特許第6221372号(P6221372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6221372グラフ表示装置、プログラム、およびサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221372
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】グラフ表示装置、プログラム、およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/02 20060101AFI20171023BHJP
   G06T 11/80 20060101ALI20171023BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20171023BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G06F15/02 315G
   G06T11/80 B
   G09G5/36 510A
   G09G5/00 510H
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-122774(P2013-122774)
(22)【出願日】2013年6月11日
(65)【公開番号】特開2014-241029(P2014-241029A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2016年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】唐牛 孝輔
【審査官】 大桃 由紀雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−052278(JP,A)
【文献】 特開2004−126759(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0073705(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/02
G06T 11/80
G09G 5/00
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、
この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを前記表示部に表示させる係数指定グラフ表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項2】
前記関数式に含まれる項の次数毎に、当該項の係数値を変化させるための基準となる数値可変範囲と可変間隔を対応付けて記憶している可変パターン記憶手段を備え、
前記操作表示体表示制御手段は、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の次数に応じて前記可変パターン記憶手段により記憶されている基準となる数値可変範囲と可変間隔を読み出す基準可変パターン読み出し手段を有し、
前記操作表示体を、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を基に、前記関数式の係数と前記グラフの表示状態に応じた数値可変範囲と可変間隔を設定して生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示装置。
【請求項3】
前記グラフの表示状態は、前記グラフ表示制御手段によるグラフの表示レンジの設定状態であって、
前記操作表示体表示制御手段は、前記操作表示体を、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を基に、前記関数式の係数と前記グラフの表示レンジに応じた数値可変範囲と可変間隔を設定して生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載のグラフ表示装置。
【請求項4】
前記操作表示体表示制御手段は、前記操作表示体を、前記グラフの表示レンジが予め設定された基準値よりも広い場合は、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を、それより大きい数値可変範囲と可変間隔に設定して生成し、前記グラフの表示レンジが予め設定された基準値よりも狭い場合は、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を、それより小さい数値可変範囲と可変間隔に設定して生成する表示レンジ対応生成手段を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のグラフ表示装置。
【請求項5】
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数に変数を示す文字以外の定数があるかを判断する定数係数判断手段を備え、
前記操作表示体表示制御手段は、前記操作表示体を、前記定数係数判断手段により前記係数にその文字以外の定数があると判断された場合は、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を基に、当該定数の逆数を掛けた数値可変範囲と可変間隔を設定して生成する定数係数対応生成手段を有する、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載のグラフ表示装置。
【請求項6】
表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、
この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを前記表示部に表示させる係数指定グラフ表示制御手段、
として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
【請求項7】
表示部を備えた端末装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置であって、
前記端末装置から関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを生成するグラフ生成手段と、
このグラフ生成手段により生成されたグラフを前記端末装置へ出力して表示させるグラフ出力制御手段と、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記端末装置の表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、
この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを生成する係数指定グラフ生成手段と、
この係数指定グラフ生成手段により生成されたグラフを前記端末装置へ出力して前記表示部で表示させる係数指定グラフ出力制御手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関数式に応じたグラフを表示するためのグラフ表示装置およびその制御プログラム、およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラフ表示機能を備えた関数電卓(グラフ関数電卓)において、任意の関数式y=f(x)を入力すると、この入力された関数式に応じたグラフが表示部に表示される。
【0003】
ここで、グラフについて関数の項の係数を異ならせて、グラフの変化を見たい場合がある。このような場合に、例えばy=AX+X+1なる2次関数式を入力した状態で、その係数Aの値を設定するための専用の画面を表示させ、この専用画面において前記係数Aの初期値(Start)、最終値(End)、変化間隔(Pitch)を入力して設定することで、当該係数Aの値の変化に伴うそれぞれの関数式に対応するグラフがダイナミックグラフとして表示部に表示されるグラフ関数電卓が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−282475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のグラフ関数電卓において、関数式に含まれる係数の値を変化させたグラフを表示させるには、一旦、当該係数の値を設定するための専用の画面を表示させ、各値の設定操作を行わなければならず、関数式を入力する都度、一々その面倒な操作が必要になる。
【0006】
また、前記専用の画面において、一旦設定された係数の値や変化間隔を、例えばグラフの変化がユーザにより分かり易いような値や間隔に変えるには、当該画面をその都度再表示させて設定し直さなければならず、非常に手間の掛かる問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、関数式に含まれる係数が変数として設定された場合に、係数の値をスライダにより変化させながら当該関数式に対応するグラフを再表示させる際に、その係数の値をグラフの変化がユーザにより分かり易いような適切な範囲と間隔で変化させることが可能になるグラフ表示装置およびその制御プログラム、およびサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るグラフ表示装置は、関数式を入力する式入力手段と、この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを前記表示部に表示させる係数指定グラフ表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明に係るプログラムは、表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、関数式を入力する式入力手段と、この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを前記表示部に表示させる係数指定グラフ表示制御手段、として機能させることを特徴としている。
【0010】
本発明に係るサーバ装置は、端末装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置であって、前記端末装置から関数式を入力する式入力手段と、この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを生成するグラフ生成手段と、このグラフ生成手段により生成されたグラフを前記端末装置へ出力して表示させるグラフ出力制御手段と、前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを生成する係数指定グラフ生成手段と、この係数指定グラフ生成手段により生成されたグラフを前記端末装置へ出力して表示させる係数指定グラフ出力制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、関数式に含まれる係数の値をスライダにより変化させながら当該関数式に対応するグラフを再表示させる際に、その係数の値をグラフの変化がユーザにより分かり易いような適切な範囲と間隔で変化させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のグラフ表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図。
図2】前記グラフ関数電卓10の回路構成を示すブロック図。
図3】前記グラフ関数電卓10のスライダパターンテーブル15fに記憶されるテーブルデータの内容を示す図。
図4】前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理を示すフローチャート。
図5】前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ生成処理を示すフローチャート。
図6】前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ操作処理を示すフローチャート。
図7】前記グラフ関数電卓10のスライダ操作処理に伴う係数値可変範囲の変更動作を示す図。
図8】前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ操作に応じたグラフyの表示の変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明のグラフ表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0015】
このグラフ表示装置は、以下に説明する専用のグラフ関数電卓10として構成されるか、関数式に応じたグラフ表示機能を有するタブレット端末、携帯電話、携帯ゲーム機等として構成される。
【0016】
このグラフ関数電卓10は、入力された関数式とその関数式に応じたグラフを表示させる機能を備えている。
【0017】
このグラフ関数電卓10の本体には、本体正面の下半分程度の範囲でキー入力部12が設けられ、上半分程度の範囲でタッチパネル表示部13が設けられる。
【0018】
前記キー入力部12には、数値・記号キー12a、関数・演算子キー12b、[Menu]キー12c、[Graph]キー12d、[Mdfy]キー12e、カーソルキー12fなどが備えられる。
【0019】
前記数値・記号キー12aは、数字,記号などの個々のキーを配列した数値・記号の入力用キー群からなる。
【0020】
前記関数・演算子キー12bは、演算式や関数式を入力する際に操作される各種の関数記号キーや、[+][−][×][÷][=]などの演算子キーからなる。
【0021】
前記[Menu]キー12cは、四則計算式や関数計算式等の任意の計算式を入力して演算処理を行わせる演算モード、入力された関数式に対応したグラフの描画処理を行わせるグラフモード、表計算を行わせる表計算モード、任意のプログラムを入力して対応する計算処理を行わせるプログラムモード等、各種の動作モードの選択設定メニューを表示させる際に操作される。
【0022】
前記[Graph]キー12dは、入力データを元にして任意のグラフを描く際に操作される。
【0023】
前記[Mdfy(Modify)]キー12eは、前記グラフモードにおいて関数式y=f(x)に応じたグラフを表示させた際、当該関数式に含まれる各項の係数が変数として設定された場合に、係数の値を変化させるためのスライダ(操作表示体)SLを表示させるためのキーである。このスライダSLは、数値の可変範囲を示す長尺形状の表示体とその上をスライド可能に設けられた摘み部CSからなり、摘み部CSの位置に対応した数値が係数として指定されるものである(図1図8参照)。
【0024】
なお、前記[Graph]キー12dや[Mdfy]キー12eの入力は、タッチパネル表示部13に表示されるアイコンによって行ってもよい。
【0025】
カーソルキー(「↑」「↓」「←」「→」)12fは、それぞれ表示されたデータの選択,送り操作や、カーソルの移動操作を行なう際などに操作される。
【0026】
また、タッチパネル表示部13は、例えばカラー表示可能な液晶表示画面13dの上に、透明タッチパネル13tを重ねて構成される。
【0027】
図2は、前記グラフ関数電卓10の回路構成を示すブロック図である。
【0028】
前記グラフ関数電卓10は、マイクロコンピュータであるCPU11を備えている。
【0029】
前記CPU11は、フラッシュROM等の記憶装置14に予め記憶された電卓制御プログラム14a、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体17から記録媒体読取部16を介して前記記憶装置14に読み込まれた電卓制御プログラム14a、あるいは通信ネットワーク(インターネット)上のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信制御部18を介して前記記憶装置14にダウンロードされた電卓制御プログラム14aに従い、RAM15を作業用のメモリとして回路各部の動作を制御し、電卓機能や関数グラフ表示機能など、グラフ関数電卓10に備えられた各種機能を実行する。
【0030】
このCPU11には、図1に示したキー入力部12、タッチパネル表示部13の他に、前記記憶装置14、RAM15、記録媒体読取部16、通信制御部18などが接続されている。
【0031】
前記RAM15は、前記CPU11の処理動作に必要な各種データを記憶する。このRAM15には、前記タッチパネル表示部13の画面上にカラー表示されるデータが展開される表示データ記憶領域15aの他、タッチ座標データ記憶領域15b、レンジデータ記憶領域15c、数式データ記憶領域15d、係数データ記憶領域15e、スライダパターンテーブル15f、スライダデータ記憶領域15g、グラフデータ記憶領域15hが設けられる。
【0032】
前記タッチ座標データ記憶領域15bには、前記タッチパネル表示部13により検出されたユーザ操作に応じたタッチ位置の座標データが記憶される。
【0033】
前記レンジデータ記憶領域15cには、前記グラフモードにおいてタッチパネル表示部13のグラフ画面Gsに対して設定される表示範囲を示すX座標レンジ(Xmin〜Xmax)とY座標レンジ(Ymin〜Ymax)が記憶される。なお、このグラフ関数電卓10は、前記グラフ画面Gsに表示されるグラフをズームイン(拡大)またはズームアウト(縮小)して表示させるズーム機能を有し、当該ズーム後のX座標レンジは(ZXmin〜ZXmax)、Y座標レンジは(ZYmin〜ZYmax)とされる。
【0034】
前記数式データ記憶領域15dには、前記キー入力部12の操作により入力された関数式y=f(x)に関するデータが記憶される。本実施の形態においては、関数式として2次関数の式を処理するものとする。
【0035】
前記係数データ記憶領域15eには、前記数式データ記憶領域15dに記憶された関数式y=f(x)に含まれる各項毎の係数に関するデータが記憶される。
【0036】
前記スライダパターンテーブル15fには、前記[Mdfy]キー12eの操作に応じてグラフと共に表示されるスライダ(操作表示体)SLを生成するためのデータとして、2次関数の2次項、1次項、定数項毎に基準となる可変範囲(値幅)およびその可変間隔(ステップ値)が予め登録されている。
【0037】
可変範囲(値幅)、可変間隔(ステップ値)は、本実施の形態においては、図3に示すように、2次関数の式y=AX+BX+Cの2次項の係数Aの可変範囲(値幅)として[−2〜2]が、可変間隔(ステップ値)として[−2,−1,−0.5,−0.2,−0.1,−0.05,0,0.05,0.1,0.2,0.5,1,2]が登録されている。また、1次項の係数Bの可変範囲(値幅)として[−5〜5]が、可変間隔(ステップ値)として[−5,−2,−1,−0.5,−0.2,0,0.2,0.5,1,2,5]が登録され、定数項の係数Cの可変範囲(値幅)として[−5〜5]が、可変間隔(ステップ値)として[−5,−4,−3,−2,−1,0,1,2,3,4,5]が登録されている。なお、この値はこれらに限らず、座標レンジの値により変動するようにしてもよいし、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0038】
前記スライダデータ記憶領域15gには、前記グラフと共に表示されるスライダSLに関するデータが記憶される。このデータは、前記係数データ記憶領域15eに記憶された前記関数式y=f(x)に含まれる各項の係数と、前記レンジデータ記憶領域15cに記憶された前記グラフ画面GsのXY座標レンジと、前記スライダパターンテーブル15fに登録された2次関数の各項係数の基準となる可変範囲(値幅)およびその可変間隔(ステップ値)とに応じて決定される。
【0039】
前記グラフデータ記憶領域15hには、前記数式データ記憶領域15dに記憶された関数式y=f(x)と当該関数式y=f(x)に含まれる各項の係数の値とに基づき生成されるグラフに関するデータが記憶される。
【0040】
このように構成されたグラフ関数電卓10は、CPU11が前記電卓制御プログラム14aに記述された各種の処理の命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる各種の機能を実現する。
【0041】
次に、前記構成のグラフ関数電卓10の動作について説明する。
【0042】
図4は、前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理を示すフローチャートである。
【0043】
図5は、前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ生成処理を示すフローチャートである。
【0044】
[Menu]キー12cの操作に応じてタッチパネル表示部13に表示された動作モードのメニュー画面(図示せず)からグラフモードが選択されると、図4に示すグラフ表示処理が起動される。このグラフ表示処理では、まず、グラフ画面Gsに対する座標レンジの設定画面(図示せず)が表示され、X軸の座標レンジ(Xmin〜Xmax)とY軸の座標レンジ(Ymin〜Ymax)が、ユーザにより入力されてレンジデータ記憶領域15cに記憶され、基準座標レンジとして設定される(ステップS1)。なお、ユーザ入力による座標レンジの代わりに、既に記憶されている座標レンジのデータをそのまま基準座標レンジとして利用してもよい。
【0045】
すると、タッチパネル表示部13には、前記設定された座標レンジに応じたXY座標のグラフ画面Gsと数式画面Fsとが画面分割されて表示される。
【0046】
そして、前記数式画面Fsにおいて、ユーザにより任意の関数式y=f(x)が入力されると(ステップS2)、当該関数式に含まれる項に文字として入力された係数があるか否か判断される(ステップS3)。つまり、係数が変数として設定されたか判断される。
【0047】
例えば関数式「y=(A/2)X+X−2」が入力されて表示されると(ステップS2)、当該関数式に含まれる2次項、1次項、定数項のそれぞれにおいて、文字を含む係数があるか否か判断される(ステップS3)。
【0048】
ここで、前記関数式「y=(A/2)X+X−2」において、2次項に文字Aがあると判断されると(ステップS3(Yes))、当該係数Aに対して既定値(例えば“2”)が入力され、当該係数Aに関するデータ「A=2」が係数データ記憶領域15eに記憶される(ステップS4)。
【0049】
すると、前記設定された座標レンジに応じて、前記係数「A=2」とする関数式「y=(A/2)X+X−2」に対応したグラフyの描画データが生成され、グラフデータ記憶領域15hに記憶されると共に、前記グラフ画面GsのXY座標上に当該グラフyが表示される(ステップS5)。
【0050】
ここで、前記関数式の1次項に文字としての係数Bがあると判断された場合や定数項に文字としての係数Cがあると判断された場合にも(ステップS3(Yes))、各係数B,Cに対して既定値が入力され、前記係数データ記憶領域15eに記憶された後(ステップS4)、対応するグラフyの描画データが生成されてグラフ画面Gsに表示される(ステップS5)。
【0051】
なお、前記数式画面Fsに入力された関数式y=f(x)に含まれる各項の係数が、数字(定数)として入力されている(省略されて表示される“1”も含む)場合には(ステップS3(No))、当該関数式y=f(x)に対応したグラフyがそのまま生成され、前記グラフ画面GsのXY座標上に表示される(ステップS5)。
【0052】
ここで、タッチパネル表示部13の上部に配列表示されたアイコンのユーザ操作に応じて、前記グラフ画面Gsに表示されたグラフyを対象に、ズームイン(拡大表示)またはズームアウト(縮小表示)が指示された場合には、当該グラフ画面Gsに設定された現在の基準座標レンジ(Xmin〜Xmax)(Ymin〜Ymax)が、その拡大倍率(α)又は縮小倍率(1/α)に応じて変更されたズーム座標レンジ(ZXmin〜ZXmax)(ZYmin〜ZYmax)に再設定され、これに伴い、前記グラフyが拡大または縮小されて表示される。前記ズームイン(拡大表示)の場合、前記グラフ画面Gsにおける座標目盛の間隔は広がり、前記ズームアウト(縮小表示)の場合、その間隔は縮まる。そして、このズーム機能が働いている状態でのズーム座標レンジ(ZXmin〜ZXmax)(ZYmin〜ZYmax)も、前記レンジデータ記憶領域15cに記憶される。
【0053】
こうして、前記入力された関数式y=f(x)に対応するグラフyがグラフ画面Gsに表示された状態で、当該関数式に含まれる係数を変化させたグラフyを表示させたい場合には、ユーザは[Mdfy]キー12eを操作する。
【0054】
この[Mdfy]キー12eが操作されると(ステップS6(Yes))、図5におけるスライダ生成処理に移行される(ステップSA)。
【0055】
このスライダ生成処理に移行されると、先ず、前記関数式「y=(A/2)X+X−2」に含まれる各項を対象に、文字として入力された係数を有する項が特定され(ステップA1)、ここでは、係数「A」を有する2次項「(A/2)X」があると判断される(ステップA2(Yes))。
【0056】
すると、スライダパターンテーブル15f(図3参照)から、前記文字係数「A」を有する項として特定された2次項に対応したスライダSLA用の可変間隔(ステップ値)[−2,−1,−0.5,−0.2,−0.1,−0.05,0,0.05,0.1,0.2,0.5,1,2]が読み出される(ステップA3)。
【0057】
そして、前記関数式「y=(A/2)X+X−2」に含まれる2次項「(A/2)X」と1次項「X」に着目し(ステップA4)、前記文字としての係数「A」を有するとして特定された2次項「(A/2)X」について、その文字「A」以外の定数(数字)としての係数があるか否か判断される(ステップA5)。
【0058】
ここで、前記文字としての係数「A」を有するとして特定された2次項「(A/2)X」に、その文字「A」以外の定数(数字)としての係数「1/2」があると判断されると(ステップA5(Yes))、前記スライダパターンテーブル15fから読み出されたスライダSLAの可変間隔(ステップ値)に前記係数「1/2」の逆数「2」が掛けられ、可変間隔(ステップ値)[−4,−2,−1,−0.4,−0.2,−0.1,0,0.1,0.2,0.4,1,2,4]として補正される(ステップA6)。
【0059】
この定数(数字)としての係数に応じた補正の理由は、つまり、2次の関数式をグラフ化した場合、その2次項の値の大小はグラフの開き具合に関係し、その値が大きいと開きが狭くなり、その値が小さいと開きが広くなる。このため、当該2次項に定数(数字)として掛けられている係数の逆数を、同2次項の係数を変化させるための前記スライダSLAの基準となる可変間隔(ステップ値)に掛けて補正することで、当該スライダSLAによって変化される2次項の係数に対応してグラフが変化する形態を分かり易く示すことができる。
【0060】
なお、前記ステップA1,A2において、文字として入力された係数「B」を有する1次項「BX」があると判断された場合には、スライダパターンテーブル15f(図3参照)から、当該文字係数「B」を有する項として特定された1次項に対応したスライダSLB用の可変間隔(ステップ値)[−5,−2,−1,−0.5,−0.2,0,0.2,0.5,1,2,5]が読み出される(ステップA3)。同様に文字として入力された係数「C」を有する定数項があると判断された場合には、スライダパターンテーブル15f(図3参照)から、当該文字係数「C」を有する項として特定された定数項に対応したスライダSLC用の可変間隔(ステップ値)[−5,−4,−3,−2,−1,0,1,2,3,4,5]が読み出される(ステップA3)。
【0061】
そして、前記ステップA4,A5において、前記文字係数「B」を有するとして特定された1次項「BX」に、その文字「B」以外の定数(数字)としての係数があると判断された場合にも(ステップA5(Yes))、前記スライダパターンテーブル15fから読み出されたスライダSLBの可変間隔(ステップ値)に前記定数(数字)としての係数の逆数が掛けられて補正される(ステップA6)。
【0062】
なお、前記ステップA1,A2において、前記入力された関数式「y=f(x)」に文字として入力された係数を有する項が含まれないと判断された場合には(ステップA2(No))、係数を変化させる対象の項がない旨のメッセージ(例えば“変化対象係数なし”)が表示される(ステップA2m)。
【0063】
次に、前記ステップS1において、レンジデータ記憶領域15cに記憶されたX軸の基準座標レンジの値からXmax―Xminを算出し、この値を基準値とする(ステップA7)。そして、現在のグラフ画面Gsがズーム座標レンジ(ZXmin〜ZXmax)(ZYmin〜ZYmax)に設定されている場合には、ZXmax―ZXminの値が基準値より大きいか、小さいかが判断される(ステップA8a,A8b)。
【0064】
ここで、ZXmax―ZXminの値が基準値より大きく、ズームアウト状態(縮小表示)であることが判断された場合には(ステップA8a(Yes))、その縮小倍率(1/α)が算出される(ステップA9a)。
【0065】
そして、前記ステップA3にてスライダパターンテーブル15fから読み出されたスライダSL用の可変間隔(ステップ値)のパターンとして、2次項のスライダSLA用のパターンがある場合には、当該2次項のスライダSLA用の可変間隔(ステップ値)が、前記縮小倍率(1/α)の逆数(α)を掛けることによって大きく補正される(ステップA10a)。
【0066】
ここでは、前記ステップA5,A6に従い補正された2次項のスライダSLA用の可変間隔(ステップ値)[−4,−2,−1,−0.4,−0.2,−0.1,0,0.1,0.2,0.4,1,2,4]に前記縮小倍率(1/α)の逆数(α)が掛けられる。例えば、前記グラフ画面Gsに表示されたグラフyの縮小倍率(1/α)が“1/3”である場合には、その逆数“3”が掛けられ、可変間隔(ステップ値)[−12,−6,−3,−1.2,−0.6,−0.3,0,0.3,0.6,1.2,3,6,12]として補正される。
【0067】
このズームアウトに応じた補正の理由は、つまり、グラフ画面Gsに表示中のグラフyがズームアウト(縮小表示)されて当該グラフyの表示範囲が広がると、その座標目盛の間隔が狭まり、前記スライダSLAによる1可変間隔(ステップ値)あたりのグラフyの変化が小さくなる。このため、前記ズームアウト(縮小表示)に伴う縮小倍率(1/α)の逆数(α)を、前記スライダSLA用の可変間隔(ステップ値)に掛けて大きい可変間隔に補正することで、当該スライダSLAによって変化される2次項の係数に対応してグラフが変化する形態を分かり易く示すことができる。
【0068】
また、前記グラフ化された関数式「y=f(x)」の定数項に文字としての係数「C」が含まれる場合であって、前記ステップA3にてスライダパターンテーブル15fから読み出されたスライダSLC用の可変間隔(ステップ値)[−5,−4,−3,−2,−1,0,1,2,3,4,5]がある場合には、当該定数項のスライダSLC用の可変間隔(ステップ値)も、前記2次項のスライダSLA用のパターンに対する補正の理由と同様の理由で、前記縮小倍率(1/α)の逆数(α)を掛けることによって大きく補正される(ステップA10a)。
【0069】
なお、前記グラフ化された関数式「y=f(x)」の1次項に文字としての係数「B」が含まれ、前記ステップA3にてスライダパターンテーブル15fから1次項のスライダSLB用の可変間隔(ステップ値)[−5,−2,−1,−0.5,−0.2,0,0.2,0.5,1,2,5]が読み出されている場合であっても、前記グラフ画面Gsでのズームアウト(縮小表示)が、当該1次項の係数の変化に対応してグラフyが変化する割合に与える影響は小さいため、同スライダSLB用の可変間隔(ステップ値)はそのまま補正されない。
【0070】
一方、ZXmax―ZXminの値が基準値より小さく、前記グラフ画面Gsのグラフyがズームイン状態(拡大表示)と判断された場合には(ステップA8b(Yes))、その拡大倍率(α)が算出される(ステップA9b)。
【0071】
そして、前記ステップA3にてスライダパターンテーブル15fから読み出されたスライダSL用の可変間隔(ステップ値)のパターンとして、2次項のスライダSLA用のパターンがある場合には、当該2次項のスライダSLA用の可変間隔(ステップ値)が、前記拡大倍率(α)の逆数(1/α)を掛けることによって小さく補正される(ステップA10b)。
【0072】
ここでは、前記ステップA5,A6に従い補正された2次項のスライダSLA用の可変間隔(ステップ値)[−4,−2,−1,−0.4,−0.2,−0.1,0,0.1,0.2,0.4,1,2,4]に前記拡大倍率(α)の逆数(1/α)が掛けられる。例えば、前記グラフ画面Gsに表示されたグラフyの拡大倍率(α)が“2”である場合には、その逆数“1/2”が掛けられ、可変間隔(ステップ値)[−2,−1,−0.5,−0.2,−0.1,−0.05,0,0.05,0.1,0.2,0.5,1,2]として補正される。
【0073】
このズームインに応じた補正の理由は、つまり、グラフ画面Gsに表示中のグラフyがズームイン(拡大表示)されて当該グラフyの表示範囲が狭まると、その座標目盛の間隔が広くなり、前記スライダSLAによる1可変間隔(ステップ値)あたりのグラフyの変化が大きくなる。このため、前記ズームイン(拡大表示)に伴う拡大倍率(α)の逆数(1/α)を、前記スライダSLA用の可変間隔(ステップ値)に掛けて小さい可変間隔に補正することで、当該スライダSLAによって変化される2次項の係数に対応してグラフが変化する形態を分かり易く示すことができる。
【0074】
また、前記グラフ化された関数式「y=f(x)」の定数項に文字としての係数「C」が含まれる場合であって、前記ステップA3にてスライダパターンテーブル15fから読み出されたスライダSLC用の可変間隔(ステップ値)[−5,−4,−3,−2,−1,0,1,2,3,4,5]がある場合には、当該定数項のスライダSLC用の可変間隔(ステップ値)も、前記2次項のスライダSLA用のパターンに対する補正の理由と同様の理由で、前記拡大倍率(α)の逆数(1/α)を掛けることによって小さく補正される(ステップA10b)。
【0075】
なお、前記グラフ化された関数式「y=f(x)」の1次項に文字としての係数「B」が含まれ、前記ステップA3にてスライダパターンテーブル15fから1次項のスライダSLB用の可変間隔(ステップ値)[−5,−2,−1,−0.5,−0.2,0,0.2,0.5,1,2,5]が読み出されている場合であっても、前記グラフ画面Gsでのズームイン(拡大表示)が、当該1次項の係数の変化に対応してグラフyが変化する割合に与える影響は小さいため、同スライダSLB用の可変間隔(ステップ値)はそのまま補正されない。
【0076】
こうして、前記グラフ化された関数式y=f(x)に含まれる各項毎に、その文字としての係数値を変化させるためのスライダSL用の可変間隔(ステップ値)が決定され、スライダデータ記憶領域15gに記憶されると(ステップA11)、当該決定された可変間隔(ステップ値)のスライダSLが生成され(ステップA12)、前記グラフ画面Gsおよび前記数式画面Fsと共に表示される(ステップS7)。
【0077】
具体的には、例えば前記関数式「y=(A/2)X+X−2」が入力された場合であって、前述した通り、グラフ画面Gsが倍率(1/3)のズームアウト状態(縮小表示)で、前記ステップA1〜A8a,A9a,A10aを経て、2次項のスライダSLA用の可変間隔(ステップ値)[−12,−6,−3,−1.2,−0.6,−0.3,0,0.3,0.6,1.2,3,6,12]が決定された場合には、前記図1で示したように、その可変範囲(値幅)を[−12〜12]としたスライダSLAが数式画面Gsの空きエリアに表示される(ステップS7)。
【0078】
そして、前記スライダSLAの摘み部CSがタッチされて移動されることで(ステップS8)、前記関数式「y=(A/2)X+X−2」における2次項「(A/2)X」の係数「A」の値が、当該摘み部CSが位置する値に変更されると(ステップS9)、当該係数「A」変更後の関数式「y=(A/2)X+X−2」に対応したグラフyの描画データが再生成され、グラフデータ記憶領域15hに記憶されると共に、前記グラフ画面Gsに再表示される(ステップS10)。
【0079】
なお、前記スライダ生成処理(ステップSA)において、前記グラフ化された関数式y=f(x)に含まれる1次項の文字係数「B」を変化させるためのスライダSLBが生成され、当該グラフyと共に表示された場合(ステップS7)、さらに、定数項の文字係数「C」を変化させるためのスライダSLCが生成されて表示された場合(ステップS7)にも、各スライダSLB,SLCの摘み部CSをタッチして移動させることで(ステップ8)、各対応する係数「B」「C」の値が変更され(ステップS9)、グラフyが再表示される(ステップS10)。
【0080】
このように、前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ生成処理によれば、グラフ化された関数式に含まれる係数の値を、当該グラフの変化がユーザにより分かり易いような適切な範囲と間隔で変化させることができる。
【0081】
図6は、前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ操作処理を示すフローチャートである。
【0082】
前記タッチパネル表示部13に表示されたスライダSLAに対するタッチ操作が検出されると(ステップS81(Yes))、その摘み部CSに対するタッチ操作であるか、または同摘み部CSの隣接部分に対するタッチ操作であるかが判断される(ステップS82a,S82b)。
【0083】
ここで、前記摘み部CSに対するタッチ操作であると判断されると(ステップS82a(Yes))、その後に同タッチ操作が離れた位置が特定され(ステップS83a)、当該特定された位置に最も近い係数値のステップ位置が決定される(ステップS84a)。
【0084】
一方、前記摘み部CSの隣接部分に対するタッチ操作であると判断されると(ステップS82b(Yes))、そのタッチ操作の位置が同摘み部CSの左側にあるか右側にあるかが特定され(ステップS83b)、当該特定された左隣または右隣にある係数値のステップ位置が決定される(ステップS84b)。
【0085】
こうして、ユーザ操作に応じた係数値のステップ位置が決定されると、当該決定されたステップ位置に前記摘み部CSが移動されて更新されたスライダSLAが表示される(ステップS85)。
【0086】
図7は、前記グラフ関数電卓10のスライダ操作処理に伴う係数値可変範囲の変更動作を示す図である。
【0087】
例えば、図7(A)に示すように、タッチパネル表示部13に表示されたスライダSLAにおいて、その摘み部CSが係数値“―12”の位置にある状態で、矢印Tに示すように、当該摘み部CSの右側の隣接部分がタッチされると(ステップS81,S82b,S83b)、同摘み部CSの右隣にある係数値“6”のステップ位置が決定される(ステップS84b)。
【0088】
すると、図7(B)に示すように、前記決定された係数値“6”のステップ位置に前記摘み部CSが移動されて更新されたスライダSLAが表示される(ステップS85)。
【0089】
図8は、前記グラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ操作に応じたグラフyの表示の変化を示す図である。
【0090】
この図8で示す具体例は、数式画面Fsに入力された関数式「y=(A/2)X+X−2」に対応するグラフyをグラフ画面(縮小倍率1/3)Gsに表示させた後(ステップS1〜S5)、[Mdfy]キー12eの操作に応じて生成されたスライダSLAによって(ステップS6,SA,S7)、前記関数式の2次項の係数「A」の値を順次変化させた場合のグラフyの表示の変化(ステップS8〜S10)を示している。
【0091】
すなわち、前記スライダ生成処理(図5参照)での説明にて前述した通り、前記関数式「y=(A/2)X+X−2」の2次項に対応するスライダSLA用の基準となる可変間隔(ステップ値)は、スライダパターンテーブル15f(図3参照)から[−2,−1,−0.5,−0.2,−0.1,−0.05,0,0.05,0.1,0.2,0.5,1,2]として読み出される(ステップA1〜A3)。
【0092】
そして、前記スライダパターンテーブル15f(図3参照)から読み出された2次項に対応するスライダSLA用の基準となる可変間隔(ステップ値)は、文字以外の定数係数「1/2」の逆数「2」による補正(ステップA4〜A6)、および前記グラフ画面Gsの縮小倍率(1/3)の逆数“3”による補正(ステップA7,A8a〜A10a)によって[−12,−6,−3,−1.2,−0.6,−0.3,0,0.3,0.6,1.2,3,6,12]として決定され(ステップA11)、図8に示すように、当該決定された可変間隔(ステップ値)に対応するスライダSLAが数式画面Fsの空きエリアに表示される(ステップA12,S7)。
【0093】
そして、図8(A)〜図8(H)に示すように、前記スライダSLAがユーザによってタッチ操作されて前記関数式「y=(A/2)X+X−2」における2次項の係数「A」の値が順次変更されると(ステップS8,S9)、当該係数「A」変更後の同関数式「y=(A/2)X+X−1」に対応したグラフyの描画データが再生成され、前記グラフ画面Gsに再表示される(ステップS10)。
【0094】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓10のグラフ表示処理に伴うスライダ生成機能によれば、ユーザ入力された任意の関数式y=f(x)に対応するグラフyがグラフ画面Gsに表示された状態で、[Mdfy]キー12eが入力されると、前記関数式に含まれる文字としての係数を有する項が特定され、この項の次数に応じてスライダパターンテーブル15fに記憶されている当該項の係数値をスライダSLによって変化させるための可変範囲とその可変間隔(ステップ値)が読み出される。そして、前記特定された項の係数値を変化させるためのスライダSLの可変間隔(ステップ値)は、当該係数として文字以外の定数がある場合には、その定数の逆数が掛けられて補正され、さらに、前記グラフ画面Gsの表示レンジ(Xmin〜Xmax)(Ymin〜Ymax)がズームアウト状態(縮小表示)またはズームイン状態(拡大表示)である場合には、その縮小倍率(1/α)の逆数(α)が掛けられて大きく補正されるか、またはその拡大倍率(α)の逆数(1/α)が掛けられて小さく補正された後、スライダSLとして前記グラフyと共に表示される。
【0095】
そして、前記スライダSLのユーザ操作に応じて、前記特定された項の係数値が順次変更されると、その都度、当該変更された係数値での関数式に対応するグラフyが前記グラフ画面Gsに再表示される。
【0096】
このため、前記グラフ化された関数式に含まれる係数の値を、当該グラフの変化がユーザにより分かり易いような適切な範囲と間隔で変化させることができる。
【0097】
なお、前記各実施形態において記載したグラフ関数電卓10による各動作手法、すなわち、図4のフローチャートで示すグラフ表示処理、図5のフローチャートで示すスライダ生成処理、図6のフローチャートに示すスライダ操作処理等の各手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレシキプルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体(記録媒体17)に記録して配布することができる。そして、グラフ表示機能を備えた電子計算機(10)のコンピュータ(CPU11)は、この記憶媒体に記録されたプログラムを読み込むことで、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0098】
また、前記手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)を介して伝送させることができる。そして、グラフ表示機能を備えた電子計算機10のコンピュータ(CPU11)は、このプログラムを通信ネットワークに接続された通信装置(通信制御部18)にて受信することにより、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0099】
なお、前記グラフ表示装置の実施形態は、グラフ関数電卓10なる専用機器においてグラフ表示処理の全ての動作を実行するものとして説明したが、当該グラフ表示装置をクラウドシステムのサーバ装置として構成してもよい。
【0100】
すなわちこの場合、サーバ装置において、ユーザインターフェイスを有するタブレット端末などの端末装置からユーザ任意の関数式「y=f(x)」を入力することで、当該関数式に応じたグラフデータを生成しその表示データを前記端末装置へ出力して表示させる。そして、端末装置からユーザ操作に応じた[Modify]の指示を入力するとこで、前記実施形態同様にスライダSLを生成し前記端末装置へ出力して表示させる。そして、端末装置からスライダSLのユーザ操作に応じた係数値を入力することで、当該係数値変更後のグラフデータを再生成しその表示データを前記端末装置へ出力して表示させる。
【0101】
これによれば、特別な機能を持たない端末装置であっても、前記サーバ装置へアクセスすることで、ユーザ入力された関数式に対応するグラフyを表示できるのは勿論、その関数式に含まれる係数の値を、前記スライダSLによって、当該グラフyの変化がユーザにより分かり易いような適切な範囲と間隔で変化させることができる。
【0102】
本発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0103】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0104】
[1]
関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、
この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを前記表示部に表示させる係数指定グラフ表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするグラフ表示装置。
【0105】
[2]
前記関数式に含まれる項の次数毎に、当該項の係数値を変化させるための基準となる数値可変範囲と可変間隔を対応付けて記憶している可変パターン記憶手段を備え、
前記操作表示体生成手段は、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の次数に応じて前記可変パターン記憶手段により記憶されている基準となる数値可変範囲と可変間隔を読み出す基準可変パターン読み出し手段を有し、
前記操作表示体を、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を基に、前記式の係数と前記グラフの表示状態に応じた数値可変範囲と可変間隔を設定して生成する、
ことを特徴とする[1]に記載のグラフ表示装置。
【0106】
[3]
前記グラフの表示状態は、前記グラフ表示制御手段によるグラフの表示レンジの設定状態であって、
前記操作表示体生成手段は、前記操作表示体を、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を基に、前記式の係数と前記グラフの表示レンジに応じた数値可変範囲と可変間隔を設定して生成する、
ことを特徴とする[2]に記載のグラフ表示装置。
【0107】
[4]
前記操作表示体生成手段は、前記操作表示体を、前記グラフの表示レンジが予め設定された基準値よりも広い場合は、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を、それより大きい数値可変範囲と可変間隔に設定して生成し、前記グラフの表示レンジが予め設定された基準値よりも狭い場合は、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を、それより小さい数値可変範囲と可変間隔に設定して生成する表示レンジ対応生成手段を有する、
ことを特徴とする[3]に記載のグラフ表示装置。
【0108】
[5]
前記関数の式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数に変数を示す文字以外の定数があるかを判断する定数係数判断手段を備え、
前記操作表示体生成手段は、前記操作表示体を、前記定数係数判断手段により前記係数にその文字以外の定数があると判断された場合は、前記基準可変パターン読み出し手段により読み出された基準となる数値可変範囲と可変間隔を基に、当該定数の逆数を掛けた数値可変範囲と可変間隔を設定して生成する定数係数対応生成手段を有する、
ことを特徴とする[2]ないし[4]の何れかに記載のグラフ表示装置。
【0109】
[6]
表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、
この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを前記表示部に表示させる係数指定グラフ表示制御手段、
として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
【0110】
[7]
端末装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置であって、
前記端末装置から関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に対応したグラフを生成するグラフ生成手段と、
このグラフ生成手段により生成されたグラフを前記端末装置へ出力して表示させるグラフ出力制御手段と、
前記関数式に含まれる係数が変数として入力されている場合に、当該係数が係る項の種別と前記グラフの表示状態に基づいて、前記係数に入力する数値の範囲を決定し、この決定された範囲で可変に数値をユーザに指定させるための操作表示体を生成し、前記表示部に前記グラフと共に表示させる操作表示体表示制御手段と、
この操作表示体表示制御手段により表示された操作表示体のユーザ操作に応じて指定された数値を前記係数の値とした前記関数式に対応したグラフを生成する係数指定グラフ生成手段と、
この係数指定グラフ生成手段により生成されたグラフを前記端末装置へ出力して表示させる係数指定グラフ出力制御手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【符号の説明】
【0111】
10 …グラフ関数電卓
11 …CPU
12 …キー入力部
12a…数値・記号キー
12b…関数・演算子キー
12c…[Menu]キー
12d…[Graph]キー
12e…[Mdfy]キー
12f…カーソルキー
13 …タッチパネル表示部
14 …記憶装置
14a…電卓制御プログラム
15 …RAM
15a…表示データ記憶領域
15b…タッチ座標データ記憶領域
15c…レンジデータ記憶領域
15d…数式データ記憶領域
15e…係数データ記憶領域
15f…スライダパターンテーブル
15g…スライダデータ記憶領域
15h…グラフデータ記憶領域
16 …記録媒体読取部
17 …記録媒体
18 …通信制御部
Gs …グラフ画面
Fs …数式画面
y …グラフ
SLA…係数Aのスライダ
CS …摘み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8