(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記平面状ボビンは、前記主面の少なくとも一方の中央部に有底孔を有し、前記線材は、前記ボビンの前記中央部以外の部分に設けられている、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送用コイルユニット。
前記コイル本体と前記絶縁部材との間に、さらに少なくとも一つのコイル本体が積層されており、積層された前記コイル本体に含まれる複数の前記平面状ボビンは、前記巻線収納部及び前記支持部が同一方向に向いて積層されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイヤレス電力伝送用コイルユニット。
前記積層されたコイル本体のうち、前記絶縁部材から最も遠くに配置された前記コイル本体に含まれる、平面状ボビンは、前記主面の少なくとも一方の中央部に有底孔を有し、かつ、前記線材は、前記ボビンの前記中央部以外の部分に設けられている、請求項4に記載のワイヤレス電力伝送用コイルユニット。
前記コイル本体と前記絶縁部材との間に、さらに少なくとも一つのコイル本体が積層されており、積層された前記コイル本体に含まれる前記ボビンは、前記巻線収納部及び前記支持部が同一方向に向いて積層されている、請求項6又は7に記載のワイヤレス電力伝送用コイルユニット。
【背景技術】
【0002】
近年、電源コードなしで電力を供給するワイヤレス電力伝送技術が注目されつつある。現在のワイヤレス電力伝送技術は、(A)電磁誘導を利用するタイプ(近距離用)、(B)磁場の共振現象を利用するタイプ(中距離用)、(C)電波を利用するタイプ(遠距離用)、の3種類に大別できる。
【0003】
これらの3種類のワイヤレス電力伝送技術のうち、電磁誘導を利用するタイプ(A)は給電側コイルを通る交流が磁界を発生させ、その結果受電側コイルに生じる電圧を利用する送電技術である。この電磁誘導を利用するタイプは、距離を大きくすると電力伝送効率が急激に低下してしまうものの、数cm程度の近距離であれば、十分な電力伝送効率が得られるうえ、低コストで実現できるため、電動シェーバーなどの身近な家電製品において一般的に利用されている。
【0004】
磁場共振現象を利用するタイプ(B)は、比較的新しい技術であり、一対の自己共振コイルを電磁場において共振させ、電磁場を介して送電するワイヤレス電力伝送技術である。この技術を応用すれば、数m程度の距離であっても、数kWの大電力を高い電力伝送効率で送電させることも可能である。たとえば、電気自動車の車両下部に受電コイルを埋め込み、地中の給電コイルから非接触にて電力を送り込むという案も検討されている。ワイヤレスであるため完全に絶縁されたシステム構成が可能であり、特に、雨天時の給電に効果的であると考えられる。
【0005】
これらの電磁誘導を利用するタイプ(A)や磁場の共振現象を利用するタイプ(B)のワイヤレス電力伝送装置においては、給電側コイルから受電側コイルにできるだけ効率よく電力を伝送することが求められる。
【0006】
送電側及び受電側コイルから放射される磁束は、受給電に用いられる磁束と、受給電に寄与しない磁束とに分かれることが避けられず、電力伝送効率を向上させるには、送電側及び受電側コイルから放射される磁束のうち、受給電に用いられる磁束の割合を高くする必要がある。
【0007】
また、送電側及び受電側コイルから放射される磁束は周辺機器への影響を避けるために十分に遮断する必要がある。
【0008】
上述のように、送電側及び受電側コイルからの放射される磁束のうち、受給電に寄与しない磁束を効果的シールドするために、送電側及び受電側コイルの周辺には、磁性材料、金属材料等のシールド材が用いられる。
【0009】
さらに、電磁誘導を利用するタイプ(A)や磁場の共振現象を利用するタイプ(B)のワイヤレス電力伝送装置においては、動作原理の違いこそあれコイルに高電圧を負荷して電力を伝送するため、コイルとコイル周辺の磁性材料や金属材料との間に所定の絶縁距離(例えば、空間放電が生じないだけの電位差を確保する長さである空間距離や、沿面放電が生じないだけの電位差を確保する長さである沿面距離)を確保する必要がある。
【0010】
しかしながら、絶縁距離を確保するため、コイルエッジからの距離を空間的に確保したり、また、コイルの露出面をテープ等の絶縁被覆によって覆ったり、ボビンに中敷きを入れたりして絶縁物を介在させると、コイルユニットが大型化してしまう。
【0011】
コイルサイズの大型化を抑制しつつ、巻き数を増加させることのできる送受電コイルとしては、例えば特許文献1には、第1層と第2層を有する基板上に、コイル導体が、第1層に巻回されたあと第2層にも巻回された給電又は受電コイルが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1の送受電コイルは、基板同士が接着しているため、コイル導体と、基板の周辺に配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁が不十分な構造であり、十分な絶縁距離を確保する必要があることを見出した。
【0014】
そこで本発明は、大型化することなく、線材と、コイルユニット周辺に配置されることとなるシールド材等金属系材料との絶縁を十分に確保できるワイヤレス電力伝送用コイルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットは、対向する二つの主面を有する平面状ボビン、及び、平面状ボビンの有する一方の主面上、平面状に巻回された線材を含むコイル本体と、線材を介してボビンとは反対側に設けられた絶縁部材と、を備え、ボビンは、溝部と突部とから構成され、溝部及び突部に沿って線材が設けられた巻線収納部と、巻線収納部よりも外周側に配置され、突部の突出方向に沿って延び、かつ、絶縁部材を支持する支持部と、を有し、突部の先端面が、溝部の底面と支持部の先端面との間に位置している。
【0016】
平面状のボビンにおいて、絶縁部材を支持する支持部が、巻線収納部よりも外周側に配置され、巻線収納部を構成する突部の突出方向に沿って延びており、巻線収納部を構成する突部の先端面が、巻線収納部を構成する溝部の底面と支持部の先端面との間に位置していることにより、巻線収納部と絶縁部材との間に空間ができる。これにより、巻線収納部の突部と絶縁部材とが接触することがなくなるため、線材を流れる電流は、溝部と突部に沿って放電することとなり、コイルユニットの外部に配置された金属系材料との沿面距離を長くできる。また、支持部の先端面の高さが、突部の先端面の高さよりも高いことにより、線材と、コイルユニットの外部に配置された金属系材料との沿面距離及び空間距離が確保できる。したがって、本発明によれば、コイルユニットを大型化することなく、線材と、コイルユニット周辺、特に、コイルユニットの外周付近に配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離を延ばすことができ、絶縁を十分に確保できる。
【0017】
また本発明においては、平面状ボビンは、主面の少なくとも一方の中央部に有底孔を有し、線材は、ボビンの中央部以外の部分に設けられているとよい。これにより、ボビンの中央部付近に配置された線材と、平面状のボビンの、絶縁部材が設けられた面とは反対側の面に対向して配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離も延ばすことができ、絶縁をより十分に確保できる。
【0018】
さらに本発明においては、巻線収納部と支持部との間に、さらに少なくとも一つの溝部を有することが好ましい。これにより、線材と、コイルユニット周辺、特に、コイルユニットの外周付近に配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離をさらに延ばすことができ、コイルユニットを大型化することなく、沿面距離及び空間距離に関する安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格)等を十分満足できる。
【0019】
さらにまた、本発明に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットは、コイル本体と絶縁部材との間に、さらに少なくとも一つのコイル本体が積層されており、積層されたコイル本体に含まれる複数の平面状ボビンは、巻線収納部及び支持部が同一方向に向いて積層されているとよい。
【0020】
巻線収納部及び支持部が同一方向に向くようにして複数の平面状ボビンが積層されていることにより、巻線収納部と絶縁部材との間、又は、巻線収納部に対向配置されたコイル本体に含まれるボビンとの間に空間ができる。これにより、巻線収納部の突部と、絶縁部材又は巻線収納部に対向配置されたコイル本体に含まれるボビンとが接触することがなくなるため、線材を流れる電流は、溝部と突出部に沿って放電することとなり、コイルユニットの外部に配置された金属系材料との沿面距離を長くできる。また、支持部の先端面の高さが、突部の先端面の高さよりも高いことにより、線材と、コイルユニットの外部に配置された金属系材料との沿面距離及び空間距離が確保できる。したがって、本発明によれば、コイルユニットの巻き数を増加させつつ、線材と、コイルユニットの外周付近に配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離を延ばすことができ、絶縁を十分に確保できる。
【0021】
また、本発明においては、積層されたコイル本体のうち、絶縁部材から最も遠くに配置されたコイル本体に含まれる、平面状ボビンは、主面の少なくとも一方の中央部に有底孔を有し、かつ、線材は、ボビンの中央部以外の部分に設けられているとよい。これにより、ボビンの中央部付近に配置された線材と、平面状のボビンの、絶縁部材が設けられた側とは反対側の面に対向して配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離も延ばすことができ、絶縁をより十分に確保できる。
【0022】
さらにまた、本発明に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットは、中空の柱状ボビン及び、ボビンに螺旋状に巻回された線材を含むコイル本体と、線材を介してボビンとは反対側に設けられた絶縁部材と、を備え、ボビンは、溝部と突部とから構成され、溝部及び突部に沿って線材が設けられた巻線収納部と、巻線収納部の両端に配置され、突部の突出方向に沿って延び、かつ、絶縁部材を支持する支持部と、を有し、突部の先端面が、溝部の底面と支持部の先端面との間に位置している。
【0023】
中空の柱状ボビンにおいて、絶縁部材を支持する支持部が、巻線収納部の両端に配置され、巻線収納部を構成する突部の突出方向に沿って延びており、巻線収納部を構成する突部の先端面が、巻線収納部を構成する溝部の底面と支持部の先端面との間に位置していることにより、巻線収納部と絶縁部材との間に空間ができる。これにより、巻線収納部の突部と絶縁部材とが接触することがなくなるため、線材を流れる電流は、溝部と突部に沿って放電することとなり、コイルユニットの外部に配置された金属系材料との沿面距離を長くできる。また、支持部の先端面の高さが、突部の先端面の高さよりも高いことにより、線材と、コイルユニットの内部又は外部に配置された金属系材料との沿面距離及び空間距離が確保できる。したがって、本発明によれば、コイルユニットを大型化することなく、線材と、コイルユニット周辺、特に、コイルユニットの両端部付近に配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離を延ばすことができ、絶縁を十分に確保できる。
【0024】
また本発明においては、巻線収納部と支持部との間に、さらに少なくとも一つの溝部を有するとよい。これにより、線材と、コイルユニット周辺に配置されることとなるシールド材や磁性体コア等の金属系材料との絶縁距離をさらに延ばすことができ、コイルユニットを大型化することなく、沿面距離及び空間距離に関する安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格)等を十分満足できる。
【0025】
さらにまた本発明においては、コイル本体と絶縁部材との間に、さらに少なくとも一つのコイル本体が積層されており、積層されたコイル本体に含まれるボビンは、巻線収納部及び支持部が同一方向に向いて積層されていることが好ましい。
【0026】
巻線収納部及び支持部が同一方向に向くようにして複数のボビンが積層されていることにより、巻線収納部と、絶縁部材又は巻線収納部に対向配置されたコイル本体に含まれるボビンとの間に空間ができる。これにより、巻線収納部の突部と、絶縁部材又は巻線収納部に対向配置されたコイル本体に含まれるボビンとが接触することがなくなるため、線材を流れる電流は、溝部と突部に沿って放電することとなり、コイルユニットの外部に配置された金属系材料や、内部に配置された磁性体コアとの沿面距離を長くできる。また、支持部の先端面の高さが、突部の先端面の高さよりも高いことにより、線材と、コイルユニットの外部に配置された金属系材料や内部に配置された磁性体コアとの沿面距離及び空間距離が確保できる。したがって、本発明によれば、コイルユニットの巻き数を増加させつつ、線材と、コイルユニットの両端部付近に配置されることとなるシールド材等の金属系材料との絶縁距離を延ばすことができ、絶縁を十分に確保できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、大型化することなく、線材と、コイルユニット周辺に配置されることとなるシールド材等金属系材料との絶縁を十分に確保できるワイヤレス電力伝送用コイルユニットを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0030】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの上面図である。
図2は、本発明の第一実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの断面図である。
【0031】
図1,2に示すように、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット10は、対向する二つの主面160S,161Sを有する平面状ボビン2、及び、平面状ボビン2の有する一方の主面160S上、平面状に巻回された線材3を含むコイル本体4と、線材3を介してボビン2とは反対側に設けられた絶縁部材5と、を備える。ボビン2は、溝部16と突部26とから構成された巻線収納部6と、巻線収納部6よりも外周側に配置され、突部26の突出方向に沿って延び、かつ、絶縁部材5を支持する支持部7と、を有し、突部26の先端面26Sが、溝部16の底面16Sと支持部7の先端面7Sとの間に位置している。なお、本実施形態において、線材3が巻回される「平面状ボビン2の有する一方の主面160S」とは、複数の溝部16の底面16Sを連続させて形成される仮想面160Sを意味する。
【0032】
平面状ボビン2の外形形状は矩形であるが、矩形以外の多角形、円形、楕円形のいずれでもよい。平面状ボビン2は、必ずしも必須ではないが、中央部に孔2a(下記に詳述する)を有しているとよい。孔2aの形状に特に制限はないが、平面状ボビン2の外形形状と同様であることが好ましい。
【0033】
図1に示すように、平面状ボビン2には、中央部から外周側へ向けて、孔2aの外形形状及び平面状ボビン2の外形形状に沿って、渦巻き状に溝部16及び突部26が形成されている。溝部16及び突部26により、巻線収納部6が構成される。孔2aの周囲には、二つの突部26の間に溝部16が形成されている。巻線収納部6において、溝部16の底面、並びに、溝部16及び突部26の側面(共通する)に沿って線材3が配置される。これにより、線材3が、孔2aの外形形状及び平面状ボビン2の外形形状に沿って、平面状ボビン2の有する一方の主面160S上に、平面状に巻回されることとなる。
【0034】
巻線収納部6よりも外周側には、突部26の先端面26Sと同等又はそれ以上の幅を有する支持部7が形成されている。
図2に示すように、溝部16の底面16Sの位置(平面状ボビン2の有する他方の主面161Sから溝部16の底面16Sまでの距離)は、複数の溝部16において一定であり、突部26の先端面26Sの位置(平面状ボビン2の有する他方の主面161Sから突部26の先端面26Sまでの距離)もまた、複数の突部26において一定である。
【0035】
支持部7は、先端面7Sが後述する絶縁部材5に接することによって、絶縁部材5を支持する。支持部7によって、コイル本体4には平面状ボビン2の有する他方の主面161Sの反対側に絶縁部材5が設けられることとなり、平面状ボビン2と絶縁部材5とによって、線材3を外部から隔離する。平面状ボビン2の有する他方の主面161Sから支持部7の先端面7Sまでの距離は、平面状ボビン2の有する他方の主面161Sから突部26の先端面26Sまでの距離よりも長い。そのため、絶縁部材5は、平面状ボビン2の突部26の先端面26Sと接することなく、絶縁部材5と巻線収納部6との間に空間ができる。これにより、巻線収納部6の溝部16と突部26とに沿って設けられた線材3を流れる電流は、絶縁部材5のコイル本体4との対向面151Sに沿ってではなく、巻線収納部6の溝部16及び突出部26、並びに支持部7に沿って放電することとなり、線材3と、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット10の外部に配置された金属系材料との絶縁距離を長くできる。具体的には、線材3と、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット10の周辺に配置されるシールド材等の金属系材料11a,11b、特に、外周付近に配置される金属系材料11aとの絶縁距離を延ばすことができ、絶縁を十分に確保できる。
【0036】
絶縁部材5は、対向する二つの主面を有する平面状の部材である。絶縁部材5の外形形状は、線材3と外部に配置される金属系材料との絶縁性を確保するために、平面状ボビン2と絶縁部材5とによって線材3を外部から隔離すべく、平面状ボビン2の外形形状と同様であるとよい。大きさについては、絶縁部材5が平面状ボビン2に比べて同等以上であればよい。ただし、絶縁部材5において、支持部7と接触する面5Sを含む側の主面151Sに対向する面150Sの外周部分は、
図2に示すように面取りされていてもよい。
【0037】
平面状ボビン2の材質としては、絶縁性の樹脂が好ましく、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。
【0038】
線材3としては、銅、銀、金、アルミニウム、又は、これらを構成成分として含む金属ワイヤが挙げられる。軽量化の観点では、アルミニウム線、銅クラッドアルミ線等を用いるとよい。軽量化と電気伝導率とを両立する観点では、アルミニウム線の周りに銅を一様に被覆した、銅クラッドアルミ線が好ましい。銅クラッドアルミ線は、多数本を束ね撚り合せたリッツ線として用いるのがよい。
【0039】
絶縁部材5の材質としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。
【0040】
平面状ボビン2の孔2aは、貫通孔であっても、有底孔であってもよいが、平面状ボビン2の孔2a付近に配置された線材3と、平面状ボビン2の主面161Sに対向して配置されるシールド材等の金属系材料11bとの絶縁距離も延ばすためには、有底孔であることが好ましい。孔2aが有底孔である場合、孔2aの底面の位置に特に限定はなく、底面は、
図2に示すように、平面状ボビン2の主面161Sに沿った面として設けられていても、突部26の先端面26Sに沿った面として設けられていてもよく、さらに、これらの面の位置に挟まれた位置に存在する面として設けられていてもよい。
【0041】
図3は、本発明の第一実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの変形態様の断面図である。
図3に示すように、巻線収納部6と支持部7との間には、さらに少なくとも一つの溝部16を有することが好ましい。このような構造により、線材3と、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット10の周辺に配置されるシールド材等の金属系材料11a,11b、特に、外周付近に配置される金属系材料11aとの絶縁距離を延ばすことができ、絶縁をより一層十分に確保できる。これにより、コイルユニットを大型化することなく、沿面距離及び空間距離に関する安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格)等を十分満足できる。
【0042】
[第二実施形態]
図4は、本発明の第二実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの断面図である。本実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニット40においては、コイル本体4
n1と絶縁部材5との間に、さらに一つのコイル本体4
n2が積層されており、積層されたコイル本体4
n1、4
n2に含まれる複数の平面状ボビン2
n1、2
n2は、巻線収納部6
n1、6
n2及び支持部7
n1、7
n2が同一方向に向いて積層されている。積層されたコイル本体4
n1、4
n2は、第一実施形態において説明したコイル本体4と同様の構造のものを用いることができる。なお、本実施形態においては、コイル本体4
n1と絶縁部材5との間に、一つのコイル本体4
n2が積層されているが、これに限定されず、3層以上(4
n3、4
n4、4
n5…)を積層することができる。
【0043】
第一層目のコイル本体4
n1、第二層目のコイル本体4
n2、絶縁部材5は、この順に下から積層されている。第一層目のコイル本体4
n1の外周部分に設けられた支持部7
n1の先端面7S
n1が、第二層目の平面状ボビン2
n2の主面161S
n2の外周部分と接することにより、第一層目のコイル本体4
n1が第二層目のコイル本体4
n2を支持する。また、第二層目のコイル本体4
n2の外周部分に設けられた支持部7
n2の先端面7S
n2が、絶縁部材5の外周部分に接することにより、第二層目のコイル本体4
n2が絶縁部材5を支持する。
【0044】
第一層目のコイル本体4
n1には、第一層目の平面状ボビン2
n1の主面161S
n1の反対側に第二層目のコイル本体4
n2が設けられることとなり、第一層目の平面状ボビン2
n1と第二層目の平面状ボビン2
n2とによって、第一層目の線材3
n1を外部の金属系材料と隔離することができる。また、第二層目のコイル本体4
n2には、第二層目の平面状ボビン2
n2の主面161S
n2の反対側に絶縁部材5が設けられることとなり、第二層目の平面状ボビン2
n2と絶縁部材5とによって、線材3
n2を外部の金属系材料と隔離することができる。
【0045】
第一層目の平面状ボビン2
n1の主面161S
n1から、第一層目の支持部7
n1の先端面7S
n1までの距離は、第一層目の平面状ボビン2
n1の主面161S
n1から、第一層目の突部26
n1の先端面26S
n1までの距離よりも長い。また、第二層目の平面状ボビン2
n2の主面161S
n2から、第二層目の支持部7
n2の先端面7S
n2までの距離は、第二層目の平面状ボビン2
n2の主面161S
n2から、第二層目の突部26
n2の先端面26S
n2までの距離よりも長い。これにより、第一層目の平面状ボビン2
n1の有する巻線収納部6
n1と、上方に積層された第二層目の平面状ボビン2
n2の主面161S
n2との間には空間が形成される。同様に、第二層目の平面状ボビン2
n2の有する巻線収納部6
n2と、上方に積層された絶縁部材5との間にも、空間が形成される。これにより、第一層目の巻線収納部6
n1と第二層目の平面状ボビン2
n2とが接触することがなくなり、第一層目の線材3
n1を流れる電流は、第二層目の平面状ボビン2
n2の主面161S
n2に沿ってではなく、第一層目の溝部16
n1及び突部26
n1並びに第一層目の支持部7
n1に沿って放電する。また、第二層目の巻線収納部6
n2と絶縁部材5とが接触することがなくなるため、第二層目の線材3
n2を流れる電流は、絶縁部材5の主面151Sに沿ってではなく、第二層目の溝部16
n2及び突部26
n2並びに第二層目の支持部7
n2に沿って放電することとなる。これにより、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット40の外部に配置された金属系材料11a、11b、特に、外周付近に配置される金属系材料11aとの絶縁距離を長くできる。
【0046】
第一層目の平面状ボビン2
n1の有する孔2a
n1は、貫通孔であっても、有底孔であってもよいが、第一層目の平面状ボビン2
n1の孔2a
n1付近に配置された線材3
n1と、第一層目の平面状ボビン2
n1の主面161S
n1に対向して配置されることとなるシールド材等の金属系材料11bとの絶縁距離も延ばすためには、有底孔であることが好ましい。孔2a
n1が有底孔である場合、孔2a
n1の底面の位置に特に限定はなく、底面は、
図4に示すように、第一層目の平面状ボビン2
n1の主面161S
n1に沿った面として設けられていても、突部26
n1の先端面26S
n1に沿った面として設けられていてもよく、さらに、これらの面の位置に挟まれた位置に存在する面として設けられていてもよい。
第二層目の平面状ボビン2
n2の有する孔2a
n2は、貫通孔であっても、有底孔であってもよいが、ワイヤレス電力伝送用コイル装置40の軽量化の観点から、貫通孔であることが好ましい。
ただし、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、第一層目の平面状ボビン2
n1及び第二層目の平面状ボビン2
n2が、必ずしも孔を有していなくてもよく、孔の位置が第一層目の平面状ボビン2
n1及び第二層目の平面状ボビン2
n2と同じ部材で構成されていてもよい。
【0047】
線材の平面状ボビンへの巻回について、第一層目の線材3
n1を第一層目の平面状ボビン2
n1の外周側より、又は、第二層目の線材3
n2を第二層目の平面状ボビン2
n2の外周側より、線材の巻回を開始する。同一の平面状ボビンにおいて、内周側にコイル導体が到達すると、平面状ボビンの中央部にコイル導体が引き出される。平面状ボビンの中央部における線材の引き出し易さ、及び軽量化の観点から、第二層目の平面状ボビン2
n2、第二層目より上方の平面状ボビン2
n3、2
n4、2
n5・・・の中央部に形成される孔2a
n2、2a
n3、2a
n4、2a
n5・・・は貫通孔であることが好ましい。したがって、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット40は、第一層目の平面状ボビン2
n1が底面を有した中空構造であることが好ましい。
【0048】
上記第一及び第二実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニット10、40における絶縁部材5は、コイル本体4を覆う筐体であることがある。
図5は、第二実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニット40における二層に積層されたコイル本体4
n1、4
n2の周囲に筐体を設けたワイヤレス電力伝送用コイルユニット50の分解斜視図である。
【0049】
ワイヤレス電力伝送用コイルユニット50は、内側の形状が凹形状である筐体カバー51、2層に積層されたコイル本体52、53、シールド材54、樹脂プレート55、平面状の筐体カバー56がこの順に積層されたものである。シールド材54は、外部環境に対して、送受電に関係の無い漏れ磁束を防ぐために設けられる。樹脂プレート5は、シールド材54の保持や位置決めのために設けられる。
【0050】
シールド材54がフェライト、アルミニウム等の金属系材料であるため、コイル本体52、53が有する線材と近接していると、絶縁距離が十分に確保できない。大型化することを抑制しつつ、シールド材54とコイル本体52、53が有する線材との絶縁距離を確保するために、第一及び第二実施形態において説明した構造を有するワイヤレス電力伝送用コイルユニット10、40が有用である。
【0051】
[第三実施形態]
図6は、本発明の第三実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの分解斜視図であり、
図7は、本発明の第三実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの断面図である。本実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニット60においては、中空の柱状ボビン2及び、ボビン2に螺旋状に巻回された線材3を含むコイル本体4と、線材3を介してボビン2とは反対側に設けられた絶縁部材5と、を備える。中空の柱状ボビン2は、溝部16と突部26とから構成され、溝部16及び突部26に沿って線材3が設けられた巻線収納部6と、巻線収納部6の両端に配置され、突部26の突出方向に沿って延び、かつ、絶縁部材6を支持する支持部7と、を有し、突部26の先端面26Sが、溝部16の底面16Sと支持部7の先端面7Sとの間に位置している。
【0052】
柱状ボビン2は、内部が中空である。外形又は内形の形状は特に制限されず、内形形状は柱状ボビン2の内部を通る磁束方向に対して垂直な面で切断した際の切断面が、正方形、長方形等の四角形、多角形、円形、楕円形のいずれの形状となるものでもよい。
【0053】
図6、7に示すように、柱状ボビン2には、その外壁面上、その胴回りに沿って、螺旋状に溝部16及び突部26が形成されている。溝部16及び突部26により、巻線収納部6が構成される。二つの突部26の間に溝部16が形成されており、巻線収納部6の両端には、突部26の先端面26Sと同等又はそれ以上の幅を有する支持部7が形成されている。
図6に示すように、溝部16の底面16Sの位置(柱状ボビン2の内壁面161Sから溝部16の底面16Sまでの距離)は、複数の溝部16において一定であり、突部26の先端面26Sの位置(柱状ボビン2の内壁面161Sから突部26の先端面26Sまでの距離)もまた、複数の突部26において一定である。
【0054】
線材3は、溝部16と突部26とから構成された巻線収納部6において、溝部16の底面、並びに、溝部16及び突部26の側面(共通する)に沿って配置される。これにより、線材3が、柱状ボビン2の外壁面160S上、その胴回りに沿って螺旋状に巻回されることとなる。
【0055】
支持部7は、先端面7Sが絶縁部材5に接することによって、絶縁部材5を支持する。支持部7によって、コイル本体4には柱状ボビン2の内壁面161Sの反対側に絶縁部材5が設けられることとなり、柱状ボビン2と絶縁部材5とによって、線材3を外部から隔離する。柱状ボビン2の内壁面161Sから支持部7の先端面7Sまでの距離は、柱状ボビン2の内壁面161Sから突部26の先端面26Sまでの距離よりも長い。そのため、絶縁部材5は、柱状ボビン2の突部26の先端面26Sと接することなく、絶縁部材5と巻線収納部6との間に空間ができる。これにより、巻線収納部6の突部26と絶縁部材6とが接触することがなくなるため、線材3を流れる電流は、絶縁部材5の内壁面に沿ってではなく、溝部16、突部26及び支持部7に沿って放電することとなり、コイルユニット60の外部に配置される金属系材料(特に、柱状コイル2の両端部付近に配置される金属系材料)や、柱状ボビン2の内部に挿入されることとなる磁性体コアとの絶縁距離を長くできる。
【0056】
さらに良好な絶縁を実現するためには、巻線収納部6と支持部7との間には、さらに少なくとも一つの溝部26を有することが好ましい。これにより、線材3と、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット60周辺に配置されることとなるシールド材や、柱状ボビン2の内部に挿入されることとなる磁性体コア等の金属系材料との絶縁距離をさらに延ばすことができ、コイルユニットを大型化することなく、沿面距離及び空間距離に関する安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格)等を十分満足できる。
【0057】
絶縁部材5は、中空の柱状部材であり、内部にコイル本体4が挿入されており、柱状ボビン2の支持部7の先端面7Sが絶縁部材5の内壁面の外周部分5Sと当接する。絶縁部材5の内部形状について、内部にコイル本体4が挿入可能であるならば、柱状ボビン2の内部を通る磁束方向に対して垂直な面で切断した際の切断面が、正方形、長方形等の四角形、多角形、円形、楕円形のいずれの形状をもつものでもよい。絶縁部材5の両端部と、柱状ボビン2の両端部とは、それらの端面が、線材3と外部に配置される金属系材料との絶縁性を確保するために、平面状ボビン2と絶縁部材5とによって線材3を外部から隔離すべく、同一面上に配置されている、又は、絶縁部材5の端面のほうが外側に延在しているとよい。ただし、絶縁部材5の外壁面の外周部分は、
図7に示すように面取りされていてもよい。
【0058】
柱状ボビン2、線材3、絶縁部材5の材質は、第一及び第二実施形態に記載されたものと同様のものを用いることができる。
【0059】
[第四実施形態]
図8は、本発明の第四実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニットの断面図である。本実施形態に係るワイヤレス電力伝送用コイルユニット70においては、コイル本体4
n1と絶縁部材5との間に、さらに一つのコイル本体4
n2が積層されており、積層されたコイル本体4
n1、4
n2に含まれる複数の柱状ボビン2
n1、2
n2は、巻線収納部6
n1、6
n2及び支持部7
n1、7
n2が同一方向に向いて積層されている。このような積層されたコイル本体4
n1、4
n2は、第三実施形態において説明したコイル本体4と同様の構造のものを用いることができる。ただし、外側の層に該当する二層目のコイル本体4
n2は、第一層目のコイル本体4
n1が内部に挿入されることが可能な大きさを有する必要がある。なお、本実施形態においては、コイル本体4
n1と絶縁部材5との間に、一つのコイル本体4
n2が積層されているが、これに限定されず、3層以上(4
n3、4
n4、4
n5…)を積層することができる。この場合にも、外側の層に該当するコイル本体は、内側の層に該当するコイル本体4
n1が内部に挿入されることが可能な大きさを有する必要がある。
【0060】
第一層目のコイル本体4
n1、第二層目のコイル本体4
n2、絶縁部材5は、この順に内側から積層されている。第一層目のコイル本体4
n1の両端部に設けられた支持部7
n1の先端面7S
n1が、第二層目の柱状ボビン2
n2の内壁面161S
n2の外周部分と接することにより、第一層目のコイル本体4
n1が第二層目のコイル本体4
n2を支持する。また、第二層目のコイル本体4
n2の両端部に設けられた支持部7
n2の先端面7S
n2が、絶縁部材5の内壁面151Sの外周部分5Sに接することにより、第二層目のコイル本体4
n2が絶縁部材5を支持する。
【0061】
第一層目のコイル本体4
n1には、第一層目の柱状ボビン2
n1の内壁面161S
n1の反対側に第二層目のコイル本体4
n2が設けられることとなり、第一層目の柱状ボビン2
n1と第二層目の柱状ボビン2
n2とによって、第一層目の線材3
n1を外部又は内部の金属系材料と隔離することができる。また、第二層目のコイル本体4
n2には、第二層目の柱状ボビン2
n2の内壁面161S
n2の反対側に絶縁部材5が設けられることとなり、第二層目の柱状ボビン2
n2と絶縁部材5とによって、線材3
n2を外部又は内部の金属系材料と隔離することができる。
【0062】
第一層目の柱状ボビン2
n1の内壁面161S
n1から、第一層目の支持部7
n1の先端面7S
n1までの距離は、第一層目の柱状ボビン2
n1の内壁面161S
n1から、第一層目の突部26
n1の先端面26S
n1までの距離よりも長い。また、第二層目の柱状ボビン2
n2の内壁面161S
n2から、第二層目の支持部7
n2の先端面7S
n2までの距離は、第二層目の柱状ボビン2
n2の内壁面161S
n2から、第二層目の突部26
n2の先端面26S
n2までの距離よりも長い。これにより、第一層目の柱状ボビン2
n1の有する巻線収納部6
n1と、上方に積層された第二層目の柱状ボビン2
n2の内壁面161S
n2との間には空間が形成される。同様に、第二層目の柱状ボビン2
n2の有する巻線収納部6
n2と、上方に積層された絶縁部材5との間にも、空間が形成される。これにより、第一層目の巻線収納部6
n1と第二層目の柱状ボビン2
n2とが接触することがなくなり、第一層目の線材3
n1を流れる電流は、第二層目の平面状ボビン2
n2の内壁面161S
n2に沿ってではなく、第一層目の溝部16
n1及び突部26
n1、並びに第一層目の支持部7
n1沿って放電することとなる。また、第二層目の巻線収納部6
n2と絶縁部材5とが接触することがなくなるため、第二層目の線材3
n2を流れる電流は、絶縁部材5の内壁面151Sに沿ってではなく、第二層目の溝部16
n2及び突部26
n2、並びに第二層目の支持部7
n2沿って放電することとなる。これにより、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット80の外部に配置される金属系材料や、第一層目のコイル本体4
n1内部に挿入される磁性体コアとの絶縁距離を長くできる。
【0063】
さらに良好な絶縁を実現するためには、第一〜三実施形態と同様に、巻線収納部6
n1、6
n2と支持部7
n1、7
n2との間には、さらに少なくとも一つの溝部26
n1、26
n2をそれぞれ有することが好ましい。これにより、線材3
n1、3
n2と、ワイヤレス電力伝送用コイルユニット80周辺に配置されることとなるシールド材や、柱状ボビン2
n1、2
n2の内部に挿入されることとなる磁性体コア等の金属系材料との絶縁距離をさらに延ばすことができ、コイルユニットを大型化することなく、沿面距離及び空間距離に関する安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格)等を十分満足できる。
【0064】
柱状ボビン2
n1、2
n2、線材3
n1、3
n2、絶縁部材5の材質は、第一〜三実施形態に記載されたものと同様のものを用いることができる。
【0065】
図9は、本発明のコイルユニットを電気自動車のワイヤレス電力伝送装置に含まれるコイルユニットに適用した状態を示す概略図である。電気自動車90は、受電コイル89を含むコイルユニット81と、このコイルユニット81に整流器84、DC/DCコンバータ85を経由して接続されたバッテリ86とを備えている。
【0066】
電気自動車90の下部に配設された給電装置83は、送電コイル88を含むコイルユニット81と、このコイルユニット81に高周波電力ドライバ87を経由して接続された交流電源82を備えている。
【0067】
受電コイル89は、両端がオープン(非接続)のLC共振コイルであり、給電装置83の送電コイル88と電磁場を介して共鳴することにより、電力を受電する。
【0068】
受電コイル89は、送電コイル88との距離や、送電コイル88および受電コイル89の共鳴周波数等に基づいて、送電コイル88と受電コイル89との共鳴強度を示すQ値(たとえば、Q>100)およびその結合度を示す結合係数k等が大きくなるようにその巻数が適宜設定される。
【0069】
このように送電コイル88から受電コイル89に電力が受け渡されるワイヤレス電力伝送装置において、本発明のコイルユニットを用い、送電コイル88と受電コイル89を調整しながら、それらの位置を決定すれば、電力伝送効率にすぐれた電気自動車用のワイヤレス電力伝送装置が実現できる。
【0070】
なお、本発明のワイヤレス電力伝送用コイルユニットは、電気自動車のほか電車等の他の移動体、家電製品、電子機器、無線通信機器、玩具、といったさまざまな製品、及びこれらの製品への給電装置への応用が可能である。