(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施例)
(システムの構成;
図1)
本実施例の通信システム2は、複数個のプリンタPR1,PR2と、複数個の携帯端末Ta,Tbと、を備える。各プリンタPR1,PR2及び各携帯端末Ta,Tbは、無線通信を実行可能である。
【0019】
(プリンタPR1の構成)
プリンタPR1は、印刷機能を実行可能な周辺機器である。プリンタPR1は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、無線LAN(Local Area Networkの略)インターフェース20と、制御部30と、を備える。各部12〜30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と呼ぶ。
【0020】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタPR1に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。
【0021】
無線LANI/F20は、Wi−Fi方式に従った無線通信(即ちWi−Fi通信)を実行するためのインターフェースである。Wi−Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。より具体的に言うと、無線LANI/F20は、Wi−Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Directの略)方式をサポートしているI/Fである。従って、制御部30は、WFD方式の無線ネットワーク(以下では「WFDNW」と呼ぶ)を利用して、無線LANI/F20を介して、Wi−Fi通信を実行することができる。
【0022】
無線LANI/F20は、物理的には1個のインターフェース(即ち1個のICチップ)である。ただし、無線LANI/F20には、2個のMACアドレス(以下では「MACx」、「MACy」と呼ぶ)が予め割り当てられる。従って、制御部30は、MACxを利用したWi−Fi通信と、MACyを利用したWi−Fi通信と、の両方を同時的に実行し得る。
【0023】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36に従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ34は、継続的NW記憶領域SAxと、一時的NW記憶領域SAyと、を備える。
【0024】
継続的NW記憶領域SAxは、プリンタPR1のMACアドレスとしてMACxが利用されるWFDNW(以下では「継続的NW」と呼ぶ)に関係する情報を記憶する。一時的NW記憶領域SAyは、プリンタPR1のMACアドレスとしてMACyが利用されるWFDNW(以下では「一時的NW」と呼ぶ)に関係する情報を記憶する。プリンタPR1は、継続的NWの親局(即ちWFD方式のGroup Owner)として動作すると共に、一時的NWの親局として動作する。継続的NWは、携帯端末Ta,Tbが子局として参加するための無線ネットワークであり、プリンタPR1との無線接続を確立している携帯端末が存在する限り、継続的に維持される。一時的NWは、携帯端末Ta,Tbを参加させることを目的としない無線ネットワークであり、携帯端末を継続的NWに参加させるために一時的に形成される。
【0025】
継続的NW記憶領域SAxは、継続的NWが存在する場合に、無線設定情報SIxと、管理リストLxと、を記憶する。無線設定情報SIxは、SSIDと、認証方式と、暗号化方式と、パスワードと、を含む。当該SSIDは、継続的NWを識別するための識別子である。認証方式、暗号化方式、及び、パスワードは、継続的NWで実行される認証及び暗号化で利用される情報である。管理リストLxには、継続的NWの子局として動作する機器のMACアドレスが記述される。即ち、管理リストLxには、継続的NWの親局として動作するプリンタPRとの無線接続が確立されている機器のMACアドレスが記述される。
【0026】
一時的NW記憶領域SAyは、一時的NWが存在する場合に、無線設定情報SIyを記憶する。一時的NWは、プリンタPRがユーザから接続確立指示を取得する場合に、新たに形成されるWFDNWである。そして、無線設定情報SIyは、一時的NWが形成される際に、プリンタPRによって生成されて、一時的NW記憶領域SAyに記憶される。無線設定情報SIyは、SSID、認証方式、暗号化方式、及び、パスワードを含む。当該SSIDは、一時的NWを識別するための識別子である。認証方式、暗号化方式、及び、パスワードは、WSC Exchangeを実行するための認証及び暗号化で利用される情報である。上述したように、一時的NWは、携帯端末が子局として参加する無線ネットワークではない。従って、一時的NW記憶領域SAyは、一時的NWの子局として動作する機器のMACアドレスが記述される管理リストを記憶しない。
【0027】
(プリンタPR2の構成)
プリンタPR2は、プリンタPR1と同様の構成を備える。即ち、プリンタPR2も、プリンタPR2が親局として動作する継続的NW及び一時的NWを形成可能である。
【0028】
(携帯端末Ta,Tbの構成)
各携帯端末Ta,Tbは、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置等の可搬型の端末装置である。各携帯端末Ta,Tbは、Wi−Fi方式に従ったWi−Fi通信を実行可能である。各携帯端末Ta,Tbは、WFD方式をサポートしていてもよいし、WFD方式をサポートしていなくてもよい(即ち後述のレガシー機器でもよい)。各携帯端末Ta,Tbは、プリンタPR1との無線接続を確立して、プリンタPR1が親局として動作する継続的NWに子局として参加することができる。これにより、各携帯端末Ta,Tbは、継続的NWを利用して、プリンタPR1と対象データ(例えばプリンタPR1で印刷されるべき印刷データ)の無線通信を実行することができる。
【0029】
(WFD(Wi-Fi Directの略)方式)
続いて、WFD方式について説明する。WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi−Fi Peer−to−Peer(P2P) Technical Specification Version1.1(Wi−Fi Alliance、2010年)」に記述されている無線通信方式である。
【0030】
以下では、プリンタPR1,PR2のように、WFD方式をサポートしている機器のことを「WFD機器」と呼ぶ。上記のWFDの規格書では、WFD機器の状態として、Group Owner状態(以下では「G/O状態」と呼ぶ)、クライアント状態(以下では「CL状態」と呼ぶ)、及び、デバイス状態の3つの状態が定義されている。WFD機器は、上記の3つの状態のうちの1つの状態で選択的に動作可能である。
【0031】
G/O状態のWFD機器(即ちG/O機器)は、当該WFD機器が親局として動作する無線ネットワーク(即ちWFDNW)を形成する機器である。CL状態のWFD機器(即ちCL機器)は、WFDNWの子局として動作する機器である。デバイス状態のWFD機器(即ちデバイス機器)は、WFDNWに所属していない機器である。
【0032】
G/O機器とCL機器との双方が所属しているWFDNWは、例えば、以下の2つの手順のいずれかによって形成される。第1の手順では、一対のデバイス機器は、G/Oネゴシエーションと呼ばれる無線通信を実行する。これにより、当該一対のデバイス機器のうちの一方は、G/O状態(即ちG/O機器)になることを決定し、他方は、CL状態(即ちCL機器)になることを決定する。そして、G/O機器は、WFDNWを形成して、CL機器との無線接続を確立する。これにより、G/O機器とCL機器との双方が所属しているWFDNWが形成される。このように、WFD方式は、G/Oネゴシエーションの仕組みを有する無線通信方式である。
【0033】
第2の手順では、デバイス機器は、G/Oネゴシエーションを実行せずに、自発的にG/O状態に移行して、WFDNWを形成する。この場合、WFDNWが形成された後に、他のデバイス機器は、G/Oネゴシエーションを実行せずに、CL状態に移行して、G/O機器との無線接続を確立する。これにより、G/O機器とCL機器との双方が所属しているWFDNWが形成される。
【0034】
G/O機器は、他の機器を介さずに、CL機器と対象データの無線通信を実行可能である。対象データは、OSI参照モデルのネットワーク層の情報、及び、ネットワーク層よりも上位層(例えばアプリケーション層)の情報を含むデータであり、例えば、印刷対象の画像を表わす印刷データを含む。また、G/O機器は、複数個のCL機器が当該G/O機器によって形成されているWFDNWに参加している場合に、一対のCL機器の間の対象データの無線通信を中継可能である。このように、WFDNWでは、各機器は、当該各機器とは別体に構成されているアクセスポイント(以下では「AP」と呼ぶ)を介さずに、対象データの無線通信を実行することができる。即ち、WFD方式は、APが利用されない無線通信方式であると言える。
【0035】
また、G/O機器は、WFDNWに所属していないデバイス機器と対象データの無線通信を実行することができないが、デバイス機器と接続用データの無線通信を実行して、デバイス機器との無線接続を確立することができる。これにより、G/O機器は、デバイス機器をWFDNWに参加させることができる。
【0036】
G/O機器は、さらに、WFDNWに所属していないレガシー機器と接続用データの無線通信を実行して、レガシー機器との無線接続を確立することもできる。これにより、G/O機器は、レガシー機器をWFDNWに参加させることができる。レガシー機器は、WFD方式をサポートしていないが、Wi−Fi方式に従って例えばAPとの無線接続を確立可能な機器である。
【0037】
上記の接続用データは、OSI参照モデルのネットワーク層よりも下位層(例えば、物理層、データリンク層等)の情報を含むデータ(即ち、ネットワーク層の情報を含まないデータ)である。より具体的に言うと、上記の接続用データは、WFD方式に特有である特有データを含まない通常接続用データと、特有データを含まないWFD接続用データと、のどちらかに分類される。
【0038】
通常接続用データは、例えば、Probe Request/Response信号、Authentication Request/Response信号、Association Request/Response信号、WSC Exchange、4-Way Handshake等を含む。Probe Request信号は、無線ネットワークの親局として動作する機器(例えば、G/O機器、AP)をサーチするための信号であり、Probe Response信号は、その応答信号である。Authentication Request信号は、認証方式を確認するための信号であり、Authentication Response信号は、その応答信号である。Association Request信号は、接続を要求するための信号であり、Association Response信号は、その応答信号である。WSC Exchangeは、認証情報等を含む無線設定情報を供給するための信号である。4-Way Handshakeは、認証を実行するための信号である。
【0039】
また、WFD接続用データは、上記の通常接続用データに加えて、WFD方式に特有である特有データとして、例えば、Provision Discovery Request/Response信号等を含む。Provision Discovery Request信号は、WPS(Wi-Fi Protected Setupの略)の方式(例えば、プッシュボタン方式、PINコード方式等)を確認するための信号であり、Provision Discovery Response信号は、その応答信号である。なお、以下では、「Request」、「Response」を、それぞれ、「Req.」、「Res.」と記載する。
【0040】
即ち、レガシー機器は、APと通常接続用データの無線通信を実行して、APとの無線接続を確立し、APによって形成されている無線ネットワークにいわゆるステーションとして参加することができる。これと同様に、レガシー機器は、G/O機器と通常接続用データの無線通信を実行して、G/O機器との無線接続を確立し、WFDNWにステーションとして参加することができる。
【0041】
デバイス機器(即ち、WFD方式をサポートしている機器)は、状況に応じて、通常接続用データ及びWFD接続用データのどちらかの無線通信をG/O機器と実行して、G/O機器との無線接続を確立し、WFDNWに参加することができる。デバイス機器が通常接続用データの無線通信を実行する場合には、デバイス機器は、WFDNWにステーションとして参加すると言える。デバイス機器は、WFD方式の特有データの無線通信を実行しないからである。一方において、デバイス機器がWFD接続用データの無線通信を実行する場合には、デバイス機器は、WFDNWにCL機器として参加すると言える。
【0042】
上述したように、レガシー機器は、WFDNWにステーションとして参加することができる。また、デバイス機器は、WFDNWにステーションとして参加することもできるし、WFDNWにCL機器として参加することもできる。ただし、以下では、ステーションとCL機器とを区別することなく「子局」と呼ぶ。
【0043】
(プリンタPR1の応答処理;
図2)
図2を参照して、プリンタPR1のCPU32が実行する応答処理の内容を説明する。プリンタPR2も、プリンタPR1と同様に、
図2の応答処理を実行する。
【0044】
CPU32は、携帯端末(例えば携帯端末Ta,Tb)のユーザが、操作部12を操作して、無線接続を確立するための接続確立指示を入力することを監視している。CPU32は、ユーザから接続確立指示を取得する場合に、
図2の応答処理を開始する。なお、以下では、接続確立指示を入力したユーザのことを「対象ユーザ」と呼び、対象ユーザによって所持される携帯端末のことを「対象端末」と呼ぶ。
【0045】
S2では、CPU32は、プリンタPR1が継続的NWを形成している状態であるのか否かを判断する。CPU32は、メモリ34内の継続的NW記憶領域SAxに無線設定情報SIx及び管理リストLxが記憶されている場合には、プリンタPR1が継続的NWを形成している状態であると判断して(S2でYES)、S4をスキップしてS6に進む。一方において、CPU32は、メモリ34内の継続的NW記憶領域SAxに無線設定情報SIx及び管理リストLxが記憶されていない場合には、プリンタPR1が継続的NWを形成している状態ではないと判断して(S2でNO)、S4に進む。
【0046】
S4では、CPU32は、継続的NWを新たに形成する。具体的には、CPU32は、G/Oネゴシエーションを実行せずに、継続的NWのG/O機器になり、継続的NWで利用されるべき無線設定情報SIx及び管理リストLxを生成する。そして、CPU32は、無線設定情報SIx及び管理リストLxを継続的NW記憶領域SAxに記憶させる。この段階では、管理リストLxには、MACアドレスが記述されていない。CPU32は、以下のようにして、無線設定情報SIx(即ち、SSID、認証方式、暗号化方式、パスワード)を生成する。
【0047】
即ち、CPU32は、ランダムに文字列「XXX」を選択し、次いで、選択済みの文字列「XXX」に所定の文字列「DIRECT」及び記号「−(ハイフン)」を付加して、SSID「DIRECT−XXX」を生成する。所定の文字列「DIRECT」は、WFDNWのSSIDの命名規則で決められている文字列である。当該命名規則は、WFD方式の上記の規格書に記述されている。文字は、アルファベット及び数字を含む概念であり、文字列は、複数個の文字の組み合わせである。また、CPU32は、例えば、ランダムに文字列を選択することによって、パスワードを生成する。そして、CPU32は、予め決められている認証方式及び暗号化方式を準備する。S4を終えると、S6に進む。
【0048】
S6では、CPU32は、継続的NWが形成されている状態を維持しながら、一時的NWを新たに形成する。具体的には、CPU32は、G/Oネゴシエーションを実行せずに、一時的NWのG/O機器になり、一時的NWで利用されるべき無線設定情報SIyを生成する。そして、CPU32は、無線設定情報SIyを一時的NW記憶領域SAyに記憶させる。CPU32は、以下のようにして、無線設定情報SIyを生成する。
【0049】
即ち、CPU32は、プログラム36で予め決められている語「SELECT」に基づいて、SSID「SELECT」を生成する。語は、特定の意味を表わす1個以上の文字の組み合わせであり、本実施例の「SELECT」は、「選択」という意味を表わす。従って、SSID「SELECT」は、当該SSIDを選択すべきことを対象端末の対象ユーザに通知するための語「SELECT」を含む。なお、SSID「SELCT」は、WFDNWのSSIDの命名規則で決められている所定の文字列「DIRECT」を含まない。SSID「DIRECT−SELECT」が採用されるよりも、本実施例のように、SSID「SELECT」が採用される方が、対象ユーザは、選択すべきSSIDを容易に認識し得るので、SSID「SELECT」を容易に選択することができる。また、CPU32は、例えば、ランダムに文字列を選択することによって、パスワードを生成する。そして、CPU32は、予め決められている認証方式及び暗号化方式を準備する。なお、当該認証方式及び暗号化方式は、継続的NWの無線設定情報SIxに含まれる認証方式及び暗号化方式と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。S6を終えると、S8に進む。
【0050】
上述したように、本実施例では、プリンタPR1は、継続的NWが形成されている状態を維持しながら、一時的NWを新たに形成する。このように、継続的NWが消滅しないので、継続的NWに所属している機器とプリンタPR1との間の無線接続が切断されることがなく、当該機器とプリンタPR1との間で無線通信を実行可能な状況を維持することができる。
【0051】
S8では、CPU32は、対象端末からProbe Req.信号を受信することを監視する。CPU32は、S6で一時的NWを形成してから所定期間が経過する前に、無線LANI/F20を介して、対象端末からProbe Req.信号を受信する場合に、S8でYESと判断して、S10に進む。また、CPU32は、S6で一時的NWを形成してから所定期間が経過しても、対象端末からProbe Req.信号を受信しない場合に、S8でNOと判断して、S20に進む。
【0052】
S10〜S18の各処理では、CPU32は、無線LANI/F20を介して、対象端末と様々な信号の通信を実行して、対象端末との無線接続を確立することを試みる。特に、S10及びS14では、CPU32は、対象端末に各信号を送信する際に、送信元のMACアドレスとして、一時的NWに対応するMACyを利用する。また、S18では、CPU32は、対象端末に各信号を送信する際に、送信元のMACアドレスとして、継続的NWに対応するMACxを利用する。即ち、CPU32は、対象端末を一時的NWに参加させるわけではないが、一時的NWに関係する通信(即ちS10〜S14)を対象端末と実行し、その後、継続的NWに関係する通信(即ちS18)を対象端末と実行して、対象端末を継続的NWに参加させる。
【0053】
S10では、CPU32は、無線LANI/F20を介して、一時的NWのSSID「SELECT」を含むProbe Res.信号を対象端末に送信する。当該Probe Res.信号は、継続的NWのSSID「DIRECT−XXX」を含まない。即ち、CPU32は、携帯端末からProbe Req.信号を受信する場合に、SSID「DIRECT―XXX」を送信せずに、SSID「SELECT」のみを送信する。従って、対象端末でSSID「DIRECT−XXX」が表示されないので、対象ユーザは、一時的NWのSSID「SELECT」を容易に選択することができる。また、当該Probe Res.信号は、一時的NWの無線設定情報SIyに含まれる認証方式及び暗号化方式を含む。これにより、当該認証方式及び暗号化方式を利用すべきことを、対象端末に通知することができる。なお、当該認証方式及び暗号化方式は、S14のWSC Exchangeを実行するために一時的に利用される認証方式及び暗号化方式である。
【0054】
次いで、S12では、CPU32は、対象端末からAuthentication Req.信号を受信することを監視する。CPU32は、S10でProbe Res.信号を送信してから所定期間が経過する前に、無線LANI/F20を介して、対象端末からAuthentication Req.信号を受信する場合に、S12でYESと判断して、S14に進む。これにより、CPU32は、Authentication Req.信号の受信を含む第1の接続プロセスを対象端末と実行する。また、CPU32は、S10でProbe Res.信号を送信してから所定期間が経過しても、対象端末からAuthentication Req.信号を受信しない場合に、S12でNOと判断して、S20に進む。
【0055】
S14では、CPU32は、無線LANI/F20を介して、Authentication Req.信号に続く各信号の通信(即ち第1の接続プロセスの続き)を対象端末と実行する。具体的には、CPU32は、まず、Authentication Res.信号を対象端末に送信する。次いで、CPU32は、対象端末からAssociation Req.信号を受信して、Association Res.信号を対象端末に送信する。これにより、WSC Exchangeを実行するための準備が完了する。そして、CPU32は、WSC Exchangeを実行して、継続的NWの無線設定情報SIx(即ち、SSID「DIRECT−XXX」、認証方式、暗号化方式、パスワード)を、対象端末に送信する。なお、WSC Exchangeでは、一時的NWの無線設定情報SIyに含まれるパスワードを利用した暗号化通信が実行される。WSC Exchangeが終了すると、第1の接続プロセスが終了する。
【0056】
次いで、S16では、CPU32は、一時的NWを消滅させる。具体的には、CPU32は、メモリ34内の一時的記憶領域SAy(
図1参照)から無線設定情報SIyを削除する。
【0057】
上述したように、CPU32は、ユーザから接続確立指示を取得する毎に、S6において、一時的NWの無線設定情報SIyを新たに生成し、S16において、無線設定情報SIyを削除する。一方において、CPU32は、S4において、継続的NWの無線設定情報SIxを一旦生成すると、その後、ユーザから接続確立指示を再度取得しても、継続的NWの無線設定情報SIxを新たに生成しない。
【0058】
次いで、S18では、CPU32は、無線LANI/F20を介して、第2の接続プロセスを対象端末と実行する。S14で無線設定情報SIxが対象端末に送信されたので、プリンタPR1及び対象端末は、同じ無線設定情報SIxを利用して、第2の接続プロセスを実行することができる。具体的には、CPU32は、対象端末からAuthentication Req.信号及びAssociation Req.信号を順次受信して、Authentication Res.信号及びAssociation Res.信号を対象端末に順次送信する。そして、CPU32は、4-Way Handshakeを実行する。これにより、プリンタPR1と対象端末との間に無線接続が確立される。
【0059】
なお、上記の第1の接続プロセス及び第2の接続プロセスでは、対象端末からプリンタPR1に送信される各信号は、送信元のMACアドレスとして、対象端末のMACアドレスを含む。S18では、CPU32は、さらに、継続的記憶領域SAx内の管理リストLx(
図1参照)に対象端末のMACアドレスを記述する。これにより、プリンタPR1は、対象端末を継続的NNに子局として参加させることができる。
【0060】
図2のフローチャートには示されていないが、CPU32は、対象端末が継続的NNに参加した後に、継続的NWを利用して、無線LANI/F20を介して、対象データの無線通信を対象端末と実行することができる。例えば、CPU32は、対象端末から印刷データを受信することができる。この場合、CPU32は、印刷データを印刷実行部16に供給する。印刷実行部16は、印刷データによって表わされる画像を印刷媒体に印刷する。これにより、印刷済みの印刷媒体を対象ユーザに提供することができる。
【0061】
(具体的なケース)
続いて、
図3及び
図4を参照して、
図2のフローチャートに従って実現される具体的なケースの内容を説明する。
図3及び
図4では、プリンタPR1から伸びる破線の矢印は、送信元のMACアドレスとしてMACyが利用される通信を示し、プリンタPR1から伸びる実線の矢印は、送信元のMACアドレスとしてMACxが利用される通信を示す。
【0062】
図3の初期状態では、プリンタPR1は、継続的NW110及び一時的NW120を形成していない。また、プリンタPR2は、プリンタPR2自身がG/O機器として動作する継続的NW100を形成している。継続的NW100には、図示省略の携帯端末が子局として参加している。継続的NW100のSSIDは「DIRECT−YYY」である。
【0063】
携帯端末Taのユーザは、携帯端末TaとプリンタPR1との間に無線接続を確立することを望む場合に、T10において、プリンタPR1の操作部12を操作して、接続確立指示をプリンタPR1に入力する(
図2の処理の開始のトリガ)。
【0064】
T12では、プリンタPR1は、継続的NW110が形成されている状態ではないと判断し(S2でNO)、SSID「DIRECT−XXX」によって識別される継続的NW110を新たに形成する(S4)。
【0065】
次いで、T14では、プリンタPR1は、継続的NW110が形成されている状態を維持しながら、SSID「SELECT」によって識別される一時的NW120を新たに形成する(S6)。
【0066】
T16では、携帯端末Taのユーザは、携帯端末Taを無線ネットワークに参加させるための所定の操作を、携帯端末Taに実行する。この場合、T18,T19では、携帯端末Taは、携帯端末Taの周囲に存在する親局(即ち、G/O機器及びAP)をサーチするために、送信先が指定されていないProbe Req.信号を送信する。この結果、携帯端末Taは、G/O機器として動作している各プリンタPR1,PR2にProbe Req.信号を送信することができる。
【0067】
T18において、プリンタPR1は、携帯端末TaからProbe Req.信号を受信する(S8でYES)。この場合、T20において、プリンタPR1は、一時的NW120のSSID「SELECT」を含むProbe Res.信号を携帯端末Taに送信する(S10)。
【0068】
また、T19において、プリンタPR2は、携帯端末TaからProbe Req.信号を受信する。プリンタPR2では接続確立操作が実行されていないので、
図2の処理が実行されていない。従って、プリンタPR2は、一時的NWを新たに形成せずに、T21において、継続的NW100のSSID「DIRECT−YYY」を含むProbe Res.信号を携帯端末Taに送信する。
【0069】
T20及びT21において、携帯端末Taは、プリンタPR1からSSID「SELECT」を含むProbe Res.信号を受信し、プリンタPR2からSSID「DIRECT−YYY」を含むProbe Res.信号を受信する。この場合、T22では、携帯端末Taは、SSID「SELECT」及びSSID「DIRECT−YYY」を表示する。
【0070】
T24では、携帯端末Taのユーザは、携帯端末Taに表示されている2個のSSIDの中から、SSID「SELECT」を選択する。SSID「SELECT」は、当該SSIDを選択することをユーザに促す語「SELECT」を含む。従って、ユーザは、SSID「SELECT」を選択すべきことを容易に知ることができ、SSID「SELECT」を容易に選択することができる。
【0071】
T26〜T34では、プリンタPR1及び携帯端末Taは、第1の接続プロセスを実行する(S12、S14)。即ち、プリンタPR1及び携帯端末Taは、T26のAuthentication Req.信号、T28のAuthentication Res.信号、T30のAssociation Req.信号、及び、T32のAssociation Res.信号の通信を順次実行する。そして、プリンタPR1は、T34のWSC Exchangeを実行して、継続的NW110のSSID「DIRECT−XXX」を含む無線設定情報SIxを携帯端末Taに送信する。
【0072】
T36では、プリンタPR1は、一時的NW120を消滅させる。そして、T38〜T46では、プリンタPR1及び携帯端末Taは、無線設定情報SIxを利用して、第2の接続プロセスを実行する(S18)。即ち、プリンタPR1及び携帯端末Taは、T38のAuthentication Req.信号、T40のAuthentication Res.信号、T42のAssociation Req.信号、T44のAssociation Res.信号、及び、T46の4-Way Handshakeの通信を順次実行する。これにより、携帯端末Taは、プリンタPR1がG/O機器として動作する継続的NW110に子局として参加することができる。
【0073】
図4は、
図3の続きのシーケンスである。即ち、
図4の初期状態では、プリンタPR1は、継続的NW110を形成しているが、一時的NWを形成していない。携帯端末Taは、継続的NW110に子局として参加している。
【0074】
携帯端末Tbのユーザは、携帯端末TbとプリンタPR1との間に無線接続を確立することを望む場合に、T110において、プリンタPR1の操作部12を操作して、接続確立指示をプリンタPR1に入力する(
図2の処理の開始のトリガ)。
【0075】
T114では、プリンタPR1は、継続的NW110が形成されている状態であると判断し(S2でYES)、継続的NW110が形成されている状態を維持しながら、SSID「SELECT」によって識別される一時的NW120を新たに形成する(S6)。
【0076】
T116において、ユーザは、携帯端末Tbを無線ネットワークに参加させるための所定の操作を、携帯端末Tbに実行する。この後のT118〜T146は、
図3のT18〜T46と同様である。従って、T124では、携帯端末Tbのユーザは、SSID「SELECT」を容易に選択することができる。このために、携帯端末Tbは、プリンタPR1がG/O機器として動作する継続的NW120に子局として参加することができる。
【0077】
(第1実施例の効果)
図3に示されるように、プリンタPR1は、プリンタPR1がG/O機器として動作する継続的NWが形成されていない状態で、携帯端末Taのユーザから接続確立指示を取得する場合(T10)に、継続的NW110及び一時的NW120の双方を形成して(T12、T14)、一時的NW120のSSID「SELECT」を携帯端末Taに送信する(T20)。従って、携帯端末Taのユーザは、SSID「SELECT」を容易に選択することができる(T24)。そして、プリンタPR1は、携帯端末Taと第1及び第2の接続プロセスを実行して(T26〜T46)、携帯端末Taを継続的NW110に子局として参加させる。本実施例によると、携帯端末Taのユーザは、プリンタPR1がG/O機器として動作する継続的NW110に、携帯端末Taを子局として容易に参加させることができる。
【0078】
また、
図4に示されるように、プリンタPR1は、継続的NW110が形成されている状態で、携帯端末Tbのユーザから接続確立指示を取得する場合(T110)に、継続的NW110が形成されている状態を維持しながら、一時的NW120を形成して、一時的NW120のSSID「SELECT」を携帯端末Tbに送信する(T120)。従って、携帯端末Tbのユーザは、SSID「SELECT」を容易に選択することができる(T124)。そして、プリンタPR1は、携帯端末Tbと第1及び第2の接続プロセスを実行して(T126〜T146)、プリンタPR1がG/O機器として動作する継続的NW110に携帯端末Tbを子局として参加させる。本実施例によると、携帯端末Tbのユーザは、プリンタPR1がG/O機器として動作する継続的NW110に、携帯端末Tbを子局として容易に参加させることができる。
【0079】
なお、仮に、携帯端末Ta,Tbが、各SSIDを表示する際に、各SSIDの表示態様を工夫すれば(例えば、表示順序のソート、一部のSSIDの非表示等)、ユーザにSSIDを容易に選択させることができるかもしれない(以下では「第1の比較例の手法」と呼ぶ)。しかしながら、第1の比較例の手法では、携帯端末Ta,Tbは、携帯端末のOS(Operating Systemの略)の種類に応じて、各SSIDの表示態様を工夫するための特別なアプリケーションを備えていなければならない。これに対し、本実施例では、プリンタPR1側にプログラム36が備えられており、ユーザが選択し易いSSID「SELECT」がプリンタPR1から携帯端末Ta,Tbに送信される。従って、携帯端末Ta,Tbは、プリンタPR1から受信されるSSID「SELECT」を表示すればよいので、携帯端末側に上記の特別なアプリケーションを備えずに済む。
【0080】
プリンタPR1が、一時的NW120のSSIDを生成する際に、ASCIIで採用されていない特殊な記号(例えば星マーク等)を含むSSIDを生成する手法を採用することが考えられる(以下では「第2の比較例の手法」と呼ぶ)。携帯端末Ta,Tbは、通常、ASCIIで採用されている文字(即ちアルファベット及び数字)及び記号(例えばハイフン等)については、特別なアプリケーションを備えていなくても表示することができる。しかしながら、第2の比較例の手法を実現するためには、携帯端末Ta,Tbは、ASCIIで採用されていない特殊な記号を表示するための特別なアプリケーションを備えていなければならない。これに対し、本実施例では、プリンタPR1は、一時的NW120のSSIDを生成する際に、ASCIIで採用されている文字及び記号の範囲内でSSID「SELECT」を生成する。このために、携帯端末Ta,Tbは、上記の特別なアプリケーションを備えずに済む。
【0081】
本実施例では、プリンタPR1は、携帯端末Ta,Tbのユーザから接続確立指示を取得する場合に、一時的NWを形成する。これに代えて、プリンタPR1が、接続確立指示を取得する前に、継続的NWと一時的NWとの双方を予め形成している構成を採用することが考えられる(以下では「第3の比較例」と呼ぶ)。しかしながら、第3の比較例では、プリンタPR1は、プリンタPR1との無線接続を確立することを望んでいないユーザ、即ち、接続確立指示をプリンタPRに与えないユーザによって所持されている携帯端末からProbe Req.信号を受信しても、一時的NWのSSID「SELECT」を含むProbe Res.信号を当該携帯端末に送信する。このために、当該携帯端末のユーザは、プリンタPR1との無線接続を確立することを望んでいないにも関わらず、SSID「SELECT」を選択し得る。一方において、本実施例では、プリンタPR1は、当該携帯端末のユーザから接続確立指示を取得しない状況では、一時的NWのSSID「SELECT」を含むProbe Res.信号を当該携帯端末に送信しない。このために、当該携帯端末のユーザが誤ってSSID「SELECT」を選択する事象の発生を抑制することができる。
【0082】
(対応関係)
プリンタPR1、携帯端末Ta、携帯端末Tbが、それぞれ、「通信機器」、「第2の外部機器」、「第1の外部機器」の一例である。継続的NW、一時的NWが、ぞれぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第2の無線ネットワーク」の一例である。WFD方式が、「特定の無線通信方式」の一例である。G/Oネゴシエーションが、「一対の機器の間に・・・無線通信を実行する仕組み」の一例である。
【0083】
SSID「DIRECT−XXX」、SSID「SELECT」が、それぞれ、「第1の識別子」、「第2の識別子」の一例である。「SELECT」が、「1個以上の文字及び/又は記号」の一例である。「DIRECT」が、「所定の文字列」の一例である。MACx,MAXyが、それぞれ、「第1のMACアドレス」、「第2のMACアドレス」の一例である。無線設定情報SIxが、「無線設定情報」の一例である。
図2の処理のトリガである接続確立指示が、「所定の指示」の一例である。
図4のT118のProbe Req.信号、T120のProbe Res.信号が、それぞれ、「要求信号」、「応答信号」の一例である。
図4のT134のWSC Exchangeが、「・・・無線設定情報を、第1の外部機器に送信するための通信」の一例である。
【0084】
図2の処理の開始のトリガとして接続確立指示を受信する処理が、「取得部」によって実行される処理の一例である。S4及びS6の処理が、「形成部」によって実行される処理の一例である。S10の処理が、「送信部」によって実行される処理の一例である。S14及びS18の処理が、「通信実行部」によって実行される処理の一例である。
【0085】
(第2実施例)
本実施例では、
図2のS6の処理が、第1実施例とは異なる。即ち、S6では、プリンタPR1のCPU32は、プログラム36によって予め決められている語「SELECT」と、継続的NWのSSID「DIRECT−XXX」と、を組み合わせて、一時的NWのSSID「SELECT―DIRECT−XXX」を生成する。その他の処理は、第1実施例と同様である。
【0086】
本実施例でも、一時的NWのSSID「SELECT―DIRECT−XXX」は、当該SSIDを選択することをユーザに促す語「SELECT」を含む。従って、携帯端末(例えばTa)のユーザは、当該SSIDを容易に選択することができる。また、一時的NWのSSID「SELECT―DIRECT−XXX」は、継続的NWのSSID「DIRECT−XXX」を含む。従って、携帯端末(例えばTa)のユーザは、当該SSIDを選択する際に、継続的NWのSSID「DIRECT−XXX」を知ることができる。本実施例では、一時的NWのSSID「SELECT―DIRECT−XXX」が、「第2の識別子」の一例である。
【0087】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0088】
(変形例1)
図2のS4及びS6において、CPU32は、プリンタPR1をWFD方式のG/O機器として動作させる代わりに、いわゆるSoftAPを起動して、プリンタPR1を疑似的なAPとして動作させてもよい。本変形例でも、CPU32は、プリンタPR1が親局として動作する継続的NWと、プリンタPR1が親局として動作する一時的NWと、を形成することができる。本変形例では、SoftAPによって形成される継続的ネットワーク、SoftAPによって形成される一時的ネットワークが、それぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第2の無線ネットワーク」の一例である。また、本実施例では、SoftAPの無線通信方式が、「特定の無線通信方式」の一例である。
【0089】
(変形例2)
図2のS4において、CPU32は、プリンタPR1をWFD方式のG/O機器として動作させて、継続的NWを形成し、S6において、SoftAPを起動して、一時的NWを形成してもよい。本変形例では、WFD方式によって形成される継続的ネットワーク、SoftAPによって形成される一時的ネットワークが、それぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第2の無線ネットワーク」の一例である。また、別の変形例では、
図2のS4において、CPU32は、SoftAPを起動して、継続的NWを形成し、S6において、プリンタPR1をWFD方式のG/O機器として動作させて、一時的NWを形成してもよい。本変形例では、SoftAPによって形成される継続的ネットワーク、WFD方式によって形成される一時的ネットワークが、それぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第2の無線ネットワーク」の一例である。
【0090】
(変形例3)
上記の各実施例では、
図2のS10において、CPU32は、継続的NWのSSIDを含むProbe Res.信号を対象端末に送信せずに、一時的NWのSSIDを含むProbe Res.信号を対象端末に送信する。これに代えて、CPU32は、継続的NWのSSIDを含むProbe Res.信号と、一時的NWのSSIDを含むProbe Res.信号と、の双方を対象端末に送信してもよい。本変形例でも、一時的NWのSSIDが対象端末に送信されるので、対象端末のユーザは、一時的NWのSSIDを容易に選択することができる。一般的に言うと、通信機器は、上記の実施例のように、第1の識別子を含む応答信号を第1の外部機器に送信せずに、第2の識別子を含む応答信号を第1の外部機器に送信してもよいし、本変形例のように、第1の識別子を含む応答信号と第2の識別子を含む応答信号との双方を第1の外部機器に送信してもよい。
【0091】
(変形例4)
上記の各実施例では、一時的NWのSSIDは、当該SSIDを選択することをユーザに促す語「SELECT」を含む。これに代えて、「語」は、例えば、「TARGET」、「CHOOSE」のように、「対象」、「選択」等の意味を表わす語であってもよい。また、「語」は、例えば、「PUSHED」、「OPERATED」のように、無線接続を確立するための接続確立指示がプリンタPR1に与えられたことを表わす語であってもよい。一般的に言うと、「第2の識別子」は、当該第2の識別子を選択することをユーザに促す語を含んでいればよい。
【0092】
(変形例5)
また、一時的NWのSSIDは、アスタリスク、星マーク等のように、ユーザの注意を引くための記号であってもよい。一般的に言うと、「第2の識別子」は、当該第2の識別子を選択することをユーザに促す語を含んでいなくてもよく、第2の識別子を選択すべきことを第1のユーザに通知するための1個以上の文字及び/又は記号を含んでいればよい。
【0093】
(変形例6)
上記の実施例では、CPU32がメモリ34内のプログラム36(即ちソフトウェア)を実行することによって、
図2の各処理が実現される。これに代えて、
図2の各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0094】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。