(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221353
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】天板付家具
(51)【国際特許分類】
A47B 13/06 20060101AFI20171023BHJP
A47B 91/00 20060101ALI20171023BHJP
F16B 12/44 20060101ALI20171023BHJP
F16B 12/52 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
A47B13/06
A47B91/00 Z
F16B12/44 D
F16B12/52 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-114238(P2013-114238)
(22)【出願日】2013年5月30日
(65)【公開番号】特開2014-230718(P2014-230718A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2016年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】谷口 陽子
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−097199(JP,A)
【文献】
実開昭53−085302(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00−13/06
F16B 12/00−12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、この天板の下面に取りつけられてなるフレームと、これら天板及びフレームを支持する脚体とを有する天板付家具であって、
前記脚体が、天板から下方へ延出する脚本体と、この脚本体の下側に取り付けられこの脚本体から平面視何れかの方向に延出する脚羽根と、前記脚本体の上端に固定されたブラケットとを備えたものであり、
前記ブラケットが、前記天板を支持する天板取付板と、この天板取付板に連続して設けられ前記フレームを側方から固定する複数のフレーム取付面を有するフレーム取付板と、を具備するものであり、
前記複数のフレーム取付面が互いに角度を異ならせて設けられており、前記複数のフレーム取付面のうち、任意の一のフレーム取付面を介して前記フレームに前記脚体を取り付けることができることを特徴とする天板付家具。
【請求項2】
前記フレーム取付板が、前記天板取付板の縁部から一体的に折り曲げられることにより形成されたものである請求項1記載の天板付家具。
【請求項3】
前記天板取付板の上面を天板を支持する天板支持面とするとともに前記天板取付板の下面を前記脚本体の上端を取りつける脚取付面とし、
前記フレーム取付板が、前記天板取付板の周縁部から垂下している請求項1又は2記載の天板付家具。
【請求項4】
前記脚本体を前記ブラケットの平面視中央から一端側に亘って取り付けるとともに、前記フレームを前記ブラケットの他端側に取り付けている請求項1、2又は3記載の天板付家具。
【請求項5】
前記フレーム取付板をねじ穴を有するものとしている請求項1、2、3又は4記載の天板付家具。
【請求項6】
前記ブラケットが前記フレームよりも天板の中心側から固定される請求項1、2、3、4又は5記載の天板付家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に使用される天板付家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスにおけるミーティングスペースや会議室等で好適に用いられている天板付家具の一例として、複数の使用者が同時に使用できる単一の天板に対し、下方から長手方向略全域に亘ってフレームを取り付けるとともにこのフレームを脚体によって支持させてなる天板付家具が種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このような態様の天板付家具では、脚体が天板を安定して支持するために特に上記特許文献2のようなもののように、脚体を天板から下方へ延出する脚本体とこの脚本体から平面視延出する脚羽根とを有するものとして、各脚羽根を天板の周縁へ向けて放射状をなすように延出させ、延出させた脚羽根の先端をアジャスタやキャスタ等を介して設置させるようにしている。また当該特許文献1に記載の天板付家具では、角パイプ状のフレームの端部を例えば脚体に剛結すべく当該フレームの端部にフレーム端部内に挿入させるための部材を設け、別途フレーム端部に取り付けるという加工を施すことで、脚体とフレームとの強固な剛結を目指している。
【0003】
しかしながら、上記各特許文献に記載のものは上記フレームの剛結のために当該フレームの端部には格別な加工が要求されるものとなっている。また、フレームは脚体の上端に端部を突き当てた状態で配置されるため、天板の中間部分に脚体を設ける場合には天板の長手方向の寸法に対応するフレームを用いることができず、複数のフレームを上記のように脚体を介して連結しなければならない、そうなると連結するフレームの数及び剛結に必要な部品等の数だけ、部品点数が増加するものとなっていた。
【0004】
また各特許文献に記載したような天板付家具ではさらに、フレームに対して脚羽根を所望の方向へ延出させるために、脚本体と脚羽根との間に脚羽根の取付角度を変更可能とし得るような格別の複雑な構成を加えたものとなっている。
【0005】
すなわちこれまでは脚羽根を脚本体から所望の方向へと延出させるためには、そのために構造を複雑にするか或いは部品点数を増加させることが避けられないものとなっているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−122526号公報
【特許文献2】特開2002−191443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような不具合に着目したものであり、部品点数を抑え且つ簡素な構成としながらも脚羽根を所望の方向へ延出させ天板を安定して支持することができる天板付家具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち本発明に係る天板付家具は天板と、この天板の下面に取りつけられてなるフレームと、これら天板及びフレームを支持する脚体とを有する天板付家具であって、前記脚体が、天板から下方へ延出する脚本体と、この脚本体の下側に取り付けられこの脚本体から平面視何れかの方向に延出する脚羽根と、
前記脚本体の上端に固定されたブラケットとを備えたものであり、前記ブラケットが、前記天板を支持する天板取付板
と、この天板取付板に連続して設けられ前記フレームを側方から固定する複数のフレーム取付面を有するフレーム取付板
と、を具備する
ものであり、前記複数のフレーム取付面が互いに角度を異ならせて設けられており、前記複数のフレーム取付面のうち、任意の一のフレーム取付面を介して前記フレームに前記脚体を取り付けることができることを特徴とする。
【0010】
ここで、上記の「複数のフレーム取付面を有するフレーム取付板」とは単一のフレーム取付板が複数のフレーム取付面を有している態様に限られない。例えばフレーム取付板が複数のフレーム取付面を構成すべく互いに分離して設けられた態様をも含まれる。つまり、フレーム取付板が単数か複数かに関わらず、全体として「複数のフレーム取付面」を有するものであれば良い。
【0011】
このようなものであれば、フレームに対して脚羽根が延出する向きを変更するためには、ブラケットの所望のフレーム取付面を介してフレームに脚体を取りつけるだけで良い。つまり、脚体やフレームの構成になんら格別の構成を加えることなくことが脚羽根の向きの変更が可能となる。その結果、部品点数を抑え且つ簡素な構成としながらも脚羽根を所望の方向へ延出させ天板を安定して支持することができる天板付家具を提供することができる。
【0012】
ブラケットをより簡素に構成しながら上記の効果を得るためには、前記フレーム取付板を、前記天板取付板の縁部から一体的に折り曲げられることにより形成することが望ましい。
【0013】
また、ブラケットを用いた脚体の取付箇所をコンパクトに構成するためには、天板取付板の上面を天板を支持する天板支持面とするとともに前記天板取付板の下面を前記脚本体の上端を取りつける脚取付面とし、前記フレーム取付板を、前記天板取付板の周縁部から垂下させるようにすることが好ましい。
【0014】
また、脚体による天板の安定した支持とフレームへの強固且つ容易な取り付けを両立させるための具体的な構成としては、前記脚本体を前記ブラケットの平面視中央から一端側に亘って取り付けるとともに、前記フレームを前記ブラケットの他端側に取りつける構成を挙げることができる。
【0015】
またフレームへ脚体を取り付ける際の部品点数を削減し、脚体と天板との取り付け箇所をシンプルにし、容易な取付を実現するためには、フレーム取付板をねじ穴を有するものとすればよい。これにより別途ナット等の部品を用いずとも安定した取り付けが実現される。
【0016】
また、前記ブラケットが天板付家具の使用中に外部からの衝撃を受けることを回避したり、目立たなく構成して天板付家具の見た目をシンプルなものとするためには、ブラケットが前記フレームよりも天板の中心側から固定される構成を適用すればよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、部品点数を抑え且つ簡素な構成としながらも脚羽根を所望の方向へ延出させ天板を安定して支持することができる天板付家具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態に係る天板付家具1は、
図1〜
図8に示すように、オフィスにおけるミーティングスペースや会議室等にて好適に使用され得るものであり、脚体2と、脚体2に取り付けられたフレーム3と、このフレーム3及び前記脚体2にそれぞれ支持されてなる天板4とを有するものであり、複数の使用者が天板4の一方の使用端4a側及び他方の使用端4b側からそれぞれ並んで同時に執務や会議等を行い得るものである。そして天板4の一方の使用端4a及び他方の使用端4bの間、すなわち短寸方向略中央には天板4に開口44が設けられるとともに配線ダクト6を取り付けてなる。
【0021】
しかして本実施形態に係る天板付家具1は、前記脚体2が、天板4から下方へ延出する脚本体22と、この脚本体22の下側に取り付けられこの脚本体22から平面視何れかの方向に延出する脚羽根21と、前記脚本体22に固定された状態で前記天板4を支持する天板取付板51及びこの天板取付板51に連続して設けられ前記フレームを側方から固定する互いに角度を異ならせて取り付け得る複数のフレーム取付面57を有するフレーム取付板52を具備するブラケット5とを有していることを特徴とする。
【0022】
以下、天板付家具1の各部の構成について説明する。
【0023】
脚体2は、
図1〜
図8に示すように、床面上を平面視天板4の縁へ向かって延出する脚羽根21と、この脚羽根21の上端から立設してなる脚本体22と、脚羽根21の先端に取りつけられたアジャスタ23と、脚本体22の上端に固定されたブラケット5とを有している。
【0024】
脚本体22は、特に
図5〜
図8に示すように、平面視で扁平な形状をなすパイプ状の脚パイプ22aと、脚パイプ22aの端部に溶接された板ナット22bの両端に対をなして形成された雌ねじ穴22cとを有している。また脚本体22は下端側においても脚羽根21を下方からねじ止めさせるための構成を備えている。なお勿論、脚パイプ22aの下端側においても上端側と同じ構成をなすようにして脚体2を構成する部品共有率を向上させめても良い。
【0025】
脚羽根21は、
図1〜
図6に示すように、基端側を図示しないボルトによって脚本体22に固定されるとともに、先端側には下方に面した図示しないナット部が設けられることにより上下昇降可能なアジャスタ23が取り付けられた通常のものである。本実施形態では、脚体2が有する計4つの脚羽根21を放射状に延びるようにすることにより、脚羽根21の先端つまりアジャスタ23が天板4の縁部近傍にそれぞれ平面視位置付けられ、天板4から平面視はみ出さずに天板4の配置に干渉することを回避しつつ、アジャスタ23同士を最も離間させて配置することで脚体2が天板4をより安定して支持できるようにしている。なおアジャスタ23については既存の種々のものを適用し得る。またアジャスタ23に代えてキャスタを用いることにより天板付家具1自体を容易に移動し得るようにしても良い。
【0026】
ブラケット5は、
図2〜
図8に示すように、例えば剛性を有する板金素材を適宜打ち抜き、しかる後曲げ加工等を行うことにより成形されたもので平面視概略正八角形状をなしている。このブラケット5は、上述の通り天板4を取り付けるための天板取付板51と、フレーム3に取り付けるためのフレーム取付板52とを有している。前記フレーム取付板52が、前記天板取付板51の周縁部から垂下している。
【0027】
天板取付板51は、この平面視概略正八角形状をなすもので、上面側を天板4を下側から支持するための天板支持面53とし、下面側を脚本体22を取り付けるための脚取付面54としている。そしてこの天板取付板51はさらに脚取付ボルト24を上方から挿入させて脚本体22に取り付けるためのボルト収容孔56と、下方から天板取付ボルト45aを挿入させて天板4に取り付けるためのボルト挿通孔55とを有している。ボルト挿通孔55は天板取付ボルト45aの雄ねじ部分のみを挿通させるに足る径を有する。ボルト収容孔56は天板取付板51の中央及び一端側の一辺に、すなわち計2箇所形成されている。またボルト収容孔56はその縁部を傾斜させ概略すり鉢形状に構成することで、脚取付ボルト24を取り付けた状態で脚取付ボルト24の上面と天板支持面53の上面とが略面一となり、脚取付ボルト24が天板4に干渉することを回避している。ボルト挿通孔55は前記ボルト収容孔56が形成されている辺以外の他端側の辺に関わる6つの角に近接した位置に設けられている。すなわち、脚本体22は前記ブラケット5の平面視中央から一端側に亘って取り付けられる。
【0028】
フレーム取付板52は、同図に示すように前記天板取付板51の縁部から一体的に折り曲げられることにより形成されたものである。このフレーム取付板52は平面視概略正八角形状をなす天板取付板51が有する8つの辺のうち、脚本体22に接しない6つの辺をなす端縁からそれぞれ下方に素材を折り曲げることにより形成された概略矩形状をなすものである。これら6つのフレーム取付板52は互いに45°角度位相を異ならせて、換言すれば隣接するフレーム取付板52同士が135°の角度をなしている。すなわち本実施形態ではフレーム3に対してブラケット5を取り付ける相対角度は、45°単位で設定し得る。そしてこれら6つのフレーム取付板52は、その表面においてフレーム3側に密着し得るフレーム取付面57と、このフレーム取付面57の中央に雌ねじ加工により設けられたフレーム固定孔58とを有する。
【0029】
フレーム3は、
図2〜
図8に示すように、例えばアルミ等の金属の押し出し成形によってなる四角パイプ状をなすものである。このフレーム3は、それぞれ長さ寸法を異ならせることにより、前記天板4の長手方向略全域に亘って2本平行に伸びるメインフレーム31と、前記天板4の短寸方向に沿って前記メインフレーム31間に直交する方向に延び介在するサブフレーム32とを有している。これらメインフレーム31及び前記サブフレーム32によって前記フレーム3は天板4の外縁近傍に接する平面視枠状をなして構成される。そして前記ブラケット5は前記フレーム3によって形成された枠内に位置付けられる。すなわち前記ブラケット5は、前記フレーム3よりも天板4の中心側から固定される。そしてこれらメインフレーム31及びサブフレーム32には、下方から天板取付ボルトを挿入させ、フレーム3上に位置付けられた天板4側の後述するインサートナット41bに螺合させるための縦挿通孔33が設けられている。この縦挿通孔33は、詳細に説明すると、メインフレーム31及びサブフレーム32の上面及び下面にそれぞれ設けられた開口と、これら開口間つまり四角パイプ部分の内部に上下に亘って介在し天板取付ボルトの挿入を補助するためのサポート部材からなるものである。かかる構成は通常のものであるため、詳細な説明を省略する。また本実施形態では、このフレーム3におけるサブフレーム32のそれぞれ箇所において水平方向に貫通した横挿通孔34が設けられている。この横挿通孔34は天板4の側端から水平ボルト35を挿通しブラケット5に対して水平ボルト35の先端を螺合することにより、かかる位置にブラケット5を取り付け得るようにしている。この横挿通孔34も前記縦挿通孔33に同じく、詳細にはサブフレーム32に設けられた開口及びサポート部材からなる通常の構成をなすため、詳細な説明を省略する。
【0030】
天板4は、
図1〜
図5及び
図8に示すように、平面視概略長円形状をなすもので、長手方向に位置付けた一方の使用端4a側及び他方の使用端4bからそれぞれ使用者が向かい合って上面4d上で執務が可能なまでの側端4cの寸法すなわち短寸寸法を有するとともに複数の使用者が長手方向に並んだ状態で執務を同時に行うに足る長手寸法を有した平面視略長方形状のもので、前記フレーム3の上方に配されている。本実施形態では便宜上、平面視長円形状をなした天板において長手方向に亘って曲率半径を大きく設定した箇所を一方の使用端4a及び他方の使用端4bとし、これら両使用端4a、4b間に介在する曲率半径を小さく設定した部分を側端4cと設定している。この天板4は、例えば、木製の芯材41と、この芯材41の上面に添設されたメラミン樹脂板等の化粧板42と、この化粧板42及び前記芯材41の周縁を包囲するエッジ部材43とを具備してなる。前記芯材41の下面41a側における前記フレーム3の縦挿通孔33及びブラケット5のボルト挿通孔55に対応する部位には、インサートナット41bが埋設されている。
【0031】
この天板4は、前記ブラケット5及びフレーム3上に配置され、前記縦挿通孔33及びボルト挿通孔55を通して前記インサートナット41bに螺着される天板取付ボルト45a、45bに固定されている。そしてこの天板4には、略中央位置において開口44を形成し、この開口44に配線ダクト6を取り付けている。
【0032】
配線ダクト6は、
図4に示すように、天板4の開口44下方に配線類を好適に案内し得るものであり、天板4の上面4dに略面一となるよう取り付けられ一方の使用端4a側及び他方の使用端4b側の両方から開くことができる蓋体61と、開口44の縁部に取り付けられ、適宜変形することにより蓋体61が綴じられた状態で配線を開口44を通じて案内し得る軟質部材62と、前記蓋体61を開閉可能に支持してなる蓋支持体63と、これら蓋体61、軟質部材62、蓋支持体63を取り付けるとともに開口44に直接取りつけられる枠体60とを具備してなる。またこの配線ダクト6は天板4下に導入された配線を好適に案内し得るダクト本体等を枠体60にさらに取り付けてなるものであるが、本実施形態ではダクト本体等の図示並びに詳細な説明を所略する。
【0033】
しかして本実施形態に係る天板付家具1は、複数のフレーム取付板52のうち、任意の一のフレーム取付板52を介してブラケット5をフレーム3に取り付けることができる。これにより、本実施形態では脚体2は互いに全く同じ部品から形状をなすように構成しているにも関わらず、それぞれがフレーム3に対してそれぞれ所定の相対角度を持って取り付けられている。これにより部品点数を増加させることなく脚羽根21が平面視放射状に延びるように脚体2を配置することを実現している。以下、本実施形態に係る天板4及びフレーム3に対する脚体2の取り付けについて、
図6〜
図8を用いて説明する。
【0034】
まず、
図6の如く脚体2を取り付けるに先立ち
図7の通りに、脚本体22にブラケット5を固定する。
図7に示すように脚取付ボルト24の頭部を断面視逆三角形状に設定し、ボルト収容孔56を擂り鉢状に設定することにより脚取付ボルト24はボルト収容孔56に収容され、脚本体22を強固に固定しつつも上面側が天板4側に干渉することはない。
【0035】
そして脚本体22を固定したブラケット5は
図8の如くフレーム3側面に設けられた横挿通孔34に所定の一のフレーム取付板52に設けられたフレーム固定孔58に天板4の中央側から接しさせ、天板4の縁部側から水平ボルト35を挿入し、ねじ穴であるフレーム固定孔58に螺合させる。何れの天板取付板51を用いるかは、同図に示すように天板4の芯材41下面41aに設けられたインサートナット41bの位置により容易に把握し得る。なお芯材41下面41aに設けられたインサートナット41bの位置にボルト挿通孔55を平面視合致させ天板取付ボルト45aをインサートナット41bに螺合させた後、フレーム固定孔58への水平ボルト35の固定を行うようにしても良い。
【0036】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る天板付家具1は、脚体2やフレーム3の構成になんら格別の構成を加えることなくことが脚羽根21の向きの変更や設定が可能となる。その結果、部品点数を抑え且つ簡素な構成としながらも脚羽根21を所望の方向へ延出させ天板4を安定して支持することができる天板付家具1を実現している。
【0037】
ブラケット5をより簡素にするために本実施形態では、前記フレーム取付板52を、前記天板取付板51の縁部から一体的に折り曲げる構成を適用している。
【0038】
また、ブラケット5を用いた脚体2の取付箇所をコンパクトに構成するために本実施形態では、天板取付板51の上面を天板4を支持する天板支持面とするとともに前記天板取付板51の下面を前記脚本体22の上端を取りつける脚取付面とし、前記フレーム取付板52を、前記天板取付板51の周縁部から垂下させるようにしている。特に本実施形態では6枚のフレーム取付板52が脚本体22を覆うよう垂下しているので、脚本体22の取り付け箇所の有効な保護にも寄与する。
【0039】
また、脚体2による天板4の安定した支持とフレーム3への強固且つ容易な取り付けを両立させるための具体的な構成として本実施形態では、前記脚本体22を前記ブラケット5の平面視中央から一端側に亘って取り付けるとともに、前記フレーム3を前記ブラケット5の他端側に取りつける構成を適用している。
【0040】
またフレーム3へ脚体2を取り付ける際の部品点数を削減し、脚体2と天板4との取り付け箇所をシンプルにするために本実施形態では、フレーム取付板52をねじ穴であるフレーム固定孔58を設けているこれにより別途ナットを用いた作業を回避し容易且つ安定した取り付けを実現している。
【0041】
また、前記ブラケット5が天板付家具1の使用中に外部からの衝撃を受けることを回避したり、目立たなく構成して天板付家具1の外見をシンプルなものとするために本実施形態では、ブラケット5を前記平面視枠状をなしたフレーム3よりも内側である天板4の中心側から固定する構成を適用している。
【0042】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明するが、当該変形例について、上記実施形態における構成要素に相当するものに対しては同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
【0043】
図9に示す本実施形態に係る天板付家具1は、上記実施形態よりも例えば倍の長手寸法を有する長天板4Lを用いるとともに、前記メインフレーム31も前記長天板4Lの長手方向の略全域に亘って伸びるものとし、複数の前記ブラケット5が前記メインフレーム31の両端近傍及び中間部分に取り付けられ、斯かる位置で長天板4Lを支持している態様を有する。また同図に示すように、配線ダクト6は長天板4Lの長手方向に2つ配置するとともに、中間部分に取り付けられた脚体2はメインフレーム31に対し90°の角度をなして取り付けるようにしている。また当該中間部分の脚体2は、他の脚体2とは異なり、延出寸法が短く設定された短寸脚羽根25を適用している。この短寸脚羽根25は、前記延出寸法以外の構成は上記実施形態の脚羽根21と同じであるために具体的な説明を省略する。
【0044】
このように本変形例においても、ブラケット5におけるフレーム取付板52を適宜選択することにより、脚羽根21の延出方向を適宜設定している。これにより上記実施形態に対し殆ど部品の種類を変更することなく異なった態様の天板付家具1を実現している。このように本発明によれば、簡素な構成かつ少ない部品点数を維持しつつ、種々の形状や大きさをなした天板付家具1を構成し得る。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では平面視多角形状をなしたブラケットを開示した態様を開示したが、勿論、平面視円形をなすとともにフレーム取付面を円周面としたものであってもよい。また脚体や天板の形状といった具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【0047】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はオフィスのミーティングスペースや会議室等に好適に適用される天板付家具として利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…天板付家具
2…脚体
22…脚本体
3…フレーム
4…天板
5…ブラケット
51…天板取付板
52…フレーム取付板
53…天板支持面
54…脚取付面
57…フレーム取付面
58…フレーム取付穴