(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221377
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】コンベヤベルトの付着物除去装置及び付着物除去方法
(51)【国際特許分類】
B65G 45/14 20060101AFI20171023BHJP
B65G 45/16 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
B65G45/14 A
B65G45/16 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-125318(P2013-125318)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2015-782(P2015-782A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰嗣
【審査官】
福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−091547(JP,A)
【文献】
特開昭62−016918(JP,A)
【文献】
特開平4−266317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 45/12−45/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトのヘッドプーリの下方位置に設けられた取付ベースに、下側金具と上側金具をヒンジ構造により連結し、これらの下側金具と上側金具との間に水平軸を挟んでボルトによって固定する左右一対の保持具を設け、これらの保持具間に保持させた水平軸の上部の取り付けブラケットにスクレーパ本体をゴムの弾性体を介して取り付け、ボルトを締付けることによりスクレーパ本体をヘッドプーリの回転軸中心に向けた位置にスクレーパ本体を固定可能とし、またボルトを緩めることにより、スクレーパ本体をコンベヤベルトのリターン側に回転可能としたことを特徴とするコンベヤベルトの付着物除去装置。
【請求項2】
スクレーパ本体がその先端部に超硬チップを備えたものであることを特徴とする請求項1項記載のコンベヤベルトの付着物除去装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンベヤベルトの付着物除去装置を用いたコンベヤベルトの付着物除去方法であって、スクレーパ本体をヘッドプーリの真下で除去する位置に固定してコンベヤベルトの付着物を除去し、ボルトを緩めてスクレーパ本体をコンベヤベルトのリターン側に倒してスクレーパ本体のメンテナンスを行うことを特徴とするコンベヤベルトの付着物除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤのベルトの付着物を除去するために使用されるコンベヤベルトの付着物除去装置及び付着物除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤのベルトへの付着物を除去するために、従来からベルトクリーナと呼ばれる付着物除去装置が用いられている。このコンベヤベルトの付着物除去装置は、スクレーパをコンベヤベルトに押し付けて付着物を除去する装置である。このスクレーパの設置位置は、ベルトコンベヤのヘッドプーリの正面、ヘッドプーリ後方のリターンベルト部、ヘッドプーリの真下に大別される。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、スクレーパをヘッドプーリの正面に設置したコンベヤベルトの付着物除去装置が記載されている。しかしこのようにヘッドプーリの正面にスクレーパを配置した構造のものは、搬送物がスクレーパに直接接触する取り合いとなるため、異物の噛み込みが発生しやすく、スクレーパ本体の損耗が速くなるという問題があった。
【0004】
また特許文献3〜特許文献8には、クレーパをヘッドプーリ後方のリターンベルト部に設置したコンベヤベルトの付着物除去装置が記載されている。しかしこのような構造のものは、下流の搬送装置への移し換えシュートを設置しにくい取り合いとなり、スクレーパのメンテナンス性に難があるという問題があった。
【0005】
さらに特許文献9には、クレーパをヘッドプーリの真下に設置したコンベヤベルトの付着物除去装置が記載されている。しかしこの特許文献9に記載のコンベヤベルトの付着物除去装置は、油圧または空気圧によってベルトスクレーパを押し付ける構造であるため、構造が複雑であり、スクレーパのメンテナンス性に難があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−035136号公報
【特許文献2】特開2000−211731号公報
【特許文献3】実開昭50−087691号公報
【特許文献4】特開昭60−106710号公報
【特許文献5】実公昭63−020646号公報
【特許文献6】特許第3206790号公報
【特許文献7】特開平08−026459号公報
【特許文献9】特開平08−208020号公報
【特許文献8】特開2001−010716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、構造が単純であり、下流の搬送装置への移し換えシュートを設置しやすい取り合いとして、スクレーパのメンテナンス性を考慮し、搬送物が直接接触しない取り合いとして、異物の噛み込みを防止し、スクレーパ本体の損耗を防止した、コンベヤベルトの付着物除去装置及び付着物除去方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明のコンベヤベルトの付着物除去装置は、コンベヤベルトのヘッドプーリの下方位置に
設けられた取付ベースに、下側金具と上側金具をヒンジ構造により連結し、これらの下側金具と上側金具との間に水平軸を挟んでボルトによって固定する左右一対の保持具を設け、これらの保持具間に保持させた水平軸の上部の取り付けブラケットにスクレーパ本体をゴムの弾性体を介して取り付け、
ボルトを締付けることによりスクレーパ本体をヘッドプーリの回転軸中心に向けた位置にスクレーパ本体を固定可能とし、またボルトを緩めることにより、スクレーパ本体をコンベヤベルトのリターン側に回転可能としたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、スクレーパ本体がその先端部に超硬チップを備えたものとすることができる。
【0010】
また本発明のコンベヤベルトの付着物除去方法は、上記したコンベヤベルトの付着物除去装置を用いたコンベヤベルトの付着物除去方法であって、スクレーパ本体をヘッドプーリの真下で除去する位置に固定してコンベヤベルトの付着物を除去し、ボルトを緩めてスクレーパ本体をコンベヤベルトのリターン側に倒してスクレーパ本体のメンテナンスを行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のコンベヤベルトの付着物除去装置は、コンベヤベルトの付着物をヘッドプーリの真下で除去する位置にスクレーパ本体を固定可能とし、またボルトを緩めることにより、スクレーパ本体をコンベヤベルトのリターン側に回転可能としたので、下記の効果を得ることができる。
1、下流の搬送装置への移し換えシュートを設置しやすい取り合いである。
2、スクレーパのメンテナンス性も向上できる。
3、搬送物が直接接触しない取り合いとしたため、異物の噛み込みが発生しにくく、スクレーパ本体の損耗も少ない。
4、構造を単純化したため、破損の要因を削減できた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のコンベヤベルトの付着物除去装置を備えたベルトコンベヤの全体正面図である。
【
図2】実施形態のコンベヤベルトの付着物除去装置の正面図である。
【
図3】実施形態のコンベヤベルトの付着物除去装置の側面図である。
【
図4】稼働状態のコンベヤベルトの付着物除去装置の正面図である。
【
図5】メンテナンス時のコンベヤベルトの付着物除去装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を示す。
図1は本発明のコンベヤベルトの付着物除去装置を備えたベルトコンベヤ1の全体正面図である。ベルトコンベヤ1は、固定されたヘッドプーリ2と、テイクアップユニット3にて横移動するテールプーリ4間に張られた端部の無いコンベヤベルト5にて構成されている。図示しない減速モータでヘッドプーリ2を回転させる事により、コンベヤベルト5の搬送側6が搬送方向側(
図1右側)に移動し、下面のリターン側7は、
図1左側に移動する。このコンベヤベルト5の移動により、図示しない搬送物が、ホッパ8からシュート9に搬送される。コンベヤベルト5の搬送側6の荷重をキャリヤローラ10で受け、リターン側7の垂れ防止にリターンローラ11を設けている。
【0014】
付着性が高い搬送物を搬送する場合、シュート9から図示しない後工程に搬送物を投入した後のコンベヤベルト5には、搬送物の付着が避けられず、搬送中のコンベヤベルト5の振動、リターンローラ11への接触により、コンベヤベルト5のリターン側7から、付着物が落下し、堆積するため、作業環境を悪化する不具合となる。
【0015】
そのため、本発明ではヘッドプーリ2の真下にコンベヤベルト5の付着物除去装置を設け、コンベヤベルト5から図示しない付着物を掻き取り、シュート9を介して図示しない後工程に回収する構造となっている。なおシュート9のリターン側の上部には、分割式の上部シュート24が取り付けられている。この上部シュート24はメンテナンス時には取り外すことができる構造となっている。
【0016】
次に、実施形態のコンベヤベルトの付着物除去装置の構造を、
図2、
図3を用いて説明する。
図示のように、ヘッドプーリ2の下方のシュート9の左右の両外側面には上下方向に延びる取付ベース12が設けられており、各取付ベース12の途中位置に、保持具18がそれぞれ支持されている。
【0017】
保持具18は水平軸17を保持することができる断面L字状の下側金具と、水平軸17の上面を押さえて固定する上側金具とからなるもので、それら上下の金具の取付ベース12側は、ヒンジ構造23により連結されている。また上側金具は1本のボルト15によって下側金具に取付けられている。このためボルト15を締め付けることによって水平軸17を両側位置で固定することができ、またボルト15を緩めれば水平軸17を回転させることができる。
【0018】
図2、
図3に示すように、この水平軸17の上部にはヘッドプーリ2の幅方向に延びる取り付けブラケット16が取り付けられており、この取り付けブラケット16の上側にはスクレーパ本体19が、ゴムの弾性体20を介して取り付けられている。スクレーパ本体19の先端はヘッドプーリ2の真下の位置においてコンベヤベルト5の表面に接触し、付着物を掻き落とす。なお磨耗対策として、スクレーパ本体19の先端21に超硬チップを取付けたものを用いることが好ましい。
【0019】
次に
図4により、稼働時のスクレーパ本体19の取り合いを説明する。
スクレーパ本体19をヘッドプーリ2の表面に直角に当てるため、ヘッドプーリ2の回転軸中心22と、スクレーパの先端21と、ゴムの弾性体20の中心を一直線に調整し、その位置を保持するようにボルト15を締めて水平軸17を固定しておく。
【0020】
このようにヘッドプーリ後方のリターンベルト部13でなく、ヘッドプーリ2の真下にスクレーパ本体19を設ける事により、シュート9との取り合いに余裕14ができるため、スクレーパ本体19をくぐった後に、スクレーパ本体19の後方に落下する付着物を、シュート9にて回収する事が可能となる。
【0021】
次に
図5により、メンテナンス時のスクレーパ本体19の取り合いを説明する。
前記したように、保持具18はボルト15の反対側をヒンジ構造23としているため、左右一対の保持具18のボルト15を緩めることにより水平軸17とともに、スクレーパ本体19を
図5のようにコンベヤベルト5のリターン側7に倒し、後方に回転させることができる。そして分割式の上部シュート24を取り外せば、スクレーパ本体19の調整、交換を容易に行うことができる。
【0022】
以上に説明したように、本発明のコンベヤベルトの付着物除去装置は、コンベヤベルト5の付着物をヘッドプーリ2の真下で除去する位置にスクレーパ本体19を固定可能とし、またボルト15を緩めることにより、スクレーパ本体19をコンベヤベルト5のリターン側7に回転可能としたので、構造が単純である利点がある。また、下流の搬送装置への移し換えシュート9を設置しやすい取り合いとして、スクレーパのメンテナンス性を考慮し、搬送物が直接接触しない取り合いとして、異物の噛み込みを防止し、スクレーパ本体19の損耗を防止することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 ベルトコンベヤ
2 ヘッドプーリ
3 テイクアップユニット
4 テールプーリ
5 コンベヤベルト
6 搬送側
7 リターン側
8 ホッパ
9 シュート
10 キャリヤローラ
11 リターンローラ
12 取付ベース
13 ヘッドプーリ後方のリターンベルト部
14 余裕
15 ボルト
16 取り付けブラケット
17 水平軸
18 保持具
19 スクレーパ本体
20 ゴムの弾性体
21 スクレーパ先端
22 プーリの回転軸中心
23 ヒンジ構造
24 上部シュート