(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の画像形成装置では、画像形成の開始前に送り出しトレイに備えられたセンサユニットが検出したシートのサイズに関する情報に基づき、画像形成の開始後に送り出される複数のシートの送り出しタイミングを制御している。このため、シートのサイズに関する情報が得られないときは、シート同士の搬送間隔が変化するという問題が生じる。
【0005】
また、従来から、両面画像形成可能な画像形成装置がある。この画像形成装置は、シートの一方の面に、画像形成部により画像を形成した後、そのシートを、再搬送部を介して再び画像形成部に搬送させて、他方の面に画像を形成する。しかし、従来、このような両面画像形成可能な画像形成装置において、一方の面に画像が形成され画像形成部に再搬送されるシートと、次のシートとの間の搬送間隔が、シート長さの相違によって変化することについて十分に検討されていなかった。
【0006】
本明細書では、両面画像形成可能な画像形成装置において、シート長さの相違に起因してシート同士の搬送間隔が変化することを抑制することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される画像形成装置は、シート保持部と、画像形成部と、前記シート保持部が保持するシートを前記画像形成部に向けて送り出す送出部と、前記画像形成部を通過したシートを、前記画像形成部に再搬送する再搬送部と、前記送出部により送り出されたシートの通過の有無に応じた信号を出力する第1センサと、前記再搬送されたシートの通過の有無に応じた信号を出力する第2センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1センサの信号に基づき、前記送出部によって先に送り出された先行シートについて、シート通過時間を取得する取得処理と、前記送出部により後続シートを前記画像形成部に向けて送り出す送出処理と、前記取得処理で取得したシート通過時間が短いほど、前記第2センサの信号に基づき先行シートの搬送方向における先端を検知してから前記送出処理を実行するまでの送り出し時間を短くする調整処理と、を実行する。
【0008】
これにより、両面画像形成可能な画像形成装置において、シート長さの相違に起因してシート同士の搬送間隔が変化することを抑制することができる。
【0009】
上記画像形成装置では、前記送出部は、前記シート保持部が保持する複数のシートを1枚ずつ分離する分離部を有し、前記制御部は、前記送出処理を実行する前に、前記送出部により、後続シートを送り出し、当該後続シートの先端が前記分離部と前記画像形成部との間に位置したときに停止させる仮送出処理を実行してもよい。
【0010】
この画像形成装置は、送出部により、後続シートを送り出し、当該後続シートの先端が分離部と画像形成部との間に位置したときに停止させる。これにより、送出処理を実行する前に、後続シートの送り出しを行わない場合に比べて、先行シートの先端の検知後における後続シートの送り出し距離が短くなる分だけ、後続シートの搬送速度誤差による影響を抑制することができる。
【0011】
上記画像形成装置では、前記分離部と前記画像形成部との間を通過するシートの有無に応じた信号を出力する第3センサを有し、前記制御部は、前記仮送出処理では、前記第3センサの信号に基づき、当該後続シートを停止させてもよい。
【0012】
この画像形成装置は、仮送出処理では、分離部と画像形成部との間を通過するシートの有無に応じた信号に基づいて、当該後続シートを停止させる。これにより、仮送出処理前の後続シートの位置がばらついていても、仮送出処理後の後続シートを第3センサに対応した位置に停止させることができる。このため、仮送出処理前の後続シートの位置のばらつきに起因してシート同士の搬送間隔がばらつくことを抑制することができる。
【0013】
上記画像形成装置では、前記制御部は、前記第1センサの信号に基づき、前記画像形成部に当該シートへの画像形成を開始させる画像形成処理を実行してもよい。
【0014】
この画像形成装置では、第1センサの信号が、画像形成部の画像形成タイミングの決定に利用される。画像形成装置は、第1センサの信号に基づき、そのシートが画像形成部を通過するまでの間、一定速度の搬送動作を継続する。従って、この第1センサからの信号を利用することにより、シート通過時間を精度よく取得することができる。
【0015】
上記画像形成装置では、前記送出部と前記画像形成部との間でシートを基準姿勢にするレジストレーション部を有し、前記レジストレーション部は、前記再搬送部と前記画像形成部との間に配置されていてもよい。
【0016】
この画像形成装置によれば、送出部から送り出されたシートだけでなく、再搬送部により再搬送されるシートも基準姿勢にすることができる。
【0017】
上記画像形成装置では、前記第1センサは、前記レジストレーション部と前記画像形成部との間に配置されていてもよい。
【0018】
この画像形成装置では、第1センサは、レジストレーション部と画像形成部との間に配置されている。これにより、第1センサは、基準姿勢になった後のシートの通過の有無に応じた信号を出力することになるため、シートの姿勢のばらつきによりシート通過時間の取得精度が低下することを抑制することができる。
【0019】
上記画像形成装置では、前記第2センサは、前記送出部と前記レジストレーション部との間に配置されていてもよい。
【0020】
この画像形成装置では、第2センサは、送出部とレジストレーション部との間に配置されている。これにより、第2センサがレジストレーション部と画像形成装置との間に配置される場合に比べて、レジストレーション部での搬送速度の変化に起因して送り出し時間がばらつくことを抑制することができる。
【0021】
なお、この発明は、画像形成装置、画像形成方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した不揮発性の記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本明細書によって開示される発明によれば、両面画像形成可能な画像形成装置において、シート長さの相違に起因してシート同士の搬送間隔が変化することを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一実施形態に係るプリンタ1を、
図1〜
図6を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、
図1の紙面右側をプリンタ1の前側Fとし、紙面奥側をプリンタ1の右側Rとし、紙面上側をプリンタ1の上側Uとする。
【0025】
プリンタ1は、記録シート(以下シートPという)の片面または両面に画像を形成可能に構成されており、本体筐体2内に、供給部3、画像形成部4、および再搬送部5を備えている。なお、プリンタ1は、画像形成装置の一例である。
【0026】
供給部3は、画像形成部4にシートPを供給するためのものであり、本体筐体2内の下部に、用紙およびOHPシートなどのシートPを保持するシート保持部7を備える。供給部3は、さらにシート保持部7内からシートPを送り出すシート送出機構S、シートPを画像形成部4へ供給経路8に沿って案内する案内部8Aを備える。シート送出機構Sは、シート保持部7内のシートPに接する送出ローラ9、分離ローラ10、および搬送ローラ11、レジストレーションローラ12を備える。なお、シート送出機構Sは、送出部の一例である。
【0027】
シート保持部7に保持されたシートPは、シート押圧板15によって送出ローラ9に寄せられ、送出ローラ9によって送り出され、分離ローラ10と分離パッド16によって1枚ずつ分離され、搬送ローラ11およびレジストレーションローラ12によって画像形成部4へ供給される。なお、分離ローラ10および分離パッド16は、分離部の一例である。
【0028】
搬送ローラ11は、分離ローラ10とレジストレーションローラ12との間に位置し、レジストレーションローラ12は、搬送ローラ11と感光体ドラム13との間に位置する。なお、レジストレーションローラ12は、レジストレーション部の一例である。
【0029】
案内部8Aは搬送されるシートに接することで、供給経路8に沿ってシートが搬送されるよう案内する。
【0030】
送出ローラ9、分離ローラ10、搬送ローラ11およびレジストレーションローラ12は、1つのモータで駆動され、クラッチ機構等で選択的に回転あるいは停止する。また、送出ローラ9、分離ローラ10、搬送ローラ11およびレジストレーションローラ12は、それぞれ別のモータで駆動するようにすることもできる。レジストレーションローラ12は、レジストレーション部でなく通常の搬送ローラと同様のものであってもよい。
【0031】
供給経路8は、送出ローラ9によって送り出されたシートPが画像形成部4に向けて案内される経路であり(実線参照)、シート保持部7付近から前斜め上方に向かって延び、進路を後方に湾曲させて感光体ドラム13と転写ローラ14の間に向かって延びている。
【0032】
プリンタ1は、更に、レジ後センサ41、レジ前センサ42、および分離センサ43を備える。レジ後センサ41は、レジストレーションローラ12と感光体ドラム13との間に配置されている。このレジ後センサ41は、シートPの通過に応じて信号を出力するセンサである。具体的には、レジ後センサ41は、レジストレーションローラ12と感光体ドラム13との間の位置X1でのシートPの有無を示す信号を出力する。
【0033】
レジ後センサ41は、例えば、シートPの当接により揺動するアクチュエータと、アクチュエータの揺動を検知する光センサとを有する。なお、レジ後センサ41は、第1センサの一例である。
【0034】
レジ前センサ42は、搬送ローラ11とレジストレーションローラ12との間に配置されている。このレジ前センサ42は、シートPの通過に応じて信号を出力するセンサである。具体的には、レジ前センサ42は、搬送ローラ11とレジストレーションローラ12との間の位置X2でのシートPの有無を示す信号を出力する。レジ前センサ42がシートPの先端に応じて出力した信号によって、レジストレーションローラ12の回転開始タイミングが決定される。なお、レジ前センサ42は、第2センサの一例である。
【0035】
分離センサ43は、分離ローラ10と搬送ローラ11との間に配置されている。この分離センサ43は、シート保持部7から送り出されたシートPの通過に応じて信号を出力するセンサである。具体的には、レジ前センサ42は、分離ローラ10と搬送ローラ11との間の位置X3でのシートPの有無を示す信号を出力する。なお、分離センサ43は、第3センサの一例である。
【0036】
画像形成部4は、露光部17、プロセスカートリッジ18、および定着部19を備える。
【0037】
露光部17は、プロセスカートリッジ18の上部に設けられ、画像データに基づき、レーザ発光部から出射されたレーザ光(一点鎖線参照)を、回転するポリゴンミラー20、レンズ21、反射鏡23、レンズ22の順に反射または通過させて、感光体ドラム13の表面を走査する。
【0038】
プロセスカートリッジ18は、感光体ドラム13と、帯電器24と、転写ローラ14と、現像ローラ25と、供給ローラ26と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部27とを備える。
【0039】
画像形成部4では、感光体ドラム13の表面が、帯電器24により一様に帯電された後、露光部17からのレーザ光の走査によって画像データに対応して露光されることで、感光体ドラム13上に静電潜像が形成される。
【0040】
そして、現像ローラ25上に担持されたトナーが、感光体ドラム13上の静電潜像に供給されることで、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム13上にトナー像が形成される。その後、供給部3から供給されたシートPが、感光体ドラム13と転写ローラ14の間を搬送されることで、感光体ドラム13上のトナー像がシートP上に転写される。次いで、シートPが定着部19の加熱ローラ28と加圧ローラ29との間を搬送されることで、シートP上に転写されたトナー像が熱定着される。定着部19は、プロセスカートリッジ18のシート搬送方向下流側に設けられている。
【0041】
再搬送部5は、トナー像が熱定着され画像が形成されたシートPを排出経路30に沿って本体筐体2の外部に向けて搬送するための搬送ローラ31、排出ローラ32を備える。さらに、シートPの表裏を反転させて、反転経路34に沿って再び画像形成部4に向け搬送するための再搬送ローラ35を備える。
【0042】
排出経路30は、定着部19の出口付近から後斜め上方に向かって延び、進路を前方に湾曲させて本体筐体2上面の排出トレイ33に向かって延びている。
【0043】
排出ローラ32は、シートPを本体筐体2の外部に向けて搬送する正回転方向と、シートPを反転経路34に搬送する逆回転方向とに、正逆回転可能に構成されている。
【0044】
画像が形成されて画像形成部4から搬送されたシートP(実線参照)は、搬送ローラ31によって排出経路30を搬送される。そして、片面のみの画像形成が終了した場合や両面への画像形成が終了した場合には、シートPは、正回転する排出ローラ32によって本体筐体2上面の排出トレイ33上に排出される。一方、片面に画像形成後他方の面に画像を形成する場合には、シートPは、排出ローラ32の正回転によってその後端を排出ローラ32に挟まれる位置まで送り出された後、排出ローラ32が逆回転することで、再度本体筐体2内に引き込まれて反転経路34に搬送される(破線参照)。
【0045】
反転経路34は、排出ローラ32の逆回転によって搬送されたシートを導入するように排出経路30から分岐して略下方へ延び、前方へ湾曲しシート保持部7と画像形成部4の間を経て、さらに上方へ湾曲し、レジストレーションローラ12よりもシートPの搬送方向上流側において供給経路8に合流している。
【0046】
このため、排出ローラ32の逆回転によって搬送されたシートPは、反転経路34から供給経路8へ表裏反転されて搬送され、画像形成部4に供給される。そのシートPは、画像形成部4において裏面に画像が形成され、排出トレイ33上に排出される。
【0047】
図2に示すように、プリンタ1は、上述したシート供給部3、画像形成部4、および再搬送部5に加え、中央処理装置(以下、CPU)44、ROM45、RAM46、不揮発性メモリ47、ASIC48、表示部49および操作部50を備える。
【0048】
ROM45には、各種のプログラムが記憶されており、各種のプログラムには、例えば、後述する画像形成処理等を実行するためのプログラムや、画像形成部4等の各部の動作を制御するためのプログラムが含まれる。RAM46は、CPU44が各種のプログラムを実行する際の作業領域や、データの一時的な記憶領域として利用される。
【0049】
不揮発性メモリ47には、A4、レター、リーガル等、シートPの定型サイズが予め記憶されている。不揮発性メモリ47は、NVRAM、フラッシュメモリ、HDD、EEPROMなどの電源が遮断されてもデータが消去されない記憶手段であればよい。
【0050】
CPU44は、制御部の一例である。CPU44は、ROM45やRAM46等と接続されており、ROM45から読み出したプログラムに従って、プリンタ1の各部を制御する。
【0051】
更に、プリンタ1は、表示部49や操作部50を有する。表示部49は、液晶ディスプレイやランプ等を有し、各種の設定画面や装置の動作状態等を表示することが可能である。操作部50は、複数のボタンを有し、ユーザによる各種の入力指示を受け付け可能である。
【0052】
図3に示すように、ユーザがパソコンや操作部50などを操作することによって、プリンタ1に印刷ジョブが入力された場合、CPU44は、送出ローラ9、分離ローラ10、搬送ローラ11を駆動させ、1枚目のシート(先行シート)P1の送り出しを開始する(S1)。
【0053】
CPU44は、送出ローラ9、分離ローラ10を一定時間駆動させた後に駆動を停止し、搬送ローラ11の駆動を継続する。送出ローラ9、分離ローラ10はワンウェイクラッチ等を有し、駆動が停止された後も搬送ローラ11によって搬送されるシートPに連れて回転する。
【0054】
CPU44は、先行シートP1の先端が位置X2に到達したか否かを判断する(S2)。CPU44は、先行シートP1の先端が位置X2に到達していないと判断した場合(S2:NO)、先行シートP1の送り出しを続け、先行シートP1の先端が位置X2に到達したと判断した場合(S2:YES)、送り出した先行シートP1の2面目(裏面)の画像形成であるか否かを判断する(S3)。
【0055】
CPU44は、送り出した先行シートP1の2面目(裏面)の画像形成であると判断した場合(S3:YES)、フラグを立て、そのフラグをRAM46に記憶する(S4)。CPU44は、送り出した先行シートP1の2面目(裏面)の画像形成でないと判断した場合(S3:NO)、そのままS5の処理を実行する。
【0056】
CPU44は、先行シートP1の先端が位置X2に到達したと判断してから所定時間経過後、レジストレーションローラ12の回転を開始する(S5)。CPU44が、当該所定時間が経過したと判断した後でレジストレーションローラ12の回転を開始することにより、先行シートP1がレジストレーションローラ12に当接して、先行シートP1の先端の移動が規制される。そして先行シートP1の斜行が修正されて基本姿勢とされた後、レジストレーションローラ12の回転により感光体ドラム13と転写ローラ14の間に供給される。
【0057】
次に、CPU44は、先行シートP1の先端が位置X1に到達したか否かを判断する(S6)。CPU44は、先行シートP1の先端が位置X1に到達していないと判断した場合(S6:NO)、先行シートP1の送り出しを続け、先行シートP1の先端が位置X1に到達したと判断した場合(S6:YES)、先行シートP1の1面目(表面)の画像形成であるか否かを判断する(S7)。
【0058】
CPU44は、先行シートP1の1面目の画像形成であると判断した場合(S7:YES)、先行シートP1のシート長を算出するために、先行シートP1の先端が位置X1に到達した時点を始点として、先行シートP1がレジ後センサ41を通過する間の通過時間の計測を開始する(S8)。その後、CPU44は、先行シートP1の1面目に画像形成を開始する(S9)。
【0059】
CPU44は、先行シートP1の1面目の画像形成でないと判断した場合(S7:NO)、S9の処理を実行する。
【0060】
図5Aでは、先行シートP1が供給経路8内に送り出され、画像形成部4によって画像が形成され始めた状態が例示されている。同図では、先行シートP1の先端が位置X1に到達しており、CPU44は、先行シートP1の先端が位置X1に到達してからの時間を計測し続けている。
【0061】
次に、CPU44は、先行シートP1の後端が位置X1に到達したか否かを判断する(S10)。CPU44は、先行シートP1の後端が位置X1に到達していないと判断した場合(S10:NO)、先行シートP1の送り出しを続ける。
【0062】
一方、CPU44は、先行シートP1の後端が位置X1に到達したと判断した場合(S10:YES)、先行シートP1の1面目(表面)の画像形成であるか否かを判断する(S11)。
【0063】
CPU44は、先行シートP1の1面目の画像形成であると判断した場合(S11:YES)、先行シートP1がレジ前センサ42を通過する間の通過時間の計測を終了する(S12)。具体的には、CPU44は、先行シートP1の先端が位置X1に到達してから先行シートP1の後端が位置X1に到達するまでの時間ΔT1を取得し、RAM46に記憶する。S12の処理は、取得処理の一例である。
【0064】
CPU44は、画像形成部4によって、先行シートP1上に画像形成する場合、レジストレーションローラ12等をROM45に記憶された速度で等速度回転させる。このため、先行シートP1の搬送速度は一定となる。
【0065】
その後、CPU44は、先行シートP1をスイッチバックさせる(S13)。一方、CPU44は、先行シートP1の1面目の画像形成でないと判断した場合(S11:NO)、S14の処理を実行する。
【0066】
CPU44は、全てのシートPの画像形成が完了したか否かを判断する(S14)。CPU44は、全てのシートPの画像形成が完了していないと判断した場合(S14:NO)、S2へ戻りシートPの画像形成を行う。
【0067】
一方、CPU44は、全てのシートPの画像形成が完了したと判断した場合(S14:YES)、画像形成処理を終了する。
【0068】
図4に示す通り、CPU44は、上述した画像形成処理と同時並行で、後続シートP2の送り出し制御処理を実行する。CPU44は、S4の処理で立てたフラグがRAM46に記憶されているか否かを判断する(S21)。
【0069】
即ち、CPU44は、当該フラグがRAM46に記憶されていないと判断した場合(S21:NO)、待機し、フラグがRAM46に記憶されていると判断した場合(S21:YES)、全ての後続シートP2の送り出しが未完了であるか否かを判断する(S22)。
【0070】
CPU44は、全ての後続シートP2の送り出しが未完了でない、即ち、全ての後続シートP2の送り出しが完了したと判断した場合(S22:NO)、後続シートP2の送り出し制御処理を終了する。一方、CPU44は、全ての後続シートP2の送り出しが未完了であると判断した場合(S22:YES)、送出ローラ9、分離ローラ10を駆動させ、後続シートP2の送り出しを開始する(S23)。
【0071】
図5Bには、CPU44が、先行シートP1の先端が位置X2に到達し、かつ、先行シートP1の2面目(裏面)の画像形成であると判断したことに応じて(S2:YESかつS3:YES)、シート保持部7内の後続シートP2を送り出し始めた状態が例示されている。
【0072】
次にCPU44は、後続シートP2の先端が位置X3に到達したか否かを判断する(S24)。
【0073】
CPU44は、後続シートP2の先端が位置X3に到達していないと判断した場合(S24:NO)、後続シートP2の送り出しを続け、後続シートP2の先端が位置X3に到達したと判断した場合(S24:YES)、後続シートP2の送り出しを停止し、分離ローラ10に後続シートP2を保持させる(S25)。なお、S23からS25までの処理は、仮送出処理の一例である。
【0074】
図5Cでは、CPU44が、後続シートP2の先端が位置X3に到達したと判断した場合(S24:YES)、後続シートP2の送り出しを停止し、分離ローラ10に後続シートP2を保持させる(S25)状態が例示されている。CPU44は、分離ローラ10に後続シートP2を保持させ、後続シートP2を待機させる。
【0075】
CPU44は、RAM46に記憶した時間ΔT1に基づいて、先行シートP1の先端が位置X2に到達してから、後続シートP2の送り出しを再開するまでの時間ΔTを算出する(S26)。
【0076】
CPU44は、先行シートP1の先端が位置X2に到達してから、時間ΔTが経過していないと判断した場合(S27:NO)、待機し、時間ΔTが経過したと判断した場合(S27:YES)、後続シートP2の送り出しを再開する(S28)。その後、CPU44は、後続シートP2の送り出し制御処理を終了する。なお、S27の処理は、調整処理の一例であり、通過時間は送り出し時間の一例である。また、S28の処理は、送出処理の一例である。
【0077】
図5Dでは、先行シートP1の先端が位置X2に到達してから、時間ΔTが経過したと判断した場合(S27:YES)、後続シートP2の送り出しを再開する(S28)状態が例示されている。
【0078】
図6には、
図5Bから
図5Dに至るまでに、レジ前センサ42、分離センサ43のON、OFFのタイミングチャートが記載されている。なお、このタイミングチャートでセンサがOFFからONになったときは、シートPの先端が各センサの位置に到達したときを意味し、センサがONからOFFになったときは、シートPの後端が各センサの位置に到達したときを意味する。また、各ローラはそれぞれ一定の速度で回転しているとする。
【0079】
同図に示す通り、先行シートP1の長さは時間が経過しても変わらないため、レジ前センサ42がONとなってからOFFとなるまでの時間ΔT1は先行シートP1の1面目の画像形成のときに計測した値である。また、先行シートP1と後続シートP2との間隔も一定間隔であるため、先行シートP1の後端が位置X2に達してレジ前センサ42がOFFとなってから、後続シートの先端が位置X2に達してレジ前センサ42がONとなるまでの時間ΔT2は一定の値に設定される。
【0080】
また、分離センサ43から、レジ前センサ42までの距離は一定であるため、シートPを分離センサ43に対応する位置X3からレジ前センサ42に対応する位置X2まで搬送するために掛かる時間ΔT3も一定である。
【0081】
後続シートP2の送り出しが開始されてから、後続シートP2の先端が位置X3に到達することで、分離センサ43がONとなるまでの時間ΔT5は、変化することがある。複数枚のシートPが分離ローラ10と分離パッド16との間に連れ上がった状態や、シートPの表面に発生する、送出ローラ9との摩擦力の大小が、シートPの送り出し毎に異なるためである。
【0082】
レジ前センサ42がONになってから、後続シートP2の送り出しを再開するまでの時間ΔTは、ΔT=ΔT1+ΔT2―ΔT3で算出される値に調整される。分離センサ43がONとなるまでの時間ΔT5が変化した場合であっても、後続シートP2の送り出しを停止してから、後続シートP2の送り出しを再開するまでの時間ΔT4は、時間ΔT5に合わせて変化する。
【0083】
したがって、複数枚のシートPの連れ上がりの有無や、シートPの表面に発生する、送出ローラ9との摩擦力の大小が、シートPの送り出し毎に異なる場合であっても、CPU44は、先行シートP1と後続シートP2との間隔を定間隔にすることができる。すなわち、先行シートP1の長さが短いほど、時間ΔT1が短くなり、時間ΔTが短く調整される。時間ΔT2は一定の値であるため、先行シートP1と後続シートP2の間隔が一定となる。
【0084】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、CPU44は、後続シートP2の先端が位置X3に到達したと判断した場合(S24:YES)、後続シートP2の送り出しを停止し、分離ローラ10に後続シートP2を保持させる(S25)。このため、複数枚のシートPの連れ上がりの有無や、シートPの表面に発生する、送出ローラ9との摩擦力の大小が、シートPの送り出し毎に異なる場合であっても、CPU44は、先行シートP1と後続シートP2との間隔を定間隔にすることができる。
【0085】
(他の実施形態)
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0086】
上記実施形態では、プリンタ1は、1つのCPUとメモリを有する構成であった。しかし、プリンタ1は、これに限らず、複数のCPUを備える構成や、ASICなどのハード回路を備える構成や、ハード回路及びCPUの両方を備える構成でもよい。
【0087】
上記実施形態では、各種のプログラムが記憶される媒体としてRAM46を有する例を挙げた。しかしこれに限らず、各種のプログラムが記憶される媒体は、RAM46等以外に、CD−ROM、ハードディスク装置、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリでもよい。
【0088】
上記実施形態では、CPU44は、先行シートP1の先端が位置X2に到達してから、先行シートP1の後端が位置X2に到達するまでの通過時間に基づき、後続シートP2の送り出しを再開する例を挙げた。しかしこれに限らず、CPU44は、先行シートP1の長さを検出し、先行シートP1の長さに基づいて後続シートP2の送り出しを再開する構成でもよい。また、先行シートP1の長さは、検出結果に基づき、不揮発性メモリ47に記憶されている、シートPの定型サイズ等から選択する構成でもよい。
【0089】
上記実施形態では、レジ後センサ41を第1センサの一例とし、レジ前センサ42を第2センサの一例としたが、異なるセンサを用いてもよいし、第1センサと第2センサが同一のセンサであってもよい。
【0090】
上記実施形態では、シートPは、用紙およびOHPシートである例を挙げた。しかしこれに限らず、シートPは、布やフィルム等、別の媒体であってもよい。
【0091】
上記実施形態では、CPU44は、先行シートP1の先端が位置X2に到達したと判断することに応じて、後続シートP2を送り出し始める例を挙げた。しかしこれに限らず、CPU44は、排出ローラ32が逆回転し、先行シートP1がスイッチバックされたと判断した場合に、後続シートP2を送り出し始めてもよい。
【0092】
上記実施形態では、レジ後センサ41は、シートPの搬送方向における先端(前端)の通過と後端の通過に応じて信号を出力するセンサである例を挙げた。しかしこれに限らず、レジ後センサ41は、露光部17のレーザ発光部の発光タイミング(レーザ光を出射するタイミング)を制御するためのセンサを兼ねてもよい。