(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
<光輝性トナー>
本実施形態に係る光輝性トナー(以下、本実施形態に係るトナーと称することがある。)は、表面及び内部にリン(P)が存在する金属顔料(以下、特定の金属顔料と称することがある。)を含有し、リン(P)の含有率を0.0001質量%以上1.0質量%以下としたトナーである。
なお、本実施形態において「光輝性」とは、本実施形態に係るトナーによって形成された画像を視認した際に金属光沢のごとき輝きを有することを表す。
【0020】
本実施形態に係るトナーを用いることにより、光輝性を呈するトナー画像の経時での画像ムラの発生による光輝性の低下が抑制される。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
図1は、記録媒体表面に定着された光輝性画像の定着状態を説明するための図である。
図1において、記録媒体1の表面に定着された光輝性画像3は、扁平状の金属顔料4を含む。金属顔料4は、光輝性画像3の表面から露出することがある。光輝性画像3の表面から露出した金属顔料4は空気中の水分等の影響により酸化し変色することがある。また、光輝性画像3を構成する結着樹脂のうち金属顔料4が露出した近辺(
図1の点線で囲われた箇所)が、空気中の水分等と金属顔料4との影響により加水分解等されて劣化しやすく、結着樹脂の劣化した箇所が変色することがある。その結果、トナー画像に経時での画像ムラが発生し光輝性が低下することがある。
本実施形態に係るトナーは特定の金属顔料を含有するところ、該顔料に存在するリン(P)が特定の金属顔料の酸化及び該顔料の近辺に存在する結着樹脂の加水分解等を防止する。また、特定の金属顔料には、表面だけでなくその内部にもリン(P)が存在するため、光輝性画像3が擦れることで金属顔料の表面に存在するリンが削り取られることがあっても、金属顔料の内部のリン(P)が新たに金属顔料の表面に現れる。そのため、経時での画像ムラの発生による光輝性の低下が抑制されると推察される。
【0021】
本実施形態に係るトナーでは、リン(P)の含有率が0.0001質量%以上1.0質量%以下とされる。リン(P)の含有率が1.0質量%を超えると、高湿下でイオンの浸み出しが生じ、トナーの帯電量が低下する等の理由で画像抜けが発生することがある。一方、リン(P)の含有率が0.0001質量%未満であると、リン(P)による金属顔料の酸化や結着樹脂の劣化が抑制されないことがある。
本実施形態に係るトナーにおけるリン(P)の望ましい含有量は0.0005質量%以上0.5質量%以下であり、更に望ましくは0.001質量%以上0.1質量%以下である。
本実施形態に係るトナーに含有されるリン(P)は、主として特定の金属顔料に由来するものであるが、リン(P)を含む成分をトナー中に含有させてもよい。
【0022】
本実施形態において、リン(P)の含有率は蛍光X線分析(XRF)により測定された値をいう。XRFによる測定条件及び測定試料の調製方法は後述する。
【0023】
本実施形態に係るトナーは、表面に存在する全元素に占めるリン(P)の割合が0.00005質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.0005質量%以上1質量%以下が更に好ましく、0.001質量%以上0.5質量%以下が特に好ましい。
【0024】
トナーの表面に存在する全元素に占めるリン(P)の割合は、X線光電子分光装置(XPS)により測定される。X線光電子分光装置(XPS)による測定条件は後述する。
【0025】
本実施形態に係るトナーは、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であることが望ましい。
【0026】
比(A/B)が2以上であることは、入射光が入射する側(角度−側)への反射よりも入射する側とは反対側(角度+側)への反射が多いことを表し、即ち入射した光の乱反射が抑制されていることを表す。入射した光が様々な方向へ反射する乱反射が生じた場合、その反射光を目視にて確認すると色がくすんで見える。そのため、比(A/B)が2未満である場合、その反射光を視認しても光沢が確認できず光輝性に劣る場合がある。
一方、比(A/B)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまう場合がある。また、比(A/B)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
【0027】
尚、上記比(A/B)は、50以上100以下であることがより望ましく、60以上90以下であることが更に望ましく、70以上80以下であることが特に望ましい。
【0028】
・変角光度計による比(A/B)の測定
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°とするのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
【0029】
次いで、比(A/B)の測定方法について説明する。
本実施形態においては、比(A/B)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cm
2にて、トナー載り量が4.5g/cm
2のベタ画像を形成する。尚、前記「ベタ画像」とは印字率100%の画像を指す。
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。尚、反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(A/B)が算出される。
【0030】
<トナーの構成>
本実施形態に係るトナーは、前述の比(A/B)を満たす観点から下記(1)乃至(2)の要件を満たすことが望ましい。
(1)トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い
(2)トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数が、観察される全金属顔料のうち60%以上である
【0031】
ここで、
図2に上記(1)乃至(2)の要件を満たすトナーを概略的に示す断面図を示す。尚、
図2に示す概略図は、トナーの厚さ方向への断面図である。
図2に示すトナー2は、厚さLよりも円相当径が長い扁平状のトナーであり、鱗片状の金属顔料4を含有している。
【0032】
図2に示すごとく、トナー2が厚さLよりも円相当径が長い扁平状であると、画像形成の現像工程や転写工程において、トナーが像保持体や中間転写体、記録媒体等に移動する際、このトナーの電荷を最大限打ち消すように移動する傾向にあるため、付着する面積が最大となるようトナーが並ぶと考えられる。即ち、最終的にトナーが転写される記録媒体上において、扁平状のトナーはその扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。また画像形成の定着工程においても、定着する際の圧力によって、扁平状のトナーはその扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。
そのため、このトナー中に含有される鱗片状の金属顔料のうち上記(2)に示される「トナーの該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす金属顔料は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する金属顔料の割合が抑制されるため、前述の比(A/B)の範囲が達成されるものと考えられる。また、入射光に対して乱反射する金属顔料の割合が抑制されると、見る角度により反射光強度が大きく変化するため、より理想的な光輝性が得られる。
【0033】
次いで、本実施形態に係るトナーを構成する成分について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と金属顔料と、必要に応じて、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
【0034】
−金属顔料−
本実施形態に用いられる金属顔料としては、例えば、以下のものが用いられる。アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、亜鉛などの金属粉末等である。
これらの中でも、本実施形態に用いられる金属顔料は、入手容易で扁平形状にしやすい等の観点からアルミニウム(Al)顔料を含むことが好ましい。
金属顔料としてアルミニウム顔料を含む場合、表面及び内部にリン(P)が存在するアルミニウム顔料が用いられる。
金属顔料の表面及び内部にリン(P)が存在するか否かは、トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームで作製した断片を透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(TEM−EDX)により観察することで確認される。
【0035】
金属顔料の表面及び内部にリン(P)を存在させる方法としては、例えば、アルミニウムとリン含有化合物とを混合して溶湯を調製し、次いで溶湯を用いてエアアトマイズ法の適用下で粉末を製造する方法、溶融した合金を凝固させた後、機械的に粉砕する方法等が挙げられる。
また、特に金属顔料の表面にリン(P)を存在させる方法として、金属顔料にリン酸等により表面処理を行ってもよい。また本願の効果をさらに向上させるため、金属顔料の表面にリンによる被膜を形成させることが好ましい。
【0036】
本実施形態に係るトナーにおける、前記金属顔料の含有量としては、後述の結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上70質量部以下が望ましく、5質量部以上50質量部以下がより望ましい。
金属顔料全体に占めるアルミニウム顔料の割合は、40質量%以上100質量%以下が好ましく、60質量%以上100質量%以下がより好ましく、80質量%以上100質量%以下が更に好ましい。
【0037】
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
【0039】
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
【0040】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
【0043】
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下より好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0044】
ポリエステル樹脂の製造は、周知の製造方法が挙げられる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法が挙げられる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
【0045】
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
【0046】
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0047】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0048】
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0049】
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
【0050】
本実施形態において、金属顔料とは別にリン(P)を含む成分をトナー中に含有させてもよい。この場合の当該リン(P)を含む成分としては、例えば、リン、リン酸、亜燐酸、各種ポリ燐酸、各種リン酸塩等が挙げられる。中でも安定性の観点からリン、リン酸金属塩が好ましい。
【0051】
−トナーの特性−
・平均最大厚さCおよび平均円相当径D
前記(1)に示すとおり、本実施形態に係るトナーは、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことが望ましい。尚、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にあることがより望ましく、0.010以上0.200以下の範囲が更に望ましく、0.050以上0.100以下の範囲が特に望ましい。
比(C/D)が0.001以上であることにより、トナーの強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方0.500以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
【0052】
上記平均最大厚さCおよび平均円相当径Dは、以下の方法により測定される。
トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナーについて、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
【0053】
・トナーの断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度
前記(2)に示すとおり、トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数が、観察される全金属顔料のうち60%以上であることが望ましい。更には、上記数が70%以上95%以上であることがより望ましく、80%以上90%以下であることが特に望ましい。
上記の数が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
【0054】
ここで、トナー断面の観察方法について説明する。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナーの断面を観察する。観察された1000個のトナーについて、トナーの断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
【0055】
尚、「トナーの断面における長軸方向」とは、前述の平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いトナーにおける厚さ方向と直行する方向を表し、また「金属顔料の長軸方向」とは、金属顔料における長さ方向を表す。
【0056】
また、本実施形態に係るトナーの体積平均粒子径は1μm以上30μm以下であることが望ましく、より望ましくは3μm以上20μm以下である。
【0057】
なお、上記体積平均粒子径D
50vは、マルチサイザーII(コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて求められる。累積16%となる粒子径を体積D
16v、数D
16p、累積50%となる粒子径を体積D
50v、数D
50p、累積84%となる粒子径を体積D
84v、数D
84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D
84v/D
16v)
1/2として算出される。
【0058】
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して外添剤を添加することで作製してもよい。
トナー粒子の製造方法は特に限定されず、公知である混練・粉砕法等の乾式法や、乳化凝集法や溶解懸濁法等の湿式法等によって作製される。
【0059】
混練・粉砕法は、金属顔料等の各材料を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練して、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で粉砕し、風力分級機により、目的とする粒子径のトナー粒子を得る方法である。
混練・粉砕法は、より詳細には、金属顔料及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程と、前記混錬物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
混練・粉砕法に係る各工程について詳しく説明する。
【0060】
−混錬工程−
混錬工程は、金属顔料及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する。
混錬工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
【0061】
混錬工程に用いられる混錬機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混錬機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混錬機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
【0062】
図3は、本実施形態に係るトナーの製造方法における混錬工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混錬されて形成された混錬物を排出する排出口18と、から構成されている。
【0063】
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混錬工程により溶融混錬するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混錬されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混錬工程により溶融混錬し混錬物を形成するニーディング部NB、及び形成された混錬物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
【0064】
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお
図3は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。
【0065】
結着樹脂、金属顔料、及び必要に応じて離型剤等を含むトナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混錬される。結着樹脂及び離型剤は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。
【0066】
次に、ニーディング部NAにおける混錬を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また
図3では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
【0067】
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、トナー形成材料の温度が保たれる。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混錬されて形成された混錬物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、
図3に示したスクリュー押出機11を用いた混錬工程が行われる。
【0068】
−冷却工程−
冷却工程は、上記混錬工程において形成された混錬物を冷却する工程であり、冷却工程では、混錬工程終了の際における混錬物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混錬物の冷却速度が遅い場合、混錬工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(金属顔料と、必要に応じてトナー粒子内に内添される離型剤等の内添剤との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混錬工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混錬工程終了の際における混錬物の温度(例えば
図3のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混錬物の供給量、混錬物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが好ましい。
【0069】
−粉砕工程−
冷却工程により冷却された混錬物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
【0070】
−分級工程−
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
【0071】
−外添工程−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着させてもよい。外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲が望ましく、0.3質量部以上2質量部以下の範囲がより望ましい。
【0072】
−篩分工程−
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
【0073】
本実施形態においては、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、コアシェル構造などトナー粒子構造の制御範囲も広い乳化凝集法を用いてもよい。以下、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
【0074】
本実施形態に係る乳化凝集法はトナー粒子を構成する原料を乳化して樹脂粒子(乳化粒子)等を形成する乳化工程と、該樹脂粒子の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを有する。
【0075】
(乳化工程)
樹脂粒子分散液の作製は一般的な重合法による樹脂粒子分散液作製、例えば乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法などを用いる他にも、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより乳化して行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。さらに、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
【0076】
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水であることが望ましい。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
【0077】
前記乳化液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒子径)は1.0μm以下が望ましく、60nm以上300nm以下の範囲であることがより望ましく、さらに望ましくは150nm以上250nm以下の範囲である。60nm以上では、樹脂粒子が分散液中で不安定な粒子となりやすいため、該樹脂粒子の凝集が容易となる場合がある。また1.0μm以下であると、トナーの粒子径分布が狭くなる場合がある。
【0078】
離型剤分散液の調製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の融解温度以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力が付与されるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理する。このような処理を経ることにより、離型剤分散液が得られる。分散処理の際、ポリ塩化アルミニウム等の無機化合物を分散液に添加してもよい。望ましい無機化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、高塩基性ポリ塩化アルミニウム(BAC)、ポリ水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が望ましい。
【0079】
分散処理により、体積平均粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液が得られる。なお、より望ましい離型剤粒子の体積平均粒子径は、100nm以上500nm以下である。
体積平均粒子径が100nm以上では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれやすくなる。また、500nm以下の場合には、トナー中の離型剤の分散状態が良好となる。
【0080】
金属顔料分散液の調製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。金属顔料は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。分散させた金属顔料の体積平均粒子径は20μm以下であればよいが、3μm以上16μm以下の範囲であれば、凝集性を損なうことなく且つトナー中の金属顔料の分散が良好で望ましい。
また、金属顔料と結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合し、転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、結着樹脂で被覆された金属顔料の分散液を調製してもよい。
【0081】
(凝集工程)
凝集工程においては、樹脂粒子の分散液、金属顔料分散液、離型剤分散液等を混合して混合液とし、樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。前記撹拌条件により比(C/D)を好ましい範囲にすることが可能となる。より具体的には凝集粒子を形成する段階で撹拌を高速に、かつ加熱することによって比(C/D)を小さくすることができ、撹拌をより低速に、かつより低温で加熱することによって比(C/D)を大きくすることができる。なおpHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
また、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加しても良い。
【0082】
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
【0083】
前記無機金属塩としては、特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。より狭い粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
【0084】
また、前記凝集粒子が所望の粒子径になったところで樹脂粒子分散液を追添加することで(被覆工程)、コア凝集粒子の表面を樹脂で被覆した構成のトナーを作製しても良い。この場合、離型剤や金属顔料がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
【0085】
(融合工程)
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
また、前記樹脂で被覆した場合には、該樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
【0086】
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、樹脂のガラス転移温度近傍(ガラス転移温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
【0087】
得られたトナー粒子には、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物等が外添剤として添加付着される。望ましい外添方法や外添剤の添加量は上述のとおりである。
【0088】
また、上述した無機酸化物等以外にも、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を外添剤として添加させてもよい。
【0089】
帯電制御剤としては、特に制限はないが、無色または淡色のものが望ましく使用される。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、クロムなどの錯体、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
【0090】
有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される粒子が挙げられる。なお、これらの無機粒体や有機粒体は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用される。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
【0091】
次いで、溶解懸濁法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
溶解懸濁法は、結着樹脂、金属顔料、及び、必要に応じて用いられる離型剤等のその他の成分を含む材料を、前記結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解又は分散させた液を、無機分散剤を含有する水媒体中で造粒した後、前記溶媒を除去することでトナー粒子を得る方法である。
溶解懸濁法に用いられるその他の成分としては、離型剤の他、帯電制御剤、有機粒子等の種々の成分が挙げられる。
【0092】
本実施形態において、これらの結着樹脂、金属顔料、及び、必要に応じて用いられるその他の成分は、結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解または分散される。結着樹脂が溶解可能か否かは、結着樹脂の構成成分、分子鎖長、三次元化の度合いなどに依存するので一概に言い切れないが、一般的にはトルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のアルコールまたはエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジメチルオキシド、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトンまたはアセタールなどが使用される。
【0093】
これらの溶媒は結着樹脂を溶解するものであり、金属顔料及びその他の成分を溶解する必要はない。金属顔料及びその他の成分は結着樹脂溶液中に分散できればよい。溶媒の使用量には制限がないが、水媒体中に造粒できる粘度であればよい。結着樹脂、金属顔料及びその他の成分を含む材料(前者)と溶媒(後者)との比で、10/90乃至50/50(前者/後者の質量比)が造粒し易さ及び最終的なトナー粒子の収率の点で好ましい。
【0094】
溶媒中に溶解または分散された結着樹脂、金属顔料及びその他の成分の液(トナー母液)は無機分散剤を含有する水媒体中で予め定められた粒径になるように造粒される。水媒体は、主に水が用いられる。無機分散剤としてはリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン及びシリカ粉末から選択されるものが好ましい。無機分散剤の使用量は造粒される粒子の粒子径に応じて決定されるが、一般的にはトナー母液に対して0.1質量%以上15質量%以下の範囲で用いられるのが好ましい。0.1質量%以上であれば造粒が良好に行われやすく、15質量%以下であれば不必要な微細粒子が発生しづらく目的の粒子が高収率で得られやすい。
【0095】
無機分散剤を含有する水媒体中でトナー母液を良好に造粒するために、水媒体中に助剤を加えてもよい。かかる助剤としては公知の陽イオンタイプ、陰イオンタイプ及びノニオンタイプの界面活性剤があり、特に陰イオンタイプのものが好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等があり、これらはトナー母液に対して1×10
-4質量%以上0.1質量%以下の範囲で用いられるのが好ましい。
【0096】
無機分散剤を含有する水媒体中でのトナー母液の造粒は剪断下で行われるのが好ましい。水媒体中に分散されるトナー母液は望ましくは平均粒子径が20μm以下に造粒される。特に3μm以上15μm以下が好ましい。
剪断機構を備えた装置としては各種の分散機があり、なかでもホモジナイザーが好ましい。ホモジナイザーを用いることで、互いには相溶しない物質(本実施形態では無機分散剤を含有する水媒体とトナー母液)をケーシングと回転するロータとの間隙を通過させることで、ある液体中にその液体とは相溶しない物質を粒子状に分散させられる。係るホモジナイザーとしてはTKホモミキサー、ラインフローホモミキサー、オートホモミキサー(以上、特殊機化工業株式会社製)、シルバーソンホモジナイザー(シルバーソン社製)、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ(KINEMATICA)AG社製)などがある。
【0097】
ホモジナイザーを用いた撹拌条件は、ロータの羽根の周速で2m/秒以上が好ましい。周速が2m/秒以上であれば粒子化が良好となる傾向にある。本実施形態では無機分散剤を含有する水媒体中でトナー母液を造粒した後に溶媒を取り除く。溶媒の除去は常温(25℃)、常圧で行ってもよいが、除去までに長い時間を要するため、溶媒の沸点より低く、かつ沸点との差が80℃以下の範囲の温度条件で行うのが好ましい。圧力は常圧でも減圧でもよいが、減圧する際は20mmHg以上150mmHg以下で行うのが好ましい。
【0098】
本実施形態に係るトナーは溶媒除去後に、塩酸等で洗浄するのが好ましい。これによりトナー粒子表面に残存する無機分散剤を除去して、トナー粒子本来の組成にして特性を向上させることができる。ついで、脱水、乾燥すれば粉体のトナー粒子を得ることができる。
溶解懸濁法により得られたトナー粒子には、乳化凝集法の場合と同様、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物等が外添剤として添加付着される。また、上述した無機酸化物等以外にも、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を外添剤として添加させてもよい。
【0099】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
【0100】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;マトリックス樹脂に導電性粒子が分散・配合された樹脂分散型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
【0101】
磁性粉としては、例えば、酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
【0102】
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
【0103】
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
【0104】
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
【0105】
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【0106】
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
【0107】
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
【0108】
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
【0109】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0110】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用された現像装置を含む本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体ドラム20を有し、この感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20を帯電する帯電装置21と、この感光体ドラム20上に静電荷像Zを形成する静電荷像形成装置としての例えば露光装置22と、感光体ドラム20上に形成された静電荷像Zを可視像化する現像装置30と、感光体ドラム20上で可視像化されたトナー画像を記録媒体である記録紙28に転写する転写装置24と、感光体ドラム20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25とを順次配設したものである。
【0111】
本実施形態において、現像装置30は、
図4に示すように、トナー40を含む現像剤Gが収容される現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31には感光体ドラム20に対向して現像用開口32を開設すると共に、この現像用開口32に面してトナー保持体としての現像ロール(現像電極)33を配設し、この現像ロール33に定められた現像バイアスを印加することで、感光体ドラム20と現像ロール33とに挟まれる領域(現像領域)に現像電界を形成する。更に、現像ハウジング31内には前記現像ロール33と対向して電荷注入部材としての電荷注入ロール(注入電極)34を設けたものである。特に、本実施形態では、電荷注入ロール34は現像ロール33にトナー40を供給するためのトナー供給ロールをも兼用したものになっている。
ここで、電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性および電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34としては、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が望ましい。
【0112】
次に、実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体ドラム20表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体ドラム20上に静電荷像Zを書き込み、現像装置30が前記静電荷像Zをトナー画像として可視像化する。しかる後、感光体ドラム20上のトナー画像は転写部位へと搬送され、転写装置24が記録媒体である記録紙28に感光体ドラム20上のトナー画像を静電的に転写する。尚、感光体ドラム20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。この後、定着装置36によって記録紙28上のトナー画像が定着され、画像が得られる。
【0113】
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0114】
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0115】
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0116】
図5は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図5に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、
図5中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
【0117】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る光輝性トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるように構成されていてもよい。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
【0118】
なお、
図4に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ(図示せず)の着脱が自在な構成を有する画像形成装置であり、現像装置30はトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換してもよい。
【実施例】
【0119】
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
【0120】
−XRFによるトナー中のリン(P)含有率の測定−
加圧成型機を用いて、トナー5gに10tonの圧縮圧力をかけて直径5cmのディスクを作製し、これを測定試料とした。これを(株)島津製作所製の蛍光X線分析装置(XRF−1500)を使用して、測定条件を管電圧40KV、管電流90mA、測定時間30分として測定した。
【0121】
−XPSによるトナー表面のリン(P)の割合の測定−
測定装置として日本電子社製、JPS−9000MXを使用し、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を30mAとして測定した。
【0122】
−TEM−EDXによる金属顔料の表面及び内部におけるリン(P)の存在の有無の確認−
トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームで断片を作製しトナーの断面を観察できるようにした。これを透過型顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)を使用し、加速電圧10kV、積算時間30分の条件で観察し、金属顔料の表面及び内部におけるリン(P)の存在の有無を確認した。
【0123】
<金属顔料1の調製>
・アルミニウム:99.99989部
・リン:0.00011部
上記成分を混合し溶湯を調製し、次いで溶湯を用い、エアアトマイズ法の適用下で粉末を製造し、その後粉末に分級処理を施して金属顔料1を得た。
【0124】
<金属顔料分散液1の調製>
・金属顔料1:100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:400部
上記成分を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間分散しその後10%リン酸水溶液を1.5部添加して、金属顔料粒子を分散させてなる金属顔料分散液1(固形分濃度:20%)を調製した。
【0125】
<金属顔料2および金属顔料分散液2の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.99982部、リン:0.00018部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料2を得た。
金属顔料2を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液2を調製した。
【0126】
<金属顔料3および金属顔料分散液3の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.9989部、リン:0.0011部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料3を得た。
金属顔料3を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液3を調製した。
【0127】
<金属顔料4および金属顔料分散液4の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.9982部、リン:0.0018部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料4を得た。
金属顔料4を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液4を調製した。
【0128】
<金属顔料5および金属顔料分散液5の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.9971部、リン:0.0029部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料5を得た。
金属顔料5を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液5を調製した。
【0129】
<金属顔料6および金属顔料分散液6の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.9961部、リン:0.0039部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料6を得た。
金属顔料6を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液6を調製した。
【0130】
<金属顔料7および金属顔料分散液7の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.679部、リン:0.321部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料7を得た。
金属顔料7を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液7を調製した。
【0131】
<金属顔料8および金属顔料分散液8の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:99.608部、リン:0.392部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料8を得た。
金属顔料8を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液8を調製した。
【0132】
<金属顔料9および金属顔料分散液9の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:98.251部、リン:1.749部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料9を得た。
金属顔料9を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液9を調製した。
【0133】
<金属顔料10および金属顔料分散液10の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:98.18部、リン:1.82部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料10を得た。
金属顔料10を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液10を調製した。
【0134】
<金属顔料11および金属顔料分散液11の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:96.79部、リン:3.21部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料11を得た。
金属顔料11を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液11を調製した。
【0135】
<金属顔料12および金属顔料分散液12の調製>
金属顔料の調製において、アルミニウム:96.07部、リン:3.93部に変更した以外は金属顔料1と同様の方法で金属顔料12を得た。
金属顔料12を用いた以外は金属顔料分散液1の調製と同様にして金属顔料分散液12を調製した。
【0136】
<金属顔料13および金属顔料分散液13の調製>
金属顔料分散液1の調製において、10%リン酸水溶液による処理を行わなかった以外は金属顔料分散液1と同様の方法で金属顔料分散液13を調製した。
【0137】
<金属顔料分散液14の調製>
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:400部
上記成分を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間分散して、金属顔料粒子を分散させてなる金属顔料分散液14(固形分濃度:20%)を調製した。
【0138】
<結着樹脂の合成>
・アジピン酸ジメチル:74部
・テレフタル酸ジメチル:192部
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:216部
・エチレングリコール:38部
・テトラブトキシチタネート(触媒):0.037部、
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち攪拌しながら昇温した後、160℃で7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂を合成した。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(島津社製:DSC−50)を用い、室温(25℃)から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移温度は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。結着樹脂のガラス転移温度は63.5℃であった。
【0139】
<樹脂粒子分散液の調製>
・結着樹脂:160部
・酢酸エチル:233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
上記成分を1000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに90rpmで撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(固形分濃度:30%)を得た。樹脂粒子分散液の体積平均粒子径は、162nmであった。
【0140】
<離型剤分散液の調製>
・カルナウバワックス(東亜化成(株)製、RC−160 ):50部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・イオン交換水:200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で360分間の分散処理をして、体積平均粒子径が0.23μmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
【0141】
[実施例1]
<トナーの作製>
・樹脂粒子分散液:400部
・離型剤分散液:48部
・金属顔料分散液6:180部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を810rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、樹脂粒子分散液:100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。さらに56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、pHを8.0に上げた後、67.5℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、67.5℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.2μmであった。
得られたトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)2.0部を、ヘンシェルミキサーを用いて周速30m/sで3分間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナーを調製した。
【0142】
〔測定〕
「トナー中のリン(P)含有率」、「トナー表面のリン(P)の割合」を、前述の方法により測定した。結果を下記表1に示す。また、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0143】
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(体積平均粒子径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、パーフルオロアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成用溶液を調合した。次いでこの被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
【0144】
<現像剤の作製>
前記トナー:36部と前記キャリア:414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤を作製した。
【0145】
〔評価試験〕
以下の方法によりベタ画像を形成した。
試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(ラフ紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度200℃、定着圧力4.0kg/cm
2、プロセススピード220mm/sにて、トナー載り量が4.5g/cm
2のベタ画像を形成した。
ベタ画像を40℃、湿度85%の環境下で6カ月間保管し、保管後のベタ画像について光輝性を評価した。
【0146】
−光輝性評価−
JIS K5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて光輝性を評価した。なお評価は、粒子感(キラキラと輝く光輝性の効果)、光学的効果(見る角度による色相の変化)を評価し、下記段階とした。2以上が実際に使用可能なレベルである。
5:粒子感と光学的効果が調和している。
4:やや粒子感、光学的効果がある。
3:普通の感覚
2:ぼけた感じがする
1:全く粒子感、光学的効果がない。
得られた評価結果を表1に示す。
【0147】
[実施例2]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液7に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0148】
[実施例3]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液5に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0149】
[実施例4]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液4に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0150】
[実施例5]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液8に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0151】
[実施例6]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液9に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0152】
[実施例7]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液3に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0153】
[実施例8]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液2に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0154】
[実施例9]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液10に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0155】
[実施例10]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液11に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0156】
[実施例11]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液13に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが分布していた。
【0157】
[実施例12]
・結着樹脂:150部
・カルナウバワックス:10部
・金属顔料1:37部
以上を計量した後、ボールミルなどの粉体混合機で混合した。得られた混合物をスクリュー押出機により190℃で混練した。得られた混練物を冷却し、固化させた。固化した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、続けてジェットミルで微粉砕した。微粉砕の完了後、エルボージェット分級機により分級しトナー粒子を得た。
得られたトナーを用いて実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0158】
[比較例1]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液14に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0159】
[比較例2]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液1に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0160】
[比較例3]
実施例1において、金属顔料分散液6を金属顔料分散液12に変更した以外は同様にしてトナーを作製し実施例1と同様の評価を行った。
得られた評価結果を表1に示す。なお、金属顔料の表面にリンが層をなすように分布していた。
【0161】
【表1】