(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221719
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】光測定装置及びそれに用いられる安全装置
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
G02B21/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-257838(P2013-257838)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2015-114578(P2015-114578A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】篠山 智生
【審査官】
越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−297755(JP,A)
【文献】
特開平05−019603(JP,A)
【文献】
特開昭61−165775(JP,A)
【文献】
特開2006−011045(JP,A)
【文献】
特開2004−245979(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0008400(US,A1)
【文献】
特開2002−356004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00、21/06−21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するベース板と、前記ベース板の上面を覆う開閉可能な蓋部とを備え、前記蓋部と前記ベース板とで囲まれた内部に、前記開口部を測定試料で塞ぐようにして当該測定試料が配置される試料配置部と、
前記試料配置部に配置された測定試料に測定光を出射する光源部と、
前記試料配置部に配置された測定試料からの試料情報を検出する検出器とを備え、
前記蓋部を開いて前記測定試料にアクセスする光測定装置であって、
前記測定光の内の少なくとも所定波長領域の光を透過しない光学素子部材と、
前記蓋部の開閉と機械的に連動して、前記光学素子部材が前記開口部を開閉するようにして移動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、前記蓋部が開いているときには、前記光学素子部材が前記開口部を塞ぐようにして光路中に配置され、前記蓋部が閉じているときには、前記光学素子部材が前記開口部を塞がないようにして前記光源部から前記測定試料に至る光路外に配置することを特徴とする光測定装置。
【請求項2】
前記光学素子部材は一端部を回転軸として回転可能となっており、
前記駆動機構は、レバーと、前記レバーの一端部と前記光学素子部材とを連結したワイヤとを備え、
前記レバーの他端部は、前記蓋部が閉じているときには前記蓋部によって押圧され、前記蓋部が開いているときには前記蓋部によって押圧されないことを特徴とする請求項1に記載の光測定装置。
【請求項3】
開口部を有するベース板と、前記ベース板の上面を覆う開閉可能な蓋部とを備え、前記蓋部と前記ベース板とで囲まれた内部に、前記開口部を測定試料で塞ぐようにして当該測定試料が配置される試料配置部と、
前記試料配置部に配置された測定試料に測定光を出射する光源部と、
前記試料配置部に配置された測定試料からの試料情報を検出する検出器とを備え、
前記蓋部を開いて前記測定試料にアクセスする光測定装置に用いられる安全装置であって、
前記測定光の内の少なくとも所定波長領域の光を透過しない光学素子部材と、
前記蓋部の開閉と機械的に連動して、前記光学素子部材が前記開口部を開閉するようにして移動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、前記蓋部が開いているときには、前記光学素子部材が前記開口部を塞ぐようにして光路中に配置され、前記蓋部が閉じているときには、前記光学素子部材が前記開口部を塞がないようにして前記光源部から前記測定試料に至る光路外に配置することを特徴とする安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を試料に照射し、その透過光や反射光や蛍光等を光検出器で検出する光測定装置及びそれに用いられる安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定光を試料表面に照射し、試料に含まれる物質から放射される光を検出する光測定装置が実用化されている。例えば、光測定装置の一例である蛍光測定装置は、特定の波長領域の励起光(測定光)を試料表面に照射する。励起光が照射された試料表面上の分析位置からは試料表面に含まれる元素(蛍光物質)に特有の蛍光(試料情報)等が発生するため、この蛍光を検出することにより画像化して、試料表面上の分析位置に存在する元素の同定や定量を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、蛍光測定装置の構成を示す概略構成図である。なお、
図4(a)は、測定試料の測定状態を示す断面図であり、
図4(b)は、測定試料の交換状態を示す断面図である。また、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。
蛍光測定装置101は、測定試料Sが内部に配置される箱形状の試料配置部10と、光源部20と光検出器30とが内部に配置された箱形状の装置筐体150と、蛍光測定装置101全体の制御を行う制御部(コンピュータ)160とを備える。
【0004】
試料配置部10は、四角形のベース板11と、四角形状の上面と当該上面の周縁部に下方に立設された四角筒形状の側壁とを有する蓋部12とを備える。ベース板11の中央部には、開口11aが形成されている。蓋部12は、一つの側壁の上面が回転軸12aとなるように、ベース板11に対してY方向を回転軸として回転可能に取り付けられた上方跳ね上げ式となっている。このような試料配置部10によれば、蓋部12を開くことにより、測定試料Sの分析面が開口11aを塞ぐように測定試料Sを配置することができ、測定試料Sを配置した後に蓋部12を閉めると、試料配置部10の内部に外光が入射しないようにすることができる。
【0005】
装置筐体150は、四角形状の下面と、四角形状の下面の周縁部に上方に立設された略四角筒形状の側壁とを有し、装置筐体150の上部には、ベース板11が取り付けられるとともに、蓋部12の回転軸12aが取り付けられている。
光源部20は、特定の波長領域の励起光Lを出射するものであり、装置筐体150内部に配置され、出射する励起光Lがハーフミラー25等を介して開口11aにZ方向から入射するようになっている。よって、測定試料Sの分析面が開口11aを塞ぐように載置されることで、測定試料Sの下面(分析面)が、励起光LにZ方向から照射されることになる。
【0006】
光検出器30は、蛍光の強度を検出するものであり、装置筐体150内部に配置され、蛍光がハーフミラー25等を透過して入射するようになっている。よって、測定試料Sの分析面が励起光Lに照射されると、測定試料Sの分析面で蛍光が発生し、光検出器30により蛍光の強度が検出されることになる。
【0007】
制御部160は、装置筐体150内部に配置されている。制御部160が処理する機能をブロック化して説明すると、入力部51からの入力信号に基づいて光源部20の電源ON/OFFを制御する光源部制御回路(図示せず)と、光検出器30から蛍光の強度を取得する試料情報取得制御回路(図示せず)とを有する。
【0008】
このような蛍光測定装置101では、測定試料Sを交換するために、操作者は蓋部12を開けて作業することになるが、励起光Lとして紫外線を使用する場合には、蓋部12の開放時に紫外線が操作者に照射される可能性があり、光学的・熱的に望ましくない。よって、操作者が入力部51を用いて電源をOFFにすることを忘れた場合の安全装置として、蓋部12に棒形状のツメ部12bが形成されるとともに、ツメ部12bに押圧されるマイクロスイッチ140が装置筐体150に配置されている。これにより、蓋部12が閉じられているときには、ツメ部12bがマイクロスイッチ140を押圧し、マイクロスイッチ140から制御部160にマイクロスイッチON状態を示す信号が入力され、制御部160は光源部20に光源の電源のONを可能とする信号を出力している。一方、蓋部12が開けられたときには、ツメ部12bがマイクロスイッチ140の押圧を止めるため、マイクロスイッチ140から制御部160へのマイクロスイッチON状態を示す信号が入力されず、制御部160は光源の電源のONを不可能とする信号を出力する。つまり、制御部160は、マイクロスイッチ140からの入力信号に基づいて光源部20の電源ON/OFFを制御する回路を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−245979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したような蛍光測定装置101では、マイクロスイッチ140が故障したときには、マイクロスイッチ140から制御部160にマイクロスイッチON状態を示す信号が入力されず、その結果、蓋部12の開放時に紫外線が操作者に照射されることがあった。また、マイクロスイッチ140からの信号を判断する制御部160が故障したときにも、光源の電源のONを不可能とする信号が出力されなくなり、蓋部12の開放時に紫外線が操作者に照射されることがあった。つまり、マイクロスイッチ140の故障だけでなく、制御部160等の回路や論理演算部等のトラブルによる不具合が存在した。
そこで、本発明は、光が操作者に照射されることを高いレベルで防止することができる光測定装置及びそれに用いられる安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明の光測定装置は、
開口部を有するベース板と、前記ベース板の上面を覆う開閉可能な蓋部とを備え、前記蓋部と前記ベース板とで囲まれた内部に、前記開口部を測定試料で塞ぐようにして当該測定試料が配置される試料配置部と、前記試料配置部に配置された測定試料に測定光を出射する光源部と、前記試料配置部に配置された測定試料からの試料情報を検出する検出器とを備え、前記
蓋部を開いて前記測定試料にアクセスする光測定装置であって、前記測定光の内の少なくとも所定波長領域の光を透過しない光学素子部材と、前記蓋部の開閉と機械的に連動して、前記光学素子部材
が前記開口部を開閉するようにして移動させる駆動機構とを備え、前記駆動機構は、前記蓋部が開いているときには、前記光学素子部材
が前記開口部を塞ぐようにして光路中に配置
され、前記蓋部が閉じているときには、前記光学素子部材
が前記開口部を塞がないようにして前記光源部から前記測定試料に至る光路外に配置することを特徴としている。
【0012】
ここで、「蓋部の開閉と機械的に連動して」とは、制御部等による判断を行わずに、力学的な性質によって動作させることをいい、例えば、レバーとワイヤとを用いた駆動機構等が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の光測定装置によれば、蓋部の開閉と機械的に連動して、光学素子部材を移動させる駆動機構を備えているため、回路や論理演算部等によるトラブルの可能性をなくすことができ、光が操作者に照射されることを高いレベルで防止することができる。
【0014】
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記の発明において、前記光学素子部材は一端部を回転軸として回転可能となっており、前記駆動機構は、レバーと、前記レバーの一端部と前記光学素子部材とを連結したワイヤとを備え、前記レバーの他端部は、前記蓋部が閉じているときには前記蓋部によって押圧され、前記蓋部が開いているときには前記蓋部によって押圧されないようにしてもよい。
【0015】
また、別の観点から、本発明は光測定装置の安全装置とすることもできる。
【0016】
すなわち、本発明の安全装置は、
開口部を有するベース板と、前記ベース板の上面を覆う開閉可能な蓋部とを備え、前記蓋部と前記ベース板とで囲まれた内部に、前記開口部を測定試料で塞ぐようにして当該測定試料が配置される試料配置部と、前記試料配置部に配置された測定試料に測定光を出射する光源部と、前記試料配置部に配置された測定試料からの試料情報を検出する検出器とを備え、前記
蓋部を開いて前記測定試料にアクセスする光測定装置に用いられる安全装置であって、前記測定光の内の少なくとも所定波長領域の光を透過しない光学素子部材と、前記蓋部の開閉と機械的に連動して、前記光学素子部材
が前記開口部を開閉するようにして移動させる駆動機構とを備え、前記駆動機構は、前記蓋部が開いているときには、前記光学素子部材
が前記開口部を塞ぐようにして光路中に配置
され、前記蓋部が閉じているときには、前記光学素子部材
が前記開口部を塞がないようにして前記光源部から前記測定試料に至る光路外に配置することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る蛍光測定装置の一例を示す概略構成図。
【
図3】シャッタの移動を説明するための要部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る蛍光測定装置の一例を示す概略構成図である。なお、
図1(a)は、測定試料の測定状態を示す断面図であり、
図1(b)は、測定試料の交換状態を示す断面図である。また、蛍光測定装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
蛍光測定装置1は、測定試料Sが内部に配置される箱形状の試料配置部10と、光源部20と検出器30とが内部に配置される箱形状の装置筐体50と、安全装置70と、蛍光測定装置1全体の制御を行う制御部(コンピュータ)60とを備える。
【0020】
試料配置部10は、四角形のベース板11と、四角形状の上面と当該上面の周縁部に下方に立設された四角筒形状の側壁とを有する蓋部12とを備える。ベース板11の中央部には、開口11aが形成されている。蓋部12は、一つの側壁の上面が回転軸12aとなるように、ベース板11に対してY方向を回転軸として回転可能に取り付けられた上方跳ね上げ式となっている。このような試料配置部10によれば、蓋部12を開くことにより、測定試料Sの分析面が開口11aを塞ぐように測定試料Sを配置することができ、測定試料Sを配置した後に蓋部12を閉めると、試料配置部10の内部に外光が入射しないようにすることができる。
【0021】
また、蓋部12の一つの側壁の下部には、X方向に突出する棒形状のツメ部12bが形成されている。なお、本発明に係る蛍光測定装置1では、ツメ部12bはマイクロスイッチ140(
図4参照)を押圧するものではなく、後述する棒形状のレバー81の端部をX方向に移動させるものとなっている。
【0022】
装置筐体50は、四角形状の下面と、四角形状の下面の周縁部に上方に立設された略四角筒形状の側壁とを有し、装置筐体50の上部には、ベース板11が取り付けられているとともに、蓋部12の回転軸12aやレバー81の回転軸81aが取り付けられている。
【0023】
安全装置70は、シャッタ(光学素子部材)71と、シャッタ71を移動させるための駆動機構80とを備える。
図2は、シャッタ71の移動を説明するための斜視図であり、
図3は、シャッタ71の移動における要部の構成を示す平面図である。また、
図3(a)は、測定試料の測定状態を示し、
図3(b)は、測定試料の交換状態を示す。
シャッタ71は、開口11aより大きい略四角形状の板状体であり、励起光Lを透過しない材質で形成されている。そして、シャッタ71は、XY平面と平行に配置され、一端部(回転部)71aを回転軸としてXY平面内で移動可能となっている。このとき、シャッタ71は、光源部20から開口11aに至る光路中であるCLOSE位置に配置されたり、光源部20から開口11aに至る光路外であるOPEN位置に配置されたりするように、回動可能となっている。これにより、シャッタ71がCLOSE位置に配置されたときには、光源部20からの励起光Lが開口11aに到達しなくなり(
図1(b)及び
図3(b)参照)、一方、シャッタ71がOPEN位置に配置されたときには、光源部20からの励起光Lが開口11aに到達するようになる(
図1(a)及び
図3(a)参照)。
【0024】
駆動機構80は、レバー81と、ワイヤ82と、バネ83とを備える。
レバー81は、略四角形状の板状体であり、YZ平面と平行に配置され、一端部81aを回転軸として移動可能となっている。このとき、蓋部12が開けられているときには、ツメ部12aがレバー81の他端部に接触せず(
図1(b)参照)、蓋部12が閉じられているときには、ツメ部12aがレバー81の他端部を押圧し(
図1(a)参照)、レバー81の他端部はX方向に所定の距離を移動するようになっている。
【0025】
ワイヤ82は、レバー81の他端部とシャッタ71の回転部71aの一端側とを略X方向に連結している。また、バネ83は、シャッタ71の回転部71aの他端側と装置筐体50とを連結しており、X方向にシャッタ71の回転部71aの他端側を引っ張るよう作用している。これにより、ワイヤ82がシャッタ71の回転部71aの一端側を略X方向に引っ張ると、バネ83の弾性力(トルク)に対抗してシャッタ71の回転部71aが反時計回りに回転し、一方、ワイヤ82がシャッタ71の回転部71aの一端側を略X方向に引っ張らなければ、バネ83の弾性力によってシャッタ71の回転部71aが時計回りに回転するようになっている。
【0026】
このような蛍光測定装置1によれば、操作者が入力部51を用いて電源をOFFにすることを忘れた場合に、蓋部12を開けたときには、ツメ部12aがレバー81の他端部の押圧を止めることにより、ワイヤ82がシャッタ71の回転部71aの一端側を略X方向に引っ張らず、バネ83の弾性力によってシャッタ71の回転部71aが時計回りに回転する。その結果、シャッタ71がCLOSE位置に配置され、すなわち光源部20から開口11aに至る光路中に挿入され、光源部20からの励起光Lが開口11aに到達しないようになる。
【0027】
一方、操作者が蓋部12を閉じたときには、ツメ部12aがレバー81の他端部を押圧することにより、ワイヤ82がシャッタ71の回転部71aの一端側を略X方向に引っ張り、シャッタ71の回転部71aが反時計回りに回転する。その結果、シャッタ71がOPEN位置に配置され、すなわち光源部20から開口11aに至る光路中から退避し、光源部20からの励起光が開口11aに到達するようになる。
【0028】
また、制御部60は、装置筐体50内部に配置されており、制御部60が処理する機能をブロック化して説明すると、入力部51からの入力信号に基づいて光源部20の電源ON/OFFを制御する光源部制御回路(図示せず)と、光検出器30から蛍光の強度を取得する試料情報取得制御回路(図示せず)とを有する。なお、本発明に係る蛍光測定装置1では、マイクロスイッチ140(
図4参照)や、マイクロスイッチ140からの入力信号に基づいて光源部20の電源ON/OFFを制御する回路を有するようにしてもよい。
【0029】
以上のように、本発明の蛍光測定装置1によれば、蓋部12の開閉と機械的に連動してシャッタ71を移動させる駆動機構80を備えるため、回路や論理演算部等によるトラブルの可能性をなくすことができ、励起光Lが操作者に照射されることを高いレベルで防止することができる。
【0030】
<他の実施形態>
(1)上述した蛍光測定装置1では、シャッタ71は、励起光Lを透過しない材質で形成されている構成としたが、可視光を透過し、所定波長領域の励起光を透過しない材質で形成されたフィルタを用いるような構成としてもよい。このような蛍光測定装置によれば、可視光カメラを内蔵したものであれば、蓋部が開けられたときにも、可視光の撮像結果を観察することができ、測定試料を適切な位置に動かすことができる。
【0031】
(2)上述した蛍光測定装置1では、駆動機構80は、レバー81とワイヤ82とバネ83とを備え、駆動機構80によってシャッタ71を移動させる構成としたが、本発明はこの手段のみに限定されるものではない。シャッタが蓋部の動きと機械的に連動することにより、蓋部が開いた状態、すなわち操作者が測定試料にアクセス可能な状態のときにはシャッタが光源部からの励起光の光路中に挿入され、かつ、蓋部が閉じた状態、すなわち操作者が測定試料にアクセス不可能な状態のときにはシャッタが励起光の光路外に退避する機構を備えていれば、他の手段による構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、光源からの光を試料に照射し、その透過光や反射光や蛍光等を光検出器で検出する光測定装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 蛍光測定装置(光測定装置)
10 試料配置部
12 蓋部
20 光源部
30 検出器
71 シャッタ(光学素子部材)
80 駆動機構