(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィードチューブ(6,36)は、軸中心に位置して前記塗料または前記洗浄流体が流通する内筒(6A,36A)と、該内筒(6A,36A)の外周側に位置して該内筒(6A,36A)との間を洗浄流体が流通する外筒(6B,36B)とにより2重管として構成され、
前記外周面洗浄通路(14,43,61)の流入開口(14A1,43A)は、前記フィードチューブ(6,36)の外筒(6B,36B)の先端部位(6B1,36B1)の近傍に開口してなる請求項1に記載の回転霧化頭型塗装機。
前記回転霧化頭(7,37)の前記霧化頭外周面(13,42)は、前記シェーピングエアリング(15,44)の前記リング内周面(17B,46B)との間の前記環状隙間(20,49)を小さな隙間寸法(G2,G3)をもってほぼ一定に保っている構成としてなる請求項1に記載の回転霧化頭型塗装機。
前記フィードチューブ(6,36)は、軸中心に位置して前記塗料または前記洗浄流体が流通する内筒(6A,36A)と、該内筒(6A,36A)の外周側に位置すると共に該内筒(6A,36A)の先端よりも後退した位置に開口し、該内筒(6A,36A)との間を洗浄流体が流通する外筒(6B,36B)とにより2重管として形成され、
前記回転霧化頭(7,37)には、
前記フィードチューブ(6,36)の前記外筒(6B,36B)の先端部位(6B1,36B1)と対向する位置で径方向内側に突出した環状の洗浄流体隔壁(8J,38F)と、
前記洗浄流体隔壁(8J,38F)よりも前側で、かつ前記内筒(6A,36A)の突出部位(6A1,36A1)を取囲んだ位置で径方向内側に突出した環状の塗料隔壁(8K,38G)と、
前記塗料隔壁(8K,38G)よりも前側で前記カップ部位(7B,37B)のカップ状内周面(8L,38H)に位置し、外周側に塗料が流出するハブ塗料通路(10A,39A)を有するハブ部材(10,39)とが設けられ、
前記洗浄流体隔壁(8J,38F)と前記塗料隔壁(8K,38G)との間には、前記フィードチューブ(6,36)の前記外筒(6B,36B)から供給された洗浄流体を溜める洗浄流体溜り(11,40)が設けられ、
前記塗料隔壁(8K,38G)と前記ハブ部材(10,39)との間には、前記フィードチューブ(6,36)の前記内筒(6A,36A)から供給された塗料を溜める塗料溜り(12,41)が設けられ、
前記外周面洗浄通路(14,43,61)の流入開口(14A1,43A)は、前記回転霧化頭(7,37)の前記洗浄流体溜り(11,40)に開口してなる請求項1に記載の回転霧化頭型塗装機。
前記回転霧化頭(7)の前記霧化頭外周面(13)は、前記円筒部位(7A)の外周側に位置する円筒面(8C)と、前記カップ部位(7B)の外周側に位置する円錐面(8H)とにより形成され、
前記外周面洗浄通路(14)の流入開口(14A1)は、前記回転軸(5)の軸線(O1−O1)と直交し、かつ径方向内向きに開口され、
前記外周面洗浄通路(14)の流出開口(14C1)は、前記円錐面(8H)に位置して前記回転軸(5)の軸線(O1−O1)と直交し、かつ径方向外向きに開口され、
前記流出開口(14C1)と前記霧化頭外周面(13)の前記円錐面(8H)とのなす角度(α1)は鋭角としてなる請求項1に記載の回転霧化頭型塗装機。
前記回転霧化頭(37)の前記霧化頭外周面(42)は、前記円筒部位(37A)の外周側に位置する長尺円筒面(38C)と、前記カップ部位(37B)の外周側に位置する円錐面(38D)とにより形成され、
前記外周面洗浄通路(43)の流出開口(43B)は、前記回転軸(35)に対して前向きに傾斜した状態で前記長尺円筒面(38C)に開口する傾斜開口となり、
前記流出開口(43B)と前記霧化頭外周面(42)の前記長尺円筒面(38C)とのなす角度(α2)は鋭角としてなる請求項1に記載の回転霧化頭型塗装機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態による回転霧化頭型塗装機を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0013】
まず、
図1ないし
図4は、本発明の第1の実施の形態を示している。この第1の実施の形態では、直径寸法が約70mmの回転霧化頭を備えた回転霧化頭型塗装機を例に挙げて説明する。
【0014】
図1において、第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装機1は、例えば高電圧発生器(図示せず)により塗料に高電圧を直接的に印加する直接帯電式の静電塗装機として構成されている。回転霧化頭型塗装機1は、例えば塗装用ロボットのアーム(図示せず)の先端に取付けられている。回転霧化頭型塗装機1は、後述のハウジング2、エアモータ3、回転軸5、フィードチューブ6、回転霧化頭7、シェーピングエアリング15、アシストエア噴出孔21を含んで構成されている。
【0015】
ハウジング2は、その基端側が塗装用ロボットのアームの先端に取付けられている。このハウジング2には、先端側に開口するように、モータ収容部2Aが設けられ、該モータ収容部2Aの開口側には、1段拡開した内周側に位置してめねじ部2Bが設けられている。さらに、ハウジング2には、モータ収容部2Aの底部の中央位置(後述する回転軸5の軸線O1−O1の位置)に、後述するフィードチューブ6の基端側が挿嵌される挿嵌孔2Cが設けられている。
【0016】
エアモータ3は、ハウジング2のモータ収容部2A内に軸線O1−O1と同軸に設けられている。このエアモータ3は、圧縮エアを動力源として後述の回転軸5および回転霧化頭7を、例えば3000〜150000rpmの高速で回転させるものである。エアモータ3は、ハウジング2の前側に取付けられた段付円筒状のモータケース3Aと、該モータケース3Aの後側寄りに位置して回転可能に収容されたタービン3Bと、前記モータケース3Aに設けられ回転軸5を回転可能に支持するエア軸受3Cとを含んで構成されている。
【0017】
エアモータ3のモータケース3Aは、回転軸5の軸線O1−O1を中心線とする円筒体として形成されている。モータケース3Aは、ハウジング2のモータ収容部2A内に挿嵌される大径な大径筒3A1と、該大径筒3A1の先端(前端)から前側に突出した小径な小径筒3A2とにより段付筒状に形成されている。
【0018】
タービン3Bは、複数枚の翼を周方向に連ねてなる羽根車(図示せず)に向けてタービンエア(圧縮エア)が噴き付けられることにより、回転軸5を高速で回転させるものである。また、エア軸受3Cは、モータケース3Aの内周側に取付けられている。エア軸受3Cは、供給された軸受エア(圧縮エア)を回転軸5の外周面に向けて噴き付けることにより、環状の空気層を介して回転軸5を回転可能に支持するものである。
【0019】
モータケース3Aは、その大径筒3A1をハウジング2のモータ収容部2A内に挿嵌される。この状態で、モータケース3Aは、ハウジング2のめねじ部2Bに円環状の抜止め部材4を螺着することにより、ハウジング2内に一体的に取付けられている。
【0020】
回転軸5は、エアモータ3にエア軸受3Cを介して回転自在に支持された中空な筒体として形成されている。この回転軸5は、モータケース3A内に軸線O1−O1を中心とし軸方向に延びて配置されている。回転軸5は、基端側(後端側)がタービン3Bの中央に取付けられ、先端がモータケース3Aから前側に突出している。
図2に示すように、回転軸5の縮径された先端部には、回転霧化頭7を取付けるためのおねじ部5Aが形成されている。
【0021】
フィードチューブ6は、回転霧化頭7に向けて塗料または洗浄流体を供給するもので、回転軸5内を通って該回転軸5の先端まで延びている。このフィードチューブ6の先端側は、回転軸5の先端から突出して回転霧化頭7内に延在している。一方、フィードチューブ6の基端側は、ハウジング2の挿嵌孔2Cに位置決め状態で挿嵌されている。
【0022】
フィードチューブ6は、軸線O1−O1と同軸に延び塗料または洗浄流体が流通する内筒6Aと、該内筒6Aの外周側に位置して該内筒6Aとの間を洗浄流体が流通する外筒6Bとにより形成されている。これにより、フィードチューブ6は、全体として2重管として構成されている。内筒6A内は、塗料または洗浄流体が流通する塗料供給通路6Cとなっている。一方、内筒6Aと外筒6Bとの間は、洗浄流体が流通する環状の洗浄流体供給通路6Dとなっている。塗料供給通路6Cは、色替弁装置等の塗料供給源(図示せず)に接続され、洗浄流体供給通路6Dは、洗浄流体供給源(図示せず)に接続されている。さらに、
図2に示すように、内筒6Aは、外筒6Bよりも軸方向に長尺に形成されている。これにより、内筒6Aの先端部分は、外筒6Bの先端部位6B1から前方に突出した突出部位6A1となっている。
【0023】
外筒6Bの先端部位6B1には、チェック弁6Eが設けられている。このチェック弁6Eは、弾性(ばね性)を有する樹脂材料、ゴム材料等、例えばフッ素系樹脂材料を用いて円筒状に形成されている。チェック弁6Eは、洗浄流体(特に、溶剤)が垂れ落ちるのを防止するため、常時は弾性力によって内筒6Aの外周面に密着して閉弁し、洗浄流体供給通路6Dの開口側を閉塞している。一方、チェック弁6Eは、洗浄流体供給通路6Dから洗浄流体が供給されたときに、洗浄流体の供給圧力に抗して開弁することにより、洗浄流体供給通路6Dから洗浄流体が吐出されるのを許すものである。
【0024】
次に、第1の実施の形態の特徴部分をなす回転霧化頭7の構成について詳細に説明する。
【0025】
回転霧化頭7は、回転軸5の先端に取付けられ、後側から前側に向けて拡径するカップ状に形成されている。この回転霧化頭7は、エアモータ3によって回転軸5と一緒に高速回転されることにより、フィードチューブ6から供給される塗料等を噴霧するものである。回転霧化頭7は、後述する霧化頭本体8、環状カバー9、ハブ部材10、外周面洗浄通路14を含んで構成されている。
【0026】
一方、
図1に示すように、回転霧化頭7は、基端側が回転軸5の先端に取付けられる筒状の円筒部位7Aとなり、該円筒部位7Aよりも前側が前方に向けてカップ状に拡開したカップ部位7Bとなっている。ここで、円筒部位7Aは、霧化頭本体8の取付部8Aによって形成されている。
【0027】
さらに、カップ部位7Bは、霧化頭本体8の拡開部8Bと環状カバー9とにより形成されている。この環状カバー9は、霧化頭本体8の拡開部8Bとの間に洗浄流体が流通する後述の外周面洗浄通路14を形成している。また、環状カバー9は、霧化頭本体8の前外周面8Hと協働し、シェーピングエアリング15を形成する前リング部位17のリング内周面17Bとの間にほぼ一定の隙間からなる後述の環状隙間20を形成している。この環状カバー9の構成については、追って詳細に述べる。
【0028】
回転霧化頭7の本体部分を構成する霧化頭本体8は、基端側が回転軸5の先端に取付けられる取付部8Aとなっている。この取付部8Aは、回転霧化頭7の円筒部位7Aを構成している。霧化頭本体8は、取付部8Aよりも前側が前方に向け拡開した拡開部8Bとなっている。ここで、取付部8Aは、円筒状に形成され、その外周側は後述する霧化頭外周面13の一部をなす円筒面8Cとなっている。一方、取付部8Aの内周側の奥部(後述の洗浄流体隔壁8J側)には、めねじ部8Dが設けられ、該めねじ部8Dは、回転軸5の先端に設けられたおねじ部5Aに螺合している。
【0029】
図2に示すように、霧化頭本体8の外周側は、前述しためねじ部8Dの外側に位置する部分が円筒状の取付面8Eとなっている。この取付面8Eには、環状カバー9が固定的に取付けられている。
【0030】
また、霧化頭本体8の取付面8Eから前側部位は、前側に向けて円錐状に拡開する後外周面8Fとなっている。この後外周面8Fの前端は、軸線O1−O1と直交するように径方向の外側に延びた円環状の段差面8Gとなっている。この後外周面8Fと段差面8Gとは、後述する環状カバー9の前外周面9Cと先端面9Dとに間隔をもって対面することにより、外周面洗浄通路14の一部、即ち、後述の円錐通路14Bと流出通路14Cを形成するものである。
【0031】
さらに、霧化頭本体8の外周側で、段差面8Gから前側部位は、前側に向けて円錐状に拡開する前外周面8Hとなっている。この前外周面8Hは、環状カバー9の後外周面9Bと共に、後述する霧化頭外周面13の円錐面を構成するものである。この場合、前外周面8Hと後外周面9Bとは、前,後方向の全域に亘って、かつ全周に亘って滑らかな円錐面として形成されている。
【0032】
一方、霧化頭本体8の内周側には、円環状の洗浄流体隔壁8Jが設けられている。この洗浄流体隔壁8Jは、めねじ部8Dの前側近傍位置、即ち、フィードチューブ6の外筒6Bの先端部位6B1と対向する位置で、径方向内側に突出して設けられている。また、洗浄流体隔壁8Jよりも前側で、かつ内筒6Aの突出部位6A1を取囲んだ位置には、径方向内側に突出した円環状の塗料隔壁8Kが設けられている。
【0033】
霧化頭本体8の内周側は、カップ状内周面8Lとなり、カップ状内周面8Lは、塗料隔壁8Kよりも前側が前方に向けて緩やかに拡開することにより形成されている。このカップ状内周面8Lは、塗料溜り12の周壁を形成する奥所内周面8L1と、該奥所内周面8L1から前方に向けて拡開した塗料薄膜化面8L2とにより形成されている。奥所内周面8L1は、塗料隔壁8Kとハブ部材10との間に位置し、後述の塗料溜り12を形成している。また、塗料薄膜化面8L2は、塗料溜り12から流出した塗料を前側に向けて薄膜化しつつ流通させるもので、その先端(前端)は、薄膜化した塗料を塗料粒子として放出する放出端縁8Mとなっている。
【0034】
環状カバー9は、霧化頭本体8の外周側に設けられ、前側に向けて拡開する円錐状体として形成されている。
図2に示すように、この環状カバー9は、基端側(内径側)が広幅な取付部9Aとなり、該取付部9Aから前側に向けて漸次薄肉に形成されている。環状カバー9は、回転霧化頭7の一部をなすもので、取付部9Aが霧化頭本体8の取付面8Eの外周に一体的に取付けられている。この状態で、環状カバー9は、霧化頭本体8の後外周面8Fと段差面8Gとによって凹陥された部分に収まる形状となっている。
【0035】
具体的には、環状カバー9の外周側は、円筒面8Cの先端から前側に向け拡開した円錐状の後外周面9Bとなっている。この後外周面9Bは、霧化頭本体8の前外周面8Hと段差が無く、該前外周面8Hと滑らかに連続している。この後外周面9Bは、霧化頭本体8の前外周面8Hと共に、前,後方向の全域に亘って、かつ全周に亘って滑らかな円錐面、即ち、後述する霧化頭外周面13の円錐面を構成するものである。
【0036】
一方、環状カバー9の内周側は、霧化頭本体8の後外周面8Fに対面する前外周面9Cとなっている。前外周面9Cの前端は、回転軸5の軸線O1−O1と直交するように径方向の外側に延びた円環状の先端面9Dとなっている。この前外周面9Cと先端面9Dとは、霧化頭本体8の後外周面8Fと段差面8Gとに間隔をもって対面することにより、外周面洗浄通路14の一部、即ち、後述の円錐通路14Bと流出通路14Cを形成するものである。
【0037】
ハブ部材10は、霧化頭本体8の塗料隔壁8Kよりも前側で拡開部8Bのカップ状内周面8Lに設けられ、該ハブ部材10は、円板状体として形成されている。このハブ部材10は、カップ状内周面8Lの奥所内周面8L1と塗料薄膜化面8L2との境界位置に、塗料溜り12の前側を閉塞するように配置されている。ハブ部材10の外周側には、奥所内周面8L1との間に位置して、塗料または洗浄流体を塗料薄膜化面8L2に流出させる多数個のハブ塗料通路10A(2個のみ図示)が周方向に設けられている。また、ハブ部材10の中央寄り位置には、前面に洗浄流体を流出させるための複数個のハブ洗浄流体通路10B(2個のみ図示)が設けられている。
【0038】
洗浄流体溜り11は、霧化頭本体8の洗浄流体隔壁8Jと塗料隔壁8Kとの間に設けられている。この洗浄流体溜り11は、フィードチューブ6の洗浄流体供給通路6Dから流出された洗浄流体を溜める円環状の空間部として形成されている。洗浄流体溜り11には、後述の外周面洗浄通路14を構成する径方向通路14Aの流入開口14A1が連通して開口している。
【0039】
塗料溜り12は、霧化頭本体8の塗料隔壁8Kとハブ部材10との間に設けられている。この塗料溜り12は、フィードチューブ6の塗料供給通路6Cから流出された塗料を溜める略半球状の空間部として形成されている。塗料溜り12は、塗料供給通路6Cから流出された塗料または洗浄流体を一時的に溜め、これらを拡散するための空間である。
【0040】
霧化頭外周面13は、回転霧化頭7の外周面として形成されている。この霧化頭外周面13は、円筒状の円筒部位7Aと前方に向けてカップ状に拡開したカップ部位7Bとにより形成されている。より具体的に述べると、霧化頭外周面13は、霧化頭本体8の取付部8Aの外周側に位置する円筒面8Cと、環状カバー9の外周側に位置する後外周面9Bと、霧化頭本体8の拡開部8Bの外周側に位置する前外周面8Hとにより形成されている。これにより、霧化頭外周面13は、全体として前側に向けて漸次拡開するラッパ状、カップ状等の円錐面状に形成されている。
【0041】
ここで、霧化頭外周面13は、前外周面8Hと後外周面9Bとを段差無く繋ぐことにより、前,後方向の全域に亘って、かつ全周に亘って滑らかな円錐状の外周面として形成されている。これにより、霧化頭外周面13は、後述のシェーピングエアリング15を構成する前リング部位17のリング内周面17Bとの間に形成される環状隙間20を小さな隙間をもってほぼ一定の隙間寸法に保つことができる。
【0042】
次に、第1の実施の形態の特徴部分となる外周面洗浄通路14の構成および作用について詳細に説明する。
【0043】
外周面洗浄通路14は、霧化頭本体8の拡開部8Bの外周側に位置して霧化頭外周面13に開口するように霧化頭本体8の拡開部8Bに設けられている。外周面洗浄通路14は、フィードチューブ6の洗浄流体供給通路6Dを通じて供給された洗浄流体を、後述の環状隙間20に流出させるものである。ここで、外周面洗浄通路14は、霧化頭本体8の洗浄流体溜り11と霧化頭外周面13(環状隙間20)とを連通するもので、洗浄流体の流れ方向の上流側から径方向通路14A、円錐通路14B、流出通路14Cを有している。
【0044】
外周面洗浄通路14の上流部位を構成する径方向通路14Aは、霧化頭本体8に周方向に所定の間隔をもって複数本設けられている(
図4参照)。各径方向通路14Aは、霧化頭本体8の洗浄流体隔壁8Jと塗料隔壁8Kとの間に配置されている。各径方向通路14Aの内径側は、流入開口14A1となっている。この流入開口14A1は、フィードチューブ6の外筒6Bのチェック弁6E(外筒6Bの先端部位6B1)の近傍位置、即ち、回転軸5の軸線O1−O1と直交し、かつ径方向内向きに開口して洗浄流体溜り11に連通している。
【0045】
また、
図4に示すように、各径方向通路14Aは、内径側から外径側に向けて延びる小径な通路からなり、回転霧化頭7の回転方向(
図4中の矢示R方向)と反対方向に傾斜して配置されている。これにより、各径方向通路14Aは、洗浄流体溜り11に溜められた洗浄流体を効率よく流入させることができる。
【0046】
外周面洗浄通路14の中間部位を構成する円錐通路14Bは、霧化頭本体8の後外周面8Fと環状カバー9の前外周面9Cとの間に挟まれた全周空間として形成されている。具体的には、円錐通路14Bは、各径方向通路14Aの外径側の端部から前側に向け漸次拡開した薄肉な円錐筒状の空間(隙間)として形成されている。
【0047】
外周面洗浄通路14の下流部位を構成する流出通路14Cは、霧化頭本体8の段差面8Gと環状カバー9の先端面9Dとの間に挟まれた全周空間(隙間)として形成されている。ここで、
図2に示すように、流出通路14Cは、その外径側に位置する流出開口14C1が、回転軸5の軸線O1−O1と直交し、かつ霧化頭外周面13をなす霧化頭本体8の前外周面8Hと環状カバー9の後外周面9Bとの間に対し径方向外向きに開口している。
【0048】
ここで、外周面洗浄通路14のうち、流出通路14Cの構成について詳細に述べる。
【0049】
図3に示すように、流出通路14Cは、その流出開口14C1が、後述するシェーピングエアリング15の先端面17Aよりも軸方向の長さ寸法L1だけ環状隙間20内に向けて後退した位置に設けられている。この流出開口14C1の後退位置を示す長さ寸法L1は、下記数1のように設定されている。
【0051】
このように、流出開口14C1を環状隙間20内に後退して配置することにより、流出開口14C1から流出する洗浄流体を、シェーピングエアリング15のリング内周面17Bに衝突させることができる。これにより、流出開口14C1から流出する洗浄流体を遠心力によってシェーピングエアリング15の先端面17Aに案内でき、洗浄流体を霧化頭外周面13(前外周面8H)に沿わせて流通させることができる。
【0052】
流出通路14Cの流出開口14C1は、回転軸5の軸線O1−O1と直交するように霧化頭本体8(回転霧化頭7)の拡開部8Bの外周側に位置する霧化頭外周面13に開口している。これに対し、霧化頭外周面13は、前側に向けて拡開する円錐状をなしている。従って、
図3に示すように、環状カバー9の後外周面9Bと先端面9Dとのなす角度をα1とすると、流出通路14Cの流出開口14C1は、霧化頭外周面13に対して鋭角となる角度α1で環状隙間20に連通している。これにより、流出通路14Cの流出開口14C1から流出する洗浄流体は、シェーピングエアリング15のリング内周面17Bに鋭角に当たるから、洗浄流体は、霧化頭外周面13(前外周面8H)に滑らかに伝えられる。なお、流出通路14Cの角度α1が鋭角ということは、拡開部8Bの前外周面8Hと段差面8Gとのなす角度β1は鈍角となる。
【0053】
この場合、角度α1は、できるだけ鋭角であることが好ましく、下記数2のように設定されている。
【0055】
さらに、流出通路14Cの流出開口14C1は、回転軸5の軸線O1−O1と直交し、かつ環状隙間20に向けて径方向外向きに開口している。流出通路14Cは、回転軸5の軸方向に小さな隙間寸法G1をもって円錐通路14Bと環状隙間20とを連通する円環状の空間として形成されている。この流出通路14Cの隙間寸法G1は、当該流出通路14Cを流通する洗浄流体が霧化頭本体8の段差面8Gに必ず接するように、下記数3のような小さな値に設定されている。
【0057】
ここで、回転霧化頭7が高速で回転したときには、洗浄流体は、霧化頭本体8の段差面8Gと環状カバー9の先端面9Dに沿って流通し、流出開口14C1に流出することができる。これにより、洗浄流体を前外周面8Hに向け効率よく供給することができる。
【0058】
このように構成された回転霧化頭7は、エアモータ3によって高速回転された状態でフィードチューブ6の塗料供給通路6Cから塗料が供給される。このときに、フィードチューブ6から供給された塗料は、塗料溜り12、ハブ部材10の各ハブ塗料通路10A、霧化頭本体8の塗料薄膜化面8L2を介して放出端縁8Mに至る。この放出端縁8Mに至った塗料は、回転霧化頭7の遠心力によって微粒化された塗料粒子として噴霧される。また、塗料溜り12、ハブ部材10の各ハブ塗料通路10A、霧化頭本体8の塗料薄膜化面8L2および放出端縁8Mに付着した塗料を洗浄する場合には、回転霧化頭7を高速回転させつつ、フィードチューブ6の塗料供給通路6Cから洗浄流体を供給することにより、これらを洗浄することができる。
【0059】
一方、回転霧化頭7の霧化頭外周面13のうち、円錐面をなす霧化頭本体8の前外周面8Hに付着した塗料を洗浄する場合について述べる。この場合には、回転霧化頭7を高速回転させつつ、フィードチューブ6の洗浄流体供給通路6Dから洗浄流体を供給する。これにより、洗浄流体は、洗浄流体溜り11、外周面洗浄通路14を介して前外周面8Hに供給されるから、この洗浄流体によって前外周面8Hに付着した塗料を洗浄することができる。
【0060】
次に、シェーピングエアリング15、第1,第2のシェーピングエア噴出孔18,19について述べる。
【0061】
シェーピングエアリング15は、回転霧化頭7の外周側に配置され、回転霧化頭7から噴霧された塗料の噴霧パターンを整えるものである。シェーピングエアリング15は、後述の後リング部位16、前リング部位17、第1のシェーピングエア噴出孔18、第2のシェーピングエア噴出孔19を含んで構成されている。
【0062】
図1に示すように、後リング部位16は、エアモータ3の前側部位を囲むようにハウジング2に取付けられた段付円筒状体として形成されている。後リング部位16の後部外周には、ハウジング2のめねじ部2Bに螺着されるおねじ部16Aが設けられている。
【0063】
前リング部位17は、回転霧化頭7を囲むように後リング部位16の前側部位に取付けられた段付円筒状体として形成されている。前リング部位17の先端面17Aは、外周面洗浄通路14の流出通路14Cよりも前述した長さ寸法L1だけ前側に突出した位置に配置されている。この先端面17Aには、第1のシェーピングエア噴出孔18と第2のシェーピングエア噴出孔19が設けられている。
【0064】
前リング部位17は、回転霧化頭7の霧化頭外周面13と隙間をもって対面するリング内周面17Bを有している。このリング内周面17Bは、環状カバー9の基端位置から外周面洗浄通路14の流出通路14Cを越えて先端面17Aまで前側に延びて形成されている。リング内周面17Bは、霧化頭外周面13に対してほぼ一定の隙間寸法をもって対面するように、該霧化頭外周面13と同じ角度をもって拡開した凹円錐面として形成されている。このようにして、リング内周面17Bと霧化頭外周面13との間には、後述の環状隙間20が画成されている。
【0065】
第1のシェーピングエア噴出孔18は、前リング部位17の先端面17Aの外周寄りに位置して周方向に多数個設けられている。各第1のシェーピングエア噴出孔18は、回転霧化頭7の放出端縁8Mから噴霧された塗料の噴霧パターンを整えるために、該放出端縁8Mに向けてシェーピングエアを噴出するものである。各第1のシェーピングエア噴出孔18は、後述する第1のシェーピングエア通路24を介して第1のエア源(図示せず)に接続されている。
【0066】
第2のシェーピングエア噴出孔19は、第1のシェーピングエア噴出孔18の内周側に位置して前リング部位17の先端面17Aに多数個設けられている。各第2のシェーピングエア噴出孔19は、各第1のシェーピングエア噴出孔18と同様に、回転霧化頭7の霧化頭外周面13の前側部位に沿ってシェーピングエアを噴出するものである。各第2のシェーピングエア噴出孔19は、後述する第2のシェーピングエア通路25を介して第2のエア源(図示せず)に接続されている。
【0067】
次に、回転霧化頭7の外周面とシェーピングエアリング15の内周面との間に設けられた環状隙間20と、シェーピングエアリング15に設けられたアシストエア噴出孔21について述べる。
【0068】
環状隙間20は、シェーピングエアリング15を構成する前リング部位17のリング内周面17Bと回転霧化頭7の霧化頭外周面13との間に画成されている。環状隙間20は、リング内周面17Bおよび霧化頭外周面13に沿うように前側に向けて拡開する円錐状(ラッパ状)の薄肉な空間として形成されている。ここで、
図3に示すように、環状隙間20の隙間寸法(空間の厚さ寸法)G2は、直径寸法が70mm(φ70)の回転霧化頭7の場合には、下記数4のような小さな値に設定されている。
【0070】
このように、環状隙間20の隙間寸法G2を小さな値に設定したことにより、外周面洗浄通路14から環状隙間20に流出した洗浄流体に対し、後述のアシストエアを確実に作用させることができる。これにより、洗浄流体を、霧化頭外周面13の前側部位まで安定的に供給することができ、霧化頭外周面13の洗浄効率を向上することができる。また、塗料や洗浄流体の逆流を防止することができる。
【0071】
アシストエア噴出孔21は、回転霧化頭7を構成する霧化頭本体8の拡開部8B(環状カバー9の後外周面9B)の後側位置で、シェーピングエアリング15を構成する前リング部位17のリング内周面17Bに開口している。この場合、アシストエア噴出孔21は、回転軸5の軸線O1−O1に沿うように前方に向けて開口している。さらに具体的に述べると、アシストエア噴出孔21は、周方向に多数個穿設された小孔からなり、回転軸5の軸線O1−O1に対して径方向の外側に若干(例えば20度前後)傾斜して開口している。各アシストエア噴出孔21は、例えば第1のシェーピングエア通路24に接続されている。各アシストエア噴出孔21は、環状隙間20にアシストエア(パージエア)を噴出することにより、塗料や洗浄流体が環状隙間20に逆流するのを防止することができる。しかも、各アシストエア噴出孔21は、外周面洗浄通路14から環状隙間20に流出した洗浄流体を、シェーピングエアリング15の先端に向けて円滑に案内することができる。
【0072】
ここで、各アシストエア噴出孔21を配置する場合には、外周面洗浄通路14の流出通路14C(流出開口14C1)との距離関係が重要であり、軸方向の離間寸法L2は、下記数5の値に設定されている。
【0074】
なお、
図1に示すように、内側カバー22は、ハウジング2を取囲んで設けられ、その前端部は、シェーピングエアリング15の後リング部位16に外側から嵌合されている。また、外側カバー23は、回転霧化頭型塗装機1の外周面を構成するもので、シェーピングエアリング15と内側カバー22を取囲んでいる。
【0075】
第1のシェーピングエア通路24は、第1のエア源からの圧縮エアを各第1のシェーピングエア噴出孔18に供給するものである。第1のシェーピングエア通路24は、例えばハウジング2と内側カバー22との間、シェーピングエアリング15の後リング部位16、前リング部位17に設けられている。
【0076】
第2のシェーピングエア通路25は、第2のエア源からの圧縮エアを各第2のシェーピングエア噴出孔19に供給するものである。第2のシェーピングエア通路25は、例えばハウジング2、エアモータ3とシェーピングエアリング15の後リング部位16との間、後リング部位16、前リング部位17に設けられている。
【0077】
第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装機1は上述の如き構成を有するもので、次に、この回転霧化頭型塗装機1を用いて塗装作業を行うときの動作について説明する。
【0078】
エアモータ3のエア軸受3Cに軸受エアを供給し、タービン3Bにタービンエアを供給して回転軸5を回転駆動する。これにより、回転軸5と一緒に回転霧化頭7が高速で回転する。この状態で、色替弁装置(図示せず)で選択された塗料をフィードチューブ6の内筒6A内の塗料供給通路6Cから回転霧化頭7に供給することにより、この塗料を回転霧化頭7から塗料粒子として噴霧することができる。
【0079】
この場合、回転霧化頭7は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金等の導電性を有する金属材料を用いて形成されている。そこで、塗装作業に際し、高電圧発生器から出力される負の高電圧を、フィードチューブ6、回転霧化頭7等に印加する。これにより、回転霧化頭7から噴霧された塗料粒子を、負極性に帯電させることができる。
【0080】
このように、回転霧化頭7から噴霧される塗料粒子は、高電圧発生器によって負極性に帯電しているから、この帯電塗料粒子は、アースに接続された被塗物に向けて飛行し、この被塗物に効率よく塗着することができる。
【0081】
一方、回転霧化頭7から塗料を噴霧したときには、この噴霧塗料の微粒化と噴霧パターンの整形のためにシェーピングエアリング15の各シェーピングエア噴出孔18,19からシェーピングエアを噴出している。これにより、回転霧化頭7から飛行してくる塗料の液糸にシェーピングエアを衝突させることができ、この塗料を微粒化することができる。
【0082】
次に、回転霧化頭7の霧化頭外周面13の前側部位に付着した塗料を洗浄する場合について説明する。
【0083】
まず、回転霧化頭7を高速回転させつつ、フィードチューブ6の洗浄流体供給通路6Dから洗浄流体溜り11に洗浄流体を流出する。洗浄流体溜り11内に溜められた洗浄流体は、遠心力によって外周面洗浄通路14を通って環状隙間20に流出する。一方、アシストエア噴出孔21は、環状隙間20にアシストエアを供給している。これにより、アシストエア噴出孔21から噴出されたアシストエアは、外周面洗浄通路14の流出通路14Cから環状隙間20に流出した洗浄流体を、霧化頭本体8の前外周面8Hに向けて円滑に案内することができる。この結果、霧化頭外周面13(前外周面8H)に付着した塗料を洗浄することができる。
【0084】
かくして、第1の実施の形態によれば、回転霧化頭7のカップ部位7Bの一部である霧化頭本体8の拡開部8Bには、霧化頭外周面13に開口した外周面洗浄通路14が設けられている。この外周面洗浄通路14は、フィードチューブ6から供給された洗浄流体を、回転霧化頭7とシェーピングエアリング15との間の環状隙間20に流出させるものである。この外周面洗浄通路14を構成する流出通路14Cの流出開口14C1は、シェーピングエアリング15を構成する前リング部位17の先端面17Aよりも前記環状隙間20内に向けて後退した位置に設けられる。この上で、前記流出開口14C1は、前記霧化頭外周面13に対して鋭角となる角度α1で環状隙間20に開口する構成となっている。
【0085】
これにより、外周面洗浄通路14から流出する洗浄流体の飛散を環状隙間20によって抑えることができ、洗浄流体を霧化頭外周面13に沿わせて前端側まで流通させることができる。この結果、回転霧化頭7の霧化頭外周面13に付着した塗料を短時間で確実に洗浄することができるから、手作業による洗浄作業を省略することができ、生産性、作業性を向上することができる。
【0086】
しかも、外周面洗浄通路14の流出開口14C1は、霧化頭外周面13に対して鋭角となる角度α1で環状隙間20に開口させている。これにより、外周面洗浄通路14の流出開口14C1から流出した洗浄流体は、霧化頭外周面13側にスムーズに流通させることができ、この点においても、霧化頭外周面13に付着した塗料を効率よく洗浄することができる。
【0087】
フィードチューブ6は、軸中心に位置して塗料または洗浄流体が流通する内筒6Aと、該内筒6Aの外周側に位置して該内筒6Aとの間を洗浄流体が流通する外筒6Bとにより2重管として構成している。外周面洗浄通路14の流入開口14A1は、フィードチューブ6の外筒6Bの先端部位6B1の近傍に開口する構成としている。
【0088】
従って、フィードチューブ6の内筒6Aと外筒6Bとの間から洗浄流体を流出させたときには、この洗浄流体は、外周面洗浄通路14の流入開口14A1に積極的に流入させることができる。
【0089】
回転霧化頭7の霧化頭外周面13は、シェーピングエアリング15のリング内周面17Bとの間の環状隙間20を小さな隙間寸法G2をもってほぼ一定に保つ構成としている。従って、霧化頭外周面13は、凹凸のない円滑な面、即ち、前,後方向の全域に亘って、かつ全周に亘って滑らかな円錐面として形成することができる。
【0090】
これにより、アシストエア噴出孔21から環状隙間20に噴出されるアシストエアは、環状隙間20を流れるときに凹凸や段差によって乱されることがない。このため、外周面洗浄通路14から流出した洗浄流体は、霧化頭本体8の前外周面8Hに向けて円滑に案内することができる。この結果、アシストエアによって洗浄流体を効率よく案内することができ、霧化頭外周面13に付着した塗料の洗浄性を高めることができる。
【0091】
回転霧化頭7の霧化頭本体8には、フィードチューブ6の外筒6Bの先端部位6B1と対向する位置で径方向内側に突出した環状の洗浄流体隔壁8Jと、該洗浄流体隔壁8Jよりも前側で、かつフィードチューブ6の内筒6Aの突出部位6A1を取囲んだ位置で径方向内側に突出した環状の塗料隔壁8Kと、該塗料隔壁8Kよりも前側で拡開部8Bのカップ状内周面8Lに設けられ、外周側にハブ塗料通路10Aを有するハブ部材10とが設けられている。そして、洗浄流体隔壁8Jと塗料隔壁8Kとの間には、フィードチューブ6の外筒6Bから供給された洗浄流体を溜める洗浄流体溜り11が設けられている。さらに、塗料隔壁8Kとハブ部材10との間には、フィードチューブ6の内筒6Aから供給された塗料を溜める塗料溜り12が設けられている。この上で、外周面洗浄通路14の流入開口14A1は、回転霧化頭7の洗浄流体溜り11に開口している。
【0092】
従って、フィードチューブ6の塗料供給通路6Cから供給された塗料は、塗料隔壁8Kとハブ部材10との間の塗料溜り12に溜められる。この塗料溜り12内の塗料は、該塗料溜り12からハブ部材10のハブ塗料通路10Aを通じてカップ状内周面8Lに沿って流れ、カップ状内周面8Lの先端から噴霧される。一方、フィードチューブ6の洗浄流体供給通路6Dから供給された洗浄流体は、洗浄流体隔壁8Jと塗料隔壁8Kとの間の洗浄流体溜り11に流出され、該洗浄流体溜り11では、外周面洗浄通路14に流入する。外周面洗浄通路14に流入した洗浄流体は、霧化頭外周面13に沿って流れ、この霧化頭外周面13に付着した塗料を洗浄することができる。この場合、外周面洗浄通路14の流入開口14A1は、洗浄流体溜り11に開口させているから、洗浄流体溜り11内の洗浄流体は、外周面洗浄通路14に円滑に流入することができる。
【0093】
外周面洗浄通路14の流入開口14A1は、回転軸5の軸線O1−O1と直交し、かつ径方向内向きに開口している。外周面洗浄通路14の流出開口14C1は、回転軸5の軸線O1−O1と直交し、かつ径方向外向きに開口している。さらに、シェーピングエアリング15のリング内周面17Bに対して、洗浄流体が鋭角で当たるように、流出開口14C1と霧化頭外周面13とのなす角度α1は鋭角としている。従って、外周面洗浄通路14から流出する洗浄流体は、霧化頭外周面13(前外周面8H)にスムーズに流通することができる。
【0094】
次に、
図5および
図6は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、回転霧化頭の霧化頭外周面は、円筒部位の外周側に位置する円筒面と、前記カップ部位の外周側に位置する円錐面とにより形成し、外周面洗浄通路の流出開口は、回転軸に対して前向きに傾斜した状態で円筒面に開口する傾斜開口とし、傾斜開口と霧化頭外周面の円筒面とのなす角度は鋭角としたことにある。
【0095】
なお、第2の実施の形態では、直径寸法が約30mmの回転霧化頭を用いている。この回転霧化頭以外の部材についても形状が異なるものの、それぞれの部材の機能については、第1の実施の形態で用いている部材の機能と変わるところがない。そこで、第2の実施の形態では、同様の機能を有する部材について説明を簡略化するものとする。
【0096】
図5において、第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装機31は、直接帯電式の静電塗装機として構成されている。回転霧化頭型塗装機31は、後述のハウジング32、エアモータ33、回転軸35、フィードチューブ36、回転霧化頭37、シェーピングエアリング44、アシストエア噴出孔50を含んで構成されている。
【0097】
ハウジング32は、その内部がモータ収容部32Aとなっている。モータ収容部32Aには、後部を閉塞する底板部材32Bの中央位置(後述する回転軸35の軸線O2−O2の位置)に、後述するフィードチューブ36の基端側が挿嵌される挿嵌孔32Cが設けられている。
【0098】
エアモータ33は、ハウジング32のモータ収容部32A内に軸線O2−O2と同軸に設けられている。このエアモータ33は、後述の回転軸35および回転霧化頭37を高速で回転させるもので、モータケース33A、タービン33B、エア軸受33Cを含んで構成されている。
【0099】
ベース部材34は、回転霧化頭型塗装機31の後側に配置されている。このベース部材34には、エアモータ33を収容したハウジング32が取付けられている。
【0100】
回転軸35は、エアモータ33に回転自在に支持された中空な筒体として形成されている。この回転軸35は、モータケース33A内に軸線O2−O2と同軸に軸方向に延びて配置されている。
図6に示すように、回転軸35の先端部には、回転霧化頭37を取付けるためのおねじ部35Aが形成されている。
【0101】
フィードチューブ36は、回転軸35内に設けられ、回転霧化頭37に向けて塗料または洗浄流体を供給するものである。フィードチューブ36は、基端側がハウジング32の挿嵌孔32Cに挿嵌され、先端側は、回転軸35の先端から突出して回転霧化頭37内に延在している。フィードチューブ36は、内筒36A、外筒36Bとにより2重管として構成されている。内筒36A内は、塗料または洗浄流体が流通する塗料供給通路36Cとなり、内筒36Aと外筒36Bとの間は、洗浄流体が流通する環状の洗浄流体供給通路36Dとなっている。外筒36Bの先端部位36B1には、チェック弁36Eが設けられている。内筒36Aは、外筒36Bよりも長尺に形成され、外筒36Bの先端部位36B1から突出した部分が突出部位36A1(
図6参照)となっている。
【0102】
次に、第2の実施の形態の特徴部分をなす回転霧化頭37の構成について詳細に説明する。
【0103】
回転霧化頭37は、回転軸35の先端に取付けられている。回転霧化頭37は、基端側が回転軸35の先端に取付けられる筒状の円筒部位37Aとなっている。この円筒部位37Aよりも前側は、前方に向けてカップ状に拡開したカップ部位37Bとなっている。ここで、円筒部位37Aの後側部分は、霧化頭本体38の取付部38Aによって形成されている。また、カップ部位37Bは、霧化頭本体38の拡開部38Bにより形成されている。この回転霧化頭37は、高速回転されることにより塗料等を噴霧するものである。回転霧化頭37は、後述する霧化頭本体38、ハブ部材39、外周面洗浄通路43を含んで構成されている。
【0104】
図5に示すように、回転霧化頭37の本体部分を構成する霧化頭本体38は、基端側が回転軸35の先端に取付けられる円筒状の取付部38Aとなり、前側が前方に向け拡開した円錐筒状の拡開部38Bとなっている。ここで、取付部38Aは、回転霧化頭37の円筒部位37Aを構成し、拡開部38Bは、回転霧化頭37のカップ部位37Bを構成している。
【0105】
霧化頭本体38の外周側は、拡開部38Bの後部から取付部38Aの後部に亘って長尺な円筒状の長尺円筒面38Cとなっている。この長尺円筒面38Cの前側に位置する拡開部38Bの外周側は、該長尺円筒面38Cの先端から前側に向け拡開した円錐状の円錐面38Dとなっている。前記長尺円筒面38Cには、外周面洗浄通路43の流出開口43Bが開口している。この長尺円筒面38Cと円錐面38Dとによって後述の霧化頭外周面42を形成している。
【0106】
一方、
図6に示すように、霧化頭本体38の内周面のうち、回転霧化頭37の円筒部位37Aの長さ方向の中間位置、即ち、取付部38Aの奥部位置には、めねじ部38Eが設けられている。さらに、霧化頭本体38の内周側には、円環状の洗浄流体隔壁38Fが設けられている。この洗浄流体隔壁38Fは、フィードチューブ36の外筒6Bの先端部位36B1と対向する位置で、径方向内側に突出して設けられている。また、洗浄流体隔壁38Fよりも前側で、かつ内筒36Aの突出部位36A1を取囲んだ位置には、径方向内側に突出した円環状の塗料隔壁38Gが設けられている。
【0107】
霧化頭本体38の内周側は、塗料隔壁38Gよりも前側がカップ状内周面38Hとなっている。このカップ状内周面38Hは、奥所内周面38H1と塗料薄膜化面38H2とにより形成されている。この塗料薄膜化面38H2の先端(前端)には、放出端縁38Jが設けられている。
【0108】
ハブ部材39は、霧化頭本体38の塗料隔壁38Gよりも前側でカップ状内周面38Hに設けられている。このハブ部材39の外周側には、奥所内周面38H1との間に位置して多数個のハブ塗料通路39A(2個のみ図示)が周方向に設けられている。また、ハブ部材39の中央寄り位置には、複数個のハブ洗浄流体通路39B(2個のみ図示)が設けられている。
【0109】
洗浄流体溜り40は、霧化頭本体38の洗浄流体隔壁38Fと塗料隔壁38Gとの間に設けられている。この洗浄流体溜り40は、フィードチューブ36の洗浄流体供給通路36Dから流出された洗浄流体を溜めるものである。洗浄流体溜り40には、後述の外周面洗浄通路43の流入開口43Aが連通して開口している。
【0110】
塗料溜り41は、霧化頭本体38の塗料隔壁38Gとハブ部材39との間に設けられている。この塗料溜り41は、フィードチューブ36の塗料供給通路36Cから流出された塗料を溜めるものである。
【0111】
霧化頭外周面42は、霧化頭本体38の外周面、即ち、長尺円筒面38Cと円錐面38Dとによって形成されている。この霧化頭外周面42は、後述のシェーピングエアリング44を構成する前リング部位46のリング内周面46Bとの間に形成される環状隙間49を小さな隙間をもってほぼ一定に保つ形状をなしている。
【0112】
次に、第2の実施の形態の特徴部分となる外周面洗浄通路43の構成および作用について詳細に説明する。
【0113】
外周面洗浄通路43は、霧化頭本体38の外周側に設けられた霧化頭外周面42に開口するように、回転霧化頭37の円筒部位37Aに周方向に間隔をもって複数個、例えば4個設けられている。各外周面洗浄通路43は、フィードチューブ36の塗料供給通路36Cを通じて供給される洗浄流体を、後述の環状隙間49に流出させるものである。このため、各外周面洗浄通路43は、霧化頭本体38の洗浄流体溜り40と霧化頭外周面42(環状隙間49)とを連通している。
【0114】
各外周面洗浄通路43は、回転霧化頭37の円筒部位37Aの内径側から外径側に向けて前側に傾斜した直線状の円形通路として形成されている。これにより、各外周面洗浄通路43は、内径側の流入開口43Aが洗浄流体溜り40に連通している。一方、各外周面洗浄通路43の外径側に位置する流出開口43Bは、霧化頭外周面42を形成する長尺円筒面38Cに開口し、環状隙間49に連通している。
【0115】
ここで、各外周面洗浄通路43の構成について詳細に述べる。
図6に示すように、外周面洗浄通路43の流出開口43Bは、後述するシェーピングエアリング44の先端面46Aよりも軸方向の長さ寸法L3だけ環状隙間49内に向けて後退した位置に設けられている。この流出開口43Bの後退位置を示す長さ寸法L3は、下記数6のように設定されている。
【0117】
次に、各外周面洗浄通路43の流出開口43Bは、霧化頭本体38の長尺円筒面38Cに対して鋭角となる角度α2で環状隙間49に開口している。これにより、各流出開口43Bから流出する洗浄流体は、シェーピングエアリング44のリング内周面46Bに鋭角に当たるから、洗浄流体は、霧化頭外周面42(長尺円筒面38C)に滑らかに伝えられる。なお、長尺円筒面38Cのうち、各外周面洗浄通路43よりも後側部位に対する角度α2が鋭角ということは、外周面洗浄通路43よりも前側に位置する長尺円筒面38Cに対する外周面洗浄通路43の角度β2は鈍角となる。
【0118】
この場合、角度α2は、できるだけ鋭角であることが好ましく、下記数7のように設定されている。
【0120】
さらに、各外周面洗浄通路43の流出開口43Bは、小さな円形孔として形成され、その内径寸法dは、下記数8のような値に設定されている。
【0122】
回転霧化頭37は、霧化頭外周面42の前側部位、即ち、霧化頭本体38の円錐面38Dに付着した塗料を洗浄する場合、回転霧化頭37を高速回転させつつ、フィードチューブ36の洗浄流体供給通路36Dから洗浄流体が供給される。これにより、洗浄流体は、洗浄流体溜り40、外周面洗浄通路43、長尺円筒面38Cを介して円錐面38Dに供給されるから、この洗浄流体によって円錐面38Dに付着した塗料を洗浄することができる。
【0123】
次に、シェーピングエアリング44、第1,第2のシェーピングエア噴出孔47,48について述べる。
【0124】
シェーピングエアリング44は、回転霧化頭37の外周側に配置され、回転霧化頭37から噴霧された塗料の噴霧パターンを整えるものである。シェーピングエアリング44は、エアモータ33の前側部位を囲むように該エアモータ33に取付けられた段付円筒状の後リング部位45と、回転霧化頭37を囲むように該後リング部位45の前側部位に取付けられた段付円筒状の前リング部位46と、該前リング部位46に設けられた第1のシェーピングエア噴出孔47、第2のシェーピングエア噴出孔48とを含んで構成されている。
【0125】
前リング部位46の先端面46Aは、外周面洗浄通路43の流出開口43Bよりも前側に前述した長さ寸法L3だけ突出した位置に配置されている。この先端面46Aには、第1のシェーピングエア噴出孔47と第2のシェーピングエア噴出孔48が設けられている。
【0126】
前リング部位46は、回転霧化頭37の霧化頭外周面42と隙間をもって対面するリング内周面46Bを有している。このリング内周面46Bは、回転霧化頭37の前側部位を除くほぼ全長に亘って形成されている。リング内周面46Bは、霧化頭外周面42(霧化頭本体38の長尺円筒面38C、円錐面38D)に対してほぼ一定の隙間寸法をもって対面するように形成されている。即ち、リング内周面46Bは、長尺円筒面38Cに対面する円筒面部46B1と円錐面38Dに対面する円錐面部46B2とにより形成されている。このようにして、リング内周面46Bと霧化頭外周面42との間には、後述の環状隙間49が画成されている。
【0127】
第1のシェーピングエア噴出孔47は、周方向に多数個設けられ、後述する第1のシェーピングエア通路53を介して第1のエア源(図示せず)に接続されている。
【0128】
第2のシェーピングエア噴出孔48は、周方向で各第1のシェーピングエア噴出孔47の間に位置するように、前リング部位46の先端面46Aに多数個設けられている。各第2のシェーピングエア噴出孔48は、後述する第2のシェーピングエア通路54を介して第2のエア源(図示せず)に接続されている。
【0129】
次に、回転霧化頭37の外周面とシェーピングエアリング44の内周面との間に設けられた環状隙間49と、シェーピングエアリング44に設けられたアシストエア噴出孔50について述べる。
【0130】
環状隙間49は、シェーピングエアリング44を構成する前リング部位46のリング内周面46Bと回転霧化頭37の霧化頭外周面42との間に画成されている。環状隙間49は、リング内周面46Bおよび霧化頭外周面42に沿うように、軸方向の後側が円筒状をなし、前側が前方に向けて拡開する円錐状(ラッパ状)をなした薄肉な空間として形成されている。ここで、環状隙間49の隙間寸法(空間の厚さ寸法)G3は、下記数9のような値に設定されている。
【0132】
アシストエア噴出孔50は、回転霧化頭37の円筒部位37Aの長さ方向の中間位置で、シェーピングエアリング44の前リング部位46を構成するリング内周面46Bの円筒面部46B1に開口して設けられている。アシストエア噴出孔50は、周方向に多数個穿設された小孔からなり、回転軸35の軸線O2−O2に対して径方向の内側に若干(例えば20〜40度程度)傾斜して開口している。各アシストエア噴出孔50は、例えば第1のシェーピングエア通路53に接続されている。
【0133】
ここで、各アシストエア噴出孔50を配置する場合には、外周面洗浄通路43の流出開口43Bとの距離関係が重要であり、軸方向の離間寸法L4は、第1の実施の形態による離間寸法L2とほぼ同様に、下記数10の値に設定されている。
【0135】
なお、
図5に示すように、後側カバー51は、ハウジング32を取囲んで設けられている。前側カバー52は、該後側カバー51の前側にシェーピングエアリング44を取囲んで設けられている。
【0136】
第1のシェーピングエア通路53は、第1のエア源からの圧縮エアを各第1のシェーピングエア噴出孔47に供給するものである。第2のシェーピングエア通路54は、第2のエア源からの圧縮エアを各第2のシェーピングエア噴出孔48に供給するものである。
【0137】
第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装機1は上述の如き構成を有するもので、次に、回転霧化頭37の霧化頭外周面42の前側部位(円錐面38D)に付着した塗料を洗浄する場合について説明する。
【0138】
まず、回転霧化頭37を高速回転させつつ、フィードチューブ36の洗浄流体供給通路36Dから洗浄流体溜り40に洗浄流体を流出する。洗浄流体溜り40内に溜められた洗浄流体は、遠心力によって外周面洗浄通路43を通って環状隙間49に流出する。一方、環状隙間49には、アシストエア噴出孔50からアシストエアを供給している。これにより、アシストエアは、外周面洗浄通路43から環状隙間49に流出した洗浄流体を、霧化頭本体38の円錐面38Dに向けて円滑に案内することができる。この結果、円錐面38Dに付着した塗料を効果的に洗浄することができる。
【0139】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、霧化頭本体38の霧化頭外周面42は、長尺円筒面38Cと円錐面38Dとにより形成している。この場合、外周面洗浄通路43の流出開口43Bは、回転軸35に対して前向きに傾斜した傾斜開口としている。これにより、外周面洗浄通路43の流出開口43Bは、この流出開口43Bと霧化頭本体38の長尺円筒面38Cとのなす角度α2は、鋭角としている。従って、外周面洗浄通路43の傾斜開口となる流出開口43Bから流出した洗浄流体を、長尺円筒面38Cおよび円錐面38Dにスムーズに流通させることができ、円錐面38Dに付着した塗料を短時間で確実に洗浄することができる。
【0140】
なお、第1の実施の形態では、外周面洗浄通路14を構成する流出通路14Cの流出開口14C1を、回転軸5の軸線O1−O1と直交し、かつ霧化頭外周面13に対し径方向外向きに開口させた場合を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、
図7に示す変形例のように構成してもよい。即ち、
図7に示す変形例による外周面洗浄通路61は、その流出流路61Aの流出開口61A1を、内径側から外径側に向け前側に傾斜させた状態で、霧化頭外周面13に対し径方向外向きに開口させる構成としている。このように構成したことにより、流出流路61Aの流出開口61A1と霧化頭外周面13との角度α3をより小さな鋭角とすることができる。
【0141】
第1の実施の形態では、各アシストエア噴出孔21は、第1のシェーピングエア通路24に接続した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、各アシストエア噴出孔21は、第2のシェーピングエア通路25に接続する構成としてもよい。さらに、各アシストエア噴出孔21は、各シェーピングエア通路24,25と独立した単独のエア通路と接続する構成としてもよい。これらの構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
【0142】
第1の実施の形態では、回転霧化頭型塗装機1として、回転霧化頭7に供給される塗料に高電圧を直接的に印加する直接帯電式の静電塗装機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば回転霧化頭7の外周位置に高電圧を放電する外部電極を有し、この外部電極からの放電によって回転霧化頭7から噴霧された塗料粒子に高電圧を印加する間接帯電式の静電塗装機に適用する構成としてもよい。さらに、本発明は、塗料に高電圧を印加することなく塗装を行う非静電塗装機にも適用することができる。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができる。