特許第6221706号(P6221706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221706
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】ボイラ装置
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/54 20060101AFI20171023BHJP
   F22D 1/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   F22B37/54 B
   F22D1/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-252843(P2013-252843)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-111016(P2015-111016A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】福原 広人
(72)【発明者】
【氏名】大久保 智浩
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−280204(JP,A)
【文献】 特開2006−132901(JP,A)
【文献】 特開2001−208302(JP,A)
【文献】 実開昭58−137208(JP,U)
【文献】 特開平09−243013(JP,A)
【文献】 特開2013−108643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/54
F22D 1/00
F22D 1/18
F22D 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ本体と、
前記ボイラ本体にボイラ給水を供給するボイラ給水ラインと、
前記ボイラ本体において燃料が燃焼されて発生した排ガスを排出する排気路と、
前記ボイラ給水ラインに配置され、該ボイラ給水ラインを流通するボイラ給水と前記排気路を流通する排ガスとの間で熱交換を行う第1節炭器と、
前記ボイラ給水ラインにおける前記第1節炭器よりも上流側に配置され、該ボイラ給水ラインを流通するボイラ給水と前記第1節炭器で熱交換を行った排ガスとの間で熱交換を行う第2節炭器と、
前記ボイラ本体からブロー水を排出するブロー水ラインと、
前記ボイラ給水ラインにおける前記第2節炭器と前記第1節炭器の間に配置され、前記ボイラ本体からブロー水が排出される場合に、前記ブロー水ラインを流通するブロー水と前記ボイラ給水ラインを流通するボイラ給水との間で熱交換を行うブロー用熱交換器と、を備え、
前記第2節炭器は主として前記第1節炭器で熱交換されて温度が低下した排ガスの潜熱を最も水温の低いボイラ給水に回収し、前記第1節炭器は主として高温の排ガスの顕熱をボイラ給水に回収する、貫流ボイラ装置。
【請求項2】
前記ブロー用熱交換器は、前記ボイラ給水ラインにおける前記第2節炭器よりも下流側に配置される請求項1に記載の貫流ボイラ装置。
【請求項3】
前記排気路は、排ガスが下方に向かって流れる複数のダウンフロー部を含み、
前記第1節炭器及び前記第2節炭器は、それぞれ前記ダウンフロー部に配置される請求項1に記載の貫流ボイラ装置。
【請求項4】
前記第1節炭器及び前記第2節炭器は、水平方向に所定の間隔をあけて配置され、
前記ブロー用熱交換器は、前記第1節炭器及び前記第2節炭器の下方に配置される請求項1又は2に記載の貫流ボイラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、缶体において燃料を燃焼させて発生させた燃焼ガスにより水を加熱することで蒸気を生成するボイラ装置が知られている。このようなボイラ装置では、缶体に供給される水(以下、給水ともいう)と、蒸気を生成するために用いられた後の燃焼ガス(以下、排ガスともいう)との間で熱交換を行う節炭器を設けることにより、排ガスから熱回収を行うことで熱効率を向上させている。また、ボイラ装置の熱効率を更に向上させるために、節炭器を2つ備えるボイラ装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1で提案されたボイラ装置では、排ガスが流通する排気路における上流側に、排ガスの顕熱を回収する顕熱回収節炭器を配置すると共に、排気路における顕熱回収節炭器よりも下流側に、排ガスの潜熱を回収する第2節炭器を配置することで、燃焼ガスからより多くの熱回収を行い、熱効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−264663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、節炭器において排ガスから熱回収を行った給水は、その後、缶体に供給されて更に加熱され蒸気となる。そのため、缶体に供給される給水の温度を更に高くすることで、ボイラ装置の熱効率をより向上できる。
【0006】
従って、本発明は、熱効率をより向上させられるボイラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ本体と、前記ボイラ本体にボイラ給水を供給するボイラ給水ラインと、前記ボイラ本体において燃料が燃焼されて発生した排ガスを排出する排気路と、前記ボイラ給水ラインに配置され、該ボイラ給水ラインを流通するボイラ給水と前記排気路を流通する排ガスとの間で熱交換を行う第1節炭器と、前記ボイラ給水ラインにおける前記第1節炭器よりも上流側に配置され、該ボイラ給水ラインを流通するボイラ給水と前記第1節炭器で熱交換を行った排ガスとの間で熱交換を行う第2節炭器と、前記ボイラ本体からブロー水を排出するブロー水ラインと、前記ブロー水ラインを流通するブロー水と前記ボイラ給水ラインを流通するボイラ給水との間で熱交換を行うブロー用熱交換器と、を備えるボイラ装置に関する。
【0008】
また、前記ブロー用熱交換器は、前記ボイラ給水ラインにおける前記第2節炭器よりも下流側に配置されることが好ましい。
【0009】
また、前記排気路は、排ガスが下方に向かって流れる複数のダウンフロー部を含み、前記第1節炭器及び前記第2節炭器は、それぞれ前記ダウンフロー部に配置されることが好ましい。
【0010】
また、前記第1節炭器及び前記第2節炭器は、水平方向に所定の間隔をあけて配置され、前記ブロー用熱交換器は、前記第1節炭器及び前記第2節炭器の下方に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のボイラ装置によれば、熱効率をより向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るボイラ装置の構成を模式的に示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るボイラにおける缶体部分の断面図である。
図3図2のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のボイラ装置1の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のボイラ装置1は、図1に示すように、ボイラ本体10と、送風機20と、給気ダクト30と、燃料供給ライン40と、排気路としての排気ダクト50と、ボイラ給水ライン60と、ブロー水ライン70と、第1節炭器80と、第2節炭器90と、ブロー用熱交換器100と、を備える。
【0014】
ボイラ本体10は、燃料を燃焼させて液体を加熱することで蒸気を生成する。ボイラ本体10は、図2及び図3に示すように、缶体11と、複数の水管12と、連結壁13と、下部ヘッダ14と、上部ヘッダ15と、セパレータ16(図1参照)と、バーナ17と、を備える。
缶体11は、ボイラ本体10の外形を構成し、平面視矩形形状の直方体状に形成される。この缶体11の長手方向の一端側に位置する第1側面11aには、給気口18が形成され、缶体11の長手方向の他端側に位置する第2側面11bには、排気口19が形成される。
【0015】
給気口18には、後述の給気ダクト30の先端部が接続される。排気口19には、後述の排気ダクト50の基端部が接続される。
【0016】
複数の水管12は、缶体11の内部に上下方向に延びて配置されると共に、缶体11の長手方向及び幅方向に所定の間隔をあけて配置される。
連結壁13は、缶体11の長手方向に延びる側部に沿って配置される水管12を連結する。
【0017】
下部ヘッダ14は、平面視矩形形状の直方体状の容器によって構成され、缶体11の下部に配置される。下部ヘッダ14には、複数の水管12の下端部が接続される。下部ヘッダ14には、水が供給され、この下部ヘッダ14から複数の水管12に水が供給される。
【0018】
上部ヘッダ15は、平面視矩形形状の直方体状の容器によって構成され、缶体11の上部に配置される。上部ヘッダ15には、複数の水管12の上端部が接続される。上部ヘッダ15には、複数の水管12において生成された蒸気が集められる。
【0019】
セパレータ16(図1参照)は、蒸気取り出しライン161を介して上部ヘッダ15に接続される。このセパレータ16は、上部ヘッダ15に集められた蒸気中に含まれる水分を分離し、水分が分離された蒸気を、蒸気供給ライン162を介して外部に供給する。また、セパレータ16は、降水管163を介して下部ヘッダ14と接続されており、セパレータ16で分離された水分は、下部ヘッダ14に戻される。
【0020】
バーナ17は、給気口18に配置される。
【0021】
送風機20は、空気を引き込んでこの引き込んだ空気を燃焼用空気として給気ダクト30に送り込む。
給気ダクト30は、送風機20とボイラ本体10(缶体11)とを接続する。この給気ダクト30は、送風機20から送り込まれた燃焼用空気を缶体11に供給する。
【0022】
燃料供給ライン40は、給気ダクト30に接続され、給気ダクト30に燃料ガスを供給する。この燃料供給ライン40には、調整弁41と、複数のノズル42が設けられる。
調整弁41は、給気ダクト30に供給される燃料ガスの流通量を調整する。複数のノズル42は、燃料供給ライン40の先端部に配置され、給気ダクト30に燃料ガスを噴出する。複数のノズル42の先端側は、上方に向かって、つまり、給気ダクト30における燃焼用空気の流通方向に対向する方向に延びている(図2参照)。
【0023】
排気ダクト50は、缶体11の第2側面11b側に配置される(図2参照)。排気ダクト50は、缶体11の内部で燃料ガスと燃焼用空気との混合ガスが燃焼して生じた燃焼ガスを排出する(以下、排気ダクト50を流通する燃焼ガスを排ガスともいう)。
この排気ダクト50は、図1に示すように、複数のアップフロー部及びダウンフロー部を有する。ここで、アップフロー部とは、排ガスが上方に向かって流れる部分を示し、ダウンフロー部とは、排ガスが下方に向かって流れる部分を示す。
より具体的には、排気ダクト50は、第1アップフロー部51と、第1ダウンフロー部52と、第2アップフロー部53と、連結ダクト部54と、第2ダウンフロー部55と、第3アップフロー部56と、を備える。
【0024】
本実施形態では、第1アップフロー部51、第1ダウンフロー部52及び第2アップフロー部53は、ボイラ本体10の高さを超えない位置に配置される。連結ダクト部54は、第2アップフロー部53の先端部(上端部)から略水平方向に延びる。連結ダクト部54の先端部は、第2ダウンフロー部55の基端部に接続される。そして、第2ダウンフロー部55及び第3アップフロー部56は、第1ダウンフロー部52及び第2アップフロー部53よりも若干高い位置に配置される。即ち、第2ダウンフロー部55及び第3アップフロー部56は、第1ダウンフロー部52及び第2アップフロー部53から水平方向に所定の間隔をあけた位置に配置される。
【0025】
以上の排気ダクト50によれば、缶体11から排出された排ガスは、第1アップフロー部51を上昇した後第1ダウンフロー部52を下降し、更に第2アップフロー部53を上昇する。また、第2アップフロー部53を上昇した排ガスは、連結ダクト部54を略水平方向に流れた後第2ダウンフロー部55を下降し、その後第3アップフロー部56を上昇してから外部に排出される。
【0026】
ボイラ給水ライン60は、ボイラ本体10(下部ヘッダ14)に水(ボイラ給水)を供給する。このボイラ給水ライン60には、逆止弁61、給水バルブ62、流量計63、給水ポンプ64が設けられている。本実施形態では、ボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水は、後述の第1節炭器80、第2節炭器90及びブロー用熱交換器100により加熱された後、下部ヘッダ14に供給される。
【0027】
ブロー水ライン70は、ボイラ給水が蒸発することでボイラ給水中に含まれるミネラル成分等が濃縮された場合に、このミネラル成分等が濃縮された濃縮水をブロー水としてボイラ本体10から排出する。このブロー水ライン70の基端側は、下部ヘッダ14に接続される。
ブロー水ライン70は、並列に分岐した第1分岐ライン71と、第2分岐ライン75とを備える。第1分岐ライン71には、第1ブロー電磁弁72と、第1オリフィス73が設置され、第2分岐ライン75には、第2ブロー電磁弁76と、第2オリフィス77が設置されている。
以上のブロー水ライン70によれば、第1ブロー電磁弁72及び第2ブロー電磁弁76の開度を制御することで、ブロー水の排出量を調整できる。
【0028】
第1節炭器80は、ボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水と排気ダクト50を流通する排ガスとの間で熱交換を行う。より具体的には、第1節炭器80は、排気ダクト50における第1ダウンフロー部52に配置される。そして、第1節炭器80では、第1ダウンフロー部52を下方に向かって流れる排ガスとボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水との間で熱交換が行われ、ボイラ給水が加熱される。
ここで、第1節炭器80は、排気ダクト50における上流側に配置され、主として、高温の排ガスの顕熱を回収する。
尚、第1ダウンフロー部52には、第1節炭器80で熱回収された排ガスに含まれる水蒸気が凝縮して生じた結露水を排出する第1結露水ブローライン521が接続される。
【0029】
第2節炭器90は、ボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水と第1節炭器80で熱交換を行った排ガスとの間で熱交換を行う。より具体的には、第2節炭器90は、排気ダクト50における第2ダウンフロー部55に配置される。そして、第2節炭器90では、第2ダウンフロー部55を下方に向かって流れる排ガスとボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水との間で熱交換が行われ、ボイラ給水が加熱される。
ここで、第2節炭器90は、主として、第1節炭器80で熱交換されて温度が低下した排ガスの潜熱を回収する。
尚、第2ダウンフロー部55には、第2節炭器90で熱回収された排ガスに含まれる水蒸気が凝縮して生じた結露水を排出する第2結露水ブローライン551が接続される。
【0030】
ここで、上述のように、本実施形態では、第2ダウンフロー部55は、第1ダウンフロー部52から水平方向に所定の間隔をあけた位置に配置されている。従って、第2節炭器90も第1節炭器80から水平方向に所定間隔をあけた位置に配置される。
【0031】
ブロー用熱交換器100は、ブロー水ライン70を流通するブロー水とボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水との間で熱交換を行う。より具体的には、ブロー用熱交換器100は、ボイラ給水ライン60における第2節炭器90よりも下流側に配置される。本実施形態では、ブロー用熱交換器100は、ボイラ給水ライン60における第2節炭器90と第1節炭器80との間に配置される。また、ブロー用熱交換器100は、第2節炭器90及び第1節炭器80の下方に配置される。
【0032】
次に、ボイラ装置1の動作について説明する。
ボイラ装置1は、送風機20によって燃焼用空気を引き込むと共に、この引き込んだ燃焼用空気を給気ダクト30に送り出す。
給気ダクト30では送風機20から送り出された燃焼用空気は、燃料供給ライン40及び燃料供給ライン40の先端部に設けられた複数のノズル42を通じて供給される燃料ガスと混合された後、缶体11の内部に供給される。
【0033】
缶体11では、燃焼用空気と燃料ガスとが混合された混合ガスがバーナ17により噴射されて燃焼される。この混合ガスの燃焼によって、ボイラ給水ライン60から下部ヘッダ14を介して複数の水管12の内部に供給されたボイラ給水(缶水)が沸騰して蒸気を生成する。水管12の内部で生成した蒸気は、上部ヘッダ15に貯留された後、セパレータ16で水分が除去されて外部に供給される。
【0034】
一方、缶体11の内部において混合ガスが燃焼して発生した燃焼ガスは、排気口19から排ガスとして排気ダクト50に排出される。排気ダクト50に排出された排ガスは、まず、第1アップフロー部51を上昇した後第1ダウンフロー部52を下降し、更に第2アップフロー部53を上昇する。また、第2アップフロー部53を上昇した排ガスは、連結ダクト部54を略水平方向に流れた後第2ダウンフロー部55を下降し、その後第3アップフロー部56を上昇してから外部に排出される。
【0035】
ここで、本実施形態では、第1ダウンフロー部52に第1節炭器80が配置され、第2ダウンフロー部55に第2節炭器90が配置されている。そして、上述のボイラ給水ライン60は、第2節炭器90を経由した後、第1節炭器80を通りボイラ本体10(下部ヘッダ14)につながっている。これにより、ボイラ給水ライン60を流通するボイラ給水は、まず、第2節炭器90において、第1節炭器80で熱交換を行って温度が低下した排ガスにより加熱される。その後、第1節炭器80において、缶体11から排出されたばかりの高温の排ガスにより更に加熱され、下部ヘッダ14に供給される。
【0036】
また、ボイラ本体10においてボイラ給水の濃縮が進行した場合には、濃縮されたボイラ給水は、ブロー水としてブロー水ライン70を通じて排出される。ここで、本実施形態では、このブロー水ライン70にブロー用熱交換器100を配置して、ブロー水とボイラ給水との間で熱交換を行わせた。これにより、ボイラ給水を、第2節炭器90及び第1節炭器80によって加熱すると共に、ブロー水の熱を利用してブロー用熱交換器100でも加熱できる。よって、第2節炭器90、ブロー用熱交換器100及び第1節炭器80それぞれにより、ボイラ給水を加熱できるので、排ガス及びブロー水が保有する熱を有効に利用でき、ボイラ装置1の熱効率を向上させられる。
【0037】
また、ブロー用熱交換器100を、ボイラ給水ライン60における第2節炭器90と第1節炭器80との間に配置した。これにより、第2節炭器90と最も水温の低いボイラ給水との間で熱交換を行った後、ブロー用熱交換器100及び第1節炭器80によりボイラ給水を更に加熱できる。
【0038】
以上説明した本実施形態のボイラ装置1によれば、以下のような効果を奏する。
【0039】
(1)ボイラ装置1を、排ガスの熱を利用してボイラ給水を加熱する第1節炭器80及び第2節炭器90と、ボイラ本体10から排出されるブロー水の熱を利用してボイラ給水を加熱するブロー用熱交換器100と、を含んで構成した。これにより、ブロー水の熱を用いてボイラ給水を更に加熱できる。よって、第2節炭器90、ブロー用熱交換器100及び第1節炭器80それぞれにより、ボイラ給水を加熱できるので、排ガス及びブロー水が保有する熱を有効に利用でき、ボイラ装置1の熱効率を向上させられる。
【0040】
(2)ブロー用熱交換器100を、ボイラ給水ライン60における第2節炭器90と第1節炭器80との間に配置した。これにより、第2節炭器90と最も水温の低いボイラ給水との間で熱交換を行えるため、第2節炭器の性能を最大限に発揮でき、更に、ブロー用熱交換器100及び第1節炭器80によりボイラ給水を加熱できる。よって、第2節炭器の性能を最大限に発揮できるので、ボイラ装置1の熱効率をより向上させられる。
【0041】
(3)排気ダクト50を、第1ダウンフロー部52及び第2ダウンフロー部55を含んで構成し、第1節炭器80を第1ダウンフロー部52に、第2節炭器90を第2ダウンフロー部55にそれぞれ配置した。これにより、第1節炭器80及び第2節炭器90において排ガス中に含まれる水蒸気が凝縮した場合に、凝縮して生じた結露水を排ガスの流れに沿って容易に回収できる。
【0042】
(4)第1節炭器80及び第2節炭器90を水平方向に所定の間隔をあけて配置し、ブロー用熱交換器100を第1節炭器80及び第2節炭器90の下方に配置した。これにより、第1節炭器80、第2節炭器90及びブロー用熱交換器100を備えるボイラ装置1をコンパクトに構成できると共に、ブロー用熱交換器100をブロー水ライン70におけるボイラ本体10の近傍に配置できるので、ブロー水の保有する熱をより有効に利用できる。
【0043】
以上、本発明のボイラの好ましい各実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ブロー用熱交換器をボイラ給水ラインにおける第2節炭器と第1節炭器との間に配置したが、これに限らない。即ち、ブロー用熱交換器を、ボイラ給水ラインにおける第1節炭器よりも下流側に配置してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 ボイラ装置
10 ボイラ本体
50 排気ダクト(排気路)
52 第1ダウンフロー部(ダウンフロー部)
55 第2ダウンフロー部(ダウンフロー部)
60 ボイラ給水ライン
70 ブロー水ライン
80 第1節炭器
90 第2節炭器
100 ブロー用熱交換器
図1
図2
図3