特許第6221642号(P6221642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221642
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】ズームレンズ系
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   G02B15/20
【請求項の数】7
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2013-227785(P2013-227785)
(22)【出願日】2013年11月1日
(65)【公開番号】特開2015-87681(P2015-87681A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】311015207
【氏名又は名称】リコーイメージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】小野崎 龍之
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−94935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し、且つ、第3レンズ群が光軸方向に移動せず、
次の条件式(1)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量。
【請求項2】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し、
次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(2)−1.95<f2/f1<−1.55
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f2:第2レンズ群の焦点距離。
【請求項3】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し、
次の条件式(1)及び(3)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(3)2.25<f3/f1<3.50
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f3:第3レンズ群の焦点距離。
【請求項4】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し、
次の条件式(1)及び(4)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(4)−3.00<f4/f1<−2.05
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f4:第4レンズ群の焦点距離。
【請求項5】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し、
第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2aレンズ群と正の屈折力の第2bレンズ群とからなり、
第2aレンズ群は、フォーカシング時に光軸方向に移動するフォーカスレンズ群であり、
次の条件式(1)、(5)及び(6)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(5)−1.2<(1−m2aS2)mRS2<−0.8
(6)−2.7<(1−m2aL2)mRL2<−1.7
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量
m2aS:短焦点距離端における無限遠合焦時の第2aレンズ群の横倍率、
mRS:短焦点距離端における無限遠合焦時の第2bレンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群の合成横倍率、
m2aL:長焦点距離端における無限遠合焦時の第2aレンズ群の横倍率、
mRL:長焦点距離端における無限遠合焦時の第2bレンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群の合成横倍率。
【請求項6】
請求項5記載のズームレンズ系において、第2aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正レンズ、および物体側から順に位置する物体側に凸面を向けた負レンズと正レンズの接合レンズからなるズームレンズ系。
【請求項7】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し、
第4レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第4aレンズ群と負の屈折力の第4bレンズ群とからなり、
第4aレンズ群は、物体側から順に位置する、物体側に凸面を向けた正レンズ、負レンズおよび両凸正レンズの3枚の接合レンズからなり、
次の条件式(1)及び(7)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(7)15<νdp−νdn<25
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量
νdp:第4aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数の平均値、
νdn:第4aレンズ群中の負レンズのd線に対するアッベ数。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ系、特に一眼レフカメラに用いて好適な広角ズームレンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
負の屈折力のレンズ群を最も物体側に配置した、所謂、負先行(ネガティブリード)型のズームレンズ系は、広画角化および、焦点距離に比して長いバックフォーカスを確保することが比較的容易なことから、一眼レフカメラ用の広角ズームレンズ系に多く用いられている。
【0003】
このような負先行(ネガティブリード)型の一眼レフカメラ用の広角ズームレンズ系として、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるものが知られている(特許文献1〜6)。
【0004】
一般的に、広角ズームレンズ系は、変倍(ズーミング)や合焦(フォーカシング)に伴い、歪曲収差、像面湾曲、非点収差、倍率色収差などの軸外収差変動が発生するため、焦点距離域、撮影距離域の全域にわたって高い光学性能を得ることが難しい。
【0005】
この点、特許文献1〜6も例外ではなく、比較的高い光学性能が要求される高画素数のデジタルスチルカメラ等に適用するためには、光学性能が不十分であり、焦点距離および撮影距離の変化に伴う収差変動をさらに良好に補正することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−287031号公報
【特許文献2】特開2008−145967号公報
【特許文献3】特開2008−281917号公報
【特許文献4】特開2011−145518号公報
【特許文献5】特開2012−63568号公報
【特許文献6】特開2012−68303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の問題意識に基づいて完成されたものであり、特に一眼レフカメラに用いる広角ズームレンズ系において、変倍(ズーミング)や合焦(フォーカシング)に伴う歪曲収差、像面湾曲、非点収差、倍率色収差などの軸外収差変動を抑えて、焦点距離域、撮影距離域の全域にわたって高い光学性能を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し(像面に対して移動し)、且つ、第3レンズ群が光軸方向に移動せず(像面に対して固定されており)、次の条件式(1)を満足することを特徴としている。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
である。
【0009】
条件式(1)において、ΔX2及びΔX4は正負の概念が無い移動量、すなわち物体側または像側への移動量の絶対値を意味している。したがって、第2レンズ群と第4レンズ群の双方が物体側または像側に移動する場合は勿論のこと、第2レンズ群と第4レンズ群の一方が物体側に移動して他方が像側に移動する場合であっても、ΔX2及びΔX4並びにΔX4/ΔX2は負の値をとることなく常に正の値をとる。
【0011】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し(像面に対して移動し)、次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴としている。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(2)−1.95<f2/f1<−1.55
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f2:第2レンズ群の焦点距離、
である。
【0012】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し(像面に対して移動し)、次の条件式(1)及び(3)を満足することを特徴としている。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(3)2.25<f3/f1<3.50
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f3:第3レンズ群の焦点距離、
である。
【0013】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し(像面に対して移動し)、次の条件式(1)及び(4)を満足することを特徴としている。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(4)−3.00<f4/f1<−2.05
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f4:第4レンズ群の焦点距離、
である。
【0014】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し(像面に対して移動し)、第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2aレンズ群と正の屈折力の第2bレンズ群とからなり、第2aレンズ群は、フォーカシング時に光軸方向に移動するフォーカスレンズ群であり、次の条件式(1)、(5)及び(6)を満足することを特徴としている。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(5)−1.2<(1−m2aS2)mRS2<−0.8
(6)−2.7<(1−m2aL2)mRL2<−1.7
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
m2aS:短焦点距離端における無限遠合焦時の第2aレンズ群の横倍率、
mRS:短焦点距離端における無限遠合焦時の第2bレンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群の合成横倍率、
m2aL:長焦点距離端における無限遠合焦時の第2aレンズ群の横倍率、
mRL:長焦点距離端における無限遠合焦時の第2bレンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群の合成横倍率、
である。
【0015】
第2aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正レンズ、および物体側から順に位置する物体側に凸面を向けた負レンズと正レンズの接合レンズからなることが好ましい。
【0016】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズ系において、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、少なくとも、第1レンズ群、第2レンズ群および第4レンズ群が光軸方向に移動し(像面に対して移動し)、第4レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第4aレンズ群と負の屈折力の第4bレンズ群とからなり、第4aレンズ群は、物体側から順に位置する、物体側に凸面を向けた正レンズ、負レンズおよび両凸正レンズの3枚の接合レンズからなり、次の条件式(1)及び(7)を満足することを特徴としている。
(1)1.35<ΔX4/ΔX2<2.80
(7)15<νdp−νdn<25
但し、
ΔX2:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
ΔX4:短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第4レンズ群の光軸方向の移動量(像面に対する移動量)、
νdp:第4aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数の平均値、
νdn:第4aレンズ群中の負レンズのd線に対するアッベ数、
である。
【0017】
本発明のズームレンズ系は、次の条件式(8)及び(9)を満足することが好ましい。
(8)5<m2S/m4S<35
(9)3.5<m2L/m4L<7.5
但し、
m2S:短焦点距離端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率、
m4S:短焦点距離端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率、
m2L:長焦点距離端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率、
m4L:長焦点距離端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率。
【0018】
本発明のズームレンズ系は、第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ、物体側に凸面を向けた負レンズ、両凹負レンズおよび物体側に凸面を向けた正レンズからなり、次の条件式(10)を満足することが好ましい。
(10)0.56<θgF<0.60
但し、
θgF:第1レンズ群中の最も像側に位置する正レンズのg線、F線の部分分散比、
である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特に一眼レフカメラに用いる広角ズームレンズ系において、変倍(ズーミング)や合焦(フォーカシング)に伴う歪曲収差、像面湾曲、非点収差、倍率色収差などの軸外収差変動を抑えて、焦点距離域、撮影距離域の全域にわたって高い光学性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるズームレンズ系の数値実施例1の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図2図1のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図3図1のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図4図1のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図5図1のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図6図1のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図7図1のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図8】本発明によるズームレンズ系の数値実施例2の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図9図8のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図10図8のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図11図8のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図12図8のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図13図8のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図14図8のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図15】本発明によるズームレンズ系の数値実施例3の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図16図15のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図17図15のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図18図15のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図19図15のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図20図15のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図21図15のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図22】本発明によるズームレンズ系の数値実施例4の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図23図22のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図24図22のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図25図22のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図26図22のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図27図22のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図28図22のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図29】本発明によるズームレンズ系の数値実施例5の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図30図29のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図31図29のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図32図29のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図33図29のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図34図29のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図35図29のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図36】本発明によるズームレンズ系の数値実施例6の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図37図36のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図38図36のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図39図36のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図40図36のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図41図36のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図42図36のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図43】本発明によるズームレンズ系の数値実施例7の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図44図43のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図45図43のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図46図43のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図47図43のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図48図43のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図49図43のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図50】本発明によるズームレンズ系の数値実施例8の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図51図50のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図52図50のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図53図50のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図54図50のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図55図50のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図56図50のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図57】本発明によるズームレンズ系の数値実施例9の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図58図57のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図59図57のように構成されたズームレンズ系の短焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図60図57のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図である。
図61図57のように構成されたズームレンズ系の中間焦点距離における無限遠合焦時の横収差図である。
図62図57のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図である。
図63図57のように構成されたズームレンズ系の長焦点距離端における無限遠合焦時の横収差図である。
図64】本発明によるズームレンズ系のズーム軌跡を示す簡易移動図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施形態のズームレンズ系は、全数値実施例1−9を通じて、図64の簡易移動図に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2、負の屈折力の第3レンズ群G3および正の屈折力の第4レンズ群G4からなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力の第2aレンズ群G2aと正の屈折力の第2bレンズ群G2bとからなる。第2aレンズ群G2aは、フォーカシング時に光軸方向(像側)に移動するフォーカスレンズ群である。第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力の第4aレンズ群G4aと負の屈折力の第4bレンズ群G4bとからなる。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には絞りSが位置しており、この絞りSは、第2レンズ群G2と一体に移動する。Iは像面である。
【0022】
本実施形態のズームレンズ系は、全数値実施例1−9を通じて、図64の簡易移動図に示すように、短焦点距離端(Wide)から長焦点距離端(Tele)への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が増大し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が減少する。
第1レンズ群G1は、全数値実施例1−9を通じて、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、若干量だけ像側に移動する。なお、第1レンズ群G1は、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、物体側に移動する態様、あるいは中間焦点距離付近を境に往復運動する態様も可能である。
第2レンズ群G2および第4レンズ群G4は、全数値実施例1−9を通じて、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、単調に物体側に移動する(繰り出される)。第4レンズ群G4の移動量(繰り出し量)は、第2レンズ群G2の移動量(繰り出し量)よりも大きい。
【0023】
第3レンズ群G3は、図64の簡易移動図に破線で示すように、数値実施例1−3、5−7では、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、光軸方向に移動しない(像面Iに対して固定されている)。この態様によれば、変倍に伴う可動部を少なくすることで、鏡枠の機械構造を簡略化し、コストを抑えることができる。また、製造誤差の発生要因が減少するため実用上の光学性能を維持する上で有利となる。
第3レンズ群G3は、図64の簡易移動図に実線で示すように、数値実施例4、8、9では、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、一旦像側に移動してから短焦点距離端の位置を超えて若干量だけ物体側に移動する。この態様によれば、光学系の自由度が付加されるため、変倍に伴う収差変動を補正する点で有利である。なお、第3レンズ群G3の移動軌跡は、ここで例示した以外にも、像面湾曲等の補正のために適切な移動軌跡を選択することができる。
このように、変倍時の第3レンズ群G3の移動の有無に関わらず、本実施形態のズームレンズ系を適用することができる。
【0024】
第1レンズ群G1は、全数値実施例1−9を通じて、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた負レンズ)11、物体側に凸の負メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた負レンズ)12、両凹負レンズ13および両凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)14からなる。負メニスカスレンズ11は、ガラスレンズの像側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズからなる。
【0025】
第2aレンズ群G2aは、全数値実施例1−9を通じて、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)21、および物体側から順に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた負レンズ)22と両凸正レンズ23の接合レンズからなる。
【0026】
第2bレンズ群G2bは、全数値実施例1−9を通じて、両凸正レンズ24からなる。
【0027】
第3レンズ群G3は、全数値実施例1−9を通じて、物体側から順に、物体側から順に位置する両凹負レンズ31と両凸正レンズ32の接合レンズ、両凹負レンズ33、および物体側に凸の正メニスカスレンズ34からなる。
【0028】
第4aレンズ群G4aは、数値実施例1、2、5では、物体側から順に位置する両凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)41と両凹負レンズ42と両凸正レンズ43の3枚の接合レンズからなる。
第4aレンズ群G4aは、数値実施例3、4、6−9では、物体側から順に位置する物体側に凸の平凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)41と像側に凹の平凹負レンズ42と両凸正レンズ43の接合レンズからなる。
【0029】
第4bレンズ群G4bは、数値実施例1−5、7−9では、物体側から順に位置する両凹負レンズ44と両凸正レンズ45の接合レンズからなる。両凹負レンズ44は、ガラスレンズの物体側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズからなる。
第4bレンズ群G4bは、数値実施例6では、物体側から順に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズ44と両凸正レンズ45の接合レンズからなる。負メニスカスレンズ44は、ガラスレンズの物体側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズからなる。
【0030】
本実施形態のズームレンズ系では、第2レンズ群G2が主たる変倍作用を有し、第1レンズ群G1が変倍に伴う焦点位置の変動を補正し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4が変倍に伴う球面収差や像面湾曲などの収差変動を補正している。そして、このような役割を持つ各レンズ群G1〜G4の屈折力配置と変倍移動量を最適設定することで、焦点距離域、撮影距離域の全域にわたって収差変動を抑えた良好な光学性能を得ることに成功している。
【0031】
条件式(1)は、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際する第2レンズ群G2と第4レンズ群G4の光軸方向の移動量(像面Iに対する移動量)の比を規定している。本実施形態のズームレンズ系では、主たる変倍作用を有する第2レンズ群G2の移動量は勿論のこと、第3レンズ群G3の変倍移動量がゼロまたは微小であるため、変倍に伴う収差変動を補正する第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間の空気間隔変化、即ち、第4レンズ群G4の移動量を適切に設定することが重要となる。条件式(1)を満足するように第2レンズ群G2と第4レンズ群G4の変倍移動量の比を設定することで、変倍に伴う像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。
条件式(1)の上限を超えると、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。また光学系の全長が増大し、周辺光量を確保するために、第1レンズ群G1の有効径と重量が増大し、コストアップにつながるため好ましくない。
条件式(1)の下限を超えると、光学系の全長の短縮には有利であるが、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。
【0032】
条件式(2)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の焦点距離の比を規定している。条件式(2)を満足することで、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の屈折力の配置を適切に設定し、変倍時の像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。
条件式(2)の上限を超えると、光学系の全長の短縮には有利であるが、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。
条件式(2)の下限を超えると、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。また光学系の全長が増大し、光量を確保するために、第1レンズ群G1の有効径と重量が増大し、コストアップにつながるため好ましくない。
【0033】
条件式(3)は、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3の焦点距離の比を規定している。条件式(3)を満足することで、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3の屈折力の配置を適切に設定し、変倍時の像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。
条件式(3)の上限を超えると、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。また光学系の全長が増大し、光量を確保するために、第1レンズ群G1の有効径と重量が増大し、コストアップにつながるため好ましくない。
条件式(3)の下限を超えると、光学系の全長の短縮には有利であるが、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。
【0034】
条件式(4)は、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4の焦点距離の比を規定している。条件式(4)を満足することで、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4の屈折力の配置を適切に設定し、変倍時の像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。
条件式(4)の上限を超えると、光学系の全長の短縮には有利であるが、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。
条件式(4)の下限を超えると、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。また光学系の全長が増大し、光量を確保するために、第1レンズ群G1の有効径と重量が増大し、コストアップにつながるため好ましくない。
【0035】
条件式(2)、(3)および(4)を同時に満足することで、各レンズ群G1〜G4の屈折力の配置を最適設定し、より一層、変倍時の像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。
【0036】
上述したように、本実施形態のズームレンズ系は、第2レンズ群G2を、物体側から順に、正の屈折力の第2aレンズ群G2aと正の屈折力の第2bレンズ群G2bとから構成し、第2aレンズ群G2aを、フォーカシング時に光軸方向(像側)に移動するフォーカスレンズ群としている。フォーカスレンズ群である第2aレンズ群G2aの屈折力と構成を適切に設定することで、無限遠から近距離にわたる収差変動を抑え、良好な光学性能を得ることができる。
【0037】
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正レンズ21、および物体側から順に位置する物体側に凸面を向けた負レンズ22と正レンズ23の接合レンズからなる。正レンズ21の両面および負レンズ22の物体側面を、絞りSに対して所謂コンセントリックな配置とすることで、コマ収差、非点収差などの軸外収差の発生を抑えることができる。また、第2aレンズ群G2aの最も物体側の面で発生する球面収差は、負レンズ22と正レンズ23とによって形成される物体側に凸の接合面によって補正することができる。
【0038】
条件式(5)および(6)は、フォーカスレンズ群である第2aレンズ群G2aの横倍率と、第2aレンズ群G2a以降のレンズ群(第2bレンズ群G2b、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4)の合成横倍率とによって決まる、所謂ピント感度を規定している。条件式(5)または(6)を満足することで、適切なフォーカスレンズ群の移動量を設定し、また合焦に伴うコマ収差、色収差の変動を抑えることができる。
条件式(5)または(6)の上限を超えると、ピント感度が小さくなるため、合焦に伴うフォーカスレンズ群の移動量が増大し、オートフォーカス機構への負担が大きくなるので好ましくない。また、近距離合焦時の短焦点距離端と長焦点距離端とのフォーカスレンズ群の移動量の差が大きくなるため、近距離撮影での変倍に伴う焦点位置変動が大きくなってしまい実用上好ましくない。
条件式(5)または(6)の下限を超えると、フォーカスレンズ群の移動によるコマ収差、軸上色収差、倍率色収差の変動が大きくなり、高い光学性能を得ることが難しくなる。
【0039】
条件式(5)および(6)を同時に満足することで、より一層、適切なフォーカスレンズ群の移動量を設定し、また合焦に伴うコマ収差、色収差の変動を抑えることができる。但し、条件式(5)および(6)は必ずしも同時に満足する必要は無く(両条件式は一体不可分ではなく)、条件式(5)および(6)のいずれか一方を満足するズームレンズ系であっても、一定の作用効果を得ることができ、本発明に係るズームレンズ系の技術的範囲に含まれ得る。
【0040】
上述したように、本実施形態のズームレンズ系は、第4レンズ群G4を、物体側から順に、正の屈折力の第4aレンズ群G4aと負の屈折力の第4bレンズ群G4bとから構成し、第4aレンズ群G4aを、物体側から順に位置する、物体側に凸面を向けた正レンズ41、負レンズ42および両凸正レンズ43の3枚の接合レンズから構成している。
【0041】
第4レンズ群G4によって、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3で発生した軸上色収差、倍率色収差を良好に補正することで、高い光学性能が得られる。色収差補正のために低屈折率低分散材料を用いると、球面収差やコマ収差などの補正が難しくなるが、本実施形態のように第4aレンズ群G4aを3枚のレンズ41、42、43の3枚の接合レンズとすることで、色収差補正とともに、接合面による高次の球面収差やコマ収差の補正の自由度を付加することができる。
【0042】
条件式(7)は、第4aレンズ群G4a中の正レンズ41、43のd線に対するアッベ数の平均値と、第4aレンズ群G4a中の負レンズ42のd線に対するアッベ数との差を規定している。条件式(7)を満足することで、軸上色収差、倍率色収差を良好に補正することができる。
条件式(7)の上限を超えても、下限を超えても、変倍に伴う色収差の変動を抑えることが難しくなる。
【0043】
条件式(8)および(9)は、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4の横倍率の比を規定している。条件式(8)または(9)を満足することで、変倍に伴う像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。
条件式(8)または(9)の上限を超えると、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。また光学系の全長が増大し、光量を確保するために、第1レンズ群G1の有効径と重量が増大し、コストアップにつながるため好ましくない。
条件式(8)または(9)の下限を超えると、光学系の全長の短縮には有利であるが、変倍に伴う像面湾曲の変動を補正することが難しくなる。
【0044】
条件式(8)および(9)を同時に満足することで、より一層、変倍に伴う像面湾曲の変動を抑えて良好な光学性能を得ることができる。但し、条件式(8)および(9)は必ずしも同時に満足する必要は無く(両条件式は一体不可分ではなく)、条件式(8)および(9)のいずれか一方を満足するズームレンズ系であっても、一定の作用効果を得ることができ、本発明に係るズームレンズ系の技術的範囲に含まれ得る。
【0045】
上述したように、本実施形態のズームレンズ系は、第1レンズ群G1を、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ11、物体側に凸面を向けた負レンズ12、両凹負レンズ13および物体側に凸面を向けた正レンズ14から構成している。
【0046】
本実施形態のズームレンズ系では、第1レンズ群G1で発生する歪曲収差と倍率色収差の補正を良好に行うことが、レンズ全系の歪曲収差と倍率色収差の補正を行う上で効果的である。負レンズ11と負レンズ12を物体側に凸とすることで歪曲収差の発生を抑えることができる。正レンズ14により、第1レンズG1、第2レンズG2および第3レンズG3で発生する球面収差、軸上色収差、倍率色収差、像面湾曲を補正することができる。
【0047】
条件式(10)は、第1レンズ群G1中の最も像側に位置する正レンズ14のg線、F線の部分分散比を規定している。条件式(10)を満足することで、軸上色収差と倍率色収差色、特に2次スペクトルを良好に抑えることができる。
条件式(10)の上限を超えると、倍率色収差が補正過剰となり、特に長焦点距離端の軸上色収差が補正不足となる。
条件式(10)の下限を超えると、長焦点距離端の倍率色収差が補正過剰となる。
【実施例】
【0048】
次に具体的な数値実施例1−9を示す。諸収差図及び横収差図並びに表中において、d線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB はバックフォーカス、Lはレンズ全長、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線に対する屈折率、ν(d)はd線に対するアッベ数を示す。Fナンバー、焦点距離、半画角、像高、バックフォーカス、レンズ全長及び変倍に伴って間隔が変化するレンズ間隔dは、短焦点距離端−中間焦点距離−長焦点距離端の順に示している。長さの単位は[mm]である。
回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数、xはサグ量)
【0049】
[数値実施例1]
図1図7と表1〜表4は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例1を示している。図1は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図2図3は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図4図5は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図6図7は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表1は面データ、表2は非球面データ、表3は各種データ、表4はズームレンズ群データである。
【0050】
本数値実施例1のズームレンズ系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2、負の屈折力の第3レンズ群G3および正の屈折力の第4レンズ群G4からなる。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には絞りSが位置しており、この絞りSは、第2レンズ群G2と一体に移動する。
【0051】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた負レンズ)11、物体側に凸の負メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた負レンズ)12、両凹負レンズ13および両凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)14からなる。負メニスカスレンズ11は、ガラスレンズの像側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズからなる。
【0052】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力の第2aレンズ群G2aと正の屈折力の第2bレンズ群G2bとからなる。第2aレンズ群G2aは、フォーカシング時に光軸方向(像側)に移動するフォーカスレンズ群である。
第2aレンズ群G2aは、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)21、および物体側から順に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズ(物体側に凸面を向けた負レンズ)22と両凸正レンズ23の接合レンズからなる。
第2bレンズ群G2bは、両凸正レンズ24からなる。
【0053】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側から順に位置する両凹負レンズ31と両凸正レンズ32の接合レンズ、両凹負レンズ33、および物体側に凸の正メニスカスレンズ34からなる。
【0054】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力の第4aレンズ群G4aと負の屈折力の第4bレンズ群G4bとからなる。
第4aレンズ群G4aは、物体側から順に位置する両凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)41と両凹負レンズ42と両凸正レンズ43の3枚の接合レンズからなる。
第4bレンズ群G4bは、物体側から順に位置する両凹負レンズ44と両凸正レンズ45の接合レンズからなる。両凹負レンズ44は、ガラスレンズの物体側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズからなる。
【0055】
(表1)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 67.727 2.450 1.77250 49.6
2 27.200 0.220 1.52972 42.7
3* 23.089 7.830
4 51.924 1.650 1.78800 47.4
5 29.458 9.410
6 -81.490 2.200 1.60300 65.5
7 48.108 5.890
8 53.263 8.830 1.56732 42.8
9 -124.700 d9
10 53.667 3.820 1.56732 42.8
11 233.446 2.180
12 136.379 1.500 1.80000 29.9
13 28.377 6.770 1.58144 40.7
14 -144.954 6.288
15 80.815 3.550 1.49700 81.6
16 -129.303 1.680
17絞 ∞ d17
18 -105.215 1.500 1.83481 42.7
19 29.032 4.520 1.72047 34.7
20 -104.092 1.270
21 -185.193 1.500 1.83400 37.2
22 79.688 0.830
23 65.796 2.170 1.80518 25.4
24 191.711 d24
25 35.493 5.480 1.83400 37.2
26 -5000.000 1.500 1.80440 39.6
27 21.950 11.710 1.49700 81.6
28 -55.545 0.860
29* -3241.954 0.200 1.52972 42.7
30 -3241.954 1.500 1.83400 37.2
31 34.353 7.590 1.48749 70.2
32 -95.291 -
(表2)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2782E-05 -0.1128E-09 0.2056E-12 -0.1990E-14
29 0.000 -0.3454E-05 0.9235E-09 -0.1297E-11 0.3435E-13
(表3)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 45.2 38.8 32.2
Y 27.80 27.80 27.80
fB 65.91 73.50 82.88
L 222.37 218.13 217.99
d9 23.915 14.684 7.308
d17 4.860 9.856 17.084
d24 22.782 15.198 5.820
(表4)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -30.12
2 10 53.78
3 18 -84.25
4 25 72.81
【0056】
[数値実施例2]
図8図14と表5〜表8は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例2を示している。図8は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図9図10は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図11図12は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図13図14は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表5は面データ、表6は非球面データ、表7は各種データ、表8はズームレンズ群データである。
【0057】
この数値実施例2のレンズ構成は、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
【0058】
(表5)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 67.355 2.500 1.81600 46.6
2 27.200 0.280 1.52972 42.7
3* 23.051 8.470
4 62.399 1.650 1.67790 55.3
5 31.542 9.360
6 -84.472 2.000 1.61800 63.4
7 45.529 5.190
8 52.133 9.020 1.56732 42.8
9 -114.250 d9
10 60.175 3.410 1.72047 34.7
11 117.772 2.270
12 93.013 1.500 1.80000 29.9
13 29.802 6.540 1.54814 45.8
14 -171.675 6.333
15 70.653 3.890 1.48749 70.2
16 -113.044 1.550
17絞 ∞ d17
18 -135.180 1.500 1.83400 37.2
19 30.999 4.430 1.69895 30.1
20 -111.532 1.350
21 -161.160 1.500 1.83400 37.2
22 105.416 0.850
23 81.455 2.050 1.80518 25.4
24 225.817 d24
25 34.900 5.590 1.69680 55.5
26 -3000.000 1.500 1.75500 52.3
27 21.950 11.980 1.49700 81.6
28 -52.568 0.750
29* -4804.554 0.200 1.52972 42.7
30 -4804.554 1.500 1.83400 37.2
31 36.559 7.270 1.48749 70.2
32 -105.169 -
(表6)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2577E-05 -0.4243E-09 0.7278E-12 -0.2727E-14
29 0.000 -0.3493E-05 0.1287E-08 -0.4405E-11 0.4233E-13
(表7)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 45.3 38.9 32.3
Y 27.80 27.80 27.80
fB 66.85 74.86 84.74
L 224.70 220.21 219.82
d9 24.943 15.416 7.739
d17 4.760 9.800 17.090
d24 23.709 15.706 5.820
(表8)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.38
2 10 53.37
3 18 -90.51
4 25 77.86
【0059】
[数値実施例3]
図15図21と表9〜表12は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例3を示している。図15は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図16図17は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図18図19は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図20図21は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表9は面データ、表10は非球面データ、表11は各種データ、表12はズームレンズ群データである。
【0060】
この数値実施例3のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1、2のレンズ構成と同様である。
(1)第4aレンズ群G4aにおいて、正レンズ41が物体側に凸の平凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)からなり、負レンズ42が像側に凹の平凹負レンズからなる。
【0061】
(表9)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 69.638 2.410 1.77250 49.6
2 27.200 0.200 1.52972 42.7
3* 22.964 8.690
4 63.383 1.650 1.72916 54.7
5 31.189 9.410
6 -91.673 2.200 1.61800 63.4
7 45.953 5.160
8 52.898 8.330 1.61340 44.3
9 -134.937 d9
10 57.220 3.520 1.58144 40.7
11 185.088 2.300
12 136.444 1.500 1.80000 29.9
13 28.661 6.670 1.59551 39.2
14 -171.854 6.401
15 72.184 3.830 1.49700 81.6
16 -115.495 1.570
17絞 ∞ d17
18 -91.231 1.500 1.81600 46.6
19 35.110 4.540 1.65412 39.7
20 -71.436 1.040
21 -155.405 1.500 1.83400 37.2
22 71.692 0.940
23 66.334 2.680 1.80518 25.4
24 418.671 d24
25 34.105 5.650 1.80610 40.9
26 ∞ 1.500 1.83481 42.7
27 21.976 11.610 1.49700 81.6
28 -55.278 0.960
29* -3249.477 0.200 1.52972 42.7
30 -3249.477 1.760 1.83400 37.2
31 35.047 7.410 1.48749 70.2
32 -100.056 -
(表10)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2805E-05 -0.3972E-09 0.7407E-12 -0.2875E-14
29 0.000 -0.3223E-05 0.1193E-08 -0.2836E-11 0.3893E-13
(表11)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 45.3 38.9 32.3
Y 27.80 27.80 27.80
fB 66.45 74.64 84.68
L 225.61 220.71 219.94
d9 24.966 15.369 7.671
d17 5.023 9.721 16.645
d24 24.042 15.855 5.816
(表12)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.60
2 10 53.52
3 18 -91.20
4 25 78.43
【0062】
[数値実施例4]
図22図28と表13〜表16は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例4を示している。図22は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図23図24は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図25図26は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図27図28は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表13は面データ、表14は非球面データ、表15は各種データ、表16はズームレンズ群データである。
【0063】
この数値実施例4のレンズ構成は、数値実施例3のレンズ構成と同様である。
【0064】
(表13)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 65.358 2.530 1.81600 46.6
2 27.200 0.200 1.52972 42.7
3* 22.966 7.560
4 50.109 1.650 1.77250 49.6
5 28.613 10.500
6 -79.656 2.500 1.64000 60.1
7 49.679 5.570
8 55.019 8.850 1.59551 39.2
9 -121.594 d9
10 63.182 4.000 1.62588 35.7
11 157.222 2.670
12 97.531 1.730 1.80518 25.4
13 28.966 6.850 1.60342 38.0
14 -134.949 5.847
15 82.219 3.430 1.49700 81.6
16 -165.107 1.730
17絞 ∞ d17
18 -87.197 1.500 1.83481 42.7
19 38.016 4.540 1.63980 34.5
20 -65.237 0.800
21 -174.206 1.500 1.80100 35.0
22 74.279 0.890
23 65.982 2.190 1.80518 25.4
24 229.516 d24
25 33.851 5.650 1.80610 33.3
26 ∞ 1.500 1.83400 37.2
27 22.014 11.520 1.49700 81.6
28 -58.817 0.750
29* -4773.318 0.200 1.52972 42.7
30 -4773.318 1.500 1.83400 37.2
31 34.332 7.590 1.48749 70.2
32 -87.843 -
(表14)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2739E-05 -0.5024E-09 0.8817E-13 -0.2066E-14
29 0.000 -0.2973E-05 0.6725E-09 -0.1170E-11 0.3312E-13
(表15)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.54
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 44.06
W 45.3 38.9 32.3
Y 27.80 27.80 27.80
fB 66.07 74.19 85.94
L 225.28 219.75 219.27
d9 23.647 14.287 6.365
d17 5.361 10.056 15.408
d24 24.461 15.465 5.816
(表16)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.12
2 10 52.61
3 18 -87.85
4 25 77.37
【0065】
[数値実施例5]
図29図35と表17〜表20は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例5を示している。図29は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図30図31は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図32図33は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図34図35は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表17は面データ、表18は非球面データ、表19は各種データ、表20はズームレンズ群データである。
【0066】
この数値実施例5のレンズ構成は、数値実施例1、2のレンズ構成と同様である。
【0067】
(表17)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 64.035 2.050 1.81600 46.6
2 27.200 0.200 1.52972 42.7
3* 22.725 7.810
4 50.349 1.690 1.69680 55.5
5 28.771 10.290
6 -75.682 2.000 1.61800 63.4
7 47.104 6.030
8 55.387 8.410 1.56732 42.8
9 -115.424 d9
10 64.953 3.020 1.72825 28.5
11 137.231 2.450
12 125.689 1.500 1.80518 25.4
13 29.943 6.550 1.59270 35.3
14 -157.141 6.380
15 63.925 3.940 1.49700 81.6
16 -126.239 1.630
17絞 ∞ d17
18 -81.989 1.500 1.83481 42.7
19 35.152 4.870 1.63980 34.5
20 -56.288 0.730
21 -173.240 1.500 1.80100 35.0
22 73.769 0.870
23 63.476 2.400 1.69895 30.1
24 317.385 d24
25 35.772 6.550 1.65160 58.5
26 -2500.000 1.530 1.72916 54.7
27 21.950 12.150 1.49700 81.6
28 -50.109 0.750
29* -4801.325 0.300 1.52972 42.7
30 -4801.325 1.590 1.83400 37.2
31 40.334 6.600 1.48749 70.2
32 -143.721 -
(表18)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2545E-05 -0.3779E-09 -0.1557E-12 -0.2334E-14
29 0.000 -0.3479E-05 0.1487E-08 -0.6826E-11 0.4835E-13
(表19)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 45.3 39.0 32.4
Y 27.80 27.80 27.80
fB 67.50 76.44 87.16
L 226.00 220.46 219.14
d9 22.663 12.979 5.314
d17 5.070 9.214 15.555
d24 25.477 16.534 5.820
(表20)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.01
2 10 52.54
3 18 -93.22
4 25 80.73
【0068】
[数値実施例6]
図36図42と表21〜表24は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例6を示している。図36は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図37図38は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図39図40は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図41図42は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表21は面データ、表22は非球面データ、表23は各種データ、表24はズームレンズ群データである。
【0069】
この数値実施例6のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1、2、5のレンズ構成と同様である。
(1)第4aレンズ群G4aにおいて、正レンズ41が物体側に凸の平凸正レンズ(物体側に凸面を向けた正レンズ)からなり、負レンズ42が像側に凹の平凹負レンズからなる。
(2)第4bレンズ群G4bにおいて、負レンズ44が物体側に凸の負メニスカスレンズからなる。この負メニスカスレンズ44は、ガラスレンズの物体側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズからなる。
【0070】
(表21)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 65.300 2.050 1.81600 46.6
2 27.500 0.200 1.52972 42.7
3* 23.026 7.580
4 50.032 1.650 1.72916 54.7
5 27.123 9.230
6 -119.300 2.000 1.72916 54.7
7 58.906 5.650
8 62.025 7.430 1.72047 34.7
9 -247.562 d9
10 74.635 3.800 1.61340 44.3
11 803.387 2.070
12 129.693 1.500 1.80000 29.9
13 28.740 6.080 1.60342 38.0
14 -678.444 6.519
15 59.735 3.830 1.48749 70.2
16 -95.576 1.580
17絞 ∞ d17
18 -79.495 1.500 1.83481 42.7
19 33.950 4.950 1.65412 39.7
20 -56.518 0.980
21 -254.800 1.500 1.83400 37.2
22 56.444 1.030
23 53.174 2.520 1.80518 25.4
24 209.861 d24
25 33.840 6.000 1.61800 63.4
26 ∞ 1.500 1.72916 54.7
27 21.950 12.160 1.49700 81.6
28 -54.079 0.750
29* 198.653 0.270 1.52972 42.7
30 198.653 2.100 1.83400 37.2
31 34.541 6.330 1.48749 70.2
32 -1261.416 -
(表22)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2736E-05 -0.1235E-08 0.2360E-12 -0.2427E-14
29 0.000 -0.3584E-05 0.2059E-08 -0.1162E-10 0.4874E-13
(表23)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 34.99 43.87
W 45.3 39.0 32.5
Y 27.80 27.80 27.80
fB 66.01 74.88 85.57
L 226.55 220.92 219.35
d9 27.248 17.502 9.675
d17 5.110 9.233 15.476
d24 25.420 16.550 5.870
(表24)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -28.86
2 10 52.18
3 18 -94.52
4 25 83.11
【0071】
[数値実施例7]
図43図49と表25〜表28は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例7を示している。図43は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図44図45は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図46図47は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図48図49は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表25は面データ、表26は非球面データ、表27は各種データ、表28はズームレンズ群データである。
【0072】
この数値実施例7のレンズ構成は、数値実施例3、4のレンズ構成と同様である。
【0073】
(表25)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 61.215 2.050 1.80400 46.6
2 27.200 0.200 1.52972 42.7
3* 22.791 7.420
4 48.604 1.650 1.75500 52.3
5 26.347 10.510
6 -78.561 1.800 1.61800 63.4
7 49.100 6.050
8 55.131 8.670 1.60562 43.7
9 -129.547 d9
10 55.088 4.360 1.54072 47.2
11 234.815 2.150
12 135.804 1.500 1.80000 29.9
13 28.463 7.030 1.59551 39.2
14 -139.912 6.058
15 70.833 3.730 1.49700 81.6
16 -141.899 1.710
17絞 ∞ d17
18 -93.730 1.500 1.83481 42.7
19 37.144 4.690 1.58144 40.7
20 -59.430 0.800
21 -168.561 1.500 1.83481 42.7
22 62.147 0.940
23 59.027 2.500 1.80518 25.4
24 405.068 d24
25 34.602 6.820 1.80518 25.4
26 ∞ 1.500 1.80000 29.9
27 21.950 11.440 1.49700 81.6
28 -61.136 0.800
29* -3333.333 0.200 1.52972 42.7
30 -3333.333 1.500 1.80100 35.0
31 32.929 7.590 1.48749 70.2
32 -98.355 -
(表26)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2883E-05 -0.8451E-09 -0.3721E-12 -0.2515E-14
29 0.000 -0.3131E-05 -0.4836E-09 0.2992E-11 0.1824E-13
(表27)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 45.3 39.0 32.5
Y 27.80 27.80 27.80
fB 67.22 76.18 86.57
L 225.43 219.73 218.29
d9 21.417 12.373 5.438
d17 4.960 8.299 13.793
d24 25.165 16.210 5.816
(表28)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.21
2 10 52.18
3 18 -80.91
4 25 73.91
【0074】
[数値実施例8]
図50図56と表29〜表32は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例8を示している。図50は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図51図52は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図53図54は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図55図56は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表29は面データ、表30は非球面データ、表31は各種データ、表32はズームレンズ群データである。
【0075】
この数値実施例8のレンズ構成は、数値実施例3、4、7のレンズ構成と同様である。
【0076】
(表29)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 62.732 2.060 1.79952 42.2
2 27.200 0.200 1.52972 42.7
3* 22.431 7.590
4 44.393 1.650 1.81600 46.6
5 25.367 13.400
6 -86.316 2.000 1.67790 55.3
7 53.947 4.950
8 55.435 7.130 1.63980 34.5
9 -149.495 d9
10 83.857 3.200 1.67270 32.1
11 327.659 1.100
12 69.229 2.290 1.80518 25.4
13 28.168 7.590 1.58144 40.7
14 -184.840 5.270
15 84.318 3.780 1.49700 81.6
16 -141.779 1.710
17絞 ∞ d17
18 -187.069 1.500 1.83481 42.7
19 34.987 4.610 1.53172 48.9
20 -76.198 0.800
21 -168.600 1.500 1.83481 42.7
22 54.034 0.970
23 53.321 2.430 1.80518 25.4
24 545.285 d24
25 34.169 5.590 1.80000 29.9
26 ∞ 1.500 1.80100 35.0
27 22.167 11.180 1.49700 81.6
28 -70.031 0.750
29* -3178.150 0.300 1.52972 42.7
30 -3178.150 2.610 1.83400 37.2
31 31.757 8.180 1.49700 81.6
32 -76.901 -
(表30)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2715E-05 -0.1463E-08 -0.5046E-12 -0.3263E-14
29 0.000 -0.2635E-05 0.3314E-09 -0.1586E-12 0.2446E-13
(表31)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 44.8 38.8 32.4
Y 27.80 27.80 27.80
fB 65.85 74.57 87.31
L 225.83 219.02 218.63
d9 22.758 14.335 7.301
d17 4.900 8.723 12.368
d24 26.474 15.558 5.816
(表32)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -27.09
2 10 49.01
3 18 -79.02
4 25 76.59
【0077】
[数値実施例9]
図57図63と表33〜表36は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例9を示している。図57は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。図58図59は短焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図60図61は中間焦点距離における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図、図62図63は長焦点距離端における無限遠合焦時の諸収差図と横収差図である。表33は面データ、表34は非球面データ、表35は各種データ、表36はズームレンズ群データである。
【0078】
この数値実施例9のレンズ構成は、数値実施例3、4、7、8のレンズ構成と同様である。
【0079】
(表33)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 61.615 2.050 1.79952 42.2
2 27.200 0.200 1.52972 42.7
3* 22.385 7.820
4 43.680 1.650 1.80440 39.6
5 24.960 13.450
6 -86.610 2.200 1.67790 55.3
7 51.905 4.790
8 54.398 7.390 1.66680 33.0
9 -177.664 d9
10 84.841 3.200 1.72151 29.2
11 314.128 1.550
12 65.840 1.500 1.80518 25.4
13 27.531 7.410 1.58144 40.7
14 -201.077 5.166
15 83.879 3.580 1.49700 81.6
16 -148.056 1.720
17絞 ∞ d17
18 -523.319 1.500 1.83481 42.7
19 32.613 4.600 1.51742 52.4
20 -90.712 0.700
21 -151.265 1.500 1.83481 42.7
22 51.464 0.960
23 50.433 2.530 1.78472 25.7
24 607.345 d24
25 33.569 5.650 1.80000 29.9
26 ∞ 1.500 1.80100 35.0
27 21.950 11.320 1.49700 81.6
28 -78.126 0.810
29* -2089.969 0.200 1.52972 42.7
30 -2089.969 2.230 1.83400 37.2
31 31.062 8.500 1.49700 81.6
32 -67.070 -
(表34)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 -1.000 0.2709E-05 -0.1514E-08 -0.6028E-12 -0.3340E-14
29 0.000 -0.2632E-05 0.4566E-09 0.3709E-12 0.2249E-13
(表35)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.53
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 28.70 35.00 43.87
W 44.6 38.7 32.4
Y 27.80 27.80 27.80
fB 65.85 74.81 87.85
L 224.85 217.85 217.68
d9 22.070 13.879 7.038
d17 4.470 8.004 11.297
d24 26.778 15.481 5.820
(表36)
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -26.74
2 10 48.34
3 18 -77.81
4 25 75.96
【0080】
各数値実施例の各条件式に対する値を表37に示す。
(表37)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) 1.388 1.451 1.568
条件式(2) -1.79 -1.82 -1.81
条件式(3) 2.80 3.08 3.08
条件式(4) -2.42 -2.65 -2.65
条件式(5) -0.90 -0.92 -0.91
条件式(6) -1.99 -1.97 -1.93
条件式(7) 19.8 16.2 18.5
条件式(8) 7.5 13.4 12.4
条件式(9) 4.91 6.11 5.92
条件式(10) 0.573 0.573 0.563
実施例4 実施例5 実施例6
条件式(1) 1.763 1.875 1.886
条件式(2) -1.81 -1.81 -1.81
条件式(3) 3.02 3.21 3.28
条件式(4) -2.66 -2.78 -2.88
条件式(5) -0.98 -0.94 -0.89
条件式(6) -2.22 -1.97 -1.79
条件式(7) 20.3 15.4 17.8
条件式(8) 12.1 17.5 32.0
条件式(9) 5.47 6.31 6.96
条件式(10) 0.580 0.573 0.583
実施例7 実施例8 実施例9
条件式(1) 2.191 2.596 2.797
条件式(2) -1.79 -1.81 -1.81
条件式(3) 2.77 2.92 2.91
条件式(4) -2.53 -2.83 -2.84
条件式(5) -0.95 -1.12 -1.16
条件式(6) -2.10 -2.58 -2.66
条件式(7) 23.7 20.7 20.7
条件式(8) 6.6 9.7 9.3
条件式(9) 4.24 4.58 4.44
条件式(10) 0.572 0.592 0.596
【0081】
表37から明らかなように、数値実施例1〜9は、条件式(1)〜(10)を満足しており、諸収差図及び横収差図から明らかなように諸収差及び横収差は比較的よく補正されている。
【0082】
本発明の特許請求の範囲に含まれるズームレンズ系に、実質的なパワーを有さないレンズまたはレンズ群を追加したとしても、本発明の技術的範囲に含まれる(本発明の技術的範囲を回避したことにはならない)。
【符号の説明】
【0083】
G1 負の屈折力の第1レンズ群
11 負レンズ
12 負レンズ
13 負レンズ
14 正レンズ
G2 正の屈折力の第2レンズ群
G2a 正の屈折力の第2aレンズ群
21 正レンズ
22 負レンズ
23 正レンズ
G2b 正の屈折力の第2bレンズ群
24 正レンズ
G3 負の屈折力の第3レンズ群
31 負レンズ
32 正レンズ
33 負レンズ
34 正レンズ
G4 正の屈折力の第4レンズ群
G4a 正の屈折力の第4aレンズ群
41 正レンズ
42 負レンズ
43 正レンズ
G4b 負の屈折力の第4bレンズ群
44 負レンズ
45 正レンズ
S 絞り
I 像面
図1
図2
図3
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図5
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図35
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図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
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図49
図50
図51
図52
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図60
図61
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