特許第6221778号(P6221778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221778
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20171023BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20171023BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20171023BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20171023BHJP
   H01G 11/82 20130101ALI20171023BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20171023BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/26 A
   H01M2/02 A
   H01M2/04 A
   H01M10/04 Z
   H01G11/14
   H01G11/74
   H01G11/82
   H01M2/30 D
   !H01M10/0585
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-13605(P2014-13605)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-141798(P2015-141798A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕介
(72)【発明者】
【氏名】立花 智明
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】篠田 英明
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/014026(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/125431(WO,A1)
【文献】 特開2013−186954(JP,A)
【文献】 特開2013−131402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01G 11/14
H01G 11/74
H01G 11/82
H01M 2/02
H01M 2/04
H01M 2/26
H01M 2/30
H01M 10/04
H01M 10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電タブを有しており層状に重なっているシート状の電極と前記集電タブが層状に重なっているタブ群とを有する電極組立体と、
前記電極組立体を収容するケースと、
前記ケースの外側に突出し、前記タブ群と電気的に接続された端子と、
前記タブ群と前記端子とを電気的に接続する導電経路に配設され、前記ケースの内圧が所定の圧力を超える場合に前記導電経路を遮断するように構成された電流遮断装置と、を備え、
前記電極組立体の縁部のうち前記タブ群が突出している縁部と対向する前記ケースの壁には、外側に突出する突出部を有し、
前記端子は、前記ケースの壁のうち前記突出部とは異なる部分に位置し、
前記突出部の内部には、前記タブ群と前記電流遮断装置とが配置されている蓄電装置。
【請求項2】
前記タブ群と前記電流遮断装置とに電気的に接続されており、前記導電経路の一部を構成する第1導電部材と、
前記端子と前記電流遮断装置とに電気的に接続されており、前記導電経路の一部を構成する第2導電部材と、を備え、
前記端子は、前記突出部を有する壁のうち前記突出部とは異なる部分に位置し、
前記第1導電部材は、前記突出部の先端側で前記電流遮断装置と接続されており、
前記第2導電部材は、前記先端側とは反対側で前記電流遮断装置と接続されている請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記電極は、金属箔と該金属箔の少なくとも一部を覆う活物質層を有しており、
前記集電タブのうち、前記突出部の内部に配置される部分の少なくとも一部は前記活物質層で覆われている請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記端子は、前記ケースの外側において前記突出部に近接している請求項1〜3の何れか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電経路を遮断する電流遮断装置を有する蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、電動機などへの供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などが搭載されている。一般的に、二次電池は、活物質層を有する正極電極及び負極電極が層状に重なった電極組立体と、該電極組立体を収容するケースとを備えている。
【0003】
そして、例えば特許文献1には、ケースの内圧が所定の圧力を超える場合に、電極組立体を構成する正極電極とケースの外側に突出する正極端子とを電気的に接続する導電経路を遮断する電流遮断装置を備えた二次電池が開示されている。特許文献1の二次電池では、正極端子と電流遮断装置と正極の集電タブ群とを互いにオフセットして配置することで、ケース内のデッドスペースを削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−201113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年では、ケース内におけるデッドスペースをさらに削減し、蓄電装置としてのエネルギ密度を向上させることが期待されている。
この発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギ密度を向上できる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する蓄電装置は、集電タブを有しており層状に重なっているシート状の電極と前記集電タブが層状に重なっているタブ群とを有する電極組立体と、前記電極組立体を収容するケースと、前記ケースの外側に突出し、前記タブ群と電気的に接続された端子と、前記タブ群と前記端子とを電気的に接続する導電経路に配設され、前記ケースの内圧が所定の圧力を超える場合に前記導電経路を遮断するように構成された電流遮断装置と、を備え、前記電極組立体の縁部のうち前記タブ群が突出している縁部と対向する前記ケースの壁には、外側に突出する突出部を有し、前記端子は、前記ケースの壁のうち前記突出部とは異なる部分に位置し、前記突出部の内部には、前記タブ群と前記電流遮断装置とが配置されていることを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、ケースから突出する突出部の内部にタブ群と電流遮断装置とが配置されていることから、電極組立体の縁部とケースの壁との間のデッドスペースを削減できる。したがって、蓄電装置としてのエネルギ密度を向上できる。
【0008】
上記蓄電装置について、前記タブ群と前記電流遮断装置とに電気的に接続されており、前記導電経路の一部を構成する第1導電部材と、前記端子と前記電流遮断装置とに電気的に接続されており、前記導電経路の一部を構成する第2導電部材と、を備え、前記端子は、前記突出部を有する壁のうち前記突出部とは異なる部分に位置し、前記第1導電部材は、前記突出部の先端側で前記電流遮断装置と接続されており、前記第2導電部材は、前記先端側とは反対側で前記電流遮断装置と接続されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、第1導電部材及び第2導電部材が構成する導電経路の長さを小さくできる。したがって、蓄電装置としての重量が増加することを抑制し、エネルギ密度を向上できる。
【0010】
上記蓄電装置について、前記電極は、金属箔と該金属箔の少なくとも一部を覆う活物質層を有しており、前記集電タブのうち、前記突出部の内部に配置される部分の少なくとも一部は前記活物質層で覆われていることが好ましい。この構成によれば、活物質層を多くできることから、蓄電装置としてのエネルギ密度を向上できる。
【0011】
上記蓄電装置について、前記端子は、前記ケースの外側において前記突出部に近接していることが好ましい。この構成によれば、例えば蓄電装置の端子同士をバスバーなどの連結具で連結する場合に、突出部で連結具を位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エネルギ密度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】蓄電装置及び蓄電モジュールを模式的に示す斜視図。
図2図1に示す1−1線断面図。
図3】電極組立体を模式的に示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、二次電池の一実施形態について説明する。
図1に示すように、二次電池10は、その全体が略直方体状である角型の二次電池である。本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン二次電池である。
【0015】
図2に示すように、二次電池10は、略直方体状のケース11内に、電極組立体12が収容されている。ケース11は、有底四角筒状である金属製(例えば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製)のケース本体11aと、ケース本体11aの開口部を塞ぐ蓋11bとを有する。蓋11bは、ケース11の壁の1つを構成している。ケース11内には、電解質(電解液)11cが収容されている。
【0016】
図3に示すように、電極組立体12は、矩形のシート状である複数の正極電極13と矩形のシート状である複数の負極電極14とが、正極電極13と負極電極14との間にシート状のセパレータ15が介在する状態で交互に積層された積層型の電極組立体である。電極組立体12において、正極電極13と負極電極14とは、セパレータ15によって相互に絶縁されている。以下の説明では、正極電極13と負極電極14とが重なる方向を単に「積層方向」と示す。
【0017】
正極電極13は、略矩形状である正極用の金属箔13aと、その両面に形成された正極用の活物質層13bと、金属箔13aの一縁部(一辺)から突出する集電タブとしての正極集電タブ13cとを有する。金属箔13aは、例えばアルミニウム箔である。正極電極13は、正極集電タブ13cが突出する縁部に沿って延在し、金属箔13aが活物質層13bで覆われていない露出部13dを有している。正極集電タブ13cは、活物質層13bで覆われていない。
【0018】
負極電極14は、略矩形状である金属箔14aと、その両面に形成された負極用の活物質層14bと、金属箔14aの一縁部(一辺)から突出する集電タブとしての負極集電タブ14cとを有する。金属箔14aは、例えば銅箔である。負極電極14は、負極集電タブ14cが突出する縁部に沿って延在し、金属箔14aが活物質層14bで覆われていない露出部14dを有している。負極集電タブ14cは、活物質層14bで覆われていない。
【0019】
図2に示すように、電極組立体12の縁部12aには、複数の正極電極13が積層されていることによって、複数の正極集電タブ13cが層状に重なるタブ群としての正極タブ群13eが突出している。また、電極組立体12の縁部12aには、複数の負極電極14が積層されていることによって、複数の負極集電タブ14cが層状に重なるタブ群としての負極タブ群14eが突出している。
【0020】
また、二次電池10は、ケース11の外側に突出するように蓋11bに固定された正極端子16と、ケース11の外側に突出するように蓋11bに固定された負極端子17とを有する。正極端子16及び負極端子17は、外周面にネジ山を有するボルトである。
【0021】
そして、電極組立体12の縁部のうち各タブ群13e,14eが突出している縁部12aと対向するケース11の壁(蓋11b)には、外側(各タブ群13e,14eの突出方向)に突出する突出部30を有している。
【0022】
正極端子16及び負極端子17は、積層方向及び各タブ群13e,14eの突出方向と直交する方向において、ケース11の両端に固定されている。突出部30は、正極端子16と負極端子17との間に設けられている。即ち、正極端子16及び負極端子17は、突出部30を有する壁(蓋11b)のうち突出部30とは異なる部分に位置している。また、正極端子16と負極端子17は、ケース11の外側において突出部30に近接して設けられている。
【0023】
突出部30は、矩形板状の天板部30aと、該天板部30aにおける4つの縁部からそれぞれ垂下された4つの壁板部30bとを有する。そして、突出部30の内部には、天板部30a及び壁板部30bに囲われた略直方体状の内部空間30cが形成されている。
【0024】
突出部30の内部空間30cには、正極タブ群13e及び負極タブ群14eの大部分が収容されている。負極タブ群14eは、負極端子17のうちケース11の内側に突出する端部に接合された金属製(例えば銅製)である矩形板状の導電部材21を介して、負極端子17と電気的に接続されている。導電部材21は、天板部30a及び壁板部30bに沿って屈曲し、かつ負極タブ群14eから負極端子17まで延在している。導電部材21は、負極タブ群14eと負極端子17との間の導電経路を構成している。
【0025】
また、正極タブ群13eには、金属製(例えばアルミニウム製)である矩形板状の第1導電部材としての導電部材23の第1端部23aが電気的に接続されている。導電部材23は、ケース11の内部において、天板部30aに沿って延在している。導電部材23において、第1端部23aとは反対側の第2端部23bには、ケース11の内圧が所定の圧力を超える場合に正極タブ群13eと正極端子16との導電経路を遮断するように構成された電流遮断装置25が電気的に接続されている。即ち、導電部材23は、突出部30の先端(天板部30a)側で電流遮断装置25と接続されている。電流遮断装置25は、突出部30の内部空間30cにその全体が収容されている。
【0026】
また、電流遮断装置25には、金属製(例えばアルミニウム製)である矩形板状の第2導電部材としての導電部材26の第1端部26aが電気的に接続されている。導電部材26は、突出部30の先端側とは反対側(電極組立体12側)で電流遮断装置25と接続されている。導電部材26は、電極組立体12の縁部12aに沿って延在している。
【0027】
導電部材26において、第1端部26aとは反対側の第2端部26bには、正極端子16のうちケース11の内側に突出する端部16aが電気的に接続されている。導電部材23、電流遮断装置25、及び導電部材26は、正極タブ群13eと正極端子16との間の導電経路を構成している。そして、電流遮断装置25は、正極タブ群13eと正極端子16との間の導電経路に配設されている。
【0028】
ここで、例えば電流遮断装置25は、導電部材26と電気的に接続された金属製(例えば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製)の反転板を有する。反転板は、ケース11の内圧が所定の圧力を超えると、該ケース11の内圧を受けて所定方向へ変位可能な変位部を有する。変位部には、導電部材23のうち、破断して導電部材23から分離可能に構成された分離部が連結されている。
【0029】
二次電池10では、ケース11の内圧が上昇して所定の圧力を超えると、該ケース11の内圧によって、反転板の変位部が所定方向へ変位する。これに伴って、二次電池10では、分離部が導電部材23から分離することによって、正極タブ群13eと正極端子16との導電経路が物理的に切断されるとともに、電流が遮断される。
【0030】
また、正極端子16と、電流遮断装置25と、正極タブ群13eとは、正極タブ群13eの突出方向からみたときに互いにオフセットして配置されている。同様に、負極端子17と、負極タブ群14eとは、負極タブ群14eの突出方向からみたときに、互いにオフセットして配置されている。
【0031】
そして、図1に示すように、二次電池10は、その厚さ方向に並ぶように配置されることで蓄電モジュールMを構成できる。蓄電モジュールMにおいて、隣り合う二次電池10同士では、正極端子16と負極端子17とがそれぞれ金属製(例えば、アルミニウム製)である矩形板状のバスバー31によって電気的に接続されている。なお、バスバー31は、該バスバー31に設けられた図示しない挿通孔に各端子16,17を挿通させた状態で、ナット32を各端子16,17に螺入させることによって固定されている。
【0032】
次に、上記のように構成した二次電池10の作用について説明する。
二次電池10では、ケース11の壁に突出部30を設けるとともに、該突出部30の内部空間30cに正極タブ群13e及び電流遮断装置25を収容している。このため、突出部30を設けない従来の構成と比較して、正極タブ群13eの突出方向における正極タブ群13eや電流遮断装置25の大きさに応じて、ケース11の壁と電極組立体12の縁部12aとの間にデッドスペースが生じてしまうことを抑制できる。
【0033】
さらに、本実施形態では、負極タブ群14eについても内部空間30cに収容している。したがって、本実施形態では、さらにケース11内にデッドスペースが生じてしまうことを抑制できる。
【0034】
また、正極タブ群13eと電流遮断装置25とを接続する導電部材23は、突出部30の先端側で電流遮断装置25と接続されている。その一方で、正極端子16と電流遮断装置25とを接続する導電部材26は、突出部30の先端側とは反対側で電流遮断装置25と接続されている。したがって、本実施形態では、正極タブ群13eと正極端子16との間の導電経路が長くなること、即ち各導電部材23,26が大型化することを抑制できる。
【0035】
また、正極端子16及び負極端子17は、突出部30に近接して設けられている。従って、複数の二次電池10を整列して蓄電モジュールMを構成する場合、バスバー31を突出部30の壁板部30bに接触させることで、バスバー31の位置決めができる。また、ナット32の螺入によってバスバー31を各端子16,17に固定するときに、バスバー31が回転しないようにすることができる。
【0036】
正極端子16、電流遮断装置25、及び正極タブ群13eは、各タブ群13e,14eの突出方向から見たときに互いにオフセットして配置されている。このため、本実施形態では、正極端子16、電流遮断装置25、及び正極タブ群13eを各タブ群13e,14eの突出方向に沿って並設する場合と比較して、ケース11の壁と電極組立体12の縁部12aとの間のデッドスペースが削減される。同様に、負極端子17、及び負極タブ群14eは、各タブ群13e,14eの突出方向から見たときに互いにオフセットして配置されていることから、ケース11内のデッドスペースが削減される。
【0037】
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)突出部30の内部空間30cに正極タブ群13eと電流遮断装置25とが配置されていることから、電極組立体12の縁部12aとケース11の壁(蓋11b)との間のデッドスペースを削減できる。したがって、二次電池10としてのエネルギ密度を向上できる。
【0038】
(2)各導電部材23,26が構成する導電経路の長さを小さくできる。したがって、二次電池10としての重量が増加することを抑制し、エネルギ密度を向上できる。
(3)正極端子16及び負極端子17は、ケース11の外側において突出部30に近接している。このため、例えば二次電池10の正極端子16及び負極端子17をバスバー31などの連結具で連結する場合に、突出部30で連結具を位置決めすることができる。
【0039】
(4)各端子16,17、電流遮断装置25、及び各タブ群13e,14eは、各タブ群13e,14eの突出方向から見たときに互いにオフセットして配置されている。したがって、ケース11内におけるデッドスペースをさらに削減できる。
【0040】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 正極集電タブ13cのうち、突出部30の内部空間30cに配置される部分の全部又は一部は、活物質層13bで覆われていてもよい。負極集電タブ14cについても同様に変更できる。この構成によれば、活物質層13bや活物質層14bを多くできることから、二次電池10としてのエネルギ密度を向上できる。
【0041】
○ 正極タブ群13eは、その全体が突出部30の内部空間30cに収容されていてもよい。負極タブ群14eについても同様に変更できる。また、負極タブ群14eは、内部空間30cに収容されていなくてもよい。
【0042】
○ 電流遮断装置25は、少なくとも一部が突出部30の内部空間30cに収容されておればよく、電流遮断装置25の一部が内部空間30cから電極組立体12側に突出していてもよい。
【0043】
○ 正極タブ群13e、及び電流遮断装置25は、各タブ群13e,14eの突出方向に沿って並設されていてもよい。
○ 導電部材23は、電極組立体12側で電流遮断装置25と接続されており、導電部材26は、天板部30a側で電流遮断装置25と接続されていてもよい。
【0044】
○ 突出部30は、ケース11の別の壁に設けられていてもよい。例えば、蓋11bに代えて、ケース本体11aの側壁や底壁に設けられていてもよい。
○ 電流遮断装置25は、負極端子17と負極タブ群14eとの間の導電経路に配設されていてもよい。この場合、負極タブ群14eと電流遮断装置25の少なくとも一部を突出部30の内部空間30cに収容するとよい。
【0045】
○ 各導電部材21,23,26は、異なる場所に配置してもよく、形状を変更してもよい。例えば、第1導電部材23は、天板部30aに沿って延在していなくてもよい。
○ 正極端子16及び負極端子17の少なくとも一方は、突出部30に近接していなくてもよい。また、正極端子16及び負極端子17の少なくとも一方は、ケース11において、突出部30を有する壁とは異なる壁に固定されていてもよい。
【0046】
○ 正極電極13は、片面に活物質層13bを有していてもよい。同様に、負極電極14は、片面に活物質層14bを有していてもよい。
○ セパレータ15は、正極電極13又は負極電極14を収容する袋状であってもよい。
【0047】
○ 二次電池10は、蓄電モジュールMとしてではなく、単体で用いられるものであってもよい。
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池に限らず、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池等の他の二次電池であってもよい。
【0048】
○ 蓄電装置は、二次電池10に限らず、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のようなキャパシタであってもよい。
上記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0049】
(イ)前記蓄電装置は二次電池であってもよい。
(ロ)前記端子と、前記電流遮断装置と、前記タブ群とは、前記タブ群の突出方向からみたときに互いにオフセットして配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10…二次電池(蓄電装置)、11…ケース、11b…蓋(壁)、12…電極組立体、12a…縁部、13…正極電極(電極)、13a…金属箔、13b…活物質層、13c…正極集電タブ(集電タブ)、13e…正極タブ群(タブ群)、14…負極電極(電極)、14a…金属箔、14b…活物質層、14c…負極集電タブ(集電タブ)、14e…負極タブ群(タブ群)、16…正極端子(端子)、17…負極端子(端子)、23…導電部材、25…電流遮断装置、26…導電部材、30…突出部。
図1
図2
図3