特許第6221322号(P6221322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221322
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】鉄片除去装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/06 20060101AFI20171023BHJP
   B22D 43/00 20060101ALI20171023BHJP
   B66C 7/04 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B66C1/06 Z
   B22D43/00 G
   B66C7/04
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-88369(P2013-88369)
(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公開番号】特開2014-210653(P2014-210653A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰嗣
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭51−035946(JP,Y2)
【文献】 実開昭50−001528(JP,U)
【文献】 実開昭56−080371(JP,U)
【文献】 実開昭54−022772(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00−11/26
B66C 17/00−17/26
B22D 33/00−47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型上面に付着した鉄片をリフティングマグネットにより除去する鉄片除去装置であって、リフティングマグネットと、リフティングマグネットを吊り下げる台車と、台車が走行するためのフレームと、台車をフレームに沿って走行させる台車走行手段を備え、前記フレームが、フレームの中間部を支持する第1支柱と、この第1支柱よりも低い位置でフレームの先端部を支持する第2支柱により支持され、鉄片を吸着する地点に向って下方に傾斜するように設けられている鉄片除去装置において、前記第1支柱の中間部には軸支部を設けて上側支柱を回動自在とし、一方、第2支柱の上部にはシリンダを配置してピストンロッドの先端をフレームに連結し、前記シリンダの作動により上側支柱を回動させるとともにフレームの先端部を上下に揺動させるようにしたことを特徴とする鉄片除去装置。
【請求項2】
リフティングマグネットが、自在性を有する吊下げ手段により吊下げられている請求項1に記載の鉄片除去装置。
【請求項3】
吊下げ手段の台車における取り付け間隔が、リフティングマグネットにおける取り付け間隔よりも広くしてある請求項2に記載の鉄片除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注湯後の鋳型上面に付着した鉄片を除去する鉄片除去装置に関するものである。更に詳しくは、電磁石(リフティングマグネット)を用いて前記鉄片を除去する鉄片除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋳型に注湯を行う際、溶湯が湯口からこぼれることがある。このような湯こぼれが生じると、溶湯が鋳型上面に飛散し、やがては冷えて鉄片となり鋳型上面に付着した状態となる。このような鉄片は、除去してやる必要があり、一般的には磁石を利用して除去処理が行われている。また前記磁石として、電磁石(リフティングマグネット)を用いることも検討されている。
【0003】
一方、このリフティングマグネットを使用する装置として、例えば特許文献1、2に示されるような装置が知られている。特許文献1には、巻上装置で昇降動するリフティングマグネットを使用したクレーン装置が記載されており、また特許文献2には、電動チェーンブロックで昇降動するリフティングマグネットを使用した歯車搬送装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1、2のいずれにおいても、リフティングマグネットを昇降させる機構は、リフティングマグネットの真上に配置されているため、装置の高さが非常に高くなり、高さ方向に十分なスペースがないと設置することができないものであった。
従って、鋳型上面に付着した鉄片の除去装置においても、リフティングマグネットを使用しようとすると、高さ方向にマグネットを配置するための所定以上のスペースが必要となり、屋根の低い工場では設置することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−80779号公報
【特許文献2】特開平5−269621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような問題点を解決して、リフティングマグネットを使用しても昇降動機構の高さを低くすることができて、設置するのに高さスペースの制約を受けることが少ない鉄片除去装置を提供することを目的として完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の鉄片除去装置は、鋳型上面に付着した鉄片をリフティングマグネットにより除去する鉄片除去装置であって、リフティングマグネットと、リフティングマグネットを吊り下げる台車と、台車が走行するためのフレームと、台車をフレームに沿って走行させる台車走行手段を備え、前記フレームが、フレームの中間部を支持する第1支柱と、この第1支柱よりも低い位置でフレームの先端部を支持する第2支柱により支持され、鉄片を吸着する地点に向って下方に傾斜するように設けられている鉄片除去装置において、前記第1支柱の中間部には軸支部を設けて上側支柱を回動自在とし、一方、第2支柱の上部にはシリンダを配置してピストンロッドの先端をフレームに連結し、前記シリンダの作動により上側支柱を回動させるとともにフレームの先端部を上下に揺動させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【0009】
前記リフティングマグネットが、自在性を有する吊下げ手段により吊下げられているものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
【0010】
前記吊下げ手段の台車における取り付け間隔が、リフティングマグネットにおける取り付け間隔よりも広くしてあるものが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、リフティングマグネットと、リフティングマグネットを吊り下げる台車と、台車が走行するためのフレームと、台車をフレームに沿って走行させる台車走行手段を備え、前記フレームが、フレームの中間部を支持する第1支柱と、この第1支柱よりも低い位置でフレームの先端部を支持する第2支柱により支持され、鉄片を吸着する地点に向って下方に傾斜するように設けられているので、リフティングマグネットを昇降させる機構をリフティングマグネットの真上に配置しておらず装置の高さを低くすることができる。また、台車を斜めに走行させるため、台車の横移動と縦移動を1個の台車走行手段で行うことができ、装置をシンプルにすることができる。
【0012】
更に、請求項1に係る発明では、第1支柱の中間部には軸支部を設けて上側支柱を回動自在とし、一方、第2支柱の上部にはシリンダを配置してピストンロッドの先端をフレームに連結し、前記シリンダの作動により上側支柱を回動させるとともにフレームの先端部を上下に揺動させるようにしたので、リフティングマグネットを鋳型上面から確実に分離することができ、鉄片を確実に回収することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、リフティングマグネットが、自在性を有する吊下げ手段により吊下げられているものとしたので、鋳型上面に大きな鉄片がある場合や、鋳型の高さが変わった場合でも、リフティングマグネットが鋳型に衝突するのを避けて鋳型上面に押し付けることができ、鋳型や内部の鋳物を損傷するのを防止できる。
【0014】
また、請求項3に係る発明では、吊下げ手段の台車における取り付け間隔が、リフティングマグネットにおける取り付け間隔よりも広くしてあるので、リフティングマグネットの揺れを防止し、また揺れても直ぐに収束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1参考例を示す正面図である。
図2本発明の実施の形態を示す正面図である。
図3図2において、フレームを傾斜させた状態を示す正面図である。
図4図2において、フレームを水平にした状態を示す正面図である。
図5】リフティングマグネットの吊り下げ構造を示す正面図である。
図6】リフティングマグネットの吊り下げ構造を示す側面図である。
図7】リフティングマグネットの吊下げ手段を台車の1点に集中させた状態を示す正面図である。
図8】リフティングマグネットの吊下げ手段が撓んだ状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
参考例
図1は、鋳型上面に付着した鉄片をリフティングマグネットにより除去する鉄片除去装置の参考例を示すものである。
図示するように、装置本体1は、横方向に延びたフレーム2と、該フレーム2を走行する台車3と、この台車3に吊り下げられたリフティングマグネット4と、前記台車3をフレーム2に沿って走行させる台車走行手段を備えている。
【0017】
図示のものでは、台車走行手段として、フレーム2に平行に取付けられたシリンダ5を用いている。シリンダ5のピストンロッド5aの先端は、台車3に接続されており、シリンダ5の作動により台車3をフレーム2に沿って走行させるように構成されている。
なお、台車走行手段はシリンダに限定されるものではなく、ラック・ピニオンを用いたり、自走式の台車にする等、台車をフレームに沿って移動できる構成であれば何れでもよい。
【0018】
フレーム2の下部には、先端側に鋳型搬送装置6が配置され、また後部側に吸着した鉄片の受け箱7が配置されている。鋳型搬送装置6上には、金枠8に収められた注湯済みの鋳型9が載置されており、この鋳型9を所定位置まで1ピッチ毎に搬送している。
また、フレーム2と受け箱7の間には、シュート10が配置されている。
【0019】
前記台車3には、リフティングマグネット4が吊り下げられている。前記リフティングマグネット4は、例えばワイヤーロープやリンクチェーン等の自在性を有する吊下げ手段により吊下げられている。
図1に示すものでは、ワイヤーロープ11を用いている。これにより、鋳型9上に大きな鉄片が付着している場合や、鋳型9の高さが高くなった場合にも、ワイヤーロープ11が撓んでリフティングマグネット4の衝突の衝撃を吸収するので、鋳型9を損傷することがない(図8を参照)。
【0020】
また、前記吊下げ手段の台車3における取り付け間隔は、リフティングマグネット4における取り付け間隔よりも広くしてある。
図5は、リフティングマグネット4の吊り下げ構造を示す正面図であり、ワイヤーロープ11の台車3下面における前後方向の取付部12a、12bの間隔は、リフティングマグネット4上面における取付部13a、13bの間隔よりも広くしてある。一方、図6は、リフティングマグネット4の吊り下げ構造を示す側面図であり、同様に、ワイヤーロープ11の台車3下面における左右方向の取付部12a、12aの間隔は、リフティングマグネット4上面における取付部13a、13aの間隔よりも広くしてある。これにより、リフティングマグネット4の揺れを防止し、また揺れても直ぐに収束させることができる。
【0021】
なお、図7に示すように、台車3下面における取付部12を1点に集中させた場合は、リフティングマグネット4は前後方向に自由に横揺れすることになる。しかしながら、鉄片除去装置の設置・稼動条件によっては横揺れを許容できる場合もあり、その場合には取付部12を1点とした構造でもよい。
【0022】
前記フレーム2は、先端側の鉄片を吸着する地点に向って下方に傾斜するように設けられている。
図1に示す参考例では、フレーム2の中間部を支持する第1支柱14と、この第1支柱14よりも低い位置でフレーム2の先端部を支持する第2支柱15により支持されて、フレーム2が鉄片を吸着する地点に向って下方に傾斜するよう構成されている。
これにより、シリンダ5を作動させると台車3はフレーム2に沿って走行するので、リフティングマグネット4は横方向へ移動しながら下降し、鋳型9の上面に到達することとなる。また、台車3を走行させるシリンダも水平移動用と垂直移動用の2個必要とせず、フレーム2に沿って走行させるための1個のシリンダ5でよい。
【0023】
以下に、このように構成した鉄片除去装置の作動について説明する。
鋳型搬送装置6により、注湯を終えて鋳型上面に鉄片が付着している鋳型9が所定位置まで搬送されたら、ピストンロッド5aを伸ばすようにシリンダ5を作動させ台車3をフレーム2に沿って先端側へ走行させる。これにより、リフティングマグネット4は鋳型9の上面に向けて斜め下方に移動する。リフティングマグネット4が鋳型9の上面に当接した位置でシリンダ5の作動を止め、次いで、リフティングマグネット4に通電すると、鋳型上面に付着している鉄片はリフティングマグネット4側に吸着される。
【0024】
この状態で、ピストンロッド5aを縮めるようにシリンダ5を作動させ台車3をフレーム2に沿ってフレーム2の後部側へ走行させる。リフティングマグネット4がシュート10および受け箱7の上まできたら、通電を止めて逆励磁を行い、吸着している鉄片をリフティングマグネット4から分離し、受け箱7に落下させる。
このようにして、鋳型上面に付着した鉄片を受け箱7に回収し、以後、同様の手順を繰り返して鉄片を効率よく回収することができる。また、リフティングマグネット4の移動を、従来のように垂直方向に行わず、下方に向けて傾斜したレールに沿わせるようにしたので、装置の高さを低くすることができる。
【0025】
実施例
図2〜4は、実施例を示すものである。
実施例では、第1支柱14の中間部に軸支部16が設けられ、上側支柱14aを、固定した下側支柱14bに対し回動自在としてある。上側支柱14aの上端はフレーム2の中間部に接続されてT字状になっており、上側支柱14aの回動に伴ってフレーム2も回動する構造となっている。
【0026】
一方、第2支柱15の上部には垂直方向に伸縮するシリンダ17が配置されており、ピストンロッド17aの先端がフレーム2の端部に連結してある。また、このシリンダ17の基部は支柱15の上部に軸支部18により回動自在に取り付けてある。なお、図示のものでは、前記シリンダ17はフレーム2の先端部側に配置されているが、後端部側に配置することもできる。
実施例では、前記シリンダ17の作動により上側支柱14aを回動させるとともにフレーム2の先端部を上下に揺動させる構造となっている。その他の構造については、参考例と同じである。
【0027】
以下に、実施例の鉄片除去装置の作動について説明する。
図3に示すように、鋳型上面に鉄片が付着している鋳型9が所定位置まで搬送されたら、ピストンロッド17aを縮めるようにシリンダ17を作動させる。これに伴い、フレーム2の先端部側が下方に向けて引っ張られると同時に、上側支柱14aが軸支部16を中心に時計回り方向へ回動する。この結果、フレーム2は水平状態から先端部を下方に向け斜めにした状態となる。
【0028】
これと同期して、ピストンロッド5aを伸ばすようにシリンダ5を作動させ台車3をフレーム2に沿って下方に向け斜めに走行させる。これにより、リフティングマグネット4は鋳型9の上面に向けて斜め下方に移動する。リフティングマグネット4が鋳型9の上面に当接した位置でシリンダ5の作動を止め、次いで、リフティングマグネット4に通電すると、鋳型上面に付着している鉄片はリフティングマグネット4側に吸着される。
【0029】
次に、図4に示すように、ピストンロッド17aを伸ばすようにシリンダ17を作動させる。これに伴い、フレーム2の先端部側が上方に向けて押し上げられると同時に、上側支柱14aが反時計回り方向へ回動し、この結果、フレーム2は斜めの状態から再び水平状態に戻る。
この状態で、ピストンロッド5aを縮めるようにシリンダ5を作動させ台車3をフレーム2に沿ってフレーム2の後部側へ走行させる。リフティングマグネット4がシュート10および受け箱7の上まできたら、通電を止めて逆励磁を行い、吸着している鉄片をリフティングマグネット4から分離し、受け箱7に落下させる。
このようにして、鋳型上面に付着した鉄片を受け箱7に回収し、以後、同様の手順を繰り返して鉄片を効率よく回収することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 装置本体
2 フレーム
3 台車
4 リフティングマグネット
5 シリンダ
5a ピストンロッド
6 鋳型搬送装置
7 受け箱
8 金枠
9 鋳型
10 シュート
11 ワイヤーロープ
12 取付部
12a 取付部
12b 取付部
13a 取付部
13b 取付部
14 第1支柱
15 第2支柱
16 軸支部
17 シリンダ
17a ピストンロッド
18 軸支部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8