【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る脱臭機の外観斜視図であり、
図2は、
図1の脱臭機のA−A線断面図であり、
図3は、
図1の脱臭機のB−B線断面図であり、
図4は、
図1の脱臭機を
図2のC−C線位置で輪切りにした横断面図であり、
図5は、
図1の脱臭機を
図2のD−D線位置で輪切りにした横断面図であり、
図6は、
図1の脱臭機を
図2のE−E線位置で輪切りにした横断面図であり、
図7は、
図1の脱臭機を
図2のF−F線位置で輪切りにした横断面図であり、
図8は、
図1の脱臭機を
図2のG−G線位置で輪切りにした横断面図であり、
図10は、ヒータユニットの構成を示す分解斜視図であり、
図11は、フィルタ保持部材にフィルタ部とヒータユニットとを組み込む位置を示す分解斜視図であり、
図12は、
図11のフィルタ保持部材にフィルタ部とヒータユニットを組み込んだ後の斜視図であり、
図13は、バックケーシング側に
図12のフィルタ保持部材を組み込んだ状態を示す斜視図であり、
図14は、
図13のバックケーシングのフィルタ保持部材の直下に挿入される基板ホルダと遮水板の一構成例を示す斜視図であり、
図15は、遮熱板を斜め下方向から見た斜視図であり、
図16−1は、送風ファンユニットと防振ゴムの装着位置を示す斜視図であり、
図16−2は、送風ファンユニットに防振ゴムを装着した後の斜視図であり、
図17は、ケーシングの外周部に集塵フィルタと側面パネルと取り付ける位置を示す分解斜視図である。以下、
図1〜
図17を用いて、本実施形態の脱臭機の構成を説明する。
【0019】
脱臭機10は、
図1に示すように、筐体の径が下から上に行くに従って膨らみを持たせた略円筒状をしており、筒の側面を覆う側面パネル22の上方には、ドットマトリックス状に多数の孔が形成され、この孔から車内の空気を吸い込む空気吸込口11を構成している。また、脱臭機10の筐体の天井面には、空気吸込口11から吸い込まれた空気を上方へ排出する放射状にスリットが形成された天面パネル20が配置され、空気吹出口12を構成している。さらに、天面パネル20の中央部には、円形の操作パネル21が形成されており、脱臭機10の運転操作を行うボタンと、運転状況を知らせるLEDランプ等が配置されている。また、脱臭機10の側面パネル22には、車のシガーソケットから12Vや24Vの車用バッテリーのDC電力供給を受けるDCケーブル31が出ている。
【0020】
脱臭機10の内部は、
図2(
図1のA−A線断面図)および
図3(
図1のB−B線断面図)のように構成されている。脱臭機10の筒の内側は、
図2に示すように、右側半分が半円筒状のバックケーシング23a、左側半分が半円筒状のフロントケーシング23bから成り、2つのケーシングを結合することで、筒状の筐体が形成される。このバックケーシング23a、フロントケーシング23bおよび上記の側面パネル22の材質としては、例えば、ポリカーボネート(PC)とABS樹脂の複合材などを用いることができる。
【0021】
筒内の下部には、基板ホルダ25が垂直方向に沿って配置され、その基板ホルダ25の両面を使って、脱臭機10の電力供給や制御を行うメイン基板26と、オゾン発生器としてのオゾナイザ18を動作させるオゾナイザ基板27とが垂直方向に設置されている。
図2のE−E線位置で輪切りにした横断面図が
図6であり、
図2のF−F線位置で輪切りにした横断面図が
図7であり、
図2のG−G線位置で輪切りにした横断面図が
図8である。このように、垂直方向に沿って配置された基板ホルダ25の両面を使い、メイン基板26とオゾナイザ基板27とに分けて配置したため、スペースを有効利用することができる。また、基板ホルダ25の上端部に水平方向に一体形成された遮水板24(
図14参照)は、基板ホルダ25の蓋の役割を持っていて、基板ホルダ25に配置されるメイン基板26やオゾナイザ基板27を水や埃から保護することができる。
【0022】
メイン基板26には、
図2に示すように、DCケーブル31から供給されるDC電力がDCプラグ30からDCジャック29を介して供給される。供給されるDC電力は、
図3に示すように、脱臭機10の各部のコネクタ(表示コネクタ32a、ファンコネクタ33a、ヒータコネクタ34a、オゾナイザコネクタ35a)に振り分けられる。電力が振り分けられた各コネクタは、接続されたハーネスを介して各部に電力供給を行っている。表示コネクタ32aは、表示ハーネス32を介して操作パネル21の表示部211に電力を供給する。ファンコネクタ33aは、ファンモータハーネス33を介して送風ファン16aの図示しないファンモータに電力を供給する。ヒータコネクタ34aは、2本のヒータハーネス34を介してヒータユニット15の加熱ヒータ15aに電力を供給する。オゾナイザコネクタ35aは、メイン基板26からオゾナイザハーネス35を介して基板ホルダ25の反対側に設置されたオゾナイザ基板27に対し電力を供給している。
【0023】
オゾナイザ基板27には、
図2に示すように、オゾナイザ18の放電に必要な高電圧を発生させるためのトランス28が設けられている。トランス28で昇圧された高電圧は、高圧ケーブル18aを介してオゾン発生器としてのオゾナイザ18に供給される。この高圧ケーブル18aは、高電圧を供給するため径の太いケーブルが使われる。このため、遮水板24には、高圧ケーブル18aの取りまわしに必要な範囲で一部を盛り上げてダクト状としたケーブルダクト24aが形成されている(
図14参照)。
【0024】
次に、実施例1に係る脱臭機10の特徴的な構成であるフィルタ部14と加熱ヒータ15aを含むヒータユニット15の配置構造について説明する。上述した遮水板24の上部には、
図2に示すように、空気中の臭気成分を除去するフィルタ部14と、そのフィルタ部14を加熱して触媒による臭気成分の分解を促進する加熱ヒータ15aで構成されたヒータユニット15が配置されている。
【0025】
図5に示すように、フィルタ部14は、ここでは半円状の脱臭触媒フィルタ141を左右に配置して構成されている。脱臭触媒フィルタ141は、心材部分に蜂の巣(ハニカム)構造を取り入れて板状に形成した通気性を有するハニカムコアボードから成り、ここではアルミ合金で構成されていて、その表面に、酸化マンガンなどの金属酸化物やプラチナなどの貴金属の触媒が所定の厚さに形成(触媒層)されている。なお、吸着材としては、活性炭や各種セラミックス粉末などをさらに添加することが好ましい。さらには、抗菌剤や防かび剤などが添加されることも好ましい。ここで、脱臭触媒フィルタ141は、吸着した臭気成分の分解を、ハニカムコアボードに隣接配置されたヒータユニット15からの熱によって促進させる加熱再生構造としている。具体的には、アルミ合金で構成されるハニカムコアボードの側面、すなわち、
図2に示すように、フィルタ部14である脱臭触媒フィルタ141を通過する空気の送風方向(矢印X方向)に対し、直交する方向にヒータユニット15を隣接させるよう構成している。これにより、ヒータユニット15からの熱がハニカムコアボードの側面からハニカムコアボード全体に伝わり、ハニカムコアボードを所定温度まで上昇させることができる。触媒は、ハニカムコアボードを介して加熱され、臭気成分の分解が促進される。
【0026】
また、フィルタ部14とヒータユニット15は、
図2に示すように、ハニカムコアボードで構成されたフィルタ部14内を通る送風方向(矢印X方向)に対し平行に配置されている。これにより、本実施の形態に係る脱臭機10は、送風路13内の通風が加熱ヒータ15aを含むヒータユニット15によって妨げられる面積割合が少なくなり、通風抵抗を低減することができる。
【0027】
さらに、実施例1に係る脱臭機10の特徴的な構成としては、
図5に示すように、フィルタ部14は、ここでは半円状の脱臭触媒フィルタ141を左右に配置して構成されている。そして、この2つの脱臭触媒フィルタ141で構成されるフィルタ部14を加熱して触媒による臭気成分の分解を促進するヒータユニット15は、分割された脱臭触媒フィルタの間に挟まれるように配置されている。このため、ヒータユニット15の両側面をフィルタ部14の加熱に利用できることからフィルタ部14との接触面積が増え、脱臭触媒フィルタを効率良く加熱することができる。
【0028】
実施例1に係るフィルタ部14とヒータユニット15の配置構造は、
図5に示すように、通風抵抗の少ないハニカムコアボードから成るフィルタ部14の面積が80%以上あって、通風抵抗となるヒータユニット15の面積を20%以下に抑えることができる。このように、実施例1の脱臭機10は、従来例と比べるとヒータユニット15による通風抵抗を大幅に低減することができる。さらに、ヒータユニット15は、2つに分割された半円状のフィルタ部14のハニカムコアボードの間に挟まれるように配置され、ヒータユニット15とフィルタ部14は、フィルタを通過する空気の送風方向に対し直交方向に隣接しているため(
図2、
図3および
図5参照)、ヒータユニット15の両側面をフィルタ部14と接触することで、フィルタ部14とヒータユニット15の接触面積を大きくとることができ、ヒータユニット15からの熱を効率良くハニカムコアボード全体に伝熱することができる。特に、
図5に示すフィルタ部14の配置構造では、ヒータユニット15がフィルタ部14の中央に位置しているため、ヒータユニット15からの熱が放射状に伝わることで、2つのフィルタ部14全体を満遍なく加熱することができる。プロペラファンを用いると、ヒータユニット15に風が当たらないので、ヒータユニット15が風で冷やされることがなく、ヒータユニット15の熱が無駄なくフィルタ部14に伝熱される。
【0029】
図10は、ヒータユニットの構成を示す分解斜視図であって、加熱ヒータ15aにPTCヒータ(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)を用いている。このPTCヒータは、温度が上がるにつれて電気抵抗値が上がる特性を利用して自己の温度を制御する素子であるため、これまでヒータ温度を検出していたサーミスタが不要になることから、コストを低減することができる。PTCヒータから成る加熱ヒータ15aの両側面には、アルミナ板からなる伝熱板15bを貼り付けることにより、ハニカムコアボードからなるフィルタ部14との接触面積を広くして、伝熱効果を高めることができる。加熱ヒータ15aの下からは、ヒータ端子15cが伸び、
図3に示すヒータハーネス34を介してヒータコネクタ34aに接続されている。
【0030】
このように構成されたヒータユニット15は、
図11に示すように、伸縮性のあるシリコンゴムを用いて構成されたフィルタ保持部材19の中央部の径方向に配置されたヒータホルダ19cの間に挿入される。また、ハニカムコアボードからなる半円状の2つの脱臭触媒フィルタ141に分割されたフィルタ部14は、フィルタ保持部材19の保持枠19aを撓ませてそれぞれ挿入する。そして、保持枠19aの上端部と下端部には、
図11に示すように、挿入されたフィルタ部14の上下位置を保持するための保持位置規定リブ19bが形成されている。このため、フィルタ保持部材19の保持枠19aに挿入されたフィルタ部14は、
図12に示すように、保持位置規定リブ19bによって上下位置がずれすることなく保持することができる。フィルタ保持部材19に挿入された2つのフィルタ部14は、ヒータユニット15の伝熱板15bを間に挟んで隣接し、フィルタ保持部材19のシリコンゴムの伸縮性により、フィルタ部14とヒータユニット15の密着性が一層高まることから、伝熱効率が高まると共に、フィルタ部14とヒータユニット15とを確実に保持できる。また、フィルタ保持部材19は、シリコンゴムの断熱効果と絶縁効果により、ヒータユニット15の加熱時における熱がフィルタ部14を介して筐体側へ逃げないため、フィルタ部14を効率良く加熱できると共に、フィルタ保持部材19の周辺を通る他の配線も特に絶縁処理を施す必要が無くなる。
【0031】
図12のフィルタ保持部材19に保持されたフィルタ部14とヒータユニット15は、
図13に示すように、フィルタ保持部材19をバックケーシング23aの装着位置に水平方向に挿入して装着する。バックケーシング23aのフィルタ保持部材19の下側には、
図14に示すような、メイン基板26とオゾナイザ基板27を保持する基板ホルダ25と基板ホルダ25の上部側に一体形成された遮水板24が装着される。遮水板24の一方端には、ハーネスを束ねて這わせることで固定し、振動によるハーネスの断線等を防ぐ切込み24bが形成されている。切込み24bは、
図2に示す表示ハーネス32、ファンモータハーネス33、ヒータハーネス34を束ねて這わすことで、基板側に受け渡している。この切込み24bを経由して基板側に受け渡された各ハーネスは、
図3に示すように、全てのハーネスを一旦下に垂らし、それより高い位置にあるコネクタに接続するよう配線している。このような配線方法を採用する理由は、仮にハーネスを伝って遮水板24を越えて基板ホルダ25側に水滴が入り込んだとしても、ハーネスの垂れた部分で水滴が止まり、直接基板へ水が進入しないようにするためである。
【0032】
フィルタ部14とヒータユニット15を保持するフィルタ保持部材19と送風ファン16との間には、
図2および
図3に示すように、ヒータユニット15から発生する熱が直接送風ファンユニット16に当たらないようにするため、熱を遮断する機能を持った遮熱板17を配置する。遮熱板17の材質としては、硬くて、耐衝撃性があり、熱に強い耐熱ポリカーボネート(PC)などを用いているが、これに限定されない。
【0033】
また、実施例1に係る脱臭機10は、脱臭機能を有するオゾン発生器を備えている。オゾン発生器としてのオゾナイザ18は、
図2または
図3に示すように、脱臭触媒フィルタ141を通過する空気の送風方向(X方向)から見て遮熱板17の上流側にオゾナイザ18を配置するようにする。これは、オゾナイザ18が発生した高濃度のオゾンをそのまま空気吹出口12から車内へ放出すると、放出されるオゾンのオゾン濃度に偏りが生じる場合がある。このため、オゾナイザ18は、遮熱板17の上流側に配置し、発生したオゾンを遮熱板17に当てることで、オゾンを拡散させてオゾンによる脱臭を確実に行いながら下流に流れる間に希釈され、オゾンを所定の放出濃度に保つようにするものである。つまり、遮熱板17をオゾンの拡散板として利用するものである。オゾナイザ18を遮熱板17の上流側に配置する手段としては、
図15に示す遮熱板17にオゾナイザ18を固定するオゾナイザホルダ17aを使い、
図2に示すように、オゾナイザ18を遮熱板17の上流側に固定する。その際、オゾナイザ18の先端部は、
図2に示すように、ヒータユニット15の直上を避けて固定する。これにより、オゾナイザ18は、ヒータユニット15から発生する熱の影響を排除することができる。
【0034】
また、遮熱板17には、
図2および
図15−1に示すように、アームの先端部にケーブルホルダ17bが取付けられている。このケーブルホルダ17bは、操作パネル21からの表示ハーネス32と送風ファン16からのファンモータハーネス33をバックケーシング23aの内側を引き回す際に、ハーネスを束ねて固定することにより、ハーネスの振動を抑えて振動によるハーネスの断線等を防ぐことができる。
【0035】
遮熱板17の材質は、オゾンの拡散板としての機能を兼用する場合、耐オゾン性が求められるため、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、架橋ポリエチレン(XLPE)などが用いられる。特に、耐熱性と耐オゾン性とを兼ねた材質としては、耐熱ポリカーボネート(PC)やポリプロピレン(PP)が好ましい。なお、遮熱板17の材質はこれらに限定されない。
【0036】
遮熱板17の下流側には、
図2に示すように、送風ファンユニット16が配置されている。ここでは、送風ファン16aとして、プロペラ形の羽根によって軸方向に風を送る軸流ファンが用いられ、図示しないファンモータが送風路13の中央に位置するハブ16bに内蔵されている。これを
図1の脱臭機10を
図2のC−C線位置で輪切りにした
図4の横断面図で見ると、中央のハブ16b部分は風を通さないため、その周囲の送風ファン16aの部分を風が通る。このため、ハブ16b自体が通風抵抗となり、ハブ16bの上流側に対応する部分では送風量が少なく、ファンが回転するハブ16bの周囲の部分で送風量が多くなる。これを
図5のフィルタ部14とヒータユニット15との配置で見ると、送風量の多いハブ16bの外周部にハニカムコアボードから成る通風抵抗の少ないフィルタ部14が配置され、送風量の少ないハブ16b付近の中央部に通風抵抗となるヒータユニット15が配置されていることがわかる。従って、
図5のフィルタ部14とヒータユニット15の配置は、軸流ファンを採用した場合に、通風抵抗を低減できる配置と言える。プロペラファンを用いると、ヒータユニット15に風が当たらないので、ヒータユニット15が風で冷やされることがなく、ヒータユニット15の熱が無駄なくフィルタ部14に伝熱される。
【0037】
また、送風ファン16aに軸流ファンを用いた場合は、ハブ16b付近の中央部であればその上流側あるいは下流側に関わらず、送風量が少なくなるため、通風抵抗となるヒータユニット15をハブ16b付近の中央部の上流側あるいは下流側の何れに配置する場合であっても、通風抵抗を低減することができる。
【0038】
実施例1に係る軸流ファンを用いた送風ファンユニット16は、
図3に示すように、ハブ16bにファンモータが内蔵されていて、プロペラ形の送風ファン16aを回転させて軸方向に送風する。送風ファンユニット16による風は、
図3に示す送風路13に沿って流れる。フィルタ部14より下の空気吸込口11から吸い込まれた空気は、矢印X方向に流れ、ハニカムコアボードから成るフィルタ部14を通ることで臭気成分や有害成分が除去され、上方の送風路13へ抜ける。フィルタ部14と送風ファンユニット16の間の空気吸込口11から吸い込まれた空気は、矢印Y方向に流れ、遮熱板17で拡散されたオゾンを希釈しながら送風ファンユニット16を通って、空気吹出口12から吹き出される。
【0039】
車載用の脱臭機10に軸流ファンを搭載する場合は、軸流ファンに振動が直接伝わらないようにする必要がある。このため、
図13に示すバックケーシング23aの装着位置である切欠き孔23cに送風ファンユニット16を装着する場合は、
図16−1に示す防振ゴム16cを四隅に装着し、
図16−2の状態として、
図17に示すように、送風ファンユニット16の四隅の突起部16dをバックケーシング23aとフロントケーシング23bの切欠き孔23cから突き出して固定する。このように、送風ファンユニット16とバックケーシング23aおよびフロントケーシング23bの間には、防振ゴム16cを介在させているため、脱臭機10に振動が加わったとしても、送風ファンユニット16に伝わる振動が減衰され、振動による軸流ファンへの影響を低減することができる。防振ゴム16cの材質としては、ここではクロロプレンゴム(CR)を用いて実施したが、必ずしもこれに限定されない。
【0040】
このようにして組上げられた脱臭機10のバックケーシング23aとフロントケーシング23bの外周部は、
図17に示すように、防塵フィルタ37で覆い、さらにその外側を側面パネル22で覆って固定する。そして、脱臭機10の天井面には、
図1に示すような天面パネル20を装着して完成する。
【0041】
このように、実施例1の脱臭機10は、ハニカムコアボードから成る脱臭触媒フィルタ141を少なくとも2つに分割して構成したフィルタ部14と、そのフィルタ部14を加熱して触媒による臭気成分の分解を促進する加熱ヒータ15aを分割された脱臭触媒フィルタ141の間に挟むようにしたため、加熱ヒータ15aの両側面をフィルタ部14の加熱に利用できることから、フィルタ部14を効率良く加熱できる。また、フィルタ部14と加熱ヒータ15aとは、フィルタを通過する空気の送風方向に対し直交方向に隣接させることから、接触面積が増加し、フィルタ部14を効率良く加熱できる。さらに、フィルタ部14と加熱ヒータ15aとが送風方向に対して平行になるように配置したため、フィルタ部14の通風抵抗が低下することで、高い脱臭効果が得られるようになった。
【0042】
また、実施例1では、脱臭触媒フィルタ141から成るフィルタ部14とオゾナイザ18の両方を使用して脱臭処理を行っているため、高い脱臭性能を得ることができる。特に、オゾンを空間内に一定濃度で放出することにより、オゾンの臭いによって悪臭を打ち消すマスキング効果と、臭の元となる臭気成分を酸化作用によって分解する効果とにより強力な脱臭効果が得られる。