特許第6221087号(P6221087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6221087地理的ビンデータ収集及びレポートのための方法及び進化型ノードB
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221087
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】地理的ビンデータ収集及びレポートのための方法及び進化型ノードB
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20171023BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20171023BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20171023BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20171023BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W16/18
   H04W64/00 173
   H04W92/14
【請求項の数】25
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-534729(P2016-534729)
(86)(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公表番号】特表2017-507508(P2017-507508A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】US2014068888
(87)【国際公開番号】WO2015102812
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2016年6月30日
(31)【優先権主張番号】61/924,194
(32)【優先日】2014年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/318,076
(32)【優先日】2014年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515140897
【氏名又は名称】インテル アイピー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ジョーイ
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−333414(JP,A)
【文献】 特表2011−525326(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/155731(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のユーザ機器(UE)に対する地理的ビン情報を追跡する進化型ノードB(eNB)であって、
前記UEのそれぞれに対して、
前記UEからの1又は複数のパケットの受信に基づいて、前記UEに対する到来角及び前記UEに対する伝搬遅延を測定し、
複数の候補地理的ビンのセットから、前記UEに対する地理的ビンを選択し、
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値以上のときに、トレース収集エンティティ(TCE)に対して前記候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータを送信し、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数が前記UE分布閾値より少ないときに、前記候補地理的ビンに対する前記地理的ビンパフォーマンスデータを前記TCEに対して送信することを制限する
ハードウェア処理回路を備え、
前記選択は、前記到来角及び前記伝搬遅延に基づく、eNB。
【請求項2】
地理的ビンに対するUE分布は、前記地理的ビン内に位置するUEの数のカウント値であり、前記UE分布閾値は、前記UE分布のUEの割合に関して閾値を特定する、請求項1に記載のeNB。
【請求項3】
各UEから受信した前記1又は複数のパケットは、前記UEにおける、前記eNBから送信された無線信号の受信に関連付けられた前記UEに対する受信信号電力指標を含み、
前記候補地理的ビンに対する前記地理的ビンパフォーマンスデータは、前記候補地理的ビンが選択された前記UEに対する前記受信信号電力指標の平均を含む、請求項1または2に記載のeNB。
【請求項4】
前記ハードウェア処理回路はさらに、
モビリティ制御エンティティ(MME)から、信号電力指標ビン閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信し、
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択された前記UEに対する前記受信信号電力指標の前記平均が、前記信号電力指標ビン閾値より小さときに、前記候補地理的ビンに対する前記地理的ビンパフォーマンスデータを前記TCEに対して送信することを制限する、請求項3に記載のeNB。
【請求項5】
各UEから受信した前記1又は複数のパケットは、前記UEにおける、前記eNBから送信された無線信号の受信に関連付けられた前記UEに対する受信信号品質指標を含み、
前記候補地理的ビンに対する前記地理的ビンパフォーマンスデータは、前記候補地理的ビンが選択された前記UEに対する前記受信信号品質指標の平均を含む、請求項1からの何れか一項に記載のeNB。
【請求項6】
前記ハードウェア処理回路はさらに、
モビリティ制御エンティティ(MMEから、信号品質指標ビン閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信し、
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択された前記UEに対する前記受信信号品質指標の前記平均が、前記信号品質指標ビン閾値より小さときに、前記候補地理的ビンに対する前記地理的ビンパフォーマンスデータを前記TCEに対して送信することを制限する、請求項5に記載のeNB。
【請求項7】
前記ハードウェア処理回路はさらに、
前記MMEから、到来角ウインドウ平均パラメータ及び伝搬遅延ウインドウ平均パラメータを含む地理的ビン制御メッセージを受信し、
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択された前記UEに対する前記受信信号品質指標のビン平均を決定し、
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記地理的ビンパフォーマンスデータに含まれた前記候補地理的ビンに対するズームアウト平均を決定し、
前記ズームアウト平均は、前記到来角ウインドウ平均パラメータ及び前記伝搬遅延ウインドウ平均パラメータに従って、前記候補地理的ビンの前記ビン平均及び隣接候補地理的ビンの前記ビン平均のウインドウ平均として決定される、請求項6に記載のeNB。
【請求項8】
前記ハードウェア処理回路はさらに、モビリティ制御エンティティ(MMEから、前記UE分布閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信する、請求項1から7の何れか一項に記載のeNB。
【請求項9】
前記地理的ビン制御メッセージは、ドライブテスト最小化(MDT)制御メッセージの部分として含まれる地理的ビン情報要素(IE)である、請求項8に記載のeNB。
【請求項10】
前記地理的ビンIEは、前記MDT制御メッセージによってトランスポートされる、請求項9に記載のeNB。
【請求項11】
前記ハードウェア処理回路はさらに
モビリティ制御エンティティ(MMEから、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータを含む地理的ビン制御メッセージを受信し、
前記到来角スケールパラメータ及び前記伝搬遅延スケールパラメータに基づいて、複数の候補地理的ビンの前記セットを決定する、請求項1から10の何れか一項に記載のeNB。
【請求項12】
前記到来角スケールパラメータは、前記eNBからの特定の半径方向距離における、任意の2つの隣接候補地理的ビンの間の角度差に関係し、
前記伝搬遅延スケールパラメータは、前記eNBの軸に対する特定の角度における、任意の2つの隣接候補地理的ビンの間の距離差に関係する、請求項11に記載のeNB。
【請求項13】
前記ハードウェア処理回路はさらに、モビリティ制御エンティティ(MMEから、定期的レポートパラメータを含む地理的ビン制御メッセージを受信し、
パフォーマンスデータの送信は、前記定期的レポートパラメータに従って行われる、請求項1から12の何れか一項に記載のeNB。
【請求項14】
無線ネットワークにおけるカバレッジエリアに関係したデータを収集及びレポートする進化型ノードB(eNB)であって、
モビリティ制御エンティティ(MME)から、MDT有効化パラメータ及び地理的ビン情報要素(IE)を含むドライブテスト最小化(MDT)制御メッセージを受信し、
前記カバレッジエリアを複数の候補地理的ビンのセットに分けて構成し、
1又は複数のユーザ機器(UE)のそれぞれに対して、前記UEからの1又は複数のパケットの受信に基づいて、前記UEに対する複数の候補地理的ビンの前記セットから地理的ビンを選択する、
ハードウェア処理回路を備え、
前記MDT有効化パラメータは、前記eNB及び前記1又は複数のUEに対する動作についてのMDTモードを示し、
前記地理的ビンIEはさらにUE分布閾値を含み、
前記ハードウェア処理回路はさらに、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数が、前記UE分布閾値以上である場合に、各候補地理的ビンに対するパフォーマンスデータを含むメッセージをトレース収集エンティティ(TCE)に送信する、eNB。
【請求項15】
前記カバレッジエリアは、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータに従って構成され、
前記地理的ビンIEは、前記到来角スケールパラメータ及び前記伝搬遅延スケールパラメータを含む、請求項14に記載のeNB。
【請求項16】
各UEから受信した前記1又は複数のパケットは、前記UEに対する受信信号電力指標、又は、前記UEに対する受信信号品質指標を含み、
前記受信信号電力指標及び受信信号品質指標は、前記UEにおける、前記eNBから送信された無線信号の受信に関連付けられ、
前記ハードウェア処理回路はさらに、
各候補地理的ビンに対して、前記候補地理的ビンが選択された前記UEの前記受信信号電力指標又は前記受信信号品質指標の平均を含む地理的パフォーマンスデータを決定し、
前記無線ネットワークで動作するトレース収集エンティティ(TCE)に対して、前記複数の候補地理的ビンのうちの少なくともいくつかに対する地理的パフォーマンスデータを含むメッセージを送信する、請求項14または15に記載のeNB。
【請求項17】
前記メッセージは、地理的パフォーマンスデータが送信された前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンを特定する地理的ビンシリアル番号を含む、請求項16に記載のeNB。
【請求項18】
前記メッセージは、地理的パフォーマンスデータが送信された前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数を含む、請求項16または17に記載のeNB。
【請求項19】
地理的ビンパフォーマンスデータを収集及び送信する動作を実行するコンピュータプログラムであって、
前記動作は、1又は複数のプロセッサに、
無線ネットワークにおける地理的ビン情報を追跡する進化型ノードB(eNB)において、前記無線ネットワークで動作する1又は複数のユーザ機器(UE)からパケットを受信させ、
前記UEからの前記パケットの受信に基づいて、各UEに対する到来角及び各UEに対する伝搬遅延を測定させ、
各UEに対して、複数の候補地理的ビンのセットから、前記UEに対する地理的ビンを選択させ、
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値以上であるときに、前記無線ネットワークで動作するトレース収集エンティティ(TCE)に対して地理的ビンパフォーマンスデータを送信させ、
前記選択は、前記UEに対する前記到来角及び前記UEに対する前記伝搬遅延の測定に基づく、コンピュータプログラム。
【請求項20】
前記動作はさらに、前記1又は複数のプロセッサに、前記無線ネットワークで動作するモビリティ制御エンティティ(MME)から、前記UE分布閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信させる、請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
前記地理的ビン制御メッセージは、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータを含み、
前記動作はさらに、前記1又は複数のプロセッサに、前記到来角スケールパラメータ及び前記伝搬遅延スケールパラメータに基づいて、前記複数の候補地理的ビンの前記セットを決定させる、請求項20に記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
無線ネットワークにおけるカバレッジエリアに関係したデータを収集及びレポートする方法であって、
無線ネットワークにおいて地理的ビン情報を追跡する進化型ノードB(eNB)において、前記無線ネットワークで動作する1又は複数のユーザ機器(UE)からパケットを受信すること、
前記UEからの前記パケットの受信に基づいて、各UEに対する到来角及び各UEに対する伝搬遅延を測定すること、
各UEに対して、複数の候補地理的ビンのセットから、前記UEに対する地理的ビンを選択すること、及び
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値以上であるときに、前記無線ネットワークで動作するトレース収集エンティティ(TCE)に対して地理的ビンパフォーマンスデータを送信すること、を備え、
前記選択は、前記UEに対する到来角及び前記UEに対する伝搬遅延の測定に基づく、方法。
【請求項23】
モビリティ制御エンティティ(MME)から、前記UE分布閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信することをさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、前記候補地理的ビンが選択されたUEの数が前記UE分布閾値より少ないときに、前記TCEに対して前記地理的ビンパフォーマンスデータを送信することを制限することをさらに備える、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
請求項19から21のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]本願は、2014年1月6日に出願された米国仮特許出願番号61/924,194の優先権を主張する、2014年6月27日に出願された米国特許出願番号14/318,076の優先権を主張し、これらのそれぞれは、全体を参照として組み込まれる。
【0002】
実施形態は、無線通信に関する。実施形態のいくつかは、無線ネットワークにおける地理的ビンデータ収集に関する。実施形態のいくつかは、3GPPネットワークにおけるドライブテスト最小化(MDT)メッセージに関する。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワークは、最も典型的なシナリオ及び使用状況の間に基地局及びモバイルデバイスの間で通信サービスをサポートする目的を持って、設計及び配備され得る。これらのシナリオは、異なる時間期間の間にアクティブとなることが予想されるモバイルデバイスの負荷又は量等の、ネットワーク設計に対して重要であるパラメータにおける大きな変動によって特徴付けられる。ネットワークの初期設計は、そのようなパラメータの統計的モデルを利用し、このアプローチは、ネットワークの配置に対する良好な開始点を提供し得る。しかし、配備されたネットワークのパフォーマンスは、良く設計されたものでさえ、 フィールドにおいて収集された実際のデータに基づいてさらに最適化又は向上し得る。ある例として、ある日時に特定の地理的領域において実際に動作するモバイルデバイスの数、又は、これらのモバイルデバイスで受信される典型的信号強度は、ネットワーク設計において最初に意図されたもの又はモデル化されたものとは異なり得る。
【0004】
そのようなデータの収集は、ネットワーク設計者、又は、ネットワークで動作する自己組織化又は自己最適化プロセスをアシストし得る。しかし、典型的な地理的カバレッジエリアに対して収集されたデータ量は、混雑したエリアでは特に、非常に大きいものになり得る。そのような場合には、さらなるプロセスのためのネットワークにおける基地局からその他のコンポーネントへのバックホールを介したデータの送信は、困難となり得る。さらに、データの相当量は特別有用でない場合さえあり、その送信はネットワークにおいて混雑を引き起こす、又は、有用であるデータのプロセスの妨げとなり得る。したがって、プロセスためのその他のコンポーネントに対して地理的ビンデータを、収集、フィルタリング、及び送信するシステム及び方法に対して、一般的なニーズが存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】いくつかの実施形態に従った3GPPネットワークの機能図を示す。
【0006】
図2】いくつかの実施形態に従ったユーザ機器(UE)の機能図を示す。
【0007】
図3】いくつかの実施形態に従った進化型ノードB(eNB)の機能図を示す。
【0008】
図4】いくつかの実施形態に従った無線ネットワークにおける地理的ビンデータを収集及びレポートする方法の動作を示す。
【0009】
図5】いくつかの実施形態に従った地理的ビン情報要素(IE)又はメッセージの例を示す。
【0010】
図6】いくつかの実施形態に従った、複数の地理的ビンで構成されたeNBに対するカバレッジエリアの例を示す。
【0011】
図7】いくつかの実施形態に従った、地理的ビンパフォーマンスデータをレポートするために使用され得るトレースレコードメッセージの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明及び図面では、特定の実施形態を当業者が実施できるように、特定のものを十分に示している。その他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス的、及びその他の変更を組み込んでもよい。いくつかの実施形態の部分及び特徴が、その他の実施形態のそれらに含まれても良く、又は、代用されてもよい。請求項に記載された実施形態は、それらの請求項の全ての利用可能な均等物を包含する。
【0013】
いくつかの実施形態において、ここで説明されたモバイルデバイス又はその他のデバイスは、無線通信能力を有したパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップ、又はポータブルコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話、スマートフォン、無線ヘッドセット、ページャ、インスタントメッセージングデバイス、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、医療デバイス(例えば、心拍モニタ、血圧モニタ等)、又は、無線で情報を受信及び/又は送信するその他のデバイスを含む、ポータブル無線通信デバイスの部分であってもよい。いくつかの実施形態において、モバイルデバイス又はその他のデバイスは、3GPP規格に準じて動作するように構成されたユーザ機器(UE)又は進化型ノードB(eNB)であってもよい。いくつかの実施形態において、モバイルデバイス又はその他のデバイスは、IEEE802.11又はその他のIEEE規格を含む、その他のプロトコル又は規格に従って動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、モバイルデバイス又はその他のデバイスは、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリポート、複数のアンテナ、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、スピーカ、及び、その他のモバイルデバイス要素のうちの1又は複数を含んでもよい。ディスプレイは、タッチスクリーンを含むLCDスクリーンであってもよい。
【0014】
図1は、いくつかの実施形態に従ったネットワークの様々なコンポーネントを有するLTEネットワークのエンドツーエンドネットワークアーキテクチャの部分を示す。ネットワーク100は、SIインターフェース115を介して共に結合される(例えば、E−UTRAN又は進化型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワークと示されるような)無線アクセスネットワーク(RAN)100、及び、(例えば、進化型パケットコア(EPC)等と示されるような)コアネットワーク120を備える。便宜上及び簡潔化のために、コアネットワーク120並びにRAN100の部分のみを示している。
【0015】
コアネットワーク120は、モビリティ制御エンティティ(MME)122、サービングゲートウェイ(サービングGW)124、及びパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN−GW)126を含む。RAN100は、UE102と通信するための(複数の基地局として動作し得る)複数の拡張型ノードB(eNB)104を含む。複数のeNB104は、複数のマクロeNB及び複数の低電力(LP)eNBを含んでもよい。
【0016】
MMEは、複数のレガシーサービングGPRSサポートノード(SGSN)の制御プレーンと同様の機能である。MMEは、ゲートウェイ選択及びトラッキングエリアリスト管理等のアクセスにおけるモビリティ態様を管理する。サービングGW124は、RAN100に対するインターフェースを終端し、RAN100とコアネットワーク120との間で複数のデータパケットをルーティングする。さらに、それは、eNB間のハンドオーバに対するローカルモビリティアンカーポイントであってもよく、また、3GPPモビリティ間に対するアンカーを提供してもよい。その他の能力は、合法的インターセプト、チャージ、及び、特定のポリシー施行を含んでもよい。サービングGW124及びMME122は、1つの物理ノード又は別個の複数の物理ノードに実装されてもよい。PDN−GW126は、パケットデータネットワーク(PDN)に対するSGiインターフェースを終端する。PDN−GW126は、EPC120と外部PDNとの間でデータパケットをルーティングし、ポリシー施行及びチャージデータ収集のためのキーノードであってもよい。複数の非LTEアクセスを有するモビリティに対してアンカーポイントが提供されてもよい。外部PDNは、あらゆる種類のIPネットワーク、並びにIPマルチメディアサブシステム(IMS)ドメインであり得る。PDN−GW126及びサービングGW124は、1つの物理ノード又は分離した複数の物理ノードに実装されてもよい。
【0017】
eNB104(マクロ及びマイクロ)は、エアインターフェースプロトコルを終端し、UE102に対するコンタクトの最初のポイントであってもよい。いくつかの実施形態では、eNB104は、無線ベアラ管理、アップリンク及びダウンリンクダイナミック無線リソース管理、データパケットスケジューリング、及びモビリティ管理等のRNC(無線ネットワークコントローラ機能)を含むが、これには限定されない、RAN100に対する様々な論理機能を実行してもよい。実施形態によれば、UE102は、OFDMA通信技術に準じたマルチキャリア通信チャネルを介して、eNB104とOFDM通信信号を通信するように構成されてもよい。OFDM信号は、複数の直交サブキャリアを備えてもよい。
【0018】
SIインターフェース115は、RAN100及びEPC120を分離するインターフェースである。これは2つの部分に分割される。eNB104及びサービングGW124の間でトラフィックデータを伝えるSL−U、及び、eNB104及びMME122の間のシグナリングインターフェースであるSL−MMEである。X2インターフェースは、複数のeNB104間のインターフェースである。X2インターフェースは、X2−C及びX2−Uとの2つの部分を備える。X2−Cは、複数のeNB104間の制御プレーンインターフェースであり、他方で、X2−Uは、複数のeNB104間のユーザプレーンインターフェースである。
【0019】
セルラーネットワークを用いて、LPセルが、典型的には、屋外の信号が良く届かない屋内エリアにカバレッジを拡張するため、又は、電車の駅等の非常に混雑した電話使用のあるエリアにおいてネットワーク容量を追加するために用いられる。ここで用いられるように、低電力(LP)eNBとの用語は、フェムトセル、ピコセル又はマイクロセル等のより狭い(マクロセルよりも狭い)セルを実現するための任意の適切な比較的低電力のeNBを指す。フェムトセルeNBは典型的には、住宅向け又は企業顧客に対してモバイルネットワークオペレータによって提供される。フェムトセルは典型的には、住宅向けゲートウェイのサイズであり、又はそれよりも小さく、且つ、概してユーザのブロードバンドラインに接続される。接続されると、フェムトセルは、モバイルオペレータのモバイルネットワークに接続され、住宅向けフェムトセルに対して典型的には30〜50メートルの範囲にて追加のカバレッジエリアを提供する。したがって、LP−eNBが、PDN−GW126を介して結合されるので、フェムトセルeNBであってもよい。同様に、ピコセルは、屋内(オフィス、ショッピングモール、電車の駅等)、又は、最近では飛行機等の小さいエリアを典型的にはカバーする無線通信システムである。ピコセルeNBは概して、X2リンクを介して、マクロeNB等の他のeNBと、基地局コントローラ(BSC)機能を用いて接続され得る。したがって、LP−eNBは、X2インターフェースを介してマクロeNBに結合されるので、ピコセルeNBを用いて実現されてもよい。ピコセルeNB又は他のLP−eNBは、マクロeNBの機能のいくつか又は全てを組み込んでもよい。ある場合には、これは、アクセスポイント基地局又は企業フェムトセルと呼ばれてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、ダウンリンクリソースグリッドが、eNB104からUE102へのダウンリンク送信のために用いられてもよい。グリッドは、リソースグリッドと呼ばれ、それぞれのスロットのダウンリンクにおける物理リソースである、時間−周波数グリッドであってもよい。時間−周波数面表現は、OFDMシステムに関して一般的に行われていることであり、無線リソース割り当てについて直観的に理解できるようにする。リソースグリッドの各列及び各行は、1つのOFDMシンボル及び1つのOFDMサブキャリアにそれぞれ対応する。時間ドメインにおけるリソースグリッドの持続時間は、無線フレームの1つのスロットに対応する。リソースグリッドにおける最小の時間−周波数単位は、リソース要素として示される。各リソースグリッドは、特定の物理的チャネルのリソース要素に対するマッピングを示す、多数のリソースブロックを備える。各リソースブロックは、周波数ドメインにおける複数のリソース要素の収集を備え、現在割り当てることができるリソースの最小量を表す。そのようなリソースブロックを用いて送信されるいくつかの異なる物理ダウンリンクチャネルが存在する。当開示の特定の関連性において、これらの物理ダウンリンクチャネルのうちの2つは、物理ダウンリンク共有チャネル及び物理的ダウンリンク制御チャネルである。
【0021】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)は、ユーザデータ及び上位層シグナリングをUE102(図1)に対して伝える。物理的ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、特に、PDSCHチャネルに関係したリソース割り当て、及びトランスポート形式についての情報を伝える。また、アップリンク共有チャネルに関係したH−ARQ情報、リソース割り当て、及びトランスポート形式についてUE102に知らせる。典型的には、ダウンリンクスケジューリング(セル内のUE102に対する割り当て制御及び共有チャネルリソースブロック)が、UE102からeNB104にフィードバックされたチャネル品質情報に基づいて、eNB104において実行され、そして、ダウンリンクリソース割り当て情報は、UE102に対して用いられる(に対して割り当てられる)制御チャネル(PDCCH)上でUE102に対して送信される。
【0022】
PDCCHは、制御情報を送信するために、CCE(制御チャネル要素)を用いる。リソース要素へマッピングされる前に、PDCCH複素数値シンボルは、最初に4つ組に体系化され、これはその後に、レートマッチングに対するサブブロックインターリーバを用いて並べ替えられる。各PDCCHは、これらの制御チャネル要素(CCE)のうちの1又は複数を用いて送信され、ここで、各CCEは、リソース要素グループ(REG)として知られる4つの物理的リソース要素の9つの組に対応する。4つのQPSKシンボルは、各REGにマッピングされる。PDCCHは、DCIのサイズ及びチャネル条件に応じて、1又は複数のCCEを用いて送信されてもよい。異なる数のCCE(例えば、アグリゲーションレベル L=1、2、4又は8)を用いてLTEにおいて定義される4つ又はそれ以上の異なるPDCCH形式が存在してもよい。
【0023】
図2は、いくつかの実施形態に従ったUE200のブロック図を示し、図3は、いくつかの実施形態に従ったeNB300のブロック図を示す。いくつかの実施形態においては、eNB300は、固定非モバイルデバイスであってよいことに留意されたい。UE200は、図1に示されたようにUE102であってもよく、eNB300は、図1に示されたようにeNB104であってもよい。UE200は、1又は複数のアンテナ201を用いて、eNB300、その他のeNB、その他のUE、又はその他のデバイスに対して/から信号を送信/受信するための物理層回路202を含んでもよく、eNB300は、1又は複数のアンテナ301を用いて、UE200、その他のeNB、その他のUE、又はその他のデバイスに対して/から信号を送信/受信するための物理層回路302を含んでもよい。UE200はまた、無線媒体に対するアクセスを制御するための媒体アクセス制御層(MAC)回路204を含んでもよく、eNB300はまた、無線媒体に対するアクセスを制御するための媒体アクセス制御層(MAC)回路304を含んでもよい。UE200はまた、ここに記載した動作を実行するために構成された処理回路206及びメモリ208を含んでもよく、eNB300はまた、ここに記載した動作を実行するために構成された処理回路306及びメモリ308を含んでもよい。
【0024】
アンテナ201、301は、1又は複数の指向性又は全方向性アンテナを備えてよく、例えば、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、又は、RF信号の送信に適したその他のタイプのアンテナを含んでもよい。いくつかの複数入力複数出力(MIMO)の実施形態では、アンテナ201、 301は、空間ダイバーシティ及び異なるチャネル特性の利点を結果的に得るために効果的に分離してもよい。
【0025】
UE200及びeNB300はそれぞれ、いくつかの別個の機能要素を有するものとして図示されているが、機能要素のうちの1又は複数は、組み合わされてもよく、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又はその他のハードウェア要素を含むプロセス要素等、ソフトウェアで構成された要素の組み合わせによって実装されてもよい。例えば、いくつかの要素は、1又は複数のマイクロプロセッサ、DSP、フィールドプログラマブルゲートアレイ (FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、及び、ここに記した複数の機能を少なくとも実行するための、様々なハードウェア及びロジック回路の組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態において、機能要素は、1又は複数のプロセス要素上で動作する1又は複数のプロセスを指してもよい。
【0026】
実施形態は、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの1つ又は組み合わせとして実装されてもよい。実施形態はまた、ここに記した動作を実行するために、少なくとも1つのプロセッサによって読み出され且つ実行され得る、コンピュータ読み取り可能記憶デバイス上に格納された命令として実装されてもよい。コンピュータ読み取り可能記憶デバイスは、機械(例えばコンピュータ)によって読み取り可能な形式で情報を格納する持続性メカニズムを含んでもよい。例えば、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスは、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、及びその他の記憶デバイス及び媒体を含んでもよい。いくつかの実施形態は、1又は複数のプロセッサを含んでもよく、コンピュータ読み取り可能記憶デバイス上に格納された命令を用いて構成されてもよい。
【0027】
実施形態によれば、eNB104は、1又は複数のUE102に対する地理的ビン情報を追跡するように構成されてもよい。eNB104は、UE102のそれぞれに対して、UE102からの1又は複数のパケットの受信に基づいて、UE102に対する到来角及びUE102に対する伝搬遅延を測定するように構成されるハードウェア処理回路を備えてもよい。ハードウェア処理回路は、UE102のそれぞれに対して、複数の候補地理的ビンのセットから、UE102に対する地理的ビンを選択するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、この選択は、到来角及び伝搬遅延の測定に少なくとも部分的に基づいてされてもよい。ハードウェア処理回路は、候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUE102の数がUE分布閾値以上のときに、候補地理的ビンに対するパフォーマンスデータをトレース収集エンティティ(TCE)に送信するようにさらに構成されてもよい。これらの実施形態は、以下においてより詳細に説明される。
【0028】
図4に、地理的ビンデータを収集及びレポートするための方法400を示す。方法400の実施形態は、図4に示されたものと比較して、追加の、または、より少ない動作又はプロセスを含んでもよいことに、留意することが重要である。さらに、方法400の実施形態は、図4に示された時間的順序に必ずしも限定されるものではない。方法400を示すことにおいて、図1−3及び5−7が参照できるであろうが、方法400は、その他の適したシステム、インターフェース及びコンポーネントを用いて実施され得ることを理解されたい。さらに、ここに記した方法400及びその他の方法は、3GPP又はその他の規格に準じて動作するUE102について言及してもよく、これらの方法の実施形態は、単にそれらのUE102に限定されるものではなく、その他のモバイルデバイス上でまた実行されてもよい。更に、ここに記した方法400及びその他の方法は、その他の適したタイプの無線通信システムにおいて動作するように構成された無線デバイスによって実行されてもよく、IEEE802.11等の様々なIEEE規格に従って動作するように構成されたシステムを含んでもよい。
【0029】
方法400の動作405において、eNB104において、地理的ビン制御メッセージを、MMEから受信してもよく、他方で、動作410において、MDT有効化パラメータ及び地理的ビン情報要素(IE)を含むドライブテスト最小化(MDT)制御メッセージをeNB104においてMMEから受信してもよい。地理的ビン制御メッセージ及び地理的ビンIEは、スタンドアロンメッセージであってもよく、その他の制御メッセージ又は他のメッセージの部分として含まれても良く、いくつかの実施形態においては、地理的ビン制御メッセージ及び地理的ビンIEは同一のエンティティであってさえもよいことに留意されたい。さらに、地理的ビン制御メッセージ又は地理的ビンIEは、地理的ビンデータ収集及びレポートをサポートするために設計または意図された他の制御メッセージの部分として含まれてもよいが、また、既存の確立した制御メッセージの部分としてトランスポートされてもよい。ある例として、地理的ビンIEは、3GPPの当技術分野において知られているドライブテスト最小化(MDT)メッセージの部分として含まれてもよく、及び、システムのMDT機能に関係してもよく、又はしなくてもよい。そのような場合において、MDTメッセージは、地理的ビンIEをトランスポート又は「ピギーバック(piggy−back)」してもよい。
【0030】
図5に、地理的ビンIE500の例を示す。地理的ビンIE500又は地理的ビン制御メッセージは、図5に示されたパラメータのいくつか又は全てを含んでもよく、図5には示されていない複数の追加パラメータを含んでもよいことに留意されたい。地理的ビンIE500におけるパラメータのいくつかは、地理的ビンデータ収集及びレポートに関係してもよく、他方で、地理的ビンIE500はまた、システム、又は、システムにおいて動作するように構成されたeNB104又はUE102のその他の態様に関係し得る、その他のパラメータ又は情報505を含んでもよい。
【0031】
地理的ビンIE500はまた、RangeForAoA又はその同類として示され得る到来角スケールパラメータ510を含んでもよい。到来角スケールパラメータ510は、eNB104のカバレッジエリアを複数の地理的ビンに分けて構成するように使用されてもよく、ここで、各地理的ビンは、ビン内に位置するUE102からeNB104に送信された無線信号の到来角によって特徴付けられる。到来角スケールパラメータ510の値は、エニュメレートされてもよく、例えば、カバレッジエリアを複数の地理的ビンに分割する角度スケール又は角度分解、或いは、カバレッジエリアが分割されるべき角度の数を含んでもよい。到来角スケールパラメータ510の値は、これらの値には限定されないが、eNB104がカバレッジエリアを複数の地理的ビンに分割することを可能にする任意の適切なパラメータとして用いられてもよい。
【0032】
地理的ビンIE500はまた、RangeForTadv又はその同類として示され得る伝搬遅延スケールパラメータ520を含んでもよい。伝搬遅延スケールパラメータ520はまた、eNB104のカバレッジエリアを複数の地理的ビンに分けて構成するために用いられてもよく、ここで、各地理的ビンは、ビン内に位置するUE102からeNB104に送信される無線信号の伝搬遅延によって特徴づけられてもよい。当技術分野では知られているように、伝搬遅延及び距離の間には関係が存在することに留意されたい。従って、地理的ビンに関連付けられた伝搬遅延はまた、地理的ビン及びeNB104の間の(正確な又はおよその)距離を特徴付ける役目を果たしてもよい。いくつかのシステムでは、伝搬遅延の測定は、一方向であれ双方向であれ、基地局又はeNB104において収集されてもよく、及び、制御メッセージ又はその他のメッセージにおいてUE102に対して通信されてもよいことは、当技術分野においては知られている。従って、UE102は、UE102から送信された信号が、伝搬遅延を現さずにeNB104に到来するように、その送信タイミングを調整又は進めてもよい。
【0033】
伝搬遅延スケールパラメータ520は、先に記したように、カバレッジエリアを複数の2次元地理的ビンに分割するために、到来角スケールパラメータ510と併用して用いられてもよいことに留意されたい。しかし、いくつかの実施形態において、伝搬遅延スケールパラメータ520又は到来角スケールパラメータ510は、カバレッジエリアを複数の地理的ビンに分割するために、その他のパラメータと別個に又は組み合わせて用いられてもよい。伝搬遅延スケールパラメータ520の値は、エニュメレートされてもよく、例えば、伝搬遅延、距離スケール、又は、カバレッジエリアを複数の地理的ビンに分割する分解度を含んでもよい。伝搬遅延スケールパラメータ520の値はこれらの値には限定されないが、eNB104がカバレッジエリアを複数の地理的ビンに分割することを可能にする任意の適切なパラメータとして用いられてもよい。
【0034】
地理的ビンIE500はまた、AoAGranularity又はその同類として示され得る到来角ウインドウ平均パラメータ515を含んでもよい。さらに、地理的ビンIE500はまた、TadvGranularity又はその同類として示され得る伝搬遅延ウインドウ平均パラメータ525を含んでもよい。複数の地理的ビンにおいて取得された測定に対して「ズームアウト」機能を可能にすべく、1又は複数の隣接地理的ビンにおいて取得された測定が特定の方式で平均化されてもよい。例えば、複数の地理的ビンのそれぞれに対する個別ビン平均は、第1の動作として、ビン内に位置する複数のUE102に対する受信信号電力指標を平均することによって形成されてもよい。複数の地理的ビンのそれぞれのズームアウト移動平均は、1又は複数の隣接地理的ビン及び複数の地理的ビンの個別ビン平均を平均することによって実行されてもよい。よって、移動平均化データは、特に複数のビンのいくつかが、測定に対して十分なサンプルサイズ(ビンに存在するUE102)を有していないときには、個別ビン平均よりも滑らかであってもよい。
【0035】
まさに説明した移動平均プロセスに従って、到来角ウインドウ平均パラメータ515及び伝搬遅延ウインドウ平均パラメータ525は、移動平均ウインドウのサイズ又はズームアウト移動平均において用いられるべき隣接地理的ビンの数を特定又は決定するために用いられてもよい。到来角ウインドウ平均パラメータ515及び伝搬遅延ウインドウ平均パラメータ525は、エニュメレートされてもよく、角度スケール、角度分解、遅延スケール、遅延分解、角度又は半径方向におけるウインドウサイズを特定する数、又は、eNB104に測定のズームアウト移動平均を実行させることを可能にする任意の適切な量を含んでもよい。
【0036】
地理的ビンIE500はまた、「UE distribution(UE分布)」又はその同類として示され得るUE分布計算パラメータ530を含んでもよい。UE分布計算パラメータ530は、複数の地理的ビンにおけるUE分布に関係した計算を測定又は実行するか否かについて、eNB104を特定又は指示する。ある例として、カバレッジエリアで動作する各UE102に対して、eNB104は、地理的ビンに対してUE102を割り当ててもよく、且つ、各地理的ビンに関係したUE分布をさらに計算してもよい。地理的ビンに対するUE分布は、ビン内に位置するUE102の数のカウント値であってもよい。従って、UE分布計算パラメータ530は、はい/いいえ、真/偽又はその同類等の値をとるブールであってもよく、eNB104がUE分布測定又は計算を実行すべきか否かを示してもよい。
【0037】
UE102は、eNB104からの信号受信に基づいて、UE102における受信信号品質及び/又は受信信号電力の1又は複数の測定をしてもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態において、受信信号電力は、受信信号レベル(例えば、ワットで表される)、受信信号強度指標(RSSI)、又はUE102における受信信号電力を特徴付ける任意の適切な量であってもよい。いくつかの実施形態において、受信信号品質は、受信信号−ノイズ比(SNR)、キャリア−干渉(C/l)比、又は、UE102における受信信号品質を特徴付ける任意の適切な量であってもよい。従って、受信信号電力又は品質の測定は、UE102における任意の適切な場所で行われてもよい。例えば、UE102のフロントエンド、又は、UE102内の復調器の出力において、測定がされてもよい。さらに、受信信号電力又は品質は、スカラ又は対数(デジベル)表現を示してもよい。
【0038】
UE102は、測定値をeNB104に対する通信のための適切な指標へと処理又は変換してもよい。指標は、単一測定値、複数測定値、平均測定値、又は、UE102における受信信号電力又は品質の任意の適切な指標を含んでもよい。ある例として、平均受信信号電力指標は、RSSI等の受信信号電力の複数の個別測定のデジベル値の平均であってもよい。よって、UE102からeNB104に送信されたパケットは、1又は複数の受信信号電力指標又は受信信号品質指標を含んでもよい。さらに、閾値の使用、以下に記した受信信号電力指標又は受信信号品質指標の比較又は平均において、これらの技術を利用してもよく、閾値及び測定結果は、スカラ、対数又はデジベル等の同様の単位を示してもよい。
【0039】
地理的ビンIE500また、RSRP又はその同類として示され得る信号電力指標ビン計算パラメータ535を含んでもよい。さらに、地理的ビンIE500はまた、RSRQ又はその同類として示され得る信号品質指標ビン計算パラメータ540を含んでもよい。これらのパラメータの両方は、はい/いいえ、真/偽又はその同類等の値をとるブールであってもよく、eNB104が、各地理的ビンにおいてUEの102の受信信号電力指標又は受信信号品質指標の平均計算を実行すべきか否かを示してもよい。
【0040】
地理的ビンIE500はまた、Rep Trig UE distribution又はその同類として示され得るUE分布閾値545を含んでもよい。UE分布閾値545は、UE102の数、UE102の割合、又はその他の適した量に関して、閾値を特定してもよい。eNB104は、(先に記したTCE等の)ネットワークにおけるその他のコンポーネントに対してデータを送信又はレポートするか否かについての決定プロセスの部分としてUE分布閾値545を利用してもよい。ある例として、特定の地理的ビンにおいて動作すると決定されたUE102の数が、UE分布閾値545によって特定された閾値よりも少ない場合に、そのビンは、まばらに位置しているとみなされてもよい。そのビンにおけるUE102の平均受信信号指標又は品質指標等のそのビンに対するデータは、無関係又は無用であるとみなされてもよい。そのような場合に、そのビンに対するデータは、TCE又はその他のネットワークコンポーネントに対して送信又はレポートされるべきでないと決定されてもよい。
【0041】
地理的ビンIE500はまた、Rep Trig RSRP又はその同類として示され得る信号電力指標ビン閾値550を含んでもよい。地理的ビンIE500はまた、Rep Trig RSRQ又はその同類として示され得る信号品質指標ビン閾値555を含んでもよい。これらの2つの閾値550、555は、UE分布閾値545と同類又は類似の方法で使用されてもよい。特定の地理的ビンに対して、そのビンに位置すると決定されたUE102の受信信号電力又は品質指標は、平均化されてもよく、適切な閾値550又は555と比較されてもよい。ある例として、ビンにおけるUE102の受信信号電力指標の平均が閾値550より小さい場合に、そのビンに対するデータは、無関係又は無用であるとみなされてもよく、従って、TCE又はその他のネットワークコンポーネントに送信又はレポートされなくてもよい。同様な動作が、閾値555を用いてUE102の受信信号品質指標に対して実行されてもよい。特定の地理的ビンに対するデータの関連性又は有用性についての決定は、UE分布閾値545、信号電力指標ビン閾値550、信号品質指標ビン閾値555、又は、その他の閾値の何れか又は全てを用いた比較に基づいてもよいことに留意されたい。
【0042】
地理的ビンIE500はまた、PeriodicReporting又はその同類として示され得る定期的レポートパラメータ560を含んでもよい。定期的レポートパラメータ560は、ネットワークにおけるTCE又はその他のコンポーネントに対してUE102がデータを周期的な方法でレポートすることを通知又は要求してもよい。定期的レポートパラメータ560また、1秒等の、どれぐらいの頻度でデータをレポートするかを定義し得る期間を含んでもよい。
【0043】
地理的ビンIE500また、ZoomFunction又はその同類として示され得るズーム機能コンテナ565を含んでもよい。ズーム機能コンテナ565は、地理的ビンをズームイン又はズームアウトすることをeNB104に通知する情報を含んでもよい。従って、地理的ビンは、応答において再設定されてもよい。ある例として、再設定は、到来角スケールパラメータ510又は伝搬遅延スケールパラメータ520に対して現在使用されている値に従って実行されてもよい。例えば、2とのファクタによってズームインすることは、到来角スケールパラメータ510及び伝搬遅延スケールパラメータ520の両方を2で割ることによって実行されてもよい。
【0044】
地理的ビンIE500はまた、Detailed Location Information per Geo Bin又はその同類として示され得る詳細位置レポートパラメータ570を含んでもよい。詳細位置レポートパラメータ570は、はい/いいえ、真/偽又はその同類等の値をとるブールであってもよく、TCE又はその他のネットワークコンポーネントにデータを送信又はレポートするときに、eNB104が、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)座標等の詳細位置情報を含むべきか否かを示してもよい。ある例として、データがレポートされる特定の地理的ビンに対して、ビンの中心であると決定されたGNSS座標がデータに含まれてもよい。他の例として、そのビンに位置すると決定されたUE102のGNSS座標は、パケットの制御部分等において、各UE102からeNB104にレポートされてもよい。eNB104は、そのビンにおけるUE102に対してGNSS座標を平均してもよく、そのデータの部分としてその情報を含んでもよい。
【0045】
方法400に戻ると、動作415において、複数の候補地理的ビンのセットが決定されてもよい。当決定は、これらに限定されないが、到来角スケールパラメータ510又は伝搬遅延スケールパラメータ520等の地理的ビンIE500において受信した先に記したパラメータに基づいてされてもよい。同類のコンセプトを説明するその他のパラメータが、その他のメッセージにおいてeNB104にたいして通信されてもよく、予め定義されてもよく、又は、規格の部分であってもよい。いずれの場合であっても、複数の候補地理的ビンのセットを決定する非限定的例を、カバレッジエリア610で動作する又はに位置するUE102をサポートするeNB104であってもよいeNB605に対して図6に示す。説明を簡単にするために、カバレッジエリア610のセクタへの分割は示していないが、当技術では良く知られているものであることに留意されたい。この例において、到来角スケールパラメータ510の値であってもよい、およそ30度の角度カバレッジをそれぞれが有する、いくつかの地理的ビン615−655を示す。カバレッジエリア610を半径方向(eNB605に向かう又は遠ざかる軸上)にビン615−655に分割することはまた、複数のビン615−655の1つの最初と終わりが半径方向において特定の距離をカバーするように実行されてもよい。距離又は当距離に関係した伝搬遅延差は、伝搬遅延スケールパラメータ520に対する値であってもよい。図6の例では、均一にスケーリングされた地理的ビン615−655に見受けられるものを示しているが、カバレッジエリア610の分割は、そのようなものに限定されるわけではなく、不均一なスケーリングが用いられてもよいことに留意されたい。ある例として、図6において、eNB605から遠いところに位置する複数のビン625、640、655は、eNB605に近いところに位置するビン615、630、645よりも大きく、これは形状的に自明な結果である。不均一スケーリングアプローチは、eNB605から遠い領域における角度カバレッジに対してより小さい値を用いてもよい。
【0046】
方法400の動作420において、eNB104は、システムにおけるUE102のそれぞれから1又は複数のパケットを受信してもよく、動作425において、当受信に基づいて、UE102に対する到来角及びUE102に対する伝搬遅延を決定してもよい。実際の又は決定された到来角は、UE102から送信された信号がeNB104に到来した角度であってもよく、従って、eNB104又は適切な参照ポイントに対してUE102が物理的に位置する角度を示してもよく、または関係してもよい。到来角の決定は、ビームフォーミング又はその他の指向性アンテナ技術等の任意の適切な技術を用いて実行されてもよい。伝搬遅延は、遅延をシーケンスの到来時間と参照時間との間の差として決定するために、パケットに含まれた既知のシーケンスの相関を含む、受信に関係した当技術分野で知られた任意の適切な技術を用いて決定されてもよい。先に記したように、UE102とeNB104との間での信号の送信に関連した伝搬遅延、又は、これらの遅延の測定又は推定は、UE102とeNB104との間の距離を示してもよく、又は、関係してもよい。よって、決定又は推定された到来角及び伝搬遅延は、eNB104に対するUE102の位置を推定するために用いられてもよく、UE102に対する地理的ビンを決定することに用いられてもよい。UE102の到来角、伝搬遅延及び位置はまた、GPS又はGNSS等の位置サービスを用いて決定されてもよい。
【0047】
方法400の動作430において、複数の候補地理的ビンのセットから地理的ビンが、各UE102に対して決定されてもよい。当決定は、到来角、伝搬遅延、又は、その他のパラメータ又は測定のいずれか又は全てに基づいてされてもよい。ある例として、eNB104は、複数の候補地理的ビンのセットのそれぞれに対して、ビンの中心に関連した角度、及び予想される伝搬遅延を、ビンの中心とeNB104との間の距離に基づいて決定してもよい。当情報は、UE102に対する地理的ビンを決定するために、決定された特定のUE102の到来角及び伝搬遅延と比較されてもよい。すなわち、UE102は、そのビンに対して割り当てられてもよく、又は、そのビン内に位置するとみなされてもよい。
【0048】
方法400の動作435において、各候補地理的ビンに対して、候補地理的ビンが選択されたUE102に対する受信信号品質指標のビン平均が決定されてもよい。ビン平均は、平均値であってよく、又は、重み付け平均値であってもよい。動作440において、各候補地理的ビンに対して、ビン平均のズームアウト平均が決定されてもよい。図6の例を参照すると、地理的ビン635のズームアウト平均は、地理的ビン635のビン平均の平均であってもよく、示された隣接ビン615−655又は示されていない他のビンのいずれか又は全てであってもよい。ある例として、9個の地理的ビン615−655に対するビン平均は、ビン635に対するズームアウト平均を生成するために平均化されてもよい。他の例として、ズームアウト平均は、ビン635に対するズームアウト平均がビン630、635及び640に対するビン平均の平均となるように、半径方向のみにおいて実行されてもよい。他の例として、ズームアウト平均は、ビン635に対するズームアウト平均がビン620、635及び650に対するビン平均の平均となるように、角度方向のみにおいて実行されてもよい。先に記したとおり、ズームアウト平均が実行されるべき隣接ビンの数は、到来角ウインドウ平均パラメータ515、伝搬遅延ウインドウ平均パラメータ525、又は、その他の同類又は予め定義されたパラメータ等のパラメータによって、特定されてもよい。さらに、動作435及び440は、UE102の受信信号品質指標に関係し、他方で、同類の動作が、UE102に関係したその他の量、例えば、それらのUE102の受信信号電力指標、に対して実行されてもよい。
【0049】
動作445において、地理的ビンパフォーマンスデータ、複数の候補地理的ビンのいずれか又は全てが、TCEに対して送信されてもよい。動作450において、地理的ビンパフォーマンスデータの送信は、候補地理的ビンのいずれか又は全てに対して制限されてもよい。よって、送信が制限されたビンに対して、ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータは、低い頻度で送信されてもよく、或いは、送信されなくてもよい。先に記したとおり、特定の候補地理的ビンに対して地理的ビンパフォーマンスデータを送信するか否かの決定は、UE分布閾値545、信号電力指標ビン閾値550、信号品質指標ビン閾値555、又は、その他の閾値の何れか又は全てを用いて決定されたビンの統計値の比較に基づいてもよい。ある例として、ビンに位置すると決定されたUE102の数が、UE分布閾値545より少ない場合に、地理的ビンパフォーマンスデータをTCEに対して送信することを制限してもよく、或いは、実行されなくてもよい。他の例として、それらのUE102の受信信号電力指標又は受信信号品質指標のビン平均又はズームアウト平均が、適切な閾値550又は555よりも小さい場合に、地理的ビンパフォーマンスデータをTCEに対して送信することを制限してもよく、或いは、実行されなくてもよい。
【0050】
eNB104からTCEへの地理的ビンパフォーマンスデータの送信は、直接的に実行されてもよく、或いは、間接的でもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態において、eNB104は、TCEと直接通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、eNB104は、当技術分野では知られたエレメントマネージャ(EM)等のその他のコンポーネントを含み得る間接的パスを介してTCEと通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、地理的ビンパフォーマンスデータは、TCEからその他のネットワークコンポーネントに送信すらされてもよく、或いは、履歴モデリング等の将来プロセスに対して任意の適切な場所にロギング又は格納されてもよい。
【0051】
図7に、トレースレコード(TR)メッセージ700のある例を示す。TRメッセージ700又はその他のメッセージは、eNB104からTCE又はその他のネットワークコンポーネントに対して地理的ビンパフォーマンスデータをレポートするために用いられてもよい。TRメッセージ700は、図7に示されたパラメータのいくつか又は全てを含んでもよく、図7には示されていない複数の追加パラメータを含んでもよいことに留意されたい。さらに、地理的ビンパフォーマンスデータは、地理的ビンデータ収集及びレポートをサポートするために設計又は起案された他の制御メッセージの部分として含まれてもよいが、既存の確立した制御メッセージの部分としてトランスポートされてもよい。ある例として、地理的ビンパフォーマンスデータは、TRメッセージ700の部分として含まれてもよく、システムのその他のトレースレコード又はトレース収集機能に関係してもよく或いはしなくてもよい。そのような場合、TRメッセージ700は、地理的ビンパフォーマンスデータをトランスポート又は「ピギーバック」してもよい。
【0052】
TRメッセージ700は、地理的ビンパフォーマンスデータレポートに関係してもよく或いはしなくてもよいその他のパラメータ又は情報705を含んでもよい。TRメッセージは、1又は複数の地理的ビンパフォーマンスデータコンテナ710、740を含んでもよく、ここで、コンテナ710、740のそれぞれは、地理的ビンパフォーマンスデータがeNB104からTCEに通信されるべきであるかが決定される地理的ビンに関係する。2つのコンテナ710、740のみを示しているが、メッセージ700は、任意の適切な数のコンテナ710、740を含んでもよく、その数は、レポートを発生すべきと決定された地理的ビンの数に応じてもよいことに留意されたい。その数はまた、定期的レポートパラメータ560等のパラメータによって特定され得るレポートの頻度に応じてもよい。
【0053】
コンテナ710は、地理的ビンパフォーマンスデータがレポートされる第1の地理的ビンに関係し、そのビンに対する地理的ビンシリアル番号715を含んでもよい。コンテナ710はまた、図7でフィールド720、725及び730によってそれぞれ示されたとおり、UE102の平均数、地理的ビンにおけるUE102の平均受信信号電力指標、及び地理的ビンにおけるUE102の平均受信信号品質指標のいずれか又は全てを含んでもよい。先に記したとおり、これらの平均は、個別ビン平均であってもよく、或いは、ズームアウト移動平均であってもよい。コンテナ710はまた、フィールド735によって示されたとおり、地理的ビンに対する詳細位置情報を含んでもよく、これは、パフォーマンスデータがレポートされる地理的ビンについてのGPS、GNSS、又は、その他の適した位置情報であってもよい。コンテナ740は、パフォーマンスデータがレポートされる第2の地理的ビンに対してフィールド745−765に同類の情報を含んでもよい。
【0054】
1又は複数のユーザ機器(UE)に対して地理的ビン情報を追跡するように構成された進化型ノードB(eNB)をここで開示する。eNBは、複数のUEのそれぞれに対して、UEからの1又は複数のパケットの受信に基づいて、UEに対する到来角及びUEに対する伝搬遅延を測定するように構成されたハードウェア処理回路を備えてもよい。ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのセットから、UEに対する地理的ビンを選択するようにさらに構成されてもよく、ここで、選択は、到来角及び伝搬遅延の測定に少なくとも部分的に基づいてされる。ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値以上のときに、候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータをトレース収集エンティティ(TCE)に送信するようにさらに構成されてもよい。
【0055】
ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値より少ないときに、候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータをTCEに送信することを制限するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、各UEから受信したパケットは、UEにおいて、eNBから送信された無線信号の、受信と関連付けられたUEに対する受信信号電力指標を含んでもよい。いくつかの実施形態において、候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータは、候補地理的ビンが選択されたUEに対する受信信号電力指標の平均を含んでもよい。ハードウェア処理回路は、モビリティ制御エンティティ(MME)から、信号電力指標ビン閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信するようにさらに構成されてもよい。ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEに対する受信信号電力指標の平均が、信号電力指標ビン閾値より小さいときに、候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータをTCEに送信することを制限するようにさらに構成されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、各UEから受信したパケットは、UEにおいて、eNBから送信された無線信号の、受信と関連付けられたUEに対する受信信号品質指標を含んでもよい。いくつかの実施形態において、候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータは、候補地理的ビンが選択されたUEに対する受信信号品質指標の平均を含んでもよい。ハードウェア処理回路は、MMEから、信号品質指標ビン閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信するようにさらに構成されてもよい。ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEに対する受信信号品質指標の平均が、信号品質指標ビン閾値より小さいときに、候補地理的ビンに対する地理的ビンパフォーマンスデータをTCEに送信することを制限するようにさらに構成されてもよい。ハードウェア処理回路は、MMEから、到来角ウインドウ平均パラメータ及び伝搬遅延ウインドウ平均パラメータを含む地理的ビン制御メッセージを受信するようにさらに構成されてもよい。ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEに対する受信信号品質指標のビン平均を決定するようにさらに構成されてもよい。ハードウェア処理回路は、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、地理的ビンパフォーマンスデータに含まれた候補地理的ビンに対するズームアウト平均を決定するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ズームアウト平均は、到来角ウインドウ平均パラメータ及び伝搬遅延ウインドウ平均パラメータに従って、候補地理的ビンのビン平均及び隣接候補地理的ビンのビン平均のウインドウ平均として決定されてもよい。
【0057】
ハードウェア処理回路は、MMEから、UE分布閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、地理的ビン制御メッセージは、ドライブテスト最小化(MDT)制御メッセージの部分として含まれる地理的ビン情報要素(IE)であってもよい。いくつかの実施形態において、地理的ビンIEは、MDT制御メッセージによってトランスポートされてもよい。
【0058】
ハードウェア処理回路は、MMEから、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータを含む地理的ビン制御メッセージを受信し、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の候補地理的ビンのセットを決定するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、到来角スケールパラメータは、eNBからの特定の半径方向距離における、任意の2つの隣接候補地理的ビンの間の角度差に関係してもよく、伝搬遅延スケールパラメータは、eNBの軸に対する特定の角度における、任意の2つの隣接候補地理的ビンの間の距離差に関係してもよい。ハードウェア処理回路は、MMEから、定期的レポートパラメータを含む地理的ビン制御メッセージを受信するようにさらに構成されてもよく、ここで、パフォーマンスデータの送信は、定期的レポートパラメータに従って行われる。
【0059】
無線ネットワークにおけるカバレッジエリアに関係したデータを収集及びレポートするように構成された進化型ノードB(eNB)をここで開示する。eNBは、モビリティ制御エンティティ(MME)から、MDT有効化パラメータ及び地理的ビン情報要素(IE)を含むドライブテスト最小化(MDT)制御メッセージを受信するように構成されたハードウェア処理回路を備える。ハードウェア処理回路は、カバレッジエリアを複数の候補地理的ビンのセットに分けて構成するようにさらに構成されてもよい。ハードウェア処理回路は、1又は複数のユーザ機器(UE)のそれぞれに対して、UEからの1又は複数のパケットの受信に少なくとも部分的に基づいて、UEに対する複数の候補地理的ビンのセットから地理的ビンを選択するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、MDT有効化パラメータは、eNB及び1又は複数のUEに対する動作についてのMDTモードを示してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、カバレッジエリアは、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータに従って構成されてもよい。いくつかの実施形態において、地理的ビンIEは、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、地理的ビンIEはさらにUE分布閾値を含み、ハードウェア処理回路は、候補地理的ビンが選択されたUEの数が、UE分布閾値以上である場合に、各候補地理的ビンに対するパフォーマンスデータを含むメッセージをTCEに送信するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、各UEから受信したパケットは、UEに対する受信信号電力指標、又は、UEに対する受信信号品質指標を含んでもよく、受信信号電力指標及び受信信号品質指標は、UEにおける、eNBから送信された無線信号の受信に関連付けられてもよい。ハードウェア処理回路は、各候補地理的ビンに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの受信信号電力指標又は受信信号品質指標の平均を含む地理的パフォーマンスデータを決定するようにさらに構成されてもよい。
【0061】
ハードウェア処理回路は、無線ネットワークで動作するように構成されたトレース収集エンティティ(TCE)に対して、複数の候補地理的ビンののうちの少なくともいくつかに対する地理的パフォーマンスデータを含むメッセージを送信するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態において、当メッセージは、地理的パフォーマンスデータが送信された複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンを特定する地理的ビンシリアル番号を含んでもよい。いくつかの実施形態において、当メッセージは、地理的パフォーマンスデータが送信された複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの数を含んでもよい。
【0062】
地理的ビンパフォーマンスデータを収集及び送信する動作を実行するために、1又は複数のプロセッサによって遂行されるための命令を格納する持続性コンピュータ読み取り可能記憶媒体をここで開示する。当動作は、1又は複数のプロセッサに、無線ネットワークにおける地理的ビン情報を追跡するように構成された進化型ノードB(eNB)において、無線ネットワークにおいて動作するように構成された1又は複数のユーザ機器(UE)からパケットを受信させてもよい。当動作は、1又は複数のプロセッサに、UEからのパケットの受信に基づいて、各UEに対する到来角及び各UEに対する伝搬遅延を測定させてもよい。当動作は、1又は複数のプロセッサに、各UEに対して、複数の候補地理的ビンのセットから、UEに対する地理的ビンを選択させてもよく、ここで、選択は、UEに対する到来角及びUEに対する伝搬遅延の測定に少なくとも部分的に基づく。当動作は、1又は複数のプロセッサに、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値以上のときに、無線ネットワークで動作するように構成されたトレース収集エンティティ(TCE)に対して地理的ビンパフォーマンスデータを送信させてもよい。当動作は、1又は複数のプロセッサに、無線ネットワークで動作するように構成されたモビリティ制御エンティティ(MME)から、UE分布閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信させてもよい。いくつかの実施形態において、地理的ビン制御メッセージは、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータを含んでもよい。当動作は、1又は複数のプロセッサに、到来角スケールパラメータ及び伝搬遅延スケールパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の候補地理的ビンのセットを決定させてもよい。
【0063】
無線ネットワークにおけるカバレッジエリアに関係したデータを収集及びレポートする方法をここで開示する。当方法は、無線ネットワークにおいて地理的ビン情報を追跡するように構成された進化型ノードB(eNB)において、無線ネットワークで動作するように構成された1又は複数のユーザ機器(UE)からパケットを受信することを含んでもよい。当方法はさらに、UEからのパケットの受信に基づいて、各UEに対する到来角及び各UEに対する伝搬遅延を測定することを含んでもよい。当方法はさらに、各UEに対して、複数の候補地理的ビンのセットから、UEに対する地理的ビンを選択することを含んでもよく、ここで、選択は、UEに対する到来角及びUEに対する伝搬遅延の測定に少なくとも部分的に基づく。
【0064】
当方法はさらに、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値以上であるときに、無線ネットワークで動作するように構成されたトレース収集エンティティ(TCE)に対して地理的ビンパフォーマンスデータを送信することを含んでもよい。当方法はさらに、モビリティ制御エンティティ(MME)から、UE分布閾値を含む地理的ビン制御メッセージを受信することを含んでもよい。当方法はさらに、複数の候補地理的ビンのそれぞれに対して、候補地理的ビンが選択されたUEの数がUE分布閾値より少ないときに、TCEに対して地理的ビンパフォーマンスデータを送信することを制限することを含んでもよい。
【0065】
本技術的開示の本質及び趣旨を読み手が理解できることを可能にする要約を求める37C.F.R.セクション1. 72(b)に準拠するために、要約を設ける。請求項の範囲又は意味を限定する又は解釈するために用いられるべきではないとの理解のもと、当要約を設ける。以下の請求項は、詳細な説明に組み込まれ、それぞれの請求項は、別個の実施形態としてそれ自身を主張するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7