(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下に組み付けられる第1ユニットと第2ユニットとを有する空調装置の室外機の前記第1ユニット内に配設された第1配管と前記第2ユニット内に配設された第2配管とを、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを仕切るために前記第1ユニットに設けられた仕切りパネルに形成された連通孔を通じて接続する配管接続方法であって、
前記第1配管の管端部を、第1フランジ部材に形成されている第1貫通孔の一方端の開口から前記第1貫通孔内に挿通させるとともに、前記第1貫通孔の前記一方端の開口と前記第1配管の前記管端部との間の隙間を塞ぐように前記第1配管を前記第1フランジ部材に接合する第1サブアセンブリ工程と、
前記第2配管の管端部を、第2フランジ部材に形成されている第2貫通孔の一方端の開口から前記第2貫通孔内に挿通させるとともに、前記第2貫通孔の前記一方端の開口と前記第2配管の前記管端部との間の隙間を塞ぐように前記第2配管を前記第2フランジ部材に接合する第2サブアセンブリ工程と、
前記第2フランジ部材に形成され前記第2貫通孔の他方端の開口が形成される第2開口面を持つ突出部を前記連通孔に挿通させるとともに、前記第1フランジ部材に形成され前記第1貫通孔の他方端の開口が形成される第1開口面を前記第2開口面に対面接触させることによって、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とにより前記第1配管と前記第2配管とを連通する連通路が形成されるように、前記第1フランジ部材を前記仕切りパネルの一方面に配設するとともに前記第2フランジ部材を前記仕切りパネルの他方面に配設する第1メインアセンブリ工程と、
締結部材によって、前記仕切りパネルの前記一方面に配設された前記第1フランジ部材と前記仕切りパネルの前記他方面に配設された前記第2フランジ部材とを前記仕切りパネルを挟んで締め付ける第2メインアセンブリ工程と、
を含む、配管接続方法。
上下に組み付けられる第1ユニットと第2ユニットとを有する空調装置の室外機の前記第1ユニット内に配設された第1配管と前記第2ユニット内に配設された第2配管とを、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを仕切るために前記第1ユニットに設けられた仕切りパネルに形成された連通孔を通じて接続する配管接続方法であって、
前記第1配管の管端部を、第1フランジ部材に形成されている第1貫通孔の一方端の開口から前記第1貫通孔内に挿通させるとともに、前記第1貫通孔の前記一方端の開口と前記第1配管の前記管端部との間の隙間を塞ぐように前記第1配管を前記第1フランジ部材に接合する第1サブアセンブリ工程と、
前記第2配管の管端部を、第2フランジ部材に形成されている第2貫通孔の一方端の開口から前記第2貫通孔内に挿通させるとともに、前記第2貫通孔の前記一方端の開口と前記第2配管の前記管端部との間の隙間を塞ぐように前記第2配管を前記第2フランジ部材に接合する第2サブアセンブリ工程と、
第3貫通孔が形成された第1金属プレートの前記第3貫通孔が前記連通孔に面するように前記第1金属プレートを前記仕切りパネルの一方面に配置するとともに、第4貫通孔が形成された第2金属プレートの前記第4貫通孔が前記連通孔に面するように前記第2金属プレートを前記仕切りパネルの他方面に配置する第3サブアセンブリ工程と、
前記第1貫通孔、前記第2貫通孔、前記第3貫通孔、前記第4貫通孔及び連通孔によって、前記第1配管と前記第2配管とを連通する連通路が形成されるように、前記第1フランジ部材を前記第1金属プレートに重ねて配設するとともに前記第2フランジ部材を前記第2金属プレートに重ねて配設する第1メインアセンブリ工程と、
締結部材によって、前記第1フランジ部材と前記第2フランジ部材とを、前記仕切りパネル、前記第1金属プレート及び前記第2金属プレートを挟んで締め付ける第2メインアセンブリ工程と、
を含む、配管接続方法。
上下に組み付けられる第1ユニットと第2ユニットとを有する空調装置の室外機の前記第1ユニット内に配設された第1配管と前記第2ユニット内に配設された第2配管とを、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを仕切るために前記第1ユニットに設けられた仕切りパネルに形成された連通孔を通じて接続する配管接続継手であって、
第1貫通孔が形成され、前記第1配管の管端部が前記第1貫通孔の一方端の開口から前記第1貫通孔に挿通されるとともに、前記仕切りパネルの一方面側に配設される第1フランジ部材と、
第2貫通孔が形成され、前記第2配管の管端部が前記第2貫通孔の一方端の開口から前記第2貫通孔に挿通されるとともに、前記仕切りパネルの他方面側に配設される第2フランジ部材と、
前記仕切りパネルの前記一方面側に配設された前記第1フランジ部材と前記仕切りパネルの前記他方面側に配設された前記第2フランジ部材とを前記仕切りパネルを挟んで締め付ける締結部材と、
を備え、
前記第1フランジ部材は、前記第1貫通孔の他方端の開口が形成されるとともに前記仕切りパネルの一方面側から前記連通孔に面する第1開口面を有し、
前記第2フランジ部材は、前記第2貫通孔の他方端の開口が形成される第2開口面を有するとともに前記仕切りパネルの他方面側から前記連通孔に挿通される突出部を有し、
前記第1開口面と前記第2開口面が対面接触することによって、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とにより前記第1配管と前記第2配管とを連通する連通路を形成するように構成される、配管接続継手。
上下に組み付けられる第1ユニットと第2ユニットとを有する空調装置の室外機の前記第1ユニット内に配設された第1配管と前記第2ユニット内に配設された第2配管とを、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを仕切るために前記第1ユニットに設けられた仕切りパネルに形成された連通孔を通じて接続する配管接続継手であって、
第1貫通孔が形成され、前記第1配管の管端部が前記第1貫通孔の一方端の開口から前記第1貫通孔に挿通されるとともに、前記仕切りパネルの一方面側に配設される第1フランジ部材と、
第2貫通孔が形成され、前記第2配管の管端部が前記第2貫通孔の一方端の開口から前記第2貫通孔に挿通されるとともに、前記仕切りパネルの他方面側に配設される第2フランジ部材と、
前記仕切りパネルと前記第1フランジ部材との間に設けられるとともに、一方端が前記連通孔に面し他方端が前記第1貫通孔に面する第3貫通孔が形成された第1金属プレートと、
前記仕切りパネルと前記第2フランジ部材との間に設けられるとともに、一方端が前記連通孔に面し他方端が前記第2貫通孔に面する第4貫通孔が形成された第2金属プレートと、
前記仕切りパネルの前記一方面側に配設された前記第1フランジ部材と前記仕切りパネルの前記他方面側に配設された前記第2フランジ部材とを、前記第1金属プレート、前記第2金属プレート及び前記仕切りパネルを挟んで締め付ける締結部材と、
を備え、
前記第1貫通孔、前記第2貫通孔、前記第3貫通孔、前記第4貫通孔、及び前記連通孔が互いに連通して前記第1配管と前記第2配管とを連通する連通路を形成するように構成される、配管接続継手。
【発明の概要】
【0007】
(発明が解決しようとする課題)
上下2段構成の室外機を製造するに当たっては、通常は、上側ユニット及び下側ユニットをそれぞれサブラインにて製造する。上側ユニットの製造ラインでは、上側ケーシングに室外熱交換器、上側配管、その他の多数の部品・配管が組み付けられる。下側ユニットの製造ラインでは、下側ケーシングに動力源、コンプレッサ、下側配管、その他の多数の部品・配管が組み付けられる。そして、メインラインにて、上側ユニットと下側ユニットが上下2段に組み付けられるとともに、仕切りパネルに形成された連通孔を通じて上側配管と下側配管がろう付け等により接合される。
【0008】
メインラインでの上側配管と下側配管のろう付け作業は、上側ユニット内或いは下側ユニット内の多数の部品や配管の合間を縫って行わざるを得ない。そのためろう付け作業工数が増大し、また作業が煩わしい。さらに、ろう付けする配管以外の配管を溶かしてしまう虞もある。したがって、メインライン(メインアセンブリ工程)で溶接等の作業性の悪い接合をすることなく上側配管と下側配管を接続するような配管接続方法が望まれる。
【0009】
本発明は、メインライン(メインアセンブリ工程)で溶接等の作業性の悪い接合をすることなく上側配管と下側配管を接続することができるような配管接続方法及びそのために用いられる配管接続継手を提供することを目的とする。
【0010】
(課題を解決するための手段)
本発明は、上下に組み付けられる第1ユニット(2)と第2ユニット(3)とを有する空調装置の室外機(1)の第1ユニット内に配設された第1配管(22)と第2ユニット内に配設された第2配管(33)とを、第1ユニットと第2ユニットとを仕切るために第1ユニットに設けられた仕切りパネル(24)に形成された連通孔(25)を通じて接続する配管接続方法であって、第1配管の管端部を、第1フランジ部材(41)に形成されている第1貫通孔(H1)の一方端の開口から第1貫通孔内に挿通させるとともに、第1貫通孔の一方端の開口と第1配管の管端部との間の隙間を塞ぐように第1配管を第1フランジ部材に接合する第1サブアセンブリ工程と、第2配管の管端部を、第2フランジ部材(42)に形成されている第2貫通孔(H2)の一方端の開口から第2貫通孔内に挿通させるとともに、第2貫通孔の一方端の開口と第2配管の管端部との間の隙間を塞ぐように第2配管を第2フランジ部材に接合する第2サブアセンブリ工程と、第2フランジ部材に形成され第2貫通孔の他方端の開口が形成される第2開口面(423a)を持つ突出部(423)を連通孔に挿通させるとともに、第1フランジ部材に形成され第1貫通孔の他方端の開口が形成される第1開口面(412a)を第2開口面に対面接触させることによって、第1貫通孔と第2貫通孔とにより第1配管と第2配管とを連通する連通路(P1)が形成されるように、第1フランジ部材を仕切りパネルの一方面(24a)に配設するとともに第2フランジ部材を仕切りパネルの他方面(24b)に配設する第1メインアセンブリ工程と、締結部材(44)によって、仕切りパネルの一方面に配設された第1フランジ部材と仕切りパネルの他方面に配設された第2フランジ部材とを仕切りパネルを挟んで締め付ける第2メインアセンブリ工程と、を含む、配管接続方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、上下に組み付けられる第1ユニット(2)と第2ユニット(3)とを有する空調装置の室外機(1)の第1ユニット内に配設された第1配管(22)と第2ユニット内に配設された第2配管(33)とを、第1ユニットと第2ユニットとを仕切るために第1ユニットに設けられた仕切りパネル(24)に形成された連通孔(25)を通じて接続する配管接続継手(4)であって、第1貫通孔(H1)が形成され、第1配管の管端部が第1貫通孔の一方端の開口から第1貫通孔に挿通されるとともに、仕切りパネルの一方面(24a)側に配設される第1フランジ部材(41)と、第2貫通孔(H2)が形成され、第2配管の管端部が第2貫通孔の一方端の開口から第2貫通孔に挿通されるとともに、仕切りパネルの他方面(24b)側に配設される第2フランジ部材(42)と、仕切りパネルの一方面側に配設された第1フランジ部材と仕切りパネルの他方面側に配設された第2フランジ部材とを仕切りパネルを挟んで締め付ける締結部材(44)と、を備え、第1フランジ部材は、第1貫通孔の他方端の開口が形成されるとともに仕切りパネルの一方面側から連通孔に面する第1開口面(412a)を有し、第2フランジ部材は、第2貫通孔の他方端の開口が形成される第2開口面(423a)を有するとともに仕切りパネルの他方面側から連通孔に挿通される突出部(423)を有し、第1開口面と第2開口面が対面接触することによって、第1貫通孔と第2貫通孔とにより第1配管と第2配管とを連通する連通路(P1)を形成するように構成される、配管接続継手を提供する。
【0012】
本発明によれば、サブライン(第1、第2サブアセンブリ工程)にて第1配管の管端部を第1フランジ部材に溶接等で接合するとともに第2配管の管端部を第2フランジ部材に溶接等で接合する。そして、メインライン(第1、第2メインアセンブリ工程)では、仕切りパネルの一方面に第1フランジ部材を、他方面に第2フランジ部材を配設するとともに、仕切りパネルを挟んで第1フランジ部材と第2フランジ部材を締結部材により締結する。このようにメインラインでろう付けなどの溶接を実施せず、代わりに締結部材で第1フランジ部材と第2フランジ部材とを仕切りパネルを挟んで締め付けるので、メインラインでのろう付け等の作業を廃止することができ、メインラインでろう付け等を実施することによる不具合(作業工数の増大、作業の煩わしさ、他の部品を溶かすこと等)の発生を防止できる。また、フランジ部材同士を仕切りパネルの連通孔を介して締め付けることにより、第1配管と第2配管が、第1フランジ部材と第2フランジ部材とにより形成される連通路を介して連通される。
【0013】
上記発明においては、第1メインアセンブリ工程にて、第1開口面と第2開口面との間であって連通路の周囲にシール部材(43)が配設されるとよい。これによれば、連通路がシール部材でシールされることにより、第1配管及び第2配管内の流体(例えば冷媒)が第1開口面と第2開口面との間から外部に漏れ出すこと、及び、外部の異物(雨水等)が第1開口面と第2開口面との間から第1配管及び第2配管内に進入することを確実に防止できる。
【0014】
また、上記発明においては、第1メインアセンブリ工程にて、突出部と連通孔との間の隙間にシール部材が塗布されるとよい。これによれば、連通孔が突出部およびシール部材で埋められるので、連通孔を経て雨水が下側のユニット(例えば第2ユニット)に流下することを防止できる。
【0015】
また、上記発明においては、締結部材がボルトであるのがよい。この場合、仕切りパネル、第1フランジ部材及び第2フランジ部材にそれぞれボルト孔(26,B1,B2)が形成されており、第1メインアセンブリ工程にて、仕切りパネル、第1フランジ部材及び第2フランジ部材にそれぞれ形成されているボルト孔が同心状に積層配置してボルト挿通路(P2)を形成するように、第1フランジ部材を仕切りパネルの一方面に配設するとともに第2フランジ部材を仕切りパネルの他方面に配設し、第2メインアセンブリ工程は、ボルトをボルト挿通路に挿通して第1フランジ部材と第2フランジ部材とを仕切りパネルを挟んで締め付けるとともに、ボルトとボルト挿通路との間にシール部材を塗布する工程であるのがよい。これによれば、ボルトとボルト挿通路との間の隙間がシール部材で埋められることにより、ボルト挿通路を経て雨水が下側のユニット(例えば第2ユニット)に流下することを防止できる。
【0016】
また、本発明は、上下に組み付けられる第1ユニット(2)と第2ユニット(3)とを有する空調装置の室外機(1)の第1ユニット内に配設された第1配管(22)と第2ユニット内に配設された第2配管(33)とを、第1ユニットと第2ユニットとを仕切るために第1ユニットに設けられた仕切りパネル(24)に形成された連通孔(25)を通じて接続する配管接続方法であって、第1配管の管端部を、第1フランジ部材(41)に形成されている第1貫通孔(H1)の一方端の開口から第1貫通孔内に挿通させるとともに、第1貫通孔の一方端の開口と第1配管の管端部との間の隙間を塞ぐように第1配管を第1フランジ部材に接合する第1サブアセンブリ工程と、第2配管の管端部を、第2フランジ部材(42)に形成されている第2貫通孔(H2)の一方端の開口から第2貫通孔内に挿通させるとともに、第2貫通孔の一方端の開口と第2配管の管端部との間の隙間を塞ぐように第2配管を第2フランジ部材に接合する第2サブアセンブリ工程と、第3貫通孔(H3)が形成された第1金属プレート(45)の第3貫通孔が連通孔に面するように第1金属プレートを仕切りパネルの一方面(24a)に配置するとともに、第4貫通孔(H4)が形成された第2金属プレート(46)の第4貫通孔が連通孔に面するように第2金属プレートを仕切りパネルの他方面(24b)に配置する第3サブアセンブリ工程と、第1貫通孔、第2貫通孔、第3貫通孔、第4貫通孔及び連通孔によって、第1配管と第2配管とを連通する連通路(P1)が形成されるように、第1フランジ部材を第1金属プレートに重ねて配設するとともに第2フランジ部材を第2金属プレートに重ねて配設する第1メインアセンブリ工程と、締結部材(44)によって、第1フランジ部材と第2フランジ部材とを、仕切りパネル、第1金属プレート及び第2金属プレートを挟んで締め付ける第2メインアセンブリ工程と、を含む、配管接続方法を提供する。
【0017】
また、本発明は、上下に組み付けられる第1ユニット(2)と第2ユニット(3)とを有する空調装置の室外機(1)の第1ユニット内に配設された第1配管(22)と第2ユニット内に配設された第2配管(33)とを、第1ユニットと第2ユニットとを仕切るために第1ユニットに設けられた仕切りパネル(24)に形成された連通孔(25)を通じて接続する配管接続継手であって、第1貫通孔(H1)が形成され、第1配管の管端部が第1貫通孔の一方端の開口から第1貫通孔に挿通されるとともに、仕切りパネルの一方面(24a)側に配設される第1フランジ部材(41)と、第2貫通孔(H2)が形成され、第2配管の管端部が第2貫通孔の一方端の開口から第2貫通孔に挿通されるとともに、仕切りパネルの他方面(24b)側に配設される第2フランジ部材(42)と、仕切りパネルと第1フランジ部材との間に設けられるとともに、一方端が連通孔に面し他方端が第1貫通孔に面する第3貫通孔(H3)が形成された第1金属プレート(45)と、仕切りパネルと第2フランジ部材との間に設けられるとともに、一方端が連通孔に面し他方端が第2貫通孔に面する第4貫通孔(H4)が形成された第2金属プレート(46)と、仕切りパネルの一方面側に配設された第1フランジ部材と仕切りパネルの他方面側に配設された第2フランジ部材とを、第1金属プレート、第2金属プレート及び仕切りパネルを挟んで締め付ける締結部材(44)と、を備え、第1貫通孔、第2貫通孔、第3貫通孔、第4貫通孔、及び連通孔が互いに連通して第1配管と第2配管とを連通する連通路(P1)を形成するように構成される、配管接続継手(4)を提供する。
【0018】
本発明によれば、サブライン(第1、第2サブアセンブリ工程)にて第1配管の管端部を第1フランジ部材に溶接等で接合するとともに第2配管の管端部を第2フランジ部材に溶接等で接合する。そして、メインライン(第1、第2メインアセンブリ工程)では、仕切りパネルの一方面側に第1金属プレートを介して第1フランジ部材を、他方面側に第2金属プレートを介して第2フランジ部材を配設するとともに、第1金属プレート、第2金属プレート及び仕切りパネルを挟んで第1フランジ部材と第2フランジ部材を締結部材により締結する。このようにメインラインでろう付けなどの溶接を実施せず、代わりに締結部材で第1フランジ部材と第2フランジ部材とを締め付けるので、メインラインでのろう付け等の作業を廃止することができ、メインラインでろう付け等を実施することによる不具合(作業工数の増大、作業の煩わしさ、他の部品を溶かすこと等)の発生を防止できる。また、第1配管と第2配管は、第1フランジ部材、第2フランジ部材、第1金属プレート、第2金属プレート、及び仕切りプレートにより形成される連通路を介して連通される。
【0019】
また、本発明によれば、仕切りパネルの一方面に第1金属プレートを、仕切りパネルの他方面に第2金属プレートを、それぞれ配設することにより、仕切りパネルが補強される。このため、第1フランジ部材及び第2フランジ部材を仕切りパネルに取付ける際における仕切りパネルの変形(歪み)を防止することができる。このような補強プレートを介さずして第1フランジ部材及び第2フランジ部材を仕切りプレートに取り付けようとした場合、薄い仕切りプレートが歪むために取付け面における仕切りパネルの良好な平面度を得ることが困難であり、十分なシール性を確保することができない。一方、このような補強プレートを介して第1フランジ部材及び第2フランジ部材を仕切りプレートに取付ける場合、フランジ部材を取付けるべき部分に補強プレートが取付けられることによって仕切りパネルの歪みが防止されるため、取付け面における仕切りパネルの良好な平面度を得ることができる。その結果、配管の接続を容易に行うことができるとともに、仕切りパネルと金属プレートとの間の隙間、或いは金属プレートとフランジ部材との間の隙間からの雨水の進入を効果的に防止することができる。
【0020】
上記発明においては、第3サブアセンブリ工程にて、仕切りパネルと第1金属プレートの間がシールされ、仕切りプレートと第2金属プレートとの間の隙間がシールされるとよい。これによれば、仕切りパネルと第1金属プレートとの間の隙間、或いは、仕切りパネルと第2金属プレートとの間の隙間、を通って雨水等が連通路に達することを防止できる。この場合、溶接により第1金属プレート及び第2金属プレートの全周を仕切りパネルに接合することにより上記隙間をシールするように構成してもよいし、第1金属プレート及び第2金属プレートの全面に接着剤を塗布した状態でこれらを仕切りパネルに取付けることにより上記隙間をシールするように構成してもよい。
【0021】
また、上記発明においては、第1メインアセンブリ工程にて、第1フランジ部材と第1金属プレートの対向面間であって連通路の周囲に第1シール部材(43a)が配設され、第2フランジ部材と第2金属プレートとの対向面間であって連通路の周囲に第2シール部材(43b)が配設されるとよい。これによれば、連通路が第1シール部材及び第2シール部材でシールされることにより、第1配管及び第2配管内の流体(例えば冷媒)が第1フランジ部材と第1金属プレートとの間、或いは第2フランジ部材と第2金属プレートとの間から外部に漏れ出すこと、及び、外部の異物(雨水等)が第1フランジ部材と第1金属プレートとの間、或いは第2フランジ部材と第2金属プレートとの間から第1配管及び第2配管内に進入することを防止できる。
【0022】
また、上記発明においては、締結部材はボルトであるのがよい。また、仕切りパネル、第1フランジ部材、第2フランジ部材、第1金属プレート及び第2金属プレートにそれぞれボルト孔(26、B1,B2,B3,B4)が形成されており、第3サブアセンブリ工程にて、仕切りパネル、第1金属プレート及び第2金属プレートにそれぞれ形成されているボルト孔が同心状に積層配置するように、第1金属プレートを仕切りパネルの一方面に配置するとともに第2金属プレートを仕切りパネルの他方面に配置し、第1メインアセンブリ工程にて、仕切りパネル、第1フランジ部材、第2フランジ部材、第1金属プレート及び第2金属プレートにそれぞれ形成されているボルト孔が同心状に積層配置してボルト挿通路(P2)を形成するように、第1フランジ部材を第1金属プレートに重ねて配設するとともに第1フランジ部材を第2金属プレートに重ねて配設し、第2メインアセンブリ工程は、ボルトによって、仕切りパネルの一方面に配設された第1フランジ部材と仕切りパネルの他方面に配設された第2フランジ部材とを、第1金属プレート、第2金属プレート及び仕切りパネルを挟んで締め付けるとともに、ボルトとボルト挿通路との間にシール部材を塗布する工程であるのがよい。これによれば、ボルトとボルト挿通路との間の隙間がシール部材で埋められることにより、ボルト挿通路を経て雨水が下側のユニット(例えば第2ユニット)に流下することを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る配管接続方法及び配管接続継手について図面を用いて説明する。
図1は、空調装置の室外機を示す概略図である。
図1に示すように、空調装置の室外機1は、上側ユニット2(第1ユニット)と下側ユニット3(第2ユニット)を備える。上側ユニット2が下側ユニット3の上部に組み付けられる。
【0025】
上側ユニット2は、空調装置の冷媒回路中を流れる冷媒と外気とを熱交換させるための室外熱交換器21、一方端が室外熱交換器21に連結される上側配管22(第1配管)、その他の図示しない多数の部品や配管と、これらを収容する上側ケーシング23とを備える。上側ケーシング23はその底板である仕切りパネル24を有する。仕切りパネル24によって上側ユニット2と下側ユニット3が仕切られる。
図1からわかるように、仕切りパネル24には連通孔25が形成される。連通孔25の周囲の2箇所に一対のボルト孔26,26が形成される。
【0026】
下側ユニット3は、空調装置の動力源であるガスエンジン31、冷媒回路中の冷媒を循環させるためのコンプレッサ32、一方端がコンプレッサ32に繋がる下側配管33(第2配管)、その他の図示しない多数の部品や配管と、これらを収容する下側ケーシング34とを備える。上側配管22の管端部(他方端部)と下側配管33の管端部(他方端部)が、仕切りパネル24に形成された連通孔25を通じて接続される。
【0027】
図2は、本実施形態にて上側配管22と下側配管33とを接続するための配管接続継手4の分解斜視図である。
図2に示すように、配管接続継手4は、上側フランジ部材41(第1フランジ部材)と、下側フランジ部材42(第2フランジ部材)と、シールリング43(シール部材)と、一対のボルト44,44(締結部材)とを備える。上側フランジ部材41は仕切りパネル24の上面24a(一方面)側に配設されるとともに上側配管22の管端部(他方端部)に取り付けられる。下側フランジ部材42は仕切りパネル24の下面24b(他方面)側に配設されるとともに下側配管33の管端部(他方端部)に取り付けられる。
【0028】
図3は上側フランジ部材41の断面図である。
図3に示すように、上側フランジ部材41は、上側筒部411と上側フランジ部412を有する。上側筒部411は
図3において上下に筒状に形成される。上側フランジ部412は上側筒部411の
図3において下端に設けられる。上側筒部411と上側フランジ部412を上下に貫通するように第1貫通孔H1が形成される。上側フランジ部412は上側筒部411を中心として第1貫通孔H1の軸方向に直交する方向に延設される。
【0029】
第1貫通孔H1は
図3において上方端の開口(一方端の開口)から上側配管22の管端部が第1貫通孔H1内に挿通される。第1貫通孔H1の下方端(他方端)は上側フランジ部412に形成されている平面状の中央下面412a(第1開口面)に開口する。
【0030】
上側フランジ部412の延設方向の両端側にボルト孔B1,B1がそれぞれ形成される。ボルト孔B1,B1の軸方向は第1貫通孔H1の軸方向に一致する。ボルト孔B1,B1の上方端(一方端)は上側フランジ部412の上面412b,412bに開口し、ボルト孔B1,B1の下方端(他方端)は上側フランジ部412の端部下面412c、412cに開口する。
図3からわかるように、中央下面412aの両側に端部下面412c、412cが形成される。また、中央下面412aの
図3における上下方向位置(第1貫通孔H1の軸方向に沿った位置)は端部下面412c、412cの上下方向位置よりも高い。したがって、上側フランジ部材41は、その下面の中央部分であって第1貫通孔H1の開口面が窪んでいるように構成される。
【0031】
図4は下側フランジ部材42の断面図である。
図4に示すように、下側フランジ部材42は、下側筒部421と下側フランジ部422を有する。下側筒部421は
図4において上下に筒状に形成される。下側フランジ部422は下側筒部421の
図4において上端に設けられる。下側筒部421と下側フランジ部422を上下に貫通するように第2貫通孔H2が形成される。下側フランジ部422は下側筒部421を中心として第2貫通孔H2の軸方向に直交する方向に延設される。第2貫通孔H2の
図4において下方端の開口(一方端の開口)から下側配管33の管端部が第2貫通孔H2内に挿通される。
【0032】
下側フランジ部422の延設方向の両端側にボルト孔B2,B2がそれぞれ形成される。ボルト孔B2,B2の軸方向は第2貫通孔H2の軸方向に一致する。ボルト孔B2,B2の下方端(一方端)は下側フランジ部422の下面422b,422bに開口し、ボルト孔B1,B1の上方端(他方端)は下側フランジ部422の端部上面422c,422cに開口する。
【0033】
また、
図4に示すように、下側フランジ部422の上面の中央部分には、端部上面422cから突出した突出部423が形成されている。この突出部423の先端面423a(第2開口面)に、第2貫通孔H2の
図4において上方端(一方端)が開口する。
【0034】
突出部423の先端面423aであって第2貫通孔H2の開口の回りにリング状の溝423bが形成される。リング状の溝423bにはシールリング43が嵌め込まれる。このシールリング43を介して、突出部423の先端面423aが上側フランジ部材41の中央下面412aに対面接触される。なお、突出部423の径は、仕切りパネル24に形成された連通孔25の径よりもわずかに小さい。また、リング状の溝は、上側フランジ部材41の中央下面412aに形成されていてもよい。
【0035】
また、
図3からわかるように、第1貫通孔H1のうち、上側筒部411に形成される部分の径が、上側フランジ部412に形成される部分の径よりも大きくされている。したがって、第1貫通孔H1を形成する内壁面の軸方向における途中の部分に段差が形成される。この段差よりも
図3において上方部分の径は上側配管22の外径よりもわずかに大きい。段差よりも下方部分の径は上側配管22の外径よりも小さい。したがって、第1貫通孔H1にその上端開口から挿通される上側配管22の先端面が第1貫通孔H1中の段差面に突き当てられることにより、上側配管22の第1貫通孔H1へのそれ以上の挿入が規制される。
【0036】
同様に、
図4からわかるように、第2貫通孔H2のうち、下側筒部421に形成される部分の径が、下側フランジ部422に形成される部分の径よりも大きくされている。したがって、第2貫通孔H2を形成する内壁面の軸方向における途中の部分に段差が形成される。この段差よりも
図4において下方部分の径は下側配管33の外径よりもわずかに大きく、段差よりも上方部分の径は下側配管33の外径よりも小さい。したがって、第2貫通孔H2にその下端開口から挿通される下側配管33の先端面が第2貫通孔H2中の段差面に突き当てられることにより、下側配管33の第2貫通孔H2へのそれ以上の挿入が規制される。
【0037】
次に、上記構成の配管接続継手4を用いた上側配管22と下側配管33との接続方法について、上側ユニット2と下側ユニット3の組付け方法と合わせて
図5を参照して説明する。
【0038】
(第1サブアセンブリ工程)
まず、上側ユニット2内に室外熱交換器21及び上側配管22を取付けるとともに、上側配管22の管端部を上側フランジ部材41に形成されている第1貫通孔H1の一方端(上方端)の開口から第1貫通孔H1内に挿通させる(
図5(a)参照)。そして、挿通させた上側配管22の管端部と第1貫通孔H1との間の隙間を塞ぐように、ろう付け(溶接)により、上側配管22と上側フランジ部材41とを接合する。また、上側ケーシング23内にその他の各種部品を収納し、必要であれば固定することにより、上側ユニット2を製造する。
【0039】
(第2サブアセンブリ工程)
また、下側ユニット3内にガスエンジン31、コンプレッサ32及び下側配管33を取付けるとともに、下側配管33の管端部を下側フランジ部材42に形成されている第2貫通孔H2の一方端(下方端)の開口から第2貫通孔H2内に挿通させる(
図5(b)参照)。そして、挿通させた下側配管33の管端部と第2貫通孔H2との間の隙間を塞ぐように、ろう受け(溶接)により、下側配管33と下側フランジ部材42とを接合する。また、下側ケーシング34内にその他の各種部品を収納し、必要であれば固定することにより、下側ユニット3を製造する。
【0040】
(第1メインアセンブリ工程)
次に、上側ユニット2を下側ユニット3の上部に組み付けるとともに、配管接続継手4を用いて上側配管22と下側配管33とを接続する。この場合、まず、下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aに形成されたリング状の溝423b内にシールリング43を配設する。そして、
図5(c)に示すように、突出部423を仕切りパネル24の連通孔25に下面24b(他方面)側から挿通させて突出部423が仕切りパネル24から上方に突出するように下側フランジ部材42を仕切りパネル24の下面24bに配設する。さらに、連通孔25と突出部423の外周面との間の隙間にシリコン等のシール部材を塗布する。これにより連通孔25が突出部423及びシール部材で埋められるとともに、仕切りパネル24の下面24b側から連通孔25が下側フランジ部材42で覆われる。
【0041】
また、上側フランジ部材41を仕切りパネル24の上面24a(一方面)側に配設する。この場合において、
図5(c)に示すように、上側フランジ部材41の中央下面412aが連通孔25に面するとともに連通孔25を通って仕切りパネル24から上方に突出した下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aが中央下面412aに対面接触し、且つ第1貫通孔H1が第2貫通孔H2に同心状に配置するように、上側フランジ部材41を仕切りパネル24の上面24aに配設する。これにより、仕切りパネル24の上方側から連通孔25が上側フランジ部材41で覆われるとともに、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2が連通孔25を通じて連通する。したがって、第1貫通孔H1及び第2貫通孔H2により上側配管22の管端部と下側配管33の管端部とを連通する連通路P1が形成される。
【0042】
また、この工程で下側フランジ部材42を仕切りパネル24の下面24bに配設するにあたっては、下側フランジ部422の端部上面422cが仕切りパネル24の下面24bに対面接触するとともに、下側フランジ部422に形成された一対のボルト孔B2,B2が仕切りパネル24に形成された一対のボルト孔26,26に同心状に配置するように、下側フランジ部材42を仕切りパネル24の下面24bに配設する。また、この工程で上側フランジ部材41を仕切りパネル24の上面24aに配設するにあたっては、上側フランジ部412の端部下面412cが仕切りパネル24の上面24aに対面接触するとともに、上側フランジ部412に形成された一対のボルト孔B1,B1が仕切りパネル24に形成された一対のボルト孔26,26に同心状に配置するように、上側フランジ部材41を仕切りパネル24の上面24aに配設する。これにより、上側フランジ部材41のボルト孔B1、下側フランジ部材42のボルト孔B2、及び仕切りパネル24のボルト孔26が同心状に積層配置され、これらの孔部でボルト44を挿通させるための一対のボルト挿通路P2,P2が形成される。
【0043】
(第2メインアセンブリ工程)
そして、
図5(d)に示すように、ボルト44,44をそれぞれのボルト挿通路P2,P2に挿通してボルト締めする。この場合、下側フランジ部材42のボルト孔B2,B2の内壁面に雌ネジが形成されていて、ボルト44の雄ネジがボルト孔B2の雌ネジに螺合するように、ボルト締めが行われるとよい。これにより、ボルト44,44によって、仕切りパネル24の上面24a(一方面)に配設された上側フランジ部材41と下面24b(他方面)に配設された下側フランジ部材42とが仕切りパネル24を挟んで締め付けられる。そして、ボルト44,44とボルト挿通路P2,P2との間の隙間にシリコン等のシール材が充填される。以上の工程を以て、上側配管22と下側配管33が配管接続継手4を介して接続される。
図6は、配管接続継手4により接続された上側配管22と下側配管33を示す図である。
【0044】
第2メインアセンブリ工程により、上側フランジ部材41と下側フランジ部材42が仕切りパネル24を挟んで締め付けられることにより、上側フランジ部材41の中央下面412aと下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aとの間に配設されたシールリング43が圧縮される。このシールリング43は連通路P1の周囲に配設されているので、シールリング43により連通路P1がシールされる。よって、上側フランジ部材41と下側フランジ部材42との間の隙間から上側配管22及び下側配管33内に雨水などが進入することが防止されるとともに、上側配管22内及び下側配管33内の流体(冷媒)が上記隙間を通じて外部に漏れ出すことが防止される。
【0045】
また、仕切りパネル24に形成された連通孔25は突出部423及びシール部材で埋められているため、連通孔25を通じて雨水が下側ユニット3に進入することが効果的に防止される。さらに、ボルト挿通路P2,P2とボルト44,44との間の隙間にシール部材が充填されているため、ボルト挿通路P2,P2を伝って雨水が下側ユニット3に進入することも防止できる。
【0046】
また、本実施形態では、メインアセンブリ工程(メインライン)にてボルト締めにより上側配管22と下側配管33とを接続させているので、メインアセンブリ工程(メインライン)にてろう付け(溶接)によって上側配管22と下側配管33を接続する場合と比較して作業性が良く、そのため作業工数が増大することもない。よって、組み付け作業性が向上し、組み付け工程時間を短縮することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上側フランジ部材41の中央下面412aと下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aが対面接触される。これらの面は切削加工等により良好な平面度をもった平面として形成することができる。よって、このような良好な平面度を持つ平面同士を対面接触させて、両者間の隙間をシールリング43で塞ぐことにより、連通路P1を確実にシールすることができる。
【0048】
(変形例1)
図7は、上記第1実施形態の変形例に係る配管接続継手の断面図である。
図7に示す配管接続継手4においては、上側フランジ部材41の中央下面412aと下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aの間、及び、上側フランジ部材41の端部下面412cと仕切りパネル24の上面24aとの間に、弾性部材としてのガスケット48(第1弾性部材、第2弾性部材)が配設されている。この場合において、ガスケット48のうち、上側フランジ部材41の中央下面412aと下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aの間に配設される部分(第1弾性部材)と、上側フランジ部材41の端部下面412cと仕切りパネル24の上面24aとの間に配設される部分(第2弾性部材)は、
図16に示すように一体的に形成されていてもよいし、別部材として形成されていてもよい。
【0049】
また、上側フランジ部材41の中央下面412aであって第1貫通孔H1の開口の周囲の部分にリング状の溝が形成されており、この溝内にシールリング431が配設される。シールリング431によって、上側フランジ部材41の中央下面412aとガスケット48との間の隙間が塞がれる。さらに、下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aであって第2貫通孔H2の開口の周囲の部分にもリング状の溝が形成されており、この溝内にシールリング432が配設される。シールリング432によって、下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aとガスケット48との間の隙間が塞がれる。
【0050】
図7に示すようにガスケット48を配設することによって、上側配管22の軸方向における寸法誤差がガスケット48によって吸収される。したがって、上側配管22の寸法誤差が大きいことによって、上側配管22と下側配管33とを配管接続継手4で接続する際における仕切りパネル24の変形を防止することができる。また、上側配管22及び下側配管33に無理な力を加えることなくこれらを接続できるので、組み付け性が改善される。
【0051】
(変形例2)
図8は、上記第1実施形態の他の変形例に係る配管接続継手の断面図である。
図8に示す配管接続継手4においては、上側フランジ部材41の中央下面412aと下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aの間に弾性部材としての第1ガスケット48a(第1弾性部材)が配設され、さらに、下側フランジ部材42の端部上面422cと仕切りパネル24の下面24bとの間に弾性部材としての第2ガスケット48b(第3弾性部材)が配設されている。
【0052】
また、上側フランジ部材41の中央下面412aであって第1貫通孔H1の開口の周囲の部分にリング状の溝が形成されており、この溝内にシールリング431が配設される。シールリング431によって、上側フランジ部材41の中央下面412aと第1ガスケット48aとの間の隙間が塞がれる。さらに、下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aであって第2貫通孔H2の開口の周囲の部分にもリング状の溝が形成されており、この溝内にシールリング432が配設される。シールリング432によって、下側フランジ部材42の突出部423の先端面423aと第1ガスケット48aとの間の隙間が塞がれる。
【0053】
図8に示すように第1ガスケット48a及び第2ガスケット48bを配設することによって、下側配管33の軸方向における寸法誤差が第1ガスケット48a及び第2ガスケット48bによって吸収される。したがって、下側配管33の寸法誤差が大きいことによって、上側配管22と下側配管33とを配管接続継手4で接続する際における仕切りパネル24の変形を防止することができる。また、上側配管22及び下側配管33に無理な力を加えることなくこれらを接続できるので、組み付け性が改善される。
【0054】
上記変形例1及び2に係るガスケット(48,48a,48b)は、例えば薄板状に形成され、配管(上側配管22、下側配管33)の軸方向における寸法公差に合わせて複数枚重ねて用いることができる。なお、このガスケットを製造するにあたっては、高温・高圧に耐え得る種々の材料を選択できる。好ましくは金属製のガスケットである。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る配管接続方法及び配管接続継手について説明する。
図9は、本実施形態に係る配管接続継手の分解斜視図である。
図9に示すように、本実施形態に係る配管接続継手4は、上側フランジ部材(第1フランジ部材)41と、下側フランジ部材(第2フランジ部材)42と、上側シールリング(第1シール部材)43aと、下側シールリング(第2シール部材)43bと、一対のボルト(締結部材)44,44と、上側金属プレート(第1金属プレート)45と、下側金属プレート(第2金属プレート)46とを備える。上側フランジ部材41は仕切りパネル24の上面24a側に配設され、下側フランジ部材42は仕切りパネル24の下面24b側に配設される。また、上側金属プレート45は上側フランジ部材41と仕切りパネル24の上面24aとの間に配設され、下側金属プレート46は下側フランジ部材42と仕切りパネル24の下面24bとの間に配設される。上側フランジ部材41は上側配管22の管端部に取り付けられる。下側フランジ部材42は下側配管33の管端部に取り付けられる。
【0056】
図10は上側フランジ部材41の断面図である。本実施形態に係る上側フランジ部材41の構成は上記第1実施形態に係る上側フランジ部材41の構成と基本的に同一であり、異なる点は、上記第1実施形態に係る上側フランジ部材41の上側フランジ部412の下面の中央部分が窪んでいて、窪んだ部分に中央下面412aが形成されていたのに対し、本実施形態に係る上側フランジ部材41の上側フランジ部412の下面412dはフラットな平面により形成されている点である。そして、第1貫通孔H1の下方端(他方端)及びボルト孔B1,B1の下方端はこの下面412dに開口する。その他の構成は上記第1実施形態に係る上側フランジ部材41の構成と同一であるため、同一部分について同一の符号を記してその説明を省略する。
【0057】
図11は下側フランジ部材42の断面図である。本実施形態に係る下側フランジ部材42の構成は上記第1実施形態に係る下側フランジ部材42の構成と基本的に同一であり、異なる点は、上記第1実施形態に係る下側フランジ部材42の下側フランジ部422の上面に突出部423が形成されているのに対し、本実施形態に係る下側フランジ部材42の下側フランジ部422には突出部が形成されておらず、下側フランジ部422の上面422dがフラットな平面により形成されている点である。そして、第2貫通孔H2の上方端(他方端)及びボルト孔B2,B2の上方端はこの上面422dに開口する。その他の構成は上記第1実施形態に係る下側フランジ部材42の構成と同一であるため、同一部分について同一の符号を記してその説明を省略する。
【0058】
図12は上側金属プレート45の断面図である。上側金属プレート45は上面45a及び下面45bを有する平板状を呈する。上側金属プレート45には、上下に貫通する第3貫通孔H3及び一対のボルト孔B3,B3が形成されている。また、上側金属プレート45の上面45aであって第3貫通孔H3の開口の周囲にリング状の溝451が形成されている。
【0059】
図13は下側金属プレート46の断面図である。下側金属プレート46は上面46a及び下面46bを有する平板状を呈する。下側金属プレート46には、上下に貫通する第4貫通孔H4及び一対のボルト孔B4,B4が形成されている。また、下側金属プレート46の下面46bであって第4貫通孔H4の開口の周囲にリング状の溝461が形成されている。
【0060】
次に、上記構成の配管接続継手4を用いた上側配管22と下側配管33との接続方法について、上側ユニット2と下側ユニット3の組付け方法と合わせて
図14を参照して説明する。
【0061】
(第1サブアセンブリ工程)
まず、上側ユニット2内に室外熱交換器21及び上側配管22を取付けるとともに、上側配管22の管端部を上側フランジ部材41に形成されている第1貫通孔H1の一方端(上方端)の開口から第1貫通孔H1内に挿通させる(
図14(a)参照)。そして、挿通させた上側配管22の管端部と第1貫通孔H1との間の隙間を塞ぐように、ろう付け(溶接)により、上側配管22と上側フランジ部材41とを接合する。また、上側ケーシング23内にその他の各種部品を収納し、必要であれば固定することにより、上側ユニット2を製造する。
【0062】
(第2サブアセンブリ工程)
また、下側ユニット3内にガスエンジン31、コンプレッサ32及び下側配管33を取付けるとともに、下側配管33の管端部を下側フランジ部材42に形成されている第2貫通孔H2の一方端(下方端)の開口から第2貫通孔H2内に挿通させる(
図14(b)参照)。そして、挿通させた下側配管33の管端部と第2貫通孔H2との間の隙間を塞ぐように、ろう受け(溶接)により、下側配管33と下側フランジ部材42とを接合する。また、下側ケーシング34内にその他の各種部品を収納し、必要であれば固定することにより、下側ユニット3を製造する。
【0063】
(第3サブアセンブリ工程)
また、仕切りパネル24の上面24aに上側金属プレート45を取付けるとともに、仕切りパネル24の下面24bに下側金属プレート46を取付ける(
図14(c)参照)。この場合において、
図14(c)に示すように、仕切りパネル24の連通孔25と、上側金属プレート45の第3貫通孔H3と、下側金属プレート46の第4貫通孔H4が同心状に積層配置し、且つ、仕切りパネル24のボルト孔B1,B1と、上側金属プレート45のボルト孔B3,B3と、下側金属プレート46のボルト孔B4,B4が同心状に積層配置するように、上側金属プレート45及び下側金属プレート46を仕切りパネル24の両面に配設し、その状態で、上側金属プレート45の下面45bの全周を仕切りパネル24の上面24aに溶接し、下側金属プレート46の上面46aの全周を仕切りパネル24の下面24bに溶接する。これらの溶接により、仕切りパネル24と上側金属プレート45との間の隙間がシールされるとともに、仕切りパネル24と下側金属プレート46との間の隙間がシールされる。なお、上側金属プレート45の厚み(上下方向長さ)は、その上面45aが仕切りパネル24に溜まる水の水面よりも常に高くなるように、調整されているとよい。
【0064】
(第1メインアセンブリ工程)
次に、上側ユニット2を下側ユニット3の上部に組み付けるとともに、配管接続継手4を用いて上側配管22と下側配管33とを接続する。この場合、まず、仕切りパネル24の下面24bに取付けられている下側金属プレート46の下面46bに形成されたリング状の溝461内に下側シールリング43bを配設するとともに、仕切りパネル24の上面24aに取付けられている上側金属プレート45の上面45aに形成されたリング状の溝451内に上側シールリング43aを配設する。
【0065】
次いで、上側金属プレート45の上面45a上に上側フランジ部材41を配設するとともに、下側金属プレート46の下面46b上に下側フランジ部材42を配設する。この場合において、上側フランジ部材41の第1貫通孔H1及び下側フランジ部材42の第2貫通孔H2が仕切りパネル24の連通孔25に面するように同心配置し、且つ、上側フランジ部材41のボルト孔B1,B1及び下側フランジ部材42のボルト孔B2,B2が仕切りパネル24のボルト孔26,26に同心配置するように、上側フランジ部材41を上側金属プレート45の上面45a上に配設するとともに下側フランジ部材42を下側金属プレート46の下面46b上に配設する。これにより、
図14(d)に示すように、第3貫通孔H3の一方端が連通孔25に面し他方端が第1貫通孔H1に面する。また、第4貫通孔H4の一方端が連通孔25に面し他方端が第2貫通孔H2に面する。そして、第1貫通孔H1、第2貫通孔H2、第3貫通孔H3、第4貫通孔H4及び連通孔25が同心状に積層配置して、上側配管22の管端部と下側配管33の管端部とを連通する連通路P1が形成されるとともに、各ボルト孔が同心状に積層配置することによって一対のボルト挿通路P2,P2が形成される。
【0066】
(第2メインアセンブリ工程)
次いで、
図12(e)に示すように、ボルト44,44をそれぞれのボルト挿通路P2,P2に挿通してボルト締めする。この場合、下側フランジ部材42のボルト孔B2,B2の内壁面に雌ネジが形成されていて、ボルト44の雄ネジがボルト孔B2の雌ネジに螺合するように、ボルト締めが行われるとよい。これにより、ボルト44,44によって、仕切りパネル24の上面24a側に配設された上側フランジ部材41と下面24b側に配設された下側フランジ部材42とが、上側金属プレート45、下側金属プレート46及び仕切りパネル24を挟んで締め付けられる。そして、ボルト44,44とボルト挿通路P2,P2との間の隙間にシリコン等のシール材が充填される。以上の工程を以て、上側配管22と下側配管33が配管接続継手4を介して接続される。
図15は、本実施形態に係る配管接続継手4により接続された上側配管22と下側配管33を示す図である。
【0067】
第2メインアセンブリ工程にて、上側フランジ部材41と下側フランジ部材42が、上側金属プレート45、下側金属プレート46及び仕切りパネル24を挟んで締め付けられることにより、上側シールリング43a及び下側シールリング43bが圧縮される。上側シールリング43aは第1メインアセンブリ工程にて上側フランジ部材41と上側金属プレート45の対向面間であって連通路P1の周囲に配設されており、下側シールリング43bは第1メインアセンブリ工程にて下側フランジ部材42と下側金属プレート46の対向面間であって連通路P1の周囲に配設されている。したがって、これらのシールリングが圧縮されることによって、連通路P1がシールされる。その結果、上側フランジ部材41と上側金属プレート45との間の隙間、及び下側フランジ部材42と下側金属プレート46との間の隙間から、上側配管22及び下側配管33内に雨水などが進入することが防止されるとともに、上側配管22内及び下側配管33内の流体(冷媒)が上記隙間を通じて外部に漏れ出すことが防止される。
【0068】
また、上側金属プレート45の下面45bの全周が仕切りパネル24の上面24aに溶接接合されているため、上側金属プレート45と仕切りパネル24との間の隙間が完全にシールされる。また、下側金属プレート46の上面46aの全周が仕切りパネル24の下面24bに溶接接合されているため、下側金属プレート46と仕切りパネル24との間の隙間も完全にシールされる。したがって、これらの隙間を通じて雨水等が連通路P1に達することが防止される。さらに、ボルト挿通路P2,P2とボルト44,44との間の隙間にシール材が充填されているため、ボルト挿通路P2,P2を伝って雨水が下側ユニット3に進入することも防止できる。
【0069】
また、本実施形態では、メインアセンブリ工程(メインライン)にてボルト締めにより上側配管22と下側配管33とを接続させているので、メインアセンブリ工程(メインライン)にてろう付け(溶接)によって上側配管22と下側配管33を接続する場合と比較して作業性が良く、そのため作業工数が増大することもない。よって、組み付け作業性が向上し、組み付け工程時間を短縮することができる。
【0070】
加えて本実施形態によれば、仕切りパネル24の上面24aに上側金属プレート45を、仕切りパネル24の下面24bに下側金属プレート46を、それぞれ配設することにより、仕切りパネル24のうち上側フランジ部材41及び下側フランジ部材42を取付ける部分が補強される。このため、上側フランジ部材41及び下側フランジ部材42を仕切りパネル24に取付ける際における仕切りパネル24の変形(歪み)を防止することができる。このような補強プレートを介さずして上側フランジ部材41及び下側フランジ部材42を仕切りパネル24に取り付けようとした場合、薄い仕切りパネル24が歪みを起こすために、取付け面における仕切りパネル24の良好な平面度を得ることが困難であり、その結果、仕切りパネル24とフランジ部材との間の隙間のシール性が悪化する。一方、本実施形態のように、補強プレート(上側金属プレート45及び下側金属プレート46)を介して上側フランジ部材41及び下側フランジ部材42を仕切りパネル24に取付ける場合、これらのフランジ部材41,42を取付けるべき部分が補強されているので、取付け部分における仕切りパネル24の変形(歪み)が防止される。よって、取付け面における仕切りパネル24の良好な平面度を得ることができる。その結果、より作業性が向上するとともに、仕切りパネル24と金属プレート45,46との間の隙間、或いは金属プレート45,46とフランジ部材41,42との間の隙間への雨水の進入をより効果的に防止することができ、気密性を確保しつつ上側配管22と下側配管33を接続することができる。
【0071】
さらに、本実施形態によれば、上側金属プレート45の上面45aの高さ位置が、仕切りパネル24に溜まる水の水面よりも常に高い位置に位置するように、上側金属プレート45の厚みを調整することにより、上側金属プレート45と上側フランジ部材41との間の隙間からの水の進入をより効果的に防止することができる。
【0072】
(変形例3)
上記第2実施形態では、ボルトをボルト挿通路に上側から差し込んでボルト締めする例について説明したが、
図16に示すように、ボルト44をボルト挿通路に下側から差し込み、上側に突出したボルトの先端部分をナット49で締め付けるように構成してもよい。
【0073】
(変形例4)
また、上記第2実施形態では、ボルト挿通路P2が上下に貫通形成されているが、
図17に示すように、下側フランジ部材42に形成されるボルト孔B4を貫通しないように形成することにより、ボルト挿通路P2を袋小路状の通路として形成してもよい。このように構成することにより、ボルト44とボルト挿通路P2との間の隙間のシールが不十分であっても、或いは隙間内にシール部材を塗布せずとも、ボルト挿通路P2内に入り込んだ雨水が下側ユニット3に進入することを防止することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記第2実施形態においては、上側金属プレート45及び下側金属プレート46を溶接により仕切りパネル24の両面に接合するように構成したが、例えば上側金属プレート45の下面45bの全面及び下側金属プレート46の上面46aの全面を接着剤により仕切りパネル24の両面に貼り付けるようにしてもよい。また、上記実施形態で説明したシールリング43、上側シールリング43a、下側シールリング43bに代えて、シリコン等のシール部材を用いても良い。また、上記実施形態では、冷媒配管としての上側配管22と下側配管33との接続について説明したが、本発明は、仕切りパネル24を挟んで接続されるどのような配管に対しても適用できる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。