返しごとに、昇圧期間T
1がインクリメントされ、そして最低速セトリングピクセルのセトリング時間T
2が決定される(即ち、v
out1(T
2)>(1−c)Vとなるように)。同じ時間T
2における最高速ピクセルの出力信号がターゲットレベルVをオーバーシュートしない(即ち、v
out2(T
2)<(1+c)Vである)場合には、チューニングアルゴリズムは、ステップ2へリピートする(例えば、T
1をインクリメント)。同じ時間T
2における最高速ピクセルの出力信号がターゲットレベルVをオーバーシュートする場合には、チューニングアルゴリズムは、昇圧期間をデクリメントし、退出となる。
【0084】
[0084]本発明の実施形態は、単一昇圧レベル(例えば、V
boost)を伴うマルチレベル波形をもつことについて詳細に述べるが、本発明の実施形態は、複数の昇圧レベル(即ち、階段状波形)の送信器信号を含むように拡張できることを認識されたい。例えば、ドライバモジュール202は、第3の期間中に第3の電圧を(例えば、第1の送信器電極に)印加するように構成されてもよく、ここで、第3の電圧及び第3の期間は、第1のセトリング時間及び第2のセトリング時間を同様にするように選択される。別の実施形態では、送信器信号は、セトリング応答に基づきセトリング時間を短縮するように最適化された連続関数として構成される。
【0085】
[0085]更に、上述したように、昇圧レベルの数、昇圧レベル電圧、及び昇圧時間は、各電子装置、線、又は個々のピクセルに対して異なる。ある実施形態では、(a)セトリングを改善し又は(b)スプリアス放射を減少するため、送信器信号波形の昇圧部分及びセトリング部分のスリューレートが異なる。ステップ応答以外の波形プロファイル、例えば、正弦波、三角波、等も使用できる。更に、セトリング時間の測定値のように、フィードバックに基づいて昇圧パラメータを動的に変化させることもできる。
【0086】
[0086]
図8は、本発明の実施形態により昇圧
された波形で送信器電極を駆動するように構成されたドライバモジュール202のブロック図である。ドライバモジュール202は、容量性感知中に送信器電極を駆動するための上述したマルチレベル駆動信号を発生するように複数のコントロール信号802をマルチプレクサ804、806へ供給する。マルチレベル駆動信号を発生するように構成されたドライバモジュール202は、個別のASICを含む種々の配列及び構成で、又は一体型タッチ及びディスプレイICの一部分として実施される。また、マルチプレクサ804、806は、個別のディスプレイドライブIC、一体型タッチ及びディスプレイIC、又はディスプレイのガラス上の回路を含む種々の実施形態において構成されてもよい。
【0087】
[0087]
図8に示すように、ドライバモジュール202は、1つ以上の送信器電極210に送信器信号を駆動するために複数のコントロール信号802をマルチプレクサ804、806に与える。ある実施形態では、コントロール信号802は、タッチ感知波形の異なる周期中に適用される極性及びレベルをエンコードするデジタル論理信号を含む。使用するレベルの数及び周期の数は、特定の実施に基づいて変化する。例えば、1つの感知周期中に使用されるレベルの数をN
levelsとすれば、ceiling(log
2(N
levels))は、レベルマルチプレクサ804の論理コントロール信号の数を規定する。電圧のタイミング、選択、及び/又は発生は、適当な回路、ソフトウェア又はファームウェアにより与えられる。種々の実施形態によれば、印加される印加電圧は、例えば、電圧レギュレータ又は電源を使用して発生される。更に別の実施形態によれば、印加電圧は、使用可能な電源から選択される。
【0088】
[0088]
図8に示す実施形態では、ドライバモジュール202は、容量性感知の間に使用すべき複数の電圧レベル808から選択を行うためにレベルマルチプレクサ804へコントロール信号を与える。電圧レベルが選択されると、得られたマルチレベル感知信号602は、タッチ感知に対して送信器電極を駆動するように構成された回路(例えば、送信器マルチプレクサ806)へ送られ、これは、アクティブな送信器を選択するための他のコントロール信号810に基づいて行われ、この信号は、処理システム110、ディスプレイドライバ、又はガラス上のロジックから到来する。
【0089】
[0089]
図9及び
図10は、本発明の実施形態によりタッチセンサ装置を駆動するための昇圧
された波形及びそれに対応するコントロール信号を示す。
図9に示すように、マルチレベル昇圧波形は、2つの極性(例えば、V
high及びV
low)を含み、各極性は、2つの異なる電圧レベルを含む。その結果、4つの異なる電圧レベル(即ち、V1、V2、V3及びV4)を有する波形となる。これらの昇圧レベルを与えるために、
図10に示す2つの論理的コントロール信号C1及びC2は、ドライバモジュール202によりレベルマルチプレクサ804に与えられる。コントロール信号C1及びC2は、タッチ感知を遂行するのに使用される送信器電極を駆動するのに使用される電圧レベルV1、V2、V3及びV4の中で選択を行う。ある実施形態では、処理システム110は、昇圧周期の期間、及び各極性に使用される周期の期間を構成するために複数のレジスタ(図示せず)を備えてもよい。ある実施形態では、レベルマルチプレクサ804の動作モードは、以下のテーブル2により定義される。
【表1】
【0090】
[0090]以上に鑑み、本開示の範囲は、特許請求の範囲によって決定される。当業者であれば、以上の説明及び実施例は、例示の目的で提示されたものに過ぎないことが明らかであろう。以上の説明は、過不足のないものでもないし、また、本発明をここに開示する正確な形態に限定しようとするものでもない。
[発明の項目]
[項目1]
センサを駆動する方法において、
第1の送信器電極に関連した第1のセトリング応答に基づき第1期間中に第1の送信器電極に第1電圧を印加するステップであって、前記第1電圧が前記第1の送信器電極の終了電圧より大きさが大きいものである、ステップと、
前記センサに関連した第2のセトリング応答に基づき第2期間中に前記第1の送信器電極に第2電圧を印加するステップであって、前記第1のセトリング応答及び前記第2のセトリング応答が異なるものである、ステップと
を含む方法。
[項目2]
前記第2のセトリング応答が前記第1の送信器電極に関連している、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記第2のセトリング応答が第2の送信器電極に関連している、項目1に記載の方法。
[項目4]
前記第1期間及び前記第2期間が前記第1のセトリング応答及び前記第2のセトリング応答に基づいて選択される、項目1に記載の方法。
[項目5]
前記第1の送信器電極に関連したセトリング応答が、前記第1の送信器電極に電圧を印加する際に前記終了電圧の所定範囲内に到達してそこに留まるセトリング時間を少なくとも一部分において規定する、項目1に記載の方法。
[項目6]
前記第1期間及び前記第2期間が、前記第1のセトリング応答に関連した第1のセトリング時間及び前記第2のセトリング応答に関連した第2のセトリング時間を同一にさせるよう選択される、項目1に記載の方法。
[項目7]
第3電圧を第3期間中に印加するステップを更に含み、
前記第3電圧及び前記第3期間が、前記第1のセトリング時間及び前記第2のセトリング時間を同一にさせるよう選択される、項目6に記載の方法。
[項目8]
前記第1の送信器電極が前記第2のセトリング応答に関連したセトリング時間に終了電圧をオーバーシュートするまで、前記第1電圧を印加する前記第1期間を繰り返しインクリメントすることにより、前記第1電圧を印加する前記第1期間を決定するステップを更に含み、
前記第1の送信器電極に関連した前記第1のセトリング応答が前記第2のセトリング応答より高速である、項目1に記載の方法。
[項目9]
前記第1電圧を印加する前記ステップと前記第2電圧を印加する前記ステップとは、
前記第1期間及び前記第2期間を指示する第1のコントロール信号に基づいて、前記第1期間中に前記第1の送信器電極に前記第1電圧を印加すること、及び前記第2期間中に前記第1の送信器電極に前記第2電圧を印加することを含む、項目1に記載の方法。
[項目10]
第1のセトリング応答に関連した第1の容量性ピクセル及び第2のセトリング応答に関連した第2の容量性ピクセルに結合するよう構成されたドライバ回路を有するドライバモジュールを備える処理システムであって、
前記第1の容量性ピクセルが第1の送信器電極及び第1の受信器電極を備え、
前記ドライバモジュールが、前記第1の送信器電極に第1電圧を第1期間中に印加するように構成され、前記第1電圧が、前記第1の容量性ピクセルの終了電圧より大きさが大きく、
前記ドライバモジュールが、前記第1の送信器電極に第2電圧を第2期間中に印加するように構成され、前記第1電圧及び前記第2電圧が、前記第1のセトリング応答及び前記第2のセトリング応答に基づいて選択される、処理システム。
[項目11]
前記第2の容量性ピクセルが前記第1の送信器電極及び第2の受信器電極を備える、項目10に記載の処理システム。
[項目12]
前記第2の容量性ピクセルが第2の送信器電極を備える、項目10に記載の処理システム。
[項目13]
前記第1期間及び前記第2期間が、前記第1のセトリング応答及び前記第2のセトリング応答に基づいて選択される、項目10に記載の処理システム。
[項目14]
前記第1の送信器電極に関連したセトリング応答が、前記第1の送信器電極に電圧を印加する際に前記終了電圧の所定範囲内に到達してそこに留まるセトリング時間を少なくとも一部分において規定する、項目10に記載の処理システム。
[項目15]
前記第1期間及び前記第2期間が、前記第1の容量性ピクセルに関連した第1のセトリング時間及び前記第2の容量性ピクセルに関連した第2のセトリング時間を同一にさせるよう選択される、項目10に記載の処理システム。
[項目16]
前記ドライバモジュールが、更に、第3電圧を第3期間中に印加するように構成され、前記第3電圧及び前記第3期間が、前記第1のセトリング時間及び前記第2のセトリング時間を同一にさせるよう選択される、項目15に記載の処理システム。
[項目17]
前記第1の容量性ピクセルが前記第2の容量性ピクセルに関連したセトリング時間に終了電圧をオーバーシュートするまで、前記第1電圧を印加する前記第1期間を繰り返しインクリメントすることにより、前記第1電圧を印加する前記第1期間を決定するように構成された測定モジュールを更に備え、
前記第1の容量性ピクセルに関連した前記第1のセトリング応答が、前記第2の容量性ピクセルに関連した前記第2のセトリング応答より高速である、項目10に記載の処理システム。
[項目18]
前記ドライバモジュールが、更に、前記第1期間及び前記第2期間を指示する第1のコントロール信号に基づいて、前記第1期間中に前記第1の送信器電極に前記第1電圧を印加するように、かつ、前記第2期間中に前記第1の送信器電極に前記第2電圧を印加するように構成される、項目10に記載の処理システム。
[項目19]
一体型ディスプレイ装置を有するディスプレイ装置であって、
容量性感知のために駆動されるように構成され、第1のセトリング応答に関連した第1の容量性ピクセル及び第2のセトリング応答に関連した第2の容量性ピクセルを備えた複数の容量性ピクセルであって、前記第1の容量性ピクセルが第1の送信器電極及び第1の受信器電極を備える、複数の容量性ピクセルと、
前記第1の容量性ピクセル及び前記第2の容量性ピクセルに結合されたプロセッサと
を具備し、
該プロセッサが、
前記第1の送信器電極に第1電圧を第1期間中印加するよう構成され、前記第1電圧は前記第1の容量性ピクセルの終了電圧より大きさが大きく、
前記第1の送信器電極に第2電圧を第2期間中印加するよう更に構成され、前記第1電圧及び前記第2電圧は前記第1のセトリング応答及び第2のセトリング応答に基づき選択される、ディスプレイ装置。
[項目20]
前記第2の容量性ピクセルが、前記第1の送信器電極と、第2の受信器電極とを備える、項目19に記載のディスプレイ装置。
[項目21]
前記第2の容量性ピクセルが第2の送信器電極を備える、項目19に記載のディスプレイ装置。
[項目22]
前記第1期間及び前記第2期間が、前記第1のセトリング応答及び前記第2のセトリング応答に基づいて選択される、項目19に記載のディスプレイ装置。
[項目23]
前記第1の送信器電極に関連したセトリング応答が、前記第1の送信器電極に電圧を印加する際に前記終了電圧の所定範囲内に到達してそこに留まるセトリング時間を少なくとも一部分において規定する、項目19に記載のディスプレイ装置。
[項目24]
前記第1期間及び前記第2期間が、前記第1の容量性ピクセルに関連した第1のセトリング時間及び前記第2の容量性ピクセルに関連した第2のセトリング時間を同一にさせるよう選択される、項目19に記載のディスプレイ装置。
[項目25]
前記プロセッサが、更に、第3電圧を第3期間中に印加するように構成され、前記第3電圧及び前記第3期間が、前記第1のセトリング時間及び第2のセトリング時間を同一にさせるように選択される、項目24に記載のディスプレイ装置。
[項目26]
前記プロセッサが、更に、前記第1の容量性ピクセルが前記第2の容量性ピクセルに関連したセトリング時間に終了電圧をオーバーシュートするまで、前記第1電圧を印加する前記第1期間を繰り返しインクリメントすることにより、前記第1電圧を印加する前記第1期間を決定するように構成され、
前記第1の容量性ピクセルに関連した前記第1のセトリング応答が、前記第2の容量性ピクセルに関連した第2のセトリング応答より高速である、項目19に記載のディスプレイ装置。
[項目27]
前記プロセッサが、更に、前記第1期間及び前記第2期間を指示する第1のコントロール信号に基づき、前記第1期間中に前記第1の送信器電極に前記第1電圧を印加するように、かつ、前記第2期間中に前記第1の送信器電極に前記第2電圧を印加するように構成される、項目19に記載のディスプレイ装置。