(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221651
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】スイングアーム
(51)【国際特許分類】
B62K 25/20 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
B62K25/20
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-231793(P2013-231793)
(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公開番号】特開2015-91682(P2015-91682A)
(43)【公開日】2015年5月14日
【審査請求日】2016年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】河田 晃一郎
【審査官】
岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−161188(JP,U)
【文献】
特公平07−088195(JP,B2)
【文献】
特開平02−256583(JP,A)
【文献】
特開平02−193791(JP,A)
【文献】
特開2003−002274(JP,A)
【文献】
特開昭63−038089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車の車体フレームに揺動可能に連結されて後輪を支持するスイングアームにおいて、
前記車体フレームに軸部材を介して連結される基部と、この基部から後方に延びて前記後輪を車幅方向から挟むように位置する左右一対の後アーム部と、各後アーム部の後端部にそれぞれ設けられ、前記後輪を回転自在に支持する一対のブラケット部とを含み、
前記各ブラケット部は、前記後輪の車軸が貫通する穴と、当該穴を囲う領域に形成されて前後方向に延びる締結面と、前記後アーム部の外周面に連接して位置する外部形成面とを備えた形状をなし、
前記外部形成面は、前記後アーム部の延在方向の延長線上を延びる形状に設けられ、
前記外部形成面の車幅方向内側面は、上面視で前記穴の形成領域を含んで前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成され、
前記各後アーム部は、上面視で車幅方向外方に膨らむ方向に延在し、その車幅方向内側面は、前記外部形成面の前側にて前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成されていることを特徴とするスイングアーム。
【請求項2】
前記外部形成面の車幅方向内側面は、上面視で前記後輪の車軸よりも後方の位置から、前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイングアーム。
【請求項3】
前記外部形成面の車幅方向内側面は、上面視で前記ブラケット部の後端から、前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイングアーム。
【請求項4】
前記基部は、車幅方向に延びるピボット部と、前記ピボット部から後方へ延びる左右一対の前アーム部と、前記左右の前アーム部の後方に位置して前記左右の前アームを連結するクロス部とが設けられ、
前記各後アーム部の上面視での車幅方向内側面の離間幅は、前記クロス部後部と前記締結面との前後方向中央位置付近で最大に形成され、
前記各後アーム部前方の車幅方向内面から前記基部に跨る領域は、上面視で湾曲した形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のスイングアーム。
【請求項5】
前記各後アーム部前方の車幅方向外面から前記基部前方に跨る領域は、上面視で車幅方向内方に凹むように湾曲した形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスイングアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車のスイングアームに関し、特に、後輪を挟んで位置する後アーム部の応力集中を緩和することができるスイングアームに関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のスイングアームとして、前端側で車体フレームに揺動可能に連結され、後端側で後輪を回転可能に支持する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のスイングアームは、軸を介して車体フレームに連結される基部と、この基部から後方に延びて後輪を挟むように位置する左右一対のアーム部を備え、これらアーム部は、後端側で後輪の車軸を回転可能に支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−76612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスイングアームにおいては、各アーム部の後端側を含む部分の内面が車体中心線と平行に形成されている。このため、アーム部と基部とに跨る内側のコーナー部が上面視で円弧状に形成されるものの、その円弧の径寸法が後輪とアーム部とのクリアランスを確保するため小さくなるので、コーナー部に大きい応力が集中し易くなり、強度的に不利になるという問題がある。かかる問題は、車幅方向からの外力に対するアーム部の剛性を小さくすべく、アーム部の車幅方向幅を薄く形成した場合、特に顕出することとなる。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、車体フレームに連結される基部と、後輪を挟んで位置する後アーム部とに跨る領域において応力集中を緩和することができるスイングアームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイングアームは、自動二輪車の車体フレームに揺動可能に連結されて後輪を支持するスイングアームにおいて、前記車体フレームに軸部材を介して連結される基部と、この基部から後方に延びて前記後輪を車幅方向から挟むように位置する
左右一対の後アーム部と、各後アーム部の後端部にそれぞれ設けられ、前記後輪を回転自在に支持する一対のブラケット部とを含み、前記各ブラケット部は、前記後輪の車軸が貫通する穴と、当該穴を囲う領域に形成されて前後方向に延びる締結面と、前記後アーム部の外周面に連接して位置する外部形成面とを備えた形状をなし、
前記外部形成面は、前記後アーム部の延在方向の延長線上を延びる形状に設けられ、前記外部形成面の車幅方向内側面は、上面視で前記穴の形成領域
を含んで前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成され
、前記各後アーム部は、上面視で車幅方向外方に膨らむ方向に延在し、その車幅方向内側面は、前記外部形成面の前側にて前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、上面視で外部形成面の車幅方向内側面が前方に向かって車幅方向外方に傾斜する方向に形成されるので、ブラケット部に隣接する後アーム部の後部領域も、同様の傾斜方向に向けた設計を採用し易くすることができる。そして、各後アーム部の前端側では、基部と連結するため基部に向かって車幅方向内方に傾斜する設計も採り易くなり、各アーム部が車幅方向外方に膨らんだ形状を容易に形成することが可能となる。これにより、後アーム部と基部とに跨る内側のコーナー部を上面視円弧状に形成する場合、後アーム部と後輪とのクリアランスを確保しつつ当該円弧の寸法を上記の従来構造より大きく設定することができる。従って、後アーム部から基部に向かう方向での断面形状変化を滑らかにすることができ、後アーム部と基部とに跨る領域での応力集中を緩和することができる。しかも、この応力集中の緩和によって、後アーム部の車幅方向幅を薄くでき、車幅方向からの外力に対する後アーム部の剛性を小さくすることができる。
【0008】
また、本発明の上記スイングアームにおいて、前記外部形成面の車幅方向内側面は、上面視で前記後輪の車軸よりも後方の位置或いは前記ブラケット部の後端から、前方に向かって車幅方向外方に傾斜して形成されているとよい。また、本発明の上記スイングアームにおいて、
前記基部は、車幅方向に延びるピボット部と、前記ピボット部から後方へ延びる左右一対の前アーム部と、前記左右の前アーム部の後方に位置して前記左右の前アームを連結するクロス部とが設けられ、前記各後アーム部の上面視での
車幅方向内側面の離間幅は、前記クロス部後部と前記締結面との前後方向中央位置付近で最大に形成され、前記各後アーム部前方の車幅方向内面から前記基部に跨る領域は、上面視で湾曲した形状に形成されている、という構成としてもよい。この構成では、後アーム部と基部とに跨る内側領域で湾曲形状とされた部分の曲率を小さくすることができ、当該内側領域の応力集中を良好に緩和することができる。
【0009】
更に、本発明の上記スイングアームにおいて、前記各後アーム部前方の車幅方向外面から前記基部前方に跨る領域は、上面視で車幅方向内方に凹むように湾曲した形状に形成されてもよい。この構成によれば、後アーム部と基部とに跨る外側領域での応力集中を緩和することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスイングアームによれば、車体フレームに連結される基部と、後輪を挟んで位置する後アーム部とに跨る領域において応力集中を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
【
図2】本実施の形態に係るスイングアームの左側面図である。
【
図3】本実施の形態に係るスイングアームの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明のスイングアームをオンロードタイプの自動二輪車に適用した例について説明するが、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、本発明のスイングアームを、他のタイプの自動二輪車にも適用可能である。
【0013】
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車全体の概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る自動二輪車10の左側面図である。なお、以下の説明においては、
図1に示すように、前方を矢印FR、後方を矢印REで示し、左方を
図1中紙面直交方向手前側、右方を
図1中紙面直交方向奥行側で示す。
【0014】
図1に示すように、自動二輪車10は、パワーユニット、電装系等の各部を搭載する鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム11を備えている。車体フレーム11のメインフレーム12は、前端部に位置するヘッドパイプ(不図示)から後方に向けて左右に分岐し、斜め下方に延在している。メインフレーム12の後端側からは、スイングアームブラケット13が下方に向って延在している。
【0015】
メインフレーム12の下方には、エンジン懸架ブラケット(不図示)及びスイングアームブラケット13によってエンジン15が吊下げられるようにして搭載される。エンジン15は、例えば、並列4気筒エンジンと変速機とからなる。メインフレーム12の上方には、燃料タンク17が配置される。この燃料タンク17の後方には、ライダーシート19a及びピリオンシート19bが連設される。ライダーシート19a及びピリオンシート19bは、メインフレーム12の後部に接続された左右一対のシートレール20に支持されている。
【0016】
車体フレーム11の前端部には、ステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク22が回転可能に支持されている。ステアリングシャフトの上端部にはハンドルバー(不図示)が設けられており、ハンドルバーの両端部にはグリップ23が装着されている。フロントフォーク22の下部には、前輪25が回転可能に支持されている。前輪25にはブレーキディスク26が設けられている。
【0017】
車体フレーム11のスイングアームブラケット13には、スイングアーム30が上下方向に揺動可能に連結されており、車体フレーム11とスイングアーム30との間にはサスペンション(不図示)が取り付けられている。スイングアーム30の後部には、車幅方向に延びる車軸31を介して後輪32が回転可能に支持されている。後輪32の左側には、ドリブンスプロケット33が設けられており、ドライブチェーン34によってエンジン15の動力が後輪32に伝達されるよう構成されている。また、車体フレーム11等には、車体外装としてカウル36が設けられている。カウル36と車体フレーム11との間には、車体前方からエンジン15内に外気を取り込む隙間が形成されている。
【0018】
図2及び
図3を参照してスイングアーム30について説明する。
図2は、本実施の形態に係るスイングアームの左側面図である。
図3は、本実施の形態に係るスイングアームの平面図である。なお、
図2及び
図3において、車体前方を矢印FR、車体後方を矢印REでそれぞれ示し、
図3において、車体左側を矢印L、車体右側を矢印Rでそれぞれ示す。
【0019】
図2及び
図3に示すように、スイングアーム30は、スイングアームブラケット13(
図1参照)に軸部材としてのピボット軸40を介して連結される基部41と、この基部41から後方に延びる左右一対の後アーム部42と、各後アーム部42の後端部に設けられた左右一対のブラケット部43とを備えている。基部41及び後アーム部42は、本実施形態では、中空構造となるプレス成型品によって形成される。ブラケット部43は、鍛造又は鋳造品として一体的に製造される。
【0020】
基部41は、車幅方向に延びる円筒状のピボット部45を備え、ピボット部45の内部にピボット軸40が貫通している。ピボット部45の後方には、後方へ延びる左右一対の前アーム部46が連なって設けられ、各前アーム部46の後方には単一のクロス部47が連なって設けられている。従って、ピボット部45、左右の前アーム部46及びクロス部47で囲まれる位置には、上面視で上下方向に貫通する開口部48が形成され、基部41は、上面視で概略矩形の枠状に形成されている。
【0021】
各後アーム部42は、クロス部47から後輪32を挟むように後方へ延在している。また、各後アーム部42の側面における前方領域には、三角形に近似した形状をなす開口部50が形成され、この開口部50内にドライブチェーン34(
図1参照)が通過する。
【0022】
各ブラケット部43は、各後アーム部42の後端部に溶接によって連結されている。各ブラケット部43の後端側には、車軸31が貫通する穴52が形成され、穴52と後輪32のハブ(不図示)とに車軸31を挿入することで、各ブラケット部43に後輪32が回転自在に支持される。穴52は、上下方向より前後方向に長い長穴とされ、これにより、穴52内で車軸31を前後に変位して後輪32の前後位置を調整可能に設けられる。
【0023】
各ブラケット部43の左右両面において、穴52を囲う領域には締結面53が形成されている。締結面53は、上下及び前後方向に延びる平面と平行に向けられ、車軸31周りに装着される部品等が面接触される。また、各ブラケット部43は、後アーム部42の外周面に連接して位置する外部形成面55を備えている。外部形成面55は、ブラケット部43における締結面53以外の表出面を形成する。
【0024】
次に、
図2を参照して、スイングアーム30の上下幅について説明する。スイングアーム30の上下幅は、基部41と後アーム部42との結合部分となる前後方向中央付近で最大となり、当該中央から前方及び後方に向かって次第に小さくなるように形成されている。更に詳述すると、側面視で、スイングアーム30の下縁は、前後方向中央付近で円弧状に膨出し、この膨出した位置から前後両側から斜め上方に向かって傾斜する方向に延在した形状をなす。また、スイングアーム30の上縁は、前後方向に対して中央付近が若干上方に膨らんだ形状に形成されている。
【0025】
続いて、
図3を参照して、スイングアーム30及びこれを構成する基部41、後アーム部42及びブラケット部43の左右幅について説明する。
【0026】
各後アーム部42は、上面視で、クロス部47の後部47aから後方に延び、前後方向中間領域が後輪32と反対側となる車幅方向(左右方向)外方に膨らむように延在している。各後アーム部42の左右方向の厚みは、前端部から前後方向中央部に向かって次第に細くなり、当該中央部から後端部までの間は略同一に設定されている。各後アーム部42前方の車幅方向内面から基部41に跨る領域S1は、上面視で円弧状又は円弧に類似した曲線状に湾曲した形状に形成されている。また、左右の後アーム部42における上面視での離間幅は、クロス部47の後部47aと締結面55との前後方向中央位置Pの付近で最大に形成され、当該中央位置Pから前方及び後方に向かって次第に小さくなるように設定されている。
【0027】
各後アーム部42前方の車幅方向外面から基部41の前方に跨る領域S2は、上面視で車幅方向内方に凹む曲線状に湾曲した形状をなし、前アーム部46の後方で括れた形状に形成されている。従って、基部41から後アーム部42に亘る車幅方向外面は、上面視で、緩やかなS字状に形成されている。
【0028】
ブラケット部43において、外部形成面55における車幅方向(左右方向)内側及び外側の各面は、上面視で、穴52の形成領域側を含む後端から前方に向かって車幅方向外方に傾斜している。つまり、外部形成面55は、上面視で、
図3中矢印D方向に傾斜して延在し、後アーム部42の延在方向の延長線上を延びる形状に設けられている。
【0029】
以上のように、本実施の形態に係るスイングアーム30によれば、ブラケット部43の外部形成面55が前方に向かって車幅方向外方に傾斜するので、後アーム部42を上述のように外方に膨らむ湾曲した形状にする設計を容易に行うことができる。
【0030】
また、後アーム部42が車幅方向外方に膨らむ方向に延在するので、従来構造のようにアーム部の内面を前後方向に平行とする場合に比べ、
図3の領域S1での後輪32と後アーム部42とのクリアランスを確保しつつ、領域S1の円弧の径寸法を大きくしたり、曲線の曲率を小さくしたりすることができる。これにより、後アーム部42からクロス部47に向かう方向において、それらの断面形状変化が急激になることなく滑らかにすることができる。その結果、かかる領域で局所的に応力が増大して発生することを抑制することができ、スイングアーム30を耐久性、強度の観点から有利なものとすることができる。
【0031】
ここで、自動二輪車10においては、カーブを走行するため車体をバンクさせた際、路面からの衝撃を吸収するため、車幅方向からの外力に対する後アーム部42の剛性を小さくする要求がある。本実施の形態によれば、後アーム部42とクロス部47とに跨る領域での応力集中を緩和できるので、上記の要求に対し、後アーム部42の車幅方向幅を薄く形成することで容易に対応することが可能となる。
【0032】
更に、
図3の領域S2が湾曲形状とされ、且つ、後アーム部42の外周面に連続するよう連なって形成されるので、かかる領域での応力集中も緩和して強度向上を図ることができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0034】
例えば、上記実施の形態の基部41において、開口部48を形成しない構成に変更してもよい。また、穴52にあっては、長穴に限られるものでなく、円筒状の内周面となる穴としてもよい。
【0035】
更に、外部形成面55は、上面視で車幅方向内側面だけ上述した傾斜方向に形成し、車幅方向外側面は他の方向を向くように形成してもよい。但し、上記実施の形態のように形成した方が、応力集中緩和や軽量化等の観点から有利となる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係るスイングアームは、例えば、自動二輪車の後輪を車幅方向から挟むように位置する一対の後アーム部を備えたスイングアームに有用である。
【符号の説明】
【0037】
10 自動二輪車
11 車体フレーム
30 スイングアーム
31 車軸
32 後輪
40 ピボット軸(軸部材)
41 基部
42 後アーム部
43 ブラケット部
52 穴
53 締結面
55 外部形成面