【文献】
Mitsuaki Watanabe, Mutsuhiro Date, Kenji Kawanishi, Ryuji Akiyoshi and Sunao Furukawa,A Facile Synthesis of Benzo[b]thiophene Derivatives,Journal of Heterocyclic Chemistry,1991年 1月,Volume 28, Issue 1,pp. 173-176
【文献】
Benoit Liegault, David Lapointe, Laurence Caron, Anna Vlassova, and Keith Fagnou,Establishment of Broadly Applicable Reaction Conditions for the Palladium-Catalyzed Direct Arylation of Heteroatom-Containing Aromatic Compounds,The Journal of Organic Chemistry,2009年 2月10日,Volume 74, Issue 5,pp. 1826-1834
【文献】
Thanh Truong and Olafs Daugulis,Base-Mediated Intermolecular sp2 C-H Bond Arylation via Benzyne Intermediates,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2011年 3月 8日,Volume 133, Issue 12,pp. 4243-4245
【文献】
Demetris P.Papahatjis,Victoria R.Nahmias,Thanos Andreou,Pusheng Fan and Alexandros Makriyannis,Structural modifications of the cannabinoid side chain towards C3-aryl and 1'-cyano cannabinoids,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2006年 1月 4日,Volume 16, Issue 6,pp. 1616-1620
【文献】
Jeanne L. Bolliger and Christian M. Frech,[Pd(Cl)2{P(NC5H10)(C6H11)2}2]―A Highly Effective and Extremely Versatile Palladium-Based Negishi Catalyst that Efficiently and Reliably Operates at Low Catalyst Loadings,CHEMISTRY A European Journal,2010年 8月16日,Volume 16, Issue 36,pp. 11072-11081
【文献】
Bing-Tao Guan, Yang Wang, Bi-Jie Li, Da-Gang Yu, and Zhang-Jie Shi,Biaryl Construction via Ni-Catalyzed C-O Activation of Phenolic Carboxylates,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2008年10月11日,Volume 130, Issue 44,pp. 14468-14470
【文献】
Chun Song, Yudao Ma, Qiang Chai, Chanqin Ma, Wei Jiang and Merritt B. Andrus,Palladium catalyzed Suzuki-Miyaura coupling with aryl chloridesusing a bulky phenanthrylN-heterocyclic carbene ligand,Tetrahedron,2005年 6月15日,Volume 61, Issue 31,pp. 7438-7446
【文献】
Jeanne L. Bolliger and Christian M. Frech,The 1,3-Diaminobenzene-Derived Aminophosphine Palladium Pincer Complex {C6H3[NHP(piperidinyl)2]2Pd(Cl)} - A Highly Active Suzuki-Miyaura Catalyst with Excellent Functional Group Tolerance,Advanced Synthesis & Catalysis,2010年 4月 7日,Volume 352, Issue 6,pp. 1075-1080
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の重合体、化合物、樹脂組成物、樹脂ペレット及び樹脂成形体を詳細に説明する。
【0015】
[重合体]
本発明の重合体(以下「(A)重合体」ともいう)は、下記式(1)で表される2価の基(以下「X基」ともいう)を含む構造単位(以下「構造単位(a)」ともいう)を主鎖中に有する。
【0016】
<X基>
X基は、例えば芳香族ジオール化合物、その誘導体又は前駆体等に由来する。
【0018】
上記式(1)中、R
1は、下記式(2)又は式(3)で表される1価の基である。R
2は、水素原子又はシアノ基であり、水素原子が好ましい。R
3は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えばエチレン基、n−プロピレン基、i-プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基が挙げられる。aは、0〜2の整数であり、0が好ましい。上記式(1)の2つのaは、同一であっても異なっていてもよい。
【0019】
(A)重合体は、R
1が下記式(2)又は式(3)で表される1価の基であることで、屈折率が高く、ガラス転移温度及び複屈折性を低くできる。この理由は明確ではないが、(A)重合体の側鎖に芳香環を含むことで、(A)重合体の芳香環濃度が高くなるため、高屈折率化が可能となり、また(A)重合体の主鎖に直交する方向へ屈折率を変調することができ、低複屈折化を実現すると考えられる。特に、R
1が下記式(3)で表される1価の基である場合、(A)重合体の側鎖が硫黄原子を含むことで、(A)重合体における硫黄濃度が高くなり、高屈折率化及び低複屈折化の実現により好適であると考えられる。また、上記式(1)のX基は、フルオレンのカルド構造のような剛直な構造ではないことに加え、繰り返し単位の分子量が小さく、屈曲性を有する結合基の数を増やすことができるため、(A)重合体のガラス転移温度を低くすることが可能となると考えられる。
【0021】
上記式(2)中、R
4は、炭素数1〜12の1価の有機基である。bは、0〜7の整数である。bが2以上の場合、複数のR
4は、同一であっても異なっていてもよい。複数のR
4のうちの2以上のR
4は、互いに結合して環構造の一部を形成してもよい。cは、0又は1である。
上記式(3)中、d、e及びfは、それぞれ独立して、0又は1である。なお、上記式(3)の上記式(1)で表される2価の基との結合手は、繰り返し数dの括弧を貫通しているが、これは上記結合手がベンゼン環、及び硫黄原子を含む複素環のいずれの環に結合部位を有していてもよいことを意味する。
【0022】
上記R
4で表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜12の1価の炭化水素基、並びに酸素原子及び窒素原子のうちの少なくとも一方の原子を含む炭素数1〜12の1価の炭化水素基等が挙げられる。
【0023】
炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の炭化水素基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0024】
直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等が挙げられる。
【0025】
炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状の炭化水素基がより好ましい。
【0026】
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
【0027】
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3又は4の脂環式炭化水素基がより好ましい。
【0028】
炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0029】
酸素原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えばエーテル結合、カルボニル基、エステル基等を有する炭素数1〜12の炭化水素基などが挙げられる。
【0030】
エーテル結合を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、炭素数2〜12のアルキニルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基等が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、プロペニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシメチル基等が挙げられる。
【0031】
また、カルボニル基を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えば炭素数2〜12のアシル基等が挙げられる。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0032】
エステル基を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数2〜12のアシルオキシ基等が挙げられる。具体的には、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
【0033】
窒素原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えばイミダゾール基、トリアゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンズトリアゾール基等が挙げられる。
【0034】
酸素原子及び窒素原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えばオキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズオキサジアゾール基等が挙げられる。
【0035】
上記式(2)で表される1価の基としては、下記式(2−1)〜式(2−3)で表される1価の基が挙げられる。
【0037】
上記式(2)で表される1価の基としては、c=1の場合、上記式(1)で表される2価の基におけるベンゼン環との結合部位が下記式(2−4)で表される位置の1価の基が好ましい。
【0039】
上記式(2−4)中、R
4及びbは、上記式(2)と同義である。
【0040】
上記式(3)で表される1価の基としては、例えば下記式(3−1)〜式(3−6)で表される1価の基等が挙げられる。
【0042】
上記式(3)で表される1価の基としては、下記式(4)で表される1価の基が好ましい。(A)重合体は、下記式(4)で表される基を含むことで、高屈折率化及び低複屈折化をさらに好適に実現することが可能となる。かかる点から、上記式(3)で表される1価の基としては、上記式(3−3)で表される1価の基、式(3−4)で表される1価の基がより好ましい。
【0044】
<構造単位(a)>
構造単位(a)としては、下記式(9)で表されるエステル基含有構造単位、式(10)で表されるカーボネート基含有構造単位、式(11)で表されるエーテル基含有構造単位が好ましく、下記式(11)で表されるエーテル基含有構造単位がより好ましい。
【0046】
上記式(9)〜式(11)中、Xは、上記式(1)で表されるX基である。
上記式(9)中、Yは、脂環又は芳香環を有する2価の有機基である。
上記式(11)中、Zは、メチレン基、炭素数2〜4のアルキレン基又は芳香環を有する2価の有機基である。
【0047】
上記(9)式のYで表される脂環を有する2価の有機基としては、例えば炭素数4〜20の脂環式基等が挙げられる。この炭素数4〜20の脂環式基としては、例えばシクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基等が挙げられる。
【0048】
上記(9)式のY又は上記(11)のZで表される芳香環を有する2価の有機基としては、例えば置換又は非置換の炭素数6〜20の芳香族基等が挙げられる。非置換の炭素数6〜20の芳香族基としては、例えばフェニレン基、ナフタレニレン基、アントラセニレン基が挙げられる。置換の炭素数6〜20の芳香族基としては、例えば非置換の炭素数6〜20の芳香族基の少なくとも1つの水素原子を置換基で置換した基が挙げられる。この置換基としては、例えばハロゲン原子、シアノ基、アルキル基等が挙げられる。
【0049】
(A)重合体における構造単位(a)の含有割合としては、(A)重合体中の全構造単位に対して、通常25モル%以上であり、50モル%以上が好ましい。構造単位(a)の含有割合の上限としては、特に限定されないが、100モル%であってもよい。
【0050】
なお、(A)重合体は、構造単位(a)以外の他の構造単位を含んでいてもよい。他の構造単位は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。(A)重合体における他の構造単位の含有割合としては、通常75モル%以下、好ましくは50モル%以下である。
【0051】
<(A)重合体の合成>
(A)重合体は、公知の方法、例えば構造単位(a)を与える芳香族ジオール化合物等と他の化合物とを、必要に応じてさらに他の化合物を、有機溶媒存在下で所定の反応条件で反応させることで合成できる。
【0052】
芳香族ジオール化合物等としては、芳香族ジオール化合物、その誘導体及び前駆体を含み、後述する化合物(a)が挙げられる。
【0053】
他の化合物は、構造単位(a)の構造に応じて適宜選択すればよい。他の化合物としては、例えばアルカリ金属化合物、上記式(9)の「−(CO)Y(CO)−」、上記式(10)の「−CO−」、上記式(11)の「Z」を与える化合物が挙げられる。また、さらに他の化合物他は、構造単位(a)以外の他の構造単位の構造に応じて適宜選択すればよい。
【0054】
ここで、上記式(11)の「Z」を与える化合物としては、例えばジハロゲン化ベンゾニトリル化合物等が挙げられる。ジハロゲン化ベンゾニトリルとしては、例えば2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、これらの前駆体や誘導体等が挙げられる。これらの中で、反応性及び経済性の観点から、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリルが好ましく、2,6−ジフルオロベンゾニトリルがさらに好ましい。
【0055】
(アルカリ金属化合物)
アルカリ金属化合物は、(A)重合体の合成の過程で、芳香族ジオール化合物等と反応してアルカリ金属塩を形成する。このようなアルカリ金属化合物としては、例えば
リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属;
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。これらの中で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
【0056】
上記アルカリ金属化合物の使用量としては、(A)重合体の合成に用いる全化合物のフェノール性水酸基に対し、アルカリ金属化合物中の金属原子の量が、通常1〜3倍当量、好ましくは1.1倍当量〜2倍当量、より好ましくは1.2倍当量〜1.5倍当量となる量である。
【0057】
(有機溶媒)
有機溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、塩化メチレン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、例示した有機溶媒の中でも、誘電率の高い極性溶媒であることから、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシドが好ましい。
【0058】
先に例示した有機溶媒に加えて、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の水と共沸する溶媒を併用することもできる。
【0059】
(反応条件)
(A)重合体の合成時の反応温度としては、60℃〜250℃が好ましく、80℃〜200℃がより好ましい。上記合成時の反応時間としては、15分〜100時間が好ましく、1時間〜24時間がより好ましい。
【0060】
[化合物]
本発明の化合物(以下「(a)化合物」ともいう)は、下記式(5)で表される。この(a)化合物は、上記X基を与えることができるものである。
【0062】
上記式(5)中、R
1は、下記式(6)又は(7)で表される1価の基である。R
3は、炭素数2〜4のアルキレン基である。R
5は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。aは、0〜2の整数である。
【0064】
上記式(6)のR
4、b及びcは、上記式(2)のR
4、b及びcと同義である。
上記式(7)のd、e及びfは、上記式(3)のd、e及びfと同義である。
【0065】
上記式(7)で表される1価の基としては、下記式(8)で表される1価の基が好ましい。
【0067】
<化合物(a)の合成方法>
化合物(a)は、例えば下記合成スキームにより得ることができる。具体的には、まず下記式(12)で表される化合物をテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(Pd(PPh
3)
4)の存在下でR
1B(OH)
2等と反応させることで、臭素原子をR
1に置換し下記式(13)の芳香族ジオール化合物前駆体を得ることができる。下記式(13)で表される芳香族ジオール化合物前駆体は、化合物(a)の一例に対応する。
【0068】
次いで、下記式(13)で表される芳香族ジオール化合物前駆体を三臭化ホウ素等と反応させることで、下記式(14)で表される芳香族ジオール化合物を得ることができる。この芳香族ジオール化合物もまた、化合物(a)の一例に対応する。
【0070】
ここで、上記式(12)及び式(13)中、R
1は、上記式(6)又は式(7)で表される1価の基である。R
3は、炭素数2〜4のアルキル基である。R
5’は、炭素数1〜5のアルキル基である。aは、0〜2の整数である。
【0071】
[樹脂組成物]
樹脂組成物(以下「(A)樹脂組成物」ともいう)は、(A)重合体及び有機溶媒を含有する。この(A)樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでいてもよい。この(A)樹脂組成物は、後述の樹脂ペレットや樹脂成形品を形成するために好適に使用できる。
【0072】
有機溶媒としては、(A)重合体を合成するときに使用される有機溶媒と同様のものが挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0073】
他の成分としては、例えば酸化防止剤、(A)重合体以外の他の重合体が挙げられる。
【0074】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、硫黄系化合物、金属系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。この酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
【0075】
ヒンダードフェノール系化合物としては、分子量500以上のものが好ましい。分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物としては、例えばトリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、および、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
【0076】
[その他の任意成分]
(A)樹脂組成物は、(A)重合体、酸化防止剤及び(A)重合体以外の重合体以外のその他の任意成分を含んでいてもよい。その他の任意成分としては、例えば加工性を向上させる滑剤の他、公知の添加剤、例えば難燃剤、抗菌剤、着色剤、離型剤、発泡剤が挙げられる。これらのその他の任意成分は、1種を単独使用してもよしい、2種以上を併用してもよい。
【0077】
(A)樹脂組成物における酸化防止剤の含有量としては、例えば(A)重合体100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下である。
【0078】
(A)樹脂組成物における(A)重合体の含有量としては、例えば(A)樹脂組成物の全固形分中10質量%以上100質量%以下である。
【0079】
(A)樹脂組成物における有機溶媒の含有量としては、例えば(A)重合体100質量部に対して50質量部以上100,000質量部以下である。
【0080】
<(A)樹脂組成物の調製方法>
(A)樹脂組成物は、(A)重合体及び有機溶媒、必要に応じて酸化防止剤、他の樹脂等の他の成分を均一に混合することによって調製される。樹脂組成物は、粉末状、ペレット状、チップ状等の固体状に調製され、又は適当な溶媒で溶解して液状あるいはペースト状に調製される。
【0081】
溶媒としては、含有成分を均一に溶解し、含有成分と反応しないものが用いられる。このような溶媒としては、例えば(A)重合体の合成時に使用した有機溶媒として例示したものと同様な溶媒が挙げられる。
【0082】
樹脂組成物を固体状に調製する場合、この樹脂組成物の300℃、10kg荷重でのメルトフローレート(以下「MFR」ともいう)としては、0.1g/10分以上1000g/10分以下が好ましい。MFRが上記下限未満であると、押出成形時等の成形時に十分な流動性を確保できず、成形性が悪化するおそれがある。一方、MFRが上記上限を超えると、成形物の強度を保てず、金型から取り外す際に割れを生じるおそれがある。
【0083】
[樹脂ペレット]
本発明の樹脂ペレット(以下「(A)樹脂ペレット」ともいう)は、(A)重合体を主成分とする。この(A)樹脂ペレットは、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでいてもよい。
【0084】
他の成分としては、(A)樹脂組成物の他の成分として例示したものと同様なものが挙げられる。
【0085】
この(A)樹脂ペレットは、(A)重合体、必要に応じて他の成分を溶解させた溶液、例えば(A)樹脂組成物を二軸押出機を用いて脱溶し、溶融混練して押出したストランドをペレタイザーにて所定寸法に切断することにより得ることができる。
【0086】
[樹脂成形体]
本発明の樹脂成形体(以下「(A)樹脂成形体」という)は、(A)重合体を主成分とする。(A)樹脂成形体としては、例えば光学部品が挙げられる。
【0087】
<光学部品>
光学部品としては、例えば波長板、位相差板等の光学フィルム、円錐レンズ、球面レンズ、円筒レンズ等の各種特殊レンズ、レンズアレイなどが挙げられる。
【0088】
<(A)樹脂成形体の製造方法>
(A)樹脂成形体の製造方法としては、例えば金型成形法、押出成形法、溶剤キャスト法等が挙げられる。レンズの製造には、金型成形法が好適である。光学フィルムの製造には、押出成形法及び溶剤キャスト法が好適であり、押出成形法がより好ましい。以下、押出成形法について説明する。
【0089】
(押出成形法)
押出成形法としては、例えば溶融押出法、半溶融押出法等が挙げられるが、溶融押出法が好ましい。溶融押出法としては、各種形状のダイを用いて方法が挙げられるが、中でも、Tダイ、コートハンガーダイを用いる方法が好ましい。
【0090】
このような溶融押出では、熱溶融された樹脂組成物をダイから押出た後、金属ベルト、冷却ロール等に密着させてシート化し、この高分子シートの冷却後に巻き取ることでロール状の光学シートが得られる。
【0091】
光学シートは、ロール状に巻き取る前に、あるいはロール状に巻き取った後に延伸処理を施してもよく、また所定寸法に裁断してもよい。ダイから溶融押出された高分子シートは、金属ベルトに密着させるために、金属ベルトと同様の温度に制御されたエアを吹き付けたり、帯電固定により密着させたりしてもよい。また、延伸処理は、一軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。
【0092】
[(A)重合体及び(A)樹脂成形体の物性]
<(A)重合体のガラス転移温度(Tg)>
(A)重合体のガラス転移温度(Tg)としては、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。このような(A)重合体のガラス転移温度が200℃以下であることで、この(A)重合体を主成分とする樹脂ペレットや樹脂組成物は、溶融押出等の押出成形時の成形性に優れる。ここで、ガラス転移温度(Tg)は、例えばRigaku社の「8230型DSC測定装置」(昇温速度20℃/分)により測定することができる。
【0093】
<(A)重合体の重量平均分子量(Mw)>
(A)重合体の重量平均分子量(Mw)の下限としては、10,000が好ましく、20,000がより好ましく、30,000がさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)の上限としては、75,000以下が好ましく、60,000以下がさらに好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算分子量である。
【0094】
<光学フィルムの厚み>
(A)樹脂成形体としての光学フィルムの厚みとしては、10μm以上1,000μm以下であり、10μm以上500μm以下がさらに好ましい。光学フィルムの厚みが10μm未満であると、シート強度を十分に確保できないおそれがある。一方。高分子シートの厚みが1,000μmを超えると、シートの透明性を確保できなくなるおそれがある。
【0095】
<(A)重合体及び光学部品の全光線透過率>
(A)重合体及び(A)樹脂成形体としての光学部品の全光線透過率としては、厚み50μmのシートとして作成したときに85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。ここで、全光線透過率は、厚み50μmのシートにおける透明度試験法(JIS−K−7105:1981)の値である。シートの全光線透過率が85%以上であることで、光学フィルム等の(A)光学部品の透明性を確保することができる。そのため、光学フィルム等の光学部品は、表示装置等に好適に使用することができる。
【0096】
<(A)重合体及び光学部品の屈折率(nD)及びアッベ数(D)>
(A)重合体及び光学部品の屈折率(nD)としては、1.65以上が好ましく、1.66以上がより好ましくし、1.67以上がさらに好ましい。
(A)重合体及び光学部品のアッベ数(D)としては、21以下が好ましく、20以下がより好ましく、19以下がさらに好ましい。
(A)重合体及び光学部品の屈折率(nD)が1.65以上であり、且つアッベ数(D)が21以下であることで、レンズ、フィルム等の薄膜化、高付加価値化を実現することが可能となる。
【0097】
<(A)重合体及び(A)光学部品の応力光学係数(C
R)>
(A)重合体及び(A)光学部品の応力光学係数(C
R)の絶対値の上限としては、2,000Br以下が好ましく、1,500Br以下がより好ましく、1,000Br以下がさらに好ましい。光学フィルムの応力光学係数(C
R)の絶対値を上記上限以下とすることで、光学フィルムの複屈折を小さくすることが可能となる。すなわち、成形体の光学歪を小さくすることができ、カメラモジュールレンズ等に適用した場合により高精細な撮像が可能となる。一方、応力光学係数(C
R)の絶対値の下限としては、特に制限はなく、100Brが好ましく、0Brがより好ましい。なお、応力光学係数(C
R)の単位「Br」は、「10
−12Pa
−1」に相当する。
【実施例】
【0098】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0099】
[実施例1](芳香族ジオール化合物前駆体(化合物(a−1))の合成)
撹拌子を入れた100mL二つ口ナス型フラスコに、三方コック及び冷却管を取り付けた後、1−ブロモ−3,5−ジメトキシベンゼン3.60g(16.6mmol)、ベンゾチオフェン−2−ボロン酸2.95g(16.6mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)1.92g(1.66mmol)、及び炭酸ナトリウム3.52g(33.2mmol)を量り入れた。容器内を窒素置換したのち、トルエン160mL及びエタノール18mLを加え、123℃まで昇温して6時間反応させた。次いで、得られた反応混合物に水50mLを加え、分離回収した有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥を行い、濾過をしたのち濾液から溶媒を留去して粗生成物を回収した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はノルマルヘキサン:酢酸エチル=95:5(重量比))により精製し、化合物(a)(芳香族ジオール化合物前駆体)としての2−(3,5−ジメトキシフェニル)ベンゾチオフェン(化合物(a−1))の粉末を2.81g(10.4mmol)得た。この化合物(a−1)の収率は、63%であった。
【0100】
また、化合物(a)について、
1H−NMR分析を行った。この
1H−NMR分析は、JEOL RESONANCE社の「JNM−ECA400」を使用し測定した。その結果は次の通りである。
【0101】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:3.86(s、6H),6.46(t,1H),6.87(d,2H),7.29−7.37(m,2H),7.53(s,1H),7.76(d,1H),7.81(d,1H)
【0102】
[実施例2](芳香族ジオール化合物(化合物(a−2))の合成)
撹拌子を入れた100mL二つ口ナス型フラスコに、三方コック及び平栓を取り付けた後、2−(3,5−ジメトキシフェニル)ベンゾチオフェン2.81g(10.4mmol)を量り入れた。容器内を窒素置換した後、ジクロロメタンを12mL加え、−78℃で冷却しながら三臭化ホウ素のジクロロメタン1mol/L溶液41.56mL(41.56mmol)を滴下した。滴下後、反応混合物を徐々に昇温させ、室温にて6時間反応させた。次いで、得られた反応混合物に水50mLを加え、分離回収した有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥を行い濾過した後、濾液から溶媒を留去して粗生成物を回収した。この粗生成物をシクロヘキサン洗浄により精製し、化合物(a)(芳香族ジオール化合物)としての5−ベンゾチオフェニルベンゼン−1,3−ジオール(化合物(a−2))の粉末を1.84g(7.60mmol)得た。この化合物(a−2)の収率は、73%であった。また、実施例1と同様にして測定した
1H−NMRは次の通りであった。
【0103】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:5.03(s,2H),6.35(s,1H),6.79(s,2H),7.30−7.36(m,2H),7.50(s,1H),7.76(d,1H),7.83(d,1H)
【0104】
[実施例3](重合体(A−1)の合成)
攪拌子を入れた100mLの3つ口フラスコに、窒素導入管、Dean−Stark管、及び冷却管を取り付け、実施例2にて得られた芳香族ジオール化合物(化合物(a−2))(0.967g、3.99mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A、0.911g、3.99mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル(DFBN、1.11g、8.00mmol)、炭酸カリウム(2.21g、16.0mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)5.6mL、及びトルエン1.4mLを仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後に130℃で加熱撹拌し、生成する水をDean−Stark管により随時除去しながら9時間反応させた。室温まで冷却した後、生成した塩を濾過で除去した。ろ液にイオン交換樹脂(三菱化学社の「ダイヤイオンRCP160M」及び「ダイヤイオンWA21J」)を適量投入し、ミックスローターで2時間攪拌した。イオン交換樹脂を濾紙にて取り除いた後、ろ液をメタノールに投入して固体を析出させた。析出した固体を80℃で真空乾燥して、(A)重合体としての重合体(A−1)の粉末1.87gを得た。重合体(A−1)の収率は、70%であった。
【0105】
[実施例4](芳香族ジオール化合物前駆体(化合物(a−3))の合成)
ベンゾチオフェン−2−ボロン酸の代わりに2−ナフタレンボロン酸2.86g(16.6mmol)を用いた他は、実施例1と同様に操作し、化合物(a)(芳香族ジオール化合物前駆体)としての2−(3,5−ジメトキシフェニル)ナフタレン(化合物(a−3))の粉末2.63g(9.96mmol)を得た。化合物(a−3)の収率は、60%であった。また、実施例1と同様にして測定した
1H−NMRは次の通りであった。
【0106】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:3.86(s,6H),6.46(t,1H),6.87(d,2H),7.57−7.60(m,3H),7.73(dd,1H),7.92(dd,1H),8.00(m,2H)
【0107】
[実施例5](芳香族ジオール化合物(化合物(a−4))の合成)
2−(3,5−ジメトキシフェニル)ベンゾチオフェンに代えて、2−(3,5−ジメトキシフェニル)ナフタレン2.75g(10.4mmol)を用いた以外は、実施例2と同様に操作し、化合物(a)(芳香族ジオール化合物)としての5−ナフチルベンゼン−1,3−ジオール(化合物(a−4))の粉末を1.84g(7.80mmol)得た。化合物(a−4)の収率は、75%であった。また、実施例1と同様にして測定した
1H−NMRは次の通りであった。
【0108】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:5.35(s,2H),6.45(s,1H),6.88(s,2H),7.48−7.52(m,3H),7.73(dd,1H),7.92(dd,1H),8.00(m,2H)
【0109】
[比較例1](比較重合体(CA−1)の合成)
化合物(a−2)に代えて、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL)1.40g(3.99mmol)を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、比較重合体(CA−1)の粉末を2.79g得た。比較重合体(CA−1)の収率は、90%であった。
【0110】
[比較例2](比較重合体(CA−2)の合成)
重合性モノマーとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A)1.82g(7.98mmol)及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(DFBN)1.11g(8.00mmol)を用いた以外は、実施例3と同様に操作を行い、比較重合体(CA−2)の粉末を2.30g得た。比較重合体(CA−2)の収率は、88%であった。
【0111】
<評価>
実施例3及び比較例1,2の重合体について、下記方法に従い、ガラス転移温度(Tg)、屈折率(nD)、アッベ数(νD)及び応力光学係数(C
R)を評価した。その結果を表1に示す。表1には、各重合体の合成に用いた各化合物の量(mmol)を併せて示す。なお、表1における「−」は、該当する化合物を用いなかったことを示す。
【0112】
[ガラス転移温度(Tg)[℃]]
重合体のガラス転移温度は、DSC装置(Rigaku社の「Thermo Plus DSC8230」)を用い、窒素下、20℃/分の昇温速度の条件で測定した。
ガラス転移温度(Tg)は、200℃以下である場合を「○」、200℃超の場合を「×」として評価した。
【0113】
[屈折率(nD)[−]及びアッベ数(νD)[−]]
重合体を適量の塩化メチレンに溶解させたものをガラス板上にキャスト製膜し、常温常圧下にて一晩乾燥させた。次いで真空乾燥機にて残存塩化メチレンを除去し、重合体のフィルムを得た。本フィルムの屈折率を、Metricon社の「プリズムカプラ モデル2010」にて測定した。屈折率は、408nm、633nm、828nmの3波長にて測定し、Cauchyの式を用いてD線(589nm)での屈折率(nD)を求めた。F線(486nm)及びC線(656nm)の屈折率についても同様にして求め、アッベ数(νD)を算出した。
屈折率(nD)は、1.660以上である場合を「○」、1.660未満の場合を「×」として評価した。
アッベ数(νD)は、21.0以下である場合を「○」、21.0超の場合を「×」として評価した。
【0114】
[応力光学係数(C
R)[Br]]
応力光学係数C
Rは、公知の方法(Polymer Journal、Vol.27、No.9、P.943〜950(1995)))により求めた。上記屈折率評価用に製膜したフィルムに数種類の荷重をかけ、Tg+20℃の温度条件下にて加熱延伸し、荷重をかけたままゆっくりと室温まで冷却した。フィルムに加えた応力と、生じた位相差(測定波長550nm)とからC
Rを計算した。位相差の測定には大塚電子社の「RETS分光器」を用いた。
応力光学係数(C
R)は、絶対値(|C
R|)が1,000Br以下である場合を「○」、1,000Br超の場合を「×」として評価した。
【0115】
【表1】
【0116】
表1から明らかなように、実施例3の重合体(A−1)は、ガラス転移温度(Tg)、屈折率(nD)、アッベ数(νD)及び応力光学係数(C
R)の評価において良好な結果が得られた。