特許第6221042号(P6221042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6221042ユーザデータを伴う位置通知方法、サーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6221042
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】ユーザデータを伴う位置通知方法、サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   G06F13/00 510G
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-58381(P2017-58381)
(22)【出願日】2017年3月24日
【審査請求日】2017年4月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313012741
【氏名又は名称】株式会社Special Medico
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】中曽根 暁子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敏春
(72)【発明者】
【氏名】横井 正之
(72)【発明者】
【氏名】金井 誠
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6152521(JP,B2)
【文献】 特開2014−127042(JP,A)
【文献】 特開2002−251358(JP,A)
【文献】 特開2009−163670(JP,A)
【文献】 特開2014−209368(JP,A)
【文献】 特開2014−122837(JP,A)
【文献】 特開2007−232679(JP,A)
【文献】 特開2014−110438(JP,A)
【文献】 特開2001−126187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位部を有する送信元端末と、宛先端末と、サーバとを有するシステムの位置通知方法であって、
前記サーバは、
送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶したアドレステーブルと、
送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURL(Uniform Resource Locator)に、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能な第1のページを対応付けて記憶したページ記憶部と
を有し、
送信元端末が、第1のURLに向けて第1のページ要求を送信する第1のステップと、
前記サーバが、第1のページを、送信元端末へ応答する第2のステップと、
送信元端末が、第1のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって前記測位部から取得された送信元位置情報と、第1のページに入力されたユーザデータとを前記サーバへ送信する第3のステップと、
前記サーバが、第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、前記送信元位置情報及び前記ユーザデータが記述されたメッセージを送信する第4のステップと
を有し、
前記ユーザデータは、第3のステップの際に又は事前に、
送信元端末に対するユーザ操作によって選択されたユーザ固有情報である、又は、
送信元端末に対するユーザ操作によって発話された音声データであって、前記サーバの音声認識処理によってテキストに変換されるものである
ことを特徴とする位置通知方法。
【請求項2】
第4のステップについて、
前記サーバは、送信元位置情報をプロットした地図を生成し、前記ユーザデータが記述されたメッセージに、当該地図を添付して送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置通知方法。
【請求項3】
第4のステップについて、
前記サーバが、送信元位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図及び前記ユーザデータを含む第2のページを対応付け、
前記サーバが、宛先端末へ、第2のURLが記述されたメッセージを送信し、
宛先端末が、第2のURLに向けて第2のページ要求を送信し、
前記サーバが、宛先端末へ、第2のページを応答し、
宛先端末が、第2のページをユーザに明示する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置通知方法。
【請求項4】
宛先端末も、測位部を有し、
第4のステップについて、
第2のページも、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能なものであり、
宛先端末は、第2のページをユーザに明示した際に、第2のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって、前記測位部によって取得された宛先位置情報と、第2のページに入力されたユーザデータとを前記サーバへ送信し、
前記サーバが、第1のURLで識別された送信元ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、前記宛先位置情報及び前記ユーザデータが記述されたメッセージを送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の位置通知方法。
【請求項5】
第4のステップについて、
前記サーバが、宛先位置情報をプロットした地図を生成し、第3のURLに、当該地図及び前記ユーザデータを含む第3のページを対応付け、
前記サーバが、送信元端末へ、第3のURLが記述されたメッセージを送信し、
送信元端末が、第3のURLに向けて第3のページ要求を送信し、
前記サーバが、送信元端末へ、第3のページを応答し、
送信元端末が、第3のページをユーザに明示する
ことを特徴とする請求項4に記載の位置通知方法。
【請求項6】
前記ページ記憶部は、第1のURLについて、宛先ユーザを「同報」として識別可能としており、
第4のステップについて、
前記サーバは、宛先ユーザ毎に参照テキストを予め登録しており、
前記サーバは、送信元ユーザの送信元端末から受信したユーザデータに含まれる参照テキストに対応する1つ以上の宛先ユーザを選択し、
前記サーバは、選択された1つ以上の宛先ユーザへ、前記送信元位置情報及び前記ユーザデータが記述されたメッセージを送信する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項7】
前記ユーザデータは、前記音声データである場合、前記サーバによって第1の言語に基づくテキストから第2の言語に翻訳される
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項8】
前記アドレスは、メールアドレス、電話番号又はアカウントであり、
前記メッセージは、
前記メールアドレスに基づく電子メール、
前記電話番号に基づくSMS(Short Message Service)のプッシュメッセージ、又は、
前記アカウントに基づくSNS(Social Networking Service)のメッセージ
である
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項9】
測位部を有する送信元端末と、宛先端末と通信する位置通知サーバにおいて、
送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶したアドレステーブルと、
送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能な第1のページを対応付けて記憶したページ記憶部と、
送信元端末から、第1のURLに向けて第1のページ要求を送信するページ要求手段と、
第1のページを、送信元端末へ応答するページ応答手段と、
送信元端末から、第1のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって前記測位部から取得された送信元位置情報と、第1のページに入力されたユーザデータとを受信する位置情報受信手段と、
第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、前記送信元位置情報及び前記ユーザデータが記述されたメッセージを送信するメッセージ送信手段と
を有し、
前記ユーザデータは、第3のステップの際に又は事前に、
送信元端末に対するユーザ操作によって選択されたユーザ固有情報である、又は、
送信元端末に対するユーザ操作によって発話された音声データであって、前記サーバの音声認識処理によってテキストに変換されるものである
ことを特徴とする位置通知サーバ。
【請求項10】
測位部を有する送信元端末と、宛先端末と通信するサーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶したアドレステーブルと、
送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能な第1のページを対応付けて記憶したページ記憶部と、
送信元端末から、第1のURLに向けて第1のページ要求を送信するページ要求手段と、
第1のページを、送信元端末へ応答するページ応答手段と、
送信元端末から、第1のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって前記測位部から取得された送信元位置情報と、第1のページに入力されたユーザデータとを受信する位置情報受信手段と、
第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、前記送信元位置情報及び前記ユーザデータが記述されたメッセージを送信するメッセージ送信手段と
してコンピュータを機能させ、
前記ユーザデータは、第3のステップの際に又は事前に、
送信元端末に対するユーザ操作によって選択されたユーザ固有情報である、又は、
送信元端末に対するユーザ操作によって発話された音声データであって、前記サーバの音声認識処理によってテキストに変換されるものである
ことを特徴とするサーバ用の位置通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信元端末を所持した送信元ユーザの位置情報を、宛先端末を所持した宛先ユーザへ通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンに代表される携帯端末は、一般に、GPS(Global Positioning System)を搭載しており、現在の位置情報をリアルタイムに測位することができる。また、相手方の携帯端末の位置情報を取得することができる位置追跡アプリも多く存在する(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
従来、自らの携帯端末の位置情報を相手方端末へ通知するために、電子メールを用いた技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、送信元端末が、ユーザの選択に応じて、自らのGPSによって測位した位置情報を電子メールに添付して送信する。電子メールを中継する情報管理装置は、その電子メールに含まれる位置情報と送信元端末とを対応付けて記憶する。そして、宛先端末へ送信する電子メールに、送信元位置情報を表す地図を添付して送信する。宛先端末のユーザは、電子メールに添付された地図を見ることによって、送信元位置情報を知ることができる。
【0004】
尚、Webサイトを介して地図を提供する際に、地図のURL(Uniform Resource Locator)を、地図上に表示したいポップアップ情報のパラメータを含めるように変換する技術もある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、変換されたURLを相手方端末へ送信し、相手方端末は、そのURLにアクセスするだけで、ポップアップ情報が重畳された地図を閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−163670号公報
【特許文献2】特開2007−213128号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】StressFreeNAVI、[online]、[平成29年3月20日検索]、インターネット<URL:http://any-stress.com/archives/14503>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載の技術によれば、自らの携帯端末と相手方の携帯端末との両方が、同じ位置追跡アプリをインストールしておく必要がある。また、アプリによっては、自らの携帯端末に、相手方の携帯端末を所持するユーザのID及びパスワードを入力する必要もある。このように、悪意の第三者が、相手方の携帯端末の位置情報を追跡することを防止するために、セキュリティを高める必要がある。
【0008】
特許文献1に記載の技術によれば、端末の位置情報と共にユーザテキストも送信することができるが、電子メールに位置情報を含めるために、送信元端末及び宛先端末の両方に、専用のメールソフトウェアを予めインストールしておく必要がある。また、電子メールを中継するSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ又はPOP(Post Office Protocol)サーバは、電子メールから位置情報を取得し、その位置情報を表示した地図を生成する必要がある。更に、特許文献1によれば、送信元ユーザは、宛先ユーザのメールアドレスを指定する必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、送信元端末が、位置通知用のアプリケーションを起動することなく、送信元ユーザの簡易な操作で、自らの位置情報及びユーザデータを宛先ユーザへ通知することができる位置通知方法、サーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、測位部を有する送信元端末と、宛先端末と、サーバとを有するシステムの位置通知方法であって、
サーバは、
送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶したアドレステーブルと、
送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURL(Uniform Resource Locator)に、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能な第1のページを対応付けて記憶したページ記憶部と
を有し、
送信元端末が、第1のURLに向けて第1のページ要求を送信する第1のステップと、
サーバが、第1のページを、送信元端末へ応答する第2のステップと、
送信元端末が、第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって測位部から取得された送信元位置情報と、第1のページに入力されたユーザデータとをサーバへ送信する第3のステップと、
サーバが、第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信する第4のステップと
を有し、
ユーザデータは、第3のステップの際に又は事前に、
送信元端末に対するユーザ操作によって選択されたユーザ固有情報である、又は、
送信元端末に対するユーザ操作によって発話された音声データであって、サーバの音声認識処理によってテキストに変換されるものである
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第4のステップについて、
サーバは、送信元位置情報をプロットした地図を生成し、ユーザデータが記述されたメッセージに、当該地図を添付して送信することも好ましい。
【0012】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第4のステップについて、
サーバが、送信元位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図及びユーザデータを含む第2のページを対応付け、
サーバが、宛先端末へ、第2のURLが記述されたメッセージを送信し、
宛先端末が、第2のURLに向けて第2のページ要求を送信し、
サーバが、宛先端末へ、第2のページを応答し、
宛先端末が、第2のページをユーザに明示することも好ましい。
【0013】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
宛先端末も、測位部を有し、
第4のステップについて、
第2のページも、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能なものであり、
宛先端末は、第2のページをユーザに明示した際に、第2のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって、測位部によって取得された宛先位置情報と、第2のページに入力されたユーザデータとをサーバへ送信し、
サーバが、第1のURLで識別された送信元ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、宛先位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信する
ことも好ましい。
【0014】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第4のステップについて、
サーバが、宛先位置情報をプロットした地図を生成し、第3のURLに、当該地図及びユーザデータを含む第3のページを対応付け、
サーバが、送信元端末へ、第3のURLが記述されたメッセージを送信し、
送信元端末が、第3のURLに向けて第3のページ要求を送信し、
サーバが、送信元端末へ、第3のページを応答し、
送信元端末が、第3のページをユーザに明示することも好ましい。
【0015】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
ページ記憶部は、第1のURLについて、宛先ユーザを「同報」として識別可能としており、
第4のステップについて、
サーバは、宛先ユーザ毎に参照テキストを予め登録しており、
サーバは、送信元ユーザの送信元端末から受信したユーザデータに含まれる参照テキストに対応する1つ以上の宛先ユーザを選択し、
サーバは、選択された1つ以上の宛先ユーザへ、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信することも好ましい。
【0018】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
ユーザデータは、音声データである場合、サーバによって第1の言語に基づくテキストから第2の言語に翻訳されることも好ましい。
【0020】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
アドレスは、メールアドレス、電話番号又はアカウントであり、
所定メッセージは、
メールアドレスに基づく電子メール、
電話番号に基づくSMS(Short Message Service)のプッシュメッセージ、又は、
アカウントに基づくSNS(Social Networking Service)のメッセージ
であることも好ましい。
【0021】
本発明によれば、測位部を有する送信元端末と、宛先端末と通信する位置通知サーバにおいて、
送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶したアドレステーブルと、
送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能な第1のページを対応付けて記憶したページ記憶部と、
送信元端末から、第1のURLに向けて第1のページ要求を送信するページ要求手段と、
第1のページを、送信元端末へ応答するページ応答手段と、
送信元端末から、第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって測位部から取得された送信元位置情報と、第1のページに入力されたユーザデータとを受信する位置情報受信手段と、
第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信するメッセージ送信手段と
を有し、
ユーザデータは、第3のステップの際に又は事前に、
送信元端末に対するユーザ操作によって選択されたユーザ固有情報である、又は、
送信元端末に対するユーザ操作によって発話された音声データであって、サーバの音声認識処理によってテキストに変換されるものである
ことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、測位部を有する送信元端末と、宛先端末と通信するサーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶したアドレステーブルと、
送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能な第1のページを対応付けて記憶したページ記憶部と、
送信元端末から、第1のURLに向けて第1のページ要求を送信するページ要求手段と、
第1のページを、送信元端末へ応答するページ応答手段と、
送信元端末から、第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって測位部から取得された送信元位置情報と、第1のページに入力されたユーザデータとを受信する位置情報受信手段と、
第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信するメッセージ送信手段と
してコンピュータを機能させ、
ユーザデータは、第3のステップの際に又は事前に、
送信元端末に対するユーザ操作によって選択されたユーザ固有情報である、又は、
送信元端末に対するユーザ操作によって発話された音声データであって、サーバの音声認識処理によってテキストに変換されるものである
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の位置通知方法、サーバ及びプログラムによれば、送信元端末が、位置通知用のアプリケーションを起動することなく、送信元ユーザの簡易な操作で、自らの位置情報及びユーザデータを宛先ユーザへ通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明におけるシステム構成図である。
図2】送信元位置情報を特定の宛先端末へ通知する第1のシーケンス図である。
図3】送信元端末のタップ操作画面を表す説明図である。
図4】送信元端末のユーザデータの入力欄を表す説明図である。
図5】送信元位置情報を複数の宛先端末へ同報通知する第2のシーケンス図である。
図6】送信元位置情報がプロットされた地図を、宛先端末へ通知するシーケンス図である。
図7】宛先位置情報がプロットされた地図を、送信元端末へ返信するシーケンス図である。
図8】本発明における位置通知サーバの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
【0027】
図1によれば、位置通知サーバ1は、ネットワークを介して複数の端末2と通信することができる。以下では、本発明における4つの実施形態について説明する。
<送信元位置情報を特定の宛先端末へ通知する第1の実施形態>
<送信元位置情報を複数の宛先端末へ同報通知する第2の実施形態>
<送信元位置情報がプロットされた地図を、宛先端末へ通知する第3の実施形態>
<宛先位置情報がプロットされた地図を、送信元端末へ返信する第4の実施形態>
【0028】
<送信元位置情報を特定の宛先端末へ通知する第1の実施形態>
例えば「端末2Aを所持するユーザAが、薬局から薬Xをもらいたい」場合を想定する。ユーザAとしては、「かかりつけ薬局B」がある場合、端末Aから端末Bへメッセージを通知したいとする。このとき、ユーザAとしては、薬局Bに対して、自らの位置情報と共に、「薬Xが欲しい」旨を連絡したい。薬局Bとしては、ユーザAの位置が把握できれば、薬Xの配達も検討することができる。
【0029】
図2は、送信元位置情報を特定の宛先端末へ通知する第1のシーケンス図である。
【0030】
図2によれば、位置通知サーバ1と、送信元端末2A及び宛先端末2Bとが、ネットワークを介して接続されている。また、送信元端末2Aを所持する送信元ユーザAが、宛先端末2Bを所持する宛先ユーザBへ、位置情報及びユーザデータを送信しようとしている。
【0031】
本発明における位置通知サーバ1は、メッセージの送信元となる送信元端末2Aに対しては、「Webサイト」として機能する。即ち、位置通知サーバ1は、送信元ユーザAに対しては、WebサイトのURLを公開することによって、ページ要求を受信する。
【0032】
他方で、位置通知サーバ1は、メッセージの宛先となる宛先端末2Bに対しては、メッセージの「送信元端末」として機能する。
(1)例えばメッセージが、メールアドレスに基づく電子メールである場合、位置通知サーバ1は、メールクライアント機能を有し、外部のSMTPサーバに対してメールを送信する。
(2)例えばメッセージが、電話番号に基づくSMSのプッシュメッセージである場合、位置通知サーバ1は、電話発呼機能を有し、携帯電話網の呼接続シーケンスを実行し、ショートメッセージを発信する。
(3)例えばメッセージが、アカウントに基づくSNSのメッセージである場合、位置通知サーバ1は、SNSサイトに対するログイン機能を有し、当該サイトを介してメッセージを通知する。
【0033】
本発明の位置通知サーバ1は、「アドレステーブル101」と、「ページ記憶部102」とを有する。
【0034】
[アドレステーブル101]
アドレステーブル101は、ユーザの「識別子」と「アドレス」と対応付けて記憶したものである。「識別子」は、URLに含まれるユーザを識別可能なものである。「アドレス」は、宛先端末2Bへ送信するメッセージ種別に対応したものであって、具体的にはメールアドレス、電話番号又はアカウントである。メールアドレスの場合、例えば以下のようなアドレステーブル101を有する。
(識別子)(アドレス)
A A@aaa.com
B B@bbb.com
C C@ccc.com
D D@ddd.com
E E@eee.com
F F@fff.com
【0035】
[ページ記憶部102]
ページ記憶部102は、送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能な第1のURLのページを記憶したものである。このページは、送信元ユーザに閲覧させるものに限られず、例えばスクリプト(Script)によって記述された制御ページのようなものである。
図2によれば、例えば以下のようなURLが設定されている。
http://www.SM.co.jp/A/B
このURLには、ドメイン名に続いて、送信元ユーザを表す識別子"A"と、宛先ユーザを表す識別子"B"とが付与されており、送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能となっている。
このページのスクリプトは、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能となるようにプログラミングされたものである。
【0036】
尚、送信元端末2Aは、例えばスマートフォンであって、一般的に、タッチパネルディスプレイと、GPSのような測位部とを有する。タッチパネルディスプレイは、テキスト表示されたURLをユーザの指のタッチで発動させることができる。測位部は、位置情報として緯度経度をリアルタイムに出力することができる。勿論、GPSに限られず、基地局測位やアクセスポイント測位のようなものであってもよい。
【0037】
[S1:第1のステップ]
(S1)送信元端末2Aには、URLが表示されており、送信元ユーザAがそのURLをタップすることができる。
【0038】
図3は、送信元端末のタップ操作画面を表す説明図である。
【0039】
図3(a)は、送信元端末2Aについて、テキスト(例えば受信したメッセージ又はメール)に記述されたURLに対するユーザの発動操作を表す。これによって、URLに向けてページ要求(GET Request)が送信される。メール内容としては、通知項目に応じて、異なるURLが表示されている。
(通知項目) (URL)
「薬局B」 http://www.SM.co.jp/A/B
「近隣薬局」 http://www.SM.co.jp/A/Bload
「緊急」 http://www.SM.co.jp/A/C
これらURLは、位置通知サーバ1のページを特定すると共に、送信元ユーザAを送信元として、通知条件となる宛先を識別可能なものである。
【0040】
図3(b)は、HTML(HyperText Markup Language)コードがブラウザ上に表示された操作ボタンに対する、ユーザの発動操作を表す。これは単に、送信元ユーザAに対して、タップ操作の対象となるURLをボタン表示にしたものである。
【0041】
このように、本発明によれば、送信元ユーザAは、送信元端末2Aに表示されたURLをタップするだけで、位置情報及びユーザデータを位置通知サーバ1から宛先アドレスへ送信することができる。送信元端末2Aは、位置通知用のアプリケーションを起動することなく、且つ、位置通知用のWebサイトにアクセスすることもない。
【0042】
尚、本発明によれば、送信元端末2Aの位置情報を第三者へ送信する際に、ワンタップのユーザ操作を要する。即ち、追跡アプリのように、送信元端末2Aの位置情報が、送信元ユーザの知らない間にバックグラウンドで送信されることはない。
【0043】
[S2:第2のステップ]
(S2)位置通知サーバ1は、URLのページ要求を受信しただけで、送信元ユーザA及び宛先ユーザBを識別する。そして、送信元ユーザA及び宛先ユーザBのアドレスが、アドレステーブル101に記憶されているか否かを判定する。真と判定された場合、位置情報の送信が指示される。
そして、位置通知サーバ1は、第1のURLに基づく第1のページを、送信元端末2Aへ応答する。第1のページは、測位スクリプトが埋め込まれたものである。
【0044】
[第3のステップ:S3]
(S3)送信元端末2Aは、第1のページがブラウザに表示されると同時に、ページに埋め込まれた、GeolocationAPIのよう測位スクリプトを実行する。そして、測位部から現在の位置情報が取得される。
【0045】
図4は、本発明における送信元端末のユーザデータの入力欄を表す説明図である。
【0046】
図4によれば、ブラウザに表示された第1のページには、ユーザデータを記述可能な入力欄が表示されている。送信元ユーザAは、位置情報を通知する宛先ユーザBへ、連絡したいユーザデータを記述することができる。
【0047】
ユーザデータとしては、様々な実施形態を想定することができる。
(ユーザが記述したテキスト)
ユーザデータは、ユーザが送信元端末2Aに対して記述したテキストであってもよい。このテキストは、図2のS3の時点で送信元端末2Aに表示された第1のページの入力欄に、ユーザ操作によって記述する。また、このテキストは、図2の位置通知方法を実行する事前に、ユーザ自ら記述して作成したものであってもよい。
【0048】
(ユーザが発話した音声データから変換されたテキスト)
ユーザデータは、ユーザが送信元端末2Aに対して発話した音声データであってもよい。この音声データは、図2のS3の時点で送信元端末2Aに表示された第1のページの音声入力ボタンをユーザがタップした後、発話して入力されたものであってもよい。また、図1の位置通知方法を実行する事前に、ユーザ自ら発話した音声を録音したものであってもよい。そして、位置通知サーバ1が、音声データに対する音声認識処理によってテキストに変換する。
【0049】
(テキストの翻訳処理)
ユーザが記述したテキストに対して、位置通知サーバ1が、翻訳処理をするものであってもよい。例えば送信元ユーザが英語(第1の言語)によって記述したテキストを、位置通知サーバ1が、日本語(第2の言語)に翻訳処理するものであってもよい。
又は、ユーザが発話した音声データに対して、位置通知サーバ1が、音声認識処理によって変換されたテキストを更に翻訳処理をするものであってもよい。例えば送信元ユーザが英語(第1の言語)によって発話した音声データを、位置通知サーバ1が、音声認識によって英文テキストに変換し、その英文テキストを日本語(第2の言語)に翻訳処理するものであってもよい。
【0050】
(ユーザ固有のデータファイル)
ユーザデータは、送信元端末2Aに蓄積された、ユーザ固有のデータファイルであってもよい。このユーザデータは、図2のS3の時点で送信元端末2Aに表示された第1のページのファイル添付ボタンをユーザがタップした後、データファイルを選択するものであってもよい。また、送信すべきデータファイルを予め選択して設定されたものであってもよい。ユーザ固有のデータファイルとしては、例えばユーザの医療情報のようなものであってもよい。
【0051】
そして、送信元端末2Aは、位置情報及びユーザデータを、位置通知サーバ1へ送信する。尚、送信先となる位置通知サーバ1のアドレスも、スクリプトによって制御される。
【0052】
[第4のステップ:S4]
位置通知サーバ1は、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信する。このメッセージは、以下のように設定される。
送信元アドレス:URLで識別された送信元ユーザに基づくアドレス(A@aaa.com)
宛先アドレス :URLで識別された宛先ユーザに基づくアドレス(B@bbb.com)
【0053】
尚、第1の実施形態によれば、メッセージに記述された位置情報は、緯度経度で記述されているために、その緯度経度に対するアプリケーション処理は、宛先端末2Bで任意に実行される。
【0054】
他の実施形態として、位置通知サーバ1は、宛先ユーザBに対する位置情報及びユーザデータの送信が完了した後、送信元ユーザAの送信元端末2Aへ、「メッセージ送信完了」を報告するものであってもよい。具体的は、例えばHTTP Server Pushを用いて、「メッセージ送信完了」を送信元端末2Aのブラウザに明示するものであってもよい。
【0055】
<送信元位置情報を複数の宛先端末へ同報通知する第2の実施形態>
例えば「端末2Aを所持するユーザAが、薬Xを保有している薬局から、直ぐに薬Xをもらいたい」場合を想定する。薬局によっては、薬Xを在庫として保有している場合や、そうでない場合もあるためである。
【0056】
図5は、送信元位置情報を複数の宛先端末へ同報通知する第2のシーケンス図である。
【0057】
アドレステーブル101は、ユーザの識別子毎に「参照テキスト」を対応付けて登録している。具体的には、例えば薬局の場合、在庫として保管している薬の名称であってもよい。図5によれば、例えば識別子"B"の薬局Bは、アドレスB.bbb.comであり、薬X、Y、Zを保管しているとする。
(識別子)(アドレス)(参照テキスト)
A A@aaa.com
B B@bbb.com X,Y,Z
C C@ccc.com Z
D D@ddd.com X,Y
E E@eee.com X
F F@fff.com Y,Z
【0058】
ページ記憶部102は、送信元ユーザAと共に、宛先ユーザ「同報」として識別可能なURLのページを記憶している。図5によれば、例えば以下のようなURLが設定されている。
http://www.SM.co.jp/A/Bload
このURLには、ドメイン名に続いて、送信元ユーザを表す識別子"A"と、宛先ユーザ「同報」を表す識別子"Bload"とが付与されている。
【0059】
ここでは、図2と比較して相違する図5のS4についてのみ説明する。
(S4)位置通知サーバ1は、送信元ユーザAの送信元端末2Aから受信したユーザデータに、アドレステーブル101に登録された「参照テキスト」が含まれているか否かを検索する。ユーザデータが含む参照テキストに対応する1つ以上の宛先ユーザが選択される。
【0060】
具体的には、テキストのユーザデータを、形態素解析によって区分する。「形態素解析」とは、文章を、意味のある単語に区切り、辞書を利用して品詞や内容を判別する技術をいう。「形態素」とは、文章の要素のうち、意味を持つ最小の単位を意味する。例えば形態素の名詞と、アドレステーブル101の参照テキストとが一致する宛先ユーザを選択する。
【0061】
図5によれば、ユーザデータのテキスト「薬Xが欲しい」に対して、薬「X」の参照テキストを有する宛先ユーザB,D,Eが選択される。
そして、位置通知サーバ1は、宛先ユーザB,D,Eへのみ、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信する。
【0062】
<送信元位置情報がプロットされた地図を、宛先端末へ通知する第3の実施形態>
S4について、宛先ユーザBが送信元端末2Aの位置を一見して認識することができるように、宛先端末2Bに地図を表示することが好ましい。
ここでは、以下の2つの他の実施形態を想定することができる。
[位置通知サーバから地図を送信する第31の実施形態]
[宛先端末から位置通知サーバの地図を取得する第32の実施形態]
【0063】
[位置通知サーバから地図を送信する第31の実施形態]
位置通知サーバ1は、送信元端末2Aの位置情報をプロットした地図を生成する。そして、ユーザデータが記述されたメッセージに、当該地図を添付して送信する。このとき、ユーザデータがテキストである場合、地図上のプロット部分にそのテキストを重畳して表示するものであってもよい。
【0064】
[宛先端末から位置通知サーバの地図を取得する第32の実施形態]
図6は、送信元位置情報がプロットされた地図を、宛先端末へ通知するシーケンス図である。
【0065】
(S41)位置通知サーバ1は、送信元端末2Aの当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける。第2のページも、Webブラウザによって表示可能なマークアップ言語(例えばHTML)で記述されたものである。
ここで、位置通知サーバ1は、地図上に送信元端末2Aの位置をプロットした部分に、ユーザデータ(テキスト)を表示するものであってもよい。図2によれば、地図上に「★A」として、送信元端末2Aの位置をプロットした部分に、例えば「薬Xが欲しい」と明示されている。
地図としては、例えばGoogle Map(登録商標)のようなWebGIS(Geographic Information System)を用いることが好ましい。これによれば、地図上に様々な情報を重畳することができる。
【0066】
(S42)位置通知サーバ1が、第2のURLが記述されたメッセージを、宛先端末2Bへ送信する。
第2のURL:http://www.SM.co.jp/A/B/map
【0067】
(S43)宛先ユーザBは、宛先端末2Bのディスプレイに表示された第2のURLをタップすることができる。タップ操作がされた際、宛先端末2Bは、第2のURLに向けてページ要求を送信する。
【0068】
(S44)これに対し、位置通知サーバ1は、地図が描画された第2のページを、宛先端末2Bへ応答する。
【0069】
(S45)宛先端末2Bは、第2のページに描画された地図を、ブラウザを用いてディスプレイに表示する。これによって、宛先端末2Bを操作する宛先ユーザBは、地図を視認し、送信元ユーザAの現在位置を知ることができる。
【0070】
尚、他の実施形態として、位置通知サーバ1は、宛先端末2Bの位置情報を予め登録しておくものであってもよい。これによって、位置通知サーバ1は、地図上に、宛先端末2Bの当該位置情報も、プロットすることができる。
宛先端末2Bの宛先ユーザBは、送信元ユーザAの送信元端末2Aの位置情報のプロットと共に、自らの位置情報のプロットも視認することができる。
【0071】
<宛先位置情報がプロットされた地図を、送信元端末へ返信する第4の実施形態>
図7は、宛先位置情報がプロットされた地図を、送信元端末へ返信するシーケンス図である。
【0072】
宛先端末2Bの位置をプロットした地図を、送信元端末2Aの送信元ユーザAに視認させることもできる。送信元ユーザAにとっては、宛先ユーザBの位置を目的地(訪問先)として認識することができる。
宛先端末2Bも、送信元端末2Aと同様に、GPSのような測位部を有する。
【0073】
(S44)位置通知サーバ1は、第2のURLに基づく第2のページに、測位スクリプトを埋め込む。そして、位置通知サーバ1は、第2のページを、ページ応答として宛先端末2Bへ応答する。また、第2のページも、宛先ユーザBから、ユーザデータを入力可能なものであってもよい。
【0074】
(S45)宛先端末2Bは、第2のページをユーザに明示した際に、第2のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行する。そして、測位部から現在の位置情報が取得される。また、宛先ユーザBからユーザデータが入力されてもよい。
このとき、宛先端末2Bは、測位スクリプトに従って、現在の位置情報を、自ら表示している地図に更にプロットすることもできる。ユーザBにとっては、地図上で、ユーザBとユーザAとの間の大凡の距離感を認識することができる。
そして、宛先端末2Bは、測位スクリプトのプログラムに従って、自らの位置情報を位置通知サーバ1へ返信する。また、宛先ユーザBが入力したユーザデータも、位置通知サーバ1へ送信される。
【0075】
(S46)位置通知サーバ1は、第2のURLの第2のページに描画された地図に、宛先端末2Bの当該位置情報をプロットした地図を更に生成する。そして、位置通知サーバ1は、第3のURLに、当該地図及びユーザデータを含む第3のページを対応付ける。
【0076】
(S47)位置通知サーバ1は、第3のURLが記述されたメッセージを、送信元端末2Aへ送信する。位置通知サーバ1は、メッセージを以下のように作成する。
送信元アドレス:第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレス
宛先アドレス:第1のURLで識別された送信元ユーザに基づくアドレス
メッセージ内容:第3のURL(及び宛先ユーザのユーザデータ)
【0077】
(S48)ユーザAは、所持する送信元端末2Aのディスプレイに表示された第3のURLをタップする。
http://www.SM.co.jp/A/B/map
これによって、送信元端末2Aは、第3のURLに向けてページ要求を送信する。
【0078】
(S49)位置通知サーバ1は、ページ要求を受信した際に、送信元端末2Aへ第3のページを応答する。
そして、送信元端末2Aは、第3のページに描画された地図を、ディスプレイに表示する。このとき、地図上に、宛先端末2Bの位置がプロットされていると共に、宛先ユーザのユーザテキストが重畳されていてもよい。
これによって、送信元端末2Aの送信元ユーザAは、宛先端末2Bの宛先ユーザBの位置を、地図上で視認することができる。
【0079】
図8は、本発明における位置通知サーバの機能構成図である。
【0080】
図8によれば、位置通知サーバ1は、アドレステーブル101と、ページ記憶部102と、ページ要求受信部11と、ページ応答部12と、位置情報受信部13と、メッセージ送信部14とを有する。これら機能構成部は、サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、位置通知方法としても理解できる。
【0081】
[ページ要求受信部11]
ページ要求受信部11は、送信元端末2Aから、第1のURLに向けた第1のページ要求を受信する。これは、位置通知サーバ1における前述したS1の処理を実行する。
【0082】
[ページ応答部12]
ページ応答部12は、第1のページを送信元端末2Aへ応答する。これは、位置通知サーバ1における前述したS2の処理を実行する。
【0083】
[位置情報受信部13]
位置情報受信部13は、送信元端末2Aが、第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって測位部から位置情報を取得すると共に、第1のページにユーザデータを入力させ、送信元端末2Aから、当該位置情報及び当該ユーザデータを受信する。これは、位置通知サーバ1における前述したS3における処理を実行する。
【0084】
[メッセージ送信部14]
メッセージ送信部14は、第1のURLで識別された送信元ユーザに基づくアドレスを送信元アドレスとし、第1のURLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとし、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信する。これは、位置通知サーバ1における前述したS4における処理を実行する。
【0085】
以上、詳細に説明したように、本発明の位置通知方法、サーバ及びプログラムによれば、送信元端末が、位置通知用のアプリケーションを起動することなく、送信元ユーザの簡易な操作で、自らの位置情報及びユーザデータを宛先ユーザへ通知することができる。
また、本発明によれば、ユーザデータに対応可能な参照テキストを登録する宛先ユーザのみへ、同報的にメッセージを送信することができる。即ち、ユーザデータによって対応できない宛先ユーザには、メッセージが送信されない。
【0086】
前述の具体的な用途例として、ユーザが薬局に問い合わせる場合について説明したが、その他、様々な用途例がある。
(用途例1)送信元ユーザが乗客であって、宛先ユーザがタクシーである場合、送信元ユーザは、宛先ユーザへ、現在の位置情報を通知すると共に、自らの行き先もユーザテキストとして通知することができる。タクシーとしては、ユーザの位置情報及び行き先を知った上で、そのユーザを迎えに行くかどうかを判断することができる。また、タクシーも、ユーザへテキストを返信することができれば、およその待ち時間や、車番、待ち道路方向を通知することもできる。
【0087】
(用途例2)送信元ユーザが救急車であって、宛先ユーザが受け入れ病院である場合、送信元ユーザは、宛先ユーザへ、現在の位置情報を通知すると共に、患者の状態もユーザテキスト(テキスト、音声、映像等)として通知することができる。受け入れ病院としては、救急車の位置情報及び患者状態を知った上で、その患者の受け入れを判断することができる。また、病院側も、救急車へテキストを返信することができれば、電話番号や処置対応を通知することもできる。
【0088】
(用途例3)送信元ユーザが日本への旅行客である外国人であって、宛先ユーザが受け入れ病院である場合、送信元ユーザは、宛先ユーザへ、現在の位置情報を通知すると共に、母国語で発話した音声データを通知することができる。位置通知サーバは、その音声データを音声認識処理によって母国語テキストに変換した後、更に音声認識処理によって日本語テキストに翻訳する。その日本語テキストが、外国人の現在の位置情報と共に、受け入れ病院へ通知される。受け入れ病院は、外国人の位置情報と日本語テキストとを認識した上で、その外国人の受け入れを判断することができる。
他方、宛先ユーザが旅行ツアーガイドであってもよい。その場合、外国人が、集合時間になっても集合場所に来ない場合にも利用できる。
【0089】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0090】
1 位置通知サーバ
101 アドレステーブル
102 ページ記憶部
11 ページ要求受信部
12 ページ応答部
13 位置情報受信部
14 メッセージ送信部
2A 送信元端末
2B 宛先端末

【要約】      (修正有)
【課題】送信元端末と宛先端末との両方に、位置通知用のアプリケーションを起動することなく、送信元ユーザのユーザデータと共に位置情報を簡易に通知する方法、サーバ及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバは、送信元ユーザ及び宛先ユーザのアドレスを記憶し、送信元ユーザ及び宛先ユーザを識別可能なURLに、測位スクリプトを埋め込み且つユーザデータを入力可能なページを記憶する。最初に、送信元端末が、URLに向けて第1のページ要求を送信し、サーバが、ページを送信元端末へ応答する。次に、送信元端末が、ページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって測位部から位置情報を取得し、ページにユーザデータを入力させ、位置情報及びユーザデータをサーバへ送信する。そして、サーバが、URLで識別される送信元アドレス及び宛先アドレスへ、送信元位置情報及びユーザデータが記述されたメッセージを送信する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8