(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態の運転支援装置を搭載した自車両Aの構成を表す図である。
図1に示すように、自車両Aは、レーダー装置1、走行車線検出部2、ナビゲーション装置3、車速検出部4、コントローラ5及び運転支援部6を備える。
【0010】
図2は、自車両Aの周囲に存在する車両(以下、周囲車両とも呼ぶ)を説明する説明図である。周囲車両としては、例えば、
図2に示すように、自車両Aの走行車線(以下、自車線とも呼ぶ)に合流する車線(以下、合流車線とも呼ぶ)を走行する車両(以下、合流車両とも呼ぶ)Bがある。また、例えば、自車線に隣接する走行車線(以下、隣接車線とも呼ぶ)のうち、自車線に対して合流車線と反対側に存在する車線(以下、反対側隣接車線とも呼ぶ)を走行する車両(以下、反対側隣接車両とも呼ぶ)Cがある。さらに、例えば、自車線で自車両Aの後方を走行する車両(以下、後続車両とも呼ぶ)Dがある。
【0011】
レーダー装置1は、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C、後続車両D)の走行状態を表す周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報)を検出する。周囲車両情報としては、例えば、周囲車両の位置、車速及び加速度がある。そして、レーダー装置1は、検出結果をコントローラ5に出力する。レーダー装置1としては、例えば、自車両A周囲にレーザー光を出射して反射光を検出するレーザ距離計を採用できる。
【0012】
走行車線検出部2は、自車両Aの周囲に存在する走行車線を検出する。本実施形態では、走行車線検出部2は、走行車線の種別(合流車線、反対側隣接車線、自車線)、及び走行車線の位置を検出する。そして、走行車線検出部2は、検出結果をコントローラ5に出力する。走行車線検出部2としては、例えば、自車両Aの周囲の画像を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラと、CCDカメラが撮影した画像に画像処理を行って自車両Aの周囲に存在する走行車線を検出する画像処理装置とを採用できる。
【0013】
ナビゲーション装置3は、GPS(Global Positioning System)受信機、地図データベース、及び表示モニタを備える。そして、ナビゲーション装置3は、GPS受信機及び地図データベースから自車両Aの位置及び道路情報を取得する。続いて、ナビゲーション装置3は、取得した自車両Aの位置及び道路情報に基づいて経路探索を行う。続いて、ナビゲーション装置3は、経路探索の結果を表示モニタに表示する。また、ナビゲーション装置3は、自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(例えば、自車線と合流車線とが合流する地点(以下、合流地点とも呼ぶ)の位置)をコントローラ5に出力する。
【0014】
車速検出部4は、自車両Aの車速(自車両情報)を検出する。そして、車速検出部4は、検出結果をコントローラ5に出力する。車速検出部4としては、例えば、自車両Aの車輪速を検出して自車両Aの車速を演算する車輪速センサを採用できる。
コントローラ5は、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から構成した集積回路を備える。ROMは、各種処理を実現する1または2以上のプログラムを記憶している。CPUは、ROMが記憶している1または2以上のプログラムに従って各種処理(運転支援処理)を実行する。そして、CPUは、
図1に示すように、周囲車両情報検出部5a、走行車線判定部5b、合流車両接近予測部5c、後続車両動作予測部5d、及び車線変更可否判定部5eを実現する。
【0015】
周囲車両情報検出部5aは、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報))を取得する。周囲車両情報検出部5aは、取得結果(検出結果)を走行車線判定部5b、合流車両接近予測部5c、後続車両動作予測部5d及び車線変更可否判定部5eに出力する。
走行車線判定部5bは、走行車線検出部2及び周囲車両情報検出部5aが出力した検出結果(走行車線の情報、周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報))を取得する。続いて、走行車線判定部5bは、取得した検出結果(走行車線の情報、周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報))に基づいて、周囲車両の走行車線(合流車線、反対側隣接車線、自車線)を判定する。具体的には、走行車線判定部5bは、走行車線の位置及び周囲車両の位置に基づき、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C、後続車両D)が存在する走行車線(合流車線、反対側隣接車線、自車線)を判定する。これにより、走行車線判定部5bは、合流車線を走行する合流車両Bが存在するか否かを判定する。また、走行車線判定部5bは、各周囲車両が合流車両B、反対側隣接車両C及び後続車両Dのいずれに該当するのかを判定し、周囲車両情報検出部5aが取得した周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報)に判定結果を対応付ける。そして、走行車線判定部5bは、判定結果を合流車両接近予測部5c、後続車両動作予測部5d及び車線変更可否判定部5eに出力する。
【0016】
合流車両接近予測部5cは、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)を取得する。続いて、合流車両接近予測部5cは、取得した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)に基づいて、自車両Aが合流地点に接近しているか否かを判定する。具体的には、合流車両接近予測部5cは、自車両Aの位置(自車両情報)及び合流地点の位置に基づき、自車両Aから自車両Aの進行方向の設定距離(例えば、100m)以内に合流地点が存在するか否かを判定する。そして、合流車両接近予測部5cは、設定距離(100m)以内に合流地点が存在すると判定した場合には、自車両Aが合流地点に接近していると判定する。一方、合流車両接近予測部5cは、設定距離(100m)以内に合流地点が存在しないと判定した場合には、自車両Aが合流地点に接近していないと判定する。
【0017】
また、合流車両接近予測部5cは、自車両Aが合流地点に接近していると判定した場合には、走行車線判定部5bで合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定すると、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)、車速検出部4及び周囲車両情報検出部5aが出力した検出結果(自車両Aの車速(自車両情報)、周囲車両情報(合流車両情報))に基づいて、合流車両Bの予測相対位置L’を算出する。合流車両Bの予測相対位置L’としては、例えば、合流車線で合流車両Bが加速し、自車両Aの車速V(自車両情報)と合流車両Bの車速Voとの差が予め設定した設定値(≒0)以下となったときの自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離がある。具体的には、合流車両接近予測部5cは、
図2に示すように、自車両Aの位置(自車両情報)と合流車両Bの位置とに基づき、自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離Lを算出する。続いて、合流車両接近予測部5cは、算出した車間距離L、合流車両Bの車速Vo、加速度αo、自車両Aの車速V(自車両情報)に基づき、下記(1)式に従って合流車両Bの予測相対位置L’を算出する。そして、合流車両接近予測部5cは、算出結果を車線変更可否判定部5eに出力する。
【0018】
L’=L−(Vo−V)
2/(2×αo) ・・・(1)
後続車両動作予測部5dは、走行車線判定部5bで自車線を走行する後続車両Dが存在すると判定すると、周囲車両情報検出部5aが出力した周囲車両情報(後続車両Dの位置及び車速。後続車両情報)に基づいて、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する。後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する方法としては、例えば、後続車両Dが反対側隣接車線への車線変更を既に開始している状態或いは車線変更をこれから開始しようとしている状態(以下、意図有状態とも呼ぶ)であるか、後続車両Dが反対側隣接車線への車線変更を未だ開始しようともしていない状態(以下、意図無状態とも呼ぶ)であるかを判定する方法がある。具体的には、後続車両動作予測部5dは、後続車両Dの横方向速度V1Yが反対側隣接車線方向に発生し、且つ、後続車両Dの横方向速度V1Yの絶対値が設定値V1(例えば、1m/s)以上である場合に、意図有状態であると判定する。後続車両Dの横方向速度V1Yとしては、後続車両Dの車速の成分のうち、後続車両Dの走行車線と交差(例えば、直交)する方向の成分がある。一方、後続車両動作予測部5dは、反対側隣接車線方向に後続車両Dの横方向速度V1Yが発生しておらず、または後続車両Dの横方向速度V1Yの絶対値が設定値V1(1m/s)未満である場合に、意図無状態であると判定する。そして、後続車両動作予測部5dは、判定結果を車線変更可否判定部5eに出力する。
【0019】
なお、本実施形態では、周囲車両情報(後続車両Dの位置、速度。後続車両情報)に基づいて、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、自車両Aの後方の映像をCCDカメラで撮影し、撮影した画像に画像処理を行って後続車両Dの方向指示器の点灯(車両状態)を判定し、判定結果に基づいて後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する構成としてもよい。また、例えば、後続車両Dの車載装置が当該後続車両Dの運転者に車線変更の意図があるか否かを表す情報を送信している場合には、後続車両Dが送信している情報を通信装置で取得する構成としてもよい。
【0020】
また、本実施形態では、後続車両Dの車速の成分のうち、後続車両Dの走行車線と交差(例えば、直交)する方向の成分を後続車両Dの横方向速度V1Yとする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度のうち、後続車両Dの走行車線と交差(例えば、直交)する方向の成分を後続車両Dの横方向速度V1Yとしてもよい。この場合、レーダー装置1は、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度を検出し、検出結果をコントローラ5(後続車両動作予測部5d)に出力する。
【0021】
車線変更可否判定部5eは、走行車線判定部5bで合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定すると、合流車両接近予測部5cが出力した検出結果(予測相対位置L’)に基づいて、自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否かを判定する。具体的には、車線変更可否判定部5eは、予測相対位置L’に基づき、予測相対位置L’の絶対値が判定閾値L1(例えば、20m)未満であるか否かを判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、予測相対位置L’の絶対値が判定閾値L1(20m)未満であると判定すると、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定する。一方、車線変更可否判定部5eは、予測相対位置L’の絶対値が判定閾値L1(20m)以上であると判定すると、自車両Aと合流車両Bとが干渉しないと判定する。
【0022】
また、車線変更可否判定部5eは、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定すると、後続車両Dが車線変更の意図を示した同じ方向の隣接車線への自車両Aの車線変更の可否を判定する。本実施形態では、後続車両Dが車線変更の意図を示した同じ方向の隣接車線としては、例えば、反対側隣接車線を採用する。自車両Aが反対側隣接車線へ車線変更可能であるか否かの判定は、周囲車両情報検出部5aが検出した周囲車両情報(反対側隣接車両Cの位置。反対側隣接車両情報)、走行車線判定部5bが判定した周囲車両の走行車線の情報(反対側隣接車両Cが走行する反対側隣接車線の情報。反対側隣接車両情報)、及び後続車両動作予測部5dが出力した判定結果(後続車両Dの運転者に車線変更の意図があるか否かを表す情報の情報)に基づいて行う。具体的には、車線変更可否判定部5eは、反対側隣接車両Cの位置及び反対側隣接車両Cが走行する反対側隣接車線の情報に基づき、自車両Aの後方で自車両Aから設定距離(例えば、100m)以内に反対側隣接車両Cが存在するか否かを判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、自車両Aから設定距離(100m)以内に反対側隣接車両Cが存在しないと判定すると、後続車両動作予測部5dで後続車両Dが意図無状態であると判定した場合には、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定した場合には、車線変更を促す音声を自車両Aの乗員(例えば、運転者、同乗者)に出力させる指令(以下、車線変更指令とも呼ぶ)を運転支援部6に出力する。
【0023】
一方、車線変更可否判定部5eは、自車両Aから設定距離(100m)以内に反対側隣接車両Cが存在すると判定した場合、または自車両Aから設定距離(100m)以内に反対側隣接車両Cが存在しないと判定したが、後続車両動作予測部5dで後続車両Dが意図有状態であると判定した場合には、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定した場合には、合流車両Bが存在するので注意する旨の音声を自車両Aの乗員に出力させる指令(以下、注意指令とも呼ぶ)を運転支援部6に出力する。
【0024】
運転支援部6は、車線変更可否判定部5eが出力した指令に基づいて音声を出力する。具体的には、運転支援部6は、車線変更可否判定部5eが車線変更指令を出力すると、車線変更を促す音声を出力する。一方、運転支援部6は、車線変更可否判定部5eが注意指令を出力すると、合流車両Bが存在するので注意する旨の音声を出力する。
なお、本実施形態では、運転支援部6が、車線変更指令を取得すると、自車両Aの乗員に車線変更を促す音声を出力する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、運転支援部6が、自車両Aの乗員に車線変更を促す画像を表示する構成としてもよく、自車両Aが隣接車線に車線変更を行うように車両制御を行う構成としてもよい。車両制御を行う場合、左右輪を転舵し、自車両Aが隣接車線に車線変更を行う構成としてもよく、左右輪の制動力を制御し、自車両Aが隣接車線に車線変更を行う構成としてもよい。
【0025】
(運転支援処理)
次に、コントローラ5が実行する運転支援処理について
図3を参照しながら説明する。運転支援処理は、予め設定した制御周期毎に実施する。
図3は、コントローラ5が実行する運転支援処理を表すフローチャートである。
図3に示すように、まず、ステップS101では、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)を取得する。
【0026】
続いてステップS102に移行して、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、前記ステップS101で取得した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)に基づいて、自車両Aが合流地点に接近しているか否かを判定する。そして、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、自車両Aが合流地点に接近していると判定した場合には(Yes)ステップS103に移行する。一方、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、自車両Aが合流地点に接近していないと判定した場合には(No)前記ステップS101に移行する。
【0027】
前記ステップS103では、コントローラ5(周囲車両情報検出部5a)は、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報)を取得する。
続いてステップS104に移行して、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、走行車線検出部2が出力した検出結果(走行車線の情報)を取得する。
【0028】
続いてステップS105に移行して、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(周囲車両の位置)及び前記ステップS104で取得した走行車線の情報に基づいて、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C、後続車両D)の走行車線を判定する。これにより、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、各周囲車両が合流車両B、反対側隣接車両C及び後続車両Dのいずれに該当するのかを判定し、前記ステップS103で取得した周囲車両情報に判定結果を対応付ける。
【0029】
続いてステップS106に移行して、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、前記ステップS105の判定結果(走行車線の情報)に基づいて、合流車線を走行する合流車両Bが存在するか否かを判定する。そして、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定した場合には(Yes)ステップS106に移行する。一方、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、合流車線を走行する合流車両Bが存在しないと判定した場合には(No)前記ステップS101に移行する。
【0030】
前記ステップS107では、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、車速検出部4が出力した検出結果(自車両Aの車速(自車両情報))を取得する。
続いてステップS108に移行して、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(合流車両情報)及び前記ステップS107で取得した自車両Aの車速(自車両情報)に基づいて、合流車両Bの予測相対位置L’を算出する。
【0031】
続いてステップS109に移行して、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、前記ステップS108で算出した予測相対位置L’に基づいて、自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否かを判定する。そして、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定した場合には(Yes)ステップS110に移行する。一方、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aと合流車両Bとが干渉しないと判定した場合には(Yes)前記ステップS101に移行する。
【0032】
前記ステップS110に移行して、コントローラ5(後続車両動作予測部5d)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(後続車両Dの位置及び車速。後続車両情報)に基づいて、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する。
続いてステップS111に移行して、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(反対側隣接車両情報)、前記ステップS105の判定結果(走行車線の情報)及び前記ステップS110の判定結果(後続車両Dの運転者に車線変更の意図があるか否かを表す情報)に基づいて、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であるか否かを判定する。そして、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定した場合には(Yes)ステップS112に移行する。一方、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定した場合には(Yes)ステップS113に移行する。
【0033】
前記ステップS112では、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、車線変更指令を運転支援部6に出力した後、この演算処理を終了する。これにより、運転支援部6が、反対側隣接車線への車線変更を促す音声を出力する。
一方、前記ステップS113では、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、注意指令を運転支援部6に出力した後、この演算処理を終了する。これにより、運転支援部6が、合流車両Bが存在するので注意する旨の音声を出力する。
【0034】
(動作その他)
次に、本実施形態の運転支援装置を搭載した車両の動作について説明する。
自車両Aの走行中、コントローラ5が、運転支援処理を実行したとする。すると、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)、及び道路情報(合流地点の位置)を取得する(
図3のステップS101)。ここで、自車両Aから自車両Aの進行方向の100m以内に合流地点が存在したとする。すると、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、取得した自車両Aの位置(自車両情報)、及び道路情報(合流地点の位置)に基づいて、自車両Aが合流地点に接近していると判定する(
図3のステップS102「Yes」)。
【0035】
続いて、コントローラ5(周囲車両情報検出部5a)が、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報、後続車両情報))を取得する(
図3のステップS103)。続いて、コントローラ5(走行車線判定部5b)が、走行車線検出部2が出力した検出結果(走行車線の情報)を取得する(
図3のステップS104)。続いて、コントローラ5(走行車線判定部5b)が、取得した周囲車両情報(周囲車両の位置)、及び取得した走行車線の情報に基づいて、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C、後続車両D)の走行車線を判定する(
図3のステップS105)。これにより、走行車線判定部5bは、各周囲車両が合流車両B、反対側隣接車両C、及び後続車両Dのいずれに該当するのかを判定する。ここで、
図2(a)に示すように、合流車線を走行する合流車両Bが存在したとする。すると、コントローラ5(走行車線判定部5b)が、判定結果(走行車線の情報)に基づいて、合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定する(
図3のステップS106「Yes」)。
【0036】
続いて、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、車速検出部4が出力した検出結果(自車両Aの車速(自車両情報))を取得する(
図3のステップS107)。続いて、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、取得した自車両Aの車速(自車両情報)及び周囲車両情報(合流車両情報)に基づいて、合流車両Bの予測相対位置L’、つまり、自車両Aの車速V(自車両情報)と合流車両Bの車速Voとの差が設定値(≒0)以下となったときの自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離を算出する(
図3のステップS108)。ここで、算出した予測相対位置L’が判定閾値L1(20m)未満であったとする。すると、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定する(
図3のステップS109「Yes」)。
【0037】
また、自車線を走行する後続車両Dが、反対側隣接車線に車線変更を開始し、後続車両の横方向速度V1Yが設定値V1(1m/s)より大きくなったとする。すると、コントローラ5(後続車両動作予測部5d)が、後続車両Dが意図有状態であると判定する(
図3のステップS110)。さらに、自車両Aの後方の自車両Aから設定距離(40m)以内に反対側隣接車両Cが存在しなかったとする。すると、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、取得した周囲車両情報(反対側隣接車両情報)、周囲車両の走行車線の情報及び前記ステップS110の判定結果(後続車両Dが意図有状態である)に基づいて、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定する(
図3のステップS111「No」)。続いて、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、注意指令を運転支援部6に出力する(
図3のステップS112)。これにより、運転支援部6が、注意指令を取得すると、反対側隣接車線への車線変更を促す音声を自車両Aの乗員に出力する。
【0038】
これにより、本実施形態では、例えば、後続車両Dが反対側隣接車線へ車線変更を行う場合に、自車両Aが反対側隣接車線へ車線変更できないと判定し、自車両Aが車線変更を行わず、自車両Aが自車線にとどまるように、自車両Aの乗員への報知や自車両Aの制御を行うことができる。それゆえ、本実施形態では、自車両Aの車線変更に対するより適切な運転支援を行うことができる。また、本実施形態では、後続車両Dが自車両Aを追い越すために反対側隣接車線へ車線変更した場合に、後続車両Dの追い越し動作の阻害を抑制できる。
【0039】
本実施形態では、
図1の合流車両接近予測部5c、
図3のステップS101、S107が自車両情報検出部を構成する。以下同様に、
図1の周囲車両情報検出部5a、
図3のステップS103が周囲車両情報検出部を構成する。また、
図1の車線変更可否判定部5e、
図3のステップS109が干渉判定部を構成する。さらに、
図1の後続車両動作予測部5d、
図3のステップS110が車線変更判定部を構成する。また、
図1の車線変更可否判定部5e、
図3のステップS111が車線変更可否判定部を構成する。また、
図1の運転支援部6が運転支援部を構成する。
【0040】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)コントローラ5が、自車線を走行する後続車両Dの走行状態を表す後続車両情報に基づいて、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する。続いて、コントローラ5が、反対側隣接車線への車線変更の意図の判定結果に基づいて、後続車両Dが車線変更の意図を示した同じ方向の隣接車線(例えば、反対側隣接車線)への自車両Aの車線変更の可否を判定する。そして、コントローラ5が、判定した自車両Aの反対型隣接車線への車線変更の可否に基づいて、自車両Aの乗員への報知及び自車両Aの制御の少なくともいずれかを行う。
【0041】
このような構成によれば、例えば、後続車両Dが反対側隣接車線へ車線変更を行う場合に、自車両Aが反対側隣接車線へ車線変更できないと判定し、自車両Aが車線変更を行わず、自車両Aが自車線にとどまるように、自車両Aの乗員への報知や自車両Aの制御を行うことができる。これにより、自車両Aの車線変更に対するより適切な運転支援を可能とする。
【0042】
(2)コントローラ5が、後続車両Dの車速の成分のうち、後続車両Dの走行車線と交差する方向の成分(横方向速度VY1)が設定値V1以上であると判定した場合に、後続車両Dの自車両Aの乗員に反対側隣接車線への車線変更の意図があると判定する。
このような構成によれば、後続車両Dの運転者に車線変更の意図があるか否かをより適切に判定できる。
【0043】
(3)コントローラ5が、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度の成分のうち、後続車両Dの走行車線と交差する方向の成分(横方向速度VY1)が設定値V1以上であると判定した場合に、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があると判定する。
このような構成によれば、後続車両Dの運転者に車線変更の意図があるか否かをより適切に判定できる。
【0044】
(4)コントローラ5が、自車両情報及び合流車両情報に基づいて、合流車両Bと自車両Aとが干渉するか否かを判定する。続いて、コントローラ5が、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定すると、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否か判定する。
【0045】
このような構成によれば、例えば、合流車両Bと自車両Aとが干渉すると判定し、自車両Aの乗員に反対側隣接車線への車線変更の要求が生じるときにも、後続車両Dが反対側隣接車線へ車線変更を行う場合には、自車両Aが車線変更を行わず、自車両Aが自車線にとどまるように、自車両Aの乗員への報知や自車両Aの制御を行うことができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同様な構成等については同一の符号を使用して、その詳細は省略する。
本実施形態では、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度(V1x−V)及び自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離L2に基づいて、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があるか否かを判定する点が第1実施形態と異なる。ここで、V1xは、
図2(a)に示すように、後続車両Dの車速の成分のうち、後続車両Dの前後方向と平行な方向の成分である。
【0047】
具体的には、本実施形態は、第1実施形態とは、レーダー装置1の動作(周囲車両情報の内容)及び後続車両動作予測部5dの動作が異なっている。
レーダー装置1は、周囲車両の位置、車速、加速度、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度、自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離を周囲車両情報として検出する。
後続車両動作予測部5dは、走行車線判定部5bで自車線を走行する後続車両Dが存在すると判定すると、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度(V1x−V)が設定値V2(例えば、30km/h)以上であり、且つ、自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離L2が設定値(例えば、100m)以下((V1x−V)≧V2で且つL2≦設定値)であるか否かを判定する。そして、後続車両動作予測部5dは、(V1x−V)≧V2で且つL2≦設定値であると判定した場合には、後続車両Dが意図有状態であると判定する。一方、後続車両動作予測部5dは、(V1x−V)<V2またはL2>設定値であると判定した場合には、後続車両Dが意図無状態であると判定する。
【0048】
なお、本実施形態では、自車両Aに対する後続車両Dの相対速度(V1x−V)が設定値V2(30km/h)以上であり、且つ、自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離L2が設定値(100m)以下であると判定した場合に、後続車両Dが意図有状態であると判定する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、後続車両Dの横方向速度V1Yが反対側隣接車線方向に発生しており、且つ、後続車両Dの横方向速度V1Yの絶対値が設定値V1(例えば、1m/s)以上であると判定した場合に、後続車両Dが意図有状態であると判定する構成としてもよい。この場合、後続車両Dの横方向速度V1Yが反対側隣接車線方向に発生していない、または後続車両Dの横方向速度V1Yの絶対値が設定値V1未満であると判定した場合に、後続車両Dが意図無状態であると判定する。
【0049】
なお、その他の構成は第1実施形態と同様である。
上述の構成により、本実施形態では、例えば、後続車両Dが自車両Aを追い越そうとして加速し、後続車両の相対速度(V1x−V)が設定値V2(30km/h)以上に増大するとともに、自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離L2が設定値(100m)以下に短縮された場合に、後続車両Dが車線変更すると判定することができる。それゆえ、本実施形態では、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定すると、車線変更を促す音声の出力を行わず、合流車両Bが存在するの注意する旨の音声を自車両Aの乗員に出力する。そのため、本実施形態では、自車両Aが反対側隣接車線に車線変更することを防止できる。その結果、本実施形態では、反対側隣接車線で自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離が短くなることを防止でき、自車両Aと後続車両Dとの干渉を回避できる。また、本実施形態では、自車両Aが後続車両Dの追い越し動作を阻害することを抑制できる。
【0050】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(4)に加え、次のような効果を奏する。
(1)コントローラ5(後続車両動作予測部5d)は、自車両Aと合流車両Bとの相対速度、つまり、後続車両Dの相対速度(V1x−V)が設定値V2(30km/h)以上であり、且つ、自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離L2が設定値(100m)以下である場合に、後続車両Dの運転者に反対側隣接車線への車線変更の意図があると判定する。
【0051】
このような構成によれば、例えば、自車線を走行する後続車両Dが自車両Aを追い越そうとして加速し、後続車両の相対速度(V1x−V)が増大するとともに、自車両Aと後続車両Dとの間の車間距離L2が短縮された場合に、後続車両Dが車線変更すると判定することができる。それゆえ、後続車両Dの運転者に車線変更の意図があるか否かをより適切に判定できる。