(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転する像保持体の軸線方向に沿って並ぶ複数の発光素子を備え、当該像保持体に対して第1の距離を隔てて対向する光出射面から当該像保持体に光を出射して当該像保持体を露光する露光部材と、
少なくとも一部の領域が前記光出射面と比較して露光位置での前記像保持体の移動方向上流側に配置され、前記露光部材に対して前記第1の距離よりも離れて対向し、当該露光部材にて発生した熱を放散する放熱部材とを備え、
前記露光部材は、前記複数の発光素子により発光を制御するための回路を含む回路部を有し、
前記放熱部材は、前記露光部材の前記回路部に対して、前記第1の距離よりも離れて対向する露光装置。
前記放熱部材は、前記露光部材との間に、前記像保持体の回転により生じる気流を前記光出射面から離れる方向に導く流路を形成することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の構成の一例を示した図である。同図に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部5、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3等といった外部装置に接続され、これらから受信された画像データに対して画像処理を施す画像処理部6、各部に電力を供給する主電源7を備えている。
【0009】
画像形成プロセス部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置される4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が備えられている。
図2は、画像形成プロセス部10における画像形成ユニット11(この例では、画像形成ユニット11K)を示した図である。
【0010】
図1および
図2に示すように、各画像形成ユニット11は、回転可能に配置され静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光部材または露光ユニットの一例としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16を備えている。なお、本実施の形態における感光体ドラム12は、不図示の回転軸を備え、その軸方向が画像形成装置1のフロント側(図中手前側)からリア側(図中奥側)に向くように配置されている。
【0011】
さらに、各画像形成ユニット11は、LPH14にて発生した熱を放散(放熱)するとともに、LPH14にトナー等が付着するのを抑制(防塵)するための放熱部材50を備えている。
ここで、各画像形成ユニット11は、現像器15に収納されるトナーを除いて、同じ構成を有している。そして、各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0012】
さらに、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト20、各画像形成ユニット11による各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写させる一次転写ロール21、中間転写ベルト20上に転写された重畳トナー像を記録材である用紙に一括転写させる二次転写ロール22、二次転写された画像を用紙上に定着させる定着器30を備えている。
【0013】
ここで、
図2に示すように、各画像形成ユニット11において、感光体ドラム12、帯電器13およびクリーナ16は、一体化された感光体モジュール100として構成されている。そして、感光体モジュール100は画像形成装置1(
図1参照)に対して着脱自在に構成され、感光体ドラム12の寿命等に応じて交換される。なお、感光体モジュール100は、帯電器13やクリーナ16を含まない感光体ドラム12のみの構成を採用してもよいし、帯電器13やクリーナ16に加えさらに現像器15を一体化した構成を採用してもよい。すなわち、寿命が他の構成要素と比較して短い感光体ドラム12を含んだものであれば、如何なる構成要素との組み合わせによっても感光体モジュール100を構成してよい。
また、各画像形成ユニット11において、LPH14および放熱部材50も、一体化された露光モジュール200として構成されている。そして、露光装置の一例としての露光モジュール200も画像形成装置1(
図1参照)に対して着脱自在に構成されている。なお、露光モジュール200の詳細な構成については後述する。
【0014】
さらに、本実施の形態の画像形成装置1は、
図2に示すように、各画像形成ユニット11の露光モジュール200に対して送風を行う風発生手段の一例としての送風部材70を備えている。詳細については後段にて説明するが、本実施の形態では、送風部材70は、放熱部材50に対して、LPH14とは反対側に設けられ、感光体ドラム12の回転軸方向に沿って、送風を行う。
【0015】
この画像形成装置1において、画像形成プロセス部10は、制御部5から供給される各種の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。すなわち、制御部5による制御の下で、PC2や画像読取装置3から入力された画像データは、画像処理部6によって画像処理が施され、不図示のインターフェースを介して各画像形成ユニット11に供給される。そして、例えば黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器13により予め決められた電位に帯電され、画像処理部6から送信された画像データに基づいて発光するLPH14により露光される。これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上には黒(K)色のトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
【0016】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21により順次静電吸引されて、各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が配置された領域(二次転写部T)に搬送される。合成トナー像が二次転写部Tに搬送されると、合成トナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて用紙が用紙保持部40から二次転写部Tに供給される。そして、二次転写部Tにて二次転写ロール22により形成される転写電界により、合成トナー像は搬送されてきた用紙上に一括して静電転写される。
【0017】
その後、合成トナー像が静電転写された用紙は、中間転写ベルト20から剥離され、定着器30まで搬送される。定着器30に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着器30によって熱および圧力による定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙積載部(不図示)に搬送される。
一方、二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(転写残トナー)は、二次転写の終了後に中間転写ベルト20表面からベルトクリーナ25によって除去され、次の画像形成サイクルに備える。このようにして、画像形成装置1での画像形成がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返して実行される。
【0018】
続いて、本実施の形態の露光モジュール200の構成について説明する。
図3(a)(b)は、本実施の形態の露光モジュール200を示した斜視図である。
図3(a)は、露光モジュール200をLPH14の光照射側から見た斜視図であり、
図3(b)は、露光モジュール200をLPH14の光照射側とは反対側から見た斜視図である。
また、
図4は、本実施の形態の露光モジュール200の構成、および露光モジュール200と感光体モジュール100との関係を説明するための断面図である。なお、
図4のうち露光モジュール200の部分は、
図3(a)(b)に示した露光モジュール200のうち後述する第4板状部54およびASIC62aが存在する箇所の断面図に対応する。
【0019】
上述したように、露光モジュール200は、LPH14と放熱部材50とを有する。
本実施の形態のLPH14は、
図4に示すように、画像形成装置1(
図1参照)において感光体ドラム12の下方に配置され、下方から感光体ドラム12を露光する。なお、以下の説明において、LPH14により感光体ドラム12表面が露光される領域を露光点12aとよぶ。
本実施の形態のLPH14は、保持部材の一例としてのハウジング61、LEDアレイ63、LEDアレイ63等を搭載するLED回路基板62、LEDアレイ63からの光を感光体ドラム12の表面に結像させるレンズアレイの一例としてのロッドレンズアレイ64、ロッドレンズアレイ64を保持するホルダ65を備えている。
【0020】
なお、以下の説明においては、
図3(a)(b)、
図4等に示すLPH14におけるロッドレンズアレイ64の光軸方向をZ方向と呼ぶ。また、主走査方向すなわち感光体ドラム12の軸方向をX方向と呼ぶ。さらに、副走査方向すなわちX方向およびZ方向の双方に直交する方向をY方向と呼ぶ。
【0021】
ハウジング61は、例えば液晶ポリマー等の樹脂材料またはアルミニウムやSUS等の金属材料等により構成され、感光体ドラム12の軸方向(X方向)に沿って配置される。そして、ハウジング61は、LED回路基板62およびホルダ65を支持している。また、詳細については後述するが、ハウジング61には、LPH14からの熱を放熱するための放熱部材50が取り付けられている。
【0022】
ロッドレンズアレイ64は、X方向に沿って配置されるとともに、感光体ドラム12の回転方向(Y方向)に幅を有して形成されている。また、ロッドレンズアレイ64は、正立等倍実像を形成する屈折分布型レンズを複数並べて構成される。そして、ロッドレンズアレイ64は、LEDアレイ63からの光を、光出射面64aを介して感光体ドラム12に向けて出射する。
ホルダ65は、長尺状に形成されるとともにX方向に沿って配置される。ホルダ65は、ロッドレンズアレイ64を保持するとともに、ハウジング61に支持される。
【0023】
LED回路基板62は、長方形状のプリント基板等から構成され、ハウジング61における感光体ドラム12に対向する側とは反対側(Z方向上流側)の面に支持される。
また、LED回路基板62のうち感光体ドラム12に対向する側の面(表面)には、複数のLEDチップからなるLEDアレイ63が、感光体ドラム12の軸線方向と平行になるように精度よくライン上に配置されている。
この場合、各LEDチップに配置された発光素子(LED)の配列の端部境界において、各LEDがLEDチップ同士の連結部で連続的に配置されるように、各LEDチップは交互に千鳥状に配置されている。
【0024】
また、LED回路基板62のうち感光体ドラム12に対向しない他方側の面(裏面)には、LED回路基板62を介してLEDアレイ63による発光を制御するASIC(Application Specific Integrated Circuit)62aが設けられている。ASIC62aは、例えば、LEDアレイ63による発光を制御するための電子回路等が樹脂材料等の封止材により封止された構成を有している。
本実施の形態では、ASIC62aは、例えばLED回路基板62における軸方向中央部に1つ設けられている。なお、ASIC62aは、必要に応じて複数設けても構わない。
【0025】
本実施の形態のLPH14では、ホルダ65によりロッドレンズアレイ64を保持するとともに、ハウジング61によりロッドレンズアレイ64を保持したホルダ65を支持している。そして、本実施の形態では、感光体モジュール100の感光体ドラム12に対して、ハウジング61を介して露光モジュール200の位置決めを行っている。
これにより、本実施の形態では、感光体ドラム12の表面とロッドレンズアレイ64の光出射面64aとの距離が予め定められた第1の距離d1となるように、ロッドレンズアレイ64が保持されている。
【0026】
続いて、本実施の形態の放熱部材50は、例えばステンレス等の剛性を有する金属材料等の板金により構成される。放熱部材50は、全体として、感光体ドラム12の軸方向に延びる長尺状の形状を有している。
また、放熱部材50は、放熱部材50を構成する板金を折り曲げることで、
図4等に示すように、第1板状部51、第2板状部52、第3板状部53および第4板状部54が形成されている。そして、放熱部材50は、第4板状部54を介してLPH14のハウジング61に取り付けられている。
【0027】
放熱部材50の第1板状部51は、LPH14におけるLED回路基板62およびLED回路基板62に取り付けられるASIC62aに対向して設けられる。この例では、第1板状部51は、X方向およびY方向に沿って延びる長方形状となっており、LED回路基板62およびASIC62aに対して平行になるように設けられる。
そして、本実施の形態では、第1板状部51は、第1板状部51とASIC62a表面との距離が、予め定められた第2の距離d2となるように設けられている。ここで、第2の距離d2は、上述した第1の距離d1(感光体ドラム12の表面とロッドレンズアレイ64の光出射面64aとの距離)と比較して、大きくなるように設定されている(d2>d1)。
【0028】
放熱部材50の第2板状部52は、X方向およびZ方向に沿って延びる長方形状となっている。第2板状部52は、第1板状部51におけるY方向下流側の端部から、Z方向下流側(感光体ドラム12側)に向かうように延びる。
そして、第2板状部52は、このように設けられることで、第2板状部52の一方の面が、予め定められた第3の距離d3を介してLPH14のハウジング61の側面(Y方向下流側の面)と対向している。ここで、第3の距離d3は、上述した第1の距離d1と比較して、大きくなるように設定されている(d3>d1)。
また、本実施の形態では、第2板状部52におけるZ方向下流側の端部は、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aと高さ(Z方向における位置)が等しくなるように形成されている。
【0029】
放熱部材50の第3板状部53は、X方向およびZ方向に沿って延びる長方形状となっている。第3板状部53は、第1板状部51におけるY方向上流側の端部(すなわち、第2板状部52が設けられる端部とは反対側の端部)から、Z方向上流側(感光体ドラム12から離れる側)に向かうように延びる。
【0030】
放熱部材50の第4板状部54は、第1板状部51におけるY方向上流側から、X方向およびZ方向に沿って延びる平面により構成される。そして、第4板状部54は、Z方向上流側の端部が第1板状部51に接続し、Z方向下流側の端部がLPH14のハウジング61に固定される。これにより、放熱部材50は、LPH14のハウジング61に取り付けられる。
【0031】
第4板状部54は、
図3(b)に示すように、放熱部材50におけるX方向の全体に亘って設けられるのではなく、例えばX方向中央部やX方向の両端部等、X方向において部分的に設けられる。この例では、第4板状部54は、LPH14のASIC62aに隣接するように、放熱部材50におけるX方向中央部に設けられる。
詳細については後述するが、このように第4板状部54をX方向において部分的に設けることで、第1板状部51とASIC62aとの間を流れた気流が、第4板状部54の側方を抜けて、放熱部材50よりもY方向上流側に流れることが可能になる。
ここで、第4板状部54を放熱部材50におけるX方向の全体に亘って設けた場合には、第4板状部54によって気流が塞き止められる。なおこの場合には、例えば、第4板状部54に切欠きや孔を設ける等により、気流が塞き止められないようにすればよい。
【0032】
続いて、本実施の形態の露光モジュール200および感光体モジュール100を使用する際の状態について説明する。
図5は、本実施の形態の露光モジュール200および感光体モジュール100の使用時の状態を示した図である。ここで、
図5は露光モジュール200および感光体モジュール100を、X方向の下流側から見た図に対応している。
【0033】
本実施の形態において、感光体ドラム12をLPH14により露光する場合には、上述したように、画像処理部6(
図1参照)から送信される画像データに基づいて、ASIC62aがLED回路基板62を介してLEDアレイ63(
図4参照)を制御し、LEDアレイ63を発光させる。
すると、これに伴って、ASIC62aやLED回路基板62、LEDアレイ63が発熱する場合がある。特に、本実施の形態では、ASIC62aが実装されるLED回路基板62は、例えば熱伝導率の低いプリント基板により構成されるため、ASIC62aにて発生した熱が放散され難く、ASIC62aやLED回路基板62、LEDアレイ63等が高温になる傾向がある。
【0034】
ここで、ASIC62aにて発生した熱を放熱させるためには、例えば熱伝導性の高い材料から成る放熱部材をASIC62aに対して直接接触させて取り付けることが考えられる。
しかし、ASIC62aでは、柔軟性が高い樹脂材料等から成る封止材を用いて電子回路等が封止されているため、放熱部材をASIC62aに直接取り付けた場合には、封止材を介して、電子回路や電子回路に接続されるボンディングワイヤ等に衝撃が加わるおそれがある。そして、電子回路やボンディングワイヤ等に衝撃が加わった場合、ASIC62aにおいてショートや断線等が発生する懸念がある。
【0035】
これに対し、本実施の形態では、上述したように予め定められた距離(第2の距離d2)を介してASIC62aに対向する放熱部材50を設け、この放熱部材50によりASIC62aにて発生した熱を放散することで、ASIC62a等が過度に高温になることを抑制している。
【0036】
具体的には、
図5において矢印Eで示すように、ASIC62aにて発生した熱は、輻射によって、ASIC62aと対向する放熱部材50の第1板状部51に伝わる。特に、本実施の形態では、第1板状部51をASIC62aと平行になるように設けているため、本構成を採用しない場合と比較して、ASIC62aにて発生した熱が輻射により第1板状部51に伝わりやすくなっている。
【0037】
そして、第1板状部51に伝達された熱は、第1板状部51から空気中に放散されるとともに、第1板状部51から第2板状部52および第3板状部53に対して伝導し、第2板状部52および第3板状部53を介して空気中に放散される。
本実施の形態の放熱部材50は、このように、第1板状部51のY方向下流側の端部に第2板状部52を設け、Y方向上流側の端部に第3板状部53を設けることで、本構成を採用しない場合と比較して、放熱に使用される領域を広くとることが可能になっている。この結果、本実施の形態では、本構成を採用しない場合と比較して、ASIC62a等にて発生した熱を効率よく放散させることが可能になり、ASIC62a等の温度上昇を抑制することが可能になる。
【0038】
特に、本実施の形態では、上述したように、第2板状部52の先端の高さを例えばLPH14におけるロッドレンズアレイ64の光出射面64aと同じ高さとしている。これにより、第2板状部52の先端部が光出射面64aよりも下方(Z方向上流側)に位置する場合と比較して、第2板状部52の面積を広くすることができる。この結果、第2板状部52での放熱に用いられる領域を広くとることが可能になり、本構成を採用しない場合と比較して、ASIC62a等にて発生した熱をより効果的に放散させることが可能になる。
【0039】
また、本実施の形態では、
図3(b)および
図4等に示すように、放熱部材50をLPH14に接続するための第4板状部54が、ASIC62aとY方向に隣接して設けられている。
これにより、本構成を採用しない場合と比較して、ASIC62aにて発生した熱が、第4板状部54に伝わり、第4板状部54を介して空気中に放熱されやすくなるとともに、第4板状部54を介して第1板状部51に伝導されやすくなる。この結果、本構成を採用しない場合と比較して、高温になりやすいASIC62aの温度上昇をより抑制することが可能になる。
【0040】
さらに、上述したように、本実施の形態の放熱部材50は、ASIC62aに直接接触していないため、放熱部材50を介してASIC62aに衝撃が加わるのを抑制できる。これにより、本構成を採用しない場合と比較して、ASIC62aにおけるショートや断線の発生を抑制することが可能になる。
【0041】
ここで、ASIC62a等の温度上昇をより抑制するためには、例えばファン等の送風部材70(
図2参照)を用いて、放熱部材50を冷却するための送風を行うことが好ましい。
本実施の形態では、
図5に示す領域Sにおいて、送風部材70(
図2参照)を用いて送風を行っている。具体的には、領域Sにおいて、図中奥側から図中手前側に向かうX方向に、送風部材70を用いて冷却風を流している。そして、冷却風は、放熱部材50の第1板状部51、第2板状部52および第3板状部53の長手方向に沿って移動した後、画像形成装置1(
図1参照)の外部に排出される。
【0042】
これにより、本実施の形態では、ASIC62aから輻射により放熱部材50に伝わった熱が、第1板状部51、第2板状部52および第3板状部53を介して冷却風により空気中に放散される。この結果、本構成を採用しない場合と比較して、放熱部材50を介してASIC62a等を効果的に冷却することができ、ASIC62a等の温度上昇を抑制することが可能になる。
【0043】
なお、冷却風は、放熱部材50を冷却するための専用の送風部材70を用いて送風してもよく、また、画像形成装置1において他の用途で使用される送風部材を併用して送風してもよい。例えば、画像形成装置1に、定着器30(
図1参照)や主電源7(
図1参照)等を冷却するための送風部材が設けられている場合には、この送風部材により発生された冷却風を領域Sに送ることで放熱部材50の冷却を行っても構わない。これによれば、放熱部材50の冷却のために新たに送風部材を設ける場合と比較して、画像形成装置1の構成を簡易にでき、コストの上昇を抑制することができる。
また、本実施の形態では、領域Sに対して送風を行うことで冷却風を発生させたが、例えば吸気を行うことにより、領域Sにて冷却風を発生させてもよい。
【0044】
ところで、露光モジュール200および感光体モジュール100において、感光体ドラム12を露光し、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する際には、露光モジュール200及び感光体モジュール100の周囲、特に感光体ドラム12の周囲において、トナーが空気中に浮遊することによってクラウドトナー(トナークラウド)が発生する場合がある。
【0045】
すなわち、感光体ドラム12の露光点12aの下流側には、現像器15(
図2参照)が設けられる。現像器15では、例えば、キャリアとトナーとを含む二成分トナーをオーガ等で攪拌するとともに、現像ロール等を用いて帯電したトナーを感光体ドラム12へ移動させて、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する。このような現像器15では、オーガによるトナーの攪拌や現像器15内へのトナーの供給等により、現像器15内でトナーが舞い上がりクラウドトナーが発生する場合がある。
ここで、現像器15では、例えばオーガや現像ロールが回転することにより、現像器15の内部へ流れる空気流が発生し、現像器15の内部が現像器15の外部と比較して高圧になっている。この結果、現像器15の内部からは空気が漏出し、現像器15内で発生したクラウドトナーが、現像器15から漏れ出て感光体ドラム12の周囲に漂うことがある。
【0046】
また、感光体ドラム12の露光点12aの上流側には、クリーナ16(
図2参照)が設けられている。クリーナ16では、感光体ドラム12の表面に付した残存トナーを、例えばクリーニング電圧を印加したクリーニングロールを感光体ドラム12に接触させることで取り除いている。
このため、感光体ドラム12とクリーナ16との間では、例えば感光体ドラム12の表面に付着していた残存トナーが感光体ドラム12の表面からクリーナ16へと移る際に、画像形成装置1の内部空間にトナーが浮遊して、クラウドトナーが発生することがある。
さらに、上述した現像器15やクリーナ16以外にも、感光体ドラム12に静電転写されたトナーの一部が空気中を浮遊することで、クラウドトナーが発生することがある。
【0047】
このように、露光モジュール200や感光体モジュール100の周囲でクラウドトナーが発生した場合、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aにトナーが付着するおそれがある。ロッドレンズアレイ64の光出射面64aにトナーが付着した場合、LEDアレイ63からの光がトナーにより遮られ、感光体ドラム12の露光が不十分になる懸念がある。
これに対し、本実施の形態では、上述した放熱部材50等を用いてクラウドトナーを含む気流を案内することで、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aへのトナーの付着を抑制している。以下、
図5を用いて具体的に説明する。
【0048】
露光モジュール200および感光体モジュール100にて、感光体ドラム12の露光等を行う際には、上述したように、感光体ドラム12は、矢印A方向に回転する。
そして、感光体ドラム12の回転に伴って、露光モジュール200および感光体モジュール100の周囲には、感光体ドラム12の回転に応じた気流が発生する。
【0049】
ここで、上述したように、本実施の形態では、LPH14におけるロッドレンズアレイ64の光出射面64aと感光体ドラム12表面(露光点12a)との第1の距離d1(
図4参照)が、第2の距離d2(
図4参照)および第3の距離d3(
図4参照)と比較して小さく形成されている。
この結果、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aと感光体ドラム12の露光点12aとの間には、感光体ドラム12の回転により生じた気流によって、周囲と比較して高圧に保たれた高圧部Tが形成されることになる。
【0050】
高圧部Tでは、気流の進入が抑制されるため、本実施の形態では、このように高圧部Tが形成されることで、ロッドレンズアレイ64と感光体ドラム12の露光点12aとの間に、上述したクラウドトナーが流れ込むのを抑制することができる。
【0051】
すなわち、感光体モジュール100の周囲において、露光点12aよりも感光体ドラム12の回転方向上流側(Y方向の下流側)の領域では、矢印C1で示すように、感光体ドラム12の周囲に沿って感光体回転方向下流側(Y方向およびZ方向の上流側)に向かう気流が生じる。
そして、この気流は、高圧部Tへの進入が抑制されることで、高圧部Tの手前で折り返すように進行方向を変え、矢印C2で示すように、感光体ドラム12から離れるように下方(Z方向上流側)へ向かう。
【0052】
ここで、放熱部材50の第2板状部52とハウジング61との第3の距離d3は、第1の距離d1よりも大きく形成されている。このため、第2板状部52とハウジング61との間の領域は、高圧部Tと比較して低圧状態となっている。これにより、高圧部Tの手前で折り返した空気流は、矢印C3で示すように、第2板状部52およびハウジング61に沿って移動し、さらに下方(Z方向上流側)へ向かうことになる。
【0053】
続いて、第2板状部52とハウジング61との間をZ方向上流側へ向かう気流は、第1板状部51に到達すると、進行方向を変え、Y方向下流側へ向かう。
ここで、第1板状部51とASIC62aとの第2の距離d2は、第1の距離d1よりも大きく形成されている。このため、第1板状部51とASIC62aとの間の領域は、高圧部Tと比較して低圧状態となっている。これにより、矢印C4で示すように、気流は、第1板状部51およびASIC62a(LED回路基板62)に沿ってY方向上流側に移動する。
【0054】
上述したように放熱部材50において第4板状部54は、X方向に部分的に設けられている。これにより、第1板状部51とASIC62aとの間を流れた気流は、矢印C5で示すように、第4板状部54が設けられていない部分を通って、さらにY方向上流側に移動する。
そして、後述する矢印D2で示す気流と合流した後、感光体ドラム12から離れた位置にて画像形成装置1の外部に排出されることになる。
【0055】
以上により、露光点12aよりも感光体ドラム12の回転方向上流側(Y方向下流側)では、感光体ドラム12の回転により生じた気流が、矢印C1〜C5で示すように、放熱部材50に沿って案内される。言い換えると、本実施の形態では、放熱部材50とLPH14におけるハウジング61およびLED回路基板62(ASIC62a)とによって、矢印C1〜C5で示す気流の流路が形成されている。
【0056】
これにより、例えばクリーナ16等にて発生したクラウドトナーは、高圧部Tへの進入を抑制され、矢印C1〜C5で示した気流により導かれる。この結果、感光体ドラム12とロッドレンズアレイ64の光出射面64aとの間でのクラウドトナーの浮遊を抑制でき、本構成を採用しない場合と比較して、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aにトナーが付着するのを抑制することができる。
【0057】
また、このような気流の流路が形成されることで、ASIC62a等により発生した熱や、ASIC62a等から放熱部材50に伝わった熱を、気流により空気中に放散することが可能になる。この結果、本構成を採用しない場合と比較して、ASIC62a等の温度上昇をより抑制することが可能になる。
【0058】
また、感光体モジュール100の周囲において、露光点12aよりも感光体ドラム12の回転方向下流側(Y方向上流側)においても、感光体ドラム12の回転に伴って気流が発生する。
具体的には、上述したようにロッドレンズアレイ64の光出射面64aと感光体ドラム12との間には、高圧部Tが形成されているため、高圧部Tへの気流の進入が抑制されることで、矢印D1で示すように、高圧部Tから離れるように下方(Z方向上流側)へ向かう気流が生じる。
【0059】
この気流は、矢印D2で示すように、ハウジング61の側方(Y方向上流側)を抜けてさらにZ方向上流側へ進む。そして、上述したように、放熱部材50とLPH14との間を移動してきた気流と合流した後、感光体ドラム12から離れた位置にて画像形成装置1の外部に排出される。
【0060】
したがって、露光点12aよりも感光体ドラム12の回転方向下流側(Y方向上流側)においても、例えば現像器15(
図2参照)等にて発生したクラウドトナーは、高圧部Tへの進入を抑制され矢印D1、D2で示した気流により導かれる。この結果、感光体ドラム12とロッドレンズアレイ64の光出射面64aとの間でのクラウドトナーの浮遊を抑制でき、本構成を採用しない場合と比較して、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aにトナーが付着するのを抑制することができる。
【0061】
ところで、上述したように、本実施の形態では、放熱部材50による放熱を効果的に行うために、領域SにおいてX方向に沿って冷却風を流している。冷却風は、ファン等の送風部材を用いて発生させるため、感光体ドラム12の回転によって生じた矢印C1〜C5、D1、D2等で示すクラウドトナーが案内される気流と比較して、流速が速い。このような冷却風が例えば露光点12aの周囲まで到達した場合には、気流が乱され、この気流に案内されるクラウドトナーが高圧部Tまで舞い込むおそれがある。このような場合には、ロッドレンズアレイ64の表面にトナーが付着しやすくなる。
【0062】
これに対し、本実施の形態では、上述したように放熱部材50をLPH14に隣接して設けるとともに、放熱部材50に対してLPH14とは反対側に位置する領域Sにおいて冷却風の送風を行っている。すなわち、本実施の形態では、冷却風が流れる領域Sと、クラウドトナーが案内される気流C1〜C5、D1、D2が流れる領域とを、放熱部材50により分離している。
これにより、冷却風がクラウドトナーを含む気流が流れる領域へ到達するのを抑制し、クラウドトナーを含む気流が冷却風によって乱されるのを抑制できる。この結果、本実施の形態では、本構成を採用しない場合と比較して、ロッドレンズアレイ64の表面にトナーが付着するのをより抑制することができる。
【0063】
なお、本実施の形態のように、発光源(複数の発光素子)がX方向に沿って並んで設けられるLPH14では、振動を抑制することが好ましく、LPH14の振動を抑制するために、LPH14に重りをつける場合がある。本実施の形態では、上述した放熱部材50を、LPH14の振動を抑制するための重りとして用いてもよい。
上述したように、本実施の形態では、放熱部材50は、第4板状部54を介してLPH14のハウジング61に取り付けられている。したがって、放熱部材50の重さおよびハウジング61に対して放熱部材50を取り付ける位置等を調整することで、LPH14の振動を抑制することができる。
このように、放熱部材50をLPH14の振動を抑制するための部材として用いることで、LPH14の振動を抑制する部材を放熱部材50とは別に設ける場合と比較して、露光モジュール200の構成を簡易にすることが可能になる。
【0064】
以上説明したように、本実施の形態では、ASIC62a等にて発生した熱を放熱部材50により放熱することで、ASIC62a等の温度上昇を抑制することが可能になるとともに、クラウドトナーを含む気流を放熱部材50とLPH14(ハウジング61)との間に形成される流路により案内することで、ロッドレンズアレイ64の光出射面64aに対するトナーの付着を抑制することが可能になる。
【0065】
なお、本実施の形態では、放熱部材50をステンレス等の板金により構成したが、これに限定されるものではなく、例えば熱伝導性を有する樹脂材料により放熱部材50を構成しても構わない。
【0066】
また、本実施の形態では、放熱部材50をLPH14に取り付ける構成としたが、放熱部材50は、LPH14と別体として設けても構わない。例えば、放熱部材50を画像形成装置1の装置本体に固定し、LPH14を含む露光モジュールを画像形成装置1に取り付けることで、放熱部材50がLPH14に対して上述した位置関係をもって配置されるような構成としてもよい。
【0067】
また、放熱部材50は、必ずしも第1板状部51、第2板状部52、第3板状部53および第4板状部54を備えた上述の構造を有している必要はない。すなわち、放熱部材50は、LPH14との距離(本実施の形態では、第2の距離d2および第3の距離d3)が、感光体ドラム12とロッドレンズアレイ64の光出射面64aとの第1の距離d1よりも大きく形成され、LPH14との間に、感光体ドラム12の回転により生じる気流をLPH14から離れた位置に案内するための流路を形成することが可能であれば、他の形状を有していてもよい。