特許第6221491号(P6221491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221491
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20171023BHJP
   G05D 23/19 20060101ALI20171023BHJP
   G05F 1/455 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G03G21/00 398
   G05D23/19 C
   G05F1/455 A
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-167112(P2013-167112)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-34953(P2015-34953A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 隆行
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−114147(JP,A)
【文献】 特開2007−206666(JP,A)
【文献】 特開2012−233981(JP,A)
【文献】 特開2008−170657(JP,A)
【文献】 特開平08−069327(JP,A)
【文献】 特開2008−170656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G05D 23/19
G05F 1/455
G03G 15/00
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
前記像保持体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記露光手段により形成された静電潜像を現像する現像手段と、
前記現像手段により現像された画像を被転写体に転写する転写手段と
加熱源を備え、前記被転写体に転写された画像を熱により定着する定着手段と、
前記加熱源に電力を供給する外部電源のゼロクロスを検知するゼロクロス検知手段と、
前記外部電源から前記加熱源への電力を供給する経路に設けられ、オン状態において当該経路を接続し、オフ状態において当該経路を切断するとともに、当該外部電源がゼロクロスを有する場合においてオン状態からオフ状態に移行できるスイッチ手段と、
前記ゼロクロス検知手段により前記外部電源のゼロクロスが、予め定められた期間において、予め定められた回数検知された場合に、前記スイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行させると判断し、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、前記スイッチ手段がオフ状態からオン状態に移行することを禁止又は画像を形成する処理を実行することを禁止する判断手段と、
前記判断手段が前記スイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行させると判断する場合に、当該スイッチ手段をオフ状態からオン状態に設定する設定手段と、を備え、
前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、前記被転写体が供給されている場合には当該被転写体を排出させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、ユーザに対して通知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外部電源から前記加熱源に電力が供給される経路において、前記スイッチ手段と直列に設けられ、オン状態において当該経路を接続し、オフ状態において当該経路を切断する他のスイッチ手段と、
前記他のスイッチ手段をオン状態に設定する他の設定手段と、をさらに備え、
前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知した場合に、前記他のスイッチ手段をオフ状態からオン状態へ移行させると判断し、
前記他の設定手段は、前記判断手段が前記他のスイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行させると判断する場合に、当該他のスイッチ手段をオフ状態からオン状態に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、前記他のスイッチ手段がオフ状態からオン状態に移行することを禁止することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、ユーザに対して通知することを特徴とする請求項又は4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、ヒーターと、該ヒーターのエネルギー源であるAC電源と、該AC電源のゼロクロス点を検知するゼロクロス点検知回路と、該ゼロクロス点検知回路により検知したゼロクロス点に基づいて所定のタイミングによる上記ヒーターへの通電を制御し、ヒーターの温度を所定値に維持する制御部とを有するヒーター制御装置において、上記制御部は、上記ゼロクロス点検知回路により上記AC電源の極性の反転が所定期間以上無いと判断した場合には、上記ヒーターへの通電を停止し、極性の反転が生じたと判断した場合には、その後に上記ヒーターへの通電を開始するように設定されるヒーター制御装置が存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−69327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外部電源のゼロクロスが検知されない場合に、外部電源が印加される負荷への電力の供給を阻止する画像形成装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、像保持体と、前記像保持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段により形成された静電潜像を現像する現像手段と、前記現像手段により現像された画像を被転写体に転写する転写手段と加熱源を備え、前記被転写体に転写された画像を熱により定着する定着手段と、前記加熱源に電力を供給する外部電源のゼロクロスを検知するゼロクロス検知手段と、前記外部電源から前記加熱源への電力を供給する経路に設けられ、オン状態において当該経路を接続し、オフ状態において当該経路を切断するとともに、当該外部電源がゼロクロスを有する場合においてオン状態からオフ状態に移行できるスイッチ手段と、前記ゼロクロス検知手段により前記外部電源のゼロクロスが、予め定められた期間において、予め定められた回数検知された場合に、前記スイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行させると判断し、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、前記スイッチ手段がオフ状態からオン状態に移行することを禁止又は画像を形成する処理を実行することを禁止する判断手段と、前記判断手段が前記スイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行させると判断する場合に、当該スイッチ手段をオフ状態からオン状態に設定する設定手段と、を備え、前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、前記被転写体が供給されている場合には当該被転写体を排出させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、ユーザに対して通知することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記外部電源から前記加熱源に電力が供給される経路において、前記スイッチ手段と直列に設けられ、オン状態において当該経路を接続し、オフ状態において当該経路を切断する他のスイッチ手段と、前記他のスイッチ手段をオン状態に設定する他の設定手段と、をさらに備え、前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知した場合に、前記他のスイッチ手段をオフ状態からオン状態へ移行させると判断し、前記他の設定手段は、前記判断手段が前記他のスイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行させると判断する場合に、当該他のスイッチ手段をオフ状態からオン状態に設定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、前記他のスイッチ手段がオフ状態からオン状態に移行することを禁止することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記判断手段は、前記ゼロクロス検知手段がゼロクロスを検知しない場合に、ユーザに対して通知することを特徴とする請求項又はのいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、外部電源のゼロクロスが検知されない場合に、外部電源が印加される負荷への電力の供給を阻止できる。
請求項の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、外部電源の異常がより速やかに認識できる。
請求項の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、外部電源のゼロクロスが検知されない場合に、外部電源が印加される負荷への電力の供給を阻止できる。
請求項の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、外部電源が印加される負荷への電力の供給がより確実に阻止できる。
請求項の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、外部電源の異常がより速やかに認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】第1の実施の形態における定着部の加熱源を制御する回路を説明する図である。
図3】画像形成装置において定着部の加熱源を加熱するタイミングを説明するタイミングチャートである。
図4】トライアックをオフからオンに移行させる場合のタイミングチャートである。
図5】第1の実施の形態において定着部の加熱源を制御するフローチャートである。
図6】第2の実施の形態における定着部の加熱源を制御する回路を説明する図である。
図7】画像形成装置において定着部の加熱源を加熱するタイミングを説明するタイミングチャートである。
図8】リレーをオフからオンに移行させる場合のタイミングチャートである。
図9】第2の実施の形態において定着部の加熱源を制御するフローチャートである。
図10図9のステップ23において、否定(No)の判断がされた場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(画像形成装置1)
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、矢印A方向に回転可能に配設される像保持体の一例としての感光体ドラム11、矢印B方向に回転可能に配設され、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト20、中間転写ベルト20上に転写された重ねトナー像を用紙Sに一括転写(二次転写)させる転写手段の一例としての二次転写部30、二次転写された画像を被転写体の一例としての用紙S上に定着させる定着手段の一例としての定着部50、画像形成装置1の各機構部を制御する判断手段の一例としての制御部60を備えている。
【0009】
感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11が帯電される帯電ロール12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込む露光手段の一例としてのレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像手段の一例としての現像器14Y、14M、14C、14Kを回転可能に取り付けた回転式現像装置14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ロール15、感光体ドラム11上の残留トナーのうち通常の極性と逆極性に帯電したトナーを回収するリフレッシャ16などの電子写真用デバイスが順次配設されている。
【0010】
ここで、帯電ロール12は、例えば金属製シャフト表面にエピクロルヒドリンゴム層を形成し、さらにこのエピクロルヒドリンゴム層の表面に酸化錫の導電粉を含有させたポリアミドを3μmほどコートしたものである。また、リフレッシャ16は、例えば導電化したナイロン繊維を束ねて形成されたブラシである。
【0011】
さらに、感光体ドラム11は、金属製の薄肉の円筒形ドラムの表面に有機感光層を形成したものからなり、有機感光層が負極性に帯電する材料で構成されている。そして、回転式現像装置14は、複数(第1の実施の形態では6個)の現像器を備えることができるようになっている。なお、図1では、4個の現像器14Y、14M、14C、14Kを示している。現像器14Y、14M、14C、14Kによる現像は反転現像方式にて行われる。ここでは一例として、現像器14Y、14M、14C、14Kで使用されるトナーは負極性帯電タイプのものである。帯電ロール12には、不図示の帯電バイアス電源により帯電バイアスが印加され、回転式現像装置14には、不図示の現像バイアス電源により各現像器14Y、14M、14C、14Kに現像バイアスが印加される。そして、一次転写ロール15には、不図示の一次転写バイアス電源により一次転写バイアスが印加される。また、回転式現像装置14には、回転により予め定められた現像器を感光体ドラム11に対向させるため、不図示の現像装置駆動モータが取り付けられている。
【0012】
中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では6つ)のロール21〜26に掛け渡されている。これらのうち、ロール21、25は従動ロール、ロール22は中間転写ベルト20の位置決めや平坦な一次転写面の形成に用いられる金属製のアイドルロール、ロール23は中間転写ベルト20の張力を一定とするために用いられるテンションロール、ロール24は中間転写ベルト20の駆動ロール、ロール26は後述する二次転写用のバックアップロール(以後バックアップロール26と表記する。)である。また、中間転写ベルト20は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、塩化ビニル等の樹脂または各種ゴム等に導電剤としてカーボンブラックを適量含有させたものからなり、その表面抵抗率を1011Ω/□、体積抵抗率を1011Ω・cm、厚みを150μmとしたものである。
【0013】
二次転写部30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール31、バックアップロール26等によって構成される。バックアップロール26は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が7〜10logΩ/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカC)に設定される。このバックアップロール26には、図示しない二次転写バイアス電源から二次転写バイアスが印加される。一方、二次転写ロール31は接地されている。また、二次転写部30の上流側には、搬送されてくる用紙Sを二次転写部30に案内する用紙搬送ガイド32が取り付けられている。
【0014】
一方、二次転写部30の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト20上に付着する残留トナーを除去するベルトクリーナ40が設けられている。ベルトクリーナ40は、ウレタンプレート等で構成され中間転写ベルト20の像保持面側に一端部が接触して中間転写ベルト20上に付着する残留トナーをかき取るように配設されるブレード41、除去した残留トナーを格納するクリーナハウジング42を備えている。
【0015】
さらに、定着部50は、ハロゲンランプ等の加熱源53を内蔵する加熱ロール51と、この加熱ロール51に圧接配置される加圧ロール52とを備えており、これら加熱ロール51と加圧ロール52との間に形成される定着ニップ域にトナー像が転写された用紙Sを通過させることで、定着を行うようになっている。
【0016】
次に、画像形成装置1によるカラー画像の画像形成について説明する。画像形成装置1は、外部に設けられたPCなどの端末装置によって作成された画像データを受信することにより画像形成を開始する。
まず、制御部60により、受信した画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集などの予め定められた画像処理が開始される。
画像処理が完了すると、画像を用紙S上に作成する作像処理が実行される。まず、帯電ロール12により感光体ドラム11表面が予め定められた電位に帯電され、次いでレーザ露光器13により画像に対応した静電潜像が書き込まれ、対応する現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかによってこの静電潜像が現像される。例えば、この感光体ドラム11上に書き込まれた静電潜像がイエローに対応したものであれば、この静電潜像はイエローのトナーを内包する現像器14Yで現像され、感光体ドラム11上にはイエローのトナー像が形成される。そして、感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置において一次転写ロール15に印加される一次転写バイアスにより感光体ドラム11から中間転写ベルト20に一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム11上に残留したトナーはリフレッシャ16によって逆極性(本実施の形態では正極性)に帯電したトナーが除去されると共に機械的に均される。
【0017】
このとき、単色画像の画像形成である場合には、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像を直ちに用紙Sに二次転写するが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像の画像形成である場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成及び感光体ドラム11上に形成されたトナー像の一次転写が色数分だけ繰り返される。例えば、四色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合、感光体ドラム11上にはイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のトナー像が順次形成され、これら各色のトナー像は順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は、一次転写されたトナー像を保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回転し、中間転写ベルト20上にはその一回転毎にイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のトナー像が転写され、重ねられる。
【0018】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト20の回転に伴って二次転写位置(二次転写部30)へと搬送される。一方、用紙Sは、不図示のレジストロールにて予め定められたタイミングで用紙搬送ガイド32を介して二次転写位置へと供給され、中間転写ベルト20(バックアップロール26)に対して二次転写ロール31が用紙Sをニップする。すると、二次転写位置では、二次転写ロール31とバックアップロール26との間に働く二次転写電界の作用で、中間転写ベルト20に保持されたトナー像が用紙Sに静電転写(二次転写)される。
その後、トナー像が転写された用紙Sは定着部50へと搬送されて用紙S上のトナー像が加熱加圧定着され、一方、二次転写位置を通過した中間転写ベルト20上に残留した残留トナーは、ベルトクリーナ40によって除去される。
【0019】
ここでは、画像形成装置1において、制御部60を除く各機構部を周辺デバイスと表記する。
【0020】
図2は、第1の実施の形態における定着部50の加熱源53を制御する回路を説明する図である。
画像形成装置1は、図1に示した構成要素に加え、低圧電源回路80、ゼロクロス検知手段の一例としてのゼロクロス検知回路90、トライアック回路100、トライアック制御回路110をさらに備えている。
そして、ゼロクロス検知回路90は、制御部60にゼロクロス(ZC)検知信号を送信し、制御部60はトライアック制御回路110にトライアック制御信号を送信する。なお、定着部50は、温度センサ54を備え、制御部60に対して加熱ロール51(図1参照)の温度に関する情報を提供する(温度信号を送信する)。
【0021】
画像形成装置1は、外部に設けられた電源(外部電源)70から電力が供給される。通常、外部電源70は交流(AC)であって、例えば50Hz又は60Hzで実効値が100Vである。図2では、外部電源70はACであるとして表記している。
【0022】
低圧電源回路80は、入力側(図2の紙面において左側)が外部電源70からの給電線L1、L2に接続され、出力側(図2の紙面において右側)が制御部60に接続されている。低圧電源回路80は、通常はAC電源である外部電源70から受電し、制御部60などの電子回路を動作させる直流(DC)の低圧電源電位Vccを生成して出力する。例えば、低圧電源電位Vccは、DCの5Vであるとする。なお、基準となる電位である基準電位GNDは0Vであるとする。
すなわち、低圧電源回路80は、受電したACをブリッジ回路などによりDCに整流するとともに、スイッチングレギュレータなどにより低圧電源電位Vccに降圧する。
なお、画像形成装置1は、現像バイアス電源、帯電バイアス電源、一次転写バイアス電源、二次転写バイアス電源などを備えている。画像形成装置1は、これらに低圧電源電位Vccより電圧が高いDC(例えば24V)を供給する不図示の高圧電源回路を備えている。よって、低圧電源回路80と表記する。
【0023】
ゼロクロス検知回路90は、入力側(図2の紙面において上側)が外部電源70から電力を供給する経路である給電線L1、L2に接続され、出力側(図2の紙面において下側)が、トライアック回路100のトライアック101を介して、定着部50の加熱源53に接続されている。ゼロクロス検知回路90は、外部電源70がAC電源である場合に、電圧が“0V”と交差すること(ゼロクロス)を検知し、ゼロクロス(ZC)検知信号を制御部60に送信する。
【0024】
なお、ゼロクロス検知回路90は、例えば、トランスの一次側が外部電源70に接続され、二次側がトランジスタのベース端子とエミッタ端子とに接続された回路により実現できる。トランスによって外部電源70から電圧波形を取り出すと、トランジスタは、電圧が負から正に移行するときにオフからオンになり、正から負に移行するときオンからオフになる。この場合、オンになるときとオフになるときがゼロクロスに対応するので、オンになるときの立ち上がりとオフになるときの立下りにおいてパルスを発生させて、ZC検出信号とすれば、ゼロクロスを反映したパルス列をZC検知信号として送信できる。
また、ゼロクロス検知回路90は、外部電源70がACである場合に、正にあるとき点灯するようにフォトダイオードを設け、フォトトランジスタによりフォトダイオードの点滅を検知する回路により実現できる。この場合も、ゼロクロス検知回路90は、ゼロクロスを反映したパルス列をZC検知信号として送信できる。
なお、外部電源70がDCの場合には、ゼロクロス検知回路90からのゼロクロス検知信号はパルスとならず、DCとなる。
よって、外部電源がACであるか、DCであるかは、ZC検知信号を観察することによって識別できる。
ここでは、外部電源70がACである場合のZC検知信号は、「L」(基準電位GND、例えば0V)と「H」(低圧電源電位Vcc、例えば5V)とを備えるパルス列の信号であるとする。
【0025】
なお、ゼロクロス検知回路90は、外部電源70のゼロクロスを検知する回路であるので、外部電源70からの給電線L1、L2は、ゼロクロス検知回路90を通過(スルー)して、加熱源53及び後述するトライアック101に接続されている。
【0026】
トライアック回路100は、スイッチ手段の一例としてのトライアック(双方向サイリスタ)101、フォトカップラ102、抵抗R1、R2、R3を備えている。
トライアック101は、外部電源70からの給電線L2に接続されている。そして、トライアック101からの給電線L2´が加熱源53の一方の端子に接続されている。なお、外部電源70からの給電線L1が加熱源53の他方の端子に接続されている。
トライアック101は、2個のサイリスタ(サイリスタ及び逆極性サイリスタ)を組み合わせて構成された回路部品であって、ゲート(G)端子、電流(TM1)端子、電流(TM2)端子を備えている。そして、TM1端子とTM2端子との間が非導通状態(オフと表記する。)にあるときに、G端子に予め定められたゲート電圧を加えると、TM1端子とTM2端子との間が導通状態(オンと表記する。)に移行する。なお、トライアック101は、2個のサイリスタを組み合わせているので、ACを導通させることができる。
【0027】
ここでは、加熱源53は、ハロゲンランプであるので、外部電源70が供給されると赤外線などを放出して、加熱ロール51(図1参照)を加熱する。
なお、トライアック101のTM1端子とTM2端子との間が非導通状態(オフ状態)から導通状態(オン状態)に移行することを、トライアック101がオンすると表記する。さらに、トライアック101のTM1端子とTM2端子との間が導通状態(オン状態)から非導通状態(オフ状態)に移行することを、トライアック101がオフすると表記する。
すなわち、トライアック101がオフからオンに移行すると、給電線L2と給電線L2´とが接続され、外部電源70がACであればACが加熱源53に供給される。トライアック101がオンからオフに移行すると、給電線L2と給電線L2´とが切断され、外部電源70からのACの加熱源53への供給が停止される。
他の半導体素子についても同様とする。
【0028】
トライアック101は、サイリスタと同様に、一旦オンになると、G端子を予め定められたゲート電圧未満にしても、TM1端子とTM2端子との間の導通状態(オン)を非導通状態(オフ)にすることができない。すなわち、トライアック101をオフにすることができない。トライアック101をオフにするには、TM1端子とTM2端子の間の電圧が、もはやオンを維持することができない電圧(維持電圧)より絶対値において小さくなることが必要である。
よって、外部電源70がACである場合には、ゼロクロスにおいてTM1端子とTM2端子の間の電圧が維持電圧より絶対値において小さい“0V”になるので、G端子を予め定められたゲート電圧未満にしておけば、トライアック101をオフにすることができる。なお、G端子を予め定められたゲート電圧以上にしておくと、トライアック101は、外部電源70のACの絶対値が大きくなると、再びオンする。
【0029】
逆に、G端子に予め定められたゲート電圧が印加された状態で、TM1端子とTM2端子との間にDCが印加される場合や、TM1端子とTM2端子との間にDCが印加された状態で、G端子に予め定められたゲート電圧が印加される場合にも、トライアック101がオンする。
しかも、G端子を予め定められたゲート電圧未満にしても、トライアック101はオンを維持する。トライアック101は、G端子の電位の変更によってはオフにできない。
よって、トライアック101を用いて電力(電流)のオン・オフを制御する回路は、電力(電流)を供給する外部電源70がACであることを前提としている。
【0030】
フォトカップラ102は、フォトトライアック102a、フォトダイオード102bを備えている。フォトトライアック102aは、電流(TM3)端子と電流(TM4)端子を備えたトライアックである。フォトトライアック102aは、トライアック101が備えるG端子を備えない。フォトトライアック102aは、フォトダイオード102bの発光を受けて、オンになる。フォトダイオード102bは、トライアック101と同様に、TM3端子とTM4端子の間の電圧が絶対値において所謂維持電圧より小さくならないと、オフにならない。
【0031】
トライアック回路100において、フォトトライアック102aのTM3端子はトライアック101のG端子に接続されている。トライアック101のG端子は抵抗R1を介してトライアック101のTM1端子に接続されている。フォトトライアック102aのTM4端子は抵抗R2を介して、トライアック101のTM2端子に接続されている。
フォトダイオード102bのアノード端子は、電流を制限する抵抗R3を介して低圧電源電位Vccに接続され、カソード端子はトライアック制御回路110に接続されている。
【0032】
後述するように、制御部60からのトライアック制御信号によりトライアック制御回路110のトランジスタTr1がオンになると、フォトダイオード102bのカソード端子が基準電位GNDに引き込まれる。これにより、低圧電源電位Vccからフォトダイオード102bに、電流を制限する抵抗R3を介して電流が流れる。これにより、フォトダイオード102bが発光する。その発光により、フォトトライアック102aがオンする。
【0033】
すると、フォトトライアック102a、抵抗R1、抵抗R2及び加熱源53を介して、外部電源70から電流が流れる。これにより、トライアック101のG端子が予め定められた電位に設定されて、トライアック101がオンする。
【0034】
トライアック制御回路110は、npnトランジスタであるトランジスタTr1、抵抗R4、R5を備えている。
トランジスタTr1のコレクタ端子は、フォトダイオード102bのカソード端子に接続され、エミッタ端子は、基準電位GNDに接続されている。トランジスタTr1のベース端子は、抵抗R4を介して、制御部60からのトライアック制御信号を受信する。また、トランジスタTr1のベース端子は、抵抗R5を介して基準電位GNDに接続されている。
【0035】
トライアック制御信号は、「L」(基準電位GND)と「H」(低圧電源電位Vcc)とを備える信号であるとする。トライアック制御信号が「L」であると、トランジスタTr1は、ベース端子が基準電位GNDとなってオフである。トライアック制御信号が「H」であると、トランジスタTr1は、ベース端子が低圧電源電位Vccとなってオンである。
すなわち、トライアック制御信号は、「L」であればトライアック101をオフにし、「H」であればトライアック101をオンにする。
ここで、トライアック制御回路110、フォトカップラ102、抵抗R1、R2、R3は設定手段の一例である。
【0036】
なお、定着部50は、加熱ロール51の温度Tmpを測定するための温度センサ54を備えている。温度センサ54は、例えば温度によって抵抗値が変化するサーミスタであって、一方の端子に基準電位GNDが供給され、他方の端子が制御部60に接続されている。そして、制御部60は、温度センサ54の抵抗値から、加熱ロール51の温度Tmpを求める。
【0037】
そして、制御部60は、記憶領域61を備え、画像形成を行うことを禁止するフラグ(画像形成を禁止するフラグ)F1とトライアック101がオンになることを禁止するフラグ(トライアックのオンを禁止するフラグ)F2とを格納する。
ここでは、フラグF1が“1”であれば、画像形成を行なうことを禁止し、フラグF1が“0”であれば、画像形成を行なうことを許可するとする。
同様に、フラグF2が“1”であれば、トライアック101をオンにすることを禁止し、フラグF2が“0”であれば、トライアック101をオンにすることを許可するとする。
【0038】
制御部60は、画像形成を開始する際に、画像形成を禁止するフラグF1を参照し、“0”であれば画像形成を実行し、“1”であれば画像形成を実行しない。
同様に、制御部60は、トライアック101をオンにする際、すなわち、トライアック101をオンにするためにトライアック制御信号を「L」から「H」にする際に、トライアックのオンを禁止するフラグF2を参照し、“0”であればトライアック制御信号を「H」にし、“1”であればトライアック制御信号を「H」にせず「L」のままとする。
【0039】
なお、通常は、画像形成を禁止するフラグF1及びトライアック101のオンを禁止するフラグF2はいずれも“0”が設定されている。そして、一旦“1”に設定されると、ユーザによって、予め定められた手順によって解除(リセット)されない限り、“1”が維持される。これについては、後述する。
【0040】
次に、画像形成装置1においてトライアック101により定着部50を加熱する概要を説明する。
図3は、画像形成装置1において定着部50の加熱源53を加熱するタイミングを説明するタイミングチャートである。図3において、アルファベット順(a、b、c、…)に時刻が経過するとする。
前述したように、画像形成装置1は、画像データを受信すると、画像形成のプロセスとして、画像処理と作像処理とを実行する。
【0041】
時刻aにおいて、画像形成装置1の制御部60は、外部に設けられたPCなどの端末装置(不図示)から、画像データを受信する。制御部60は、画像データを受信すると、受信した画像データに対して、シェーディング補正などの予め定められた画像処理を開始する。
【0042】
画像処理が完了しない時刻bにおいて、制御部60は、トライアック101をオンにし、定着部50の加熱ロール51に対する加熱を開始する。
次に、画像処理が完了した時刻cにおいて、制御部60の制御により、用紙が供給され(給紙)、作像処理が開始される。
そして、時刻hにおいて、作像処理が完了すると、用紙が排出される(排紙)とともに、制御部60は、トライアック101をオフにして、加熱を停止する(加熱停止)。
【0043】
時刻bの加熱開始から、時刻hの加熱停止までの期間において、制御部60は、温度センサ54からの温度信号(抵抗値の変化)により、加熱ロール51の温度Tmpを検知し、加熱ロール51を予め設定された設定温度Tmp0に設定するために、トライアック101をオン/オフして、加熱源53に外部電源70からの電力(電流)の供給を制御する。
なお、図3では、時刻cにおいて画像処理が完了して作像処理が開始されている。しかし、時刻bにおいて、加熱源53による加熱ロール51の加熱が開始されている。時刻bから時刻cまでは、予備加熱の期間に相当する。予備加熱することなく、時刻cにおいて加熱を開始するようにしてもよい。
【0044】
以上においては、外部電源70は、商用電源であって、例えばAC100Vが供給されていることを想定する。
しかし、災害発生時などで商用電源の供給が停止した場合には、非常用電源が用いられる。そして、電源管理システムには、商用電源の供給が停止すると、自動的に非常用電源に切り替わるように構成されたものがある。
このとき、非常用電源がAC100Vを供給すれば、画像形成装置1は、商用電源が供給されている場合と同様に動作できる。
【0045】
しかし、非常用電源には、DCを供給するものがある。DCはバッテリーで供給することができるため、電源として構成しやすい。さらに、複数のバッテリーを直列接続することで、供給する電圧の制御がしやすい。
このため、非常時において、例えばAC100Vの商用電源の代わりに、非常用電源からDC100Vが供給される場合がありうる。
そして、電源管理システムによって、商用電源のAC100Vの供給停止とともに、自動的にDC100Vの非常用電源に切り替えられることがありうる。
【0046】
そこで、図2に示した定着部50の加熱源53を制御する回路において、外部電源70としてDC100Vが供給された場合を説明する。
まず、低圧電源回路80が整流器とスイッチングレギュレータとで構成されているとすると、低圧電源回路80は、正常に動作して低圧電源電位Vccを出力する。すなわち、DC100Vが、整流器の特定のダイオード(順方向のダイオード)を通過して、スイッチングレギュレータに供給されため、スイッチングレギュレータは正常に動作する。そして、制御部60に低圧電源電位Vccを出力する。よって、制御部60は正常に動作する。
【0047】
ここで、図2に示した定着部50の加熱源53を制御する回路において、ゼロクロス検知回路90を備えていない場合を説明する。
加熱源53は、トライアック101を介して外部電源70に接続されている。
制御部60は、図3の時刻aにおいて、画像データを受信する。時刻bにおいて、定着部50の加熱ロール51の温度を設定温度Tmp0に設定するため、制御部60は、トライアック制御回路110に、トライアック101をオンにするトライアック制御信号(「H」)を送信する。トライアック制御回路110が「H」のトライアック制御信号を受信すると、トランジスタTr1がオンし、トライアック回路100のフォトカップラ102のフォトダイオード102bが点灯する。そして、フォトトライアック102aがオンになって、トライアック101がオンする。
そして、外部電源70からDCが加熱源53に供給され、加熱源53の温度が上昇し、加熱ロール51を加熱する。
【0048】
制御部60は、温度センサ54により加熱ロール51の温度Tmpを監視している。制御部60は、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0を超えたことを検知すると、トライアック101をオフにして加熱源53へのDCの供給を停止するため、トライアック制御信号を「L」にする。すると、トライアック制御回路110のトランジスタTr1がオフになって、フォトカップラ102のフォトダイオード102bの発光が停止する。しかし、フォトトライアック102aは、DCが印加されているので、オフにならない。
【0049】
同様に、トライアック101は、DCが供給されているので、オフにならない。このため、加熱源53にはDCが供給され続けて、加熱ロール51が過熱する。ついには、加熱源53の焼断などに至る。
【0050】
これは、図2に示した定着部50の加熱源53を制御する回路における低圧電源回路80が、外部電源70としてDCが供給された場合であっても、ACが供給された場合と同様に動作するため、制御部60及びトライアック制御回路110が動作して、トライアック101をオンにすることによる。
【0051】
そこで、第1の実施の形態では、ゼロクロス検知回路90を設け、外部電源70の電圧にゼロクロスが検出されない場合、例えばDCである場合には、制御部60からトライアック101をオンにするトライアック制御信号(「H」)を送信しないようにしている。
【0052】
図4は、トライアック101をオフからオンに移行させる場合のタイミングチャートである。図4(a)は、外部電源70がACである場合、図4(b)は外部電源70がDCである場合を示している。図4では、ギリシャ文字の順(α1、β1、γ1、…)に時刻が経過するとする。なお、数字“1”を付記しているが、これは後述する第2の実施の形態における図8と区別するためである。
図3における時刻b、時刻e、時刻f、時刻gなどにおいて、図4が実行される。
【0053】
図4の時刻α1から予め定められた期間t0が経過した時刻ε1において、制御部60は、トライアック制御回路110にトライアック101をオンにするために「H」のトライアック制御信号を送信するとする。すると、制御部60は、時刻α1からの期間t0において、外部電源70の電圧がゼロクロスする回数を計数し、予め定められた回数が計数された場合に、トライアック制御信号を「L」から「H」にして、トライアック制御回路110に送信する。
そして、予め定められた回数が計数されない場合には、トライアック制御信号を「L」に維持したままとする。この場合には、トライアックのオンを禁止するフラグF2を“1”にして、トライアック101がオンになることを禁止する。
【0054】
まず、図4(a)に示す外部電源70がACである場合(外部電源(AC))を、図2を参照しつつ説明する。ここでは、例として、外部電源70は、50HzのAC100Vであるとする。期間t0を100msとすると、期間t0においてゼロクロスが10回発生する。
ここでは、制御部60はカウンタを備え、ゼロクロスに対応したパルス列であるZC検知信号を受信して、ゼロクロスの回数をカウントするとする。そして、制御部60は、期間t0において、カウンタが10回カウントした場合に、トライアック制御信号を「L」から「H」にするとする。
【0055】
図4(a)の時刻α1において、カウンタをリセット(“0”)する。
外部電源70がACであるので、時刻β1、時刻γ1などにおいて、ゼロクロスが発生する。前述したように、ゼロクロス検知回路90は、トランスとトランジスタとを備え、トランジスタは、電圧が負から正に移行するときにオンになり、正から負に移行するときオフになるとする。この場合、オンになるときとオフになるときがゼロクロスに対応するので、オンになるときの立ち上がりとオフになるときの立下りにおいてパルスを発生させて、ZC検出信号とする。すなわち、ZC検出信号は、図4(a)に示すように、外部電源70のACがゼロクロスする時刻β1、時刻γ1などにおいてパルスを発生する。
【0056】
制御部60に設けられたカウンタは、ZC検知信号のパルスを受信して、時刻α1において“0”であったが、時刻β1で“1”となり、時刻γ1で“2”となる。そして、時刻α1から10回目のゼロクロスが生じる時刻δ1において、“10”となる。
よって、時刻α1から期間t0が経過した時刻ε1において、制御部60のカウンタが“10”となっているので、制御部60は、トライアック101をオンにするため、トライアック制御信号を「L」から「H」にする。
【0057】
すると、図2のトライアック制御回路110のトランジスタTr1がオンになり、フォトカップラ102のフォトダイオード102bに電流が流れ、発光する。そして、フォトトライアック102aがオンする。なお、フォトカップラ102がゼロクロス検知タイプであるとすると、フォトトライアック102aがオンになるタイミングは、外部電源70のACが時刻ε1の後にゼロクロスする時刻ζ1となる。
なお、フォトカップラ102がゼロクロス非検知タイプである場合には、フォトトライアック102aがオンになるタイミングは時刻ε1となる。
フォトカップラ102は、ゼロクロス検知タイプ又はゼロクロス非検知タイプのいずれであってもよいが、ゼロクロス検知タイプであると、フォトトライアック102a及び/又はトライアック101をオンにする際のノイズの発生が抑制できる。
【0058】
次に、図4(b)に示す外部電源70がDCである場合(外部電源(DC))を、図2を参照して説明する。ここでは、例として、外部電源70は、DC100Vであるとする。そして、低圧電源回路80、制御部60、トライアック回路100、トライアック制御回路110は動作しているとする。
【0059】
図4(b)の時刻α1において、カウンタをリセット(“0”)する。
外部電源70がDCであるので、時刻α1以降においてゼロクロスは発生しない。よって、ゼロクロス検知回路90は、ZC検知信号にパルスを発生させない。よって、制御部60のカウンタは、時刻ε1においても“0”のままとなる。
すると、時刻α1から期間t0が経過した時刻ε1において、制御部60は、カウンタが“0”であるので、トライアック制御信号を「L」に維持する。よって、トライアック101はオンにならず、定着部50の加熱源53には外部電源70から電流が供給されない。
【0060】
なお、前述したように、図4の手順は、トライアック101をオンにするタイミング毎に行なわれる。例えば、図3において、時刻b、時刻e、時刻f、時刻gなどのトライアック101をオンにするタイミングにおいて行なわれる。
【0061】
トライアック101をオン/オフさせるのは、定着部50の加熱ロール51の温度Tmpを設定温度Tmp0に設定する(維持する)ためである。
そこで、時刻α1は、例えば、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0を下回る時点とすればよい。外部電源70が定着部50の加熱源53に電力(電流)を供給する期間(トライアック101がオンの期間、例えば図3における時刻bから時刻dまでの期間)が、期間t0より長い場合、例えばトライアック101がオンである期間が数秒であって、期間t0が100msである場合には、期間t0において、加熱ロール51の温度Tmpが下がりすぎることが抑制される。
なお、トライアック101のオン/オフによる加熱ロール51の温度Tmpの変動が大きい場合には、カウンタをリセットする時刻α1を加熱ロール51の温度Tmpの変化から予測して設定してもよい。
また、設定温度Tmp0に上限値と下限値を設け、上限値に達するとトライアック101をオフにし、下限値に達するとトライアック101をオンにしてもよい。この場合、時刻α1を、温度Tmpが上限値と下限値との間にある時刻に設定してもよい。
【0062】
図5は、第1の実施の形態において定着部50の加熱源53を制御するフローチャートである。
図5の加熱開始は、図3の時刻b、時刻e、時刻f、時刻gなどに対応し、図4における時刻α1に対応する。そして、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0を下回っていて、トライアック101をオンにして、加熱源53による加熱ロール51の加熱が必要であるとする。
なお、画像形成を禁止するフラグF1、トライアック101のオンを禁止するフラグF2はともに“0”であって、画像形成及びトライアック101のオンはともに禁止されていないとする。
【0063】
制御部60は、カウンタを“0”にセットし、期間t0の間において、ゼロクロスが何回カウントされるかを監視する。そして、制御部60により、期間t0(例えば100ms)において予め定められた回数(例えば10回)のゼロクロスが検知されたか否かが判断される(ステップ1。図5では、S1と表記する。以下同様とする。)。
【0064】
ステップ1において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、予め定められた期間(期間t0)に予め定められた回数のゼロクロスが検知された場合には、制御部60は、トライアック制御信号を「L」から「H」にして、トライアック101をオンにする(ステップ2)。これにより、トライアック101を介して、外部電源70からACが加熱源53に供給され、加熱ロール51が加熱されて加熱ロール51の温度Tmpが上昇する。なお、トライアック101がオンになる手順は前述したとおりである。
【0065】
そして、制御部60は、定着部50における温度センサ54により、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0を超えた(Tmp>Tmp0)か否かが判断される(ステップ3)。ステップ3において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0未満である場合(Tmp<Tmp0)には、トライアック101のオンが継続されて、加熱ロール51が加熱され続ける。そして、ステップ3において、再び、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0を超えたか否かが判断される。
【0066】
ステップ3において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0を超えた場合(Tmp>Tmp0)には、制御部60は、トライアック制御信号を「H」から「L」にすることでトライアック101をオフにする。すると、外部電源70から加熱源53へのACの供給が停止する(ステップ4)。なお、トライアック101がオフになる手順は前述したとおりである。
【0067】
そして、制御部60は、温度センサ54により、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0未満(Tmp<Tmp0)か否かが判断される(ステップ5)。ステップ5において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0未満でない場合(Tmp≧Tmp0)には、トライアック101のオフを維持する。
【0068】
一方、ステップ5において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、加熱ロール51の温度Tmpが設定温度Tmp0未満である場合(Tmp<Tmp0)には、画像形成が完了しているか否かが判断される(ステップ6)。そして、ステップ6において否定(No)の判断がされた場合、すなわち、画像形成が完了していない場合には、再び加熱を開始するため、ステップ1に戻る。これが、図3の時刻e、時刻g、時刻hなどに対応する。
【0069】
一方、ステップ6において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、画像形成が完了している場合には、加熱を終了する。これが、図3の時刻hに対応する。
【0070】
さて、図5のステップ1において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、ゼロクロスが検知されなかった場合には、トライアック101をオンに移行させることが禁止される(ステップ)。制御部60は、トライアック101のオンを禁止するフラグF2に“1”を設定する。
次に、図3から分かるように、画像形成(画像処理又は作像処理)が開始されているので、制御部60は画像形成を中止させる(ステップ)。
【0071】
そして、制御部60により、用紙が供給されている(給紙あり)か否かが判断される(ステップ)。ステップにおいて、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、給紙ありの場合には、制御部60は、用紙を強制的に排出(排紙)させる(ステップ10)。
【0072】
ステップにおいて、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、給紙なしの場合には、制御部60は、周辺デバイスの動作を停止させる(ステップ11)。ステップ10において排紙された場合にも、ステップ11が実行される。
そして、画像形成が禁止される(ステップ12)。すなわち、制御部60は、画像形成を禁止するフラグF1に“1”を設定する。
【0073】
さらに、制御部60により、画像形成装置1が「画像形成が禁止されたこと」が、ユーザに通知される(ステップ13)。
例えば、画像形成装置1が表示部を備える場合は、制御部60によって表示部に「画像形成が禁止された」ことを表示してもよい。さらに、画像形成装置1がスピーカなど音を発する部材を備える場合は、アラーム音を発してもよい。さらに、画像形成装置1が通信回線などと接続されている場合には、「画像形成が禁止された」ことを知らせる内容のファクシミリ、電子メールなどを予め定められた宛先に送出してもよい。
このとき、「画像形成が禁止された」ことに加えて、「外部電源が異常である」こと又は「外部電源がDCに変更された」ことを伝えてもよい。
【0074】
以上説明したように、第1の実施の形態では、外部電源70がACからDCに変更された場合のように、ゼロクロスが検知できない場合(図5のステップ1において否定(No)の判断がされた場合)には、トライアック101がオンになることが禁止されるので、トライアック101がオンにならず、定着部50の加熱源53に電力(電流)が供給されつづけて過熱されることが抑制される。さらに、画像形成も禁止されるので、定着部50の加熱源53を加熱する手順が実行されることが抑制される。
【0075】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、図2に示した第1の実施の形態の画像形成装置1における定着部50の加熱源53を制御する回路において、外部電源70から定着部50の加熱源53へ電力を供給する経路である給電線L1に、リレー(継電器)(後述する図6における他のスイッチ素子の一例としてのリレー120)を設けている。トライアック101に加えてリレー120によって、外部電源70から定着部50の加熱源53への電力(電流)の供給を制御できるようにしている。
第1の実施の形態とは、第2の実施の形態の画像形成装置1における定着部50の加熱源53を制御する回路が異なる。以下では、第1の実施の形態と異なる部分を説明し、同様の部分の説明を省略する。
【0076】
図6は、第2の実施の形態における定着部50の加熱源53を制御する回路を説明する図である。第2の実施の形態の画像形成装置1における定着部50の加熱源53を制御する回路は、図2に示した第1の実施の形態の画像形成装置1における定着部50の加熱源53を制御する回路において、リレー120と、リレー120を制御する他の設定手段の一例としてのリレー制御回路130をさらに備えている。
そして、制御部60は、リレー制御回路130にリレー制御信号が送信する。
【0077】
リレー120は、スイッチ121と電磁石を駆動するコイル122とを備えている。スイッチ121は、図2示した回路において、外部電源70から定着部50の加熱源53への給電線L1に設けられている。そこで、図6においては、外部電源70からリレー120のスイッチ121の一方の端子までを給電線L1とし、スイッチ121の他方の端子から加熱源53までを給電線L1´として示している。
スイッチ121が閉(オン)であると、給電線L1と給電線L1´とが接続され、トライアック101がオンになると、外部電源70がACであればACが加熱源53に供給される。
スイッチ121が開(オフ)であると、給電線L1と給電線L1´との接続が切断され、トライアック101がオンであっても、外部電源70から加熱源53への電力(電流)の供給を遮断(停止)する。すなわち、スイッチ121は、開(オン)/閉(オフ)されることで、外部電源70から加熱源53への電力(電流)を制御できる。
コイル122は、一方の端子に低圧電源回路80からの低圧電源電位Vccが供給され、他方の端子がリレー制御回路130に接続されている。
【0078】
リレー制御回路130は、npnトランジスタであるトランジスタTr2、抵抗R、Rを備えている。そして、トランジスタTr2は、エミッタ端子に基準電位GNDが供給され、コレクタ端子がコイル122の他方の端子に接続されている。さらに、ベース端子が電流制限のための抵抗Rを介して、制御部60に接続されてリレー制御信号を受信する。また、ベース端子は抵抗R6を介してエミッタ端子に接続されている。抵抗R6は、エミッタ端子に対してベース端子の電位を設定する。
【0079】
ここでも、リレー制御信号は、「H」と「L」との電位を有する信号であるとし、「L」から「H」に移行すると、リレー制御回路130のトランジスタTr2がオンになる。すると、コイル122は、一方の端子が低圧電源電位Vccに、他方の端子が基準電位GNDになるので、電流が流れる。これにより、スイッチ121が開(オフ)から閉(オン)に移行し、給電線L1と給電線L1´が接続される。
逆に、リレー制御信号が「H」から「L」に移行すると、リレー制御回路130のトランジスタTr2がオフになる。すると、コイル122には電流が流れなくなり、スイッチ121が閉(オン)から開(オフ)に移行し、給電線L1と給電線L1´との接続が遮断される。
スイッチ121が開(オフ)から閉(オン)に移行することを、リレー120がオンすると表記し、逆にスイッチ121が閉(オン)から開(オフ)に移行することを、リレー120がオフすると表記する。
【0080】
さらに、制御部60は、備える記憶領域61に、画像形成を禁止するフラグF1及びトライアック101のオンを禁止するフラグF2に加え、リレー120がオンになることを禁止するフラグ(リレー120のオンを禁止するフラグ)F3を格納する。
フラグF3が“1”であれば、リレー120をオンにすることを禁止し、フラグF3が“0”であれば、リレー120をオンにすることを許可するとする。
【0081】
制御部60は、画像形成を開始する際に、画像形成を禁止するフラグF1を参照し、“0”であれば画像形成を実行し、“1”であれば画像形成を実行しない。
同様に、制御部60は、トライアック101をオンにする際、すなわち、トライアック101をオンにするためにトライアック制御信号を「L」から「H」にする際に、トライアック101のオンを禁止するフラグF2を参照し、“0”であればトライアック制御信号を「H」にし、“1”であればトライアック制御信号を「H」にせず「L」のままとする。
さらに、制御部60は、リレー120をオンにする際、すなわち、リレー120をオンにするためにリレー制御信号を「L」から「H」にする際に、リレー120のオンを禁止するフラグF3を参照し、“0”であればリレー制御信号を「H」にし、“1”であればリレー制御信号を「L」のままとする。
【0082】
図7は、画像形成装置1において定着部50の加熱源53を加熱するタイミングを説明するタイミングチャートである。第1の実施の形態で示した図3に、リレー120を追記している。図7においても、アルファベット順(a、b、c、…)に時刻が経過するとする。なお、アルファベット(a、b、c、…)は、図3と同じである。
【0083】
時刻aにおいて、画像形成装置1の制御部60により、外部に設けられたPCなどの端末装置(不図示)から、画像データが受信される。
画像データが受信されると、制御部60により、受信した画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集などの予め定められた画像処理が開始される。これに並行して、リレー120がオンにされる。
【0084】
図3と同様に、画像処理が完了しない時刻bにおいて、制御部60により、トライアック101がオンにされ、定着部50の加熱ロール51に対する加熱が開始される。
次に、画像処理が完了した時刻cにおいて、制御部60の制御により、用紙が供給され(給紙)、用紙への作像(作像処理)が開始される。
そして、時刻hにおいて、作像処理が完了すると、用紙が排出される(排紙)とともに、制御部60により、トライアック101がオフに維持されて、加熱が停止される(加熱停止)。これに並行して、リレー120がオフにされる。
【0085】
ここでは、リレー120は、ノーマリーオフであって、定着部50の加熱ロール51を加熱する場合に、オンになるとする。
【0086】
第1の実施の形態と同様に、時刻bの加熱開始から、時刻hの加熱停止までの期間において、制御部60は、温度センサ54からの温度信号(抵抗値の変化)により、加熱ロール51の温度Tmpを検知し、設定温度Tmp0に設定するために、トライアック101をオン/オフして、外部電源70から加熱源53への電力(電流)の供給を制御する。
なお、図7でも、時刻cにおいて画像処理が完了して作像処理が開始される。しかし、加熱は、時刻bにおいて加熱源53による加熱ロール51の加熱が開始されている。時刻bから時刻cまでは、予備加熱の期間に相当する。予備加熱することなく、時刻cにおいて加熱を開始するようにしてもよい。
【0087】
以上においては、外部電源70は、商用電源であって、例えばAC100Vであることを想定している。前述したように、非常用電源がDCを供給するものであって、非常時において、AC100Vの商用電源の代わりに、非常用電源からDC100Vが供給される場合がありうる。
【0088】
図8は、リレー120をオフからオンに移行させる場合のタイミングチャートである。図8(a)は、外部電源70がACである場合、図8(b)は外部電源70がDCである場合を示している。図4では、ギリシャ文字の順(α2、β2、γ2、…)に時刻が経過するとする。なお、数字“2”を付記しているが、これは第1の実施の形態における図4と区別するためである。
【0089】
図8の時刻α2から予め定められた期間t0が経過した時刻ε2において、制御部60は、リレー制御回路130にリレー120をオンにするために「H」のリレー制御信号を送信するとする。すると、制御部60は、時刻α2からの期間t0において、外部電源70の電圧がゼロクロスする回数を計数し、予め定められた回数が計数された場合に、リレー制御信号を「L」から「H」にして、リレー制御回路130に送信する。
そして、予め定められた回数が計数されない場合には、リレー制御信号を「L」に維持したままとする。この場合には、リレー120のオンを禁止するフラグF3を“1”にして、リレー120がオンになることを禁止する。
【0090】
まず、図8(a)に示す外部電源70がACである場合(外部電源(AC))を、図6を参照しつつ説明する。ここでは、例として、外部電源70は、50HzのAC100Vであるとする。期間t0を100msとすると、期間t0においてゼロクロスが10回発生する。
ここでは、制御部60はカウンタを備え、ゼロクロスに対応したパルス列であるZC検知信号を受信して、ゼロクロスの回数をカウントするとする。そして、制御部60は、期間t0において、カウンタが10回カウントした場合に、リレー制御信号を「L」から「H」にするとする。
【0091】
図8(a)の時刻α2において、カウンタをリセット(“0”)する。
外部電源70がACであるので、時刻β2、時刻γ2などにおいて、ゼロクロスが発生する。第1の実施の形態で説明したように、ZC検出信号は、図8(a)に示すように、外部電源70のACがゼロクロスする時刻β2、時刻γ2などにおいてパルスを発生する。
【0092】
制御部60に設けられたカウンタは、ZC検知信号のパルスを受信して、時刻α2において“0”であったが、時刻β2で“1”となり、時刻γ2で“2”となる。そして、時刻α2から10回目のゼロクロスが生じる時刻δ2において、“10”となる。
よって、時刻α2から期間t0が経過した時刻ε2において、制御部60のカウンタが“10”となっているので、制御部60は、リレー120をオンにするため、リレー制御信号を「L」から「H」にする。
【0093】
すると、図6のリレー制御回路130のトランジスタTr2がオンになり、リレー120のコイル122に電流が流れて、スイッチ121が閉になる。すなわち、時刻ε2において、リレー120がオンになる。
【0094】
次に、図8(b)に示す外部電源70がDCである場合(外部電源(DC))を、図6を参照して説明する。ここでは、例として、外部電源70は、DC100Vであるとする。そして、外部電源70がDCであっても、低圧電源回路80、制御部60、リレー120、リレー制御回路130は動作しているとする。なお、図8(b)では説明しないが、トライアック回路100、トライアック制御回路110も動作している。
【0095】
図8(b)の時刻α2において、カウンタをリセット(“0”)する。
外部電源70がDCであるので、時刻α2以降においてゼロクロスは発生しない。よって、ゼロクロス検知回路90は、ZC検知信号にパルスを発生させない。よって、制御部60のカウンタは、時刻ε2においても“0”のままとなる。
よって、時刻α2から期間t0が経過した時刻ε2において、制御部60は、カウンタが“0”であるので、リレー制御信号を「L」に維持する。よって、リレー120はオンにならず、定着部50の加熱源53は外部電源70と接続されない。
【0096】
なお、図8の手順は、リレー120をオンにするタイミングで行なわれる。例えば、図7において、画像形成装置1が画像データを受信して画像形成を開始するタイミングである時刻aで行なわれる。
【0097】
図9は、第2の実施の形態において定着部50の加熱源53を制御するフローチャートである。
図9の加熱開始は、図7の時刻aに対応し、図8における時刻α2に対応する。そして、加熱ロール51の温度Tmpは、設定温度Tmp0を下回っているとする。
なお、画像形成を禁止するフラグF1、トライアック101のオンを禁止するフラグF2、リレー120のオンを禁止するフラグF3はともに“0”であって、画像形成、トライアック101のオン及びリレー120のオンはともに禁止されていない。そして、制御部60のフラグ記憶領域F1、F2、F3には、それぞれ“0”が格納されているとする。すなわち、画像形成、トライアック101のオン、リレー120のオンのいずれもが禁止されていない。
【0098】
制御部60は、カウンタを“0”にセットし、期間t0の間において、ゼロクロスが何回カウントされるかを監視する。そして、制御部60により、期間t0(例えば100ms)において予め定められた回数(例えば10回)のゼロクロスが検知されたか否かが判断される(ステップ21)。
ステップ21において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、予め定められた期間(期間t0)の間に予め定められた回数のゼロクロスが検知された場合には、制御部60は、リレー制御信号を「L」から「H」にして、リレー120をオンにする(ステップ22)。ステップ21において、否定(No)の判断がされた場合については後述する。
そして、制御部60は、再び、カウンタを“0”にセットし、期間t0の間において、ゼロクロスが何回カウントされるかを監視する。そして、制御部60により、期間t0(例えば100ms)において予め定められた回数(例えば10回)のゼロクロスが検知されたか否かが判断される(ステップ23)。ステップ23において、否定(No)の判断がされた場合については後述する。
【0099】
ステップ23において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、予め定められた期間(期間t0)に予め定められた回数のゼロクロスが検知された場合には、制御部60は、トライアック制御信号を「L」から「H」にして、トライアック101をオンにする(ステップ24)。これにより、トライアック101を介して、外部電源70からACが加熱源53に供給され、加熱ロール51が加熱されて加熱ロール51の温度Tmpが上昇する。
この後は、図5のステップ3〜ステップ6と同様である。すなわち、ステップ25がステップ3に、ステップ26がステップ4に、ステップ27がステップ5に、ステップ28がステップ6に対応する。よって、それぞれについての説明を省略する。
なお、ステップ28において否定(No)の判断がされた場合、すなわち、画像形成が完了していない場合には、再び加熱を開始するため、ステップ23に戻る。
【0100】
一方、ステップ21において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、予め定められた期間(期間t0)に予め定められた回数のゼロクロスが検知されなかった場合には、制御部60により、リレー120をオンに移行させることが禁止される(ステップ31)。すなわち、制御部60は、リレー120のオンを禁止するフラグF3に“1”を設定する。
次に、制御部60により、トライアック101をオンに移行させることが禁止される(ステップ32)。すなわち、制御部60は、トライアック101のオンを禁止するフラグF2に“1”を設定する。
さらに、制御部60により、画像形成が禁止される(ステップ33)。すなわち、制御部60は、画像形成を禁止するフラグF1に“1”を設定する。
このタイミングにおいて、リレー120及びトライアック101はともにオフであり、画像形成は開始されていない。よって、リレー120のオン、トライアック101のオン及び画像形成を禁止すれば足りる。
そして、制御部60により、画像形成装置1が「画像形成が禁止されたこと」が、ユーザに通知される(ステップ34)。通知の方法は、第1の実施の形態における図5のステップ13で説明したと同様であってよい。
【0101】
次に、ステップ23において、否定(No)の判断がされた場合について説明する。
ステップ23において、否定(No)の判断がされた場合とは、トライアック101をオンにしようとするタイミングにおいて、予め定められた期間(期間t0)に予め定められた回数のゼロクロスが検知されない場合である。このタイミングは、図7における時刻b、時刻e、時刻g、時刻hなどが該当する。
例えば、図7の時刻aにおいては、外部電源70はACであり、図9のステップ21、22を経てリレー120がオンになっているが、図7の時刻b、時刻e、時刻f、時刻gなどの時点において、外部電源70がDCに切り替えられている場合である。
この状態においては、リレー120は既にステップ22においてオンになっている。
【0102】
図10は、図9のステップ23において、否定(No)の判断がされた場合のフローチャートである。図9図10において矢印Xを付し、フローを示している。
図9のステップ23において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、トライアック101をオンにしようとするタイミングにおいて、予め定められた期間(期間t0)に予め定められた回数のゼロクロスが検知されない場合には、矢印Xにしたがって図10に移行し、制御部60は、リレー制御信号を「H」から「L」にして、リレー120をオフにする(ステップ41)。
【0103】
そして、制御部60により、リレー120をオンに移行させることが禁止される(ステップ42)。すなわち、制御部60は、リレー120のオンを禁止するフラグF3に“1”を設定する。
次に、制御部60により、トライアック101をオンに移行させることが禁止される(ステップ43)。すなわち、制御部60は、トライアック101のオンを禁止するフラグF2に“1”を設定する。
【0104】
次に、図7から分かるように、画像形成(画像処理又は作像処理)が開始されているので、制御部60は、画像形成を中止させる(ステップ44)。
この後は、図5のステップ〜ステップ13と同様である。すなわち、ステップ45がステップに、ステップ46がステップ10に、ステップ47がステップ11に、ステップ48がステップ12に、ステップ49がステップ13に対応する。よって、それぞれについての説明を省略する。
【0105】
以上説明したように、第2の実施の形態では、トライアック101とリレー120とを備えているので、リレー120がオンになった後に、トライアック101をオンにするタイミング(図7における時刻b、e、f、gなど)において、外部電源70がACからDCに切り替えられていた場合であっても、定着部50の加熱ロール51が過熱されることが抑制される。
【0106】
定着部50の加熱ロール51が過熱されるのは、加熱ロール51を加熱する加熱源53に外部電源70のAC又はDCが供給される構成になっていることによる。
よって、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ゼロクロス検知回路90により、外部電源70がACかDCかを判断するようにし、DCである場合にはトライアック101又は/及びリレー120をオンに移行しないようにしている。
【0107】
さらに、第1の実施の形態においては、定着部50の加熱ロール51への加熱の停止とともに、画像形成を中止している。そして、トライアック101のオン及び画像形成を禁止している。第2の実施の形態においては、さらにリレー120のオンを禁止している。このようにすることで、トライアック101、リレー120がオンになること、画像形成が実行されることをさらに抑制できるようにしている。
また、画像形成が禁止されたことをユーザに通知することで、ユーザが適切な処置を行なうことができるようにしている。
【0108】
なお、第1の実施の形態において、画像形成を禁止するフラグF1、トライアックのオンを禁止するフラグF2が、第2の実施の形態において、さらにリレーのオンを禁止するフラグF3が“1”に設定されると、画像形成ができなくなる。しかし、通知を受けたユーザが、画像形成装置1の外部電源70の状態などを確認し、正常な商用のACが供給されるようにした後に、リセットボタンを押すなどにより、画像形成を禁止するフラグF1、トライアックのオンを禁止するフラグF2、さらにはリレーのオンを禁止するフラグF3が“0”に設定されるようにすればよい。
【0109】
そして、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、図5のステップ1、図9のステップ21、ステップ23では、例として外部電源70が50HzのAC100Vであって、期間t0を100msとし、ゼロクロスの回数を10回とした。この場合、ゼロクロスの回数が0でなくとも、10未満であれば、トライアック101又は/及びリレー120をオフにするとともに、オンになることを禁止し、画像形成を停止及び禁止するようにしている。
これは、外部電源70が商用のACであれば周波数が決まっているため、回数が10回未満である場合には、何等かの異常が発生したと考えられるからである。
なお、ゼロクロスの回数が0である場合に、トライアック101又は/及びリレー120をオフにするとともに、オンになることを禁止し、画像形成を停止及び禁止するようにしてもよい。
【0110】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、トライアック101はサイリスタであってもよい。サイリスタでは、外部電源70の正又は負のサイクルの一方において、負荷である加熱源53に電力が供給される。
【符号の説明】
【0111】
1…画像形成装置、11…感光体ドラム、12…帯電ロール、13…レーザ露光器、14…回転式現像装置、15…一次転写ロール、20…中間転写ベルト、30…二次転写部、31…二次転写ロール、40…ベルトクリーナ、50…定着部、51…加熱ロール、52…加圧ロール、53…加熱源、54…温度センサ、60…制御部、70…外部電源、80…低圧電源回路、90…ゼロクロス検知回路、100…トライアック回路、101…トライアック、102…フォトカップラ、102a…フォトトライアック、102b…フォトダイオード、110…トライアック制御回路、120…リレー、121…スイッチ、122…コイル、130…リレー制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10