(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について、図面を参照し説明する。まず、
図1を参照し、プリンタ1の概略構成について説明する。なお、
図1の上方、下方、右下方、左上方、左下方、及び右上方が、それぞれ、プリンタ1の上方、下方、右方、左方、前方、及び後方である。
【0016】
プリンタ1は、被印刷媒体であるTシャツ等の布帛(図示外)の表面に対して、液体のインクを吐出することで印刷を行うインクジェットプリンタである。本実施形態においては、プリンタ1は、互いに異なる5種のインク(ホワイト、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローのインク)を下方へ向けて吐出することで、被印刷媒体にカラー画像の印刷を行う。以下の説明では、5種のインクを総称する場合にはインクといい、ホワイトのインクを白インクといい、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの4色のインクを総称する場合はカラーインクという。本実施形態のプリンタ1においては、印刷がなされた布帛が高い洗濯堅牢性を発揮できるよう、インクにはバインダー樹脂が含まれている。また、白インクは、顔料として例えば酸化チタンが含まれている。
【0017】
白インクは前処理液として布帛に対して吐出され、カラーインクは白インクが吐出された後に後処理液として吐出される。本実施形態では、白インクは、例えば地色が濃い色の布帛に画像が印刷される場合に下地として使用される。印刷画像によっては、必ずしも前処理液の白インクが吐出された後に後処理液のカラーインクが吐出されなくてもよい。より具体的には、布帛の表面には、白インクのみが吐出される領域及びカラーインクのみが吐出される領域があってもよい。また、印刷画像によっては、白インクは後処理液として吐出されてもよい。
【0018】
図1に示すように、プリンタ1は、筐体2、プラテン機構3、枠体13、キャリッジ15、及びメンテナンス機構30(
図2参照)等を備える。筐体2は上端を開口端とする左右方向に長い略直方体状である。筐体2の前側面の左右方向略中央部には、筐体2の内部と連通する正面視で略矩形状の開口部2Aが設けられている。
【0019】
プラテン機構3は、布帛(図示外)を前後方向に搬送するための機構であり、筐体2内側の左右方向略中央部に設けられている。プラテン機構3はベース6、トレイ4、及びプラテン5等を備える。ベース6は、開口部2Aを通過して前後方向に延びる略箱状である。ベース6の内側には、前後方向に延びる一対のレール(図示外)が設けられている。
【0020】
トレイ4は、ベース6の上側に設けられた平面視で略矩形状の板体である。トレイ4は、筐体2の内部に設けられるプラテン駆動モータ(図示外)の駆動に伴って、一対のレールに沿って移動可能である。プラテン5は、トレイ4の後端部から上方に立設された支柱(図示外)によって支持される平面視で略矩形状の板体である。プラテン5の上面には、布帛のうち印刷がなされる部分(例えば、Tシャツの前身頃等)を載置可能であり、トレイ4の上面には布帛のうち印刷がなされない部分(例えば、Tシャツの袖等)を載置可能である。プラテン5は、トレイ4と共に一対のレールに沿って移動可能である。
【0021】
枠体13は、筐体2の上端部に設けられた平面視で矩形且つ枠状の部材である。枠体13の内側にはガイドレール7及びガイドシャフト9が設けられている。ガイドレール7は、枠体13の後壁部から前方へ向かって突出する左右方向に長い直方体状の部材である。ガイドシャフト9は、枠体13の前側部に設けられる左右方向に長い軸部材である。ガイドレール7及びガイドシャフト9は略同じ高さに配置されている。
【0022】
キャリッジ15は、ガイドレール7及びガイドシャフト9に沿って、枠体13の内側を往復移動可能に設けられている。キャリッジ15は、筐体2に設けられるキャリッジ駆動モータ(図示外)の駆動に伴って移動する。プリンタ1が印刷動作を行わない場合、キャリッジ15は移動可能な領域上で最も左側となる位置(以下、待機位置という)に配置される。なお、
図1に示すキャリッジ15は、待機位置に位置する。キャリッジ15には、白インクを吐出する第一ヘッドユニット10及びカラーインクを吐出する第二ヘッドユニット20が前後方向に並んで設けられている。第一ヘッドユニット10は第二ヘッドユニット20の後方に位置する。
【0023】
第一ヘッドユニット10は、白インクを貯留する四つのメインタンク(図示外)と、四本の白インク供給チューブ(図示外)を介して接続している。第一ヘッドユニット10は下側部に、白インクを下方へ吐出する第一吐出部11を有する。第一吐出部11の内部は、四本の白インク供給チューブのそれぞれに対応して、左右方向に沿って四つの内部空間(図示外)に区分されている。第一吐出部11は、白インクを吐出可能な複数のノズル(図示外)が設けられた第一吐出面12を有する。第一吐出面12は第一吐出部11の底面を形成する。第一吐出面12は、四つの内部空間に対応した四つの吐出領域が左右方向に沿って形成されている。第一吐出面12の四つの吐出領域のうち、最も右側の吐出領域を第一吐出領域といい、残る三つの吐出領域をまとめて第二吐出領域という。
【0024】
第二ヘッドユニット20は、カラーインクをそれぞれの色に対応して貯留するメインタンクと、四本のカラーインク供給チューブを介して接続している。第二ヘッドユニット20は下側部に、カラーインクを下方へ吐出する第二吐出部21を有する。第二吐出部21の内部は、カラーインクのそれぞれの色に対応して、左右方向に沿って四つの内部空間(図示外)に区分されている。第二吐出部21は、カラーインクを吐出可能な複数のノズル(図示外)が設けられた第二吐出面22を有する。第二吐出面22は第二吐出部21の底面を形成する。第二吐出部21は、四つの内部空間のそれぞれに対応した四つの吐出領域が形成されている。四つの吐出領域は、右側から順にブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクをそれぞれ吐出可能である。なお、以下の説明では、第一吐出部11及び第二吐出部21を総称する場合には吐出部といい、第一吐出面12及び第二吐出面22を総称する場合には吐出面といい、第一吐出面12及び第二吐出面22に設けられるノズルを総称する場合にはノズルという。
【0025】
図2を参照し、メンテナンス機構30について説明する。
図2の上方、下方、左方、及び右方が、それぞれメンテナンス機構30の上方、下方、右方、及び左方である。また、
図2においては図面を見易くするために、メンテナンス機構30を模式的に図示しており、さらに第一ヘッドユニット10を第二ヘッドユニット20の後側ではなく左側(
図2紙面の右側)に配置して図示している(
図7、
図9、
図10も同様)。
【0026】
メンテナンス機構30は、キャリッジ15(
図1参照)の待機位置の下側であって、プラテン機構3(
図1参照)の左側に設けられている。メンテナンス機構30は、吐出面の吐出不良を防止するメンテナンス動作をするための機構である。メンテナンス動作は、後述する第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60を用いて第一吐出面12及び第二吐出面22を密封する動作であるキャッピング、ノズルからインクを吸引する動作であるパージ、パージが行われた後に第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60に大気を導入し吸引する動作である空吸引、及び吐出面を洗浄液で洗浄する動作である洗浄を含む。以下の説明では、パージ、空吸引、及び洗浄を総称する場合にはパージ等という。
【0027】
メンテナンス機構30は、第一吸引キャップ50、第二吸引キャップ60、吸引部70、及び洗浄液供給部80を備える。第一吸引キャップ50は、第一吐出面12に対して接離可能なキャップ部材である。第一吸引キャップ50は、上端を開口端とする略箱状に形成されており、ギア(図示外)等を介して第一駆動モータ26と連結している。第一吸引キャップ50は、第一駆動モータ26の回転駆動に伴って、第一吐出面12を密封する位置である密封位置(
図7参照)と、第一吐出面12から下方に離隔する位置である離隔位置(
図2参照)との間を移動可能である。密封位置にある第一吸引キャップ50は、第一吐出部11を下側から被覆しキャッピングする。。
【0028】
第一吸引キャップ50の内側には、前後方向に延びる壁部53が設けられている。壁部53が設けられることで、第一吸引キャップ50の内側は、壁部53よりも右側に形成される右側空間51と、左側に形成される左側空間52とに仕切られている。右側空間51は第一吐出領域の下方に位置し、左側空間52第二吐出領域の下方に位置する。
【0029】
第二吸引キャップ60は、第二吐出面22に対して接離可能なキャップ部材である。第二吸引キャップ60は、第一吸引キャップ50と同一の形状であり、連結する第二駆動モータ16の回転駆動に伴って、第二吐出面22を密封する位置である密封位置(
図7参照)と、第二吐出面22から下方に離隔する位置である離隔位置(
図2参照)との間を移動可能である。第二吸引キャップ60の右側空間61は、第二吐出面22の四つの吐出領域のうち、ブラックインクを吐出する領域の下方に位置し、左側空間62は残る三つのインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を吐出する領域の下方に位置する。
【0030】
吸引部70は、廃液タンク34、第一吸引流路71、及び第二吸引流路72を有する。廃液タンク34は、第一吐出部11及び第二吐出部21に対するパージ等が実行される場合に使用されたインク及び洗浄液を、廃液として貯留する貯留部である。廃液タンク34は、第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60よりも下側に設けられている。
【0031】
第一吸引流路71は、第一吐出面12に対するパージ等に使用されたインク及び洗浄液が、第一吸引キャップ50から廃液タンク34に向けて流れる流路である。第一吸引流路71は、右側廃液流路76、左側廃液流路74、及び第一吸引ポンプ41を備える。右側廃液流路76は、右側空間51と第一吸引ポンプ41とに接続する可塑性を有するチューブ部材である。右側廃液流路76には、右側空間51と第一吸引ポンプ41との連通を遮断可能な電磁弁100が設けられている。電磁弁100は、オン状態となる場合に右側空間51と第一吸引ポンプ41とを連通させ、オフ状態となる場合に互いの連通を遮断する。右側廃液流路76は、電磁弁100に対して上流側の流路である第一流路部77と、電磁弁100に対して下流側の流路である第二流路部78とによって形成されている。第一流路部77は右側空間51と電磁弁100とに連通し、第二流路部78は電磁弁100と第一吸引ポンプ41とに連通している。
【0032】
左側廃液流路74は、左側空間52と第一吸引ポンプ41とに接続する可塑性を有するチューブ部材であり、右側廃液流路76と同様の構成をなす。つまり、左側廃液流路74には電磁弁100が設けられており、左側廃液流路74は、電磁弁100に対して上流側の流路である第一流路部77と、下流側の流路である第二流路部78とによって形成されている。第一吸引ポンプ41は、右側廃液流路76及び左側廃液流路74を負圧にすることが可能なポンプである。第一吸引ポンプ41は、吸引した液体を廃液タンク34に送出可能である。
【0033】
第二吸引流路72は、第二吐出面22のパージ等に使用されたインク及び洗浄液が、第二吸引キャップ60から廃液タンク34に向けて流れる流路である。第二吸引流路72は、第一吸引流路71と同様の構成であり、右側廃液流路66、左側廃液流路64、及び第二吸引ポンプ42を備える。右側廃液流路66は右側廃液流路76に対応し、左側廃液流路64は左側廃液流路74に対応し、第二吸引ポンプ42は第一吸引ポンプ41に対応する。右側廃液流路66及び左側廃液流路64には、それぞれ電磁弁100が設けられている。
【0034】
洗浄液供給部80は、洗浄液タンク35、第一供給部81、及び第二供給部82を備える。洗浄液タンク35は、洗浄液を貯留する貯留部であり、第一吐出面12及び第二吐出面22よりも下側に設けられている。
【0035】
第一供給部81は、洗浄液タンク35から第一吸引キャップ50へ向けて洗浄液を供給するための流路部である。第一供給部81は、右側洗浄液流路83及び左側洗浄液流路84を備える。右側洗浄液流路83は、洗浄液タンク35と第一吸引キャップ50の右側空間51とに接続する可塑性を有するチューブ部材である。右側洗浄液流路83には、洗浄液タンク35と右側空間51との連通を遮断可能な電磁弁200が設けられている。電磁弁200は、オン状態となる場合に洗浄液タンク35と右側空間51とを連通させ、オフ状態となる場合に互いの連通を遮断する。右側洗浄液流路83は、電磁弁200に対して上流側の流路である第一洗浄液流路85と、電磁弁200に対して下流側の流路である第二洗浄液流路86とによって形成されている。第一洗浄液流路85は洗浄液タンク35と電磁弁200とに連通し、第二洗浄液流路86は電磁弁200と第一吸引ポンプ41とに連通している。
【0036】
右側洗浄液流路83には、分岐部32及び大気導入流路90が設けられている。分岐部32は、第一吸引キャップ50と電磁弁200との間で、第二洗浄液流路86(つまり右側洗浄液流路83)から分岐する。
【0037】
大気導入流路90は、大気と分岐部32とに連通する可塑性を有するチューブ部材である。大気導入流路90には、大気と分岐部32との連通を遮断可能な電磁弁300が設けられている。電磁弁300は、第一吐出面12よりも上方(重力方向とは反対方向)に配置されている。電磁弁300は、オン状態となる場合に大気と分岐部32とを連通させ、オフ状態となる場合に互いの連通を遮断する。大気導入流路90は、電磁弁300に対して上流側の大気流路である第一大気導入流路95と、電磁弁300に対して下流側の大気流路である第二大気導入流路96とによって形成されている。
【0038】
左側洗浄液流路84は、洗浄液タンク35と左側空間52とに接続する可塑性を有するチューブ部材であり、右側洗浄液流路83と同様の構成をなす。第二供給部82は、洗浄液タンク35から第二吸引キャップ60へ向けて洗浄液を供給するための流路部である。第二供給部82は第一供給部81と同様の構成をなす。以下の説明では、便宜上、単に右側洗浄液流路83という場合は第一供給部81の右側洗浄液流路83を指し、単に大気導入流路90という場合は第一供給部81の右側洗浄液流路83に設けられた大気導入流路90を指す。
【0039】
図3〜
図6を参照し、オフ状態にある電磁弁100の構成について説明する。尚、説明の便宜上、
図3の上方、下方、左上方、右下方、左下方、及び右上方を、それぞれ、電磁弁100の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
【0040】
図3及び
図4に示すように、電磁弁100は、支持部材110、フレーム130、駆動部150、弁部材160、コイルバネ155、及び壁部180を備える。支持部材110は第一板状部111及び第二板状部112を有する。第一板状部111は正面視で左右方向に長い略矩形状である。第二板状部112は、第一板状部111の左端部から前方へ向かって延びる、右側面視で上下方向に長い略矩形状である。第二板状部112の略中央部には、略円形の貫通孔112Aが設けられている。
【0041】
フレーム130は、第一板状部111の前面に固定されることで支持部材110に支持される左右方向に長い略直方体状である。フレーム130の左側面130Aの中央部には開口部131(
図6参照)が設けられる。開口部131は、左側面視で略円形であり、フレーム130内部の右側まで左右方向に沿って延びる。駆動部150は、開口部131の内側に設けられる左右方向に長い略円柱状であり、左端部を開口部131から第二板状部112へ向けて突出させている。駆動部150は、電磁弁100のオンオフの切替えに伴って、開口部131の内側を左右方向に往復移動可能な可動体である。
【0042】
弁部材160は、駆動部150の左端部に取り付けられた弾性変形可能なゴム部材である。
図4〜
図6に示すように、弁部材160は取付部161、封止部165、接続部169(
図6参照)、及び蓋部170から形成される。取付部161は、軸線方向が左右方向となる略円柱状であり、駆動部150の左端部に取り付けられている。封止部165は、取付部161の左端と同軸上に連結する略円柱状であり、貫通孔112Aの内側に配置されている。封止部165の左端面には、右方向へ向けて凹む凹部167(
図5参照)が形成されている。凹部167の右端面には、左側面視で略円形状の封止面167A(
図5参照)が形成されている。
【0043】
封止部165の左右方向略中央の外周面165A(
図6参照)には、径方向外側へ向けて延出された略鍔状の接続部169(
図6参照)が周方向に亘って形成されている。接続部169は、外周面165Aを基端として略径方向に沿って延びる姿勢である伸張姿勢となるように配置されている。伸張姿勢で配置される接続部169は、駆動部150の移動に伴って弾性変形可能である。
【0044】
蓋部170は、左右方向に厚さを有する板状であり、左側面視で上下方向に長く、且つ下側へ向かうほど幅広となる略楕円形状に形成されている。蓋部170の上下方向における長さは、貫通孔112Aの直径よりも長い。蓋部170には左右方向に貫通する略円形の貫通孔171(
図5参照)が設けられており、貫通孔171の内側に封止部165が配置されている。
【0045】
図4及び
図6に示すように、コイルバネ155は、フレーム130の左側面130Aと取付部161の右側面との間で、駆動部150を巻回するように設けられている。コイルバネ155は、圧縮された状態で配置されており、取付部161を左方向へ向けて付勢している。
【0046】
壁部180は、第二板状部112の左端面に固定されることで支持部材110に支持される上下方向に長い略直方体状である。壁部180の右側面は第二板状部112の左端面に接触している。壁部180には、取付部185,186、右側面部180A、凹部182、凸状部184、及び溝190が形成されている(
図6参照)。取付部185,186は、壁部180の左側面から左方へ向けて延びる略円筒状であり、上下方向に並んで設けられている。取付部186は、取付部185の下方(重力方向)に配置されている。取付部185,186の外周面には、それぞれ、第一流路部77(
図2参照)及び第二流路部78(
図2参照)の内周面が装着される。
【0047】
図6に示すように、取付部185の筒孔及び取付部186の筒孔は、それぞれ、壁部180を左右方向に貫通する第一貫通口191及び第二貫通口192と連通している。第一貫通口191は第一流路部77(
図2参照)と連通する。第二貫通口192は、第一貫通口191よりも下方(重力方向)に配置され、第二流路部78(
図2参照)と連通する。
【0048】
図4に示すように、右側面部180Aは、壁部180のうち、壁部180の右側面を含み且つ左右方向に所定の厚みを有する部分である。凹部182は、右側面部180Aの略中央部が左方向へ向かって凹むことで形成される。左右方向に沿ってみた場合、凹部182の形状は蓋部170の形状と略一致している。凹部182の深さは蓋部170の厚さ
と略同じである。凹部182の内側には蓋部170が配置されている。凸状部184は、凹部182の左端を形成する底面182Aから右方向へ向けて僅かに突出しており、略環状に形成されている。
【0049】
溝190は、底面182Aのうち凸状部184の内側にある部分が左方へ向けて凹むことで形成される。溝190は、右側面視で上下方向に長い略楕円形状に形成されている。溝190の底面である溝底197には、供給口197A、排出口197B、及び立設壁198が設けられている。
【0050】
供給口197Aは、溝底197の上端部に設けられ、第一貫通口191(
図6参照)と連通する。排出口197Bは、溝底197の下端部に設けられ、第二貫通口192(
図6参照)と連通する。立設壁198は、溝底197のうち上下方向略中央よりも上側部分に設けられ、平面視で略三角形状に形成されている。立設壁198の上端は供給口197Aの下端と接続している。立設壁198の下側面は、上方へ向けて円弧状に湾曲している。溝190のうち、立設壁198よりも下側部分(以下、下側部199という)は右側面視で略円形状に形成されている。下側部199の内径は、封止部165(
図5参照)の外径と略同じである。
【0051】
溝190の溝幅は、供給口197Aの上端から排出口197Bの中心に亘って広くなる。言い換えると、溝190の溝幅は第一貫通口191側から第二貫通口192側へ向かって広くなる。溝幅とは、溝の延設方向及び溝の深さ方向と直交する方向における溝の長さをいう。
【0052】
図4及び
図6を参照し、弁部材160と、第二板状部112及び壁部180との位置関係について説明する。
図4に示すように、凹部182の内側に配置される蓋部170は、右側面部180Aと対向し且つ溝190を右側から被覆する位置に設けられている。蓋部170の左側面170Aは、凹部182の底面182A及び立設壁198の右側面に当接する。
図6に示すように、蓋部170は、底面182Aと第二板状部112の左端面とに挟まれる位置に配置されており、左右方向への移動が制限されている。また、封止部165の左端部は下側部199に進入し、溝190(
図4参照)を閉塞している。取付部161がコイルバネ155によって左方に付勢されることで、弁部材160は、封止部165が溝190を閉塞する姿勢(以下、閉塞姿勢という)にて保持されている。言い換えると、コイルバネ155は、弁部材160に対して閉塞姿勢に変位させる弾性力を付与している。弁部材160が閉塞姿勢にある場合、封止面167Aは、コイルバネ155の付勢力によって排出口197Bを右側から封止している。
【0053】
図2及び
図6を参照し、電磁弁200,300の構成について説明する。電磁弁200,300の構成は、電磁弁100と同様の構成をなす。電磁弁200及び電磁弁300は、それぞれ、支持部材110、フレーム130、駆動部150、弁部材160、コイルバネ155、及び壁部180を備える。電磁弁200が有する壁部180においては、取付部185に第一洗浄液流路85が装着され、取付部186に第二洗浄液流路86が装着される。電磁弁300が有する壁部180においては、取付部185に第一大気導入流路95が装着され、取付部186に第二大気導入流路96が装着される。
【0054】
図1及び
図2を参照し、プリンタ1の印刷動作の概略について説明する。第一駆動モータ26及び第二駆動モータ16が駆動することで、密封位置にあった第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60は、離隔位置まで移動する。プラテン5に固定された布帛(図示外)が、一対のレール(図示外)に沿って前後方向に搬送される場合に、待機位置にあったキャリッジ15は、布帛の上方をガイドレール7及びガイドシャフト9に沿って往復移動する。この場合、はじめに第一ヘッドユニット10が、搬送される布帛の表面に対して白インク吐出する。第二ヘッドユニット20は、布帛の表面のうち白インクが吐出された領域にカラーインクを吐出する。これにより、プリンタ1は布帛に対して所定のカラー画像を印刷する。カラー画像は白インクを下地として形成されるので、布帛の地色が濃い色であっても鮮明なカラー画像が印刷される。印刷がなされた後、キャリッジ15は待機位置まで戻り、離隔位置にあった第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60は、密封位置まで移動する。これにより、キャッピングがなされた第一吐出面12及び第二吐出面22は保湿され、吐出面に付着したインクが乾燥することが防止される。
【0055】
図6〜
図10を参照し、メンテナンス機構30のパージ等の動作について説明する。第一吐出面12及び第二吐出面22に対しては、同様のパージ等が実行される。また、第一吐出面12の第一吐出領域及び第二吐出領域に対しては、同様のパージ等が実行される。以下の説明では、第一吐出領域に対するパージ等の動作に限定して説明する。
【0056】
図6〜
図8を参照し、メンテナンス機構30がパージを実行する場合について説明する。パージが実行される場合、キャリッジ15は待機位置にあり、第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60は密封位置にあり、メンテナンス機構30に設けられる電磁弁100,200,300は全てオフ状態となっている。
【0057】
メンテナンス機構30は、右側廃液流路76に設けられる電磁弁100をオン状態に切り替える。電磁弁100がオン状態に切り替わると、駆動部150は、コイルバネ155の弾性力に抗って右方向へ移動する。駆動部150の移動に伴って、取付部161及び封止部165は、駆動部150の移動と共に右方向へ移動する。封止部165が右方向へ移動することで、溝190を閉塞していた封止部165の左端部は、底面182A(
図4参照)の右側まで移動する(
図8参照)。溝190は開放される。
【0058】
一方、蓋部170は第二板状部112によって右方向への移動が制限される。そのため、伸張姿勢であった接続部169の基端部のみが封止部165と共に右方向へ移動する。結果、伸張姿勢にあった接続部169は、左方向へ向かうにつれて外周面165Aから離間する姿勢である湾曲姿勢に変位する(
図8参照)。
【0059】
これにより、閉塞姿勢であった弁部材160は、溝190を開放する姿勢である開放姿勢へと変位する。つまり、電磁弁100がオン状態に切り替わると、駆動部150は、コイルバネ155の弾性力に抗って、弁部材160を閉塞姿勢から開放姿勢へと変位させ、右側空間51と第一吸引ポンプ41とを互いに連通させる。
【0060】
第一吸引ポンプ41は、右側廃液流路76及び右側空間51を負圧にする。第一吐出領域に設けられるノズルから白インクが強制的に排出される。これにより、第一吐出部11の内部空間にある異物及び気泡等が除去される。排出された白インクは、異物等を含む状態で、第一流路部77、第一貫通口191、供給口197A(
図4参照)、溝190、排出口197B(
図4参照)、第二貫通口192、及び第二流路部78を順に通過して第一吸引ポンプ41に吸引される。このとき、白インクは電磁弁100の内部に流入し、流出する。第一吸引ポンプ41に吸引された白インクが、廃液タンク34へと送出され廃液として貯留されると、パージは終了する。
【0061】
なお、第一吸引ポンプ41が右側廃液流路76及び右側空間51を負圧にするとき、左側廃液流路74の第二流路部78、右側洗浄液流路83の第二洗浄液流路86、及び大気導入流路90の第二大気導入流路96は負圧になる。
【0062】
図9を参照し、メンテナンス機構30が空吸引を実行する場合について説明する。第一吐出領域に対する空吸引は、上記パージ後に実行される。つまり、右側廃液流路76に設けられた電磁弁100はオン状態になったままである。
【0063】
メンテナンス機構30は、大気導入流路90に設けられる電磁弁300をオン状態に切り替える。大気と分岐部32とが連通することで、負圧が形成されていた第二大気導入流路96に大気が導入される。大気は、分岐部32、右側空間51、第一流路部77、電磁弁100、及び第二流路部78を順に通過して第一吸引ポンプ41まで送出される。右側空間51に流入する大気が第一流路部77に送出される場合、第一吸引キャップ50に滞留していた白インク及び第一吐出面12に付着し滞留していた白インクは、大気と共に第一吸引ポンプ41へ向けて流れる。これにより、パージ後に第一吸引キャップ50及び第一吐出面12に残留していた白インクは除去される。
【0064】
オン状態になっていた電磁弁100,300がオフ状態に切り替わる。電磁弁100,300のそれぞれが有する弁部材160が、コイルバネ155の弾性力によって、開放姿勢から閉塞姿勢へと変位して、空吸引は終了する。
【0065】
図8及び
図10を参照し、メンテナンス機構30が洗浄を行う場合について説明する。洗浄が実行される場合、キャリッジ15(
図3参照)は待機位置にあり、第一吸引キャップ50及び第二吸引キャップ60は密封位置にあり、メンテナンス機構30に設けられる電磁弁100,200,300は全てオフ状態となっている。
【0066】
メンテナンス機構30は、右側廃液流路76に設けられる電磁弁100及び右側洗浄液流路83に設けられる電磁弁200をオン状態に切り替える。電磁弁100,200のそれぞれの弁部材160が開放姿勢に変位し、洗浄液タンク35と第一吸引ポンプ41とが互いに連通する。第一吸引ポンプ41は、右側廃液流路76、右側空間51、及び右側洗浄液流路83を負圧にすることで、洗浄液タンク35から洗浄液を吸引する。
【0067】
右側洗浄液流路83を流れる洗浄液は、第一洗浄液流路85、電磁弁200、及び第二洗浄液流路86を順に通過して右側空間51に流入する。右側空間51に流入した洗浄液は第一吐出面12の第一吐出領域を洗浄する。
【0068】
第一吐出領域を洗浄した洗浄液は、パージ時にノズルから排出された白インクと同様に、第一貫通口191、溝190、及び第二貫通口192を順に通過し第一吸引ポンプ41に吸引される。その後、洗浄液は、廃液タンク34に廃液として貯留される。電磁弁100,200が順にオフ状態に切り替わり、洗浄は終了する。洗浄が実行されることで、第一吐出領域のノズルに白インクが固着してノズルが目詰まりすることが防止される。なお、洗浄が実行された後には、溝190の内側であって、下側部199の下端から排出口197Bの中心付近までの間に洗浄液が滞留する場合がある。
【0069】
以上、説明したプリンタ1においては、第一吐出領域のパージが実行される場合、ノズルから排出される白インクは、第一貫通口191、溝190、及び第二貫通口192を順に通過して第一吸引ポンプ41に吸引される。ここで、第二貫通口192は、第一貫通口191よりも重量方向に配置されているので、第一貫通口191から流入し溝190を流れる白インクは、第二貫通口192に流出しやすい。従って、電磁弁100の弁部材160が閉塞姿勢に変位する場合に、吸引された白インクは電磁弁100の内部に滞留しにくくなる。オフ状態に戻った電磁弁100の内部に白インクは滞留しにくい。よって、滞留した白インクが電磁弁100の内部に固着することに起因して、右側廃液流路76を白インクが流れにくくなることが抑制される。プリンタ1は、電磁弁100の内部に白インクを滞留しにくくすることで、第一吐出部11のメンテナンスを良好に行うことができる。そのため、プリンタ1は、第一吐出部11のメンテナンス不良に起因する白インクの吐出不良を防止し、印刷品質が低下するのを防止できる。
【0070】
また、電磁弁100の溝190の溝幅は、第一貫通口191側から第二貫通口192へ向かって広くなる。パージが実行される場合に溝190を流れる白インクは、第二貫通口192側である下側へ向けて流れ易くなる。従って、電磁弁100の内部に白インクがさらに滞留しにくくなる。よって、プリンタ1は、第一吐出部11のメンテナンスをさらに良好に行うことができる。そのため、プリンタ1は、第一吐出部11のメンテナンス不良に起因する白インクの吐出不良をより確実に防止し、印刷品質が低下するのをより確実に防止できる。
【0071】
また、パージが実行された後に、開放された溝190に白インクが残る場合が仮にあったとしても、白インクは溝190の下端部に滞留する。白インクが溝190の下端部に集まることで、白インクと空気との接触面積が低減する。白インクは溝190に固着しにくくなる。第一吐出部11のパージ等がなされる場合に、白インク及び洗浄液が電磁弁100の内部を流れにくくなることが抑制されるので、プリンタ1は第一吐出部11の良好なメンテナンスをより確実に実行できる。
【0072】
また、電磁弁100の弁部材160は、閉塞姿勢に変位する場合、排出口197Bを封止する。第一吐出領域のパージが実行される場合、左側廃液流路74の第二流路部78が負圧になる。このため、左側廃液流路74に設けられる電磁弁100の封止面167Aは、コイルバネ155の弾性力に加えて、第二流路部78を負圧にすることで発生する力によって、溝底197に密着し排出口197Bをより強固に封止する。従って、プリンタ1は、第一吸引キャップ50の左側空間52と第二流路部78との連通を遮断する場合における、電磁弁100の密封性を高めることができる。第二流路部78に形成される負圧によって電磁弁100の密封性が高まる結果、排出口197Bが封止面167Aによって封止される場合にコイルバネ155が弁部材160に対して付与する弾性力を、プリンタ1は低減化できる。電磁弁100は、駆動部150がコイルバネ155の弾性力に抗って移動するために必要とされる駆動力を低減化できる。従って、例えば、左側廃液流路74を外側から挟み込むように押圧することで左側空間52と第二流路部78との連通を遮断する電磁弁等と比べて、電磁弁100が小型化されるので、プリンタ1は小型化を達成することができる。
【0073】
また、第一吸引流路71の右側廃液流路76に設けられる電磁弁100及び右側洗浄液流路83に設けられる電磁弁200が、それぞれ弁部材160を開放姿勢に変位させた後、第一吸引ポンプ41が洗浄液を吸引することで第一吐出領域は洗浄液によって洗浄される。これにより、第一吐出領域のノズルに白インクが固着してノズルが目詰まりすることが防止される。洗浄液が右側廃液流路76を流れることで、右側廃液流路76に滞留する白インクが洗浄液と共に第一吸引ポンプ41まで流れる。結果、右側廃液流路76に液体が固着することが抑制され、第一吐出部11のメンテナンスはさらに良好になされる。よって、プリンタ1は、第一吐出部11のメンテナンス不良に起因する白インクの吐出不良をより確実に防止し、印刷品質が低下するのをより確実に防止できる。
【0074】
また、洗浄が実行された後、下側部199の下端から排出口197Bの中心付近までの間に洗浄液が滞留する場合がある。これにより、白インクが溝190の下側に滞留する場合が仮にあったとしても、滞留した洗浄液と混合されるため、電磁弁100の内部で白インクが固着することが抑制される。従って、第一吐出部11のメンテナンスがなされる場合に、白インク及び洗浄液が電磁弁100の内部を流れにくくなることがより確実に抑制されるので、プリンタ1は第一吐出部11の良好なメンテナンスをより確実に実行できる。
【0075】
また、第一吐出領域に対するパージが実行される場合、大気導入流路90の第二大気導入流路96も負圧になる。この結果、大気導入流路90に設けられた電磁弁300の弁部材160は、コイルバネ155の弾性力に加えて、第二大気導入流路96を負圧にすることで発生する力によって、溝底197に密着し排出口197Bをより強固に封止する。従って、プリンタ1は、パージを実行する場合に、弁部材160が閉塞姿勢にある電磁弁300の密封性を高めることができる。
【0076】
また、電磁弁300が第一吐出面12に対して重力方向とは反対方向に配置されていることで、白インクが電磁弁300に逆流することが防止される。白インクが電磁弁300の内部に滞留し固着することが防止されるので、プリンタ1は第一吐出部11の洗浄をより良好に行うことができる。
【0077】
また、白インクの顔料粒子は大きくなり易く、カラーインクよりも沈降し易い傾向がある。従って、白インクは、カラーインクよりも、第一吸引ポンプ41と第一吸引キャップ50との連通を遮断可能な弁の内部に滞留しやすい傾向がある。この場合であっても、プリンタ1が備える上記弁が、電磁弁100であることで、第一吸引ポンプ41に吸引される白インクは電磁弁100の内部に滞留しにくくなる。また、白インクは、第一吐出面12のノズル及び第一吸引流路71にも滞留し易い。この場合であっても、メンテナンス機構30は、第一吸引流路71及び第二吸引流路72を備えるので、第一吐出部11及び第二吐出部21に対してそれぞれ独立したパージを実行できる。つまり、プリンタ1は、白インクを吐出する第一吐出部11に対してのみ必要に応じた頻度のパージを実行できる。以上より、プリンタ1は、第一吐出部11のメンテナンス不良に起因する白インクの吐出不良を防止し、印刷品質が低下するのを防止できる。
【0078】
上記実施形態において、電磁弁100が本発明の「第一電磁弁」に相当し、第一貫通口191が本発明の「流入口」及び「進入口」に相当し、第二貫通口192が本発明の「流出口」及び「退出口」に相当し、溝190が本発明の「連通溝」及び「溝部」に相当し、
右側面部180Aが本発明の「側面部」及び「壁面部」に相当し、壁部180が本発明の「第一壁部」及び「第二壁部」に相当し、弁部材160が本発明の「第一弁部材」及び「第二弁部材」に相当し、コイルバネ155が本発明の「第一付勢手段」及び「第二付勢手段」に相当し、駆動部150が本発明の「第一駆動部」及び「第二駆動部」に相当し、
排出口197Bが本発明の「第一連通口」及び「第二連通口」に相当し、洗浄液タンク35が本発明の「貯留部」に相当し、右側洗浄液流路83及び左側洗浄液流路84が本発明の「洗浄液流路」に相当し、電磁弁200が本発明の「遮断手段」に相当し、電磁弁300が本発明の「第二電磁弁」に相当し、第一吐出部11が本発明の「第一ヘッド」に相当し、第二吐出部21が本発明の「第二ヘッド」に相当し、第一吸引キャップ50が本発明の「第一キャップ部材」に相当し、第二吸引キャップ60が本発明の「第二キャップ部材」に相当し、第一駆動モータ26が本発明の「第一移動手段」に相当し、第二駆動モータ16が本発明の「第二移動手段」に相当し、右側廃液流路76及び左側廃液流路74が本発明の「第一廃液流路」に相当し、右側廃液流路66及び左側廃液流路64が本発明の「第二廃液流路」に相当し、インクが本発明の「液体」に相当し、閉塞姿勢が本発明の「第一閉塞姿勢」及び「第二閉塞姿勢」に相当し、開放姿勢が本発明の「第一開放姿勢」及び「第二開放姿勢」に相当する。
【0079】
尚、本発明のプリンタは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、プリンタ1が吐出可能な液体は、上記に例示したインクの他、ゴールド及びシルバー等の他の色のインクであってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、前処理液として白インク、後処理液としてカラーインクが使用されているが、前処理液と後処理液との組み合わせ及び液体の種類等は適宜変更可能であり、本実施形態の場合に限定されない。例えば、前処理液として、インクの定着をよくするための処理剤、後処理液としてカラーインクが使用されてもよい。例えば、抜染印刷において、前処理液として抜染用の処理剤、後処理液として抜染用のインクが使用されてもよい。他の例では、前処理液と後処理液とが同じ種類の液体であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、電磁弁100,300がそれぞれ備える取付部185,186は、壁部180の左側面に設けられるがこれに限定されない。例えば、左側面に設ける代わりに、取付部185を上側面に設け、取付部186を下側面に設けてもよい。