特許第6221103号(P6221103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6221103-共結晶の製造方法 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221103
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】共結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 47/34 20060101AFI20171023BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20171023BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   A01N47/34 D
   A01N43/653 C
   A01P3/00
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-553500(P2015-553500)
(86)(22)【出願日】2014年12月10日
(86)【国際出願番号】JP2014082673
(87)【国際公開番号】WO2015093367
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2016年3月25日
(31)【優先権主張番号】特願2013-262032(P2013-262032)
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】山村 聡
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−518050(JP,A)
【文献】 特開2010−280604(JP,A)
【文献】 特開2011−004656(JP,A)
【文献】 特表2013−510113(JP,A)
【文献】 特開2003−238303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00−65/48
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオファネートメチルとトリアゾール系化合物と液媒体とを含有する懸濁液を、
混合度0.1〜1.0にて撹拌することを含み、
前記懸濁液中のチオファネートメチル/トリアゾール系化合物のモル比は、1/1〜3/1であり、
前記懸濁液中のチオファネートメチルとトリアゾール系化合物の合計含有量は、10〜60質量%であり、
前記液媒体は、水、一価アルコールおよびグリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記混合度は、チオファネートメチルを40%含有する懸濁液を1.2%キサンタンガムゲル溶液に投入して得られる懸濁液を、回分式混合器を用いて1分間撹拌した後に採取した液のチオファネートメチル濃度の標準偏差σ1minに対する、チオファネートメチルを40%含有する懸濁液を1.2%キサンタンガムゲル溶液に投入して得られる懸濁液を、回分式混合器を用いて完全混合状態になるまで撹拌した後に採取した液のチオファネートメチル濃度の標準偏差σrの割合(σr/σ1min)である
共結晶の製造方法。
【請求項2】
トリアゾール系化合物がテブコナゾールである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記懸濁液は、界面活性剤をさらに含有する請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記懸濁液は、消泡剤をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
撹拌時の懸濁液温度が0〜100℃である請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法を行って共結晶を含有するゾルを得、
該ゾルに補助成分を加えることを含む、農園芸薬組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオファネートメチルとトリアゾール系化合物とからなる共結晶の製造方法および該共結晶を原材料として用いる農園芸薬組成物の製造方法に関する。
本願は、2013年12月19日に、日本に出願された特願2013−262032号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
チオファネートメチル、およびテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物は、農園芸薬活性成分として知られている。また、チオファネートメチルは結晶複合体を形成すると言われている(特許文献1)。結晶複合体、すなわち共結晶の形成によって溶出性などに変化が生じるので、共結晶を農園芸薬組成物の原材料として用いることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−518050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チオファネートメチルとテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物とを溶媒中に分散させて撹拌すると共結晶が得られる。ところが、チオファネートメチルとテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物との懸濁液は、撹拌を止めるとゲル化して固まってしまい、取扱いが不便である。
そこで、本発明の課題は、チオファネートメチルとテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物とからなるゾル状態の共結晶を安定的に製造する方法および該共結晶を原材料として用いる農園芸薬組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
【0006】
〔1〕チオファネートメチルとトリアゾール系化合物と液媒体とを含有する懸濁液を、
混合度0.1〜1.0にて撹拌することを含む
共結晶の製造方法。
〔2〕トリアゾール系化合物がテブコナゾールである〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕前記懸濁液は、界面活性剤をさらに含有する〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕前記懸濁液は、消泡剤をさらに含有する〔1〕〜〔3〕のいずれかひとつに記載の製造方法。
〔5〕撹拌時の懸濁液温度が0〜100℃である〔1〕〜〔4〕のいずれかひとつに記載の製造方法。
【0007】
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかひとつに記載の方法によって得られる共結晶を含有する農園芸薬組成物。
〔7〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかひとつに記載の方法を行って共結晶を含有するゾルを得、
該ゾルに補助成分を加えることを含む、農園芸薬組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、ゾル状態の共結晶を安定的に得ることができる。本発明の製造方法で得られる共結晶ゾルは、ゲル化し難いので、取扱いが容易で、農園芸薬組成物の原材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】サンプリングの位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る共結晶の製造方法は、チオファネートメチルとテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物と液媒体とを含有する懸濁液を撹拌することを含む。
【0011】
チオファネートメチルは、ベンゾイミダゾール系殺菌活性成分の一つである。チオファネートメチルは式(I)で表わされる化合物である。
【0012】
【化1】
【0013】
懸濁液の調製に用いられるチオファネートメチルは、粉末であることが好ましい。チオファネートメチル粉末の粒度は、体積基準50%径として、好ましくは3〜100μmである。
【0014】
本発明で用いられるトリアゾール系化合物としては、テブコナゾールの他、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、プロピコナゾール、シメコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン等が挙げられる。
テブコナゾールは、DMI−殺菌活性成分の一つである。テブコナゾールは式(II)で表わされる化合物である。
【0015】
【化2】
【0016】
懸濁液の調製に用いられるテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物は、粉末であることが好ましい。テブコナゾールなどのトリアゾール系化合物粉末の粒度は、体積基準50%径として、好ましくは3〜100μmである。
【0017】
懸濁液中のチオファネートメチル/テブコナゾールなどのトリアゾール系化合物のモル比は、好ましくは1/1〜3/1である。
懸濁液中のチオファネートメチルとテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物の合計含有量は、通常10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%である。
【0018】
懸濁液において用いられる液媒体は、チオファネートメチルおよびテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物を懸濁できるものであれば、特に限定されない。液媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのグリコール等が挙げられる。これら液媒体は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これら液媒体のうち水が好ましく用いられる。
【0019】
懸濁液には、補助成分を含有させることができる。補助成分としては、界面活性剤、消泡剤などが挙げられる。
【0020】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
懸濁液中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
【0021】
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、有機系消泡剤などが挙げられる。これらのうちシリコーン系消泡剤が好ましい。シリコーン系消泡剤としては、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルジョン型、自己乳化型などの形態のものを用いることができる。懸濁液中の消泡剤の含有量は、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0022】
懸濁液は、その調製方法において特に限定されない。例えば、チオファネートメチル粉末、テブコナゾールなどのトリアゾール系化合物粉末および補助成分を、一括または順次、液媒体に添加することによって;界面活性剤や消泡剤などの補助成分を先に液媒体に添加し、次いでチオファネートメチル粉末およびテブコナゾールなどのトリアゾール系化合物粉末を添加することによって、懸濁液を得ることができる。懸濁液の段階では、各成分が均一に分散している必要はなく、成分の一部が沈澱していてもよい。
【0023】
調製された懸濁液は、混合度0.1〜1.0、好ましくは0.17〜1.0の条件にて撹拌する。混合度は、懸濁液を1分間撹拌した後に採取した液の濃度の標準偏差σ1minに対する、懸濁液を完全混合状態になるまで撹拌した後に採取した液の濃度の標準偏差σrの割合(σr/σ1min)で定義される値である。混合度が大きいほど撹拌力が強いことを表す。
【0024】
回分式混合器における混合度は、次のようにして決定する。キサンタンガム(Kelzan S、シーピー・ケルコ社製)12gと水988gを混合して、1.2%キサンタンガム溶液 (粘度 約1500mPa・s)を調製する。1.2%キサンタンガムゲル溶液にチオファネートメチルを40%含有する懸濁剤(トップジンMゾル、日本曹達社製、)10gを投入して1分間撹拌する。撹拌を止め、図1に示す6か所から液を採取する。具体的には容器壁面近傍で円周等分に4か所と、撹拌翼の軸近傍で対角に2か所である。採取は静止液面から深さ約50mmの地点で行う。これら採取した液のチオファネートメチル濃度の標準偏差をσ1minとした。
液採取後、200rpmのアンカー翼による撹拌および5000rpmによるヒスコトロンによる撹拌を同時に15分間行う。撹拌を止め、図1に示す6か所から液を採取する。具体的には容器壁面近傍で円周等分に4か所と、撹拌翼の軸近傍で対角に2か所である。採取は静止液面から深さ約50mmの地点で行う。これら採取した液のチオファネートメチル濃度の標準偏差をσrとした。
【0025】
連続式混合器における混合度は、次のようにして決定する。平均滞留時間1分となる地点からランダムにまたは一定間隔で液を抜き出し、採取した液のチオファネートメチル濃度の標準偏差をσ1minとする。平均滞留時間1分となる地点での液採取が困難な場合は、平均滞留時間1分未満となる地点や平均滞留時間1分超となる地点から抜き出した液のチオファネートメチル濃度の標準偏差の値から外挿または内挿して決定することができる。完全混合状態は回分式混合器の場合と同じ方法で実現させて、その標準偏差σrを決定する。
【0026】
混合度は、撹拌翼の形状や大きさ、容器の形状や大きさ、撹拌翼の回転数によって調整することができる。羽根形状としては、パドル翼、フラットパドル翼、アンカー翼、タービン翼、リボン翼、スクリュ翼、プロペラ翼、ゲート翼、スプール翼、などが挙げられる。
【0027】
撹拌時の懸濁液の温度は、特に制限されないが、通常0〜100℃、好ましくは5〜75℃、より好ましくは15〜65℃である。撹拌時間は、特に制限されないが、懸濁液中の固体粒子の変化をモニタリングすることによって決定することができる。
【0028】
本発明に係る共結晶は、分子間の水素結合、π軌道積重、ファンデルワールス力などの作用により安定化されて形成されていると考えられる。
【0029】
本発明に係る共結晶が形成されたことは、熱分析(TG/DTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、X線回折パターン、13C−CP/MAS−固体NMRスペクトル等により確認することができる。また共結晶の組成は熱分析、示差走査熱量測定(DSC)、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、29Si−NMRスペクトル、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、元素分析等により確認することができる。
【0030】
このようにして製造される共結晶は、用途に応じて、製造された形態のままで、あるいは共結晶を単離精製して、農園芸薬組成物の製造に用いることができる。
【0031】
本発明の農園芸薬組成物は、本発明に係る共結晶を含有するものである。本発明の農園芸薬組成物は共結晶以外に他の農園芸薬活性成分を含有してもよく、またその用途および剤型に応じて補助成分を含有してもよい。
【0032】
本発明の農園芸薬組成物の剤型としては、例えば、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、懸濁剤、錠剤、種子コーティング剤、フロアブル剤、サスポエマルション等が挙げられる。
【0033】
本発明の農園芸薬組成物に含有され得る補助成分としては、界面活性剤、増量剤、効力増強用助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定化剤などが挙げられる。
【0034】
本発明の農園芸薬組成物に含有され得る界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
【0035】
本発明の農園芸薬組成物に含有され得る増量剤としては、例えば、溶媒として水、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素;増粘剤、安定剤、結合剤等としてポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ペクチン、アルギン酸ソーダ;固体担体としてタルク、クレー、ベントナイト、カオリナイトクレー、モンモリロナイト、パイロフェライト、酸性白土、珪藻土、バーミキュライト、りん灰石、石膏、雲母、珪砂、炭酸カルシウム、軽石粉等の鉱物粉末;ホワイトカーボン(非晶質シリカ)、二酸化チタン等の合成品;結晶性セルロース、デンプン、木粉、コルク、コーヒー殻などの植物性粉末;ポリ塩化ビニル、石油樹脂等の高分子化合物;水可溶性成分として硫安、硝安、塩安、リン酸カリウム、塩化カリウム、尿素、糖類;などが挙げられる。
【0036】
本発明の農園芸薬組成物は、共結晶以外に他の農園芸薬活性成分を含有するものであってもよい。本発明の農園芸薬組成物に含有させ得る他の農園芸薬活性成分は特に限定されない。例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調整剤、抵抗性誘導剤、有害生物忌避剤、抗ウイルス剤等が挙げられる。より具体的には、以下の成分が例示される。
【0037】
殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤:
(1)有機(チオ)ホスフェート系:アセフェート、アザメチホス、アジンホス・メチル、アジンホス・エチル、ブロモホス・エチル、ブロムフェンビンホス、BRP、クロルピリホス、クロルピリホス・メチル、クロルピリホス・エチル、クロルフェンビンホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルメホス、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、CYAP、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、ジメトン−S−メチル、ジメチルビンホス、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジオキサベンゾホス、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、EPN、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、フェンスルホチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ヘプテノホス、イサゾホス、ヨードフェンホス、イソフェンホス、イソキサチオン、イプロベンホス、マラチオン、メビンホス、メタミドホス、メチダチオン、モノクロトホス、メカルバム、メタクリホス、ナレッド、オメトエート、オキシジメトン・メチル、パラオクソン、パラチオン、パラチオン・メチル、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス・メチル、ピリミホス・エチル、プロフェノホス、プロチオホス、ホスチアゼート、ホスホカルブ、プロパホス、プロペタムホス、プロトエート、ピリダフェンチオン、ピラクロホス、キナルホス、サリチオン、スルプロホス、スルホテップ、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン、テブピリムホス、テメホス、チオメトン、バミドチオン;
【0038】
(2)カルバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フェノチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、フラチオカルブ、XMC、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、クロエトカルブ、ジメチラン、ホルメタネート、イソプロカルブ、メタム・ナトリウム、メトルカルブ、プロメカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、キシリルカルブ;
【0039】
(3)ピレトロイド系:アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、ベータ・シフルトリン、シハロトリン、ラムダ・シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ・シペルメトリン、ベータ・シペルメトリン、ゼータ・シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、レスメトリン、シラフルオフェン、フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン、アクリナトリン、シクロプロトリン、ハルフェンプロックス、フルシトリネート、ビオアレスリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、トランスペルメトリン、エンペントリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フルブロシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、メトフルトリン、フェノトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、テラレトリン;
【0040】
(4)成長調節物質:
(a)キチン合成阻害剤:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ビストリフルロン、ノビフルムロン、ブプロフェジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンテジン、フルアズロン、ペンフルロン;
(b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、クロマフェノジド、アザジラクチン;
(c)幼若ホルモン様物質:ピリプロキシフェン、メトプレン、ジオフェノラン、エポフェノナン、ハイドロプレン、キノプレン、トリプレン;
(d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
【0041】
(5)ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ;
(6)GABAアンタゴニスト化合物:
(a)アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール;
(b)有機塩素系:カンフェクロル、クロルデン、エンドスルファン、HCH、γ−HCH、ヘプタクロル、メトキシクロル;
【0042】
(7)大環状ラクトン殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エピノメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム;
(8)METI I化合物:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム、ヒドラメチルノン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ジコホル;
(9)METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアクリピリム、ロテノン;
【0043】
(10)脱共役剤化合物:クロルフェナピル、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC;
(11)酸化的リン酸化阻害剤化合物:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチン・オキシド、プロパルギット、アゾシクロチン;
(12)脱皮かく乱化合物:シロマジン;
(13)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物:ピペロニルブトキシド;
(14)ナトリウムチャネル遮断剤化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
(15)微生物農園芸薬:BT剤、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤;バチルス属種、白きょう病菌、黒きょう病菌、ペキロマイセス属種、チューリンギエンシン、バーティシリウム属種;
【0044】
(16)ラトロフィリン受容体作用薬:デプシペプチド、環状デプシペプチド、24員環状デプシペプチド、エモデプシド;
(17)オクトパミン性作用薬:アミトラズ;
(18)リアノジン誘導体作用薬:フルベンジアミド、クロラントラニリプロール
(19)マグネシウム刺激性ATPアーゼの阻害薬:チオシクラム、チオスルタップ、ネライストキシン;
(20)摂食阻害薬:ピメトロジン;
(21)ダニ成長阻害薬:クロフェンテジン、エトキサゾール;
【0045】
(22)その他の化合物(物質):ベンクロチアズ、ビフェナゼート、ピリダリル、硫黄、シエノピラフェン、シフルメトフェン、アミドフルメット、テトラジホン、クロルジメホルム、1,3−ジクロロプロペン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、スピネトラム、ピリフルキナゾン、ベンゾキシメート、ブロモプロピレート、キノメチオネート、クロルベンジレート、クロルピクリン、クロチアゾベン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェンジン、ゴシップルア、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸カリウム、スルフルラミド、テトラスル、トリアラセン、アフィドピロペン(afidopyropen)、ピフルブミド(pyflubumide)、フロメトキン、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルフォン、メペルフルスリン、テトラメチルフルスリン、イミシアホス、トラロピリル、ジフロビダジン、ジメフルスリン、メチルネオデカンアミド;
【0046】
(23)駆虫剤
(a)ベンズイミダゾール系:フェンベンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オキシベンダゾール;
(b)サリチルアニリド系:クロサンテル、オキシクロザニド;
(c)置換フェノール系:ニトロキシニル;
(d)ピリミジン系:ピランテル;
(e)イミダゾチアゾール系:レバミソール;
(f)テトラヒドロピリミジン:プラジカンテル;
(g)その他の駆虫剤:シクロジエン、リアニア、クロルスロン、メトロニダゾール、デミジトラズ。
【0047】
殺菌剤:
(1)ベンゾイミダゾール系:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール、クロルフェナゾール;
(2)ジカルボキシイミド系:クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
(3)DMI−殺菌剤系:イマザリル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、トリホリン、ピリフェノックス、フェナリモル、ヌアリモル、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、エタコナゾール、ファーコナゾールシス、ジクロブトラゾール、ジニコナゾール−M、ドデモルフ・アセテート、フルコナゾール、イマザリル・サルフェート、ナフチフェン、ユニコナゾールP、ビニコナゾール、ボリコナゾール;
【0048】
(4)フェニルアミド系:ベナラキシル、ベナラキシル−M、クロジラコン、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル−M、オキサジキシル、オフラセ;
(5)アミン系:アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン;
(6)ホスホロチオレート系:EDDP、イプロベンホス、ピラゾホス;
(7)ジチオラン系:イソプロチオラン;
(8)カルボキサミド:ベノダニル、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラン、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド、ビキサフェン、イソピラザム、ペンフルフェン、フルキサピロキサド、セダキサン;
(9)ヒドロキシ−(2−アミノ) ピリミジン系:ブピリメート、ジメチリモル、エチリモル;
【0049】
(10)AP殺菌剤 (アニリノピリミジン)系:シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル、アンドプリム;
(11)N−フェニルカーバメート系:ジエトフェンカルブ;
(12)QoI−殺菌剤 (Qo阻害剤)系:アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、クレソキシム−メチル、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン、オリザストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェンアミドン、メトミノフェン、アメトクトラジン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリベンカルブ、クメトキシストロビン、クモキシストロビン、エネストロブリン、フェノキシストロビン、トリクロピリカルブ;
(13)PP殺菌剤 (フェニルピロール)系:フェンピコニル、フルジオキソニル;
(14)キノリン系:キノキシフェン;
(15)AH殺菌剤 (芳香族炭化水素)系:ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン;
【0050】
(16)MBI−R系:フサライド、ピロキロン、トリシクラゾール;
(17)MBI−D系:カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル;
(18)SBI剤:フェンヘキサミド、ピリブチカルブ、タービナフィン;
(19)フェニルウレア:ペンシクロン;
(20)QiI−殺菌剤 (Qi阻害剤):シアゾファミド、アミスルブロム、フルメシクロックス;
(21)ベンズアミド系:ゾキサミド;
(22)エノピランウロン系:ブラストサイジン、ミルディオマイシン;
(23)へキソピラノシル系:カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩;
(24)グルコピラノシル系:ストレプトマイシン、バリダマイシン、バリダマイシンA;
(25)シアノアセトアミド系:シモキサニル;
【0051】
(26)カーバメート系:ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロチオカルブ、ポリカーバメート;
(27)脱共役剤:ビナパクリル、ジノカップ、フェリムゾン、フルアジナム、メプチルジノカップ;
(28)有機スズ化合物:酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ;
(29)リン酸エステル:亜リン酸、トルクロホスメチル、ホセチル、トルクトフォスメチル;
(30)フタルアミド酸系:テクロフタラム;
(31)ベンゾトリアジン系:トリアゾキシド;
(32)ベンゼンスルフォナミド系:フルスルファミド;
(33)ピリダジノン:ジクロメジン;
(34)CAA殺菌剤 (カルボン酸アミド)系:ジメトモルフ、フルモルフ、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、バリフェナレート;
(35)テトラサイクリン:オキシテトラサイクリン;
(36)チオカーバメート系:メタスルホカルブ;
(37)抵抗性誘導剤:アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル;
【0052】
(38)その他の化合物:エトリジアゾール、ポリオキシン、ポリオクソリム、オキソリニック酸、ヒドロキシイソキサゾール、オクチリノン、シルチオファム、ジフルメトリム、エタボキサム、シフルフェナミド、プロキナジド、メトラフェノン、フルオピコリド、ボルドー液、銅ナフタレート、酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、マンコッパー、ビス(8−キノリノラト)銅(II)、水酸化第二銅、有機銅、硫黄、多硫化カルシウム、ファーバム、マンゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、ジネブ、ジラム、キャプタン、カプタホール、フォルペット、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、ドジン、グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルキルベンゼンスルホン酸塩、アニラジン、ジチアノン、クロロピクリン、ダゾメット、キノメチオネート、シプロフラム、アグロバクテリウム、フルオルイミド、イソフェタミド、トルプロカルブ、フェンピラザミン、ピリオフェノン、テブフロキン、フルオピラム、ザリラミド、フルオロフォルペット、プロパミジン、エジフェンホス、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプサイシン、カルボン、クフラネブ、マンコゼブ、シプロスルファミド、デバカルブ、ジクロロフェン、ジフェンゾクワット、ジフェンゾクワット・メチルスルホネート、ジフェニルアミン、フルメトベル、フルオロイミド、フルチアニル、ホセチル・アルミニウム、ホセチル・カルシウム、ホセチル・ナトリウム、イルママイシン、メチルイソチアネート(MITC)、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、オキサモカルブ、オキシフェンチイン、プロパモカルブ・ホセチレート、プロパノシン・ナトリウム、ピリモルフ、ピロールニトリン、トルニファニド、トリクラミド;
【0053】
植物生長調節剤:
アブシジン酸、インドール酪酸、ウニコナゾール、エチクロゼート、エテホン、クロキシホナック、クロルメコート、クロレラ抽出液、過酸化カルシウム、シアナミド、ジクロルプロップ、ジベレリン、ダミノジッド、デシルアルコール、トリネキサパックエチル、メピコートクロリド、パクロブトラゾール、パラフィンワックス、ピペロニルブトキシド、ピラフルフェンエチル、フルルプリミドール、プロヒドロジャスモン、プロヘキサジオンカルシウム塩、ベンジルアミノプリン、ペンディメタリン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジドカリウム、1−ナフチルアセトアミド、4−CPA、MCPB、コリン、硫酸オキシキノリン、エチクロゼート、ブトルアリン、1−メチルシクロプロペン、アビグリシン塩酸塩。
【0054】
本発明の農園芸薬組成物の製造方法は、特に限定されない。例えば、本発明に係る共結晶を製造された状態のまま(例えば、ゾル状態)のものに、他の農園芸薬活性成分、必要に応じて補助成分を混合し、製剤化する方法;本発明に係る共結晶を単離し、これに補助成分を混合して、製剤化する方法;などが挙げられる。
【0055】
本発明に係る農園芸薬組成物の施用方法は、特に限定されない。例えば、茎葉散布;種子、種芋、球根等の繁殖材料への吹き付け、粉衣、散布、浸漬等の処理;樹幹注入;土壌または栽培担体への表面散布、混和、潅注、植穴処理等の処理;水田水面施用等が挙げられる。本発明の方法で得られる共結晶は、農園芸用途以外にも、シロアリ防除剤、衛生害虫防除剤、木材害虫防除剤等として使用することができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0057】
本実施例における物性は以下の方法で測定した。
【0058】
(混合度)
回分式混合器における混合度は、次のようにして決定する。キサンタンガム(Kelzan S、シーピー・ケルコ社製)12gと水988g混合して、1.2%キサンタンガム溶液 (粘度 約1500mPa・s)を調製した。1.2%キサンタンガムゲル溶液にチオファネートメチルを40%含有する懸濁剤(トップジンMゾル、日本曹達社製)10gを投入して1分間撹拌した。撹拌を止め、図1に示す6か所から液を採取した。具体的には容器壁面近傍で円周等分に4か所と、撹拌翼の軸近傍で対角に2か所である。採取は静止液面から深さ約50mmの地点で行った。これら採取した液の濃度の標準偏差をσ1minとした。
液採取後、200rpmのアンカー翼による撹拌および5000rpmによるヒスコトロンによる撹拌を同時に15分間行った。撹拌を止め、図1に示す6か所から液を採取した。具体的には容器壁面近傍で円周等分に4か所と、撹拌翼の軸近傍で対角に2か所である。採取は静止液面から深さ約50mmの地点で行った。これら採取した液の濃度の標準偏差をσrとした。混合度M1minを式:σr/σ1minで算出した。
表1に、各種の、撹拌装置、撹拌羽根、容器および回転数における混合度を示す。
【0059】
【表1】


【0060】
(流動性)
100ml容量ビーカー(重量W0)に試料液30gを入れた。風袋込みの重量(W1)を測定した。該ビーカーを45度に傾け120秒間保持し試料液を排出させた。次いで100ml容量ビーカーの重量(W2)を測定した。流動性F(%)を式: (W1−W2) / (W1−W0) × 100で算出した。
0 =100ml容量ビーカーの重量 (g)
1 =100ml容量ビーカーと排出前の液の合計重量 (g)
2 =100ml容量ビーカーとビーカー内に残存した液の合計重量 (g)
昇温前の液の流動性(初期流動性)と昇温後20分間経過時の液の流動性(20分後の流動性)を測定した。20分後の流動性が90%以上であれば、液の取扱い性が良好である。
【0061】
(実施例1)
チオファネートメチル360.0g、テブコナゾール105.0g、PO−EOブロックポリマー(Pluronic PE10500;BASF社製)25.0g、シリコーン系消泡剤(SILFORM SE−39;旭化成ワッカーシリコーン社製)6.0g、及び水311.0gを2L容量SUS製カップ(外寸φ138mm×147mm/アズワン社製)に量り取り、スリーワンモーターを用いて200rpmで撹拌した(固形分濃度57.6%)。撹拌羽根としてアンカーパドル(羽根径110mmφ、シャフト8mm×500mm/新光製作所社製)を使用した。この装置Aの混合度は0.256であった。この液を撹拌しながら、液温度が60℃になるまで昇温した。その後、液温度を60℃に保ったまま約20分間撹拌した。このようにしてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表2に示す。
【0062】
(実施例2〜5)
表2に示す配合に変えた以外は実施例1と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表2に示す。
【0063】
(実施例6)
チオファネートメチル360.0gとテブコナゾール105.0g、PO−EOブロックポリマー(Pluronic PE10500;BASF社製)25.0g、アニオン性界面活性剤(Tamol DN ;BASF社製)10.0g、シリコーン系消泡剤(SILFORM SE−39;旭化成ワッカーシリコーン社製)6.0g、及び水311.0gを2L容量SUS製カップ(外寸φ138mm×147mm/アズワン社製)に量り取り、スリーワンモーターを用いて200rpmで撹拌した(固形分濃度57.6%)。撹拌羽根としてアンカーパドル(羽根径110mmφ、シャフト8mm×500mm/新光製作所社製)を使用した。この装置Aの混合度は0.256であった。この液を撹拌しながら、液温度が60℃になるまで昇温した。その後、液温度を60℃に保ったまま約20分間撹拌した。このようにしてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表2に示す。
【0064】
(実施例7)
表2に示す配合に変えた以外は実施例6と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表2に示す。
【0065】
(実施例8)
装置Aを装置B(混合度0.174)に変えた以外は実施例6と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表2に示す。
【0066】
(実施例9)
装置Aを装置C(混合度0.206)に変えた以外は実施例6と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表2に示す。
【0067】
【表2】


【0068】
(比較例1〜5)
装置Aを装置D(混合度0.009)に変えた以外は実施例1〜5と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表3に示す。
【0069】
(比較例6)
装置Aを装置D(混合度0.009)に変えた以外は実施例6と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表3に示す。
【0070】
(比較例7)
装置Aを装置E(混合度0.083)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表3に示す。
【0071】
(比較例8)
装置Aを装置F(混合度0.012)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表3に示す。
【0072】
(比較例9)
装置Aを装置G(混合度0.011)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてチオファネートメチルとテブコナゾールの共結晶を含む液を得た。液の流動性を表3に示す。
【0073】
【表3】


【0074】
以上の結果が示すとおり、本発明に従って、混合度M1min0.1以上で撹拌を行うと、ゲル化せずに、流動性の高い、共結晶を含むゾル液が得られる。一方、混合度M1min が0.1未満で撹拌を行うと、ゲル化によって流動性が低くなる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の製造方法によれば、ゾル状態の共結晶を安定的に得ることができる。本発明の製造方法で得られる共結晶ゾルは、ゲル化し難いので、取扱いが容易であり、農園芸薬組成物の原材料として好適である。以上のことから、本発明は産業上極めて有用である。
【符号の説明】
【0076】
1:撹拌翼シャフト、2:容器
丸数字:サンプリングする位置
図1