(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲート電極は、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との前記接合部分に沿って延伸された環状形状を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。以下の実施例1〜実施例3の構成は例示であり、実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法は実施例1〜実施例3の構成に限定されない。
【0010】
〈実施例1〉
実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法について説明する。実施例1では、半導体素子の一例であるLDMOSトランジスタを備える半導体装置1を例として説明する。
図1は、実施例1に係る半導体装置1の平面図である。
図2は、実施例1に係る半導体装置1の断面図であって、
図1の一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図3は、実施例1に係る半導体装置1の部分拡大断面図である。
図3では、半導体装置1の一部の構成要素についての図示を省略している。
【0011】
半導体装置1は、半導体基板2、素子分離絶縁膜3A、3B、n型ドリフト領域(n-drift)4、p型ボディ領域(p-body)5、ゲート絶縁膜6、ゲート電極7、フィールドプ
レート8及び保護ダイオード9を有している。
【0012】
半導体基板2は、例えば、p型のシリコン(Si)基板である。半導体基板2は、基板
の一例である。素子分離絶縁膜3Aは、LDMOSトランジスタを囲むようにして、半導体基板2内に形成されている。半導体基板2内にn型ドリフト領域4が形成され、半導体基板2内に、n型ドリフト領域4と接合してp型ボディ領域5が形成されている。p型ボディ領域5は、n型ドリフト領域4内に形成されている。n型ドリフト領域4は、第1不純物領域の一例である。p型ボディ領域5は、第2不純物領域の一例である。n型ドリフト領域4内にn型LDD(Lightly Doped Drain)領域11及びn型ドレイン領域12が
形成されている。p型ボディ領域5内にn型LDD領域11、n型ソース領域13及びp型タップ領域14が形成されている。
【0013】
ゲート電極7は、平面視で矩形状に形成されている。ゲート電極7は、n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分(境界)を跨ぐようにして、半導体基板2上に形成されている。半導体基板2とゲート電極7との間には、ゲート絶縁膜6が形成されている。素子分離絶縁膜3Bは、半導体基板2内に形成されている。素子分離絶縁膜3Bは、n型ドリフト領域4上であって、ゲート電極7とn型ドレイン領域12との間に形成されている(位置している)。素子分離絶縁膜3A及び3Bの膜厚は、ゲート絶縁膜6の膜厚よりも厚くなっている。
【0014】
フィールドプレート8は、素子分離絶縁膜3B上に形成されている。ドレイン電極(n型ドレイン領域12)に大きな電圧が印加されると、ゲート電極7には大きな電界がかかる。ゲート電極7にかかる電界を緩和するため、フィールドプレート8は、ゲート電極7とn型ドレイン領域12との間に設けられている。保護ダイオード9は、フィールドプレート8内に形成されている。したがって、保護ダイオード9は、素子分離絶縁膜3B上に形成され、ゲート電極7とn型ドレイン領域12との間に設けられている。
【0015】
図3に示すように、保護ダイオード9を、LDMOSトランジスタ領域内に設けられた素子分離絶縁膜3B上に形成することにより、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けている。LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けることにより、半導体装置1のサイズの縮小化が行われている。ゲート電極7の側面部分とフィールドプレート8の側面部分とが接続されている。すなわち、ゲート電極7とフィールドプレート8とが、一体に形成されている。したがって、ゲート電極7と保護ダイオード9とが、一体に形成されている。ゲート電極7と保護ダイオード9とを一体に形成することにより、半導体装置1のサイズの縮小化が行われている。
【0016】
n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面が、金属シリサイド層15によって覆われている。n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域が低抵抗化する。フィールドプレート8内に導電体パターン16が形成されている。ゲート電極7の上面及び導電体パターン16の上面が、金属シリサイド層15によって覆われている。ゲート電極7の上面及び導電体パターン16の上面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、ゲート電極7及び導電体パターン16が低抵抗化する。保護ダイオード9の一部の上面が、金属シリサイド層15によって覆われている。保護ダイオード9の一部の上面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、保護ダイオード9が低抵抗化する。
【0017】
ゲート電極7と保護ダイオード9とを一体に形成することにより、ゲート電極7と保護ダイオード9の一方の端部(第1端部)とが電気的に接続されている。ゲート電極7の上面部分と、保護ダイオード9の一方の端部(第1端部)の上面部分とを覆うように金属シリサイド層15が形成されている。ゲート電極7及び保護ダイオード9を金属シリサイド層15が覆うことにより、ゲート電極7と保護ダイオード9の一方の端部(第1端部)と
の接触抵抗が低下する。保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)の上面部分と、導電体パターン16の上面部分とを覆うように金属シリサイド層15が形成されている。保護ダイオード9及び導電体パターン16を金属シリサイド層15が覆うことにより、保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)と導電体パターン16との接触抵抗が低下する。
【0018】
半導体装置1は、層間絶縁膜21、導電性プラグ(ビア)22A〜22D及び配線23A〜23Cを有している。
図1では、層間絶縁膜21の図示を省略している。層間絶縁膜21は、半導体基板2の全面に形成されている。層間絶縁膜21に導電性プラグ22A〜22Dが埋め込まれている。
【0019】
導電性プラグ22Aの一方端は、n型ドレイン領域12の表面に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Aの他方端は、ドレイン電極用の配線23Aと接続されている。導電性プラグ22Bの一方端は、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Bの他方端は、ソース電極用の配線23Bと接続されている。
【0020】
導電性プラグ22Cの一方端は、ゲート電極7及び保護ダイオード9上に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Cの他方端は、ゲート電極用の配線23Cと接続されている。導電性プラグ22Dの一方端は、保護ダイオード9及び導電体パターン16上に形成された金属シリサイド層15に接続されている。導電性プラグ22Dの他方端は、ソース電極用の配線23Bと接続されている。したがって、保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)は、金属シリサイド層15、導電性プラグ22D、配線23B、導電性プラグ22B、金属シリサイド層15を経由して、ソース電極(n型ソース領域13)と電気的に接続されている。
【0021】
ゲート電極7と保護ダイオード9とが電気的に接続され、保護ダイオード9とソース電極とが電気的に接続されている。このように、ゲート電極7とソース電極とが、保護ダイオード9を介して電気的に接続されている。保護ダイオード9の耐圧を、LDMOSトランジスタの耐圧よりも低く設定することにより、サージ電圧等がLDMOSトランジスタに印加された場合、LDMOSトランジスタよりも先に保護ダイオード9がブレイクダウンする。このため、LDMOSトランジスタにサージ電圧等が印加されなくなり、LDMOSトランジスタの破壊を抑止することができる。
【0022】
実施例1では、フィールドプレート8内に導電体パターン16を形成する例を示しているが、フィールドプレート8内に導電体パターン16を形成しないようにしてもよい。例えば、保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)のサイズを大きくすることにより、フィールドプレート8内に導電体パターン16を形成しないようにしてもよい。
【0023】
《実施例1に係る半導体装置1の製造方法》
実施例1に係る半導体装置1の製造方法について説明する。
図4Aから
図18Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法の各工程を示す図である。実施例1に係る半導体装置1の製造方法では、まず、
図4A及び
図4Bに示す工程において、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)法により、半導体基板2内に素子分離絶縁膜3A及び3Bを形成する。
図4Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図4Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図4Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0024】
素子分離絶縁膜3A及び3Bの形成方法は、STI法に限定されず、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法であってもよい。素子分離絶縁膜3A及び3Bの厚さは、例えば、200nm以上400nm以下程度(例えば、300nm)である。ただ
し、素子分離絶縁膜3A及び3Bの厚さは、特に限定されず、他の値であってもよい。半導体基板2内に素子分離絶縁膜3A及び3Bを形成することにより、半導体基板2内に活性領域31が画定される。
【0025】
次に、
図5A及び
図5Bに示す工程において、例えば、熱酸化法により、半導体基板2の活性領域31にシリコン酸化膜32を形成する。シリコン酸化膜32は、犠牲酸化膜として機能する。
図5Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図5Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図5Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0026】
図5A及び
図5Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型ドリフト領域4を露出するフォトレジスト膜33を、半導体基板2上に形成する。なお、
図5Aでは、フォトレジスト膜33の図示を省略している。フォトレジスト膜33をマスクとして、例えば、燐(P)や砒素(As)等のn型不純物をイオン注入することにより、半導体基板2内にn型ドリフト領域4を形成する。n型ドリフト領域4は、素子分離絶縁膜3Bの下方領域を含む所定領域に形成される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:1.5MeV以上2.5MeV以下、注入量(ドーズ量):4.5×10
12cm
−2以上5.5×10
12cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜33を除去する。
【0027】
次いで、
図6A及び
図6Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、p型ボディ領域5を露出するフォトレジスト膜34を、半導体基板2上に形成する。
図6Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図6Aでは、フォトレジスト膜34の図示を省略している。
図6Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図6Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0028】
図6A及び
図6Bに示す工程において、フォトレジスト膜34をマスクとして、硼素(B)等のp型不純物をイオン注入することにより、n型ドリフト領域4内にp型ボディ領域5を形成する。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:150keV以上500keV以下、注入量:1.0×10
12cm
−2以上3.0×10
13cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。また、トランジスタの閾値電圧を制御するため、例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:5keV以上30keV以下、注入量:9.5×10
12cm
−2以上1.05×10
13cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜34を除去する。次に、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)中で、例えば、1050℃程度、30分間程度の熱処理を行い、n型ドリフト領域4に注入されたn型不純物及びp型ボディ領域5に注入されたp型不純物を、拡散及び活性化する。
【0029】
次いで、
図7A及び
図7Bに示す工程において、例えば、フッ化水素酸(フッ化水素水溶液)を用いたウェットエッチングを行うことにより、シリコン酸化膜32を除去する。
図7Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図7Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図7Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0030】
図7A及び
図7Bに示す工程において、熱酸化法により、n型ドリフト領域4及びp型ボディ領域5の露出面(表面)に、シリコン酸化膜を成長させることにより、ゲート絶縁膜6を形成する。ゲート絶縁膜6の膜厚は、例えば、15nm以上17nm以下である。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、半導体基板2の全面に、ポリ
シリコン膜35を堆積する。ポリシリコン膜35は、導電膜の一例である。ポリシリコン膜35の膜厚は、例えば、160nm以上200nm以下である。
【0031】
次に、
図8A及び
図8Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9が形成される領域及びn型不純物を注入しない領域を覆うように、フォトレジスト膜36を半導体基板2上に形成する。
図8Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図8Aでは、フォトレジスト膜36の図示を省略している。
図8Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図8Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0032】
図8A及び
図8Bに示す工程において、フォトレジスト膜36をマスクとして、例えば、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入することにより、ポリシリコン膜35にn型不純物領域(n++)37を形成する。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:16keV以上25keV以下、注入量:1.0×10
15cm
−2以上1.0×10
16cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜36を除去する。
【0033】
次いで、
図9A及び
図9Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、ポリシリコン膜35上にフォトレジスト膜38を形成する。
図9Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図9Aでは、フォトレジスト膜38の図示を省略している。
図9Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図9Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0034】
図9A及び
図9Bに示す工程において、フォトレジスト膜38をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、ポリシリコン膜35及びゲート絶縁膜6をパターニングする。ポリシリコン膜35がパターニングされることにより、LDMOSトランジスタのゲート電極7及びフィールドプレート8が形成される。ゲート電極7及びフィールドプレート8は、平面視で矩形状に形成されている。ゲート絶縁膜6がパターニングされることにより、ゲート電極7の直下にゲート絶縁膜6が残存する。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜38を除去する。
【0035】
次に、
図10A及び
図10Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9が形成される第1領域(p−型形成領域)を露出するフォトレジスト膜41を、半導体基板2上に形成する。
図10Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図10Aでは、フォトレジスト膜41の図示を省略している。
図10Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図10Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0036】
図10A及び
図10Bに示す工程において、フォトレジスト膜41をマスクとして、硼素等のp型不純物をイオン注入することにより、フィールドプレート8にp−型領域42を形成する。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:7.5keV以上9.0keV以下、注入量:1.0×10
13cm
−2以上1.0×10
14cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜41を除去する。
【0037】
次いで、
図11A及び
図11Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9が形成される第2領域(n+型形成領域)を露出するフォトレジスト膜43を、半導体基板2上に形成する。
図11Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図11Aでは、フォトレジスト膜43の図示を省略している。
図11Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図11Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0038】
図11A及び
図11Bに示す工程において、フォトレジスト膜43をマスクとして、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入することにより、フィールドプレート8にn+型領域44A及び44Bを形成する。例えば、砒素イオンを、加速エネルギー:30keV以上50keV以下、注入量:1.0×10
14cm
−2以上1.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。フィールドプレート8にp−型領域42、n+型領域44A及び44Bを形成することにより、p−型領域42、n+型領域44A及び44Bを有する保護ダイオード9がフィールドプレート8内に形成される。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜43を除去する。
【0039】
ここで、ゲート電極7及び保護ダイオード9について説明する。ゲート電極7は、n++型領域を有している。ゲート電極7のn++型領域は、n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分上のポリシリコン膜35にn型不純物をイオン注入することによって形成されたn型不純物領域(n++)37である。n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分上のポリシリコン膜35にn型不純物をイオン注入して、ポリシリコン膜35にn型不純物領域(n++)37を形成することにより、ゲート電極7が形成される。保護ダイオード9は、素子分離絶縁膜3B上に形成されている。保護ダイオード9は、p−型領域42、n+型領域44A及び44Bを有している。素子分離絶縁膜3B上に形成されたポリシリコン膜35にn型不純物及びp型不純物をイオン注入して、ポリシリコン膜35にp−型領域42、n+型領域44A及び44Bを形成することにより、保護ダイオード9が形成される。
【0040】
ゲート電極7のn++型領域と保護ダイオード9のn+型領域44Aとが接続している。保護ダイオード9のn+型領域44Aと保護ダイオード9のp−型領域42とが接続している。保護ダイオード9のp−型領域42と保護ダイオード9のn+型領域44Bとが接続している。ゲート電極7のn++型領域は、ゲート電極の第1の部分の一例である。保護ダイオード9のn+型領域44Aは、保護ダイオードの第2の部分の一例である。保護ダイオード9のp−型領域42は、保護ダイオードの第3の部分の一例である。保護ダイオード9のn+型領域44Bは、保護ダイオードの第4の部分の一例である。
【0041】
次に、
図12A及び
図12Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型ドリフト領域4の一部及びp型ボディ領域5の一部(活性領域31の一部)を露出するフォトレジスト膜45を、半導体基板2上に形成する。
図12Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図12Aでは、フォトレジスト膜45の図示を省略している。
図12Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図12Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0042】
図12A及び
図12Bに示す工程において、フォトレジスト膜45と、フォトレジスト膜45から露出するゲート電極7と、素子分離絶縁膜3A及び3Bと、をマスクとして、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、n型ドリフト領域4及びp型ボディ領域5内にn型LDD領域11が形成される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:10keV以上50keV以下、注入量:1.0×10
13cm
−2以上1.0×10
14cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜45を除去する。
【0043】
次いで、
図13A及び
図13Bに示す工程において、例えば、CVD法により、半導体基板2の全面に、シリコン酸化膜を堆積する。
図13Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図13Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図13Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9上にフォトレジスト膜46を形成する。なお、
図13Aでは、フォトレジスト膜46の図示を省略している。
【0044】
図13A及び
図13Bに示す工程において、フォトレジスト膜46をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、半導体基板2の全面に堆積されたシリコン酸化膜をパターニングする。半導体基板2の全面に堆積されたシリコン酸化膜がパターニングされることにより、保護ダイオード9の一部の上にシリサイドブロック層17が形成される。シリサイドブロック層17は、保護ダイオード9のn+型領域44Aと保護ダイオード9のp−型領域42との境界上及び保護ダイオード9のp−型領域42と保護ダイオード9のn+型領域44Bとの境界上に形成されている。シリサイドブロック層17は、絶縁膜の一例である。ゲート電極7及びフィールドプレート8の周辺部分(側壁部分)には、サイドウォール絶縁膜18が自己整合的に形成される。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜46を除去する。
【0045】
次に、
図14A及び
図14Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型LDD領域11を露出するフォトレジスト膜47を、半導体基板2上に形成する。
図14Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図14Aでは、フォトレジスト膜47の図示を省略している。
図14Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図14Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0046】
図14A及び
図14Bに示す工程において、フォトレジスト膜47と、フォトレジスト膜47から露出するゲート電極7と、サイドウォール絶縁膜18と、素子分離絶縁膜3A及び3Bと、をマスクとして、例えば、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、LDD領域11内にn型不純物領域48が形成され、フィールドプレート8内に導電体パターン16が形成され、ゲート電極7の一部にn型不純物が注入される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:12keV以上18keV以下、注入量:2.0×10
15cm
−2以上6.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜47を除去する。
【0047】
次いで、
図15A及び
図15Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、pボディ領域5を露出するフォトレジスト膜51を、半導体基板2上に形成する。
図15Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図15Aでは、フォトレジスト膜51の図示を省略している。
図15Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図15Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0048】
図15A及び
図15Bに示す工程において、フォトレジスト膜51と、フォトレジスト膜51から露出する素子分離絶縁膜3Aと、をマスクとして、例えば、硼素等のp型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、pボディ領域5内にp型不純物領域52が形成される。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:5keV、注入量:1.0×10
15cm
−2以上4.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜51を除去する。
【0049】
次に、
図16A及び
図16Bに示す工程において、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)中で、熱処理を行い、pボディ領域5、ゲート電極7、保護ダイオード9、n型LDD領域11及び導電体パターン16に注入された不純物を活性化する。これにより、n型ドリフト領域4内に設けられたn型LDD領域11内にn型ドレイン領域12が形成され、p型ボディ領域5内に設けられたn型LDD領域11内にn型ソース領域13が形成され、p型ボディ領域5内にp型タップ領域14が形成される。
図16Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図16Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図16Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0050】
図16A及び
図16Bに示す工程において、半導体基板2の全面に、例えば、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の金属膜を形成し、シリサイド化反応の熱処理を行う。これにより、活性領域(n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14)、ゲート電極7、保護ダイオード9及び導電体パターン16上に金属シリサイド層15が形成される。シリサイド化反応の熱処理は、例えば、520℃以上560以下で行われてもよい。保護ダイオード9の一部の上にシリサイドブロック層17が形成されているため、保護ダイオード9の上には金属シリサイド層15が形成されていない部分が存在する。すなわち、シリサイドブロック層17が形成されている部分以外の、ゲート電極7の上面及び保護ダイオード9の一部の上面に金属シリサイド層15が形成されている。例えば、ウォッシュアウト(薬液処理)により、未反応の金属膜を選択的に除去する。
【0051】
次いで、
図17A及び
図17Bに示す工程において、例えば、CVD法により、半導体基板2の全面に、例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)酸化膜等のシリコン酸化膜を堆積する。シリコン酸化膜の膜厚は、例えば、900nm程度である。CMP(Chemical Mechanical Polishing)により、シリコン酸化膜の膜厚を700nm程度まで
研磨し、半導体基板2上に層間絶縁膜21を形成する。
図17Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図17Aでは、層間絶縁膜21の図示を省略している。
図17Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図17Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0052】
図17A及び
図17Bに示す工程において、コンタクト領域に開口パターンを有するフォトレジストマスクを用いたフォトリソグラフィにより、層間絶縁膜21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。CF
4系ガスをエッチャントとして、層間絶縁膜21を異方性エッチングすることにより、層間絶縁膜21にコンタクト孔を形成する。例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。例えば、CVD法により、層間絶縁膜21のコンタクト孔に、20nm程度の膜厚のTiN(窒化チタン)膜、300nm程度の膜厚のW(タングステン)膜を堆積する。CMPにより、層間絶縁膜21上の余分なTiN膜及びW膜を除去することにより、層間絶縁膜21に導電性プラグ22A〜22Dを形成する。
【0053】
図18A及び
図18Bに示す工程において、層間絶縁膜21上に、第1のTi層、第1のTiN層、アルミニウム−銅合金層、第2のTi層及び第2のTiN層を、スパッタリングにより形成する。第1のTi層の厚さは、60nm程度である。第1のTiN層の厚さは、30nm程度である。アルミニウム−銅合金層の厚さは、350nm程度である。第2のTi層の厚さは、5nm程度である。第2のTiN層の厚さは、70nm程度である。配線領域に開口パターンを有するフォトレジストマスクを用いたフォトリソグラフィにより、層間絶縁膜21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。Cl
2系ガス、BCl
3系ガス等を用いて、第1のTi層、第1のTiN層、アルミニウム−銅合金層、第2のTi層及び第2のTiN層を異方性エッチングすることにより、層間絶縁膜21上に第1層目の配線23A〜23Cを形成する。例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
図18Aは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図18Aでは、層間絶縁膜21の図示を省略している。
図18Bは、実施例1に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図18Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0054】
配線23A〜23Cを形成した後、第2層目以降の配線層の形成等、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置1が製造される。実施例1では、nチャネル型LDMOSトランジスタを備える半導体装置1及び半導体装置1の製造方法の一例を示した。n型、p型の導電型を反転することにより、実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の
製造方法を、pチャネル型LDMOSトランジスタを備える半導体装置1及び半導体装置1の製造方法に適用してもよい。
【0055】
実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けている。LDMOSトランジスタ領域の外側に保護ダイオード9を設ける場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けることにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0056】
実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極7と保護ダイオード9とを一体に形成している。ゲート電極7と保護ダイオード9とを離間して形成する場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極7と保護ダイオード9とを一体に形成することにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0057】
実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極7と保護ダイオード9とを一体に形成して、ゲート電極7と保護ダイオード9とを電気的に接続している。そのため、ゲート電極7と保護ダイオード9とを電気的に接続するプラグや配線等を設けていない。ゲート電極7と保護ダイオード9とを電気的に接続するプラグや配線等を設ける場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極7と保護ダイオード9とを電気的に接続するプラグや配線等の形成を省くことにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0058】
〈実施例2〉
実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法について説明する。実施例2では、半導体素子の一例であるLDMOSトランジスタを備える半導体装置1を例として説明する。実施例1に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法においては、ゲート電極7を平面視で矩形状に形成する例を示した。実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法においては、ゲート電極61を平面視で環状(リング状)に形成する例を説明する。なお、実施例2において、実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
図19は、実施例2に係る半導体装置1の平面図である。
図20は、実施例2に係る半導体装置1の断面図であって、
図19の一点鎖線X−Y間の断面を示している。半導体装置1は、半導体基板2、素子分離絶縁膜3A、3B、n型ドリフト領域(n-drift)4、
p型ボディ領域(p-body)5、ゲート絶縁膜6、ゲート電極61、フィールドプレート8及び保護ダイオード9を有している。
図19及び
図20では、半導体装置1の一部の構成要素についての図示を省略している。
【0060】
ゲート電極61は、平面視で環状(リング状)に形成されている。ゲート電極61は、n型ドリフト領域4及びp型ボディ領域5を跨ぐようにして、半導体基板2上に形成されている。ゲート電極61は、n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分(境界)に沿って延伸された環状形状を有している。すなわち、ゲート電極61は、p型ボディ領域5の外周に沿って延伸され、ゲート電極61の内側の領域にp型ボディ領域5が形成されている。
【0061】
半導体基板2とゲート電極61との間には、ゲート絶縁膜6が形成されている。ゲート電極61の一部は、素子分離絶縁膜3A上に形成されている。素子分離絶縁膜3Bは、n型ドリフト領域4上であって、ゲート電極61とn型ドレイン領域12との間に形成され
ている。素子分離絶縁膜3A及び3Bの膜厚は、ゲート絶縁膜6の膜厚よりも厚くなっている。
【0062】
フィールドプレート8は、素子分離絶縁膜3B上に形成されている。ドレイン電極(n型ドレイン領域12)に大きな電圧が印加されると、ゲート電極61には大きな電界がかかる。ゲート電極61にかかる電界を緩和するため、フィールドプレート8は、ゲート電極61とn型ドレイン領域12との間に設けられている。保護ダイオード9は、フィールドプレート8内に形成されている。したがって、保護ダイオード9は、素子分離絶縁膜3B上に形成され、ゲート電極61とn型ドレイン領域12との間に設けられている。
【0063】
保護ダイオード9を、LDMOSトランジスタ領域内に設けられた素子分離絶縁膜3B上に形成することにより、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けている。LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けることにより、半導体装置1のサイズの縮小化が行われている。ゲート電極61の側面部分とフィールドプレート8の側面部分とが接続されている。すなわち、ゲート電極61及びフィールドプレート8が、一体に形成されている。したがって、ゲート電極61及び保護ダイオード9が、一体に形成されている。ゲート電極61及び保護ダイオード9を一体に形成することにより、半導体装置1のサイズの縮小化が行われている。
【0064】
《実施例2に係る半導体装置1の製造方法》
実施例2に係る半導体装置1の製造方法について説明する。
図21Aから
図31Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法の各工程を示す図である。実施例2に係る半導体装置1の製造方法において、半導体基板2の全面にポリシリコン膜35を堆積する工程までは、実施例1の
図4Aから
図7Bに示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。
【0065】
次に、
図21A及び
図21Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9が形成される領域及びn型不純物を注入しない領域を覆うように、フォトレジスト膜62を半導体基板2上に形成する。
図21Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図21Aでは、フォトレジスト膜62の図示を省略している。
図21Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図21Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0066】
図21A及び
図21Bに示す工程において、フォトレジスト膜62をマスクとして、例えば、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入することにより、ポリシリコン膜35にn型不純物領域(n++)37を形成する。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:16keV以上25keV以下、注入量:1.0×10
15cm
−2以上1.0×10
16cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜62を除去する。
【0067】
次いで、
図22A及び
図22Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、ポリシリコン膜35上にフォトレジスト膜63を形成する。
図22Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図22Aでは、フォトレジスト膜63の図示を省略している。
図22Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図22Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0068】
図22A及び
図22Bに示す工程において、フォトレジスト膜63をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、ポリシリコン膜35及びゲート絶縁膜6をパターニングする。ポリシリコン膜35がパターニングされることにより、LDMOSトランジスタのゲート電極61及びフィールドプレート8が形成される。ゲート電極61は、平面視で
環状に形成されている。フィールドプレート8は、平面視で矩形状に形成されている。ゲート絶縁膜6がパターニングされることにより、ゲート電極61の直下にゲート絶縁膜6が残存する。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜63を除去する。
【0069】
次に、
図23A及び
図23Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9が形成される第1領域(p−型形成領域)を露出するフォトレジスト膜64を、半導体基板2上に形成する。
図23Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図23Aでは、フォトレジスト膜64の図示を省略している。
図23Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図23Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0070】
図23A及び
図23Bに示す工程において、フォトレジスト膜64をマスクとして、硼素等のp型不純物をイオン注入することにより、フィールドプレート8にp−型領域42を形成する。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:7.5keV以上9.0keV以下、注入量:1.0×10
13cm
−2以上1.0×10
14cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜64を除去する。
【0071】
次いで、
図24A及び
図24Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9が形成される第2領域(n+型形成領域)を露出するフォトレジスト膜65を、半導体基板2上に形成する。
図24Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図24Aでは、フォトレジスト膜65の図示を省略している。
図24Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図24Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0072】
図24A及び
図24Bに示す工程において、フォトレジスト膜65をマスクとして、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入することにより、保護ダイオード9にn+型領域44A及び44Bを形成する。例えば、砒素イオンを、加速エネルギー:30keV以上50keV以下、注入量:1.0×10
14cm
−2以上1.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。フィールドプレート8にp−型領域42、n+型領域44A及び44Bを形成することにより、p−型領域42、n+型領域44A及び44Bを有する保護ダイオード9がフィールドプレート8内に形成される。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜65を除去する。
【0073】
ここで、ゲート電極61及び保護ダイオード9について説明する。ゲート電極61は、n++型領域を有している。ゲート電極61のn++型領域は、n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分上のポリシリコン膜35にn型不純物をイオン注入することによって形成されたn型不純物領域(n++)37である。n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分上のポリシリコン膜35にn型不純物をイオン注入して、ポリシリコン膜35にn型不純物領域(n++)37を形成することにより、ゲート電極61が形成される。保護ダイオード9は、素子分離絶縁膜3B上に形成されている。保護ダイオード9は、p−型領域42、n+型領域44A及び44Bを有している。素子分離絶縁膜3B上に形成されたポリシリコン膜35にn型不純物及びp型不純物をイオン注入して、ポリシリコン膜35にp−型領域42、n+型領域44A及び44Bを形成することにより、保護ダイオード9が形成される。
【0074】
ゲート電極61のn++型領域と保護ダイオード9のn+型領域44Aとが接続している。保護ダイオード9のn+型領域44Aと保護ダイオード9のp−型領域42とが接続している。保護ダイオード9のp−型領域42と保護ダイオード9のn+型領域44Bとが接続している。ゲート電極61のn++型領域は、ゲート電極の第1の部分の一例であ
る。保護ダイオード9のn+型領域44Aは、保護ダイオードの第2の部分の一例である。保護ダイオード9のp−型領域42は、保護ダイオードの第3の部分の一例である。保護ダイオード9のn+型領域44Bは、保護ダイオードの第4の部分の一例である。
【0075】
次に、
図25A及び
図25Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型ドリフト領域4の一部及びp型ボディ領域5の一部(活性領域31の一部)を露出するフォトレジスト膜66を、半導体基板2上に形成する。
図25Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図25Aでは、フォトレジスト膜66の図示を省略している。
図25Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図25Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0076】
図25A及び
図25Bに示す工程において、フォトレジスト膜66と、フォトレジスト膜66から露出するゲート電極61と、素子分離絶縁膜3A及び3Bと、をマスクとして、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、n型ドリフト領域4及びp型ボディ領域5内にn型LDD領域11が形成される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:10keV以上50keV以下、注入量:1.0×10
13cm
−2以上1.0×10
14cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜66を除去する。
【0077】
次いで、
図26A及び
図26Bに示す工程において、例えば、CVD法により、半導体基板2の全面に、シリコン酸化膜を堆積する。
図26Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図26Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図26Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。フォトリソグラフィにより、保護ダイオード9上にフォトレジスト膜67を形成する。なお、
図26Aでは、フォトレジスト膜67の図示を省略している。
【0078】
図26A及び
図26Bに示す工程において、フォトレジスト膜67をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、半導体基板2の全面に堆積されたシリコン酸化膜をパターニングする。半導体基板2の全面に堆積されたシリコン酸化膜がパターニングされることにより、保護ダイオード9の一部の上にシリサイドブロック層17が形成される。シリサイドブロック層17は、保護ダイオード9のn+型領域44Aと保護ダイオード9のp−型領域42との境界上及び保護ダイオード9のp−型領域42と保護ダイオード9のn+型領域44Bとの境界上に形成されている。シリサイドブロック層17は、絶縁膜の一例である。ゲート電極61及びフィールドプレート8の周辺部分(側壁部分)には、サイドウォール絶縁膜18が自己整合的に形成される。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜67を除去する。
【0079】
次に、
図27A及び
図27Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型LDD領域11を露出するフォトレジスト膜68を、半導体基板2上に形成する。
図27Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図27Aでは、フォトレジスト膜68の図示を省略している。
図27Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図27Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0080】
図27A及び
図27Bに示す工程において、フォトレジスト膜68と、フォトレジスト膜68から露出するゲート電極61と、サイドウォール絶縁膜18と、素子分離絶縁膜3A及び3Bと、をマスクとして、例えば、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、LDD領域11内にn型不純物領域48が形成され、フィールドプレート8内に導電体パターン16が形成され、ゲート電極61の一部にn型不純物が注入される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:12keV以上18keV以下、注入量:2.0×10
15cm
−2以上6.0×10
15cm
−2以下、の条件でイ
オン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜68を除去する。
【0081】
次いで、
図28A及び
図28Bに示す工程において、フォトリソグラフィにより、pボディ領域5を露出するフォトレジスト膜69を、半導体基板2上に形成する。
図28Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図28Aでは、フォトレジスト膜69の図示を省略している。
図28Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図28Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0082】
図28A及び
図28Bに示す工程において、フォトレジスト膜69と、フォトレジスト膜69から露出する素子分離絶縁膜3Aと、をマスクとして、例えば、硼素等のp型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、pボディ領域5内にp型不純物領域52が形成される。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:5keV、注入量:1.0×10
15cm
−2以上4.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜69を除去する。
【0083】
次に、
図29A及び
図29Bに示す工程において、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)中で、熱処理を行い、pボディ領域5、ゲート電極61、保護ダイオード9、n型LDD領域11及び導電体パターン16に注入された不純物を活性化する。これにより、n型ドリフト領域4内に設けられたn型LDD領域11内にn型ドレイン領域12が形成され、p型ボディ領域5内に設けられたn型LDD領域11内にn型ソース領域13が形成され、p型ボディ領域5内にp型タップ領域14が形成される。
図29Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図29Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図29Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0084】
図29A及び
図29Bに示す工程において、半導体基板2の全面に、例えば、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の金属膜を形成し、シリサイド化反応の熱処理を行う。これにより、活性領域(n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14)、ゲート電極61、保護ダイオード9及び導電体パターン16上に金属シリサイド層15が形成される。シリサイド化反応の熱処理は、例えば、520℃以上560以下で行われてもよい。保護ダイオード9の一部の上にシリサイドブロック層17が形成されているため、保護ダイオード9の上には金属シリサイド層15が形成されていない部分が存在する。すなわち、シリサイドブロック層17が形成されている部分以外の、ゲート電極61の上面及び保護ダイオード9の一部の上面に金属シリサイド層15が形成されている。例えば、ウォッシュアウト(薬液処理)により、未反応の金属膜を選択的に除去する。
【0085】
n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域が低抵抗化する。保護ダイオード9の側面には導電体パターン16が形成されている。ゲート電極61の上面及び導電体パターン16の上面が、金属シリサイド層15によって覆われている。ゲート電極61の上面及び導電体パターン16の上面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、ゲート電極61及び導電体パターン16が低抵抗化する。保護ダイオード9の一部の上面が、金属シリサイド層15によって覆われている。保護ダイオード9の一部の上面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、保護ダイオード9が低抵抗化する。
【0086】
ゲート電極61及び保護ダイオード9を一体に形成することにより、ゲート電極61と保護ダイオード9の一方の端部(第1端部)とが電気的に接続されている。ゲート電極61の上面部分と、保護ダイオード9の一方の端部(第1端部)の上面部分とを覆うように
金属シリサイド層15が形成されている。ゲート電極61及び保護ダイオード9を金属シリサイド層15が覆うことにより、ゲート電極61と保護ダイオード9の一方の端部(第1端部)との接触抵抗が低下する。保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)の上面部分と、導電体パターン16の上面部分とを覆うように金属シリサイド層15が形成されている。保護ダイオード9及び導電体パターン16を金属シリサイド層15が覆うことにより、保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)と導電体パターン16との接触抵抗が低下する。
【0087】
次いで、
図30A及び
図30Bに示す工程において、例えば、CVD法により、半導体基板2の全面に、例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)酸化膜等のシリコン酸化膜を堆積する。シリコン酸化膜の膜厚は、例えば、900nm程度である。CMP(Chemical Mechanical Polishing)により、シリコン酸化膜の膜厚を700nm程度まで
研磨し、半導体基板2上に層間絶縁膜21を形成する。
図30Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図30Aでは、層間絶縁膜21の図示を省略している。
図30Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図30Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0088】
図30A及び
図30Bに示す工程において、コンタクト領域に開口パターンを有するフォトレジストマスクを用いたフォトリソグラフィにより、層間絶縁膜21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。CF
4系ガスをエッチャントとして、層間絶縁膜21を異方性エッチングすることにより、層間絶縁膜21にコンタクト孔を形成する。例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。例えば、CVD法により、層間絶縁膜21のコンタクト孔に、20nm程度の膜厚のTiN(窒化チタン)膜、300nm程度の膜厚のW(タングステン)膜を堆積する。CMPにより、層間絶縁膜21上の余分なTiN膜及びW膜を除去することにより、層間絶縁膜21に導電性プラグ22A〜22Dを形成する。
【0089】
図31A及び
図31Bに示す工程において、層間絶縁膜21上に、第1のTi層、第1のTiN層、アルミニウム−銅合金層、第2のTi層及び第2のTiN層を、スパッタリングにより形成する。第1のTi層の厚さは、60nm程度である。第1のTiN層の厚さは、30nm程度である。アルミニウム−銅合金層の厚さは、350nm程度である。第2のTi層の厚さは、5nm程度である。第2のTiN層の厚さは、70nm程度である。配線領域に開口パターンを有するフォトレジストマスクを用いたフォトリソグラフィにより、層間絶縁膜21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。Cl
2系ガス、BCl
3系ガス等を用いて、第1のTi層、第1のTiN層、アルミニウム−銅合金層、第2のTi層及び第2のTiN層を異方性エッチングすることにより、層間絶縁膜21上に第1層目の配線23A〜23Cを形成する。例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
図31Aは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図31Aでは、層間絶縁膜21の図示を省略している。
図31Bは、実施例2に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図31Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
【0090】
導電性プラグ22Aの一方端は、n型ドレイン領域12の表面に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Aの他方端は、ドレイン電極用の配線23Aと接続されている。導電性プラグ22Bの一方端は、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Bの他方端は、ソース電極用の配線23Bと接続されている。
【0091】
導電性プラグ22Cの一方端は、ゲート電極61及び保護ダイオード9上に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Cの他方端は、ゲート電極用
の配線23Cと接続されている。導電性プラグ22Dの一方端は、保護ダイオード9及び導電体パターン16上に形成された金属シリサイド層15に接続されている。導電性プラグ22Dの他方端は、ソース電極用の配線23Bと接続されている。したがって、保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)は、金属シリサイド層15、導電性プラグ22D、配線23B、導電性プラグ22B、金属シリサイド層15を経由して、ソース電極(n型ソース領域13)と電気的に接続されている。
【0092】
ゲート電極61と保護ダイオード9とが電気的に接続され、保護ダイオード9とソース電極とが電気的に接続されている。このように、ゲート電極61とソース電極とが、保護ダイオード9を介して電気的に接続されている。保護ダイオード9の耐圧を、LDMOSトランジスタの耐圧よりも低く設定することにより、サージ電圧等がLDMOSトランジスタに印加された場合、LDMOSトランジスタよりも先に保護ダイオード9がブレイクダウンする。このため、LDMOSトランジスタにサージ電圧等が印加されなくなり、LDMOSトランジスタの破壊を抑止することができる。
【0093】
配線23A〜23Cを形成した後、第2層目以降の配線層の形成等、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置1が製造される。実施例2では、nチャネル型LDMOSトランジスタを備える半導体装置1及び半導体装置1の製造方法の一例を示した。n型、p型の導電型を反転することにより、実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法を、pチャネル型LDMOSトランジスタを備える半導体装置1及び半導体装置1の製造方法に適用してもよい。
【0094】
実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けている。LDMOSトランジスタ領域の外側に保護ダイオード9を設ける場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード9を設けることにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0095】
実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極61及び保護ダイオード9を一体に形成している。ゲート電極61と保護ダイオード9とを離間して形成する場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極61と保護ダイオード9とを一体に形成することにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0096】
実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極61と保護ダイオード9とを一体に形成して、ゲート電極61と保護ダイオード9とを電気的に接続している。そのため、ゲート電極61と保護ダイオード9とを電気的に接続するプラグや配線等を設けていない。ゲート電極61と保護ダイオード9とを電気的に接続するプラグや配線等を設ける場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極61と保護ダイオード9とを電気的に接続するプラグや配線等の形成を省くことにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0097】
実施例2では、フィールドプレート8内に導電体パターン16を形成する例を示しているが、フィールドプレート8内に導電体パターン16を形成しないようにしてもよい。例えば、保護ダイオード9の他方の端部(第2端部)のサイズを大きくすることにより、フィールドプレート8内に導電体パターン16を形成しないようにしてもよい。
【0098】
〈実施例3〉
実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法について説明する。実施例3
では、半導体素子の一例であるLDMOSトランジスタを備える半導体装置1を例として説明する。実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法においては、保護ダイオード73の幅を短くする例を説明する。なお、実施例3において、実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
図32は、実施例3に係る半導体装置1の平面図である。
図33は、実施例3に係る半導体装置1の断面図であって、
図32の一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図34は、実施例3に係る半導体装置1の断面図であって、
図32の一点鎖線XX−YY間の断面を示している。半導体装置1は、半導体基板2、素子分離絶縁膜3A、3B、n型ドリフト領域(n-drift)4、p型ボディ領域(p-body)5、ゲート絶縁膜6、ゲート電極71
、フィールドプレート72及び保護ダイオード73を有している。
図32から
図34では、半導体装置1の一部の構成要素についての図示を省略している。
【0100】
ゲート電極71は、平面視で矩形状に形成されている。ゲート電極71は、n型ドリフト領域4及びp型ボディ領域5を跨ぐようにして、半導体基板2上に形成されている。半導体基板2とゲート電極71との間には、ゲート絶縁膜6が形成されている。素子分離絶縁膜3Bは、n型ドリフト領域4上であって、ゲート電極71とn型ドレイン領域12との間に形成されている。素子分離絶縁膜3A及び3Bの膜厚は、ゲート絶縁膜6の膜厚よりも厚くなっている。
【0101】
フィールドプレート72は、素子分離絶縁膜3B上に形成されている。ドレイン電極(n型ドレイン領域12)に大きな電圧が印加されると、ゲート電極71には大きな電界がかかる。ゲート電極71にかかる電界を緩和するため、フィールドプレート72は、ゲート電極71とn型ドレイン領域12との間に設けられている。
【0102】
フィールドプレート72は、フィールドプレート72をフィールドプレート72Aとフィールドプレート72Bとに分ける切欠き74を有している。すなわち、フィールドプレート72に切欠き74を設けることにより、フィールドプレート72は、フィールドプレート72A及び72Bに分けられている。フィールドプレート72Aの切欠き74は、フィールドプレート72Aとフィールドプレート72Bとに挟まれて位置している。フィールドプレート72Aは、第1フィールドプレート部分の一例である。フィールドプレート72Bは、第2フィールドプレート部分の一例である。フィールドプレート72B内に保護ダイオード73が形成されている。フィールドプレート72Bの幅は、フィールドプレート72Aの幅よりも短くなっている。フィールドプレート72B内に保護ダイオード73を形成することにより、保護ダイオード73の幅が短くなり、保護ダイオード73のリーク電流が抑制される。例えば、保護ダイオード73の幅は、実施例1及び実施例2に示す保護ダイオード9の幅よりも短くなっている。
【0103】
保護ダイオード73を、LDMOSトランジスタ領域内に設けられた素子分離絶縁膜3B上に形成することにより、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード73を設けている。LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード73を設けることにより、半導体装置1のサイズの縮小化が行われている。
【0104】
ゲート電極71の側面部分の一部とフィールドプレート72Aの側面部分の一部とが接続されている。すなわち、ゲート電極71とフィールドプレート72Aとが、一体に形成されている。ゲート電極71の側面部分の一部とフィールドプレート72Bの側面部分の一部とが接続されている。すなわち、ゲート電極71とフィールドプレート72Bとが、一体に形成されている。したがって、ゲート電極71及び保護ダイオード73が、一体的に形成されている。ゲート電極71と保護ダイオード73とを一体に形成することにより、半導体装置1のサイズの縮小化が行われている。
【0105】
《実施例3に係る半導体装置1の製造方法》
実施例3に係る半導体装置1の製造方法について説明する。
図35Aから
図45Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法の各工程を示す図である。実施例3に係る半導体装置1の製造方法において、半導体基板2の全面にポリシリコン膜35を堆積する工程までは、実施例1の
図4Aから
図7Bに示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。
【0106】
次に、
図35A、
図35B及び
図35Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード73が形成される領域及びn型不純物を注入しない領域を覆うように、フォトレジスト膜81を半導体基板2上に形成する。
図35Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図35Aでは、フォトレジスト膜81の図示を省略している。
図35Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図35Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図35Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図35Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0107】
図35A、
図35B及び
図35Cに示す工程において、フォトレジスト膜81をマスクとして、例えば、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入することにより、ポリシリコン膜35にn型不純物領域(n++)37を形成する。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:16keV以上25keV以下、注入量:1.0×10
15cm
−2以上1.0×10
16cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜81を除去する。
【0108】
次いで、
図36A、
図36B及び
図36Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、ポリシリコン膜35上にフォトレジスト膜82を形成する。
図36Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図36Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図36Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図36Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図36Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0109】
図36A、
図36B及び
図36Cに示す工程において、フォトレジスト膜82をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、ポリシリコン膜35及びゲート絶縁膜6をパターニングする。ポリシリコン膜35がパターニングされることにより、LDMOSトランジスタのゲート電極71及びフィールドプレート72が形成される。ゲート電極71は、平面視で矩形状に形成されている。フィールドプレート72には、切欠き74が設けられている。フィールドプレート72に切欠き74を設けることにより、フィールドプレート72は、フィールドプレート72A及び72Bに分けられている。ゲート絶縁膜6がパターニングされることにより、ゲート電極71の直下にゲート絶縁膜6が残存する。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜82を除去する。
【0110】
次に、
図37A、
図37B及び
図37Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード73が形成される第1領域(p−型形成領域)を露出するフォトレジスト膜83を、半導体基板2上に形成する。
図37Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図37Aでは、フォトレジスト膜83の図示を省略している。
図37Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図37Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図37Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図37Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0111】
図37A、
図37B及び
図37Cに示す工程において、フォトレジスト膜83をマスク
として、硼素等のp型不純物をイオン注入することにより、フィールドプレート72Bにp−型領域42を形成する。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:7.5keV以上9.0keV以下、注入量:1.0×10
13cm
−2以上1.0×10
14cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜83を除去する。
【0112】
次いで、
図38A、
図38B及び
図38Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、保護ダイオード73が形成される第2領域(n+型形成領域)を露出するフォトレジスト膜84を、半導体基板2上に形成する。
図38Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図38Aでは、フォトレジスト膜84の図示を省略している。
図38Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図38Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図38Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図38Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0113】
図38A、
図38B及び
図38Cに示す工程において、フォトレジスト膜84をマスクとして、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入することにより、フィールドプレート72Bにn+型領域44A及び44Bを形成する。例えば、砒素イオンを、加速エネルギー:30keV以上50keV以下、注入量:1.0×10
14cm
−2以上1.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。フィールドプレート72Bにp−型領域42、n+型領域44A及び44Bを形成することにより、p−型領域42、n+型領域44A及び44Bを有する保護ダイオード73がフィールドプレート72B内に形成される。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜84を除去する。
【0114】
ここで、ゲート電極71及び保護ダイオード73について説明する。ゲート電極71は、n++型領域を有している。ゲート電極71のn++型領域は、n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分上のポリシリコン膜35にn型不純物をイオン注入することによって形成されたn型不純物領域(n++)37である。n型ドリフト領域4とp型ボディ領域5との接合部分上のポリシリコン膜35にn型不純物をイオン注入して、ポリシリコン膜35にn型不純物領域(n++)37を形成することにより、ゲート電極71が形成される。保護ダイオード73は、素子分離絶縁膜3A上に形成されている。保護ダイオード73は、p−型領域42、n+型領域44A及び44Bを有している。素子分離絶縁膜3A上に形成されたポリシリコン膜35にn型不純物及びp型不純物をイオン注入して、ポリシリコン膜35にp−型領域42、n+型領域44A及び44Bを形成することにより、保護ダイオード73が形成される。
【0115】
ゲート電極71のn++型領域と保護ダイオード73のn+型領域44Aとが接続している。保護ダイオード73のn+型領域44Aと保護ダイオード73のp−型領域42とが接続している。保護ダイオード73のp−型領域42と保護ダイオード73のn+型領域44Bとが接続している。ゲート電極71のn++型領域は、ゲート電極の第1の部分の一例である。保護ダイオード73のn+型領域44Aは、保護ダイオードの第2の部分の一例である。保護ダイオード73のp−型領域42は、保護ダイオードの第3の部分の一例である。保護ダイオード73のn+型領域44Bは、保護ダイオードの第4の部分の一例である。
【0116】
次に、
図39A、
図39B及び
図39Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型ドリフト領域4の一部及びp型ボディ領域5の一部(活性領域31の一部)を露出するフォトレジスト膜85を、半導体基板2上に形成する。
図39Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図39Aでは、フォトレジスト膜85の図示を省略している。
図39Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図
であって、
図39Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図39Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図39Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0117】
図39A、
図39B及び
図39Cに示す工程において、フォトレジスト膜85と、フォトレジスト膜85から露出するゲート電極71と、素子分離絶縁膜3A及び3Bと、をマスクとして、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、n型ドリフト領域4及びp型ボディ領域5内にn型LDD領域11が形成される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:10keV以上50keV以下、注入量:1.0×10
13cm
−2以上1.0×10
14cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜85を除去する。
【0118】
次いで、
図40A、
図40B及び
図40Cに示す工程において、例えば、CVD法により、半導体基板2の全面に、シリコン酸化膜を堆積する。
図40Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図40Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図40Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図40Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図40Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。フォトリソグラフィにより、保護ダイオード73上にフォトレジスト膜86を形成する。なお、
図40Aでは、フォトレジスト膜86の図示を省略している。
【0119】
図40A、
図40B及び
図40Cに示す工程において、フォトレジスト膜86をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、半導体基板2の全面に堆積されたシリコン酸化膜をパターニングする。半導体基板2の全面に堆積されたシリコン酸化膜がパターニングされることにより、保護ダイオード73の一部の上にシリサイドブロック層17が形成される。シリサイドブロック層17は、保護ダイオード73のn+型領域44Aと保護ダイオード73のp−型領域42との境界上及び保護ダイオード73のp−型領域42と保護ダイオード73のn+型領域44Bとの境界上に形成されている。シリサイドブロック層17は、絶縁膜の一例である。ゲート電極71及びフィールドプレート72(72A、72B)の周辺部分(側壁部分)には、サイドウォール絶縁膜18が自己整合的に形成される。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜86を除去する。
【0120】
次に、
図41A、
図41B及び
図41Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、n型LDD領域11を露出するフォトレジスト膜87を、半導体基板2上に形成する。
図41Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図41Aでは、フォトレジスト膜87の図示を省略している。
図41Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図41Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図41Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図41Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0121】
図41A〜
図41Cに示す工程において、フォトレジスト膜87と、フォトレジスト膜87から露出するゲート電極71と、サイドウォール絶縁膜18と、素子分離絶縁膜3A及び3Bと、シリサイドブロック層17と、をマスクとして、例えば、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、LDD領域11内にn型不純物領域48が形成され、フィールドプレート72B内に導電体パターン75及び76が形成され、ゲート電極71及びフィールドプレート72Aにn型不純物が注入される。例えば、燐イオンを、加速エネルギー:12keV以上18keV以下、注入量:2.0×10
15cm
−2以上6.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜87を除去する。
【0122】
次いで、
図42A、
図42B及び
図42Cに示す工程において、フォトリソグラフィにより、pボディ領域5を露出するフォトレジスト膜88を、半導体基板2上に形成する。
図42Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図42Aでは、フォトレジスト膜88の図示を省略している。
図42Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図42Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図42Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図42Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0123】
図42A、
図42B及び
図42Cに示す工程において、フォトレジスト膜88と、フォトレジスト膜88から露出する素子分離絶縁膜3Aと、をマスクとして、例えば、硼素等のp型不純物をイオン注入する。イオン注入が行われることにより、pボディ領域5内にp型不純物領域52が形成される。例えば、硼素イオンを、加速エネルギー:5keV、注入量:1.0×10
15cm
−2以上4.0×10
15cm
−2以下、の条件でイオン注入してもよい。その後、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜88を除去する。
【0124】
次に、
図43A、
図43B及び
図43Cに示す工程において、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)中で、熱処理を行い、pボディ領域5、n型LDD領域11、ゲート電極71、保護ダイオード73、導電体パターン75及び76に注入された不純物を活性化する。これにより、n型ドリフト領域4内に設けられたn型LDD領域11内にn型ドレイン領域12が形成され、p型ボディ領域5内に設けられたn型LDD領域11内にn型ソース領域13が形成され、p型ボディ領域5内にp型タップ領域14が形成される。
図43Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図43Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図43Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図43Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図43Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。n型ドレイン領域12及びn型ソース領域13は、平面視でゲート電極71及びフィールドプレート72Aを所定方向(第1の方向)に挟んで位置している。
図43Aでは図示を省略しているが、フィールドプレート72の切欠き74は、平面視で所定方向(第1の方向)と直交する方向(第2の方向)において、フィールドプレート72Aとフィールドプレート72Bとに挟まれて位置している。
【0125】
図43A、
図43B及び
図43Cに示す工程において、半導体基板2の全面に、例えば、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の金属膜を形成し、シリサイド化反応の熱処理を行う。これにより、活性領域(n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14)、ゲート電極71、導電体パターン75及び76上に金属シリサイド層15が形成される。シリサイド化反応の熱処理は、例えば、520℃以上560以下で行われてもよい。保護ダイオード73上にシリサイドブロック層17が形成されているため、保護ダイオード73上には金属シリサイド層15が形成されていない。すなわち、シリサイドブロック層17が形成されている部分以外の、ゲート電極71の上面及び保護ダイオード73の上面に金属シリサイド層15が形成されている。例えば、ウォッシュアウト(薬液処理)により、未反応の金属膜を選択的に除去する。
【0126】
n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、n型ドレイン領域12、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域が低抵抗化する。保護ダイオード73の側面には導電体パターン75及び76が形成されている。ゲート電極71の上面、導電体パターン75及び76の上面が、金属シリサイド層15によって覆われている。ゲート電極71の上面、導電体パターン75及び76の上面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、ゲート電極71、導電体パターン75及び76が低抵抗化する。保護ダイ
オード73の一部の上面が、金属シリサイド層15によって覆われている。保護ダイオード73の一部の上面が、金属シリサイド層15によって覆われることにより、保護ダイオード73が低抵抗化する。
【0127】
ゲート電極71と保護ダイオード73とを一体に形成することにより、ゲート電極71と保護ダイオード73の一方の端部(第1端部)とが電気的に接続されている。すなわち、ゲート電極71と保護ダイオード73とが、導電体パターン75を介して電気的に接続されている。ゲート電極71の上面部分と、導電体パターン75の上面部分とを覆うように金属シリサイド層15が形成されている。ゲート電極71及び導電体パターン75を金属シリサイド層15が覆うことにより、ゲート電極71と導電体パターン75との接触抵抗が低下する。また、保護ダイオード73の一方の端部(第1端部)の上面部分を金属シリサイド層15が覆うようにしてもよい。保護ダイオード73及び導電体パターン75を金属シリサイド層15が覆うことにより、保護ダイオード73と導電体パターン75との接触抵抗が低下する。
【0128】
次いで、
図44A、
図44B及び
図44Cに示す工程において、例えば、CVD法により、半導体基板2の全面に、例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)酸化膜等のシリコン酸化膜を堆積する。シリコン酸化膜の膜厚は、例えば、900nm程度である。CMP(Chemical Mechanical Polishing)により、シリコン酸化膜の膜厚を700n
m程度まで研磨し、半導体基板2上に層間絶縁膜21を形成する。
図44Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図44Aでは、層間絶縁膜21の図示を省略している。
図44Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図44Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図44Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図44Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0129】
図44A、
図44B及び
図44Cに示す工程において、コンタクト領域に開口パターンを有するフォトレジストマスクを用いたフォトリソグラフィにより、層間絶縁膜21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。CF
4系ガスをエッチャントとして、層間絶縁膜21を異方性エッチングすることにより、層間絶縁膜21にコンタクト孔を形成する。例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。例えば、CVD法により、層間絶縁膜21のコンタクト孔に、20nm程度の膜厚のTiN(窒化チタン)膜、300nm程度の膜厚のW(タングステン)膜を堆積する。CMPにより、層間絶縁膜21上の余分なTiN膜及びW膜を除去することにより、層間絶縁膜21に導電性プラグ22A〜22Dを形成する。
【0130】
図45A、
図45B及び
図45Cに示す工程において、層間絶縁膜21上に、第1のTi層、第1のTiN層、アルミニウム−銅合金層、第2のTi層及び第2のTiN層を、スパッタリングにより形成する。第1のTi層の厚さは、60nm程度である。第1のTiN層の厚さは、30nm程度である。アルミニウム−銅合金層の厚さは、350nm程度である。第2のTi層の厚さは、5nm程度である。第2のTiN層の厚さは、70nm程度である。配線領域に開口パターンを有するフォトレジストマスクを用いたフォトリソグラフィにより、層間絶縁膜21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。Cl
2系ガス、BCl
3系ガス等を用いて、第1のTi層、第1のTiN層、アルミニウム−銅合金層、第2のTi層及び第2のTiN層を異方性エッチングすることにより、層間絶縁膜21上に第1層目の配線23A〜23Cを形成する。例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
図45Aは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す平面図である。
図45Aでは、層間絶縁膜21の図示を省略している。
図45Bは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図であって、
図45Aの一点鎖線X−Y間の断面を示している。
図45Cは、実施例3に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図
であって、
図45Aの一点鎖線XX−YY間の断面を示している。
【0131】
導電性プラグ22Aの一方端は、n型ドレイン領域12の表面に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Aの他方端は、ドレイン電極用の配線23Aと接続されている。導電性プラグ22Bの一方端は、n型ソース領域13及びp型タップ領域14の各領域の表面に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Bの他方端は、ソース電極用の配線23Bと接続されている。
【0132】
導電性プラグ22Cの一方端は、ゲート電極71上に形成された金属シリサイド層15と接続されている。導電性プラグ22Cの他方端は、ゲート電極用の配線23Cと接続されている。導電性プラグ22Dの一方端は、導電体パターン76上に形成された金属シリサイド層15に接続されている。導電性プラグ22Dの他方端は、ソース電極用の配線23Bと接続されている。したがって、保護ダイオード73の他方の端部(第2端部)は、導電体パターン76、金属シリサイド層15、導電性プラグ22D、配線23B、導電性プラグ22B、金属シリサイド層15を経由して、ソース電極(n型ソース領域13)と電気的に接続されている。
【0133】
導電体パターン75を介してゲート電極71と保護ダイオード73とが電気的に接続され、導電体パターン76を介して保護ダイオード73とソース電極とが電気的に接続されている。このように、ゲート電極71とソース電極とが、保護ダイオード73を介して電気的に接続されている。保護ダイオード73の耐圧を、LDMOSトランジスタの耐圧よりも低く設定することにより、サージ電圧等がLDMOSトランジスタに印加された場合、LDMOSトランジスタよりも先に保護ダイオード73がブレイクダウンする。このため、LDMOSトランジスタにサージ電圧等が印加されなくなり、LDMOSトランジスタの破壊を抑止することができる。
【0134】
配線23A〜23Cを形成した後、第2層目以降の配線層の形成等、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置1が製造される。実施例3では、nチャネル型LDMOSトランジスタを備える半導体装置1及び半導体装置1の製造方法の一例を示した。n型、p型の導電型を反転することにより、実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法を、pチャネル型LDMOSトランジスタを備える半導体装置1及び半導体装置1の製造方法に適用してもよい。
【0135】
実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード73を設けている。LDMOSトランジスタ領域の外側に保護ダイオード73を設ける場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、LDMOSトランジスタ領域内に保護ダイオード73を設けることにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0136】
実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極71と保護ダイオード73とを一体に形成している。ゲート電極71と保護ダイオード73とを離間して形成する場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極71と保護ダイオード73とを一体に形成することにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0137】
実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極71と保護ダイオード73とを一体に形成して、ゲート電極71と保護ダイオード73とを電気的に接続している。そのため、ゲート電極71と保護ダイオード73とを電気的に接続するプラグや配線等を設けていない。ゲート電極71と保護ダイオード73とを電気的に接続するプラグや配線等を設ける場合、半導体装置1のサイズが大きくなる。実施例3に係
る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極71と保護ダイオード73とを電気的に接続するプラグや配線等の形成を省くことにより、半導体装置1のサイズを縮小することができる。
【0138】
実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、ゲート電極71とフィールドプレート72Aとを一体に形成することにより、ゲート電極71に印加する電圧と同電位の電圧がフィールドプレート72Aに印加される。これにより、フィールドプレート72Aの下方の半導体基板2に空乏層が広がり、半導体装置1の耐圧が向上する。実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、半導体装置1の耐圧を向上する効果と、ゲート電極71と保護ダイオード73とを一体に形成することによる半導体装置1のサイズの縮小化という効果とを併存することが容易となる。
【0139】
実施例3では、フィールドプレート72B内に導電体パターン75を形成する例を示しているが、フィールドプレート72B内に導電体パターン75を形成しないようにしてもよい。例えば、保護ダイオード73の一方の端部(第1端部)のサイズを大きくすることにより、フィールドプレート72B内に導電体パターン75を形成しないようにしてもよい。この場合、ゲート電極71と、保護ダイオード73の一方の端部(第1端部)とが接続され、保護ダイオード73の一方の端部(第1端部)の上面部分を覆うように金属シリサイド層15が形成される。例えば、保護ダイオード73の他方の端部(第2端部)のサイズを大きくすることにより、フィールドプレート72B内に導電体パターン76を形成しないようにしてもよい。この場合、保護ダイオード73の他方の端部(第2端部)の上面部分を覆うように金属シリサイド層15が形成される。
【0140】
実施例2に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法と、実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法とを組み合わせてもよい。すなわち、実施例2に係る半導体装置1が有するゲート電極61のように、ゲート電極71を平面視で環状形状(リング状)に形成してもよい。
【0141】
〈比較例〉
図46は、比較例に係る半導体装置1の平面図である。
図47は、比較例に係る半導体装置101の断面図であって、
図46の一点鎖線X−Y間の断面を示している。比較例に係る半導体装置101は、保護ダイオード102を、LDMOSトランジスタ領域の外側に設けられた素子分離絶縁膜3A上に形成することにより、LDMOSトランジスタ領域の外側に保護ダイオード102を設けている。比較例に係る半導体装置101では、LDMOSトランジスタ領域の外側(保護ダイオード領域)に保護ダイオード102が設けられているため、半導体装置101のサイズの縮小化が行われていない。
図46に示す半導体装置101のサイズLtr×Wtrは、13.0μm×20.0μmであり、保護ダイオード102のサイズLdi×Wdiは、2.5μm×20.0μmである。実施例1から実施例3に係る半導体装置1及び半導体装置1の製造方法によれば、比較例に係る半導体装置101に比べて、半導体装置1のサイズをおよそ16%縮小することができる。
【0142】
以上の実施例1から実施例3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板と、
前記基板内に形成された第1不純物領域と、
前記第1不純物領域と反対の導電型を有し、前記第1不純物領域と接合して前記基板内に形成された第2不純物領域と、
前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との接合部分を跨ぐようにして前記基板上に形成されたゲート電極と、
前記第1不純物領域上に形成された保護ダイオードと、
を備え、
前記ゲート電極と前記保護ダイオードとが一体に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【0143】
(付記2)
前記基板内であって前記第1不純物領域上に形成された素子分離絶縁膜と、
前記素子分離絶縁膜上に、前記ゲート電極と接続して形成されたフィールドプレートと、
を備え、
前記保護ダイオードは、前記フィールドプレート内に形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
【0144】
(付記3)
前記フィールドプレートは、前記フィールドプレートを第1フィールドプレート部分と第2フィールドプレート部分とに分ける切欠きを有し、
前記保護ダイオードは、前記第2フィールドプレート部分内に形成されていることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
【0145】
(付記4)
前記ゲート電極は、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との前記接合部分に沿って延伸された環状形状を有することを特徴とする付記1から3の何れか一項に記載の半導体装置。
【0146】
(付記5)
前記ゲート電極は、第1の導電型を有する第1の部分を有し、
前記保護ダイオードは、前記第1の導電型を有し前記第1の部分と接続する第2の部分と、前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し前記第2の部分と接続する第3の部分と、前記第1の導電型を有し前記第3の部分と接続する第4の部分と、を有することを特徴とする付記1からの4の何れか一項に記載の半導体装置。
【0147】
(付記6)
少なくとも前記保護ダイオードの前記第2の部分と前記第3の部分との境界上及び前記第3の部分と前記第4の部分との境界上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜が形成された部分以外の、前記ゲート電極の上面及び前記保護ダイオードの一部の上面に形成された金属シリサイド層と、
を備えることを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
【0148】
(付記7)
前記基板に、平面視で前記ゲート電極及び前記第1フィールドプレート部分を第1の方向に挟んで位置するソース・ドレイン領域を有し、
前記切欠きは、平面視で前記第1の方向と直交する第2の方向に、前記第1フィールドプレート部分及び前記第2フィールドプレート部分とに挟まれて位置することを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
【0149】
(付記8)
基板に第1不純物領域を形成する工程と、
前記基板に、前記第1不純物領域と反対の導電型を有し、前記第1不純物領域と接合する第2不純物領域を形成する工程と、
ゲート電極を、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との接合部分を跨ぐようにして前記基板上に形成する工程と、
前記第1不純物領域上に保護ダイオードを形成する工程と、
を備え、
前記ゲート電極と前記保護ダイオードとが一体に形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0150】
(付記9)
前記基板に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記基板上に導電膜を形成する工程と、
を備え、
前記素子分離絶縁膜は、前記第1不純物領域上に位置し、
前記ゲート電極を形成する工程は、前記接合部分上の導電膜に不純物を注入して第1の導電型を有する第1の部分を形成する工程を有し、
前記保護ダイオードを形成する工程は、前記素子分離絶縁膜上の前記導電膜に不純物を注入して前記第1の導電型を有する第2の部分及び第4の部分を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜上の前記導電膜に不純物を注入して前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する第3の部分を形成する工程と、を有し、
前記第1の部分は、前記第2の部分と接続し、前記第3の部分は、前記第2の部分及び第4の部分と接続することを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
【0151】
(付記10)
前記ゲート電極及び前記保護ダイオードを形成する工程の後、前記第2の部分と前記第3部分との境界及び前記第3の部分と前記第4の部分との境界を覆う絶縁膜を形成する工程と、
少なくとも前記絶縁膜が形成されている部分を除いて、前記ゲート電極の上面と、前記保護ダイオードの一部の上面とを覆うように金属シリサイド層を形成する工程と、
を備える付記9に記載の半導体装置の製造方法。
【0152】
(付記11)
前記ゲート電極を形成する工程は、前記素子分離絶縁膜上に、前記ゲート電極と接続されるフィールドプレートを形成する工程を有し、
前記フィールドプレートは、前記フィールドプレートを第1フィールドプレート部分と第2フィールドプレート部分とに分ける切欠きを有し、
前記保護ダイオードは、前記第2フィールドプレート部分内に形成されていることを特徴とする付記8から10の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0153】
(付記12)
前記ゲート電極は、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との前記接合部分に沿って延伸された環状形状を有することを特徴とする付記8から11の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。