特許第6221816号(P6221816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221816
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】データ転送装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/711 20130101AFI20171023BHJP
【FI】
   H04L12/711
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-30709(P2014-30709)
(22)【出願日】2014年2月20日
(65)【公開番号】特開2015-156564(P2015-156564A)
(43)【公開日】2015年8月27日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 正樹
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−118440(JP,A)
【文献】 特開2000−224079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/711
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝送ラインを介して供給された第1入力データ信号を第1運用系ライン及び第1予備系ライン各々に送出する第1分岐部と、
前記第1運用系ラインを介して供給された前記第1入力データ信号に対して所定の入力信号処理を施すことにより第1運用系データ信号を生成する第1運用系入力処理部と、
前記第1予備系ラインを介して供給された前記第1入力データ信号に対して前記入力信号処理を施すことにより第1予備系データ信号を生成する第1予備系入力処理部と、
第2伝送ラインを介して供給された第2入力データ信号を第2運用系ライン及び第2予備系ライン各々に送出する第2分岐部と、
前記第2運用系ラインを介して供給された前記第2入力データ信号に対して前記入力信号処理を施すことにより第2運用系データ信号を生成する第2運用系入力処理部と、
前記第2予備系ラインを介して供給された前記第2入力データ信号に対して前記入力信号処理を施すことにより第2予備系データ信号を生成する第2予備系入力処理部と、
第1データ信号に対して所定の出力信号処理を施す第1出力処理部と、
第2データ信号に対して前記出力信号処理を施す第2出力処理部と、
前記第1運用系入力処理部及び前記第1出力処理部に故障が生じていない場合には前記第1運用系データ信号を前記第1データ信号として前記第1出力処理部に供給し、前記第1運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第1予備系データ信号を前記第1データ信号として前記第1出力処理部に供給し、前記第1出力処理部に故障が生じている場合には前記第1予備系データ信号を前記第2データ信号として前記第2出力処理部に供給する相互接続部と、を有することを特徴とするデータ転送装置。
【請求項2】
前記相互接続部は、前記第2運用系入力処理部及び前記第2出力処理部に故障が生じていない場合には前記第2運用系データ信号を前記第2データ信号として前記第2出力処理部に供給し、前記第2運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第2予備系データ信号を前記第2データ信号として前記第2出力処理部に供給し、前記第2出力処理部に故障が生じている場合には前記第2予備系データ信号を前記第1データ信号として前記第1出力処理部に供給することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項3】
前記相互接続部は、
前記第1運用系データ信号及び第1予備系接続信号のうちの一方を選択しこれを前記第1データ信号として出力する第1セレクタと、
前記第2運用系データ信号及び第2予備系接続信号のうちの一方を選択しこれを前記第2データ信号として出力する第2セレクタと、
前記第1運用系入力処理部及び前記第1出力処理部に故障が生じていない場合には前記第1セレクタを制御して前記第1運用系データ信号を選択させ、前記第1運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第1セレクタを制御して前記第1予備系接続信号を選択させ、前記第1出力処理部に故障が生じている場合には前記第2セレクタを制御して前記第2予備系接続信号を選択させる選択制御部と、
前記第1運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第1予備系データ信号を前記第1予備系接続信号として前記第1セレクタに供給し、前記第1出力処理部に故障が生じている場合には前記第1予備系データ信号を前記第2予備系接続信号として前記第2セレクタに供給する予備系接続部と、を含むことを特徴とする請求項1または2記載のデータ転送装置。
【請求項4】
前記選択制御部は、前記第2運用系入力処理部及び前記第2出力処理部に故障が生じていない場合には前記第2セレクタを制御して前記第2運用系データ信号を選択させ、前記第2運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第2セレクタを制御して前記第2予備系接続信号を選択させ、前記第2出力処理部に故障が生じている場合には前記第1セレクタを制御して前記第1予備系接続信号を選択させ、
前記予備系接続部は、前記第2運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第2予備系データ信号を前記第2予備系接続信号として前記第2セレクタに供給し、前記第2出力処理部に故障が生じている場合には前記第2予備系データ信号を前記第1予備系接続信号として前記第1セレクタに供給することを特徴とする請求項3に記載のデータ転送装置。
【請求項5】
前記第1及び第2入力データ信号は光信号であり、
前記第1及び第2分岐部は光カプラであり、
前記入力信号処理は光電変換処理であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のデータ転送装置。
【請求項6】
前記第1出力処理部から出力された第1の出力信号及び前記第2出力処理部から出力された第2の出力信号を通信網に送出する送信部を更に含み、
前記送信部は、前記第1出力処理部に故障が生じている場合には前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号のうち前記第2の出力信号を選択して前記通信網に送出し、前記第2出力処理部に故障が生じている場合には前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号のうち前記第1の出力信号を選択して前記通信網に送出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のデータ転送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ信号を宛先に対応した伝送路に転送するデータ転送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ATM(Asychronous Transfer Mode)通信等のデータ通信に用いられるデータ転送装置では、装置内のポートが故障した場合には、故障したポートから未使用のポートへと手動で伝送ケーブルを接続し直し、クロスコネクト情報を書き換えることが行われていた。しかし、こうした手動での切替え作業は、保守者が装置設置場所まで移動して対応する必要がある等、故障が発生してから装置が使用可能となるまでに長時間を要する。そこで、通常使用する運用系のポートの他に、待機系のポートを設けておき、ポートの故障を検知した場合には、自動で使用するポートを運用系から待機系へと切替えるようにしたATMスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−181727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる装置においては、運用系のポートの他に待機系のポートを設ける必要がある。また、ポートに伝送ケーブルを接続し直すことなくポートの切替えを自動で行うため、運用系のポートと待機系のポートの双方に伝送ケーブルが接続されている。そのため、データの転送に用いるポート及び伝送ケーブルの他に、故障時に備えたポートと伝送ケーブルとが別途必要となり、装置の規模が増大してしまうという問題が生じた。
【0004】
そこで、本発明は、装置の規模の増大を抑えつつ、ポート等の故障時に伝送路の切替えによってデータの転送を可能とするデータ転送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るデータ転送装置は、第1伝送ラインを介して供給された第1入力データ信号を第1運用系ライン及び第1予備系ライン各々に送出する第1分岐部と、前記第1運用系ラインを介して供給された前記第1入力データ信号に対して所定の入力信号処理を施すことにより第1運用系データ信号を生成する第1運用系入力処理部と、前記第1予備系ラインを介して供給された前記第1入力データ信号に対して前記入力信号処理を施すことにより第1予備系データ信号を生成する第1予備系入力処理部と、第2伝送ラインを介して供給された第2入力データ信号を第2運用系ライン及び第2予備系ライン各々に送出する第2分岐部と、前記第2運用系ラインを介して供給された前記第2入力データ信号に対して前記入力信号処理を施すことにより第2運用系データ信号を生成する第2運用系入力処理部と、前記第2予備系ラインを介して供給された前記第2入力データ信号に対して前記入力信号処理を施すことにより第2予備系データ信号を生成する第2予備系入力処理部と、第1データ信号に対して所定の出力信号処理を施す第1出力処理部と、第2データ信号に対して前記出力信号処理を施す第2出力処理部と、前記第1運用系入力処理部及び前記第1出力処理部に故障が生じていない場合には前記第1運用系データ信号を前記第1データ信号として前記第1出力処理部に供給し、前記第1運用系入力処理部に故障が生じている場合には前記第1予備系データ信号を前記第1データ信号として前記第1出力処理部に供給し、前記第1出力処理部に故障が生じている場合には前記第1予備系データ信号を前記第2データ信号として前記第2出力処理部に供給する相互接続部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係るデータ転送装置を示すブロック図である。
図2】接続制御部150に記憶される第1のテーブルを示す図である。
図3】接続制御部150に記憶される第2のテーブルを示す図である。
図4】入力処理部100に故障が発生した場合のデータ信号の経路を示す図である。
図5】出力処理部140に故障が発生した場合のデータ信号の経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明に係るデータ転送装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係るデータ転送装置10は、例えば、ATMスイッチ装置等であり、分岐部100、入力処理部110、予備系接続部120、運用系予備系選択部130、出力処理部140、接続制御部150、故障監視部160、出力スイッチ170(以下、SW170と称する)、及びインターフェイス部180(以下、IF180と称する)を含む。
【0009】
分岐部100は、例えば光ファイバ等の伝送ケーブルからなる伝送ラインにそれぞれ接続された光カプラ101、102及び103を含む。入力処理部110は、運用系入力処理部111A、112A及び113Aと、予備系入力処理部111B、112B及び113Bとを含み、例えば光信号を電気信号に変換する等の所定の入力処理を行う。
【0010】
光カプラ101は、伝送ラインC1を介して入力された光データ信号L1を、第1運用系ラインU1及び第1予備系ラインY1に送出する。光カプラ102は、伝送ラインC2を介して入力された光データ信号L2を、第2運用系ラインU2及び第2予備系ラインY2に送出する。光カプラ103は、伝送ラインC3を介して入力された光データ信号L3を、第3運用系ラインU3及び第3予備系ラインY3に送出する。
【0011】
第1運用系入力処理部111Aは、第1運用系ラインU1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、これを運用系情報データ信号E1Aとして、運用系予備系選択部130の第1セレクタ131に供給する。第2運用系入力処理部112Aは、第2運用系ラインU2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、これを運用系情報データ信号E2Aとして、運用系予備系選択部130の第2セレクタ132に供給する。第3運用系入力処理部113Aは、第3運用系ラインU3を介して供給された光データ信号L3を電気信号に変換し、これを運用系情報データ信号E3Aとして、運用系予備系選択部130の第3セレクタ133に供給する。
【0012】
第1予備系入力処理部111Bは、第1予備系ラインU1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、これを予備系情報データ信号E1Bとして、予備系接続部120に供給する。第2予備系入力処理部112Bは、第2予備系ラインU2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、これを予備系情報データ信号E2Bとして、予備系接続部120に供給する。第3予備系入力処理部113Bは、第3予備系ラインU3を介して供給された光データ信号L3を電気信号に変換し、これを予備系情報データ信号E3Bとして、予備系接続部120に供給する。
【0013】
予備系接続部120は、接続制御部150から供給された接続指示情報CLに従って、予備系情報データ信号E1B、E2B、及びE3Bのうちのいずれか1を予備系接続信号R1として、運用系予備系選択部130の第1セレクタ131に供給する。また、予備系接続部120は、接続指示情報CLに従って、予備系情報データ信号E1B、E2B、及びE3Bのうちのいずれか1を予備系接続信号R2として、第2セレクタ132に供給する。予備系接続部120は、接続指示情報CLに従って、予備系情報データ信号E1B、E2B、及びE3Bのうちのいずれか1を予備系接続信号R3として、第3セレクタ133に供給する。
【0014】
運用系予備系選択部130の第1セレクタ131は、運用系情報データ信号E1A又は予備系接続信号R1のうちのいずれか一方を、接続制御部150から供給された選択指示情報SLに従って選択し、これを選択情報データ信号S1として、出力処理部140の第1出力処理回路141に供給する。第2セレクタ132は、運用系情報データ信号E2A又は予備系接続信号R2のうちのいずれか一方を、選択指示情報SLに従って選択し、これを選択情報データ信号S2として、第2出力処理回路142に供給する。第3セレクタ133は、運用系情報データ信号E3A又は予備系接続信号R3のうちのいずれか一方を、選択指示情報SLに従って選択し、これを選択情報データ信号S3として、第3出力処理回路143に供給する。
【0015】
出力処理部140は、第1、第2、第3出力処理回路141、142及び143を含み、所定の出力処理を行う。第1出力処理回路141は、第1セレクタ131から供給された選択情報データ信号S1に対して、例えば、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)信号等の回線の終端処理及び信号の同期処理等を行い、これを処理データ信号Q1としてSW170に供給する。第2出力処理回路142は、第2セレクタ132から供給された選択情報データ信号S2に対して当該処理を行い、これを処理データ信号Q2としてSW170に供給する。第3出力処理回路143は、第3セレクタ133から供給された選択情報データ信号S3に対して当該処理を行い、これを処理データ信号Q3としてSW170に供給する。
【0016】
接続制御部150には、入力処理部110内の故障状態に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを示す第1のテーブルと、出力処理部140内の故障状態に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを示す第2のテーブルが予め記憶されている。第1のテーブルは、図2に示すように、第1運用系入力処理部111Aが故障した場合、第2運用系入力処理部112Aが故障した場合、第3運用系入力処理部113Aが故障した場合、入力処理部110内に故障がない場合のそれぞれに対応した、接続指示情報CL及び選択指示情報SLを示す。第2のテーブルは、図3に示すように、第1出力処理回路141が故障した場合、第2出力処理回路142が故障した場合、第3出力処理回路143が故障した場合、出力処理部140内に故障がない場合のそれぞれに対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを示す。
【0017】
接続制御部150は、上記第1及び第2のテーブルを参照することにより、故障監視部160から供給された故障情報XTに対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを得て、この接続指示情報CLを予備系接続部120に供給すると共に、選択指示情報SLを運用系予備系選択部130に供給する。
【0018】
このように、予備系接続部120、運用系予備系選択部130、及び接続制御部150は、入力処理部110の運用系入力処理部111A〜113A及び予備系入力処理部111B〜113Bと出力処理部140の出力回路141〜143とをクロスコネクトする相互接続部として機能する。
【0019】
また、接続制御部150は、故障監視部160から供給された故障情報XTに基づいて、処理データ信号Q1〜Q3のうちのいずれをIF180に供給するのかを示すコネクション処理情報CTをSW170に供給する。コネクション処理情報CTには、例えば処理データ信号Q1〜Q3のうち、故障の生じている出力回路で処理が行われた処理データ信号以外の処理データ信号を選択してIF180に供給すべきことが示されている。
【0020】
故障監視部160は、運用系入力処理部111A〜113A、及び出力処理回路141〜143の各々に対して、故障が生じているか否かの監視を行い、その故障監視結果を示す故障情報XTを接続制御部150に供給する。
【0021】
SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて処理データ信号Q1〜Q3のうちの1を選択し、これを送信データ信号MXとしてIF180に供給する。IF180は、送信データ信号MXを通信ネットワークNWに送出する。すなわち、SW170及びIF180は、データ信号の送信部として機能する。また、IF180は複数個あってもよく、SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて処理データ信号Q1〜Q3をいずれかのIF180に供給するものであってもよい。
【0022】
以下に、本発明にかかるデータ転送装置の動作について、故障が生じていない場合、入力処理部110に故障が生じている場合、出力処理部140に故障が生じている場合に分けて、説明する。
【0023】
[故障がない場合]
まず、入力処理部110と出力処理部140のいずれにも故障が生じていない場合について、説明する。
【0024】
光カプラ101は、伝送ラインC1を介して入力された光データ信号L1を、第1運用系ラインU1及び第1予備系ラインY1に送出する。光カプラ102は、伝送ラインC2を介して入力された光データ信号L2を、第2運用系ラインU2及び第2予備系ラインY2に送出する。光カプラ103は、伝送ラインC3を介して入力された光データ信号L3を、第3運用系ラインU3及び第3予備系ラインY3に送出する。
【0025】
第1運用系入力処理部111Aは、第1運用系ラインU1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E1Aとして運用系予備系選択部130の第1セレクタ131に供給する。第1予備系入力処理部111Bは、第1予備系ラインY1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E1Bとして予備系接続部120に供給する。
【0026】
第2運用系入力処理部112Aは、第2運用系ラインU2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E2Aとして運用系予備系選択部130の第2セレクタ132に供給する。第2予備系入力処理部112Bは、第2予備系ラインY2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E2Bとして予備系接続部120に供給する。
【0027】
第3運用系入力処理部113Aは、第3運用系ラインU3を介して供給された光データ信号L3を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E3Aとして運用系予備系選択部130の第3セレクタ133に供給する。第3予備系入力処理部113Bは、第3予備系ラインY3を介して供給された光データ信号L3を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E3Bとして予備系接続部120に供給する。
【0028】
故障監視部160は、監視の結果、入力処理部110及び出力処理部140のいずれにも故障が生じていないと判定して、故障がないことを示す故障情報XTを、接続制御部150に供給する。
【0029】
接続制御部150は、第1のテーブル及び第2のテーブルを参照し、故障が生じていない場合に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを取得する。
【0030】
図2に示すように、第1のテーブルには、入力処理部110の運用系入力処理部に故障がない場合、予備系入力処理部111B〜113Bとセレクタ131〜133とを接続しない旨、すなわち予備系接続部120が中継供給の処理を行わない旨の接続指示情報CLが示されている。また、第1のテーブルには、入力処理部110の運用系入力処理部に故障がない場合、セレクタ131〜133がいずれも運用系入力処理部111A〜113Aからの運用系情報データ信号を選択する旨の選択指示情報SLが示されている。
【0031】
図3に示すように、第2のテーブルには、出力処理部140の出力処理回路141〜143に故障がない場合、予備系入力処理部111B〜113Bとセレクタ131〜133とを接続しない旨、すなわち予備系接続部120が中継供給の処理を行わない旨の接続指示情報CLが示されている。また、第2のテーブルには、出力処理部140の出力処理回路141〜143に故障がない場合、セレクタ131〜133がいずれも運用系入力処理部111A〜113Aからの運用系情報データ信号を選択する旨の選択指示情報SLが示されている。
【0032】
接続制御部150は、中継供給の処理を行わない旨の接続指示情報CLを予備系接続部120に供給する。接続制御部150は、第1運用系入力処理部111Aから供給された運用系情報データ信号E1Aを選択すべき旨の選択指示情報SLを、第1セレクタ131に供給する。接続制御部150は、第2運用系入力処理部112Aから供給された運用系情報データ信号E2Aを選択すべき旨の選択指示情報SLを、第2セレクタ132に供給する。接続制御部150は、第3運用系入力処理部113Aから供給された運用系情報データ信号E3Aを選択すべき旨の選択指示情報SLを、第3セレクタ133に供給する。
【0033】
第1セレクタ131は、接続制御部150から供給された選択指示情報SLに従って、運用系情報データ信号E1Aを選択し、選択情報データ信号S1として出力処理部140の第1出力処理回路141に供給する。第2セレクタ132は、接続制御部150から供給された選択指示情報SLに従って、運用系情報データ信号E2Aを選択し、選択情報データ信号S2として出力処理部140の第2出力処理回路142に供給する。第3セレクタ133は、接続制御部150から供給された選択指示情報SLに従って、運用系情報データ信号E3Aを選択し、選択情報データ信号S3として出力処理部140の第3出力処理回路143に供給する。
【0034】
第1出力処理回路141は、選択情報データ信号S1に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを処理データ信号Q1としてSW170に供給する。第2出力処理回路142は、選択情報データ信号S2に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを処理データ信号Q2としてSW170に供給する。第3出力処理回路143は、選択情報データ信号S3に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを処理データ信号Q3としてSW170に供給する。
【0035】
接続制御部150は、故障が存在しないことを示す故障情報XTに基づいて、処理データ信号Q1〜Q3を送信データ信号MXとしてIF180に供給することを示すコネクション処理情報CTをSW170に供給する。
【0036】
SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて処理データ信号Q1〜Q3を送信データ信号MXとしてIF180に供給する。IF180は、送信データ信号MXを通信ネットワークNWに送出する。
【0037】
以上の各部の動作により、図4に実線の矢印で示すように、光カプラ101に入力された光データ信号L1は、第1運用系入力処理部111Aによって電気信号に変換され、運用系情報データ信号E1Aとして第1セレクタ131に供給される。運用系情報データ信号E1Aは、選択情報データ信号S1として第1出力処理回路141に供給され、第1出力処理回路141によって回線の終端処理及び信号の同期処理がなされる。当該処理がなされた処理データ信号Q1はSW170に供給され、送信データ信号MXとしてIF180を介して通信ネットワークNWに送出される。
【0038】
同様に、光カプラ102に入力された光データ信号L2は、第2運用系入力処理部112Aによって電気信号に変換され、運用系情報データ信号E2Aとして第2セレクタ132に供給される。運用系情報データ信号E2Aは、選択情報データ信号S2として第2出力処理回路142に供給され、第2出力処理回路142によって回線の終端処理及び信号の同期処理がなされる。当該処理がなされた処理データ信号Q2はSW170に供給され、送信データ信号MXとしてIF180を介して通信ネットワークNWに送出される。
【0039】
光カプラ103に入力された光データ信号L3は、第3運用系入力処理部113Aによって電気信号に変換され、運用系情報データ信号E3Aとして第3セレクタ133に供給される。運用系情報データ信号E3Aは、選択情報データ信号S3として第3出力処理回路143に供給され、第3出力処理回路143によって回線の終端処理及び信号の同期処理がなされる。当該処理がなされた処理データ信号Q3はSW170に供給され、送信データ信号MXとしてIF180を介して通信ネットワークNWに送出される。
【0040】
[入力処理部110に故障がある場合]
[第1運用系入力処理部111Aに故障がある場合]
次に、入力処理部110の第1運用系入力処理部111Aに故障が生じている場合における、光データ信号L1に対する処理に係る動作について、説明する。なお、光データ信号L2及びL3に対する処理に係る動作については、故障がない場合と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
光カプラ101は、伝送ラインC1を介して入力された光データ信号L1を、第1運用系ラインU1及び第1予備系ラインY1に送出する。
【0042】
第1運用系入力処理部111Aは、第1運用系ラインU1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E1Aとして運用系予備系選択部130の第1セレクタ131に供給する。第1予備系入力処理部111Bは、第1予備系ラインY1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E1Bとして予備系接続部120に供給する。
【0043】
故障監視部160は、第1運用系入力処理部111Aが故障していることを示す故障情報XTを、接続制御部150に供給する。
【0044】
接続制御部150は、第1のテーブルを参照し、第1運用系入力処理部111Aが故障している場合に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを取得する。
【0045】
図2に示すように、第1のテーブルには、第1運用系入力処理部111Aに故障が生じている場合、第1予備系入力処理部111Bと第1セレクタ131とを接続する旨、すなわち予備系接続部120が第1予備系入力処理部111Bから供給された予備系情報データ信号E1Bを予備系接続信号R1として第1セレクタ131に供給すべき旨の接続指示情報CLが示されている。また、第1のテーブルには、入力処理部110の第1運用系入力処理部111Aに故障が生じている場合、第1セレクタ131が予備系接続部120から供給された予備系接続信号R1を選択すべき旨の選択指示情報SLが示されている。
【0046】
接続制御部150は、第1予備系入力処理部111Bと第1セレクタ131とを接続すべき旨の接続指示情報CLを予備系接続部120に供給する。
【0047】
予備系接続部120は、第1予備系入力処理部111Bと第1セレクタ131とを接続し、第1予備系入力処理部111Bから供給された予備系情報データ信号E1Bを予備系接続信号R1として第1セレクタ131に供給する。
【0048】
接続制御部150は、予備系接続信号R1を選択すべき旨の選択指示情報SLを、第1セレクタ131に供給する。
【0049】
第1セレクタ131は、予備系接続信号R1である予備系情報データ信号E1Bを選択し、選択情報データ信号S1として出力処理部140の第1出力処理回路141に供給する。
【0050】
第1出力処理回路141は、選択情報データ信号S1に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを処理データ信号Q1としてSW170に供給する。
【0051】
接続制御部150は、処理データ信号Q1を送信データ信号MXとしてIF180に供給することを示すコネクション処理情報CTをSW170に供給する。
【0052】
SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて処理データ信号Q1を選択し、これを送信データ信号MXとしてIF180に供給する。IF180は、送信データ信号MXを通信ネットワークNWに送出する。
【0053】
以上の各部の動作により、図4に破線の矢印で示すように、光カプラ101に入力された光データ信号L1は、第1予備系入力処理部111Bによって電気信号に変換され、予備系情報データ信号E1Bとして、予備系接続部120に供給される。予備系情報データ信号E1Bは、予備系接続信号R1として第1セレクタ131に供給された後、選択情報データ信号S1として第1出力処理回路141に供給され、第1出力処理回路141によって回線の終端処理及び信号の同期処理がなされる。当該処理がなされた処理データ信号Q1はSW170に供給され、送信データ信号MXとしてIF180を介して通信ネットワークNWに送出される。
【0054】
[第2運用系入力処理部112Aに故障がある場合]
次に、第2運用系入力処理部112Aに故障が生じている場合における、光データ信号L2に対する処理に係る動作について、説明する。なお、光データ信号L1及びL3に対する処理に係る動作については、故障がない場合と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
光カプラ102は、伝送ラインC2を介して入力された光データ信号L2を、第2運用系ラインU2及び第2予備系ラインY2に送出する。
【0056】
第2運用系入力処理部112Aは、第2運用系ラインU2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E2Aとして第2セレクタ132に供給する。第2予備系入力処理部112Bは、第2予備系ラインY2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E2Bとして予備系接続部120に供給する。
【0057】
故障監視部160は、第2運用系入力処理部112Aが故障していることを示す故障情報XTを、接続制御部150に供給する。
【0058】
接続制御部150は、第1のテーブルを参照し、第2運用系入力処理部112Aが故障している場合に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを取得する。
【0059】
図2に示すように、第1のテーブルには、第2運用系入力処理部112Aに故障が生じている場合、第2予備系入力処理部112Bと第2セレクタ132とを接続する旨、すなわち予備系接続部120が第2予備系入力処理部112Bから供給された予備系情報データ信号E2Bを予備系接続信号R2として第2セレクタ132に供給すべき旨の接続指示情報CLが示されている。また、第1のテーブルには、入力処理部110の第2運用系入力処理部112Aに故障が生じている場合、第2セレクタ132が予備系接続信号R2を選択すべき旨の選択指示情報SLが示されている。
【0060】
接続制御部150は、第2予備系入力処理部112Bと第2セレクタ132とを接続すべき旨の接続指示情報CLを予備系接続部120に供給する。
【0061】
予備系接続部120は、第2予備系入力処理部112Bと第2セレクタ132とを接続し、第2予備系入力処理部112Bから供給された予備系情報データ信号E2Bを予備系接続信号R2として第2セレクタ132に供給する。
【0062】
接続制御部150は、予備系接続部120から供給された予備系接続信号R2を選択すべき旨の選択指示情報SLを、第2セレクタ132に供給する。
【0063】
第2セレクタ132は、予備系接続信号R2を選択し、選択情報データ信号S2として出力処理部140の第2出力処理回路142に供給する。
【0064】
第2出力処理回路142は、選択情報データ信号S2に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを処理データ信号Q2としてSW170に供給する。
【0065】
接続制御部150は、処理データ信号Q2を送信データ信号MXとしてIF180に供給することを示すコネクション処理情報CTをSW170に供給する。
【0066】
SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて処理データ信号Q2を選択し、これを送信データ信号MXとしてIF180に供給する。IF180は、送信データ信号MXを通信ネットワークNWに送出する。
【0067】
[出力処理部に故障がある場合]
[第1出力処理回路141に故障がある場合]
次に、出力処理部140の第1出力処理回路141に故障が生じている場合における、光データ信号L1に対する処理に係る動作について、説明する。なお、光データ信号L2及びL3に対する処理に係る動作については、故障がない場合と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
光カプラ101は、伝送ラインC1を介して入力された光データ信号L1を、第1運用系ラインU1及び第1予備系ラインY1に送出する。
【0069】
第1運用系入力処理部111Aは、第1運用系ラインU1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E1Aとして運用系予備系選択部130の第1セレクタ131に供給する。第1予備系入力処理部111Bは、第1予備系ラインY1を介して供給された光データ信号L1を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E1Bとして予備系接続部120に供給する。
【0070】
故障監視部160は、第1出力処理回路141が故障していることを示す故障情報XTを、接続制御部150に供給する。
【0071】
接続制御部150は、第2のテーブルを参照し、第1出力処理回路141が故障している場合に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを取得する。
【0072】
図3に示すように、第2のテーブルには、第1出力処理回路141に故障が生じている場合、第1予備系入力処理部111Bと第2セレクタ132とを接続する旨、すなわち予備系接続部120が第1予備系入力処理部111Bから供給された予備系情報データ信号E1Bを予備系接続信号R2として第2セレクタ132に供給すべき旨の接続指示情報CLが示されている。また、第2のテーブルには、第1出力処理回路141に故障が生じている場合、第2セレクタ132が予備系接続部120から供給された予備系接続信号R2を選択すべき旨の選択指示情報SLが示されている。
【0073】
接続制御部150は、第1予備系入力処理部111Bと第2セレクタ132とを接続すべき旨の接続指示情報CLを予備系接続部120に供給する。
【0074】
予備系接続部120は、第1予備系入力処理部111Bと第2セレクタ132とを接続し、第1予備系入力処理部111Bから供給された予備系情報データ信号E1Bを予備系接続信号R2として第2セレクタ132に中継供給する。
【0075】
接続制御部150は、予備系接続部120から供給された予備系接続信号R2を選択すべき旨の選択指示情報SLを、第2セレクタ132に供給する。接続制御部150は、第1運用系入力処理部111Aから供給された運用系情報データ信号E1Aを選択すべき旨の選択指示情報SLを、第1セレクタ131に供給する。
【0076】
第2セレクタ132は、予備系接続部120から供給された予備系接続信号R2を選択し、選択情報データ信号S2として出力処理部140の第2出力処理回路142に供給する。第1セレクタ131は、第1運用系入力処理部111Aから供給された運用系情報データ信号E1Aを選択し、選択情報データ信号S1として第1出力処理回路141に供給する。
【0077】
第1出力処理回路141は、選択情報データ信号S1に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを送信データ信号Q1としてSW170に供給する。第2出力処理回路142は、選択情報データ信号S2に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを送信データ信号Q2としてSW170に供給する。
【0078】
接続制御部150は、故障情報XTが第1出力処理回路141に故障が生じていることを示すものであるため、送信データ信号Q1ではなく送信データ信号Q2をIF180に供給することを示すコネクション処理情報CTをSW170に供給する。
【0079】
SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて送信データ信号Q1、Q2のうちQ2を選択し、これを送信データ信号MXとしてIF180に供給する。IF180は、送信データ信号MXを通信ネットワークNWに送出する。
【0080】
以上の各部の動作により、図5に破線の矢印で示すように、光カプラ101に入力された光データ信号L1は、第1予備系入力処理部111Bによって電気信号に変換され、予備系情報データ信号E1Bとして、予備系接続部120に供給される。予備系情報データ信号E1Bは、予備系接続信号R2として第2セレクタ132に供給された後、選択情報データ信号S2として第2出力処理回路142に供給され、第2出力処理回路142によって回線の終端処理及び信号の同期処理がなされる。当該処理がなされた処理データ信号Q2はSW170に供給され、送信データ信号MXとしてIF180を介して通信ネットワークNWに送出される。
【0081】
[第2出力処理回路142に故障がある場合]
次に、第2出力処理回路142に故障が生じている場合における、光データ信号L2に対する処理に係る動作について、説明する。なお、光データ信号L1及びL3に対する処理に係る動作については、故障がない場合と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
光カプラ102は、伝送ラインC2を介して入力された光データ信号L2を、第2運用系ラインU2及び第2予備系ラインY2に送出する。
【0083】
第2運用系入力処理部112Aは、第2運用系ラインU2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、運用系情報データ信号E2Aとして第2セレクタ132に供給する。第2予備系入力処理部112Bは、第2予備系ラインY2を介して供給された光データ信号L2を電気信号に変換し、予備系情報データ信号E2Bとして予備系接続部120に供給する。
【0084】
故障監視部160は、第2出力処理回路142が故障していることを示す故障情報XTを、接続制御部150に供給する。
【0085】
接続制御部150は、第2のテーブルを参照し、第2出力処理回路142が故障している場合に対応した接続指示情報CL及び選択指示情報SLを取得する。
【0086】
図3に示すように、第2のテーブルには、第2出力処理回路142に故障が生じている場合、第2予備系入力処理部112Bと第1セレクタ131とを接続する旨、すなわち予備系接続部120が第2予備系入力処理部112Bから供給された予備系情報データ信号E2Bを予備系接続信号R1として第1セレクタ131に供給すべき旨の接続指示情報CLが示されている。また、第2のテーブルには、第2出力処理回路142に故障が生じている場合、第1セレクタ131が予備系接続信号R1を選択すべき旨の選択指示情報SLが示されている。
【0087】
接続制御部150は、第2予備系入力処理部112Bと第1セレクタ131とを接続すべき旨の接続指示情報CLを予備系接続部120に供給する。
【0088】
予備系接続部120は、第2予備系入力処理部112Bと第1セレクタ131とを接続し、第2予備系入力処理部112Bから供給された予備系情報データ信号E2Bを予備系接続信号R1として第1セレクタ131に供給する。
【0089】
接続制御部150は、予備系接続部120から供給された予備系接続信号R1を選択すべき旨の選択指示情報SLを、第1セレクタ131に供給する。接続制御部150は、第2運用系入力処理部112Aから供給された運用系情報データ信号E2Aを選択すべき旨の選択指示情報SLを、第2セレクタ132に供給する。
【0090】
第1セレクタ131は、予備系接続部120から供給された予備系接続信号R1を選択し、選択情報データ信号S1として出力処理部140の第1出力処理回路141に供給する。第2セレクタ132は、第2運用系入力処理部112Aから供給された運用系情報データ信号E2Aを選択し、選択情報データ信号S2として第2出力処理回路142に供給する。
【0091】
第1出力処理回路141は、選択情報データ信号S1に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを送信データ信号Q1としてSW170に供給する。第2出力処理回路142は、選択情報データ信号S2に対して回線の終端処理及び信号の同期処理を行い、これを送信データ信号Q2としてSW170に供給する。
【0092】
接続制御部150は、故障情報XTが第2出力処理回路142に故障が生じていることを示すものであるため、送信データ信号Q2ではなく送信データ信号Q1をIF180に供給することを示すコネクション処理情報CTをSW170に供給する。
【0093】
SW170は、コネクション処理情報CTに基づいて送信データ信号Q1、Q2のうちQ1を選択し、これを送信データ信号MXとしてIF180に供給する。IF180は、送信データ信号MXを通信ネットワークNWに送出する。
【0094】
以上説明したように、本実施例に係る転送データ装置10においては、運用系入力処理部111A(112A)と予備系入力処理部111B(112B)とが、同一の光データ信号L1(L2)に対して入力処理を行う。運用系入力処理部111A(112A)に故障がある場合、予備系入力処理部111B(112B)が入力処理を行った予備系情報データ信号E1B(E2B)をセレクタ131(132)が選択し、出力処理回路141(142)に供給する。このように、予備系の入力処理部は運用系と同じ光データ信号を処理するため、伝送ケーブル等を別途設ける必要がない。
【0095】
また、本実施例に係る転送データ装置10においては、出力処理回路141(142)に故障がある場合、予備系接続部120は、予備系情報データ信号E1B(E2B)をセレクタ132(131)に供給し、セレクタ132(131)はこれを出力処理回路142(141)に供給する。このように、予備系の入力処理部が運用系の入力処理部と同じ光データ信号を処理し、これを本来他の光データ信号に係るデータ信号を処理すべき出力回路に供給して出力処理させるため、故障時に備えた予備の出力処理部を別途設ける必要がない。
【0096】
したがって、本発明に係る転送データ装置10によれば、装置規模の増大を抑えつつ、故障発生時のデータの転送を行うことが可能となる。
【0097】
なお、上記実施例では、分岐部100に光データ信号が入力されるとしたが、これに限られず、例えば電気信号が入力される構成であっても良い。また、入力処理部100が行う処理は、光電変換処理に限られない。例えば、入力処理部100の各モジュール(111A、111B、112A、112B、113A、113B)は、入力信号に対して光電変換処理、波形整形処理、又はノイズ除去処理などの所定の入力処理を行うものであれば良い。また、出力処理部140が行う出力処理は、回線の終端処理及び信号の同期処理に限られない。例えば、出力処理部140の各モジュール(141、142、143)は、回線の終端処理、信号の同期処理、又は信号の増幅処理等などの所定の出力処理を行うものであればよい。
【0098】
また、上記実施例では、3系統分の入力信号を受け付けて、通信ネットワークNWに転送する構成としたが、これに限られない。要するに、本発明は、少なくとも2系統の入力信号を受け付ける、以下の構成を有するものであれば良い。
【0099】
すなわち、本発明に係るデータ転送装置は、第1伝送ライン(C1)を介して供給された第1入力データ信号(L1)を第1運用系ライン(U1)及び第1予備系ライン(Y1)各々に送出する第1分岐部(101)と、第1運用系ラインを介して供給された第1入力データ信号に対して所定の入力信号処理を施すことにより第1運用系データ信号(E1A)を生成する第1運用系入力処理部(111A)と、第1予備系ラインを介して供給された第1入力データ信号に対して入力信号処理を施すことにより第1予備系データ信号(E1B)を生成する第1予備系入力処理部(111B)と、第2伝送ライン(C2)を介して供給された第2入力データ信号(L2)を第2運用系ライン(U2)及び第2予備系ライン(Y2)各々に送出する第2分岐部(102)と、第2運用系ラインを介して供給された第2入力データ信号に対して入力信号処理を施すことにより第2運用系データ信号(E2A)を生成する第2運用系入力処理部(112A)と、第2予備系ラインを介して供給された第2入力データ信号に対して入力信号処理を施すことにより第2予備系データ信号(E2B)を生成する第2予備系入力処理部(112B)と、第1データ信号(S1)に対して所定の出力信号処理を施す第1出力処理部(141)と、第2データ信号(S2)に対して出力信号処理を施す第2出力処理部(142)と、第1運用系入力処理部及び第1出力処理部に故障が生じていない場合には第1運用系データ信号を第1データ信号として第1出力処理部に供給し、第1運用系入力処理部に故障が生じている場合には第1予備系データ信号を第1データ信号として第1出力処理部に供給し、第1出力処理部に故障が生じている場合には第1予備系データ信号を第2データ信号として第2出力処理部に供給する相互接続部(120、130、150)とを有する。
【符号の説明】
【0100】
10 データ転送装置
100 入力処理部
101〜103 光カプラ
110 入力処理部
111A〜113A 運用系入力処理部
111B〜113B 予備系入力処理部
120 予備系接続部
130 運用系予備系選択部
131〜133 セレクタ
140 出力処理部
141〜143 出力回路
150 接続制御部
160 故障監視部
170 出力スイッチ
180 インターフェイス部
C1〜C3 伝送ライン
L1〜L3 光データ信号
U1〜U3 運用系ライン
Y1〜Y3 予備系ライン
XT 故障情報
CL 接続指示情報
SL 選択指示情報
CT コネクション処理情報
図1
図2
図3
図4
図5