(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定のノードの状態が前記所定のノード以外のノードに対してマルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛で通知されるように設計された所定の通信規格に則って通信を行う複数のノードに接続可能なネットワークインターフェースを具備し、前記ネットワークインターフェースを介して前記複数のノードとの通信を行うことができるように構成された通信装置であって、
前記複数のノードの中から、他ノードにおける現在の状態または状態変化を示す状態通知パケットの検出を必要とするコントローラに相当する1つ以上のノードを検出するように構成されたコントローラ検出部と、
前記コントローラ検出部により検出された前記1つ以上のノードのアドレスを保持するように構成されたアドレス保持部と、
前記ネットワークインターフェースを通過するパケットを監視することにより、マルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛の前記状態通知パケットであり、かつ、前記所定の通信規格に則ったパケットである、という第1の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出するように構成された監視部と、
前記ネットワークインターフェースを通過するパケットの中に、前記第1の条件に該当するパケットが含まれているとの検出結果が前記監視部により得られた際に、前記第1の条件に該当するパケットを、前記アドレス保持部に保持されている前記1つ以上のノードのアドレス宛にのみ転送するための処理を行うように構成された制御部と、
を有することを特徴とする通信装置。
前記コントローラ検出部は、前記所定の通信規格に則って定義された識別情報の取得要求を示すパケットをマルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛に送信するとともに、前記複数のノードのうち、前記識別情報の取得要求に応じて前記コントローラを示す識別情報を返送したノードを前記1つ以上のノードとして検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
前記監視部は、前記ネットワークインターフェースを通過するパケットを監視することにより、他ノードに対する要求を示すパケットであり、かつ、前記所定の通信規格に則ったパケットである、という第2の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出し、
前記コントローラ検出部は、前記ネットワークインターフェースを通過するパケットの中に、前記第2の条件に該当するパケットが含まれているとの検出結果が前記監視部により得られた際に、前記第2の条件に該当するパケットの送信元ノードを前記1つ以上のノードとして検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
所定のノードの状態が前記所定のノード以外のノードに対してマルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛で通知されるように設計された所定の通信規格に則って通信を行う複数のノードと、前記複数のノードに接続可能なネットワークインターフェースを具備し、前記ネットワークインターフェースを介して前記複数のノードとの通信を行うことができるように構成された通信装置と、を具備する通信システムであって、
前記複数のノードの中から、他ノードにおける現在の状態または状態変化を示す状態通知パケットの検出を必要とするコントローラに相当する1つ以上のノードを検出するように構成されたコントローラ検出部と、
前記コントローラ検出部により検出された前記1つ以上のノードのアドレスを保持するように構成されたアドレス保持部と、
前記ネットワークインターフェースを通過するパケットを監視することにより、マルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛の前記状態通知パケットであり、かつ、前記所定の通信規格に則ったパケットである、という第1の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出するように構成された監視部と、
前記ネットワークインターフェースを通過するパケットの中に、前記第1の条件に該当するパケットが含まれているとの検出結果が前記監視部により得られた際に、前記第1の条件に該当するパケットを、前記アドレス保持部に保持されている前記1つ以上のノードのアドレス宛にのみ転送するための処理を行うように構成された制御部と、
を有することを特徴とする通信システム。
所定のノードの状態が前記所定のノード以外のノードに対してマルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛で通知されるように設計された所定の通信規格に則って通信を行う複数のノードに接続可能なネットワークインターフェースを具備し、前記ネットワークインターフェースを介して前記複数のノードとの通信を行うことができるように構成された通信装置の通信方法であって、
コントローラ検出部が、前記複数のノードの中から、他ノードにおける現在の状態または状態変化を示す状態通知パケットの検出を必要とするコントローラに相当する1つ以上のノードを検出し、
アドレス保持部が、前記コントローラ検出部により検出された前記1つ以上のノードのアドレスを保持し、
監視部が、前記ネットワークインターフェースを通過するパケットを監視することにより、マルチキャストアドレス宛またはブロードキャストアドレス宛の前記状態通知パケットであり、かつ、前記所定の通信規格に則ったパケットである、という第1の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出し、
前記ネットワークインターフェースを通過するパケットの中に、前記第1の条件に該当するパケットが含まれているとの検出結果が前記監視部により得られた際に、制御部が、前記第1の条件に該当するパケットを、前記アドレス保持部に保持されている前記1つ以上のノードのアドレス宛にのみ転送するための処理を行う
ことを特徴とする通信方法。
【背景技術】
【0002】
コントローラ及び被制御機器からなる2つの通信ノードが存在する場合において、当該コントローラが、当該被制御機器の現在の状態または状態変化を示す状態通知を検知するためのモデルとして、一般的には2つのモデルが知られている。
【0003】
具体的には、前述の2つのモデルのうちの第1のモデルとして、例えば、コントローラが被制御機器に対して予め通知依頼を行った上で、当該被制御機器が状態通知を当該コントローラに対してのみ行うようなモデルが知られている。
【0004】
また、前述の2つのモデルのうちの第2のモデルとして、例えば、被制御機器が状態通知をブロードキャストまたはマルチキャストで行うようなモデルが知られている。
【0005】
ここで、前述の第2のモデルは、前述の第1のモデルに比べてシンプルに実装を行うことができる反面、被制御機器の状態通知の検知を必要としていないノードに対しても当該状態通知が届くため、ネットワークの輻輳及びノードの負荷の増加等の問題が発生する場合がある。そのため、前述の第2のモデルを実装しつつ、前述の問題の発生を抑制するための手法が提案されている。
【0006】
例えば、IGMP snoopingと呼称される手法においては、ルータまたはハブ等のデータ転送装置が、当該データ転送装置の配下に属する各ノードのうち、マルチキャストパケットの受信を要求するノードから送出されるIGMP joinパケットを捕捉し、当該IGMP joinパケットの送出が捕捉されたノードのみに対して他ノードからのマルチキャストパケットを転送することにより、前述の問題の発生を抑制している。
【0007】
また、例えば、特許文献1には、ノード数及び各ノード間の通信量に応じ、1対1通信の転送と、マルチキャストパケットの転送と、を使い分けることにより、前述の問題の発生を抑制するように構成された開示されたデータ転送装置が開示されている。
【0008】
しかし、IGMP snoopingと呼称される手法、及び、特許文献1に開示された手法によれば、前述の第2のモデルのノードとなる機器同士の組み合わせ次第では、前述の問題の発生を抑制することができない場合がある、という課題が生じている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
通信システム101は、
図1に示すように、通信装置1と、コントローラ2と、コントローラ2により制御される被制御機器であるエアコン3及び照明装置4と、を具備して構成されている。また、通信システム101の各部は、有線または無線のネットワークを介して接続されている。また、コントローラ2、エアコン3及び照明装置4の各ノードは、通信装置1に設けられたネットワークインターフェース11を介して相互に接続されている。
【0017】
通信装置1は、ルータまたはハブ等のネットワーク機器と同様の機能、すなわち、ネットワークインターフェース11を介して接続された各ノード間の通信を転送する機能を備えて構成されている。
【0018】
すなわち、以上に述べた構成によれば、例えば、コントローラ2とエアコン3との間で通信が行われる際には、当該通信における通信パケットが必ずネットワークインターフェース11を経由するようになっている。
【0019】
ネットワークインターフェース11は、例えば、Ethernet(登録商標)等のような有線LANの通信規格に対応する有線LANポートを具備して構成されていてもよく、または、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及び、ZigBee(登録商標)等のような無線LANの通信規格に対応する無線LANポートを具備して構成されていてもよい。あるいは、ネットワークインターフェース11は、例えば、有線LANポート及び無線LANポートの両方を具備し、かつ、ポート間をブリッジ接続することができるように(有線LANポートに接続されたノードと、無線LANポートに接続されたノードとの間で通信を行うことができるように)構成されていてもよい。
【0020】
コントローラ2、エアコン3及び照明装置4は、ECHONET(登録商標)及びECHONET Lite(登録商標)のうちの少なくとも一方の通信規格に則って通信を行うことが可能な機能を備えたノードとして構成されている。
【0021】
コントローラ2は、例えば、ユーザにより操作される端末装置、または、HEMS(Home Energy Management System)等により構成されている。
【0022】
コントローラ2は、被制御機器であるエアコン3及び照明装置4の制御に用いられる所定のアプリケーション、及び、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクト(コントローラであることを識別可能な識別情報)が格納されたメモリ21を具備して構成されている。
【0023】
コントローラ2は、メモリ21に格納された所定のアプリケーションの指示に応じ、制御要求パケット及び状態取得要求パケット等を他のノードに対して送信するとともに、当該送信したパケットに応じて当該他のノードから返送される応答パケットを受信するように構成されている。
【0024】
コントローラ2は、他のノードにおける現在の状態または状態変化を示す状態通知パケットを当該他のノードから受信し、当該受信したパケットをメモリ21に格納された所定のアプリケーションで処理することにより、当該他のノードの状態を示す情報を表示部(不図示)に表示する等の動作を行うように構成されている。
【0025】
エアコン3は、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたエアコンオブジェクト(エアコンであることを識別可能な識別情報)が格納されたメモリ31を具備して構成されている。
【0026】
エアコン3は、他のノードから送信される種々の要求パケットを受信し、当該受信した要求パケットに応じた応答パケットを返送するように構成されている。
【0027】
エアコン3は、現在の状態または状態変化を示す状態通知を行うためのECHONET(登録商標)パケットまたはECHONET Lite(登録商標)パケットを状態通知パケットとしてマルチキャストアドレス宛に送信するように構成されている。
【0028】
照明装置4は、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義された照明装置オブジェクト(照明装置であることを識別可能な識別情報)が格納されたメモリ41を具備して構成されている。
【0029】
照明装置4は、他のノードから送信される種々の要求パケットを受信し、当該受信した要求パケットに応じた応答パケットを返送するように構成されている。
【0030】
照明装置4は、現在の状態または状態変化を示す状態通知を行うためのECHONET(登録商標)パケットまたはECHONET Lite(登録商標)パケットを状態通知パケットとしてマルチキャストアドレス宛に送信するように構成されている。
【0031】
なお、実施形態においては、例えば、通信システム101がコントローラ2を複数具備していてもよく、通信システム101がエアコン3を複数具備していてもよく、通信システム101が照明装置4を複数具備していてもよい。
【0032】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
本実施形態の通信装置1は、前述のネットワークインターフェース11と、コントローラ検出部12と、アドレス保持部13と、監視部14と、制御部15と、を有して構成されている。
【0034】
コントローラ検出部12は、ネットワークインターフェース11を介して接続されている各ノードの中に、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクトを有するノードがあるか否かを検出するための処理を行うように構成されている。また、コントローラ検出部12は、ネットワークインターフェース11を介して接続されている各ノードの中に、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクトを有するノードがあることを検出した場合に、当該コントローラオブジェクトの送信元ノードのアドレスをアドレス保持部13へ出力するための処理を行うように構成されている。
【0035】
すなわち、コントローラ検出部12は、ネットワークインターフェース11を介して接続されている各ノードの中から、他のノードにおける現在の状態または状態変化を示す状態通知パケットの検出を必要とするコントローラに相当する1つ以上のノードを検出するための処理を行うように構成されている。
【0036】
アドレス保持部13は、コントローラ検出部12から出力されたノードのアドレスを保持するように構成されている。
【0037】
監視部14は、ネットワークインターフェース11を通過するパケットを監視するための処理を行うように構成されている。また、監視部14は、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第1の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出するための処理を行うように構成されている。
【0038】
制御部15は、監視部14において、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に所定の第1の条件に該当するパケットが含まれていることが検出された際に、当該所定の第1の条件に該当するパケットをアドレス保持部13に保持されているアドレス宛にのみ転送するための処理を行うように構成されている。
【0039】
ここで、本実施形態の通信装置1において行われる処理について説明する。
【0040】
まず、コントローラ検出部12において行われる具体的な処理について、
図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
図3は、第1の実施形態に係る通信装置において行われる処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、
図3のフローチャートにより示される処理は、例えば、通信装置1が起動されたタイミングで開始されてもよく、または、ネットワークインターフェース11とノードとの間が(Ethernet(登録商標)ケーブル等により)接続されたタイミングで開始されてもよい。また、
図3のフローチャートにより示される処理は、通信装置1が起動している際に、一定時間毎に繰り返し行われるものとする。
【0041】
コントローラ検出部12は、
図3のステップS1において、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたオブジェクトを取得するために、オブジェクト取得要求を示すパケットをECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)の通信規格に則って構築し、当該構築したパケットをマルチキャストアドレス宛に送信するための処理を行う。そして、このようなコントローラ検出部12の処理に応じ、コントローラオブジェクトを示す応答パケットがコントローラ2から返送され、エアコンオブジェクトを示す応答パケットがエアコン3から返送され、照明装置オブジェクトを示す応答パケットが照明装置4から返送される。
【0042】
コントローラ検出部12は、
図3のステップS2において、
図3のステップS1の処理に応じて返送された応答パケットの中に、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクトが含まれているか否かを検出するための処理を行う。
【0043】
コントローラ検出部12は、
図3のステップS1の処理に応じて返送された応答パケットの中に、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクトが含まれていないことを検出した場合には、
図3のステップS1の処理を再度行う。
【0044】
コントローラ検出部12は、
図3のステップS1の処理に応じて返送された応答パケットの中に、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクトが含まれていることを検出した場合には、
図3のステップS3の処理を続けて行う。
【0045】
コントローラ検出部12は、
図3のステップS3において、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)のいずれかの通信規格に則って定義されたコントローラオブジェクトの送信元ノードのアドレス(例えばIPアドレスまたはMACアドレス等)を検出し、当該検出した送信元ノードのアドレスをアドレス保持部13へ出力するための処理を行う。そして、コントローラ検出部12は、
図3のステップS3の処理が完了した後、
図3のステップS1の処理を再度行う。
【0046】
すなわち、
図3のフローチャートの処理によれば、通信装置1が、ネットワークインターフェース11を介して接続された各ノードに対してオブジェクト取得要求を送信することにより、当該各ノードの中から能動的にコントローラ2を検出している。
【0047】
続いて、監視部14及び制御部15において行われる具体的な処理について、
図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
図4は、第1の実施形態に係る通信装置において行われる、
図3とは異なる処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、
図4のフローチャートにより示される処理は、例えば、通信装置1が起動されたタイミングで開始されてもよく、または、ネットワークインターフェース11とノードとの間が(Ethernet(登録商標)ケーブル等により)接続されたタイミングで開始されてもよい。また、
図3のフローチャートにより示される処理、及び、
図4のフローチャートにより示される処理は、相互に独立してまたは非同期に実施されるものとする。
【0048】
監視部14は、
図4のステップS11において、ネットワークインターフェース11を通過するパケットを監視するための処理を行う。
【0049】
監視部14は、
図4のステップS12において、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第1の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出するための処理を行う。なお、前述の所定の第1の条件に該当するパケットは、マルチキャストアドレス宛の状態通知パケットであり、かつ、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)の通信規格に則ったパケットであるとする。
【0050】
監視部14は、
図4のステップS12の処理により、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第1の条件に該当するパケットが含まれていないことを検出した場合には、制御部15に対する伝送処理等を行わずに、
図4のステップS11の処理を再度行う。そして、このような監視部14の動作によれば、ネットワークインターフェース11を通過するパケットが、当該パケットに含まれる宛先アドレスに応じたノードへ送信される。そのため、
図4のステップS12の処理により、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第1の条件に該当するパケットが含まれていないとの検出結果が得られた場合には、例えば、コントローラ2からエアコン3へ送信される状態取得要求パケット、当該状態取得要求パケットに応じてエアコン3からコントローラ2へ返送される状態取得応答パケット、及び、コントローラ2からマルチキャストアドレス宛に送信される状態取得要求パケット等のパケットがネットワークインターフェース11をそのまま通過する。
【0051】
監視部14は、
図4のステップS12の処理により、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第1の条件に該当するパケットが含まれていることを検出した場合には、当該検出した結果を制御部15に対して伝送するための処理を行う。
【0052】
制御部15は、
図4のステップS13において、監視部14からの伝送に応じ、アドレス保持部13にアドレスが存在するか否かを検出するための処理を行う。
【0053】
制御部15は、
図4のステップS13の処理により、アドレス保持部13にアドレスが存在することを検出した場合には、
図4のステップS12の処理により検出されたパケットの検知を必要とするノード(コントローラ)が通信装置1に接続されているものと推定し、
図3のステップS14の処理を続けて行う。
【0054】
制御部15は、
図4のステップS13の処理により、アドレス保持部13にアドレスが存在しないことを検出した場合には、
図4のステップS12の処理により検出されたパケットの検知を必要とするノード(コントローラ)が通信装置1に接続されていないものと推定し、
図3のステップS15の処理を続けて行う。
【0055】
制御部15は、
図4のステップS14において、アドレス保持部13に存在するアドレス宛に、
図4のステップS12の処理により検出されたパケットの送信元ノードのアドレスを維持したまま、当該パケットをユニキャストで転送するための処理を行う。そして、制御部15は、
図4のステップS14の処理が完了した後、
図4のステップS11の処理を再度行う。
【0056】
制御部15は、
図4のステップS15において、
図4のステップS12の処理により検出されたパケットを破棄するための処理を行う。そして、制御部15は、
図4のステップS15の処理が完了した後、
図4のステップS11の処理を再度行う。
【0057】
ここで、
図1に示すような構成を具備する通信システム101において、
図3のフローチャートに示した処理が行われることにより、コントローラ2のアドレスがアドレス保持部13に保持される。また、例えば、コントローラ2のアドレスがアドレス保持部13に保持され、かつ、故障を示す状態通知パケットがエアコン3からマルチキャストアドレス宛に送信されるような場合において、
図4のフローチャートに示した処理が行われることにより、当該状態通知パケットが、通信装置1からコントローラ2へユニキャストで転送される一方で、照明装置4には転送されない。
【0058】
以上に述べたように、本実施形態によれば、ECHONET(登録商標)及びECHONET Lite(登録商標)のうちの少なくとも一方の通信規格に則って通信を行うことが可能な機能を備えた複数のノードにおいて、当該複数のノードに新たな機能を追加することなく、状態通知の検知が必要なノードに対してのみ、マルチキャストパケットを転送することができる。従って、本実施形態によれば、ネットワークの輻輳、及び、状態通知の検知が不要なノードにおける負荷の増加を適切に抑制することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施形態と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
【0060】
本実施形態の通信装置1Aは、通信装置1におけるコントローラ検出部12の代わりに、コントローラ検出部12Aを具備して構成されている。
【0061】
ここで、本実施形態の通信装置1Aのコントローラ検出部12A及び監視部14において行われる具体的な処理について、
図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
図6は、第2の実施形態に係る通信装置において行われる処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、
図6のフローチャートにより示される処理は、例えば、通信装置1Aが起動されたタイミングで開始されてもよく、または、ネットワークインターフェース11とノードとの間が(Ethernet(登録商標)ケーブル等により)接続されたタイミングで開始されてもよい。
【0062】
監視部14は、
図6のステップS21において、ネットワークインターフェース11を通過するパケットを監視するための処理を行う。
【0063】
監視部14は、
図6のステップS22において、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第2の条件に該当するパケットが含まれているか否かを検出するための処理を行う。なお、前述の所定の第2の条件に該当するパケットは、例えば、制御要求、状態取得要求及び通知要求等のような、他ノードに対する要求を示すパケットであり、かつ、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)の通信規格に則ったパケットであるとする。
【0064】
監視部14は、
図6のステップS22の処理により、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第2の条件に該当するパケットが含まれていないことを検出した場合には、当該所定の第2の条件に該当するパケットの送信元ノード(コントローラ)が通信装置1に接続されていないものと推定し、コントローラ検出部12Aに対する伝送処理等を行わずに、
図6のステップS21の処理を再度行う。
【0065】
監視部14は、
図6のステップS22の処理により、ネットワークインターフェース11を通過するパケットの中に、所定の第2の条件に該当するパケットが含まれていることを検出した場合には、当該所定の第2の条件に該当するパケットの送信元ノード(コントローラ)が通信装置1に接続されているものと推定し、当該検出した結果をコントローラ検出部12Aに対して伝送するための処理を行う。
【0066】
コントローラ検出部12Aは、
図6のステップS23において、監視部14からの伝送に応じ、所定の第2の条件に該当するパケットの送信元ノードのアドレス(例えばIPアドレスまたはMACアドレス等)を検出し、当該検出した送信元ノードのアドレスをアドレス保持部13へ出力するための処理を行う。そして、コントローラ検出部12は、
図6のステップS23の処理が完了した後、
図6のステップS21の処理を再度行う。
【0067】
一方、本実施形態の通信装置1Aにおいては、
図4のフローチャートに示した処理と、
図6のフローチャートにより示される処理と、が相互に独立してまたは非同期に実施される。なお、
図4のフローチャートに示した処理については、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0068】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加え、メモリ21にコントローラオブジェクトが格納されていない場合であっても、通信装置1Aに接続されているコントローラ2を捕捉することができる、という効果を得ることができる。従って、本実施形態によれば、ネットワークの輻輳、及び、状態通知の検知が不要なノードにおける負荷の増加を適切に抑制することができる。
【0069】
なお、以上に述べた各実施形態は、ECHONET(登録商標)及びECHONET Lite(登録商標)のような、所定のノードの状態が当該所定のノード以外のノードに対してマルチキャストアドレス宛で通知されるように設計された通信規格に則って通信を行う場合に対してのみ適用されるものに限らない。具体的には、以上に述べた各実施形態は、例えば、所定のノードの状態が当該所定のノード以外のノードに対してブロードキャストアドレス宛で通知されるような、他の通信規格に則って通信を行うように通信システム101の各部を変形した場合においても略同様に適用される。
【0070】
なお、本発明は、以上に述べた実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、以上に述べた実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。