(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
媒体に液体を噴射する液体噴射部と、該液体噴射部に供給する前記液体を収容可能であり、前記液体を内部に注入可能な液体注入口を有する液体収容部と、該液体収容部と前記液体噴射部とを接続する流路とを備えた液体噴射装置であって、
前記液体噴射部と前記液体収容部とは前記液体噴射装置の外装を構成する筐体の内部に配置され、
前記液体噴射部は、主走査方向に沿って印刷領域内で往復移動可能に構成され、
前記媒体は前記主走査方向と交差する方向に搬送され、
前記液体収容部は、前記媒体の搬送方向の前記印刷領域より下流側となる位置で、且つ、前記主走査方向において前記媒体の搬送領域を挟んだ一方側に位置する第1空間域と、他方側に位置する第2空間域とにそれぞれ配置された第1の液体収容部と第2の液体収容部とを含み、
前記第1の液体収容部は前記第2の液体収容部より容積が大きくなるように形成されており、
前記第2空間域には前記第1空間域に配置された前記第1の液体収容部より多い数の前記第2の液体収容部が配置され、
前記第2の液体収容部は前記主走査方向に並列して配置される
ことを特徴とする液体噴射装置。
前記筺体は前記媒体の排出口を有し、該排出口側を前記液体噴射装置の正面側とするとき、前記液体収容部の前記液体注入口は前記正面側寄りに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のプリンターにおいては、プリンターの外装を構成する筐体の外部に各色のインクを収容可能な複数のインクタンクが装着されている。これらのインクタンクは、筐体における媒体の搬送領域を挟んだ一方側のみに密集して装着されている。そのため、プリンターの重心が筐体における媒体の搬送領域を挟んだ一方側に偏るため、重量バランスを保った安定した姿勢でプリンターを搬送させにくいという問題があった。
【0005】
なお、こうした課題は、インクタンクを筐体の内部に収容する場合にも、全てのインクタンクが筐体内に密集して配置されると、プリンターの重心が筐体内における媒体の搬送領域を挟んだ一方側に偏る点では概ね共通するものとなっていた。
【0006】
また、こうした課題は、液体噴射部から噴射される液体を収容可能な液体収容部を備えた液体噴射装置においては概ね共通するものとなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、重量バランスを保った安定した姿勢で容易に搬送することができる液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に液体を噴射する液体噴射部と、該液体噴射部に供給する前記液体を収容する液体収容部と、該液体収容部と前記液体噴射部とを接続する流路とを備えた液体噴射装置であって、前記液体収容部は、前記液体を注入可能とする液体注入口が鉛直方向上側に形成された第1の液体収容部と第2の液体収容部とを含んで構成され、前記媒体の搬送領域を挟んだ一方側及び他方側に前記第1の液体収容部及び前記第2の液体収容部がそれぞれ配置されている。
【0008】
上記構成によれば、媒体の搬送領域を挟んだ両側に第1の液体収容部及び第2の液体収容部が分散して配置される。そのため、液体噴射装置の重心が媒体の搬送領域を挟んだ片側に偏ることが抑制されるため、重量バランスを保った安定した姿勢で液体噴射装置を容易に搬送することができる。
【0009】
上記液体噴射装置において、前記第1の液体収容部は、前記第2の液体収容部よりも前記液体を収容可能な容量が大きいことが好ましい。
上記構成によれば、媒体の搬送領域を挟んだ両側に第1の液体収容部及び第2の液体収
容部が分散して配置されるため、第2の液体収容部の占有スペースに影響を及ぼすことを抑制しつつ、第1の液体収容部の容量を大きくすることができる。
【0010】
上記液体噴射装置において、前記液体収容部は、前記第2の液体収容部を複数含んで構成され、複数の前記第2の液体収容部は、前記媒体の搬送方向に沿って並列して配置されている。
【0011】
上記構成によれば、相対的に容量の大きい第1の液体収容部が媒体の搬送領域を挟んだ一方側に配置されるとともに、相対的に容量の小さい第2の液体収容部が媒体の搬送領域を挟んだ他方側に複数配置される。そのため、液体噴射装置の重心が媒体の搬送領域を挟んだ片側に偏ることが更に抑制されるため、重量バランスを保った安定した姿勢で液体噴射装置を更に容易に搬送することができる。また、第2の液体収容部は媒体の搬送方向に沿って並列して配置されるため、媒体の搬送方向に沿う方向から見たときの液体噴射装置の横幅の増大を抑制することができる。
【0012】
上記液体噴射装置において、前記液体収容部は、前記第2の液体収容部を複数含んで構成され、複数の前記第2の液体収容部は、前記媒体の搬送方向と交差する方向に並列して配置されていることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、第2の液体収容部が媒体の搬送方向と交差する方向に並列して配置される。そのため、液体噴射装置における媒体の排出口側から液体注入口を通じて第2の液体収容部への液体の注入を容易に行うことができる。特に、媒体が液体噴射装置の正面側から排出される場合には、液体噴射装置の正面側から第2の液体収容部への液体の注入を容易に行うことができる。
【0014】
上記液体噴射装置において、前記第1の液体収容部は、その長手方向が前記媒体の搬送方向に沿うように配置されており、前記液体収容部は、前記第2の液体収容部を複数含んで構成され、複数の前記第2の液体収容部のうち、一部の前記第2の液体収容部は前記媒体の搬送領域を挟んだ一方側における前記第1の液体収容部と前記媒体の搬送領域との間に配置されるとともに、他の少なくとも一部の前記第2の液体収容部は前記媒体の搬送領域を挟んだ他方側に配置されていることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、複数の第2の液体収容部が媒体の搬送領域を挟んだ両側に分散して配置される。そのため、第2の液体収容部が媒体の搬送領域を挟んだ片側のみに配置される場合と比較して、第2の液体収容部の個数を増大させる場合であっても、増大させる第2の液体収容部の占有スペースを大きく確保することができる。したがって、第2の液体収容部の液体注入口の大きさを十分に確保することができるため、第2の液体収容部への液体の注入を液体注入口を通じて容易に行うことができる。また、第1の液体収容部は、その長手方向が媒体の搬送方向に沿うように配置されるため、媒体の搬送方向に沿う方向から見たときの液体噴射装置の横幅の増大を抑制することができる。
【0016】
上記液体噴射装置において、複数の前記第2の液体収容部には、それらの並列方向に沿う側面に対して内部の前記液体の状態を視認可能な視認部が設けられていることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、第2の液体収容部への液体の注入具合を視認部を通じて一方向から視認できるため、第2の液体収容部への液体の注入動作を容易に行うことができる。また、第2の液体収容部が媒体の搬送方向と交差する方向に並列して配置されるとともに、その並列方向に沿う側面に視認部が設けられた場合には、液体噴射装置における媒体の排出口側から視認部を通じて複数の第2の液体収容部の液体の消費具合を一目で確認できる。
特に、媒体が液体噴射装置の正面側から排出される場合には、液体噴射装置の正面側から視認部を通じて複数の第2の液体収容部の液体の消費具合を一目で確認できる。
【0018】
上記液体噴射装置において、前記第1の液体収容部には、外方に向いた側面のうち最大の面積を有する側面に対して内部の前記液体の状態を視認可能な視認部が設けられていることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、第1の液体収容部は、視認部の大きさを十分に確保することができる。そのため、第1の液体収容部への液体の注入具合を視認部を通じて容易に視認することができるため、第1の液体収容部への液体の注入動作を容易に行うことができる。
【0020】
上記液体噴射装置において、前記第1の液体収容部に接続される前記流路の断面積は、前記第2の液体収容部に接続される前記流路の断面積よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、使用量の多い液体を収容する第1の液体収容部に接続される流路の断面積が相対的に大きくなっている。そのため、使用量の多い液体が第1の液体収容部から液体噴射部に流動する際の流路抵抗が小さくなることにより、かかる液体を液体噴射部に円滑に供給することができる。
【0021】
上記液体噴射装置において、前記液体収容部における前記媒体の搬送方向に向いた側面には、前記流路を開閉するためのバルブユニットが配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、液体収容部に接続される流路を開閉するためのバルブユニットが液体噴射装置における媒体の排出口側に配置されるため、バルブユニットを容易に操作することができる。特に、媒体が液体噴射装置の正面側から排出される場合には、液体噴射装置の正面側からバルブユニットを容易に操作することができる。
【0022】
上記液体噴射装置において、前記第1の液体収容部は前記液体として黒インクを収容し、前記第2の液体収容部は前記液体として黒を除く他の色のインクを収容することが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、媒体の搬送領域を挟んだ一方側及び他方側に、黒インクを収容する第1の液体収容部と、他の色のインクを収容する第2の液体収容部とがそれぞれ配置される。そのため、液体噴射装置の重心が媒体の搬送領域を挟んだ片側に偏ることが抑制されるため、重量バランスを保った安定した姿勢で液体噴射装置を容易に搬送することができる。また、黒を除く他の色のインクを収容する第2の液体収容部を、黒インクを収容する第1の液体収容部とは媒体の搬送領域を挟んで反対側に配置することにより、使用量の多い黒インクを収容する第1の液体収容部の容量を大きくしたとしても、第2の液体収容部の占有スペースが減少しにくい。したがって、第2の液体収容部における液体注入口の大きさを十分に確保することができるため、第2の液体収容部への液体の注入動作を容易に行うことができる。
【0024】
上記液体噴射装置において、前記液体収容部は、前記液体噴射装置の外装を構成する筐体の内部に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、筐体内における媒体の搬送領域を挟んだ両側に、第1の液体収容部と第2の液体収容部とが分散して配置される。そのため、筐体の内部という限られた空間内において第1の液体収容部の容量を第2の液体収容部の容量よりも大きくしたとしても、筐体内における第2の液体収容部の占有スペースが減少しにくい。したがって、第2の液体収容部における液体注入口の大きさを十分に確保することができるため、第2の液体収容部への液体の注入動作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、液体噴射装置をインクジェット式のプリンターに具体化した第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態のプリンター10の外装を構成する筐体11は、略直方体状をなしており、その一側面にはプリンター10の各種の操作を行うための操作パネル12が配置されている。また、筐体11の一側面における操作パネル12の下方には排出口13が開口している。さらに、筐体11における排出口13の下方には、伸縮式の排紙トレイ14が収容されている。
【0028】
なお、本実施形態においては、筐体11の排出口13が開口した一側面をプリンター10の前面とする一方、その反対側の側面を後面として、後側から前側へ向かう方向を搬送方向Xとして図示する。また、搬送方向Xと交差する重力方向を下方向とする一方、反重力方向を上方向として、上方向及び下方向に沿う方向を上下方向Yとして図示する。さらに、搬送方向X及び上下方向Yと交差する方向を主走査方向Zとして図示する。
【0029】
筐体11の上側後部には、回動式の給紙トレイ15と、筐体11内のメンテナンスを行う場合などに開閉される蓋部16とが開閉可能に取り付けられている。また、筐体11内には、筐体11の長手方向である主走査方向Zに延びるガイド軸17が架設されている。また、ガイド軸17には主走査方向Zに沿って移動可能な状態でキャリッジ18が支持されている。キャリッジ18は、図示しないキャリッジモーターの駆動に伴って、主走査方向Zに沿って往復移動する。
【0030】
キャリッジ18の下面側には、媒体の一例としての用紙Sに対して液体の一例としてのインクを噴射する液体噴射部の一例としての液体噴射ヘッド20が支持されている。そして、キャリッジ18と一体となって移動する液体噴射ヘッド20から用紙Sに対してインクを噴射させることにより、用紙Sに対して印刷が行われる。
【0031】
なお、筐体11は、キャリッジ18の主走査方向Zに沿う移動領域を囲むような態様となっている。また、移動領域のうち、主走査方向Zにおける両端側を除く中央付近は、用紙Sに対して印刷を行う印刷領域R1となっている。そして、筐体11内には、主走査方向Zにおいて印刷領域R1を挟んだ一方側及び他方側に、液体噴射ヘッド20のメンテナンスを行うための機構(図示略)と、液体噴射ヘッド20から空吐出されたインクを受容するための機構(図示略)とがそれぞれ配置されている。
【0032】
また、筐体11内における印刷領域R1よりも用紙Sの搬送方向Xの下流側となる位置は、印刷領域R1において印刷が行われた用紙Sが搬送される搬送領域R2となっている。そして、筐体11内には、主走査方向Zにおいて搬送領域R2を挟んだ一方側(
図1では左側)及び他方側(
図1では右側)となる位置に第1空間域S1及び第2空間域S2がデッドスペースとしてそれぞれ形成されている。
【0033】
両空間域S1,S2には、各色のインク(本実施形態では、黒インク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y))を収容する直方体状をなす液体収容部の一例としてのインクタンク30A,30B,30C,30Dが配置されている。具体的には、第1空間域S1には、黒インクを収容する第1の液体収容部の一例としてのインクタンク30Aと、シアンインクを収容する第
1の液体収容部の一例としてのインクタンク30Bとが用紙Sの搬送方向Xに沿う筐体11の奥行方向に並列して配置されている。一方、第2空間域S2には、マゼンタインク及びイエローインクをそれぞれ収容する第2の液体収容部の一例としてのインクタンク30C及びインクタンク30Dが用紙Sの搬送方向Xに沿う筐体11の奥行き方向に並列して配置されている。
【0034】
すなわち、筐体11内における主走査方向Zにおいて搬送領域R2を挟んだ一方側には、第1の液体収容部の一例としてのインクタンク30Aが配置されている。また、筐体11内における主走査方向Zにおいて搬送領域R2を挟んだ一方側には、第2の液体収容部の一例としての複数のインクタンク30B〜30Dのうち、一部のインクタンク30Bも配置されている。一方、筐体11内における主走査方向Zにおいて搬送領域R2を挟んだ他方側には、第2の液体収容部の一例としてのインクタンク30B〜30Dのうち、他の全てのインクタンク30C,30Dが配置されている。
【0035】
各インクタンク30A〜30Dの上面には、インクタンク30A〜30D内にインクを注入可能とする液体注入口の一例としてのインク注入口31と、インクタンク30A〜30D内に空気を取り入れて大気開放するための大気開放口32とが形成されている。なお、各インクタンク30A〜30Dは、その長手方向を筐体11の奥行き方向と一致させるとともに、その厚み方向を主走査方向Zと一致させた状態で配置されている。また、黒インクを収容するインクタンク30Aの長手方向の寸法は他のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの長手方向の寸法よりも大きい。そのため、黒インクを収容するインクタンク30Aの容積は他のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの容積よりも大きい。
【0036】
そして、各インクタンク30A〜30Dに収容されたインクは、可撓性を有する流路の一例としてのチューブ34A,34B,34C,34Dを介して液体噴射ヘッド20へ供給される。この場合、黒インクを収容するインクタンク30Aに接続されたチューブ34Aの太さは、黒を除く他の色のインクを収容するインクタンク30B〜30Dに接続されたチューブ34B〜34Dの太さよりも太い。そのため、黒インクを収容するインクタンク30Aに接続されたチューブ34Aの流路断面積は、黒を除く他の色のインクを収容するインクタンク30B〜30Dに接続されたチューブ34B〜34Dの流路断面積よりも大きい。
【0037】
次に、上記のように構成されたプリンター10の作用について説明する。
さて、本実施形態では、各色のインクを収容するインクタンク30A〜30Dは、筐体11内のうち主走査方向Zにおいて搬送領域R2を挟んだ両側に位置する第1空間域S1及び第2空間域S2にインクタンク30A,30B及びインクタンク30C,30Dが分散して配置されている。そのため、筐体11内における第1空間域S1及び第2空間域S2の一方のみに全てのインクタンク30A〜30Dが配置される場合と比較して、プリンター10の重心位置がインクタンク30A〜30Dの重量によって主走査方向Zの片側に偏ることが抑制される。そのため、筐体11の長手方向を水平方向と一致させることにより重量バランスを保った安定した姿勢でプリンター10を容易に搬送することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、筐体11内にデッドスペースとして形成された第1空間域S1及び第2空間域S2にインクタンク30A,30B及びインクタンク30C,30Dが分散して配置されている。そのため、筐体11内における第1空間域S1及び第2空間域S2の一方のみに全てのインクタンク30A〜30Dが配置される場合と比較して、筐体11内における限られたスペースにインクタンク30A〜30Dが効率よく配置される。そ
の結果、筐体11を大型化することなく、筐体11内におけるインクタンク30A〜30Dの設置スペースが十分に確保される。そのため、インクタンク30A〜30Dの大きさが制約され難いため、インクタンク30A〜30Dのインク注入口31の大きさが十分に確保される。
【0039】
上記第1の実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)用紙Sの搬送領域R2を挟んだ両側にインクタンク30A,30B及びインクタンク30C,30Dが分散して配置される。そのため、プリンター10の重心が用紙Sの搬送領域R2を挟んだ片側に偏ることが抑制されるため、重量バランスを保った安定した姿勢でプリンター10を容易に搬送することができる。また、インクタンク30C,30Dの占有スペースに影響を及ぼすことを抑制しつつ、インクタンク30Aの容量を大きくすることができる。
【0040】
(2)相対的に容量の大きいインクタンク30Aが用紙Sの搬送領域R2を挟んだ一方側に配置されるとともに、相対的に容量の小さいインクタンク30C,30Dが用紙Sの搬送領域R2を挟んだ他方側に複数配置される。そのため、プリンター10の重心が用紙Sの搬送領域R2を挟んだ片側に偏ることが更に抑制されるため、重量バランスを保った安定した姿勢でプリンター10を更に容易に搬送することができる。
【0041】
(3)インクタンク30A〜30Dは用紙Sの搬送方向Xに沿って並列して配置されるため、用紙Sの搬送方向Xに沿う方向となるプリンター10の正面から見たときのプリンター10の横幅の増大を抑制することができる。
【0042】
(4)黒を除く他の色のインクを収容するインクタンク30B及びインクタンク30C,30Dが用紙Sの搬送領域R2を挟んだ両側に分散して配置される。そのため、インクタンク30B〜30Dが用紙Sの搬送領域R2を挟んだ片側のみに配置される場合と比較して、黒を除く他の色のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの個数を増大させる場合であっても、増大させるインクタンク30B〜30Dの占有スペースを大きく確保することができる。したがって、インクタンク30B〜30Dのインク注入口31の大きさを十分に確保することができるため、インクタンク30B〜30Dへのインクの注入をインク注入口31を通じて容易に行うことができる。
【0043】
(5)インクタンク30Aは、その長手方向が用紙Sの搬送方向Xに沿うように配置される。そのため、用紙Sの搬送方向に沿う方向となるプリンター10の正面から見たときのプリンター10の横幅の増大を抑制することができる。
【0044】
(6)使用量の多い黒インクを収容するインクタンク30Aに接続されるチューブ34Aの流路断面積が、黒を除く他の色のインクを収容するインクタンク30B〜30Dに接続されるチューブ34B〜34Dの流路断面積よりも大きくなっている。そのため、使用量の多い黒インクがインクタンク30Aからチューブ34Aを通じて液体噴射ヘッド20に流動する際の流路抵抗が小さくなることにより、黒インクを液体噴射ヘッド20に円滑に供給することができる。
【0045】
(7)筐体11内における用紙Sの搬送領域R2を挟んだ両側に、インクタンク30A,30Bとインクタンク30C,30Dとが分散して配置される。そのため、筐体11の内部という限られた空間内においてインクタンク30Aの容量をインクタンク30C,30Dの容量よりも大きくしたとしても、筐体11内におけるインクタンク30C,30Dの占有スペースが減少しにくい。したがって、インクタンク30C,30Dにおけるインク注入口31の大きさを十分に確保することができるため、インクタンク30C,30Dへのインクの注入動作を容易に行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、インクタンク30A〜30Dが主走査方向Zに並列して配置される点が第1の実施形態と異なる。そのため、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略する。
【0046】
図2に示すように、筐体11内の各空間域S1,S2には、各色のインクを収容するインクタンク30A〜30Dが筐体11の長手方向となる主走査方向Zに並列して配置されている。具体的には、第1空間域S1には、黒インクを収容するインクタンク30Aが配置されている。一方、第2空間域S2には、シアンインク、マゼンダインク及びイエローインクをそれぞれ収容するインクタンク30B、インクタンク30C及びインクタンク30Dが主走査方向Zにおいて搬送領域R2側から順に配置されている。すなわち、第2の液体収容部の一例としてのインクタンク30B〜30Dは、筐体11内においてインクタンク30Aに対して用紙Sの搬送領域R2を挟んだ反対側に配置されている。
【0047】
なお、各インクタンク30A〜30Dは、その長手方向を筐体11の奥行き方向と一致させると共に、その厚み方向を主走査方向Zと一致させた状態で配置されている。また、黒インクを収容するインクタンク30Aの厚み方向の寸法は他のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの厚み方向の寸法よりも大きい。そのため、黒インクを収容するインクタンク30Aの容積は他のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの容積よりも大きい。
【0048】
上記第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果(1)、(2)、(4)〜(7)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(8)インクタンク30A〜30Dが用紙Sの搬送方向と交差する方向に並列して配置される。そのため、プリンター10における用紙Sの排出口13側となるプリンター10の正面側からインク注入口31を通じてインクタンク30A〜30Dへのインクの注入を容易に行うことができる。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、インクタンク30A〜30Dが筐体11の外部に装着される点が第1の実施形態と異なる。そのため、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略する。
【0050】
図3に示すように、筐体11における主走査方向Zの一方側(
図3では左側)及び他方側(
図3では右側)の外側面には、上側が開口した箱体状をなすタンクケース40及びタンクケース41がそれぞれ固定されている。
【0051】
タンクケース40には、黒インク及びシアンインクをそれぞれ収容するインクタンク30A及びインクタンク30Bが用紙Sの搬送方向Xに沿う筐体11の奥行き方向に並列した状態で装着されている。また、タンクケース40におけるインクタンク30A,30Bの並列方向に沿う外側面には、タンクケース40の内外を連通する矩形状の窓部42が形成されている。窓部42は、インクタンク30A及びインクタンク30Bに個別に対応するようにして、タンクケース40の外側面のうちインクタンク30A,30Bの並列方向に距離を隔てた二箇所に形成されている。
【0052】
一方、タンクケース41には、マゼンダインク及びイエローインクをそれぞれ収容するインクタンク30C及びインクタンク30Dが用紙Sの搬送方向Xに沿う筐体11の奥行き方向において並列した状態で装着されている。また、タンクケース41におけるインク
タンク30C,30Dの並列方向に沿う外側面には、タンクケース41の内外を連通する矩形状の窓部(図示略)が形成されている。この窓部は、インクタンク30C及びインクタンク30Dに個別に対応するようにして、タンクケース41の外側面のうちインクタンク30C,30Dの並列方向に距離を隔てた二箇所に形成されている。
【0053】
なお、各インクタンク30A〜30Dは、その長手方向を筐体11の奥行き方向と一致させるとともに、その厚み方向を主走査方向Zと一致させた状態でタンクケース40,41に装着されている。また、各インクタンク30A〜30Dは、透明又は半透明の樹脂によって構成されている。そのため、インクタンク30A〜30Dがタンクケース40,41に装着された状態において、インクタンク30A〜30D内に収容されたインクの状態を筐体11の外側からタンクケース40,41の窓部42を介して視認することが可能となっている。すなわち、第1の液体収容部の一例としてのインクタンク30Aは、外方を向いた側面のうち最大の面積を有する筐体11の奥行き方向に沿う視認部の一例としての側面44を通じて内部のインクの状態を視認可能となっている。また、第2の液体収容部の一例としてのインクタンク30B〜30Dは、それらの並列方向に沿う筐体11の奥行き方向に沿う視認部の一例としての側面45(
図3ではインクタンク30Bの側面のみ図示)を通じて内部のインクの状態を視認可能となっている。
【0054】
また、各タンクケース40,41における筐体11の奥行き方向に沿う外側面のうち窓部42が形成されていない面部位となる下隅部には、バルブユニット46(
図3ではタンクケース40に設けられたバルブユニットのみ図示)が設けられている。バルブユニット46は、バルブレバー47の手動操作に伴ってチューブ34A〜34Dを開閉することにより、インクタンク30A〜30Dから液体噴射ヘッド20へのチューブ34A〜34Dを通じたインクの流通状態を切り替えることが可能となっている。
【0055】
また、各インクタンク30A〜30Dの上面には筒部48が形成されており、この筒部48における上端の開口がインク注入口31となっている。筒部48は、その下端から上端に向けて開口面積が次第に大きくなるロート状をなしている。具体的には、筒部48における筐体11側の外周部分は上下方向Yに垂直に延びる一方で、筒部48における筐体11とは反対側の外周部分はその下端から上端に向けて筐体11の外側面から遠ざかるように傾斜している。そのため、筒部48の上端に形成されたインク注入口31は、インクタンク30A〜30Dの上面に筒部48が形成されない場合や筒部48が上下方向Yに直線状に延びる場合と比較して、筐体11の外側面に対して主走査方向Zに大きく距離を隔てて開口している。
【0056】
そして、本実施形態では、各色のインクを収容するインクタンク30A〜30Dは、筐体11における主走査方向Zの両側の外側面に固定されたタンクケース40,41に分散して装着されている。そのため、筐体11における主走査方向Zの片側の外側面に固定されたタンクケースのみに全てのインクタンク30A〜30Dが装着される場合と比較して、プリンター10の重心位置がインクタンク30A〜30Dの重量によって主走査方向Zの片側に偏ることが抑制される。そのため、筐体11の長手方向を水平方向と一致させることにより重量バランスを保った安定した姿勢でプリンター10を容易に搬送することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、筐体11における主走査方向Zの片側の外側面に固定されたタンクケースのみに全てのインクタンク30A〜30Dが装着される場合と比較して、筐体11の奥行き方向における寸法が限られた筐体11の外側面に対してインクタンク30A〜30Dが効率よく装着される。その結果、筐体11を大型化することなく、筐体11に対するインクタンク30A〜30Dの装着スペースが十分に確保される。そのため、インクタンク30A〜30Dの大きさが制約され難いため、インクタンク30A〜30Dのイ
ンク注入口31の大きさが十分に確保される。
【0058】
上記第3の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果(1)〜(6)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(9)インクタンク30C,30Dは、それらの並列方向に沿う側面を通じて内部のインクの状態を視認可能となっている。そのため、インクタンク30C,30Dへのインクの注入具合を一方向から視認できるため、インクタンク30C,30Dへのインクの注入動作を容易に行うことができる。
【0059】
(10)インクタンク30Aは、外方に向いた側面のうち最大の面積を有する側面44を通じて内部のインクの状態を視認可能となっている。そのため、インクタンク30Aは、視認部となる側面44の大きさを十分に確保することができる。したがって、インクタンク30Aへのインクの注入具合を容易に視認することができるため、インクタンク30Aへのインクの注入動作を容易に行うことができる。
【0060】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態は、インクタンク30A〜30Dが主走査方向Zに並列して配置される点が第3の実施形態と異なる。そのため、以下の説明においては、第3の実施形態と相違する構成について主に説明し、第3の実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略する。
【0061】
図4に示すように、タンクケース40には、シアンインク及び黒インクをそれぞれ収容するインクタンク30B及びインクタンク30Aが主走査方向Zにおいて筐体11側から順に並列した状態で装着されている。また、タンクケース40における筐体11の奥行き方向に沿う外側面には、タンクケース40の内外を連通する矩形状の窓部50が形成されている。窓部50は、タンクケース40の外側面の略全域に亘って開口している。
【0062】
タンクケース40におけるインクタンク30A,30Bの並列方向に沿う外側面となる前面には、タンクケース40の内外を連通する矩形状の窓部51が形成されている。窓部51は、インクタンク30A及びインクタンク30Bに個別に対応するようにして、タンクケース40の前面のうち主走査方向Zに距離を隔てた二箇所に形成されている。
【0063】
タンクケース40の前面のうち主走査方向Zにおいて筐体11とは反対側の下隅部には、バルブユニット52が設けられている。すなわち、バルブユニット52は、タンクケース40における用紙Sの搬送方向Xに向いた側面である前面に配置されている。また、バルブユニット52のバルブレバー53は、タンクケース40の前面のうちインクタンク30A寄りの面部位に設けられている。
【0064】
一方、タンクケース41には、マゼンダインク及びイエローインクをそれぞれ収容するインクタンク30C及びインクタンク30Dが主走査方向Zにおいて筐体11側から順に並列した状態で装着されている。また、タンクケース41における筐体11の奥行き方向に沿う外側面には、タンクケース41の内外を連通する矩形状の窓部(図示略)が形成されている。窓部は、タンクケース41の外側面の略全域に亘って開口している。また、タンクケース41の外側面のうち窓部が形成されていない下隅部には、バルブユニット54が設けられている。
【0065】
タンクケース41におけるインクタンク30C,30Dの並列方向に沿う外側面となる前面には、タンクケース41の内外を連通する矩形状の窓部55が形成されている。窓部55は、タンクケース41の前面の略全域に亘って開口している。そのため、インクタンク30C及びインクタンク30Dがタンクケース41に装着された状態において、双方の
インクタンク30C,30D内に収容されたインクの状態を筐体11の外側からタンクケース41の窓部55を介して視認することが可能となっている。すなわち、第2の液体収容部の一例としてのインクタンク30C,30Dは、それらの並列方向に沿う視認部の一例としての前面56,57を通じて内部のインクの状態を視認可能となっている。
【0066】
なお、各インクタンク30A〜30Dは、その長手方向を筐体11の奥行き方向と一致させると共に、その厚み方向を主走査方向Zと一致させた状態でタンクケース40,41に装着されている。また、黒インクを収容するインクタンク30Aの厚み方向の寸法は他のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの厚み方向の寸法よりも大きい。そのため、黒インクを収容するインクタンク30Aの容積は他のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの容積よりも大きい。
【0067】
上記第4の実施形態によれば、上記各実施形態の効果(1)、(2)、(4)〜(6)、(8)〜(10)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(11)インクタンク30C,30Dが用紙Sの搬送方向Xと交差する方向に並列して配置されるとともに、その並列方向に沿う前面56を通じて内部のインクの状態を視認可能となっている。そのため、プリンター10における用紙Sの排出口13側となるプリンター10の正面側から複数のインクタンク30C,30Dのインクの状態を一目で確認できる。
【0068】
(12)タンクケース40における用紙Sの搬送方向Xに向いた前面に、バルブユニット52が配置されている。そのため、インクタンク30A,30Bに接続されるチューブ34A,34Bを開閉するためのバルブユニット52がプリンター10における用紙Sの排出口13側となるプリンター10の正面側に配置されるため、バルブユニット52を容易に操作することができる。
【0069】
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記第4の実施形態において、バルブユニット52は、タンクケース40における用紙Sの搬送方向Xに沿う側面に配置されてもよい。
【0070】
・上記各実施形態において、インクタンク30Aに接続されるチューブ34Aの流路断面積と、インクタンク30B〜30Dに接続されるチューブ34B〜34Dの流路断面積とが互いに等しくてもよいし、チューブ34Aの流路断面積がチューブ34Bの流路断面積よりも小さくてもよい。
【0071】
・上記第3の実施形態において、タンクケース40における用紙Sの搬送方向Xに沿う側面に窓部42を設けることなく、タンクケース40における用紙Sの搬送方向Xに向いた前面に窓部を設けてもよい。この場合、インクタンク30Aは、外方に向いた側面のうち最大の面積を有さない側面である前面を通じて内部のインクの状態を視認可能に構成される。
【0072】
・上記第4の実施形態において、タンクケース40における用紙Sの搬送方向Xに沿う側面に窓部50を設けない構成としてもよい。この場合、インクタンク30Aは、外方に向いた側面のうち最大の面積を有さない側面である前面を通じて内部のインクの状態を視認可能に構成される。
【0073】
・上記第3及び第4の実施形態において、インクタンク30A〜30Dは、例えば非透明の材料によって構成されることにより、内部のインクの状態を視認できない構成であってもよい。また、タンクケース40,41に窓部42,50,51,55を設けない構成とすることにより、インクタンク30A〜30Dの内部のインクの状態を視認できない構
成であってもよい。
【0074】
・上記第2の実施形態において、シアンインクを収容するインクタンク30Bが筐体11内の第1空間域S1に配置されてもよい。この場合、インクタンク30Bは、主走査方向Zにおいてインクタンク30Aを挟んで搬送領域R2とは反対側に配置されてもよい。また、インクタンク30Bは、主走査方向Zにおいてインクタンク30Aよりも搬送領域R2側に配置されてもよい。この構成では、第2の液体収容部の一例としての複数のインクタンク30B〜30Dのうち、一部のインクタンク30Bは、筐体11内における用紙Sの搬送領域R2を挟んだ一方側での第1の液体収容部の一例としてのインクタンク30Aと用紙Sの搬送領域R2との間に配置される。一方、第2の液体収容部の一例としてのインクタンク30B〜30Dのうち、他の全てのインクタンク30C,30Dは、筐体11内における用紙Sの搬送領域R2を挟んだ他方側に配置される。
【0075】
・上記第2の実施形態において、インクタンク30A〜30Dは、筐体11の外部に装着されてもよい。
・上記第4の実施形態において、インクタンク30Bは、主走査方向Zにおいてインクタンク30Aを挟んで用紙Sの搬送領域R2とは反対側に配置されてもよい。
【0076】
・上記第1、第3及び第4の実施形態において、黒を除く他の色のインクを収容する全てのインクタンクが、主走査方向Zにおいて用紙Sの搬送領域R2を挟んで黒インクを収容するインクタンクとは反対側に配置されてもよい。この場合、黒を除く他の色のインクを収容するインクタンクの数は、2つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0077】
・上記第2の実施形態において、主走査方向Zにおいて用紙Sの搬送領域R2を挟んで黒インクを収容するインクタンクとは反対側となる位置に配置される黒を除く他の色のインクを収容するインクタンクの数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0078】
・上記各実施形態において、黒インクを収容するインクタンク30Aの容積と、黒を除く他の色のインクを収容するインクタンク30B〜30Dの容積とが互いに等しくてもよい。
【0079】
・上記各実施形態において、インクタンク30Aは、例えば金属インク等の黒インク以外のインクを収容してもよい。また、インクタンク30B〜30Dは、黒インクを収容してもよい。
【0080】
・上記各実施形態において、媒体は用紙Sに限らず、プラスチックフィルムや板材などでもよい。あるいは、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
・上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材
等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。