特許第6221886号(P6221886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6221886
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】クリーニング装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   G03G21/00 310
   G03G21/00 318
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-63657(P2014-63657)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-184636(P2015-184636A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】若山 圭
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−090133(JP,A)
【文献】 特開昭60−225185(JP,A)
【文献】 特開2005−180625(JP,A)
【文献】 特開平06−149095(JP,A)
【文献】 米国特許第06334042(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/10
G03G 15/08
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体表面に付着したトナーを除去するクリーニング部と、
前記クリーニング部により除去されたトナーが表面に付着した状態で前記回転体表面を研磨する研磨ローラーと、
前記研磨ローラーの表面に形成されるトナー層の層厚を規制する層厚規制部材と、
前記研磨ローラーを前記回転体の軸方向に揺動させる揺動部と、
を備え
前記回転体が像担持体であり、
前記研磨ローラーが、前記トナーが付着した前記表面が前記回転体表面に接触した状態で回転して前記回転体表面を研磨し、
前記揺動部が、
前記研磨ローラーを前記軸方向の一方に付勢する付勢部と、
前記研磨ローラーの軸に設けられ、前記付勢部による付勢方向側の側部に第1起伏面を有する起伏部と、
予め定められた位置に固定されると共に、前記第1起伏面に対向する第2起伏面を有し、前記付勢部により付勢された前記起伏部を前記第2起伏面で支持する支持部と、
を有し、
前記支持部が、前記軸方向における前記回転体の内側に設けられており、前記研磨ローラーの軸を回転可能に支持する軸受けであって、
前記層厚規制部材が、前記支持部に固定されているクリーニング装置。
【請求項2】
前記第1起伏面及び前記第2起伏面のいずれか一方又は両方が、前記研磨ローラーの軸心を挟んで形成された一対の凸部を有し、
前記第2起伏面及び前記第1起伏面のいずれか一方又は両方が、前記一対の凸部に嵌合可能な一対の凹部を有する請求項に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記第1起伏面及び前記第2起伏面が互いに密接可能に形成されている請求項1又は2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記付勢部が、互いに噛合可能に前記回転体の軸及び前記研磨ローラーの軸に設けられる一対のはすば歯車を含み、
前記起伏部が、前記研磨ローラー側の前記はすば歯車を含む請求項1〜3のいずれかに記載のクリーニング装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のクリーニング装置と、画像データに基づいて画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを用いて像担持体などの回転体の表面を研磨する研磨ローラーを備えるクリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機のような電子写真方式の画像形成装置では、帯電装置により帯電された感光体ドラムなどの像担持体表面に静電潜像が形成される。そして、像担持体表面に形成された静電潜像がトナーにより現像され、現像されたトナー像が用紙などの被転写体に転写されることで、画像が形成される。
【0003】
ここで、トナーの一部が被転写体に転写されずに像担持体表面に残存することがある。また、帯電装置による像担持体の帯電の際に生じる放電により放電生成物が生成されて像担持体表面に付着することがある。これら像担持体表面の付着物は、新たな画像形成の妨げとなり、画像品質を低下させる原因となる。そのため、この種の画像形成装置では、像担持体表面の付着物を除去するためのクリーニング装置が設けられる。例えば、像担持体表面のトナーを除去するクリーニング部材と、除去されたトナーが表面に付着した状態で像担持体表面を研磨する研磨ローラーと、研磨ローラー表面に付着したトナーの層厚を規制する層厚規制部材を備える構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−150312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、研磨ローラーと層厚規制部材との間に紙粉などの異物が入り込むことがある。この場合、層厚規制部材から研磨ローラー表面に加えられる圧力が局所的に変化し、像担持体の軸方向において研磨ローラーによる研磨にムラが生じるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、研磨ローラーと層厚規制部材との間に入り込んだ異物を除去可能なクリーニング装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るクリーニング装置は、クリーニング部と、研磨ローラーと、層厚規制部材と、揺動部とを備える。前記クリーニング部は、回転体表面に付着したトナーを除去する。前記研磨ローラーは、前記クリーニング部により除去されたトナーが表面に付着した状態で前記回転体表面を研磨する。前記層厚規制部材は、前記研磨ローラーの表面に付着したトナーの層厚を規制する。前記揺動部は、前記研磨ローラーを前記回転体の軸方向に揺動させる。
【0008】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、クリーニング装置と、画像データに基づいて画像を形成する画像形成部とを備える。前記クリーニング装置は、クリーニング部と、研磨ローラーと、層厚規制部材と、揺動部とを備える。前記クリーニング部は、回転体表面に付着したトナーを除去する。前記研磨ローラーは、前記クリーニング部により除去されたトナーが表面に付着した状態で前記回転体表面を研磨する。前記層厚規制部材は、前記研磨ローラーの表面に付着したトナーの層厚を規制する。前記揺動部は、前記研磨ローラーを前記回転体の軸方向に揺動させる。一方、前記画像形成部は、画像データに基づいて画像を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、研磨ローラーと層厚規制部材との間に入り込んだ異物を除去可能なクリーニング装置及び画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置のクリーニング装置の構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の揺動部の構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の揺動部の構成を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の第2はすば歯車の構成を示す図である。
図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の支持部の構成を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の揺動部の動作を説明するための図である。
図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の揺動部の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0012】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、図1は前記画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
【0013】
図1に示すように、前記画像形成装置10は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、及びクリーニング装置6などを備える。前記画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリンター機能と共に、スキャン機能、ファクシミリー機能、又はコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、本発明は、プリンター装置、ファクシミリー装置、及びコピー機のような画像形成装置にも適用可能である。
【0014】
前記ADF1は、図1に示すように、原稿セット部11、複数の搬送ローラー12、原稿押さえ13、及び排紙部14を備える自動原稿搬送装置である。そして、前記ADF1では、前記搬送ローラー12各々が不図示のモーターで駆動されることにより、前記原稿セット部11に載置された原稿が前記画像読取部2による画像データの読取位置を通過して前記排紙部14まで搬送される。これにより、前記画像読取部2は、前記ADF1により搬送される原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0015】
前記画像読取部2は、図1に示すように、原稿台21、読取ユニット22、ミラー23、ミラー24、光学レンズ25、及びCCD(Charge Coupled Device)26を備える。前記原稿台21は、前記画像読取部2の上面に設けられた原稿の載置部である。前記読取ユニット22は、LED光源221及びミラー222を備え、不図示のモーターによって副走査方向(図1における左右方向)へ移動可能である。前記LED光源221は、主走査方向(図1における奥行方向)に沿って配列された多数の白色LEDを備える。前記ミラー222は、前記LED光源221から照射されて前記原稿台21上の読取位置にある原稿の表面で反射した後の光を前記ミラー23に向けて反射させる。そして、前記ミラー222で反射した光は、前記ミラー23及び前記ミラー24によって前記光学レンズ25に導かれる。前記光学レンズ25は、入射した光を集光して前記CCD26に入射させる。前記CCD26は、前記光学レンズ25から入射される光の受光量に応じた電気信号を前記原稿の画像データとして前記制御部5に入力する光電変換素子などを有する。
【0016】
前記制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部であり、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部5は、前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUを用いて実行することにより前記画像形成装置10を統括的に制御する。なお、前記制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、前記画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0017】
前記画像形成部3は、前記画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行することが可能な電子写真方式の画像形成部である。また、前記画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて前記画像形成処理を実行することも可能である。
【0018】
具体的に、前記画像形成部3は、図1に示すように、感光体ドラム31、帯電装置32、光走査装置(LSU)33、現像装置34、転写ローラー35、定着ローラー36、加圧ローラー37、及び排紙トレイ38を備える。そして、前記画像形成部3では、前記給紙部4に着脱可能な給紙カセット41から供給されるシートに以下の手順で画像が形成され、画像形成後のシートが前記排紙トレイ38に排出される。なお、前記シートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。
【0019】
まず、前記帯電装置32によって前記感光体ドラム31が所定の電位に一様に帯電される。次に、前記光走査装置33により前記感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、前記感光体ドラム31の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。そして、前記感光体ドラム31上の静電潜像は前記現像装置34によってトナー像として現像(可視像化)される。なお、前記現像装置34には、前記画像形成部3に着脱可能なトナーコンテナ34Aからトナー(現像剤)が補給される。続いて、前記感光体ドラム31に形成されたトナー像は前記転写ローラー35によってシートに転写される。その後、シートに転写されたトナー像は、そのシートが前記定着ローラー36及び前記加圧ローラー37の間を通過する際に前記定着ローラー36で加熱されて溶融定着する。ここに、前記感光体ドラム31が、本発明における回転体及び像担持体の一例である。
【0020】
ところで、前記画像形成装置10のような電子写真方式の画像形成装置では、前記トナーの一部がシートに転写されずに前記感光体ドラム31の表面に残存することがある。また、前記帯電装置32による前記感光体ドラム31の帯電の際に生じる放電により放電生成物が生成されて前記感光体ドラム31の表面に付着することがある。これら前記感光体ドラム31の表面の付着物は、新たな画像形成の妨げとなり、画像品質を低下させる原因となる。そのため、この種の画像形成装置では、前記感光体ドラム31の表面の付着物を除去するために前記クリーニング装置6が設けられる。
【0021】
次に、図2を参照しつつ、前記クリーニング装置6について説明する。ここで、図2は前記クリーニング装置6の構成を示す断面模式図である。
【0022】
前記クリーニング装置6は、前記感光体ドラム31の表面に付着した付着物を除去する。具体的に、前記クリーニング装置6は、図2に示すように、ハウジング61、クリーニング部62、研磨ローラー63、層厚規制部材64、及びトナー搬送部65を備える。また、前記クリーニング装置6は、揺動部66を備える。
【0023】
前記ハウジング61は、前記クリーニング装置6の筐体であって、図2に示すように、前記クリーニング装置6の各構成部材を収容する。前記ハウジング61は、前記研磨ローラー63及び前記トナー搬送部65を回転可能に支持している。また、前記ハウジング61は、前記クリーニング部62を前記感光体ドラム31に当接可能に支持しており、前記層厚規制部材64を前記研磨ローラー63に当接可能に支持している。
【0024】
前記クリーニング部62は、前記感光体ドラム31表面に付着したトナーを除去する。例えば、前記クリーニング部62は、ウレタンゴムによりブレード状に形成されたゴムブレードである。前記クリーニング部62は、図2に示すように、一方の端部先端を前記感光体ドラム31の表面に当接させた状態で、前記ハウジング61に固定される。これにより、前記感光体ドラム31及び前記クリーニング部62の間にニップ部が形成され、前記感光体ドラム31の表面に付着したトナーが前記クリーニング部62によって除去される。前記クリーニング部62で除去されて落下したトナーは、前記研磨ローラー63の表面に付着して、前記研磨ローラー63の回転に伴って移動する。
【0025】
前記研磨ローラー63は、前記クリーニング部62により除去されたトナーが表面に付着した状態で前記感光体ドラム31表面を研磨する。具体的に、前記研磨ローラー63は、図2に示すように、前記ハウジング61において表面が前記感光体ドラム31に接触した状態で回転可能に配置されている。ここで、前記画像形成装置10では、画像の形成に用いられるトナーに酸化チタンなどの研磨剤が外添されている。これにより、トナーが表面に付着した前記研磨ローラー63は、前記感光体ドラム31の表面に接触しながら回転することで、前記感光体ドラム31の表面に付着した放電生成物を除去することが可能である。例えば、前記研磨ローラー63の表面は、トナーが付着し易いように、導電性発泡EPDMなどの発泡ゴムで形成される。
【0026】
前記層厚規制部材64は、前記研磨ローラー63の表面に付着するトナーの層厚を規制する。例えば、前記層厚規制部材64は、SUSなどで形成された板金である。前記層厚規制部材64は、図2に示すように、一方の端部先端を前記研磨ローラー63の表面に予め定められた圧力で当接させた状態で、前記ハウジング61に固定される。これにより、前記研磨ローラー63及び前記層厚規制部材64の間にニップ部が形成され、前記研磨ローラー63の表面に形成されたトナー層の余分な厚みが削ぎ落とされる。なお、前記研磨ローラー63及び前記層厚規制部材64の間に形成されたニップ部に紙粉等の異物が入り込むことがある。このような異物は、後に詳述する前記揺動部66により除去される。
【0027】
前記トナー搬送部65は、前記層厚規制部材64により削ぎ落とされたトナーを搬送する。例えば、前記トナー搬送部65は、前記研磨ローラー63の軸方向にトナーを搬送可能な搬送スクリューである。前記層厚規制部材64により前記研磨ローラー63の表面から削ぎ落とされたトナーは、前記トナー搬送部65により、前記研磨ローラー63の軸方向端部に設けられた不図示のトナー収容容器まで搬送されて回収される。
【0028】
ところで、前記研磨ローラー63と前記層厚規制部材64との間に紙粉などの異物が入り込むことがある。この場合、前記層厚規制部材64から前記研磨ローラー63の表面に加えられる圧力が局所的に変化し、前記感光体ドラム31の軸方向において前記研磨ローラー63による研磨にムラが生じるおそれがある。これに対し、前記画像形成装置10では、以下に説明するように、前記研磨ローラー63と前記層厚規制部材64との間に入り込んだ異物を除去することが可能である。
【0029】
次に、図3図8を参照しつつ、前記揺動部66について説明する。ここで、図3は前記揺動部66の構成を示す斜視図であって、図4図3の二点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図5は第2はすば歯車662の構成を示す斜視図である。図6は支持部664の構成を示す斜視図である。図7及び図8は第1起伏面663及び第2起伏面665の接触状態の遷移を示す側面図である。
【0030】
前記揺動部66は、図3に示すように、前記研磨ローラー63の軸方向の一端に設けられ、前記研磨ローラー63を前記感光体ドラム31の軸方向に揺動させる。具体的に、前記揺動部66は、図4に示すように、第1はすば歯車661、前記第2はすば歯車662、及び前記支持部664を備える。
【0031】
前記第1はすば歯車661は、前記感光体ドラム31の軸に設けられ、前記第2はすば歯車662と噛合可能な歯車である。前記第1はすば歯車661は、不図示の駆動部から伝達される動力により前記感光体ドラム31と共に回転可能である。
【0032】
前記第2はすば歯車662は、前記研磨ローラー63の軸において前記第1はすば歯車661と噛合可能な位置に設けられる歯車である。前記第2はすば歯車662は、前記第1はすば歯車661と噛合することで、前記第1はすば歯車661に従動して、前記研磨ローラー63と共に回転する。
【0033】
また、前記第2はすば歯車662は、前記第1はすば歯車661及び前記第2はすば歯車662の歯の傾斜により、前記第1はすば歯車661から駆動力が伝達される際に前記感光体ドラム31の軸方向の一方の付勢方向662Aに付勢される。ここで、前記第1はすば歯車661から前記第2はすば歯車662に加えられる付勢力は、前記第1はすば歯車661及び前記第2はすば歯車662の歯の傾斜角度等により適宜定められる。このように、前記画像形成装置10では、前記研磨ローラー63を回転させる構成を用いて前記研磨ローラー63を付勢するため、別途付勢のための部材を設ける必要がない。ここに、前記第1はすば歯車661及び前記第2はすば歯車662が、本発明における付勢部の一例である。
【0034】
また、前記第2はすば歯車662は、図4図5に示すように、前記付勢方向662A側の側部に前記第1起伏面663を有する。ここに、前記第2はすば歯車662が、本発明における起伏部の一例である。
【0035】
前記第1起伏面663は、図5に示すように、前記研磨ローラー63の軸が挿通される前記第2はすば歯車662の軸孔の縁部において環状に形成されており、前記研磨ローラー63の軸方向に沿った起伏を有する起伏面である。具体的に、前記第1起伏面663は、前記研磨ローラー63の軸心を挟んで形成された一対の凸部663Aを有する。また、前記第1起伏面663は、前記研磨ローラー63の軸心を挟んで形成された一対の凹部663Bを有する。
【0036】
ここで、前記第1起伏面663は、前記研磨ローラー63の回転方向に沿って滑らかに連続する傾斜面として形成されている。具体的に、前記第1起伏面663において、前記凸部663Aは緩やかな曲面状に隆起しており、前記凹部663Bは緩やかな曲面状に陥没している。また、前記第1起伏面663において、前記凸部663A及び前記凹部663Bの間の領域には緩やかな傾斜面が形成されている。
【0037】
前記支持部664は、図4及び図6に示すように、前記第1起伏面663に対向する前記第2起伏面665を有し、前記第1はすば歯車661により付勢された前記第2はすば歯車662を前記第2起伏面665で支持する。具体的に、前記支持部664は、前記ハウジング61に設けられ、前記研磨ローラー63の軸を回転可能に支持する軸受けである。なお、前記層厚規制部材64は、図4に示すように、前記支持部664に固定して配置されている。
【0038】
前記第2起伏面665は、図6に示すように、前記研磨ローラー63の軸が挿通される前記支持部664の軸孔の縁部において環状に形成されており、前記研磨ローラー63の軸方向に沿った起伏を有する起伏面である。具体的に、前記第2起伏面665は、前記研磨ローラー63の軸心を挟んで形成された一対の凸部665Aを有する。また、前記第2起伏面665は、前記研磨ローラー63の軸心を挟んで形成された一対の凹部665Bを有する。
【0039】
ここで、前記第2起伏面665は、前記第1起伏面663と密接可能に形成されている。即ち、前記第2起伏面665において、前記凸部665Aは、対応する前記凹部663Bの形状に沿って緩やかな曲面状に陥没している。また、前記第2起伏面665において、前記凹部665Bは、対応する前記凸部663Aの形状に沿って緩やかな曲面状に隆起している。更に、前記第2起伏面665において、前記凸部665A及び前記凹部665Bの間の領域には、前記第1起伏面663と同様の緩やかな傾斜面が形成されている。
【0040】
そして、前記支持部664は、前記第2起伏面665が前記第2はすば歯車662の前記第1起伏面663と密接する位置で前記ハウジング61に固定されている。そのため、前記第2はすば歯車662は、前記感光体ドラム31が回転する際に、前記第1起伏面663を前記第2起伏面665に摺動させながら回転する。これにより、前記画像形成装置10では、前記第2はすば歯車662の回転に応じて、前記研磨ローラー63が軸方向に沿って往復移動することになり、前記研磨ローラー63に振動が与えられる。
【0041】
即ち、前記第2はすば歯車662は、図7に示すように、前記第1起伏面663の前記凸部663Aが前記第2起伏面665の前記凹部665Bから前記凸部665Aまでの間を摺動する際に、前記支持部664に押し返されて前記付勢方向662Aと反対方向の移動方向662Bに移動する。ここで、前記画像形成装置10では、前記第2起伏面665が、前記研磨ローラー63の回転方向に沿って滑らかに連続する傾斜面として形成されており、前記凸部663Aの摩耗の抑制が図られている。
【0042】
一方、前記第2はすば歯車662は、図8に示すように、前記第1起伏面663の前記凸部663Aが前記第2起伏面665の前記凸部665Aから前記凹部665Bまでの間を摺動する際に、前記第1はすば歯車661からの付勢力により前記付勢方向662Aに押し戻される。
【0043】
このように、前記揺動部66では、前記第2はすば歯車662が回転して前記第1起伏面663の前記凸部663Aを前記第2起伏面665に摺動させることで、前記研磨ローラー63が軸方向に揺動する。これにより、前記研磨ローラー63及び前記層厚規制部材64の間に形成されたニップ部に挟まった紙粉などの異物が、前記研磨ローラー63の揺動を契機とする落下によって除去される。
【0044】
ここで、前記画像形成装置10では、前記第1起伏面663が前記研磨ローラー63の軸心を挟んで形成された一対の前記凸部663Aを有しており、前記第2起伏面665が一対の前記凸部663Aに嵌合可能な一対の前記凹部665Bを有する。そのため、前記第2はすば歯車662は、前記研磨ローラー63が軸方向に揺動する際に、一対の前記凸部663Aの先端部で常に支持される。
【0045】
更に、前記画像形成装置10では、前記第2起伏面665が前記研磨ローラー63の軸心を挟んで形成された一対の前記凸部665Aを有しており、前記第1起伏面663が一対の前記凸部665Aに嵌合可能な一対の前記凹部663Bを有する。そのため、前記第2はすば歯車662は、前記研磨ローラー63が軸方向に振動する際に、一対の前記凸部665Aの先端部からも常に支持される。
【0046】
即ち、前記画像形成装置10では、前記第2はすば歯車662は、前記研磨ローラー63が軸方向に振動する際に、一対の前記凸部663A及び一対の前記凸部665Aの4点から常に支持される。これにより、前記研磨ローラー63の振動方向が前記研磨ローラー63の軸方向からずれることが抑制され、前記研磨ローラー63による前記感光体ドラム31の研磨に軸方向のムラが生じることが抑制される。なお、前記画像形成装置10において、前記第1起伏面663及び前記第2起伏面665に前記研磨ローラー36の回転方向に沿って45度の間隔で凹部及び凸部を交互に形成し、前記研磨ローラー63が軸方向に振動する際に前記第2はすば歯車662が8点から支持されるよう構成することも考えられる。
【0047】
また、前記画像形成装置10では、前記第1起伏面663及び前記第2起伏面665が互いに密接可能に形成されている。これにより、前記第2はすば歯車662が付勢力により前記付勢方向662Aに押し戻されて前記第1起伏面663及び前記第2起伏面665が密接する際の衝撃により、異物を効果的に除去可能である。加えて、前記研磨ローラー63が軸方向に揺動する際に前記第1起伏面663及び前記第2起伏面665の接触面積が増加するため、前記第2はすば歯車662を常に支持する前記凸部663A及び前記凸部665Aの負荷が分散されて、前記凸部663A及び前記凸部665Aの摩耗が抑制される。
【0048】
なお、前記画像形成装置10において、コイルバネなどの弾性部材を用いて前記研磨ローラー63を前記付勢方向662Aに付勢することが他の実施形態として考えられる。ここに、前記弾性部材が本発明における付勢部の他の例である。
【0049】
ところで、本発明の適用例は前記感光体ドラム31を清掃する前記クリーニング装置6に限られない。例えば、前記帯電装置32の表面に付着した付着物を除去するクリーニング装置に本発明を適用することが考えられる。この場合、前記帯電装置32が本発明における回転体の一例である。また、前記転写ローラー35の表面に付着した付着物を除去するクリーニング装置に本発明を適用することも考えられる。この場合、前記転写ローラー35が本発明における回転体の一例である。
【符号の説明】
【0050】
1 :ADF
2 :画像読取部
3 :画像形成部
4 :給紙部
5 :制御部
6 :クリーニング装置
61:ハウジング
62:クリーニング部
63:研磨ローラー
64:層厚規制部材
65:トナー搬送部
66:揺動部
661:第1はすば歯車
662:第2はすば歯車
663:第1起伏面
664:支持部
665:第2起伏面
10:画像形成装置
図1
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図8