(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モータジェネレータユニットへの電力供給時であっても、前記第2電源に蓄積された電力量が予め設定された余裕電力量より大きい場合は、前記第2開閉スイッチおよび前記第4開閉スイッチを閉状態にすることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
前記モータジェネレータユニットへの電力供給時であっても、前記第1電源に蓄積された電力量が予め設定された下限電力量より小さい場合は、前記第3開閉スイッチおよび前記第4開閉スイッチを閉状態にすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1、
図2は本発明の第1実施形態に係る車両用電源装置を示す図である。
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態に係る車両用電源装置を搭載する車両は、エンジン(内燃機関)を走行駆動源としており、予め設定された自動停止条件を満たした場合にエンジンを自動停止させ、予め設定した自動再始動条件を満たした場合にエンジンを自動再始動させる、アイドルストップ機能を有している。
【0020】
この車両のアイドルストップシステム20は、
図1に示すように、アイドルストップコントローラ21、エンジンコントローラ22、インジェクタ23、モータジェネレータユニット(MGU)24、ヒルホールドバルブ25、オイルポンプ26、メーター27、車両用電源装置10を備えて構築され、後述する各種のセンサ信号やSW信号に基づいてエンジンなどを統括制御することにより、上述のアイドルストップ機能を実現するようになっている。
【0021】
なお、この車両のエンジンは、オルタネータに替えてモータと発電機の機能を持つMGU24を備え、このMGU24により、エンジンの駆動をアシストするとともに減速回生時に発電を行って、エンジンの燃費向上を図っている。
エンジンコントローラ22は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを備え、予めメモリ内に格納されている各種制御プログラムに従って必要な燃料噴射をインジェクタ23にさせてエンジンの稼動制御を実行する。また、エンジンコントローラ22は、所定条件が揃ったアイドルストップ実行時にはアイドルストップコントローラ21からの指示に従ってその燃料噴射を停止させてエンジンを一時停止させる。このエンジンの停止制御時に、エンジンコントローラ22は、簡易かつ確実に再始動可能にピストン等の位置制御を行う。
【0022】
MGU24は、モータと発電機の機能に加え、供給される直流電力をモータの駆動のための交流電力に変換したり、発電機により発電した交流電力を充電のための直流電力に変換したりするインバータの機能も備えている。MGU24は、例えば、ベルトを介してエンジンのクランクシャフトに連結されており、電力の供給を受けてモータとして動作してエンジンの駆動をサポートするとともに、エンジンを駆動源として発電機として動作して車両用電源装置10内の第1、第2電源11、12に充電を行う。
【0023】
このMGU24は、エンジンコントローラ22からの制御指令により動作状態を、例えば、モータとして動作するモータ状態、発電機として動作する発電状態、発電を行わずエンジンと同じ回転をする無発電状態などに切り替えるようになっている。また、MGU24は、エンジンコントローラ22の制御により、エンジンの始動時に電力を供給され、エンジンのクランクシャフトを回転させてエンジンの始動を行うスタータとして機能するようになっている。
【0024】
ヒルホールドバルブ25は、アイドルストップ実行時などにブレーキ油圧の低下により坂道に停車する車両が下がってしまうことを防止するため、そのブレーキ油圧を保持するバルブである。このヒルホールドバルブ25は、アイドルストップコントローラ21の指示により、エンジンを再始動する際のエンジン再始動指示操作となる、ブレーキペダルからアクセルペダルへの踏み替え時におけるブレーキ油圧を保持する。
【0025】
オイルポンプ26は、アイドルストップ実行時などに電力供給を受けて駆動することにより各種動作に必要な油圧を確保するポンプであり、アイドルストップコントローラ21の指示により、エンジン停止時におけるブレーキ油圧などを確保する。
メーター27は、車両のインストルメントパネル内に埋め込まれて各種情報を報知する液晶パネルやブザー等で構成されており、アイドルストップコントローラ21の指示により、アイドルストップの実行前後の状態の表示、アイドルストップの実行制限の要因となる各部の異常等の報知、アイドルストップの実行中における各部の異常等の報知などを行う。
【0026】
車両用電源装置10は、例えば、鉛蓄電池からなる第1電源11と、ニッケル蓄電池やリチウム蓄電池等からなる第2電源12と、第2電源12の状態を管理するバッテリマネジメントユニット13と、第2電源12の接続先を切り替える電源切替スイッチ部14と、を備えて、メーター27やアイドルストップコントローラ21などの電気負荷28、29(
図2参照)やMGU24に電力を供給する。なお、第2電源12、バッテリマネジメントユニット13、電源切替スイッチ部14は、電池パック15内に納められている。
【0027】
バッテリマネジメントユニット13は、CPUやメモリなどを備え、予めメモリ内に格納されている各種制御プログラムに従って、第2電源12の電圧値、電流値から充電状態を検知し、過充電や過放電の状態にならないよう第2電源12の充電・放電を制御する。また、バッテリマネジメントユニット13は、アイドルストップコントローラ21に第2電源12の状態として電圧値、電流値などを通知するようになっている。
【0028】
電源切替スイッチ部14は、アイドルストップコントローラ21の指示などにより、後述するSW・リレー102〜104(
図2参照)を開閉(切断/接続)して、第2電源12の接続先を切り替えて、電気負荷29およびMGU24への給電を制御するようになっている。
アイドルストップコントローラ21は、CPUやメモリなどを備え、予めメモリ内に格納されている各種制御プログラムに従って、後述する各種のセンサ・SW31〜44が取得する各種情報に応じた信号の情報内容に基づいて、アイドルストップ実行条件やエンジンの再始動条件を満たすか否かを確認して、アイドルストップを実行するようになっている。
【0029】
これら各種センサ・SW31〜44としては、車両の走行速度をエンジンの駆動軸などの回転速度などから検出する車速センサ31と、アイドルストップの実行を回避するアイドルストップ禁止SW32と、ブレーキペダルが踏まれているか否かを検知するブレーキSW33と、ブレーキペダルが踏まれることにより発生するマスタシリンダ内のブレーキ液圧を検出するブレーキ圧センサ34と、エンジンの冷却水の水温を検出するエンジン水温センサ35と、エンジンの収容空間のフード(ボンネットともいう)による開閉を検知するエンジンフードSW36と、運転席におけるシートベルトの装着の有無を検知するシートベルトSW37と、運転席側のドアの開閉を検知する運転席ドアSW38と、自動変速装置におけるシフト位置がP(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、あるいは、D(ドライブ)レンジなどのいずれに位置しているかを検知するシフト位置センサ39と、アクセルペダルを踏まれることにより調整される車速の加減速操作を検出するアクセル開度センサ41と、第1電源11の液温を検出するバッテリ温度センサ42と、第1電源11の供給する電流値を検出するバッテリ電流センサ43と、第1電源11の蓄電電圧を検出するバッテリ電圧センサ44と、がアイドルストップコントローラ21に接続されている。
【0030】
アイドルストップコントローラ21は、次の条件を満たす(成立する)ときに、エンジンを再始動可能に停止させるアイドルストップを実行する。なお、この各種条件は、一例に過ぎず、適宜変更可能なことは言うまでもない(他の各種条件も同様)。
<アイドルストップ実行条件>
1.車速センサ31が検出する現在の車速が0km/hであること。
2.シフト位置センサ39が検出するシフトレンジがDレンジであること。
3.ブレーキSW33がブレーキペダルを踏まれていることを検知していること。
【0031】
また、アイドルストップコントローラ21は、次の条件のいずれか1つでも成立するときに、停止状態を維持するより始動させるほうが適切であるためエンジンを再始動させる。
<エンジン再始動条件>
1.シフト位置センサ39が検出するシフトレンジがDレンジ以外にシフトされていること。
2.ブレーキSW33がブレーキペダルの開放(踏まれていない状態)を検知していること。
【0032】
このようにして、アイドリングストップシステム20は、信号待ちなどで車両が停止した時にエンジンを停止して、エンジンの燃費向上を図ることができる。
本実施形態の車両用電源装置10は、車両の走行状態に応じて第1電源11および第2電源12の接続先を変えて、MGU24をモータとして駆動した際の影響を抑えて安定した電力供給を行うようになっている。
【0033】
図2に示すように、本実施形態の車両用電源装置10は、第1電源11と、第2電源12と、バッテリマネジメントユニット13と、電源切替スイッチ部14と、第1〜第3ヒューズ106〜108と、を備えていて、第1電気負荷28、第2電気負荷29、MGU24に電力を供給するとともに、MGU24からは減速回生により発電した電力を充電するようになっている。
【0034】
第2電気負荷29は、供給電力の電圧が概ね一定、または少なくとも所定範囲内で変動するよう安定であることが要求される電気負荷、例えば、メーター27、エンジンコントローラ22、オーディオ、ナビゲーションシステム、点火コイル、燃料ポンプなどの電気負荷である。
第1電気負荷28は、第2電気負荷29のように安定した電圧の供給が要求されない一般的な電気付加、例えば、ヘッドランプ、エアコンファン、ワイパーなどの電気負荷である。
【0035】
電源切替スイッチ部14は、電池パック15の外部と接続する4個の第1〜第4出力部16a〜16dと、ノーマリオープンの電池切替SW102およびメインリレー103と、ノーマリクローズのバイパスリレー104と、これらSW・リレー102〜104の開閉を制御する制御部101と、入力電圧が降圧しても一定電圧を出力するDCDCコンバータ105と、を備えている。なお、SW・リレー102〜104は、自身の両端子の間を接続する閉状態(オンまたはクローズともいう)と、自身の両端子の間を切断する開状態(オフまたはオープンともいう)と、を制御部101の制御により切替可能になっている。
【0036】
この電源切替スイッチ部14は、第2電源12の正極側の端子にメインリレー103が接続され、メインリレー103の第2電源12とは反対の端子が4つに分岐し、1つはバイパスリレー104を介して第1出力部16aに接続され、1つは電池切替SW102を介して第2出力部16bに接続され、1つは直接第3出力部16cに接続され、最後の1つはDCDCコンバータ105の入力端子に接続され、DCDCコンバータ105の出力端子は第4出力部16dに接続されている。
【0037】
第1出力部16aには、第1電源11が第2ヒューズ107を介して接続されている。第2出力部16bには、第1電源11が第3ヒューズ108を介して接続されている。第3出力部16cには、MGU24が接続されている。第4出力部16dには、第2電気負荷29が接続されている。
第1電気負荷28および第1ヒューズ106は直列に接続され、第1電気負荷28と第1ヒューズ106に直列接続の第1ヒューズ106側の端子は、第1電源11と、第2ヒューズ107および第3ヒューズ108と、を接続する電線に接続されている。
【0038】
すなわち、第1電源11と第2電気負荷とを接続する給電路に電池切替SW102を接続し、第2電源と第2電気負荷とを接続する給電路にメインリレー103を接続している。よって、電池切替SW102が第1開閉スイッチを、メインリレー103が第2開閉スイッチを構成している。
制御部101は、CPUやメモリなどを備え、予めメモリ内に格納されている各種制御プログラムに従って、アイドルストップコントローラ21からの指示などにより、電池切替SW102、メインリレー103、バイパスリレー104を開閉して、MGU24および第2電気負荷29へ給電する電源を切り替えるようになっている。
【0039】
アイドルストップコントローラ21は、上述した各種センサ・SW31〜44から受信した信号の情報内容に基づいて、車両の走行状態を検知し、その走行状態に応じて制御部101に指示を出して、電源切替スイッチ部14の状態を切り替える。
具体的には、アイドルストップコントローラ21は、例えば、MGU24によるエンジンの駆動のアシスト動作時などで、第2電源12のみで第2負荷29、MGU24に電力を供給する場合、以下の動作を制御部101に行わせる。
【0040】
制御部101は、電池切替SW102をオフ、メインリレー103をオン、バイパスリレー104をオープンとすると、第1電源11と、第1電気負荷28とを接続し、これとは別に、第2電源12と、第2電気負荷29と、MGU24とを接続した状態となる。
このとき、第2電源12と第2電気負荷29との間にDCDCコンバータ105を設けているため、MGU24の駆動により第2電源12の電圧が降下した場合でも、降下した電圧を昇圧して第2電気負荷29に供給することができる。
【0041】
したがって、第2電源12の出力を、MGU24と第2電気負荷29とに分岐させ、この分岐点と第2電気負荷29との間にDCDCコンバータ105を設けたため、MGU24の駆動により第2電源12の出力電圧が降下した場合でも、降下した電圧を昇圧して第2電気負荷29に供給することができ、第2電気負荷29に安定した電圧を供給することができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、
図3〜
図16は本発明の第2実施形態に係る車両用電源装置を示す図である。ここで、本実施形態は上述実施形態と略同様に構成されているので、図面を流用して同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
本実施形態の車両用電源装置10’は、MGU24によるエンジンの駆動のアシスト時には、MGU24へ給電する電源と、第2電気負荷29へ給電する電源と、を分けて、MGU24をモータとして駆動した際の影響を第2電気負荷29に与えないようになっている。
【0043】
図3に示すように、本実施形態の車両用電源装置10’は、第1電源11と、第2電源12と、バッテリマネジメントユニット13と、電源切替スイッチ部14’と、第1〜第4ヒューズ121〜124と、を備えている。
電源切替スイッチ部14’は、電池パック15の外部と接続する5個の第1〜第5出力部16a〜16eと、ノーマリオープンの第1電池切替SW112、第1メインリレー113、第2電池切替SW114および第2メインリレー115と、ノーマリクローズの第1バイパスリレー116および第2バイパスリレー117と、これらSW・リレー112〜117の開閉を制御する制御部111と、第5出力部16eに流れる電流を検出する第5出力部電流検出器118と、第4出力部16dに流れる電流を検出する第4出力部電流検出器119と、を備えている。なお、SW・リレー112〜117は、自身の両端子の間を接続する閉状態(オンまたはクローズともいう)と、自身の両端子の間を切断する開状態(オフまたはオープンともいう)と、を制御部111の制御により切替可能になっている。
【0044】
この電源切替スイッチ部14’は、第2電源12の正極側の端子が2つに分岐し、それぞれ第1メインリレー113と第2メインリレー115が接続されている。
第1メインリレー113の第2電源12とは反対側の端子は3つに分岐し、1つは第4出力部電流検出器119を介して第4出力部16dに接続され、もう1つは第1バイパスリレー116を介して第1出力部16aに接続され、最後の1つは第1電池切替SW112を介して第2出力部16bに接続されている。
【0045】
第2メインリレー115の第2電源12とは反対側の端子も3つに分岐し、1つは第5出力部電流検出器118を介して第5出力部16eに接続され、もう1つは第2バイパスリレー117を介して第3出力部16cに接続され、最後の1つは第2電池切替SW114を介して、第1電池切替SW112と第2出力部16bとの間に接続されている。
第1出力部16aには、第1電源11が第2ヒューズ122を介して接続されている。第2出力部16bには、第1電源11が第3ヒューズ123を介して接続されている。第3出力部16cには、第1電源11が第4ヒューズ124を介して接続されている。第4出力部16dには、MGU24が接続されている。第5出力部16eには、第2電気負荷29が接続されている。
【0046】
第1電気負荷28および第1ヒューズ121は直列に接続され、第1電気負荷28と第1ヒューズ121に直列接続の第1ヒューズ121側の端子は、第1電源11と、第2ヒューズ122、第3ヒューズ123および第4ヒューズ124と、を接続する電線に接続されている。
すなわち、第1電源11と第2電気負荷29とを接続する給電路に第2電池切替SW114が接続され、第2電源12と第2電気負荷29とを接続する給電路に第2メインリレー115が接続され、第1電源11とMGU24とを接続する給電路に第1電池切替SW112が接続され、第2電源12とMGU24とを接続する給電路に第1メインリレー113が接続されている。よって、第2電池切替SW114は第1開閉スイッチを、第2メインリレー115は第2開閉スイッチを、第1電池切替SW112は第3開閉スイッチを、第1メインリレー113は第4開閉スイッチを構成する。また、第1バイパスリレー116はバイパススイッチを構成する。
【0047】
アイドルストップコントローラ21は、例えば、以下に示す動作を制御部111に行わせて、車両の走行状態に応じて第1電源11および第2電源12の接続先を切り替える。なお、ここで示す動作は一例であり、他の動作も可能である。
【0048】
<動作A>
制御部111は、第1電池切替SW112をオン、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオン、第2メインリレー115をオフ、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図4に示すように、第1電源11、第1電気負荷28、第2電気負荷29、MGU24を接続(図中、線aで示す)した状態となり、MGU24と第2電源12との間は切り離されている。
アイドルストップコントローラ21は、エンジン始動直後などで、第1電源11に充電したい場合、または、MGU24を無発電状態にし、第1電源11のみで第1電気負荷28、第2電気負荷29に電源を供給する場合に、この状態とするように制御部111に指示を出す。
【0049】
<動作B>
制御部111は、第1電池切替SW112をオン、第1メインリレー113をオン、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオン、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図5に示すように、第1電源11、第2電源12、第1電気負荷28、第2電気負荷29、MGU24を接続(図中、線aで示す)した状態となる。
アイドルストップコントローラ21は、減速回生時などにMGU24で発電した電力を第1電源11、第2電源12に充電するときに、この状態とするように制御部111に指示を出す。
【0050】
<動作C>
制御部111は、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオン、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図6に示すように、第1電源11と第1電気負荷28とを接続(図中、線aで示す)し、このラインとは別に、第2電源12と第2電気負荷29とを接続した状態(図中、線bで示す)となる。
アイドルストップコントローラ21は、通常走行時またはアイドリングストップ時など、第2電気負荷29への電力供給を第2電源のみから行い、MGU24の発電負荷を減らし、燃費を向上させたいときに、この状態とするように制御部111に指示を出す。
【0051】
<動作D>
制御部111は、第1電池切替SW112をオン、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオン、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図7に示すように、第1電源11、第1電気負荷28、MGU24を接続(図中、線aで示す)し、このラインとは別に、第2電源12と第2電気負荷29とを接続(図中、線bで示す)した状態となる。
アイドルストップコントローラ21は、アイドリングストップからの再始動などの、MGU24をスタータとしてエンジンの起動を行うときなど、この状態とするように制御部111に指示を出す。
【0052】
このようにして、第1電源11の電力でMGU24を駆動すると同時に、第2電源12は第2電気負荷29にのみ電力供給を行うことができ、MGU24をスタータとして駆動した際の電圧降下の影響を第2電気負荷29に与えないようにすることができる。
【0053】
<動作E>
制御部111は、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオン、第2電池切替SW114をオン、第2メインリレー115をオフ、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図8に示すように、第1電源11、第1電気負荷28、第2電気負荷29を接続(図中、線aで示す)し、このラインとは別に、第2電源12とMGU24とを接続(図中、線bで示す)した状態となる。
【0054】
アイドルストップコントローラ21は、MGU24によりエンジンの駆動をアシストさせる時などに、この状態とするように制御部111に指示を出す。
このようにして、第2電源12の電力でMGU24を駆動すると同時に、第1電源11は第1電気負荷28、第2電気負荷29にのみ電力供給を行うことができ、MGU24をモータとして駆動した際の電圧降下の影響を第2電気負荷29に与えないようにすることができる。
【0055】
<動作F>
制御部111は、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオフ、第1バイパスリレー116をクローズ、第2バイパスリレー117をクローズとすると、
図9に示すように、第1電源11、第1電気負荷28、第2電気負荷29、MGU24を接続(図中、線aで示す)した状態となる。MGU24には第1バイパスリレー116を経由して、第2電気負荷29には第2バイパスリレー117を経由して、第1電源11に接続される。
イグニッションスイッチオフ時や電池パック15の異常などで、電源切替スイッチ部14’に電力が供給されなくなると、このような状態になる。
【0056】
以上のような動作の遷移の例について、
図10のタイミングチャートを参照して説明する。
まず、エンジンが起動されるまでは、電源切替スイッチ部14’は、動作Fにて、第1、第2バイパスリレー116、117をクローズとして、暗電流供給状態である。
イグニッションスイッチオンによりエンジンが起動してから車両が発進するまでの間、アイドルストップコントローラ21は、動作Aに遷移させ、MGU24と第1電源11を接続させ、第1電源を充電させる。
【0057】
車両が発進して走行が始まると、アイドルストップコントローラ21は、動作Cに遷移させ、第1電源11と第1電気負荷28を接続させるとともに、第2電源12と第2電気負荷29を接続させ、MGU24を無発電状態にさせて、発電機能を抑制した形で車両を走行させる。
車両が減速してきた場合は、回生電力を充電するために、アイドルストップコントローラ21は、動作Bに遷移させ、MGU24の発電電力で第1電源11、第2電源12それぞれを充電させる。
【0058】
車両が停車したときには、アイドルストップコントローラ21は、アイドルストップ動作に入り、動作Cに遷移させ、第1電源11と第1電気負荷28を接続させるとともに、第2電源12と第2電気負荷29を接続させる。
エンジンを再始動するタイミングで、アイドルストップコントローラ21は、動作Dに遷移させ、第1電源11と第1電気負荷28およびMGU24を接続させるとともに、第2電源12と第2電気負荷29を接続させる。MGU24による再始動を行っている状態において、MGU24に給電する電源と、第2電気負荷29に給電する電源と、を分けることで、MGU24の駆動による電圧降下の影響を第2電気負荷29に与えないようにすることができる。
【0059】
再始動後、車両が加速してきた場合は、MGU24によるエンジンの駆動のアシストが可能であり、アイドルストップコントローラ21は、動作Eに遷移させ、第2電源12からMGU24に電力供給させるとともに、第1電源11で第1電気負荷28および第2電気負荷29に電力を供給させる。MGU24によるエンジンの駆動アシストを行っている状態において、MGU24に給電する電源と、第2電気負荷29に給電する電源と、を分けることで、MGU24の駆動による電圧降下の影響を第2電気負荷29に与えないようにすることができる。
【0060】
その後、車両が減速してきて、減速回生を行う場合は、アイドルストップコントローラ21は、動作Bに遷移させる。その後、車両が停車し、そのままイグニッションスイッチがオフにされると、電源切替スイッチ部14’は、動作Fに遷移し、暗電流供給状態に切り替わる。
このように、車両の走行状態に応じて動作状態を変えて、MGU24駆動時にはMGU24に電力を供給する電源と、第2電気負荷29に電力を供給する電源と、を分けているため、MGU24の駆動による電圧降下の影響を抑えることができる。
【0061】
<動作D−1>
上述の動作Dの変形例として、以下の動作D−1が考えられる。
アイドルストップコントローラ21は、バッテリ電流センサ43やバッテリ電圧センサ44が検出する第1電源11に蓄積された電力量が予め設定された下限電力量よりも小さい場合、MGU24によるエンジンの始動には蓄積された電力量が足りないと判定し、第2電源12からも電力を供給するようにしてもよい。
【0062】
ここで、下限電力量は、MGU24によりエンジンを始動することが可能な状態のときの電力量の下限値である。
例えば、蓄積された電力量を示す値として電圧値を使い、アイドルストップコントローラ21は、第1電源11の電圧値が予め設定された下限電圧値よりも小さい値だった場合、第2電源12からも電力を供給するように制御部111に指示を出す。下限電圧値は、第1電源11の電力量が下限電力量のときの電圧値であり、実験等により求められ、アイドルストップコントローラ21のメモリに記憶されている。
【0063】
制御部111は、アイドルストップコントローラ21からの指示により、第1電池切替SW112をオン、第1メインリレー113をオン、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオン、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図11に示すように、第1電源11、第2電源12、第1電気負荷28、第2電気負荷29、MGU24を接続(図中、線aで示す)した状態となる。
【0064】
このようにして、MGU24によるエンジンの始動には第1電源11の電力が足りなかった場合でも、第2電源12の電力も利用してMGU24によるエンジンの始動を確実に行うことができる。
なお、アイドルストップコントローラ21が第1電源11の状態を検知して電源切替スイッチ部14’を制御したが、制御部111が第1電源11の接続されている第2出力部16bの電圧値を検出して、下限電圧値よりも小さい値の場合に上述の状態にするようにしてもよい。
【0065】
また、上述の動作Eのように、第1電源11、第1電気負荷28、第2電気負荷29を接続し、このラインとは別に、第2電源12とMGU24とを接続して、第2電源12からの給電によりMGU24によるエンジンの始動を行うようにしてもよい。
【0066】
<動作E−1>
上述の動作Eの変形例として、以下の動作E−1が考えられる。
アイドルストップコントローラ21は、バッテリマネジメントユニット13が検出した第2電源12の蓄積された電力量が予め設定された余裕電力量よりも大きい場合、MGU24、第2電気負荷29の両方に電力を供給しても電圧降下の影響を与えないと判定し、第2電源12からMGU24、第2電気負荷29の両方に電力を供給するようにしてもよい。
【0067】
ここで、余裕電力量は、エンジンの駆動をアシストするMGU24と第2電気負荷29に同時に電力を供給しても、MGU24および第2電気負荷29に電圧降下による影響を与えない状態のときの電力量の下限値である。
例えば、蓄積された電力量を示す値として電圧値を使い、アイドルストップコントローラ21は、第2電源12の電圧値が予め設定された余裕電圧値よりも大きい値だった場合、第2電源12からMGU24、第2電気負荷29の両方に電力を供給するように制御部111に指示を出す。余裕電圧値は、第2電源12の電力量が余裕電力量よりも大きい状態のときの電圧値の下限値であり、実験等により求められ、アイドルストップコントローラ21のメモリに記憶されている。
【0068】
制御部111は、アイドルストップコントローラ21からの指示により、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオン、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオン、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすると、
図12に示すように、第1電源11、第1電気負荷28を接続(図中、線aで示す)し、このラインとは別に、第2電源12、MGU24、第2電気負荷29を接続(図中、線bで示す)した状態となる。
【0069】
このようにして、第2電源12の電力にて、MGU24によるエンジンの駆動の電力の供給と、第2電気負荷29への電力の供給と、をまかない、第1電源11は、第1電気負荷にのみ電力を供給する。このため、第2電源12からの電力の出入りが多くなり、第2電源の性能次第でMGU24によるエンジンの駆動アシストにより燃費を向上させることができる。また、第1電源11の消費電力を削減することができ、第1電源の劣化を軽減させることができる。
【0070】
なお、アイドルストップコントローラ21がバッテリマネジメントユニット13が検出した第2電源12の状態により電源切替スイッチ部14’を制御したが、制御部111が第2電源11の電圧値を検出して、余裕電圧値よりも大きい値の場合に上述の状態にするようにしてもよい。
【0071】
次に、異常時の動作について説明する。
<動作F−1>
MGU24と第4出力部16dとの間を接続する電線(ワイヤーハーネス)が地絡した場合、制御部111は、第4出力部電流検出器119の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオフ、第1バイパスリレー116をクローズとする。
【0072】
ここで、過電流検出値は、過電流を検出するための電流値であり、実験等により求められ、制御部111のメモリに記憶されている。
このようにすることで、
図13に示すように、過電流の経路が第1バイパスリレー116側に切り替わり(図中、線aで示す)、第2ヒューズ122が溶断して電源切替スイッチ部14’の電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。
【0073】
なお、第2電気負荷29に対しては、第2電池切替SW114、第2メインリレー115、第2バイパスリレー117のいずれかを閉状態にすることで給電が可能である。
図13では、第2バイパスリレー117をクローズにすることで第1電源11から第2電気負荷29へ電力を供給している(図中、線bで示す)。
この動作への遷移の例について、
図14のタイミングチャートを参照して説明する。
【0074】
図10と同様に遷移している途中の動作Bの状態で、MGU24と第4出力部16dとの間を接続する電線が地絡すると、制御部111は、第4出力部電流検出器119の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、動作F−1に遷移させる。これにより、過電流が第2ヒューズに流れ、第2ヒューズ122が溶断して、電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。なお、第2電気負荷29への電力供給は、第2電池切替SW114をオンにすることで行っている。
その後、イグニッションスイッチがオフにされると、動作Fに遷移し、暗電流供給状態に切り替わる。
【0075】
<動作F−2>
第2電気負荷29と第5出力部16eとの間を接続する電線が地絡した場合、制御部111は、第5出力部電流検出器118の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオフ、第2バイパスリレー117をクローズとする。
このようにすることで、
図15に示すように、過電流の経路が第2バイパスリレー117側に切り替わり(図中、線aで示す)、第4ヒューズ124が溶断して電源切替スイッチ部14’の電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。
【0076】
なお、MGU24に対しては、第1電池切替SW112、第1メインリレー113、第1バイパスリレー116のいずれかを閉状態にすることで給電が可能である。
図15では、第1バイパスリレー116をクローズにすることで第1電源11からMGU24へ電力を供給している(図中、線bで示す)。
この動作への遷移の例について、
図16のタイミングチャートを参照して説明する。
【0077】
図10と同様に遷移している途中の動作Bの状態で、第2電気負荷29と第5出力部16eとの間を接続する電線が地絡すると、制御部111は、第5出力部電流検出器118の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、動作F−2に遷移させる。これにより、過電流が第4ヒューズ124に流れ、第4ヒューズ124が溶断して、電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。なお、MGU24への電力供給は、第1電池切替SW112をオンにすることで行っている。
その後、イグニッションスイッチがオフにされると、動作Fに遷移し、暗電流供給状態に切り替わる。
【0078】
したがって、第2電源12とMGU24とを接続する給電路に第1メインリレー113を設け、第2電源12と第2電気負荷29とを接続する給電路に第2メインリレー115を設け、第1電源11とMGU24とを接続する給電路に第1電池切替SW112を設け、第1電源11と第2電気負荷29とを接続する給電路に第2電池切替SW114を設けているため、MGU24へ給電する電源と、第2電気負荷29へ給電する電源と、を別の電源にすることができる。このため、MGU24を駆動したときの電圧降下の影響を無くし、第2電気負荷29に安定した電力を供給することができる。
【0079】
また、第1電源11と、MGU24および第2電気負荷29との給電路を一部共用とし、その部分に第3ヒューズを設けたので、ヒューズを別々に設ける必要がなく、ヒューズを減らすことができる。
なお、本実施形態においては、過電流が流れることを検出するため、第1電流検出器118、第2電流検出器119を設けたが、電池切替SW・メインリレー112〜115に電流検出機能付のものを使用し、制御部111でその検出値を参照するようにしてもよい。電池切替SW・メインリレー112〜115は、動作A〜Eのどの動作タイミングにおいても、いずれか1つはオンの状態であり、過電流の検出が可能な状態となっている。
【0080】
(第3実施形態)
次に、
図17〜
図30は本発明の第3実施形態に係る車両用電源装置を示す図である。ここで、本実施形態は上述の第2実施形態と略同様に構成されているので、図面を流用して同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
本実施形態の電源切替スイッチ部14”は、第2バイパスリレー117をMGU24と第2電気負荷29との間に接続して、第4ヒューズ124と第3出力部16cを無くしている。
【0081】
図17に示すように、電源切替スイッチ部14”は、第2電源12の正極側の端子が2つに分岐し、それぞれ第1メインリレー113と第2メインリレー115が接続されている。
第1メインリレー113の第2電源12とは反対側の端子は3つに分岐し、1つは第4出力部電流検出器119を介して第4出力部16dに接続され、もう1つは第1バイパスリレー116を介して第1出力部16aに接続され、最後の1つは第1電池切替SW112を介して第2出力部16bに接続されている。
【0082】
第2メインリレー115の第2電源12とは反対側の端子は2つに分岐し、1つは第5出力部電流検出器118を介して第5出力部16eに接続され、もう1つは第2電池切替SW114を介して、第1電池切替SW112と第2出力部16bとの間に接続されている。
第1メインリレー113の第2電源12とは反対側の分岐点と第4出力部電流検出器119との間の接続線と、第2メインリレー115の第2電源12とは反対側の分岐点と第5出力部電流検出器118との間の接続線と、が第2バイパスリレー117を介して接続されている。
【0083】
すなわち、第1バイパスリレー116がバイパススイッチを、第2バイパスリレーが第2バイパススイッチを構成する。
第1出力部16aには、第1電源11が第2ヒューズ122を介して接続されている。第2出力部16bには、第1電源11が第3ヒューズ123を介して接続されている。第4出力部16dには、MGU24が接続されている。第5出力部16eには、第2電気負荷29が接続されている。
【0084】
第1電気負荷28は、第1ヒューズ121と直列に接続され、第1電気負荷28と第1ヒューズ121に直列接続の第1ヒューズ121側の端子は、第1電源11と、第2ヒューズ122および第3ヒューズ123とを接続する電線に接続されている。
アイドルストップコントローラ21は、例えば、以下に示す動作を制御部131に行わせて、車両の走行状態に応じて第1電源11および第2電源12の接続先を切り替える。なお、ここで示す動作は一例であり、他の動作も可能である。
【0085】
上述の第2実施形態の動作A〜Eの動作は、電池切替SW・メインリレー112〜115の開閉状態を同じにすれば同じ接続状態となるので、その接続状態図を
図18〜
図22に示して、詳細な説明は省略する。
【0086】
<動作F’>
制御部131は、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオフ、第1バイパスリレー116を接続、第2バイパスリレー117を接続とすると、
図23に示すように、第1電源11、第1電気負荷28、第2電気負荷29、MGU24を接続(図中、線aで示す)した状態となる。MGU24には第1バイパスリレー116を経由して、第2電気負荷には第1バイパスリレー116および第2バイパスリレー117を経由して第1電源11に接続される。
イグニッションスイッチオフ時や電池パック15の異常などで、電源切替スイッチ部14”に電力が供給されなくなると、このような状態になる。
【0087】
次に、異常時の動作について説明する。
<動作F’−1>
MGU24と第4出力部16dとの間を接続する電線が地絡した場合、制御部131は、第4出力部電流検出器119の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオフ、第1バイパスリレー116をクローズとする。
【0088】
このようにすることで、
図24に示すように、過電流の経路が第1バイパスリレー116側に切り替わり(図中、線aで示す)、第2ヒューズ122が溶断して電源切替スイッチ部14”の電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。
なお、第2電気負荷29に対しては、第2電池切替SW114、第2メインリレー115のいずれかをオンにすることで給電可能である。
図24では、第2電池切替SW114をオンにすることで第1電源11から第2電気負荷29に電力を供給している(図中、線bで示す)。
【0089】
この動作への遷移の例について、
図25のタイミングチャートを参照して説明する。
図10と同様に遷移している途中の動作Bの状態で、MGU24と第4出力部16dとの間を接続する電線が地絡すると、制御部131は、第4出力部電流検出器119の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、動作F’−1に遷移させる。これにより、第2ヒューズ122が溶断して、電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。なお、第2電気負荷29への電力供給は、第2電池切替SW114をオンにすることで行っている。
その後、イグニッションスイッチがオフにされると、動作F’に遷移し、暗電流供給状態に切り替わる。
【0090】
<動作F’−2>
第2電気負荷29と第5出力部16eとの間を接続する電線が地絡した場合、制御部131は、第5出力部電流検出器118の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、第1電池切替SW112をオフ、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオフ、第1バイパスリレー116をクローズ、第2バイパスリレー117をクローズとする。
このようにすることで、
図26に示すように、過電流の経路が第1バイパスリレー116、第2バイパスリレー117側に切り替わり(図中、線aで示す)、第2ヒューズ122が溶断して電源切替スイッチ部14”の電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。
【0091】
なお、MGU24に対しての給電は不可となるが、第2電気負荷29は、走行に関わる点火コイル、燃料ポンプ、エンジンコントローラなどが接続されているため、電気負荷29と第5出力部16eとの間の電線が地絡した時点で走行不能の状態になっており、MGU24への給電が停止しても影響はない。また、第2電気負荷29への過電流を検出した場合、制御部131は、アイドルストップコントローラ21を介してエンジンコントローラ22に発電停止指示を通知する。エンジンコントローラ22は、発電停止指示を受信すると、MGU24による発電を停止させるため、MGU24から地絡が発生している部分への電流供給が行われることはない。また、第1電気負荷28には第1電源11から給電される(図中、線bで示す)。
【0092】
この動作への遷移の例について、
図27のタイミングチャートを参照して説明する。
図10と同様に遷移している途中の動作Bの状態で、第2電気負荷29と第5出力部16eとの間を接続する電線が地絡すると、制御部131は、第5出力部電流検出器118の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、動作F’−2に遷移させる。これにより、第2ヒューズ122が溶断して、電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。
その後、イグニッションスイッチがオフにされると、動作F’に遷移し、暗電流供給状態に切り替わる。
【0093】
<動作F’−3>
また、第2電気負荷29と第5出力部16eとの間を接続する電線が地絡した場合、第1電池切替SW112、第1メインリレー113、第2電池切替SW114、第2メインリレー115を全てオフにし、第1バイパスリレー116、第2バイパスリレー117をクローズとし、第2ヒューズ122を溶断させたが、第1電池切替SW112をオン、第1メインリレー113をオフ、第2電池切替SW114をオフ、第2メインリレー115をオフ、第1バイパスリレー116をオープン、第2バイパスリレー117をオープンとすることで、
図28に示すように、第2電気負荷29の回路だけを完全に分離する。なお、MGU24には第1電源11から電力を供給し続けることが可能となる(図中、線aで示す)。
【0094】
そして、イグニッションスイッチオフ時には、第1電池切替SW112、第1メインリレー113、第2電池切替SW114、第2メインリレー115の全てがオフになり、第1バイパスリレー116、第2バイパスリレー117が接続になるため、このときに第2ヒューズ122が溶断するようになる。
なお、第1電池切替SW112の替わりに第1メインリレー113をオンにすれば、第2電源12からMGU24に電力を供給することができる。
【0095】
この動作への遷移の例について、
図29のタイミングチャートを参照して説明する。
図10と同様に遷移している途中の動作Bの状態で、第2電気負荷29と第5出力部16eとの間を接続する電線が地絡すると、制御部131は、第5出力部電流検出器118の検出値が過電流検出値以上であることを検出し、動作F’−3に遷移させる。これにより、第2電気負荷29の回路だけを完全に分離して、電池切替SW・メインリレー112〜115を過電流から保護することができる。なお、MGU24には第1電源11から電力を供給することができる。
その後、イグニッションスイッチがオフにされると、動作F’に遷移し、第2ヒューズ122が溶断する。
【0096】
したがって、MGU24と第2電気負荷29との間に第2バイパスリレー117を設け、第5出力部16eに過電流が流れたことを検出すると、第2バイパスリレー117と第1バイパスリレー116により過電流を第1出力部16aに流しているので、第4出力部16dおよび第5出力部16eどちらに過電流が流れた場合でも、過電流を第1出力部16aに流すことができる。このため、第2ヒューズ122を共用してヒューズを減らしつつ、電源切替スイッチ部14”の電池切替SW・メインリレー112〜115を保護することができる。
なお、本実施形態においては、第2バイパスリレー117の位置を変えたが、
図30に示すように、第1バイパスリレー116をMGU24と第2電気負荷29との間に接続するようにしてもよい。
【0097】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。