特許第6221438号(P6221438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221438
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20171023BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20171023BHJP
   F21V 13/04 20060101ALI20171023BHJP
   F21W 101/02 20060101ALN20171023BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171023BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20171023BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   F21S8/10 385
   F21V7/09 510
   F21V13/04 100
   F21W101:02
   F21Y115:10
   F21Y115:20
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-145119(P2013-145119)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-18689(P2015-18689A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄一
【審査官】 津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−053053(JP,A)
【文献】 特開2010−182554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21V 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子からなる光源と、
一方の端部に前記光源からの光を入射する入射面を有し、入射面から入射した光を他端部まで導光させる導光部材と、
前記導光部材から前方に照射される光の一部を焦点を形成しないで後側へ反射する第1反射面と、
前記第1反射面からの反射光を車両前方方向に反射する第2反射面と、を備え、
前記第1反射面は裏面側が非発光部となり、
前記第1反射面は、正面視において、前記第2反射面と一部が重なるように形成され、
前記導光部材は車両幅方向の横長形状からなり、前記第1反射面および前記第2反射面は、前記導光部材の長手方向に沿い設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記導光部材から照射される光のうち後方側へ照射される光を反射する付加反射面を有し、前記付加反射面は、入射光の一部または全部を前記第1反射面に反射する反射面からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1反射面および第2反射面には前記入射光を任意の方向へ反射させるためのセグメントが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光部材を用いた車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の車両用灯具は、半導体発光素子を光源とし、光源からの光を導光部材により導光させ、導光部材の側方から出射される光を導光部材の後方側に設けた反射面により車両前方側へ照射する。それにより車両用灯具の発光範囲を増加させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2010−146818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用灯具では、導光部材自体とその周辺を発光させることしかできず、発光範囲を広げるとともに、複数の発光範囲を得ることができなかった。また、車両用灯具を外側から見た際に複数の発光範囲があるような新規な見栄えを創出することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、発光範囲を広げるとともに、複数の発光範囲を得ることにより、新規見栄えを創出することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、半導体発光素子からなる光源と、
一方の端部に光源からの光を入射する入射面を有し、入射面から入射した光を他端部まで導光させる導光部材と、
導光部材から前方に照射される光の一部を後側へ反射する第1反射面と、
第1反射面からの反射光を車両前方方向に反射する第2反射面と、を備え、
第1反射面は裏面側が非発光部となっていることを特徴とする。
【0007】
上記構成において、導光部材は車両幅方向の横長形状からなり、前記第1反射面および前記第2反射面は、前記導光部材の長手方向に沿い設けられていることからなる、構成を採用できる。
【0008】
上記構成において、前記導光部材から照射される光のうち後方側へ照射される光を反射する付加反射面を有し、前記付加反射面は、入射光の一部または全部を前記第1反射面に反射する反射面からなることを特徴とする、請求項2に記載の車両用灯具。
【0009】
上記構成において、前記第1反射面および第2反射面には前記入射光を任意の方向へ反射させるためのセグメントが設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0010】
このように構成した車両用灯具によれば、導光部材を用いて複数の発光範囲を得ることができ、さらに、新規見栄えを創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係わる車両用灯具が具備される車両用前照灯の概略を示す正面図である。
図2】本発明に係る車両用灯具の実施形態1を示す斜視図である。
図3図1のA−A線における断面図である。
図4】光源と入射面を示す拡大図である。
図5】本発明の第2実施例を示す図1のA−A線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0013】
(実施形態1)
図1は、本発明の車両用灯具10が具備されるたとえば車両用前照灯1の概略を示した正面図である。また、図2は、本発明の車両用灯具10を斜め方向から見た斜視図である。図3は、図1に記載のA−Aにおける鉛直断面図を示す。図4は、本発明の光源と導光部材の入射面の拡大図を示す。図5は、本発明の実施形態2であり、図1のA−Aにおける鉛直断面図を示す。図1に示す車両用前照灯1は運転席から見た場合に右側に取り付けられたものを示している。
【0014】
図1乃至図5において、車両用前照灯1は、車両前方左右両側に具備されており、アウターレンズ11とハウジング12(図示しない)により灯室を形成する。灯室内には、すれ違い配光用ランプユニット13、走行配光用ランプユニット14とともに車両用灯具10が配置されている。車両用灯具10は、信号灯すなわちクリアランスランプやデイタイムランニングランプなどの機能を有する灯具として使用される。
【0015】
実施形態1の車両用灯具10は、半導体発光素子からなる光源2と、一端部に入射面4を有する導光部材3と、導光部材3の長手方向に沿って設けられる第1反射面7と、第1反射面7と対向して設けられる第2反射面9と、により形成される。
【0016】
本発明の車両用灯具10は、車両の内側から外側にかけて車両幅方向に横長形状に設けられている。このとき、車両用灯具10は、車両用前照灯1のアウターレンズ11の外形に沿うよう車両前側から後側へ傾斜(スラント)した形状としてもよい。
【0017】
光源2は、半導体発光素子からなり、この例では、LED、有機ELなどの自発光半導体光源2、すなわち、半導体型光源2を使用する。光源2は、発光面2Aとして複数または単数の発光チップを有し、発光チップは基板に取り付けられている。図4に示すように、光源2は、発光面2Aの出射光軸Xが導光部材3の一端部に設けられた入射面4に対して交差するように配置されている。光源2の出射光軸Xは、導光部材3の入射面4の中心に位置する。このとき、光源2は導光部材3の車両内側端部に設けられていても良いし、車両外側端部に配置されていてもよい。
【0018】
導光部材3は、車両の内側から外側にかけて車幅方向に横長形状に設けられている。図2及び図3に示すように鉛直断面において略円形状をした細長形状であって、ガラスまたは透明樹脂材(例えば、アクリル、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ポリメタルクリエート樹脂等)により形成されている。導光部材3の少なくとも一方の端部には平面状の入射面4が設けられている。入射面4に対向するように光源2が配置されており、入射面4は、光源2からの光を導光部材3内に入射させる。導光部材3の車両後方側の面には入射面4が設けられた端部から他端部に向かってプリズム部6が設けられており、入射面4から入射した光を反射することにより導光部材3内を一方の端部から他端部まで導光させる。また、プリズム部6により反射した光の一部は、導光部材3の車両前方側(表面側)に設けられた出射面5からの出射光L4として車両前方へ照射される。
【0019】
プリズム部6は、放物面からなる反射面を連続して形成した断面波状または平面反射面を連続して形成した断面階段状からなる。プリズム部6は導光部材3の車両後方側(裏面側)に突出するように設けてもよいし、導光部材3の内側に突出するように設けてもよい。
【0020】
導光部材3の出射面5は、導光部材3の車両前方側(表面側)に設けられており、図3に示すように鉛直断面形状において、車両前方側にRが付いた凸形状であり、略円形形状からなる。
【0021】
第1反射面7は、導光部材3と対向する表面にアルミ蒸着または塗装などにより放物面を基本とする反射面として形成されている。第1反射面7の裏面側、つまり車両前方側の面は、非発光部8となっている。図1および図2に示すように第1反射面7は、導光部材3の長手方向に沿い設けられており、導光部材3よりも車両前方側であって、導光部材3よりも上下のいずれかにずれて配置されている。図3に記載の実施形態1においては、上側に配置されている。
【0022】
第1反射面7は、導光部材3と対向するように設けられ、導光部材3から車両前方側へ出射される光の一部L1を第2反射面9側へ向かう光L2として反射する。第1反射面7の裏面側に設けられた非発光部8は、車両前方側に凸となるように設けられており、導光部材3または第1、第2反射面9の光が入射しないようになっている。第1反射面7は、入射光を任意の方向へ反射する複数のセグメントを設けるようにしてもよい。
【0023】
実施形態1において、図1および図3に示すように、第1反射面7および非発光部8は、導光部材3の上方に配置され、正面視において、第2反射面9と一部が重なるように形成されている。非発光部8の表面は、塗装や蒸着や拡散加工により、第1反射面7よりも低反射率の面もしくは拡散反射面が形成されている。非発光部8は、本発明の実施形態においては車両前方側へ凸形状となっているが、平面形状としてもよい。
【0024】
第2反射面9は、車両前方側の表面にアルミ蒸着または塗装などにより放物面を基本とする反射面が形成されている。第2反射面9は、第1反射面7と対向して導光部材3の長手方向に沿い設けられており、第1反射面7により反射された光L2を入射し、車両前方方向へ出射光L3を照射する。図1および図2に示すように、第2反射面9は、導光部材3及び第1反射面7の上方または下方のいずれかに配置され(実施形態1では上方)、正面視においても、第2反射面9の下側の一部は第1反射面7および非発光部8の上側の一部と重なるようになっている。第2反射面9の表面の少なくとも一部は車両前方から視認できる位置に設けられている。第2反射面9は、入射光L2を任意の方向へ反射させる複数のセグメントを設けるようにしてもよい。
【0025】
この実施形態における車両用灯具10は、以上の構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0026】
車両用灯具10の光源2を点灯すると、光が発光面2Aから出射光軸X方向に照射される。この光は導光部材3の一方の端部に設けられた入射面4から導光部材3中に入射する。
【0027】
入射面4より入射した入射光は、導光部材3内部を、車両後方側に設けられたプリズム部6と車両前方側に設けられた出射面5の裏面との間で全反射を繰り返しながら、入射面4側の端部から他端部まで導光する。
【0028】
プリズム部6は、プリズム部6に入射する光の一部を全反射して他端部方向および前方へ反射する。導光部材3の出射面5は、プリズム部6により反射された光の一部は車両前方の任意の方向に出射光L4として照射される。
【0029】
導光部材3の出射面5のうち、上側および下側からは車両前方方向の上側および下側へ向かう光が出射されており、その光の一部L1は、第1反射面7に出射される。
【0030】
第1反射面7は、導光部材3の上側もしくは下側に長手方向に沿って配置されており、導光部材3の出射面5のうち上側もしくは下側から出射された光L1をほぼすべて第2反射面9に反射する。
【0031】
第2反射面9は、導光部材3および第1反射面7の長手方向に沿って配置されており、第1反射面7によって反射された反射光L2を車両前方横方向に拡散させて照射する(出射光L3)。
【0032】
非発光部8は、第1反射面7の裏面側に設けられており、導光部材3および第1反射面7、第2反射面9からの光が入射せず、車両用灯具10として発光しない。非発光部8は導光部材3と第2反射面9の間に設けられており、導光部材3の発光部と第2反射面9の発光部を発光しない暗部を形成することにより分割する。
【0033】
この実施形態1における車両用灯具10は、光源2からの光を導光部材3のプリズム部6によって出射面5を通して前方に照射する出射光L4と、導光部材3の出射面5の上側もしくは下側から出射されて、前方に照射されていなかった光L1を、第1反射面7および第2反射面9により車両前方側へ向かう光L3として有効に利用することができる。
【0034】
また、第1反射面7の裏面側に設けられた非発光部8は、導光部材3および第1反射面7、第2反射面9からの光が入射しないようになっているため、車両用灯具10として発光せず、導光部材3および第2反射面9との間に設けられることで、車両用灯具10の発光部を導光部材3と第2反射面9の2箇所に分割することができる。これにより、発光範囲を増加させ、なおかつ導光部材3による配光と第2反射面9による配光という異なる配光を照射できるため、新規見映えを創出することができる。
【0035】
図5は、この発明にかかる車両用灯具10の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用灯具10について説明する。図中、図1図3と同符号は同一のものを示す。
【0036】
この実施形態2の車両用灯具10は、実施形態1と同様に導光部材3と第1反射面7と第2反射面9と第1反射面7の裏面側に設けられた非発光部8を備え、導光部材3の後側に付加反射面15が設けられている。
【0037】
この実施形態2における車両用灯具10は、以上のごとき構成からなるので、光源2からの光をさらに有効に利用することが可能となる。
【0038】
付加反射面15は、導光部材3の後側に長手方向に沿って設けられている。付加反射面15は、第1反射面7に対向するように設けられている。付加反射面15は、導光部材3の後側に照射される光L5を入射するように配置されており、入射された光を第1反射面7に向かって反射する。第1反射面7で反射された光L5は、第2反射面9により車両前方に照射される(出射光L3)。これにより、導光部材3の側面から後側に照射される光を車両前方側へ照射される光として有効に利用することができる。
【0039】
付加反射面15を、導光部材3の後側を覆うように設けることにより、第1反射面7に対向する面と、車両前方に対向する面を形成することができる。それにより導光部材3からの光L5を第1反射面7に反射することができ、かつ、導光部材3から後側に出射された光L5を反射光L6として直接前方に照射することができる。これにより、光源2からの光をさらに有効に利用でき、車両用灯具10の発光範囲の拡大により、視認性を向上させることができる。
【0040】
実施形態1および実施形態2における車両用灯具として、第1反射面7および第2反射面9が導光部材3の上側に位置するよう説明を行ったが、導光部材3を中心として上下方向を反転し、第1反射面7および第2反射面9が導光部材3の下側に位置するように設けられてもよい。
【0041】
実施形態2における車両用灯具として、第2反射面と付加反射面は、同一部材による一体成形によって形成されていてもよい
【0042】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0043】
1 車両用前照灯
2 光源
3 導光部材
4 入射面
5 出射面
6 プリズム部
7 第1反射面
8 非発光部
9 第2反射面
10 車両用灯具
11 アウターレンズ
12 ハウジング
13 すれ違い配光用ランプユニット
14 走行配光用ランプユニット
15 付加反射面
図1
図2
図3
図4
図5