特許第6221106号(P6221106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221106
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2016-106079(P2016-106079)
(22)【出願日】2016年5月27日
(62)【分割の表示】特願2013-103366(P2013-103366)の分割
【原出願日】2013年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-147199(P2016-147199A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】園田 欽章
(72)【発明者】
【氏名】亀井 欽一
【審査官】 井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−152320(JP,A)
【文献】 特開2012−115320(JP,A)
【文献】 特開2011−240069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を変動表示して停止する変動表示ゲームに対応する演出表示を表示する表示装置と、該表示装置の表示内容を制御する制御手段とを備える遊技機において、
前記表示装置の前方で動作可能であり、第1表示部を有する第1可動役物及び第2表示部を有する第2可動役物を備え、
前記制御手段は、前記第1可動役物及び前記第2可動役物の動作制御を行う動作制御手段と、前記第1表示部及び前記第2表示部の表示制御を行う表示制御手段とを含み、
前記第1可動役物及び前記第2可動役物を前記表示装置の中央側に向かって移動可能であり、前記第1可動役物又は前記第2可動役物と重なった前記表示装置の表示内容を前記第1表示部又は前記第2表示部に表示可能であり、
前記第1表示部と前記第2表示部とで一つのキャラクタを形成することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作可能な可動役物を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機においては、複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲームを実行、変動表示する識別情報が停止するときの表示態様によって遊技者に遊技結果を報知している。
【0003】
このような遊技機にあっては、表示装置における変動表示ゲームの表示演出とともに、
表示装置の周縁に配設される可動役物を用いて動作演出を行うものがある。特許文献1に
記載の遊技機では、変動表示装置の前方で動作可能な可動役物を備える遊技機が開示され
ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−011598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の遊技機は、演出効果が乏しいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の識別情報を変動表示して停止する変動表示ゲームに対応する演出表示を表示する表示装置と、該表示装置の表示内容を制御する制御手段とを備える遊技機において、前記表示装置の前方で動作可能であり、第1表示部を有する第1可動役物及び第2表示部を有する第2可動役物を備え、前記制御手段は、前記第1可動役物及び前記第2可動役物の動作制御を行う動作制御手段と、前記第1表示部及び前記第2表示部の表示制御を行う表示制御手段とを含み、前記第1可動役物及び前記第2可動役物を前記表示装置の中央側に向かって移動可能であり、前記第1可動役物又は前記第2可動役物と重なった前記表示装置の表示内容を前記第1表示部又は前記第2表示部に表示可能であり、前記第1表示部と前記第2表示部とで一つのキャラクタを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、演出効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による遊技機の正面図である。
図2】右斜め上方から見た時の遊技機の斜視図である。
図3】遊技機の裏面図である。
図4】センターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。
図5】遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
図6】演出制御装置の構成を示すブロック図である。
図7】可動役物の動作態様を示す図である。
図8】可動役物の動作に対応して変化する表示領域を示す図である。
図9】可動役物の動作態様のバリエーションを示す図である。
図10】左斜め上方から見た時の遊技機枠の斜視図である。
図11】左斜め上方から見た時の側方伝播装飾装置の分解斜視図である。
図12】突出演出ユニットを外した状態のクリア部材保持枠の右側部の正面図である。
図13】カバーレンズ部材及び内側レンズ部材を外した状態の側方伝播装飾装置を示す図である。
図14】内側レンズ部材の側面図である。
図15】突出演出ユニットの横断面図である。
図16】突出演出ユニットの側方伝播装飾装置の演出態様の一例を示す図である。
図17】一括表示装置(特図/普図LED基板)を示す図である。
図18】一括表示装置を制御する遊技制御装置の外観を示す図である。
図19】特図1/特図2表示器の表示態様を説明する図である。
図20】7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例1を示す図である。
図21】7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例2を示す図である。
図22】一括表示装置における特図表示器以外の出力態様を説明する図である。
図23】一括表示装置における特図表示器以外の出力態様を説明する図である。
図24】特図表示器と特図保留表示部の更新周期タイミングについて説明する図である。
図25】特図表示器を構成する7セグLEDを説明する図である。
図26】一括表示装置に接続される遊技制御装置の一括表示用コネクタを説明する図である。
図27】一括表示コネクタの各ピンと、一括表示装置を構成する各端子との接続を示す図である。
図28】一括表示装置の変形例1を示す図である。
図29】一括表示装置の変形例2を示す図である。
図30】遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。
図31】遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
図32】遊技制御装置によって実行されるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
図33】遊技制御装置によって実行されるセグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。
図34】一括表示装置の確認表示の一例を説明する図である。
図35】一括表示装置に含まれる7セグLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
図36】一括表示装置に含まれる単体のLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
図37】大当り終了後の遊技モード遷移を示す図である。
図38】大当り終了後の演出表示の一例を示す図である。
図39】大当り終了後の演出表示の一例を示す図である。
図40】大当り終了後の演出表示の一例を示す図である。
図41】表示装置における携帯連動操作の画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説
明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
【0012】
〔遊技機全体図〕
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。図1
、遊技機1の正面図である。図2は、右斜め上方から見た時の遊技機1の斜視図である。
【0013】
遊技機1は島設備に固定される本体枠2に、ヒンジ16を介して開閉回動自在に取り付
けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠4及びクリア部材保持枠5によって構成
されている。
【0014】
前面枠4には、遊技領域21を有する遊技盤20(図4参照)が交換可能に配設される
とともに、遊技盤20の前面を覆うクリア部材5aを備えたクリア部材保持枠5が取り付
けられる。ここで、クリア部材5aは、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部
材である。このように、クリア部材5aは、遊技盤20に形成される遊技領域21(図4
参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
【0015】
前面枠4及びクリア部材保持枠5は、それぞれ個別に開放することが可能となっている
。例えば、クリア部材保持枠5のみを開放することで、遊技盤20の遊技領域21にアク
セスすることができる。また、前面枠4をクリア部材保持枠5が開放されていない状態で
開放することで、遊技盤20の裏面側に配設された遊技制御装置100(図5参照)等に
アクセスすることができる。
【0016】
クリア部材保持枠5のクリア部材5a周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設され
ている。
【0017】
クリア部材保持枠5の上部及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置
6,7が配設されている。装飾装置6,7は、内部にLED等の照明部材を収容しており
、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置6,7の内部に配設される照明部材
は、枠装飾装置171(図6参照)の一部を構成している。
【0018】
クリア部材保持枠5の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ8aがそれぞれ配設
される。これら上スピーカ8aとは別に遊技機1の下部には、2つの下スピーカ8bが設
けられている。下スピーカ8bは、クリア部材保持枠5の下左角部分及び前面枠4の下右
角部分に配設されている。これら上スピーカ8a及び下スピーカ8bは、効果音や警報音
、報知音等を発するものである。
【0019】
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正
行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機
1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為等が含まれる。これらの不正行為は、
磁気センサ29a(図5参照)によって磁気を検出したり、電波センサ29b(図5参照
)によって電波を検出したりすることで検知される。
【0020】
また、不正に前面枠4やクリア部材保持枠5を開放する行為も不正行為に含まれる。前
面枠4の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ4e(図5参照)によって検出され、クリア
部材保持枠5の開閉状態はクリア部材保持枠開放検出スイッチ5d(図5参照)によって
検出される。
【0021】
クリア部材保持枠5の右側部には、遊技機1の上下方向に延設されるとともに、前方(
遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット200が配設されている。突出演出ユニ
ット200は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニ
ット200の内部に配設される照明部材も枠装飾装置171(図6参照)の一部を構成し
ている。
【0022】
クリア部材保持枠5の下部には、遊技球を貯留可能な上皿12を有する上皿ユニット1
1が取り付けられている。上皿12は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿12
に貯留されている遊技球は、前面枠4の下部に設けられる発射装置(図示省略)に供給さ
れる。
【0023】
上皿ユニット11は、遊技者からの入力操作を受け付ける演出ボタン13と、遊技状態
に応じて発光演出等を行う上皿伝播装飾装置250と、遊技者からの入力操作を受け付け
る球貸操作装置300と、遊技機1の左下角に位置する下スピーカ8bと、をさらに備え
る。
【0024】
演出ボタン13は、遊技者が操作しやすいように上皿ユニット11の上部中央に設けら
れる。演出ボタン13は、押しボタンの他にタッチパネル機能が組み込まれた操作装置で
あり、さらに上皿伝播装飾装置250の発光演出の一端を担って発光機能も有している。
【0025】
遊技者が演出ボタン13を操作することによって、表示装置30(図6参照)に表示さ
れる特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの
結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームに
は特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合に
は、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0026】
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン13を操作
することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
【0027】
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊
技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別
な遊技状態とは、例えば特定遊技状態(普電サポート状態又は時短状態)や変動表示ゲー
ムにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)、大当り状態(特別遊
技状態)である。
【0028】
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定
回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確
率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
【0029】
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが
発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装
置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい
【0030】
上皿伝播装飾装置250は、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユ
ニット11の前側部分に設けられている。
【0031】
球貸操作装置300は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上
皿ユニット11の上部右側に設けられている。球貸操作装置300は、球貸ボタン301
と、返却ボタン302と、残高表示部303と、を備えている。球貸ボタン301は遊技
球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン302は台間装置のカード
ユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタ
ンである。残高表示部303は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である
【0032】
上記した上皿ユニット11等を備えるクリア部材保持枠5の下方であって、前面枠4の
下部には、遊技球を貯留可能な下皿10を有する下皿ユニット9が取り付けられている。
下皿10は、上皿ユニット11に対して所定の間隔をあけて、上皿ユニット11の下方に
配置されている。下皿10は、当該下皿10の底面を上下方向に貫通する球抜き穴10a
と、球抜き穴10aを開閉するための開閉操作部10bと、を有している。遊技者が開閉
操作部10bを操作して、球抜き穴10aを開くことによって、下皿10に貯留されてい
た遊技球を球抜き穴10aを通じて外部に排出することができる。
【0033】
また、下皿ユニット9は、内部の発射装置の動作を制御するための発射ハンドル14と
、遊技機1の右下角に位置する下スピーカ8bと、クリア部材保持枠5を施錠するための
鍵穴部15と、をさらに備える。
【0034】
発射ハンドル14は、前面枠4の右下部であって、右側の下スピーカ8bの下方に配置
されている。遊技者が発射ハンドル14を回動操作することによって、発射装置は上皿1
2から供給された遊技球を遊技盤20の遊技領域21に発射する。発射装置から発射され
る遊技球の発射速度は、発射ハンドル14の回動操作量が大きくなるほど速くなるように
設定されている。
【0035】
〔遊技機裏面〕
図3を参照して、遊技機1の裏面側の構成について説明する。図3は、遊技機1の裏面
図である。
【0036】
遊技盤20の裏面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100がスイッチベース
180を介して配設されるとともに、遊技制御装置100から送信される演出制御指令に
基づいて表示装置30(図6参照)等を制御する演出制御装置150がスイッチベース1
80の上方の制御ベース190を介して配設される。演出制御装置150の後方には、演
出制御装置150の裏面全体及び遊技制御装置100の裏面上部を覆う保護カバー34が
設けられる。遊技盤20が前面枠4に収納された状態においては、遊技盤20の裏面に配
設された保護カバー34及び遊技制御装置100は、前面枠4の後方に突出する。
【0037】
前面枠4の裏面上部には、島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊
技球を貯留する上部タンク45とともに、貯留した遊技球を整列させて流下させるシュー
ト部44を有する貯留ユニット43が配設される。貯留ユニット43は両側部に形成され
た取付部43aを介して前面枠4に固定される。
【0038】
前面枠4の左側部の裏面には、上下方向に亘って貯留ユニット43のシュート部44を
流下してきた遊技球を上皿12(図1参照)に払い出す払出ユニット41が配設される。
【0039】
前面枠4の裏面下部には、遊技制御装置100から送信されるデータに基づいて払出ユ
ニット41の動作を制御する払出制御装置410と、発射ハンドル14(図1参照)の回
動操作に基づいて遊技球を発射する発射装置と、カードユニット等の台間装置(図示省略
)と接続する台間中継基板191と、演出制御装置150と接続される演出制御中継基板
192と、各種装置に電力を供給する電源装置450とが配設される。
【0040】
〔遊技盤構成〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤20について説明する。図4は、遊技盤
20の正面図である。
【0041】
遊技盤20は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体の表面に、区画部材
としてのガイドレール21aを設けることで、略円形状の遊技領域21を区画形成してい
る。そして、遊技領域21内に発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになってい
る。遊技領域21には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘などが配設されて
おり、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領
域21を流下する。
【0042】
遊技領域21の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース22が取り付けられている。センターケース22に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能なメイン表示
画面31を有する表示装置30が配置されている。表示装置30は、例えば、液晶ディス
プレイを備え、センターケース22の窓部を介して遊技盤20の前面側から表示内容が視
認可能となるように配置される。なお、表示装置30は、液晶ディスプレイを備えるもの
に限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0043】
メイン表示画面(メイン表示領域)31には、複数の変動表示領域が設けられており、
各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示さ
れる。その他、メイン表示画面31には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、
ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0044】
また、メイン表示画面31の右上部及び右側部には、サブ表示装置(第2表示装置)と
しての上部表示装置60及び右部表示装置70が配設される。これらのサブ表示画面61
及び71に、メイン表示画面31に表示可能な表示内容が表示されてもよい。
【0045】
センターケース22の左側方の遊技領域21には、遊技球が通過した場合に普通図柄(
普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート25が配設される。遊技領
域21内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、普図変動表示ゲーム
が実行される。
【0046】
センターケース22の左下方の遊技領域21には3つの一般入賞口26が配置されてお
り、センターケース22の右下方の遊技領域21には一つの一般入賞口26が配置されて
いる。
【0047】
また、センターケース22の左下方には、センターケース22の左下方の遊技領域21
を流下する遊技球を受け入れ可能な受入口92aを有し、受け入れた遊技球をセンターケ
ース22の下部に設けられるステージ部90に導くワープ通路92が設けられている。ス
テージ部90は、センターケース22の下部中央に左右方向に延設され、ワープ通路92
を流下した遊技球が転動可能な転動面90aを有する。
【0048】
ワープ通路92からステージ部90に導かれた遊技球は、転動面90a上を転動した後
、ステージ中央部に設けられる案内連通路91を通って案内口91aから遊技領域21に
排出されるか、又は転動面90a上に設けられる案内部90bから遊技領域21へと排出
される。ここで、案内口91aは、第1始動入賞口23の直上方に配設されるのに対して
、案内部90bは第1始動入賞口23の左右側にずれて配設されるため、案内口91aか
ら排出される遊技球の方が案内部90bから排出される遊技球よりも第1始動入賞口23
へ誘導される確率が高い。
【0049】
センターケース22の下方の遊技領域21には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与
する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)23が設けられ、その直下には第2始動入賞口
(第2始動入賞領域)24が設けられる。第2始動入賞口24は、上側が逆「ハ」の字状
に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材24aを備える。遊技球が
第1始動入賞口23又は第2始動入賞口24に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動
表示ゲームが実行される。
【0050】
第2始動入賞口24の一対の可動部材24aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあ
けた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。但し、第2始動入賞
口24の上方には、第1始動入賞口23が設けられているので、可動部材24aが閉状態
である場合には遊技球が第2始動入賞口24に入賞できないようになっている。
【0051】
可動部材24aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、
普電ソレノイド24b(図5参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動
入賞口24に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)
する。
【0052】
なお、可動部材24aは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御
装置100は、確変状態や時短状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態の発生
頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりしており、このような状態を一般
的には普電サポート状態という。
【0053】
第1始動入賞口23と右側の一般入賞口26の間の遊技領域21には、第1大入賞口ソ
レノイド27b(図5参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1
大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉27aを有する第1特別変動入賞装置27が設
けられている。第1特別変動入賞装置27は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大
入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有
利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、
遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内に
は、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下カウントスイッチ27d(
図5参照)が配設されている。
【0054】
また、センターケース22の左上部には、第2大入賞口ソレノイド28b(図5参照)
によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部28aを有する第2特別変動入賞
装置28が設けられている。第2特別変動入賞装置28は、第1特別変動入賞装置27と
同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって
不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大
入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付
与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検
出する検出手段として上カウントスイッチ28d(図5参照)が配設されている。
【0055】
一般入賞口26、第1始動入賞口23、第2始動入賞口24、第1特別変動入賞装置2
7の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置28の第2大入賞口に遊技球が入賞すると
、払出制御装置410は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット41か
ら上皿12に排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が
最も多く、一般入賞口26(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1
大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせ
ても良い。
【0056】
また、センターケース22の右上部には、ガイドレール21aに沿ってセンターケース
22の右上方の遊技領域21を流下する遊技球が流入する振分装置80が配設されている
。振分装置80は、遊技球の流入部に設けられる切換弁83によって、流入した遊技球を
第1通過ゲート部81(第1特定領域、抽選ゲート)及び第2通過ゲート部82(第2特
定領域、固定ゲート)のいずれか一方の流下ルートに誘導可能に設けられる。切換弁83
は、演出制御装置150(図6参照)によって制御され、所定間隔(本実施形態では5秒
)で振分状態が切り替えられる。
【0057】
振分装置80は、変動表示ゲームにおいて特定の特別結果が導出された場合に、大当り
状態におけるラウンド数を決定する。遊技球が抽選ゲート(第1通過ゲート部81)を通
過した場合には、50/100の確率で5ラウンド又は15ラウンドが付与される。一方
、遊技球が固定ゲート(第2通過ゲート部82)を通過した場合には、必ず10ラウンド
が付与される。
【0058】
したがって、遊技者は、確実に10ラウンド分の賞球が得られるように固定ゲート(第
2通過ゲート部82)に振り分けられるときを狙って遊技球を発射したり、より多くの賞
球を取得可能な抽選ゲート(第1通過ゲート部81)に振り分けられるときを狙って遊技
球を発射したり、好みによって遊技者が大当り状態におけるラウンド数を選択することが
できる。すなわち、変動表示ゲームにおいて特定の特別結果が導出された場合には、遊技
者が選択可能なラウンド数決定遊技(補助遊技)が実行される。
【0059】
そして、第1通過ゲート部81及び第2通過ゲート部82を通過した遊技球は、振分装
置80の下部に形成された排出通路84を通じて、センターケース22の右側方の遊技領
域21に排出される。
【0060】
また、第1通過ゲート部81には遊技球が第1通過ゲート部81を通過したこと検出す
る第1通過検出センサ81aが設けられており、第2通過ゲート部82には遊技球が第2
通過ゲート部82を通過したこと検出する第2通過検出センサ82aが設けられている。
【0061】
なお、第2始動入賞口24の下方の遊技領域21には、入賞口等に入賞しなかった遊技
球を回収するアウト口32が設けられている。
【0062】
また、遊技領域21の外側であって遊技板20bの右下部には、特図変動表示ゲーム(
図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括
表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示す
る表示部51〜59を備える。
【0063】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表
示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2
表示器)52と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図
1保留表示部53、特図2保留表示部54)と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普
図表示器)55と、普図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の普図保留表示部5
6と、を有している。
【0064】
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当
りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態
が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部
57と、大当り時の第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28の開放時間
及び開放回数を表示する開放パターン表示部58及び開放回数表示部59が設けられてい
る。
【0065】
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳
細について説明する。
【0066】
遊技機1では、遊技者により発射ハンドル14が操作されて発射装置から遊技領域21
に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊
技領域21内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域
21を流下し、普図始動ゲート25、一般入賞口26、第1始動入賞口23、第2始動入
賞口24、第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28に入賞するか、遊技
領域21の最下部に設けられたアウト口32へ流入し遊技領域21から排出される。そし
て、一般入賞口26、第1始動入賞口23、第2始動入賞口24、第1特別変動入賞装置
27又は第2特別変動入賞装置28に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じ
た数の賞球が払出ユニット41を介して上皿12に排出される。
【0067】
普図始動ゲート25には、当該普図始動ゲート25を通過した遊技球を検出するゲート
スイッチ25a(図5参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート25を通過する
と、ゲートスイッチ25aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
【0068】
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われて
おり当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当り
となって第2始動入賞口24が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲー
ト25を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)され
る。
【0069】
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値
が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示
ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
【0070】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示部55で実行されるよ
うになっている。普図表示部55は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当り
を示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示する
ことで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は
消灯することで結果を表示するようになっている。
【0071】
普図始動ゲート25通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示
部55に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレ
ノイド24b(図5参照)が駆動されることにより、可動部材24aが所定の時間(例え
ば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口24への遊技球の入賞が許容され
る。
【0072】
遊技球の第1始動入賞口23への入賞及び第2始動入賞口24への入賞は、第1始動口
スイッチ23d(図5参照)と第2始動口スイッチ24d(図5参照)によって検出され
る。第1始動入賞口23に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検
出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口24に入賞した遊技
球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶され
る。
【0073】
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各
変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶
領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)
を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知
用の特図1保留表示部53や特図2保留表示部54に表示されるとともに、表示装置30
のメイン表示画面31にも表示される。
【0074】
遊技制御装置100は、第1始動入賞口23への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて
、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、
第2始動入賞口24への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図
2変動表示ゲームを実行する。
【0075】
図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示
器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われ
る。また、表示装置30では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例
えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実
行される。
【0076】
表示装置30における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特
別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の
順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止
させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置30では
、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
【0077】
第1始動入賞口23又は第2始動入賞口24への遊技球の入賞が所定のタイミングでな
された場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲー
ムの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態
(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置30の表示態様は特別結果態様(例
えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
【0078】
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置27や第2特別変動入賞装置2
8に設けられた第1大入賞口ソレノイド27b及び第2大入賞口ソレノイド28b(図5
参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態
に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置27及び第2特別変動入賞装置28に備
えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊
技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
【0079】
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するま
での間に前述のラウンド数決定遊技(補助遊技)を実行する場合と実行しない場合とがあ
るが、どちらか一方に統一しても良い。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は
、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変
動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
【0080】
表示装置30における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし
、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲ
ーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されない
ようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行
されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があ
り、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行
される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行
されるようにしても良い。
【0081】
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うよ
うに構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、表示装置3
0のメイン表示画面31には左打ち又は右打ちの指示が表示される。
【0082】
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図5及び図6を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置100及び演出制
御装置150について説明する。
【0083】
図5は、遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図であ
る。図6は、遊技機1の演出制御装置150を中心とする制御系を示すブロック構成図で
ある。
【0084】
図5に示す遊技制御装置100は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装
置(主基板)である。遊技制御装置100には、電源装置450、払出制御装置410、
及び演出制御装置150が接続される。遊技制御装置100は、払出制御装置410や演
出制御装置150に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに
、遊技制御装置100には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
【0085】
遊技制御装置100は、各種演算処理を行うCPU部110と、各種信号の入力を受け
付ける入力部120と、各種信号や制御信号を出力する出力部130とを備える。CPU
部110、入力部120及び出力部130は、互いにデータバス140によって接続され
る。
【0086】
入力部120は、遊技盤20等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制
御装置410から出力される信号を受け付ける。この入力部120は、近接インターフェ
ース(I/F)121(121a、121b)及び入力ポート122(122a、122
b)、123を備える。
【0087】
入力ポート122、123は、近接I/F121を介して入力される信号を受け付けた
り、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート122、123に入力
した情報は、データバス140を介してCPU部110等に提供される。
【0088】
近接I/F121は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を
変換して入力ポート122に出力するインターフェースである。近接I/F121aには
、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞
口スイッチ26a〜26n、及び下カウントスイッチ27dが接続される。また、近接I
/F121bには、上カウントスイッチ28d、第1通過検出センサ81a及び第2通過
検出センサ82aが接続される。
【0089】
第1始動口スイッチ23dは、遊技球が第1始動入賞口23に入賞したことを検出する
スイッチである。第2始動口スイッチ24dは、遊技球が第2始動入賞口24に入賞した
ことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ25aは、遊技球が普図始動ゲート25
を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ26a〜26nは、遊技球が
一般入賞口26に入賞したことを検出するスイッチである。
【0090】
下カウントスイッチ27d及び上カウントスイッチ28dは、遊技球が大入賞口に入賞
したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ27d及び上カウントスイッチ
28dによって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウ
ントされた遊技球の数が遊技制御装置100に備えられたメモリに記憶される。
【0091】
第1通過検出センサ81aは、振分装置80に備えられた第1通過ゲート部81を遊技
球が通過したことを検出する。同様に、第2通過検出センサ82aは、第2通過ゲート部
82を遊技球が通過したことを検出する。
【0092】
近接I/F121は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが
7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/
F121は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接ス
イッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外された
り、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することがで
き、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0093】
なお、近接I/F121に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F
121に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F121
はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されてい
る。
【0094】
また、近接I/F121aと近接I/F121bの二つの近接I/Fを設けている理由
は、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは
不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコスト
を削減するようにしてもよい。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備え
るものを用いることによって、近接I/F121bを設けないようにしてもよい。
【0095】
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ29bの検出信号及びセンサやスイ
ッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート122aに入力さ
れる。また、入力ポート122aには、遊技機1の前面枠4等に設けられた不正検出用の
磁気センサ29aの検出信号も入力されるようになっている。
【0096】
磁気センサ29aは、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出
するために磁力を検出する。電波センサ29bは、入賞口スイッチ26a〜26nなどを
誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する
。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート122aに入
力されるようにしてもよい。
【0097】
また、近接I/F121の出力のうち、入力ポート122bへの出力は、遊技制御装置
100から中継基板193を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになってい
る。さらに、近接I/F121の出力のうち第1始動口スイッチ23dと第2始動口スイ
ッチ24dの検出信号は、入力ポート122bの他、反転回路112を介して遊技用マイ
コン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技
用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されること
を想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設
計されているためである。
【0098】
したがって、第1始動口スイッチ23dと第2始動口スイッチ24dとしてマイクロス
イッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出
信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ23dと第
2始動口スイッチ24dからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい
場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、
信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/
F121には、電源装置450から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の
他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0099】
入力ポート122aには、磁気センサ29aからの信号が直接入力され、入力ポート1
23には前面枠開放検出スイッチ(SW)4e及びクリア部材保持枠開放検出スイッチ(
SW)5dからの信号が直接入力される。入力ポート123には、払出制御装置410か
らの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
【0100】
前面枠開放検出SW4eは、前面枠4が開放されたことを検出する。前面枠開放検出S
W4eは、前面枠4が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠4が本体枠2に
閉止されるとオフに設定される。
【0101】
クリア部材保持枠開放検出SW5dは、クリア部材保持枠5が開放されたことを検出す
る。クリア部材保持枠開放検出SW5dは、クリア部材保持枠5が前面枠4から開放され
るとオンに設定され、クリア部材保持枠5が前面枠4に閉止されるとオフに設定される。
【0102】
入力ポート122bが保持しているデータは、遊技用マイコン111が入力ポート12
2bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2を
アサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート12
2aや後述の入力ポート123も同様である。
【0103】
遊技制御装置100のCPU部110は、遊技用マイコン111と、反転回路112と
、水晶発振器113とを備える。
【0104】
遊技用マイコン111は、CPU111a、ROM111b、及びRAM111cを有
しており、入力部120を介して入力された信号に基づいてROM111bに記憶された
プログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン111は、出
力部130を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(
図2表示器)52、特図1保留表示部53、特図2保留表示部54、普図表示部(普図
表示器)55、普図保留表示部56、遊技状態表示部57、大当り時の開放パターン表示
部58及び開放回数表示部59が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括
表示装置50、普電ソレノイド24b、第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口ソ
レノイド28b、演出制御装置150、及び払出制御装置410に制御信号を送信し、遊
技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン111は、チップセレクトで、信号を入力又
は出力するポートを選択している。
【0105】
ROM111bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ
等を記憶する。
【0106】
RAM111cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値
など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
【0107】
反転回路112は、近接I/F121を介して入力された信号(第1始動口スイッチ2
3d及び第2始動口スイッチ24dからの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン1
11に出力する。
【0108】
水晶発振器113は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うため
のハード乱数の動作クロック源として構成されている。
【0109】
遊技制御装置100の出力部130は、ポート131a〜131eと、バッファ132
a、132bと、ドライバ133a〜133dと、フォトカプラ134とを備える。
【0110】
ポート131a〜131eは、データバス140を介して入力された信号を受け付ける
【0111】
バッファ132a、132bは、データバス140やポート131a、131bを介し
て入力された信号を一時的に保持する。
【0112】
ドライバ133a〜133dは、ポート131c〜131eを介して入力される信号か
ら各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
【0113】
フォトカプラ134は、外部の検査装置195に接続可能に構成されており、入出力さ
れる各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ134と検
査装置195との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
【0114】
払出制御装置410には、ポート131aを介してパラレル通信によってCPU部11
0から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効
/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置410に対し
ては片方向通信を担保する必要がないため、ポート131aから払出制御装置410の払
出制御基板に制御信号が直接送信される。
【0115】
また、払出制御装置410は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置
は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域21に発射することが可
能となっている。
【0116】
払出制御装置410は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニッ
ト(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信
号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置410は、前述の
ように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球
切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置100に出力する。
【0117】
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力され
る信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している
場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿10(図1参照)に
所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置100
から演出制御装置150には、シリアル通信でデータが送信される。
【0118】
演出制御装置150には、出力部130のバッファ132aを介してサブコマンドが入
力される。バッファ132aを有することによって、演出制御装置150の側から遊技制
御装置100に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保する
ことができる。演出制御装置150に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、
客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマ
ンド等の演出制御指令信号が含まれる。
【0119】
第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口ソレノイド28b及び普電ソレノイド2
4bには、ポート131b及びドライバ133aを介して、CPU部110から出力され
た信号が入力する。第1大入賞口ソレノイド27bは第1特別変動入賞装置27の開閉扉
27a(図4参照)を回動させ、第2大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置
28の回動部28a(図4参照)を回動させ、普電ソレノイド24bは第2始動入賞口2
4への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材24aを開状態に変換させる。
【0120】
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケー
ス部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線
を介してドライバ133bに接続し、このドライバ133bとポート131cとが接続し
ている。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ133
cと接続し、このドライバ133cとポート131dとが接続している。一括表示装置5
0のLEDのアノード端子にはドライバ133bからのオン/オフ駆動信号が入力され、
一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ133cにオン/オフ駆動信号
が出力される。
【0121】
外部情報端子194は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスター
ト信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力
するための端子である。遊技データは、ポート131e及びドライバ133dを介して外
部情報端子194に出力される。
【0122】
遊技制御装置100は、中継基板193を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構
成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置
である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、ゲ
ートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、下カウントスイッチ27d、及び
上カウントスイッチ28dからの信号や、第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口
ソレノイド28b及び普電ソレノイド24bに出力される信号等、試射試験に必要な信号
が入力される。
【0123】
遊技制御装置100は、入力部120に設けられるシュミット回路124を介して、電
源装置450に接続している。シュミット回路124は、電源の立ち上がり時や電源遮断
時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ
)を除去する回路である。シュミット回路124には、電源装置450からの停電監視信
号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
【0124】
電源装置450は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DC
コンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電
圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部460と、遊技用マイコン111
の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部465
と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知
らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力す
る制御信号生成部480と、を備える。
【0125】
バックアップ電源部465は、遊技用マイコン111のRAM111cに記憶された遊
技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置100は、停電復旧後、R
AM111cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
【0126】
制御信号生成部480は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレー
タの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0
Vのときに停電と判定し、制御信号生成部480から停電監視信号が出力される。停電監
視信号は、シュミット回路124を経由して、入力部120の入力ポート123に入力す
る。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号
は、シュミット回路124を経由して、遊技用マイコン111及び出力部130の各ポー
ト131a〜131eに入力する。遊技制御装置100は、停電監視信号を受け付けると
所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部110の動作を停止させ
る。
【0127】
制御信号生成部480は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初
期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部480から初期化スイッチ
信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路124を介して、入力部12
0の入力ポート123に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン111のRA
M111c及び払出制御装置410のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する
信号である。
【0128】
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート123に入
力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれ、各種スイッチか
らの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン111に設けられている
外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0129】
一方、シュミット回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のよ
うに、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、
出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部130を介
さずに直接中継基板193に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板1
93のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板193を介して試射試験装置へ出力可能に構成する
ようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122、123
には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力
部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする
必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイ
コン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄される
ためである。
【0130】
図6に示す演出制御装置150は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111と同様
にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)151と
、主制御用マイコン151の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCP
U)152と、映像制御用マイコン152からのコマンドやデータに従って表示装置30
(サブ表示装置60、70含む)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Di
splay Processor)157と、各種メロディや効果音等を上スピーカ8a及び下スピーカ
8bから再生させる音源LSI158と、を備える。
【0131】
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152には、各CPUが実行するプログ
ラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)154、155がそれぞれ
接続される。
【0132】
VDP157には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM156が接続
される。
【0133】
音源LSI158には、音声データ等が記憶された音声ROM159が接続される。
【0134】
主制御用マイコン151は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111から送信され
たコマンドを解析し、映像制御用マイコン152に出力映像の内容を指示したり、音源L
SI158に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン151は、遊技制
御装置100からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制
御、演出時間の管理等の処理も実行する。
【0135】
主制御用マイコン151及び映像制御用マイコン152の作業領域を提供するRAM1
51a、152aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供す
るRAM151a、152aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0136】
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152との間、主制御用マイコン151
と音源LSI158との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように
構成されている。これに対して、主制御用マイコン151とVDP157との間は、パラ
レル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送
受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信する
ことができる。
【0137】
VDP157には、画像ROM156から読み出されたキャラクタ等の画像データを展
開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)157a、画像を拡大
、縮小処理するためのスケーラ157b、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装
置30へ送信する映像信号を生成する信号変換回路157cが設けられる。
【0138】
VDP157から主制御用マイコン151へは、表示装置30の映像と、前面枠4や遊
技盤20に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出
力される。また、VDP157から映像制御用マイコン152へは、VRAM157aへ
の描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン
152からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信
号WAITが出力される。
【0139】
映像制御用マイコン152から主制御用マイコン151へは、映像制御用マイコン15
2が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期
信号SYNCが出力される。
【0140】
主制御用マイコン151と音源LSI158との間においては、ハンドシェイク方式で
コマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換さ
れる。
【0141】
なお、映像制御用マイコン152には、主制御用マイコン151よりも高速処理が可能
なCPUが使用されている。主制御用マイコン151とは別に映像制御用マイコン152
を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン151のみでは実現困難な大
画面で動きの速い映像を表示装置30に表示させることが可能となるとともに、映像制御
用マイコン152と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの
上昇を抑制することができる。
【0142】
演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するための
インタフェースチップ(コマンドI/F)153を備えている。演出制御装置150は、
コマンドI/F153を介して、遊技制御装置100から送信された変動開始コマンド、
客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマ
ンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置150の主制御用マイコン151はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F153には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0143】
演出制御装置150には、センターケース22や遊技盤20に設けられるLED等を含
む盤装飾装置170を制御する盤装飾LED制御回路161、前面枠4等に設けられるL
ED等を含む枠装飾装置171を制御する枠装飾LED制御回路162、表示装置30に
おける演出表示と協働して演出効果を高める可動役物600(図7参照)や振分装置80
の切換弁83等を含む盤演出装置172を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイ
ド)制御回路163、突出演出ユニット200の突出部駆動モータ等を含む枠演出装置1
73を駆動制御する枠演出モータ制御回路164が設けられている。これらの制御回路(
161〜164)は、アドレス/データバス160を介して主制御用マイコン151に接
続されている。
【0144】
また、演出制御装置150には、演出ボタン13(図1参照)が操作されたことを検知
する演出ボタンSW(スイッチ)174、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演
出モータSW(スイッチ)175a〜175nを検出して主制御用マイコン151へ検出
信号を送信するスイッチ(SW)入力回路165が設けられている。さらに、上スピーカ
8a及び下スピーカ8bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路166
、167が設けられている。
【0145】
電源装置450の通常電源部460は、演出制御装置150及び当該演出制御装置15
0によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種
類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動する
ためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置30を駆動するためのDC12V、コ
マンドI/F153の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ8a及び下スピーカ8
bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを
点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
【0146】
電源装置450の制御信号生成部480により生成されたリセット信号RSTは、主制
御用マイコン151、映像制御用マイコン152、VDP157、音源LSI158、各
種制御回路(161〜164、166、167)に供給され、これらをリセット状態にす
る。電源装置450は、映像制御用マイコン152が有する汎用ポートを利用して、VD
P157に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像
制御用マイコン152とVDP157の動作の連携性を向上させることができる。
【0147】
以上のように、演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されたコマンドに
基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、表示装置30に表示される表示内容
を制御する表示制御手段、及び、スピーカ8から効果音等を出力する音出力制御手段とし
ての機能を有する。
【0148】
〔可動役物〕
次に、図7を参照して、表示装置30の前方に動作可能な可動役物600について説明
する。図7は、可動役物600の動作態様を示す図である。図7(A)は通常時の収容状
態を示す図であり、図7(B)は動作時の過程状態を示す図であり、図7(C)は動作時
の完了状態を示す図である。
【0149】
可動役物600は、演出制御装置150において主制御用マイコン151が動作させる
盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163(図6参照)によって、その動作が
制御される。可動役物600は、通常では遊技盤20の裏面であって表示装置30の周縁
に収容され、表示装置30における演出表示と協働して表示装置30の前方に可動される
【0150】
図7(C)に示すように、本実施形態の可動役物600は、左側可動役物601と、右
側可動役物602と、上部可動役物603と、を備える。
【0151】
左側可動役物601は、図7(A)に示すように通常時は、メイン表示画面31の左側
辺に収容されており、遊技者から視認されない。そして、図7(B)に示すように可動が
始まると、左側辺から右方向に向かって可動してメイン表示画面31の前方に出現し、図
7(C)に示すように完了状態まで出現し続ける。
【0152】
右側可動役物602は、図7(A)に示すように通常時は、メイン表示画面31の右側
辺であって右部表示装置70の裏面に収容されており、遊技者から視認されない。そして
図7(B)に示すように可動が始まると、右側辺から左方向に向かって可動してメイン
表示画面31の前方に出現し、図7(C)に示すように完了状態まで出現し続ける。左側
可動役物601と右側可動役物602とは同時に可動する。
【0153】
上部可動役物603は、図7(A)に示すように通常時は、メイン表示画面31の上辺
部であって上部表示装置60の裏面に収容されており、遊技者から視認されない。そして
図7(B)に示すように可動が始まって左側可動役物601と右側可動役物602とが
メイン表示画面31の前方に出現したのちに、図7(C)に示すように上辺部から下方向
に向かって可動してメイン表示画面31の前方に出現する。そして、完了状態において、
左側可動役物601、右側可動役物602及び上部可動役物603によって一つのキャラ
クタが形成される。
【0154】
図7(C)に示すように、上部可動役物603は、左側可動役物601及び右側可動役
物602よりも前方に出現し、完了状態において左側可動役物601及び右側可動役物6
02の一部を被覆する。ここでは、左側可動役物601及び右側可動役物602は前後方
向に同位置に配設されており、上部可動役物603は左側可動役物601及び右側可動役
物602よりも前方に配設されている。
【0155】
このとき、メイン表示画面31における遊技者が視認可能な視認可能表示領域は、各可
動役物601〜603の動作とともに狭まる。第4図柄は、視認可能表示領域の変化とと
もに表示位置が変化する。具体的には、第4図柄の表示位置は、図7(B)に示す過程状
態と図7(C)に示す完了状態とでは異なり、メイン表示画面31の上方位置から下方位
置に変化する。このように第4図柄は、最後に動作する可動役物(ここでは上部可動役物
603)の対極位置に表示される。なお、変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度に
応じて第4図柄の表示位置を変更するようにしても良い。
【0156】
なお、各可動役物601〜603は、演出制御装置150によって表示内容を制御可能
なサブ表示装置(液晶ディスプレイ)を備えてもよい。例えば、左側可動役物601と右
側可動役物602とに液晶ディスプレイを備え、メイン表示画面31の中央に並ぶ双方の
液晶ディスプレイで1つの画像表示を行うようにしてもよい。
【0157】
以上より、本実施形態の可動役物600は、左側可動役物601及び右側可動役物60
2(第1可動役物)がメイン表示画面31の前方に動作したのちに、上部可動役物603
(第2可動役物)が左側可動役物601の右上部及び右側可動役物602の左上部を被覆
するようにメイン表示画面31の前方に動作する。各可動役物601〜603は、メイン
表示画面31を形成する4辺のうち異なる3辺からそれぞれ出現して画面前方でキャラク
タ等を一体形成するので、キャラクタを立体的でダイナミックに演出することができ、演
出効果を高めることができる。
【0158】
また、左側可動役物601及び右側可動役物602(第1可動役物)は、それぞれメイ
ン表示画面31の左右から出現するのに対して、上部可動役物603(第2可動役物)は
メイン表示画面31の上から出現する。このように、第1可動役物と第2可動役物とは、
それぞれメイン表示画面31の一辺と該一辺と交差する他辺から、互いの動線が延長線上
で交差するように出現するので、出現態様が単調にならず、演出効果を高めることができ
る。
【0159】
〔表示領域のバリエーション〕
次に、図8を参照して、前述した可動役物600の動作によって遊技者が視認可能な視
認可能表示領域が縮小されてしまう課題を解決する表示態様について説明する。図8は、
可動役物600の動作に対応して変化する表示領域を示す図である。図8(A)〜(C)
における可動役物600の動作状態は、前述の図7(A)〜(C)に対応しており、図8
(A)は通常時の収容状態における表示領域を示す図であり、図8(B)は動作時の過程
状態における表示領域を示す図であり、図8(C)は動作時の完了状態における表示領域
を示す図である。
【0160】
図8(A)に示すように、通常時は、可動役物600(左側可動役物601、右側可動
役物602及び上部可動役物603)は表示装置30のメイン表示画面31の前方に動作
しない。このとき、遊技者は、メイン表示画面31に表示される変動表示ゲーム等の演出
表示を全て視認することができる。したがって、このときの視認可能表示領域は、メイン
表示画面31の表示領域全体を示す。
【0161】
図8(B)に示すように、左側可動役物601及び右側可動役物602が可動すると、
これらによって一部のメイン表示画面31(図中の黒塗り領域)が被覆される。このよう
に、可動役物によって遊技者が視認できない視認不可表示領域がメイン表示画面31に生
じる。
【0162】
そこで、表示装置30のメイン表示画面31の右側部に設けられる右部表示装置70を
サブ表示装置として、右部表示装置70のサブ表示画面71に、メイン表示画面31の視
認不可表示領域に表示される表示内容が表示される。すなわち、サブ表示画面71の表示
領域が新たに視認可能表示領域となる。
【0163】
図8(C)に示すように、上部可動役物603が可動すると、さらにメイン表示画面3
1の視認不可表示領域(図中の黒塗り領域)が拡大する。そこで、表示装置30のメイン
表示画面31の右上部に設けられる上部表示装置60をサブ表示装置として、上部表示装
置60のサブ表示画面61に、メイン表示画面31の視認不可表示領域に表示される表示
内容が表示される。すなわち、サブ表示画面61の表示領域が新たに視認可能表示領域と
なる。
【0164】
このように、可動役物600の動作によりメイン表示画面31で表示されていた表示内
容が遊技者から視認不可能になる場合は、視認不可能となった表示内容をサブ表示装置(
上部表示装置60、右部表示装置70)のサブ表示画面61、71において表示する。よ
って、可動役物600によって遊技者が視認できなくなったメイン表示画面31の表示内
容をサブ表示画面で視認させることができる。本来メイン表示画面31で遊技者が視認可
能だった表示内容を見せることと、可動役物600によるダイナミックな演出とを両立す
ることができる。
【0165】
なお、各可動役物601〜603にサブ表示装置を備える場合は、該サブ表示装置の液
晶ディスプレイに、メイン表示画面31の視認不可表示領域に表示される表示内容を表示
してもよい。メイン表示画面31と併せて表示内容を立体的に遊技者に見せることができ
るので、演出効果を高めることができる。
【0166】
また、可動役物600の動作に応じて、視認不可表示領域の表示内容を表示するサブ表
示装置を変更すれば、可動役物600の動作態様と対応するサブ表示装置のバリエーショ
ンが多様化するので、さらに演出効果を高めることができる。
【0167】
また、サブ表示装置で、第1始動記憶及び第2始動記憶の保留表示を行ってもよい。こ
れにより、遊技者は、メイン表示画面31において刻々と変化する視認可能表示領域及び
視認不可表示領域に惑わされることなく、保留表示を認識しやすい。
【0168】
〔可動役物の動作バリエーション〕
次に、図9を参照して、前述した可動役物600の各可動役物601〜603の動作順
の他の例について説明する。図9は、可動役物600の動作態様のバリエーションを示す
図である。図9(A)は本実施形態の動作態様を示す図であり、図9(B)は他の動作態
様について示す図である。
【0169】
図9(A)に示すように、本実施形態の可動役物600は、左側可動役物601及び右
側可動役物602が同時に動作したのちに、上部可動役物603が動作する。これは、最
後に動作する上部可動役物603が先に動作する左側可動役物601及び右側可動役物6
02よりも前方に配設されるからであり(図7(C)参照)、動作完了状態では上部可動
役物603によって左側可動役物601及び右側可動役物602の一部が被覆される状態
となる。
【0170】
図9(B)に示すように、他の例の可動役物600は、まず、左側可動役物601のみ
が動作し、次に上部可動役物603が動作したのち、右側可動役物602が動作する。こ
のとき、可動役物600は、前後方向に後方から左側可動役物601、上部可動役物60
3、右側可動役物602の順に配設される。
【0171】
このように、可動役物600は、前後方向の配置が後方のものから順に動作が開始され
るので、次に動作する可動役物は先に出現した可動役物のさらに前方に出現することにな
り、演出が進むにつれ、より遊技者に近い側で演出が実行されることになる。よって、演
出の効果をより高めることができる。
【0172】
なお、動作を完了した可動役物600が収容状態に戻る順番は問わない。一斉に戻るよ
うにしてもよいし、動作順でもよい。
【0173】
〔突出演出ユニット〕
続いて、図10図16を参照して、クリア部材保持枠5の右側部に設けられる突出演
出ユニット200について説明する。突出演出ユニット200は、遊技の進行状態に応じ
て発光演出等を行う枠装飾装置171(図6参照)として機能する。
【0174】
図10は、左斜め上方から見た時の遊技機枠(前面枠4及びクリア部材保持枠5)の斜
視図である。
【0175】
図10に示すように、突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の右側部に、上
右角部分のスピーカ8aの下方からクリア部材保持枠5の右下端まで上下方向に配設され
る。突出演出ユニット200は、前方(遊技者側)に向かって突出しており、左側(遊技
機1の内側、遊技盤20側)の突出面には遊技状態に応じて発光演出を行う側方伝播装飾
装置220が配設される。そして、突出演出ユニット200の右側(遊技機1の外側)の
突出面には、遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者に対して演出を行う外側
装飾装置221(図15参照)が配設される。
【0176】
まず、側方伝播装飾装置220について説明する。図11は、左斜め上方から見た時の
側方伝播装飾装置220の分解斜視図である。図12は、突出演出ユニット200を外し
た状態のクリア部材保持枠5の右側部の正面図である。 図13は、カバーレンズ部材2
01及び内側レンズ部材202を外した状態の側方伝播装飾装置220を示す図である。
図14は、内側レンズ部材202の右側面図である。図15は、突出演出ユニット200
の上部の横断面図である。
【0177】
図11に示すように、側方伝播装飾装置220は、クリア部材保持枠5の右側部の開口
部5bを含む内側部分と、カバーレンズ部材201と、内側レンズ部材202と、内側反
射部材203と、で構成される。内側反射部材203は、ベース部材204の左側の面に
取り付けられる。ベース部材204の右側には、外側装飾装置221の構成要素が取り付
けられる。
【0178】
図12に示すように、クリア部材保持枠5の右側部の上部には、後方に設けられる発光
源の発光を前方に導くための開口部5b及び開口部5cが形成されている。クリア部材保
持枠5の右側部の内側上部に8個設けられる開口部5bは、側方伝播装飾装置220の発
光源に対応する。クリア部材保持枠5の右側部の外側上部に5個設けられる開口部5cは
、外側装飾装置221の発光源に対応する。
【0179】
図13及び図14に示すように、内側反射部材203の表面には、略垂直にリブ203
a〜203dが配設される。リブ203a〜203cは、図11に示すカバーレンズ部材
201の表面に設けられる発光領域201a〜201dの境界線に対応して円弧状に設け
られ、2つの隣り合う発光領域間を仕切る。リブ203aは、カバーレンズ部材201の
発光領域201aと発光領域201bの境界を形成する部材である。リブ203bは、カ
バーレンズ部材201の発光領域201bと発光領域201cの境界を形成する部材であ
る。リブ203cは、カバーレンズ部材201の発光領域201cと発光領域201dの
境界を形成する部材である。
【0180】
リブ203dは、クリア部材保持枠5の右側部の上部領域に配設される発光源(内側用
LED208)による光が下部領域に届かないように、内側反射部材203の上下を分離
するように設けられる。
【0181】
したがって、図11に示すように、側方伝播装飾装置220は、内部に備える発光源(
内側用LED208)によって光演出が行われる上装飾部220aと、内部に発光源を備
えず、外部の照光によって光演出が行われる下装飾部220bとで構成されている。上装
飾部220aと下装飾部220bとは、リブ203dによって仕切られる。
【0182】
内側反射部材203のリブ203a〜203dの後端面は、クリア部材保持枠5に当接
する。図13に示すように、リブ203dは、上装飾部220aと下装飾部220bとの
境界となるので、8個の開口部5bのうち最下部の8個目の開口部5bの下に配設される
。上装飾部220aに設けられるリブ203a〜203cは、8個の開口部5bを2個ず
つに区切るように配設される。
【0183】
内側反射部材203は、反射率を高めるために銀メッキで形成され、上装飾部220a
において内側用LED208の前方向の光を屈折させて左方向の光に変えたり、下装飾部
220bにおいて外部から取り入れた光を反射させたりする反射板として機能するので、
内側(遊技領域21側)を照らすことができる。
【0184】
また、図11及び図15に示すように、内側反射部材203のリブ203a〜203d
の前端面は、内側レンズ部材202の右側面に当接する。このため、図14に示すように
、内側レンズ部材202の右側面は、内側反射部材203のリブ203a〜203dが当
接する面を平面202a〜202dとし、その他の面を凸凹面(型模様)として形成され
る。内側レンズ部材202の右側面に前述の表面加工を施すことで、内部の視界を遮って
光の透過性と反射をコントロールすることができるとともに、発光した内側用LED20
8の光が対応しない領域に漏れないようにすることができる。
【0185】
図11図12及び図15を参照して、突出演出ユニット200における、内側用LE
D208による側方伝播装飾装置220及び外側用LED209による外側装飾装置22
1の光演出について説明する。
【0186】
突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の右側部の上部に、複数の内側用LE
D208(ここでは8個)に対応する開口部5b及び外側用LED209(ここでは5個
)に対応する開口部5cを有する。そして、クリア部材保持枠5の右側部の上部裏面には
、それら開口部5b、5cから前方に臨む内側用LED208及び外側用LED209を
備えた側方発光基板210と、内側用LED208及び外側用LED209の前方を覆う
側方レンズ部材211と、が配設される。
【0187】
また、突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の前方に、内側から順に内側レ
ンズ部材202、内側反射部材203、ベース部材204、導光板205及び外側レンズ
部材206が備えられる。そして、これらの部材を内包して前方からクリア部材保持枠5
の右側部を覆うようにカバーレンズ部材201が取り付けられる。突出演出ユニット20
0は、内側反射部材203とベース部材204の間を境に側方伝播装飾装置220と外側
装飾装置221とに区切られる。ここで、内側反射部材203及びベース部材204は、
クリア部材保持枠5の開口部5bと開口部5cとの間に配設される。
【0188】
側方伝播装飾装置220は、ベース部材204の内側に後端から前端に向かって内側に
傾斜する内側反射部材203を配設し、内側用LED208の発光による前方向の光を内
側反射部材203で屈折させて左方向の光に変えることで、内側用LED208の左側に
配設される内側レンズ部材202及びカバーレンズ部材201を照らし、遊技機1で遊技
する遊技者に発光パターンに応じた光演出を見せることができる。なお、側方伝播装飾装
置220の発光演出態様の一例については、図16を参照して後述する。
【0189】
外側装飾装置221は、ベース部材204の外側面に導光板205を嵌め込み、外側用
LED209の前方に略垂直に配設し、外側用LED209の光を導光板205の後端面
から取り入れ、拡散させて均一に面発光することで、導光板205と略平行に設けられる
外側レンズ部材206及びカバーレンズ部材201を一定照度で照らし、遊技機1の右側
から左側に向かって通行する遊技者に光演出を見せることができる。例えば、外側レンズ
部材206の表面に遊技機メーカ名を記載すれば、遊技場内を通行している遊技者の目に
も止まり易く遊技機1をアピールすることができ、高い宣伝効果が得られる。
【0190】
また、外側装飾装置221は、導光板205の前方正面に外側レンズ部材206の折り
返し部206aを設けることで、導光板205を直進した外側用LED209の光によっ
て前方で光演出を行うことも可能である。これにより、遊技を行っている遊技者に対する
装飾効果をさらに高めることができる。
【0191】
このように、突出演出ユニット200は遊技領域21側に遊技者に対する発光演出を行
う側方伝播装飾装置220と、その反対側に遊技場を通行中の遊技者に対する発光演出を
行う外側装飾装置221とを備えるので、装飾効果を高めることができる。そして、側方
伝播装飾装置220の内側反射部材203は外側装飾装置221との境界に配置され、内
側用LED208の光を全て遊技領域21側に反射するので、内側用LED208と外側
用LED209の光が混ざるのを防止することができる。
【0192】
図16は、側方伝播装飾装置220の発光演出態様の一例を示す図である。
【0193】
側方伝播装飾装置220の表面はカバーレンズ部材201で構成される。カバーレンズ
部材201には発光領域201a〜201dがクリア部材保持枠5側の中央から外側に向
かって波紋状に形成されている。そして、側方伝播装飾装置220の上装飾部220aは
、内側用LED208によってカバーレンズ部材201の上部の発光領域201a、20
1b、201c及び201dを順番に照らすことにより、中心から外に向かって光が伝播
して波紋状に広がる光の装飾演出を行う。
【0194】
このとき、側方伝播装飾装置220の下装飾部220bは、遊技場内の照明等の光を取
り込むことによって、上装飾部220aに比べて輝度を抑えた光の装飾演出を行う。
【0195】
以上より、突出演出ユニット200の側方伝播装飾装置220は、内側用LED208
を備える上装飾部220a(第1装飾部)と、内部に発光源を備えない下装飾部220b
(第2装飾部)とが一体化して設けられているので、遊技者に不快感を与えない程度の輝
度の装飾効果を奏することができる。
【0196】
また、上装飾部220a(第1装飾部)と下装飾部220b(第2装飾部)との間は、
内側反射部材203のリブ203d(仕切り部材)によって仕切られるので、内側用LE
D208の発光が下装飾部220bに漏れることがない。したがって、上装飾部220a
及び下装飾部220bがそれぞれの光の装飾演出を行うことができる。
【0197】
また、突出演出ユニット200は、側方伝播装飾装置220による内側照明と、外側装
飾装置221による外側照明とに区別されており、遊技領域側だけでなくその反対側にも
それぞれに対応した光演出を行うことができるので、装飾効果を高めることができる。
【0198】
また、側方伝播装飾装置220の上装飾部220aは、演出光が波紋状に広がるので、
視覚的効果が高く、装飾効果を高めることができる。
【0199】
なお、本実施形態の突出演出ユニット200のように内部に発光源を備える第1装飾部
と内部に発光源を備えない第2装飾部とが一体形成される装飾装置は、クリア部材保持枠
5の上部及び左側部の装飾装置6、7にも適用される。凸凹面(型模様)の表面加工が施
された共通のレンズ部材に被覆されることによって、第1装飾部の発光源が発光しない場
合は第1装飾部と第2装飾部との判別はつかない。第1装飾部の発光源が発光しない場合
(通常時)であっても、装飾装置6,7は、遊技場の照明等外部の光をレンズ部材で反射
、拡散することで、明る過ぎずに適度に輝度を高める演出を行うことができる。例えば、
装飾装置6,7に複数の第1装飾部と第2装飾部とを交互に配置すれば、枠内周への発光
源の発光による高輝度の影響を抑えるとこができるので、遊技盤20の遊技領域21や表
示装置30の見やすさを維持すると同時に、通常時と発光時との演出に強弱をつけること
ができる。また、電力消費の削減効果(省エネ効果)も得ることができる。
【0200】
〔一括表示装置(特図/普図LED基板)の構成〕
次に、図17〜34を参照して、一括表示装置50について説明する。図117は、一
括表示装置(特図/普図LED基板)50を示す図である。図18は、一括表示装置50
を制御する遊技制御装置100の外観を示す図である。
【0201】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表
示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2
表示器)52と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図
1保留表示部53、特図2保留表示部54)と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普
図表示器)55と、普図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の普図保留表示部5
6と、を有している。
第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52以外の遊技の進行を示す表示部を進
行表示部とする。
【0202】
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当
りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態
が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部
57と、大当り時の第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28の開放パタ
ーン及び開放回数を表示する開放パターン表示部58及び開放回数表示部59が設けられ
ている。
【0203】
第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)5
2については図19図21、その他の表示部については図22、23を参照しながら説
明する。
【0204】
一括表示装置50は、1列12ピンに構成されている基板側コネクタ501を備えてお
り、配線側コネクタ(配線の一端側コネクタ)500aを介して接続配線500に接続さ
れる。また、接続配線500の他方は、遊技制御装置100の一括表示用コネクタ(表示
用コネクタ)513に接続される。
【0205】
図18に示す遊技制御装置100は、遊技制御基板を収装する基板ボックスとして構成
される。基板ボックスは、遊技機1に取り付けられる取付ベース(第1ケース部材)と、
取付ベースに取り付けられ、取付ベースとの間に遊技制御基板を収納する収納空間を画成
する蓋部材(第2ケース部材)とを備える。基板ボックスは、透明な合成樹脂によって構
成され、蓋部材が取付ベースに取り付けられた状態でも内部に収納された遊技制御基板が
透視可能に構成されている。
【0206】
取付ベース(第1ケース部材)と蓋部材(第2ケース部材)とは、締め方向にしか回せ
ないワンウェイネジ(固着具)によって封止されている。遊技制御基板を取り出すために
は、ワンウェイネジを切り離す必要がある。したがって、取付ベースと蓋部材との固着を
解除すると痕跡が残り、遊技制御基板を交換するなどの不正行為が行われた場合に容易に
発見することができる。
【0207】
遊技制御装置100は、遊技機内の各構成又は外部機器に接続するため端子が備えられ
ている。具体的には、基板ボックス上部に左から順に、第1始動口スイッチコネクタ51
1、第2始動口スイッチコネクタ512、一括表示用コネクタ513、演出用コネクタ5
14及び各種スイッチ用コネクタ515を備える。さらに、下部左側には検査端子用コネ
クタ516、下部右側には情報出力用コネクタ517及び電源用コネクタ518を備える
【0208】
各端子について説明すると、第1始動口スイッチコネクタ511は第1始動口スイッチ
23dに接続され、第2始動口スイッチコネクタ512は第2始動口スイッチ24dに接
続され、始動口に遊技球が入賞した場合に信号が入力される。
【0209】
一括表示用コネクタ513は、前述のように、一括表示装置50に接続される。一括表
示用コネクタ513は、2列12ピンに構成されており、詳細については図25及び図2
6にて後述する。また、一括表示用コネクタ513は、他のコネクタに挟まれた状態、つ
まり、他のコネクタよりも内側に配置されている。これにより、島設備への設置時等に遊
技球が当るなどの破損/接続不良要因が発生する可能性を削減することができ、一括表示
装置50に各種の表示がされなくなって遊技進行が把握できなくなる不都合を防止するこ
とができる。
【0210】
演出用コネクタ514は、演出制御装置150が接続され、遊技に関わるコマンドが送
信される。各種スイッチ用コネクタ515には、カウントスイッチなどが接続される。検
査端子用コネクタ516は、検査装置195に接続され、検査用の信号が出力される。情
報出力用コネクタ517は、図示しない情報収集装置や管理装置などの外部装置に遊技デ
ータが出力される。電源用コネクタ518は、電源装置450や払出制御装置410が接
続され、電源の供給を受けたり、停電監視信号やリセット信号などの信号が入力されたり
、払出に関わるコマンドが送受信されたりする。
【0211】
〔一括表示装置の表示態様〕
次に、図19図21を参照しながら特図表示器(特図1表示器51、特図2表示器5
2)の表示について説明する。図19は、特図1表示器51及び特図2表示器52の表示
態様を説明する図であり、(A)は特図表示器の構成及び変動態様を説明する図であり、
(B)は変動表示ゲームの結果表示態様の一覧を示す図である。本実施形態において、特
図1表示器51と特図2表示器52の表示態様は共通である。
【0212】
(A)を参照すると、特図表示器は、いわゆる7セグ表示器(7セグLED)である。
特図表示器は、横1セグメント(セグメントa、d)、及び縦2セグメント(セグメント
f、e、b、c)の長方形により構成され、残る1セグメント(セグメントg)が長方形
の真ん中を横切ることで8の字状となっている。セグメントcの右下方には、円形のセグ
メントD.Pが配置されている。
【0213】
本実施形態における特図表示器は、前回表示結果から最初にドット(D.P)のみを点
灯し、その後はセグメントgとドットを交互に点灯させる。このとき、前回の結果表示態
様がハズレの場合であっても当りの場合であっても同様に、セグメントD.P(ドットL
ED)の点灯から始まり、横1セグメントgの点灯と交互に繰り返して変動表示を行う。
これにより、変動開始後すぐに特図表示器の表示態様が変化するため、変動表示中である
ことを即座に把握することができる。
【0214】
(B)は変動表示ゲームの結果表示態様の一覧を示す図である。本実施形態の遊技機1
では、ハズレと、1〜9、A〜H当りの18種類の結果表示態様が定義されている。
【0215】
結果表示態様がハズレの場合には、セグメントgを点灯させ、他のセグメントをすべて
消灯させる。変動表示中は、結果に係わらず、ハズレの表示とドット点灯を交互に表示す
るが、当り図柄を含めて変動表示するようにしてもよい。また、特図表示器の結果表示態
様は、変動表示ゲームの結果に対応して決定される。
【0216】
当りの結果表示態様の場合には、セグメントの点灯によって大当り時のラウンド数を報
知してもよい。この場合、A〜E当りはそれぞれラウンド数10〜14、F当り及びH当
りはラウンド数16、g当りはラウンド数15とする。そして、このとき開放回数表示部
59は、1ラウンド毎の開放回数を報知する。
【0217】
また、結果表示態様は、図19に示した18種類に限らず、さらに多くの種類を定義し
てもよいし、特図1と特図2で数を異ならせてもよい。例えば、変動表示ゲームの結果及
び変動パターンに応じて決定してもよい。
【0218】
続いて、図20及び図21を参照して、一括表示装置50の表示態様の変形例について
説明する。図20は、7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例1を示す図で
ある。図21は、7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例2を示す図である
【0219】
図20の変形例1では、前回表示結果から最初にドットLEDを点灯し、次にドットL
EDを消灯し、その後は8の字を描くように7セグLEDを順に点灯させる。このように
構成した場合であっても、変動表示開始時に前回表示結果から表示態様が変化するので、
変動表示中であることを即座に把握することが可能となっている。
【0220】
図21の変形例2では、前回表示結果から最初にドットLED点灯から開始し、その後
、ハズレ表示態様や当り表示態様とならないようにコネクタのピン配置(図26参照)が
最端部となっていないLED(c〜e)を順次点灯させる。このように構成した場合であ
っても、変形例1と同様に、変動表示開始時に前回表示結果から表示態様が変化するので
、変動表示中であることを即座に把握することが可能となる。
【0221】
図22及び図23は、一括表示装置50における特図表示器以外(進行表示部)の出力
態様を説明する図である。
【0222】
図1保留表示部53は、特図1保留表示器1と特図1保留表示器2の2つのLEDか
らなり、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に消灯している場合は特図1
動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)が「0」であることを示す。また、特図1保留
表示器1が点灯し特図1保留表示器2が消灯している場合は特図1変動表示ゲームの未処
理回数が「1」、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に点灯している場合は
図1変動表示ゲームの未処理回数が「2」であることを示している。さらに、特図1
留表示器1が点滅し特図1保留表示器2が点灯している場合は特図1変動表示ゲームの未
処理回数が「3」、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に点滅している場合
は特図1変動表示ゲームの未処理回数が「4」であることを示している。なお、特図1
留表示器1及び特図1保留表示器2が共に点滅する場合は、交互に点灯する。同様に、特
図2保留表示部54は、特図2変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)を表示するも
のである。
【0223】
普図表示部55は、普図表示器1と普図表示器2の2つのLEDからなり、普図始動ゲ
ート25を遊技球が通過した場合に点滅状態となり普図変動表示ゲームが変動表示中であ
ることを示す。このとき、普図表示器1は消灯した状態から点灯と消灯を交互に繰り返し
、普図表示器2は点灯した状態から点灯と消灯を交互に繰り返す。すなわち、普図表示器
1と普図表示器2とで交互に点灯する。また、普図表示器1が点灯し、普図表示器2が消
灯している場合は普図変動表示ゲームの結果がはずれであることを示す。また、普図表示
器1が消灯し、普図表示器2が点灯している場合は普図変動表示ゲームの結果が当り1で
あることを示し、普図表示器1及び普図表示器2が共に点灯している場合は普図変動表示
ゲームの結果が当り2であることを示す。なお、当り1と当り2とは、当り2の方が当り
1よりも遊技者にとって有利な開放パターン(第2始動入賞口24への入賞容易状態の発
生時間が長い、又は、発生頻度が高い)となるように設定されている。
【0224】
普図保留表示部56は、普図保留表示器1と普図保留表示器2の2つのLEDからなり
、普図保留表示器1及び普図保留表示器2が共に消灯している場合は普図変動表示ゲーム
の未処理回数(始動記憶数)が「0」であることを示す。また、普図保留表示器1が点灯
し普図保留表示器2が消灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「1」、普
図保留表示器1及び普図保留表示器2が共に点灯している場合は普図変動表示ゲームの未
処理回数が「2」であることを示している。さらに、普図保留表示器1が点滅し普図保留
表示器2が点灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「3」、普図保留表示
器1及び普図保留表示器2が共に点滅している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が
「4」であることを示している。
【0225】
遊技状態表示部57は、高確率報知LEDと時短報知LEDの2つのLEDからなる。
高確率報知LEDは、電源投入時(詳しくは停電復旧時)に高確率状態(確変状態)の場
合に点灯し、最初の大当りが発生すると、消灯される。また、通常時には高確率状態であ
っても高確率報知LEDは点灯しないように制御される。なお、高確率状態でない場合に
は消灯される。また、時短報知LEDは、通常時であっても、電源投入時であっても、時
短状態の場合に点灯するように制御される。
【0226】
開放パターン表示部58は、開放パターン表示器1と開放パターン表示器2の2つのL
EDからなり、開放パターン表示器1及び開放パターン表示器2が消灯している場合は特
図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームの結果がはずれであり、第1特別変動入賞
装置27及び第2特別変動入賞装置28を開放しないことを示す。また、開放パターン表
示器1が点灯し、開放パターン表示器2が消灯している場合は開放パターン1(例えば、
1回の開放時間0.5秒)であることを示し、開放パターン表示器1が消灯し、開放パタ
ーン表示器2が点灯している場合は開放パターン2(例えば、1回の開放時間15秒)で
あることを示す。また、開放パターン表示器1及び開放パターン表示器2が共に点灯して
いる場合は、開放パターン3(例えば、1回の開放時間30秒)であることを示す。
【0227】
開放回数表示部59は、開放回数表示器1〜4の4つのLEDからなる。開放回数表示
器1の点灯は2回を示し、開放回数表示器2の点灯は4回を示し、開放回数表示器3の点
灯は8回を示し、開放回数表示器4の点灯は16回を示す。これら4つのLEDの点灯態
様により、第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28の開放回数を報知す
る。例えば、開放回数表示器1〜4の全てが消灯している場合は特図変動表示ゲームの結
果がはずれであることを示している。また、開放回数表示器1のみが点灯している場合は
開放回数が2回、開放回数表示器1及び開放回数表示器2が点灯している場合は開放回数
が6回、開放回数表示器1〜3が点灯している場合は開放回数14回、開放回数表示器1
〜4が全て点灯している場合は開放回数30回を示している。このように4つのLEDの
点灯態様により、0〜30回までの偶数回の開放回数を示すことができる。
【0228】
なお、前述したように特図1表示器51及び特図2表示器52は、セグメントの点灯に
よってラウンド数を報知することが可能であるが、4つのセグメントを用いて開放回数表
示部59の開放回数を報知することも可能である。開放回数表示部59の開放回数表示器
1〜4の点灯態様を4つのセグメントの点灯態様に適用することで報知してもよい。
【0229】
〔更新周期タイミング〕
図24は、特図表示器(特図1表示器51及び特図2表示器52)と特図保留表示部(
図1保留表示部53及び特図2保留表示部54)の更新周期タイミングについて説明す
る図である。
【0230】
図24(A)は、特図変動表示ゲームの保留記憶が3つ又は4つの場合における特図変
動表示ゲームの実行表示及び保留表示の変化を示すタイムチャートである。以下では特図
1変動表示ゲームの実行及び保留記憶を例とする。特図2変動表示ゲームについても同様
である。
【0231】
まず、時刻t0において、保留記憶が2つの状態で特図1変動表示ゲームが開始される
。このとき、表示装置30及び特図1表示器51では、通常の変動時間(時刻t0〜時刻
t3)による特図1変動表示ゲームが実行される。特図1表示器51では、前述の図19
(A)に示すようにドットLEDとセグメントgが交互に点灯して変動中を示し、図19
(B)に示すハズレの点灯(セグメントgの点灯)により停止結果を示す。
【0232】
時刻t0〜時刻t3で特図1変動表示ゲームが実行されている間に、時刻t1と時刻t
2で特図1始動記憶が発生し、特図1保留数は2つから4つに変更となる。これに伴い、
図1保留表示部53は、時刻t0で特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が点灯
状態であったが、時刻t1で特図1保留表示器1が点滅状態に切り替わり、時刻t2で特
図1保留表示器2も点滅状態に切り替わる。
【0233】
そして、時刻t3で次の特図1変動表示ゲームの開始に伴い保留記憶が1つ消化される
と同時に新たに保留記憶が発生し、時刻t3において、保留記憶が最大4つの状態で特図
1変動表示ゲームが開始される。本実施形態の遊技機1では、保留記憶が多く貯まった状
態で1回の特図1変動表示ゲームに通常の変動時間を費やすのは効率が悪いため、保留記
憶が3つ又は4つの場合は通常の変動時間よりも短い変動時間で特図1変動表示ゲームが
実行されるように設定されている。ここでは、保留記憶が3つの場合と4つの場合とで変
動時間は同じとするが、保留記憶が4つの場合は3つの場合よりもさらに短い変動時間と
してもよい。
【0234】
時刻t3〜時刻t5で実行される特図1変動表示ゲームは、保留記憶が4つなので、時
刻t0〜時刻t3の通常変動時間よりも短い短縮変動時間となる。この間、特図1保留表
示部53は、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が点滅状態を継続する。そして
、時刻t4で、特図1変動表示ゲームの結果はハズレとなり、時刻t5で、引き続き特図
1変動表示ゲームが開始される。
【0235】
時刻t5〜時刻t7で実行される特図1変動表示ゲームは、保留記憶が3つなので、時
刻t0〜時刻t3の通常変動時間よりも短い短縮変動時間となり、保留記憶が4つのとき
と同じ変動時間(時刻t3〜時刻t5)である。この間、新たな始動記憶は発生せず、特
図1保留表示部53は、特図1保留表示器1が点滅状態を継続し、特図1保留表示器2が
点灯状態となる。そして、時刻t6〜時刻t7で、特図1変動表示ゲームの結果が停止表
示される。
【0236】
ここで、変動時間の短縮機能は、特図1変動表示ゲームの結果態様の表示時間(「停止
表示」時間)を対象とせず、識別情報の変動時間(「変動表示」時間)を対象としている
が、これに限らない。識別情報の変動時間だけでなく結果の停止表示時間も短縮してもよ
い。特図1変動表示ゲームの変動開始から停止結果表示終了までに費やされる時間が短縮
されていればよい。
【0237】
図24(B)は、特図1保留表示部53が点滅状態になるときの点滅表示更新周期と、
図1表示器51が特図1変動表示ゲームの変動中を示すときの変動表示更新周期との関
係について説明する図である。
【0238】
図24(A)及び図24(B)に示すように、特図1変動表示ゲームが実行される場合
には、特図1表示器51において、更新周期f1で点灯されるセグメントが切り替えられ
る。具体的には、ドットLEDの点灯とセグメントgの点灯とが繰り返される(図19
A)参照)。また、保留記憶が3つ又は4つの状態では、特図1保留表示部53において
、更新周期f2でLEDの点灯と消灯とが繰り返される。
【0239】
ところで、一括表示装置50において特図1表示器51と特図1保留表示部53は隣接
しており、それぞれの更新タイミングが同期すると表示態様が一斉切替となり、遊技者は
一括表示装置50の表示態様を認識しづらいという問題があった。
【0240】
そこで、本実施形態では、特図1表示器51の変動表示更新周期f1と特図1保留表示
部53の点滅表示更新周期f2とが同期する同期タイミングf0が特図1変動表示ゲーム
の実行中に発生しないように、更新周期f1、更新周期f2及び短縮時の変動表示時間(
時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6)が設定されている。
【0241】
なお、図24(A)の時刻t1〜時刻t7における特図1保留表示器1に示すように、
図1保留数が3つ以上である限り、特図1保留表示部53の点滅表示は複数の特図1
動表示ゲームに亘って継続される。この場合、特図1表示器51の変動表示の開始タイミ
ング(時刻t3、時刻t5)は、前回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間を調整する
ことで、今回の変動表示時間内に特図1保留表示部53の点滅表示と同期しないように設
定される。また、同期する前に今回の変動表示時間が終了するように短縮時の変動表示時
間(時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6)を設定してもよい。
【0242】
以上より、特図1変動表示ゲームの実行権利として記憶される始動記憶を表示する特図
1保留表示部53と特図1変動表示ゲームの実行(変動と停止)を表示する特図1表示器
51とにおいて、特図1保留表示部53の表示態様と特図1表示器51の表示態様とは、
異なる更新周期(それぞれf2、f1)で更新されるので、遊技者は各表示態様を認識し
やすい。よって、遊技者は正確な特図1変動表示ゲームの状態を把握でき、遊技の興趣を
高めることができる。
【0243】
ここで、特図1保留表示部53の点滅表示(更新周期f2)は、特図1保留数が3又は
4であるときに発生する。このとき実行される特図1変動表示ゲームには短縮機能が働き
、特図1表示器51の変動表示(更新周期f1)は、短縮時の変動表示時間実行される。
そこで、更新周期f1と更新周期f2とが同期する同期タイミングf0を短縮時の変動表
示時間よりも長くなるように設定する。これにより、確実に変動表示中の同期を防止する
ことができる。
【0244】
具体的に数値を挙げて説明する。まず、表示装置30における画像表示更新周期、すな
わちVDP割込みの発生間隔を4msとする。そして、特図1表示器51は、演出制御装
置150によって表示装置30の画面が25回更新されるたびに変動表示が更新される。
したがって、特図1表示器51の変動表示更新周期f1は100msである。また、遊技
制御装置100によるタイマ割込みの発生間隔を4msとする。そして、特図1保留表示
部53は、タイマ割込みにより32回乱数が更新されるたびに点滅表示が更新される。し
たがって、特図1保留表示部53の点滅表示更新周期f2は128msである。
【0245】
これにより、更新周期f1(100ms)と更新周期f2(128ms)とが同期する
同期タイミングf0は6400ms(6.4秒)となる。一般的に短縮変動時の特図1
動表示ゲームは2秒〜5秒程度で終了するので、短縮変動時間内の同期発生を防ぐことが
できる。
【0246】
また、特図1表示器51の変動表示更新周期f1(4ms×25回割込)は、画像表示
更新周期(4ms)に基づいて更新が同期するように設定されるので、特図1変動表示ゲ
ームの表示装置30における表示と特図1表示器51における表示との間にずれが生じる
のを防止することができ、調和のとれた演出表示が可能となる。
【0247】
また、特図1保留表示部53の点滅表示更新周期f2(4ms×32回割込)は、遊技
用マイコン111のCPU111aのタイマ割込み周期(4ms)に基づいてCPU11
1aの8ビット更新が同期するように設定される。よって、遊技制御装置100における
保留記憶情報と特図1保留表示部53における保留表示との間にずれが生じるのを防止す
ることができ、調和のとれた演出表示が可能となる。
【0248】
以上では、特図変動表示ゲームの変動表示及び保留表示の更新周期について述べたが、
普図変動表示ゲームについても適用することができる。図22(B)に示すように、普図
変動表示ゲームの実行を示す普図表示部55における変動表示は点滅表示である。また、
図22(C)に示すように、普図保留数が3つ以上の場合は普図保留表示部56において
点滅表示が行われる。普図表示部55における変動表示更新周期と普図保留表示部56に
おける点滅表示更新周期とが同期しないように設定することで、遊技者が普図表示ゲーム
情報を把握しやすい。
【0249】
〔一括表示装置の配線〕
続いて、図25から図27を参照しながら、特図表示器を含む一括表示装置50とコネ
クタとの配線について説明する。図25は、特図表示器を構成する7セグLEDを説明す
る図である。(A)は各セグメント及び端子を示し、(B)は回路図を示している。なお
図25に示す7セグLEDは、特図1表示器51に対応する。
【0250】
(A)に示すように、本実施形態における特図表示器を構成する7セグLEDは、セグ
メントa〜セグメントg及びD.Pの8個のLEDによって構成されている。また、7セ
グLEDには、1〜10の10本の端子が備えられている。
【0251】
そして、(B)に示すように、セグメントaには端子1、セグメントbには端子10、
セグメントcには端子8、セグメントdには端子5、セグメントeには端子4、セグメン
トfには端子2、セグメントgには端子3、D.Pには端子6が接続される。また、本実
施形態の7セグLEDは、アノードコモンであり、端子9及び端子7が共通の+極となっ
ている。
【0252】
図26は、一括表示装置50に接続される遊技制御装置100の一括表示用コネクタを
説明する図である。(A)はコネクタのピン配置、(B)はピンと出力データとの対応を
示している。
【0253】
(A)に示すように、一括表示用コネクタは、2列12ピンの構成となっておる。また
、(B)に示すように、1ピンから8ピンには、各LEDを点灯させるための信号を出力
するLEDセグメント0からLEDセグメント7が割り当てられ、9ピンから12ピンに
は出力先を指定するLEDデジット0からLEDデジット3が割り当てられている。図2
7にて後述するように、LEDデジット0がオンの場合には特図1表示器51、LEDデ
ジット1がオンの場合には特図2表示器52が指定される。また、7セグ以外のLEDに
ついては図120に詳細を示す。
【0254】
特図表示器を構成する7セグLEDには、10本の端子が備えられ、1ピンから10ピ
ンまでが各端子に接続される。図25及び図26に示すように、アノードコモンである端
子9(コモン端子)にLEDデジット0が接続される。さらに、特図1表示器51及び特
図2表示器52におけるハズレ図柄や変動中を表示するためのLEDセグメント2、LE
Dセグメント6、LEDデジット0及びLEDデジット1のデータ信号を出力するピン(
3ピン、7ピン、9ピン、10ピン)は、コネクタの最端部には配置されず、最端部より
も中寄りに配置されている。
【0255】
基本的にコネクタの最端部のピンは、コネクタ接続の際や配線処理時に最も負荷がかか
るために他のピンと比較して折れ易かったり、半差しとなっている状態が発生し易かった
りする。そこで、以上のようなピン配置としたことで、基板側コネクタと配線の一端側コ
ネクタの着脱時に特定の発光部材に対応するピンに接続不良が発生しにくくなる。
【0256】
したがって、特定の発光部材が点滅しなくなってしまうことを防ぎ、当り図柄と比較し
て出現頻度の多いハズレ図柄が表示されなくなったり、変動表示中であること(変動表示
ゲームの進行状況)が理解できなかったりという不都合が発生しにくくなる。また、状態
表示部から遊技状態が把握できなくなるという不都合を極力回避することが可能となる。
【0257】
図27は、一括表示コネクタの各ピンと、一括表示装置50を構成する各端子との接続
を示す図である。
【0258】
前述のように、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄を表示する
ためのLED(真ん中の「g」)及び変動中を表示するLED(「g」及び「D.P」)
に対応するピン配置がコネクタの最端部には配置されず、最端部よりも中寄りに配置され
ている。すなわち、ピン配置が最端部となっていないセグメントLEDにより、変動中の
表示やハズレの表示を行っている。また、特図1表示器51や特図2表示器52の表示に
係わるLEDデジット0及び1のピン配置も最端部となっていない。なお、遊技状態を特
定/把握するために重要な状態表示部に対応するピン配置についてもコネクタの最端部に
は配置せず、最端部よりも中寄りに配置している。
【0259】
また、図27に示すように、特図1表示器51と特図2表示器52とで共通のデータ線
によって接続されているが、各セグメントに異なる信号線に接続されている。例えば、特
図1表示器51では、セグメント(a)に1ピン(LEDセグメント0)が接続されてい
るが、特図2表示器52では、セグメント(a)に2ピン(LEDセグメント1)が接続
されている。
【0260】
一方、特図1表示器51のコモン端子にはLEDデジット0、特図2表示器52のコモ
ン端子にはLEDデジット1が接続されるように、異なる信号線が接続される。
【0261】
以上のように構成することによって、信号線や配線の異常により一方の表示器の変動中
やハズレを示すセグメント(g)に表示ができなくても他方の表示器の変動中やハズレを
示すセグメント(g)への表示を可能としている。当然のことながら、特図1表示器51
と特図2表示器52とで各セグメントに同じ信号線に接続するようにしてもよい。
【0262】
なお、本実施形態とは逆に最も点灯頻度の高いセグメントLEDに対応するピンの配置
をコネクタの最端部に配置すると、信号線の異常やセグメントの異常を発見し易くなると
いう利点がある。
【0263】
続いて、図28及び図29を参照して、一括表示装置(特図/普図LED基板)50の
変形例について説明する。本実施形態の一括表示装置50では、2個の7セグLEDと1
6個の単体LEDによって構成されていたが、他の構成であってもよい。
【0264】
図28は、一括表示装置50の変形例1を示す図である。変形例1の一括表示装置50
は、すべて7セグLEDによって構成されている。また、図29は、一括表示装置50の
変形例2を示す図である。変形例2の一括表示装置50は、すべて単体のLEDによって
構成されている。
【0265】
なお、いずれの構成であっても、制御するLED数は同じであるため、本実施形態と同
様に制御すればよい。また、コネクタのピン配置も同様であり、特図1表示器51及び特
図2表示器52におけるハズレ図柄を表示するためのLED(真ん中の「g」)及び変動
中を表示するLED(「g」及び「D.P」)に対応するピン配置がコネクタの最端部に
は配置しないように配置する。また、遊技状態表示部57に対応するピン配置もコネクタ
の最端部には配置しないようにする。
【0266】
〔一括表示装置の点灯確認〕
続いて、図30図36を参照して、一括表示装置50の点灯確認について説明する。
まず、遊技制御装置100によって実行される点灯確認の手順について、メイン処理(図
30、図31)、タイマ割込み処理(図32)、セグメントLED編集処理(図33)の
順に説明する。
【0267】
(メイン処理)
図30は、遊技制御装置100におけるメイン処理の前半部のフローチャートである。
図31は、遊技制御装置100におけるメイン処理の後半部のフローチャートである。
【0268】
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開
始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
【0269】
遊技制御装置100は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステッ
プA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタア
ドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割
込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポイ
ンタを設定する(ステップA1003)。さらに、入力ポート123の状態を読み込み(
ステップA1004)、割込み処理のモードを設定する(ステップA1005)。
【0270】
次に、遊技制御装置100は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))410や演
出制御装置150)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイ
タイマを設定する(ステップA1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディ
レイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装
置410や演出制御装置150の起動が完了する前に、遊技制御装置100が先に起動し
てコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制
御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置100が、
電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従属制御装置
の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
【0271】
なお、入力ポート123には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機
時間の開始前に入力ポート123の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実
に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにす
ると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間
の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前
に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作
を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられな
いような事態を防止できる。
【0272】
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置100は、停電を監視する
処理を実行する(ステップA1007〜ステップA1011)。遊技制御装置100は、
まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(ステップA1007)。停電監視信号の
チェックは、電源装置450から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。
停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に
、停電監視信号はオンになる。
【0273】
次に、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップ
A1008)。そして、ステップA1007の処理で設定したチェック回数分だけステッ
プA1008の判定を繰り返す(ステップA1009)。
【0274】
遊技制御装置100は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した
場合には(ステップA1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が
遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェック
することによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊
技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなし
ている。これにより、遊技制御装置100の起動を遅らせている期間に発生した停電に対
応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0275】
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断
時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップ
の処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックア
ップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0276】
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(ステップA1009の
結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを
−1更新し(ステップA1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判
定する(ステップA1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(ステップ
A1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、ステップ
A1007の処理に戻る。
【0277】
一方、遊技制御装置100は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(ステップA1
011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPRO
M等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(
ステップA1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ス
テップA1013)。また、遊技用マイコン111に予め搭載されているシリアルポート
を使用しない状態に設定する(ステップA1014)。本実施形態では、遊技制御装置1
00は、演出制御装置150との間でシリアル通信を行っている。
【0278】
続いて、遊技制御装置100は、電源装置450内の初期化スイッチ信号がオンに設定
されているか否か判定する(ステップA1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に
電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信
号である。
【0279】
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入され
た場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに
設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電
前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイ
ッチ信号がオフに設定される。
【0280】
遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステッ
プA1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かを
チェックする(ステップA1016、ステップA1017)。さらに詳しく説明すると、
停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検
査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェック
データ2が記憶される。ステップA1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電
検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、ステップA1017
の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否
かを判定する。
【0281】
遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常
であると判定された場合には(ステップA1016、ステップA1017の結果が「Y」
)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(
ステップA1018)。
【0282】
そして、遊技制御装置100は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値
と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否か
を判定する(ステップA1019)。
【0283】
一方、遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステ
ップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA10
16又はステップA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステッ
プA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA
1019の結果が「N」)、図31のステップA1040からステップA1044までの
初期化処理を実行する。本実施形態では、ここで一括表示装置50が正常に点灯するかを
確認するための確認表示を可能としている。初期化処理の詳細については後述する。
【0284】
遊技制御装置100は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値
とが一致する場合には(ステップA1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行さ
れたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップA1020)
。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶され
ていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チ
ェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)を
クリアする。
【0285】
次に、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊
技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1021)。高確率でないと
判定された場合には(ステップA1021の結果が「N」)、ステップA1024以降の
処理を実行する。
【0286】
また、遊技制御装置100は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定され
た場合には(ステップA1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して
高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1022)。続いて、一括表示
装置50に設けられる高確率表示部のLEDをオン(点灯)に設定する(ステップA10
23)。
【0287】
さらに、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド
を演出制御装置150に送信する(ステップA1024)。特図ゲーム処理番号は、特図
ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。こ
のように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置150に
送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができる
のである。
【0288】
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、
正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に
実行される。
【0289】
遊技制御装置100は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作
業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全ス
タック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入
時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。
【0290】
遊技制御装置100は、ステップA1042の処理が終了した後、点灯確認実行フラグ
領域に実行フラグをセーブする(ステップA1043)。点灯確認実行フラグ領域に実行
フラグがセーブされている場合には、後述するタイマ割込処理(図32)のセグメントL
ED編集処理(ステップA1111)で点灯確認が実行される。セグメントLED編集処
理の詳細については、図33にて後述する。
【0291】
その後、遊技制御装置100は、電源投入時のコマンドを演出制御装置150に送信し
(ステップA1044)、ステップA1025以降の処理を実行する。
【0292】
本実施形態では、一括表示装置50が正常に点灯するかを確認するための確認表示を、
RAMクリアを伴う電源投入時に行うようにしたが、RAMクリアが行われた場合に限ら
ず、単なる電源投入時(停電復旧時を含む)に確認表示を毎回行うようにしてもよい。
【0293】
なお、ステップA1024で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1044
で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1
、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状
態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、
電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時
に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投
入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コ
マンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
【0294】
遊技制御装置100は、ステップA1024又はステップA1044の処理が終了する
と、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新
トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(
ステップA1025)。
【0295】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられてい
る。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分
周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周され
た信号に基づいてCPU111aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生
させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて
乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
【0296】
遊技制御装置100は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ス
テップA1026)。具体的には、CPU111aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(
CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定す
るなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行う
ようにしてもよい。
【0297】
さらに、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフ
ト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)として
RWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置100は
、割込みを許可する(ステップA1028)。
【0298】
なお、本実施形態のCPU111a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レ
ジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づ
いて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生
成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難に
することができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図
柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)
が含まれる。
【0299】
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すた
めの初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大
当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されてい
る。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱
数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、
各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱
数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数
であってもよい。
【0300】
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置100は、電源装置450
から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする
回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定さ
れる。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することが
できる。遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップ
A1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ス
テップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実
行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ルー
プ処理)。
【0301】
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA
1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、
割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実
行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処
理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
【0302】
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込
み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数
更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避
するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱
数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処
理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば
、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイ
ン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で
各種乱数を更新するようにしてもよい。
【0303】
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい
。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待
機するようにしてもよい。
【0304】
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステッ
プA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検
出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定
する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出
した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」
)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわ
ち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか
否かを判定する。
【0305】
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した
回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が
発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA
1039)。
【0306】
遊技制御装置100は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフ
に設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チ
ェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電
復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
【0307】
さらに、遊技制御装置100は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェッ
クサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWM
のチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内
容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機
1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデー
タをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源
の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源
再投入時に判定することが可能となる。
【0308】
(タイマ割込み処理)
次に、タイマ割込み処理について説明する。図32は、タイマ割込み処理の手順を示す
フローチャートである。
【0309】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的
(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU111aに入力されることによって
開始される。
【0310】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、所定のレジスタに保
持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101
)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z
80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持さ
れている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが
可能である。
【0311】
次に、遊技制御装置100は、入力部120を介して入力される各種センサやスイッチ
などからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ス
テップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ
24d、普図のゲートスイッチ25a、下カウントスイッチ27d、上カウントスイッチ
28d、第1通過検出センサ81a、第2通過検出センサ82aなどが含まれる。また、
入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
【0312】
さらに、遊技制御装置100は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データ
を、演出制御装置150及び払出制御装置410に送信するための出力処理を実行する(
ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを
行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、第1大入賞口ソレノイ
ド27b、第2大入賞口ソレノイド28b及び普電ソレノイド24bが含まれる。また、
出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊
技データを出力する処理も含まれる。
【0313】
次に、遊技制御装置100は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置4
10に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。例え
ば、払出制御装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
【0314】
さらに、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱
数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動
パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステ
ップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付
与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、
演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
【0315】
その後、遊技制御装置100は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開
放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステッ
プA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ23d、第2始
動口スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、下カウン
トスイッチ27d、上カウントスイッチ28dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視
処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。
エラーの監視としては、前面枠4やクリア部材保持枠5が不正に開放されていないかなど
を対象としている。
【0316】
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態における大当りラウンド数を決定するため
の振分装置80の動作を制御する振分状態処理を実行する。
【0317】
さらに、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処
理を実行する(ステップA1109)。特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの
結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
【0318】
続いて、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処
理を実行する(ステップA1110)。
【0319】
次に、遊技制御装置100は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示す
るセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステッ
プA1111)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグ
メントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
【0320】
遊技制御装置100は、磁気センサ29aからの検出信号をチェックし、異常があるか
否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1112)。さらに、電波セ
ンサ29bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理
を実行する(ステップA1113)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ8から報
知音を出力したり、遊技状態報知LEDを点灯させたりするなどして外部に報知する。
【0321】
次に、遊技制御装置100は、外部情報端子194から出力する各種信号を編集する外
部情報編集処理を実行する(ステップA1114)。
【0322】
そして、遊技制御装置100は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ス
テップA1115)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタ
を復帰させ(ステップA1116)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイ
マ割込みを許可し(ステップA1117)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復
帰する。
【0323】
(セグメントLED編集処理)
図33は、セグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。
【0324】
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置50の点灯確認処理を実行する(ステップ
A4001〜A4008)。具体的には、変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定す
る(ステップA4001)。変動表示ゲームが実行中の場合には(ステップA4001の
結果が「Y」)、点灯確認処理を行わずに、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域
をクリアし(ステップA4008)、その後の処理を実行する。
【0325】
一方、遊技制御装置100は、変動表示ゲームが実行中でない場合には(ステップA4
001の結果が「N」)、点灯確認実行フラグ領域をチェックし(ステップA4002)
、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA4003)。実行フラグ
がセットされていない場合には(ステップA4003の結果が「N」)、ステップA40
09以降の処理を実行する。
【0326】
遊技制御装置100は、点灯確認の実行フラグがセットされている場合には(ステップ
A4003の結果が「Y」)、確認制御タイマを+1更新する(ステップA4004)。
そして、確認制御タイマの値に対応する確認表示データをセグメント領域にセーブする(
ステップA4005)。セグメント領域にセーブされた確認表示データに基づいて、タイ
マ割込処理のステップA1103の処理で一括表示装置50の出力態様が更新される。確
認表示の詳細については、図34にて後述する。
【0327】
さらに、遊技制御装置100は、確認制御タイマが全確認工程終了値に到達したか否か
をチェックし(ステップA4006)、全確認工程終了値に到達したか否かを判定する(
ステップA4007)。全確認工程終了値に到達した場合には(ステップA4007の結
果が「Y」)、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアし(ステップA40
08)、その後の処理を実行する。一方、全確認工程終了値に到達していない場合には(
ステップA4007の結果が「N」)、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をク
リアせずに、その後の処理を実行する。
【0328】
一括表示装置50の点灯確認処理が終了すると、遊技制御装置100は、まず、点滅制
御ポインタに点灯ポインタを設定する(ステップA4009)。続いて、表示制御タイマ
を+1更新する(ステップA4010)。さらに、表示制御タイマがオンタイミングかを
チェックし(ステップA4011)、オンタイミングであるか否かを判定する(ステップ
A4012)。そして、オンタイミングでない場合には(ステップA4012の結果が「
N」)、点滅制御ポインタに消灯ポインタを設定する(ステップA4013)。
【0329】
次に、遊技制御装置100は、普図保留数テーブルを設定する(ステップA4014)
。続いて、普図保留数と点滅制御ポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領
域にセーブする(ステップA4015)。
【0330】
次に、遊技制御装置100は、特図1保留数表示テーブルを設定する(ステップA40
16)。続いて、特図1保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブ
する(ステップA4017)。同じく、特図2保留数表示テーブルを設定し(ステップA
4018)、その後、特図1保留数に対応する表示データを取得して、セグメント領域に
セーブする(ステップA4019)。
【0331】
次に、遊技制御装置100は、ラウンド表示LED表示テーブルを設定する(ステップ
A4020)。続いて、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得し
、セグメント領域にセーブする(ステップA4021)。さらに、遊技状態表示テーブル
を設定し(ステップA4022)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、セ
グメント領域にセーブする(ステップA4023)。
【0332】
最後に、遊技制御装置100は、高確率報知フラグがオンに設定されているか否かを判
定し(ステップA4024)、高確率報知フラグがオンに設定されていない場合には(ス
テップA4024の結果が「N」)、高確率報知LEDのオフデータをセグメント領域に
セーブする(ステップA4025)。
【0333】
続いて、一括表示装置50の各LEDの確認表示ついて説明する。図34は、一括表示
装置50の確認表示の一例を説明する図である。
【0334】
本実施形態における一括表示装置50の確認表示は、(A)から(F)に示す態様で各
LEDを点灯させる。具体的に説明すると、RAMクリアが行われた後、(A)に示すよ
うに、一括表示装置50の異常確認のために全LEDを点灯させる。
【0335】
その後、各LEDデジットに対応するLEDを異常箇所確認用に点灯させる。具体的に
は、(B)に示すLEDデジット0に対応するLED、(C)に示すLEDデジット1に
対応するLED、(D)に示すLEDデジット2に対応するLED、(E)に示すLED
デジット3に対応するLEDの順で点灯させる。そして、最後に、(F)に示すように、
図1表示器51及び特図2表示器52にハズレ図柄を表示した状態として、確認表示を
終了する。
【0336】
また、本実施形態では、各LEDデジットに対応する点灯は、3秒間隔で切り替えるよ
うにしている。このとき、各LEDデジット単位で点灯させている3秒間を点滅表示にし
てもよい。
【0337】
以上のように構成することによって、一括表示装置50を構成する複数の発光部材(L
ED)に関する不良が発生していないか否かを効率良く確認することが可能となる。また
、変動表示ゲームが実行されている場合には、確認点灯制御を実行しない(確認点灯制御
を中止する)ため、確認点灯制御により変動表示ゲームの実行が阻害されることがない。
【0338】
また、同時点灯制御(ダイナミック点灯でもスタティック点灯でもよい)により配線の
接続不良や発光部材の不良を瞬時に判断することが可能となる。さらに、LEDデジット
(表示ブロック)単位での順次点灯制御により端部コネクタにおける配線の誤接続を判断
することが可能となる。また、配線の誤接続の確認よりも発光部材が点灯するか否かの確
認を優先して行うことで、効率良く不良確認をすることができる。さらに、順次点灯制御
でLEDデジットに対応する表示部を順次点灯させることで、複数の表示部の点灯確認を
効率よく行うことが可能となる。
【0339】
続いて、一括表示装置50の確認表示の変形例について説明する。図35は、一括表示
装置50に含まれる7セグLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
【0340】
図35に示す変形例では、7セグLEDについて、まず、全セグメントを点灯させた後
に、確認表示を行うセグメントを点滅させ、確認対象のセグメントを順次移動させる。確
認表示は、特図1表示器51及び特図2表示器52に対して共通の手順で行われる。また
、各セグメントの点灯は、3秒間隔で切り替えられる。すべての確認パターンが終了した
後、再度、確認表示を行うように確認工程を複数周回繰り返すようにしてもよいし、1回
だけでもよい。
【0341】
なお、各セグメントの点灯順は、全点灯の後、セグメント(a)から(g)、ドットの
順としてもよいが、これに限らず、確認しやすい態様であれば他の順序であってもよい。
【0342】
図36は、一括表示装置50に含まれる単体のLEDの確認表示の変形例を説明する図
である。
【0343】
図36に示す変形例では、各単体のLEDについて、まず、すべてのLEDを点灯させ
た後に、確認表示を行うLEDを点滅させ、確認対象のLEDを順次移動させる。確認表
示は、LEDデジット2に対応する単体LED及びLEDデジット3に対応する単体LE
Dに対して共通の手順で行われる。
【0344】
また、各LEDの点灯は、7セグLEDと同様に、3秒間隔で切り替えられる。すべて
の確認パターンが終了した後、再度、確認表示を行うように確認工程を複数周回繰り返す
ようにしてもよいし、1回だけでもよい。
【0345】
図35及び図36に示すように一括表示装置50に含まれる各セグメント及びLEDの
確認表示を行うことによって、各セグメント及びLEDの点灯可否だけでなく、一括表示
コネクタに対する配線の接続順序の誤りを発見することが可能となる。
【0346】
〔大当り終了後の遊技モード〕
続いて、図37図41を参照して、大当り終了後の遊技モードについて説明する。図
37は、大当り終了後の遊技モード遷移を示す図である。
【0347】
本実施形態の遊技機1は、変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)になると遊技状
態を特別遊技状態(大当り状態)に移行し、大当り種類に応じて特別遊技終了後の遊技状
態を特定の遊技状態(普電サポート状態や確変状態)に移行させ、所定条件の成立によっ
て通常遊技状態に切り替える遊技状態切替手段を備える。以下では、特別遊技終了後に所
定回数の変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が続くタイプの遊技機1(所謂ST機
)を例に説明する。
【0348】
図37に示すように、確変状態には遊技モード1及び遊技モード2、通常遊技状態には
遊技モード3及び遊技モード4が設けられている。そして、特別遊技終了後の遊技状態が
確変状態を経て通常遊技状態に移行する場合は、遊技モード1から遊技モード4へと順に
遷移する。
【0349】
確変状態における遊技モード1と遊技モード2とでは、普電サポートの有無と演出態様
が異なる。遊技モード1では高確率状態に加えて普電サポート状態が発生するが、遊技モ
ード2では高確率状態のみで普電サポート状態は発生しない。これに伴い、表示装置30
等で行われる演出態様も異なり、遊技モード1では演出モードAが実行されるのに対し、
遊技モード2では演出モードAよりも情報が少ない演出モードBに切り替えられる。
【0350】
ここで、前回の大当り後の確変状態において再び大当りが発生した場合は、連続発生回
数(連荘数)や通算獲得遊技球数を報知するのが一般的である。遊技モード1及び遊技モ
ード2においても、このように連続して大当りが発生した場合の各種情報を累積して報知
する連荘継続表示が行われる。
【0351】
確変状態の遊技モード2が終了すると、遊技状態は通常遊技状態の遊技モード3に移行
する。遊技モード2から遊技モード3への変更点は、変動表示ゲームにおける特別結果(
大当り)の発生確率が高確率状態から低確率状態に戻る点のみである。すなわち、通常遊
技状態であっても遊技モード3では、高確率状態の遊技モード2における演出モードBが
演出態様として継続され、さらに連荘継続表示も継続して行われる。
【0352】
そして、遊技モード3が終了すると、遊技状態は遊技モード4に移行する。遊技モード
4では、演出態様が演出モードBから演出モードCに変更となり、さらに連荘継続表示も
非表示となる。遊技モード4は、従来からの通常遊技状態における演出表示状態である。
【0353】
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技者の携帯端末(外部装置)を用いて、遊技履歴情
報や演出情報などのカスタマイズ情報を入出力可能な携帯連動仕様となっている。ここで
は、遊技機1における携帯連動の開始(カスタマイズ情報の入力)は、通常遊技状態の遊
技モード4でのみ可能とする。そして、携帯連動の終了(カスタマイズ情報の保存)は、
遊技モード1〜4のいずれの遊技モードでも可能とする。
【0354】
〔演出表示例〕
次に、図38図40を参照して、大当り終了後の遊技モード遷移における表示装置3
0での演出遷移について説明する。図38図40は、表示装置30における演出表示の
一例を示す図である。
【0355】
ここでは、大当り終了後に変動表示ゲームが50回実行されるまで確変状態となり、そ
のうち45回実行されるまで普電サポートが付与される。すなわち、大当り終了後の45
回の変動表示ゲームが遊技モード1となり、その後5回の変動表示ゲームが遊技モード2
となる。そして、50回の変動表示ゲームが終了して確変状態から通常遊技状態に移行し
たのち変動表示ゲームが15回実行されるまでは遊技モード3となる。
【0356】
図38(A)に示すように、大当り遊技終了時には、大当りとなった識別情報(「33
3」)、ラウンド数(「Round.16」)、大当りの連続発生回数(「2連荘」)及
び通算獲得遊技球数(「2390pt獲得」)が表示装置30に表示される。そして、こ
の後、大当りの発生確率が高い確変状態が始まるので、表示装置30には、チャンスタイ
ムの開始と右打ちで第1特別変動入賞装置27を狙うよう促すメッセージが表示される。
【0357】
図38(B)に示すように、遊技状態が大当り遊技から確変状態の遊技モード1に移行
すると、表示装置30では変動表示ゲームが実行されるが、識別情報の表示以外に演出モ
ードAとして、現状の演出モード(「チャンスタイム」)の表示、チャンスタイム回数(
実際には、普電サポート回数)の残回数表示及び連荘継続表示が行われる。そして、45
回目の変動表示ゲームの結果がはずれで終了すると、遊技モード1は終了するが、次の遊
技モード2も確変状態なので、表示装置30には現状のチャンスタイムは終了するが、ま
だまだチャンスは終わっていないことを示唆するメッセージ(「チャンスタイム終了」「
まだまだリベンジせよ!」)が表示される。
【0358】
図39(A)に示すように、遊技状態が確変状態の遊技モード1から遊技モード2に移
行すると、表示装置30には、まず、遊技者にまだチャンスがあることを報知するメッセ
ージ(「リベンジゾーン突入」)が表示される。遊技モード2では、識別情報の表示以外
に演出モードBとして、現状の演出モード(「リベンジゾーン」)の表示及び連荘継続表
示が行われる。遊技モード1の演出モードAでは、普電サポート回数の残回数表示が行わ
れるが、演出モードBでは残回数は表示されない。このため、遊技者は確変状態が終了し
てしまったのかと落胆するが、実際は確変状態が継続しているので大当りが発生しやすい
ので、不意打ちで遊技者の落胆した心を高揚させることができる。
【0359】
そして、遊技モード2となって5回目の変動表示ゲームが終了すると遊技モード2は終
了となり、同時に確変状態も終了する。しかし、遊技モード2終了時の表示装置30には
、遊技モード1のときのような終了画面は表示されない。ここで、確変状態の終了は遊技
者に報知されない。
【0360】
図39(B)に示すように、遊技状態が確変状態の遊技モード2から通常遊技状態の遊
技モード3に移行しても、演出モードBは継続されるので、表示装置30における演出表
示に変化はない。このため、遊技者は確変状態の継続を錯覚し、大当りを期待して通常遊
技状態の遊技モード3において遊技を行うことができる。よって、確変状態が終了した後
も遊技者の遊技への興趣を低下させることなく、遊技を継続させることができるとともに
、遊技機1の稼働率向上効果も奏する。また、演出モードBでは連荘継続表示が行われて
いるので、遊技者は獲得遊技球数を把握しながら遊技を行うことができ、遊技の興趣を高
めることができる。
【0361】
図39(B)の左側に示すように、遊技モード3となって15回目の変動表示ゲームが
終了すると遊技モード3は終了となり、同時に演出モードBも終了するので、表示装置3
0には現状のリベンジゾーンが終了することを報知するメッセージ(「リベンジゾーン終
了」)が表示される。また、演出モードBの終了とともに連荘継続表示も終了となる。
【0362】
そして、これ以降は、図40の左側に示すように、遊技状態が通常遊技状態の遊技モー
ド4に移行し、大当りが発生すると、大当り遊技終了後に確変状態の遊技モード1となる
。このとき、遊技モード1における連荘継続表示は、今回の大当りを1回目の大当りとし
て表示される。
【0363】
また、図39(B)の右側に示すように、遊技モード3が終了する前に大当りが発生す
ると、遊技状態は、図40の右側に示すように大当り遊技を経て確変状態の遊技モード1
となる。このとき、遊技モード1における連荘継続表示は、今回の大当りを連続3回目の
大当りとして獲得遊技球数を累積更新して表示される。このように、通常遊技状態であっ
ても遊技モード3(演出モードB)で発生した大当りは、大当りの連続発生回数にカウン
トされるので、特に連続発生回数にこだわる遊技者の遊技への興趣を維持させることがで
きる。
【0364】
また、演出モードB(「リベンジゾーン」)が実行される遊技モード2及び遊技モード
3では、大当りとなる始動記憶に対し保留先読み演出が行われる。例えば、表示装置30
において、チャンスタイム(遊技モード1、演出モードA)が実行されることを報知する
表示が行われる。
【0365】
〔携帯連動操作画面例〕
続いて、図41を参照して、図37で前述した携帯連動について説明する。図41は、
表示装置30における携帯連動操作の画面表示の一例を示す図である。図41(A)は遊
技状態が通常遊技状態の遊技モード4である場合の画面表示であり、図41(B)は遊技
状態が確変状態の遊技モード1、遊技モード2及び通常遊技状態の遊技モード3のいずれ
かである場合の画面表示である。
【0366】
図41(A)に示すように、通常遊技状態の遊技モード4では、遊技者の携帯端末(外
部装置)を用いて、遊技履歴情報や演出情報などのカスタマイズ情報を入出力することが
可能である。このため、表示装置30の携帯連動操作の画面において、遊技者は、「新た
に遊技を開始する」「遊技履歴を保存して終了」及び「前画面に戻る」のいずれのメニュ
ーも選択可能である。
【0367】
そして、遊技者が遊技の開始を選択した場合には、表示装置30に表示されるコードを
携帯端末で読み取ってログインすることで、その後の遊技機1における遊技情報がログイ
ンした遊技者の遊技履歴情報として蓄積される。
【0368】
また、遊技者が遊技の終了を選択した場合には、表示装置30に表示されるコードを携
帯端末で読み取ることで、開始時から蓄積されていた遊技情報が履歴として保存される。
【0369】
図41(B)に示すように、通常遊技状態の遊技モード4以外の遊技状態(遊技モード
1〜3)では、遊技者の携帯端末(外部装置)を用いて、遊技履歴情報や演出情報などの
カスタマイズ情報を出力することのみが可能である。したがって、表示装置30の携帯連
動操作の画面において、遊技者は、「遊技履歴を保存して終了」又は「前画面に戻る」の
メニューを選択可能である。
【0370】
このように、通常遊技状態であっても演出モードBが適用されて連荘継続表示が行われ
る遊技モード3においては、携帯連動の開始ができない。連荘継続表示中に携帯連動の開
始を可能にすると、携帯連動の開始のタイミングで遊技者が入れ替わったとしても、それ
までの大当りの連続発生回数や通算獲得遊技球数が、入れ替わった後の遊技者の遊技履歴
情報として保存されることになる。他人の遊技結果が反映されてしまい、自身の遊技履歴
情報が不正確になって遊技の興趣が低下してしまうことを未然に防ぐために、連荘継続表
示中(大当り遊技情報累積中)は、携帯連動の終了操作のみで開始操作を禁止している。
【0371】
また、携帯連動の終了操作が行われたときには、現在の確率状態を示唆する情報を遊技
者に与えてもよい。遊技状態が確変状態か否かが不明な場合に、遊技者は終了操作を行う
ことで確認することができるので、遊技者に携帯連動の終了操作を促すことができる。こ
れにより、次の遊技者による携帯連動の開始を円滑にすることができる。
【0372】
なお、連荘継続表示中の携帯連動の開始を許可する場合には、開始のタイミングで連荘
継続表示中の大当り連続発生回数や通算獲得遊技球数をリセットして0からカウントすれ
ば、前述の効果とともに正確な遊技履歴情報を得ることができる。このとき、表示装置3
0における連荘継続表示もリセットされる。また、連荘継続表示中の携帯連動の開始を許
可しても、遊技モード4になるまでの大当り連続発生回数や通算獲得遊技球数のデータは
無効になるようにすれば、前述と同等の効果を維持することができる。このとき、演出情
報等の遊技履歴情報については携帯連動が開始された時点から記憶される。
【0373】
なお、前述では特別遊技終了後に所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで確変状態
が続くタイプ(所謂ST機)を例に説明したが、確変状態が所定の確率で転落抽選に当選
するまで継続するタイプ(転落タイプの確変機)では、確率状態に関係なく一定期間は演
出モードBが実行されるように設定される。そして、演出モードBが行われる場合には、
携帯連動の終了操作のみ可能とすることにより、ST機の場合と同等の効果を得ることが
できる。また、転落タイプにおいても携帯連動の終了操作時に現在の確率状態を報知する
。転落タイプの場合は確変状態か否かを判断するのはより難しいので、携帯連動の終了操
作が遊技者にとって遊技継続判断の契機となり、終了操作を促進させることができる。携
帯連動を開始した遊技者自身に終了まで行わせることで、次の遊技者がスムーズに遊技を
行うことができる。
【0374】
また、転落タイプは、演出モードが大当りの期待度が高いモードから通常モード(例え
ば、演出モードBから演出モードC)に切り替わっても、再び大当りの期待度が高いモー
ド(再び、演出モードB)に戻って演出が行われたりする。ST機では演出モードBでは
連荘継続表示を行う設定になっているが、転落タイプでは、演出モードBから他の演出モ
ードに切り替わった後に再び演出モードBになった場合は連荘継続表示を行わない。また
、このとき携帯連動は終了操作だけでなく開始操作も可能にすることで、混乱を避ける。
【0375】
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。ま
た、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請
求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0376】
1 遊技機
4 前面枠
5 クリア部材保持枠
8 スピーカ
10 下皿
12 上皿
13 演出ボタン
20 遊技盤
21 遊技領域
30 表示装置
31 メイン表示画面
50 一括表示装置(表示基板)
60 上部表示装置(サブ表示装置)
61 サブ表示画面
70 右部表示装置(サブ表示装置)
71 サブ表示画面
100 遊技制御装置
150 演出制御装置
200 突出演出ユニット
201 カバーレンズ部材
202 内側レンズ部材
203 内側反射部材
220 側方伝播装飾装置
220a 上装飾部
220b 下装飾部
221 外側装飾装置
600 可動役物
601 左側可動役物(第1可動役物)
602 右側可動役物(第1可動役物)
603 上部可動役物(第2可動役物)
図1
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図3
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