特許第6222007号(P6222007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6222007トナー撹拌機構、トナー容器、及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222007
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】トナー撹拌機構、トナー容器、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   G03G15/08 343
   G03G15/08 362
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-171507(P2014-171507)
(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公開番号】特開2016-45451(P2016-45451A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】福永 靖幸
【審査官】 飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−171940(JP,A)
【文献】 特開平07−199621(JP,A)
【文献】 特開2005−134725(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0063927(US,A1)
【文献】 特開2008−197636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容するトナー容器の内部に回転可能に設けられた回転軸部材と、
全体がフィルム状に形成されており、前記回転軸部材によって支持される被支持部、及び前記被支持部が前記回転軸部材に支持された状態で前記回転軸部材の軸方向に沿って並接され前記被支持部から前記軸方向に直交する方向へ延出する複数の撹拌片を有する撹拌部材と、を備え、
前記複数の撹拌片は、前記軸方向へ予め定められた距離を隔てて等間隔に設けられ、前記撹拌部材が前記回転軸部材の軸周りに捩られた状態で前記被支持部が前記回転軸部材に取り付けられることによって前記軸方向に直交する複数の方向へ前記回転軸部材から延出し、前記回転軸部材から前記トナー容器の内側面及び底面までの距離よりも長く形成されており、
前記撹拌部材は、
前記軸方向に隣接する2つの前記撹拌片のうち一方側の前記撹拌片の延出基端側と他方側の前記撹拌片の延出基端側とを互いに連接し、前記トナー容器内の前記トナーを前記軸方向へ搬送可能なフィルム状の搬送部を更に有し、
前記搬送部は、前記撹拌部材が前記回転軸部材の軸周りに捩られる際に隣接する前記撹拌片それぞれの各延長基端の間の部位が伸長することによって前記軸方向に直交する基準面に対して傾斜する形状に形成されているトナー撹拌機構。
【請求項2】
前記搬送部は、弾性材料で構成されている請求項1に記載のトナー撹拌機構。
【請求項3】
前記軸方向に隣接する2つの前記撹拌片のうち一方側の前記撹拌片は、他方側の前記撹拌片の位置から所定角度を前記回転軸部材の軸周りに隔てられた位置に設けられている請求項1又は2に記載のトナー撹拌機構。
【請求項4】
前記トナー容器内の前記トナーをトナー排出口に向かう搬送方向へ搬送する搬送部材を有し、
前記軸方向に隣接する2つの前記撹拌片のうち前記軸方向の一方側からみて、前記搬送方向下流側の前記撹拌片が、前記搬送方向上流側の前記撹拌片から時計回り方向へ前記所定角度を隔てた位置に設けられることによって前記搬送部が形成され、前記回転軸部材が反時計周り方向に回転されることによって前記搬送部は前記搬送方向へトナーを搬送する請求項3に記載のトナー撹拌機構。
【請求項5】
記搬送方向下流側の前記撹拌片の前記軸方向の長さは、前記搬送方向上流側の前記撹拌片の前記軸方向の長さよりも短い請求項4に記載のトナー撹拌機構。
【請求項6】
複数の前記撹拌片における前記軸方向の一方又は両方の側端部に、前記撹拌片の中央側へ凹む凹部が形成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載のトナー撹拌機構。
【請求項7】
前記撹拌部材が前記軸周りに捩られる前の状態で前記軸方向に隣接する前記撹拌片において前記凹部は互いに対向する位置に形成されている請求項6に記載のトナー撹拌機構。
【請求項8】
前記トナー容器は、対向する前記内側面間の距離に対して前記底面に垂直な方向のサイズが長い形状に形成されている請求項1乃至7の何れか一項に記載のトナー撹拌機構。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のトナー撹拌機構を備えるトナー容器。
【請求項10】
請求項9に記載のトナー容器と、
前記トナー容器から供給されたトナーを用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー容器内のトナーを撹拌するためのトナー撹拌機構、このトナー撹拌機構を備えたトナー容器、及びこのトナー容器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって印刷用紙に画像を形成する複写機やプリンター等の画像形成装置には現像装置が搭載されている。現像装置の内部にはトナーを含む現像剤が収容されている。現像装置は、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を前記現像剤に含まれるトナーによって現像する。現像が行われることにより現像装置の内部のトナーが減少する。そのため、画像形成装置は、トナーが収容されたトナー容器を備えており、トナー容器から現像装置へトナーを補給するように構成されている。また、前記トナー容器は、画像形成装置に対して着脱可能に構成されており、トナー容器内のトナーが全て消費されると、トナーが充填された新たなトナー容器に交換される。
【0003】
この種のトナー容器の内部には、収容されているトナーを撹拌するための撹拌機構が設けられている。前記撹拌機構は、回転軸と、撹拌部材とを備えている。前記回転軸は、トナー容器の内部で回転可能に支持されている。前記撹拌部材は、樹脂フィルムなどで形成されたフィルム部材である。前記フィルム部材は前記回転軸に固定されており、回転軸に対して直交する方向へ延出されている。前記フィルム部材は、トナー容器の内壁までのサイズよりも長い形状に形成されている。前記回転軸が回転されることにより、前記撹拌部材が回転軸と同方向へ回動する。これにより、トナー容器の内部のトナーがフィルム部材によって撹拌される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の撹拌機構は、フィルム部材が回転軸に直交する方向へ長く形成されているため、フィルム部材の回動に伴い、フィルム部材の先端側が撓まされた状態でトナー容器の内壁に摺接する。しかしながら、トナー容器の断面形状は真円形状ではなく、画像形成装置におけるトナー容器の装着スペースなどの制約や、内部に設けられたトナー搬送部材の位置や形状などの要因によって、様々な形状に形成されることがある。この場合、回転軸と内壁との距離が一定でないため、トナー容器の内部でフィルム部材が回動されると、フィルム部材の撓み量が変化し、回動角によってはフィルム部材がトナーの内壁に接触せずに撓まされることなく回動する場合がある。このようにフィルム部材の回動角によって撓み量が変化したり、撓み自体が生じずに回動する状態があると、フィルム部材と内壁との接触によって異音が生じる場合がある。例えば、フィルム部材が内壁に当接して撓まされた状態からその撓みが無くなり内壁に当接しない状態に変化した場合、撓まされていたフィルム部材が元の状態に戻ろうとする弾性力(復元力)によって急激に復元し、そのときに弾き音が発生する。また、フィルム部材が大きく撓まされていた状態から小さな撓み状態に変化した場合や、内部の搬送部材などにフィルム部材が引っ掛かった状態からその引っ掛かりが解消された状態になった場合も、弾き音或いは衝突音が生じる。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナー容器内のトナーの撹拌時に生じる弾き音や衝突音などの不快な異音を軽減することが可能なトナー撹拌機構、トナー容器、及びトナー容器を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るトナー撹拌機構は、回転軸部材と、撹拌片とを有する。前記回転軸部材は、トナーを収容するトナー容器の内部に回転可能に設けられている。前記撹拌片は、前記回転軸部材の軸方向に沿って前記回転軸部材に並設され、且つ、前記軸方向に直交する複数の方向へ前記回転軸部材から延出し、前記回転軸部材から前記トナー容器の内側面及び底面までの距離よりも長い複数のフィルム状を有する。
【0008】
本発明の他の局面に係るトナー容器は、前記トナー撹拌機構を備える。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記トナー容器と、前記トナー容器から供給されたトナーを用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トナー容器内のトナーの撹拌時に生じる弾き音や衝突音などの不快な異音を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、画像形成装置の中間転写ユニットにトナーコンテナが装着された状態を示す斜視図である。
図3図3は、トナーコンテナ及びその装着部を示す斜視図である。
図4図4は、トナーコンテナの長手方向の断面図である。
図5図5は、トナーコンテナの短手方向の断面図である。
図6図6は、回転軸部材の外観斜視図である。
図7図7は、撹拌機構の動作を説明するための説明図である。
図8図8は、撹拌機構の撹拌部材を示す図である。
図9図9は、撹拌機構の外観斜視図である。
図10図10は、図9の矢印H1の方向からみた伸長部周辺の拡大図である。
図11図11は、フィルム片がとり得る状態を示す図である。
図12図12は、他の実施形態の撹拌部材を示す図である。
図13図13は、他の実施形態の撹拌機構の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下の説明では、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が平坦な支持面に設置された状態(図1に示す状態)を基準として上下方向6を定義する。また、図1の紙面に対して左側を画像形成装置10の正面側(前面側)として前後方向7を定義する。また、図1の画像形成装置10を正面から見て左右方向8(図1の紙面に垂直な方向)を定義する。したがって、図1の紙面に対して手前が画像形成装置10の右側であり奥が左側である。
【0013】
[画像形成装置10]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置である。図1に示されるように、画像形成装置10は、所謂タンデムタイプのカラープリンターである。この画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート状の印刷用紙に画像を印刷する。なお、画像形成装置10は、印刷機能を備えたものであればよく、例えば、前記印刷機能を含む複数の機能を備えた複合機や、FAX装置、複写機などの画像形成装置であってもよい。もちろん、カラー画像を形成するものでなく、単一色の画像を形成するものであってもよい。
【0014】
図1に示されるように、画像形成装置10は、主として、4つの画像形成部21と、中間転写ユニット22と、給紙装置25と、定着装置26と、二次転写装置27と、露光装置24と、4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)と、を備える。これらの構成要素は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレーム(不図示)などを構成する筐体としての装置本体28に取り付けられている。なお、トナーコンテナ50は、画像形成装置10におけるトナー容器の一例である。
【0015】
4つの画像形成部21は、装置本体28の内部において、中間転写ユニット22の下方に配置されている。各画像形成部21は、前後方向7に沿って並設されている。各画像形成部21は、所謂電子写真方式に基づいて印刷用紙に画像を形成する画像形成処理を実行する。具体的に、各画像形成部21は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、印刷用紙に画像を印刷する。画像形成部21は、感光体ドラム11、帯電装置(不図示)、現像装置12、一次転写装置13等を備えている。画像形成部21は、トナーコンテナ50から供給されるトナーを用いて感光体ドラム11にトナー像を形成し、中間転写ユニット22が備える転写ベルト23にトナー像を順次重ね合わせて転写する。転写ベルト23は、矢印19の方向へ移動しており、その移動中の転写ベルト23にトナー像が順次転写される。図1に示す例では、装置本体28の内部において転写ベルト23の移動方向(矢印19の方向)の下流側から順に、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色に対応する画像形成部21が一列に配置されている。
【0016】
中間転写ユニット22は、画像形成部21の上方に配置されている。中間転写ユニット22の前後方向7の両端に駆動プーリー31及び従動プーリー32が設けられている。転写ベルト23は、駆動プーリー31及び従動プーリー32それぞれに掛け渡すように支持されている。これにより、ベルト面が水平な状態で前後方向7に延在している。また、転写ベルト23が駆動プーリー31及び従動プーリー32に支持されることにより、転写ベルト23は、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら矢印19の方向へ移動(走行)可能となる。転写ベルト23は、例えばゴムやウレタン等の素材からなる無端環状のベルトである。
【0017】
二次転写装置27は、転写ベルト23に転写された複数色からなるトナー像を印刷用紙に転写する。トナー像が転写された印刷用紙は、定着装置26に搬送される。定着装置26は、印刷用紙に転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙に定着させる。定着装置26は、高温に加熱される加熱ローラー26Aと、この加熱ローラー26Aに対向配置された加圧ローラー26Bとを有する。定着装置26に搬送された印刷用紙は、加熱ローラー26Aと加圧ローラー26Bとの間のニップ部で所定の付勢力によって挟持されつつ搬送されることにより、トナー像が印刷用紙に溶着される。その後、印刷用紙は、装置本体28の上部に設けられた排紙トレイ29に排出される。
【0018】
画像形成装置10は、転写ベルト23を搬送ベルトとして用い、その搬送ベルト上に搬送される印刷用紙にトナー像が直接に重ね合わせて転写される構成であってもよい。また、画像形成装置10は、転写ベルト23に代えてローラー状の中間転写部材を用いる構成であってもよい。
【0019】
4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)は、中間転写ユニット22の上方に配置されている。4つのトナーコンテナ50は、装置本体28の内部において、転写ベルト23に沿って前後方向7に沿って一列に並んで設けられている。トナーコンテナ50は、対応する色の現像装置12にトナーを供給するように構成されている。
【0020】
[装着部34の構成]
【0021】
図2に示されるように、装置本体28の内部には、複数のトナーコンテナ50を装着するための装着部34が設けられている。具体的には、装着部34は、中間転写ユニット22の上部に設けられている。装置本体28の上部のトップカバー33が装置本体28の支軸33A(図1参照)を中心に開閉可能に支持されている。トップカバー33が上方(開方向)へ回動されると、トナーコンテナ50が装着される装着部34が露出される。装着部34は、中間転写ユニット22の上部に一体に形成されており、各トナーコンテナ50は、装着部34に収納されるように装着される。なお、装着部34は中間転写ユニット22の上部に一体に形成されたものに限られず、中間転写ユニット22とは別部材として装置本体28に取り付けられたものであってもよい。
【0022】
各トナーコンテナ50には、画像形成部21の各色に対応する色のトナーが収容されている。具体的には、各トナーコンテナ50(50A〜50D)それぞれには、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナーが個別に収容されている。図1及び図2に示されるように、4つのトナーコンテナ50のうち、最も後方に位置するトナーコンテナ50Aは他のトナーコンテナ50B〜50Dよりも大容量タイプのものであり、このトナーコンテナ50Aにブラック色のトナーが収容されている。また、トナーコンテナ50B〜50Dはいずれも同じ形状であり同じ容量のものである。トナーコンテナ50Bにシアン色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Cにマゼンタ色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Dにイエロー色のトナーが収容されている。
【0023】
[トナーコンテナ50の構成]
以下、トナーコンテナ50の構成について説明する。ここで、大容量タイプのトナーコンテナ50Aと他のトナーコンテナ50B〜50Dとは、トナー収容部のサイズが異なる以外は同じ構成である。また、トナーコンテナ50B〜50Dは配置位置が異なる以外は同じ構成である。そのため、以下の説明では、トナーコンテナ50A〜50Dをトナーコンテナ50として説明する。
【0024】
トナーコンテナ50は、現像装置12に供給されるトナーを収容する。図3乃至図5に示されるように、トナーコンテナ50は、筐体51(容器本体)と、トナー排出口52(図4参照)と、操作部54と、カバー72と、を備えている。トナーは筐体51の内部に収容されている。図4に示されるように、トナー排出口52は筐体51に形成されている。また、図3に示されるように、操作部54は、ユーザーによって操作可能なように筐体51に設けられている。
【0025】
トナーコンテナ50は、画像形成装置10の装着部34に装着される。図2及び図3に示されるように、装置本体28は、筐体51が装着される支持プレート42,43を有している。支持プレート42,43に4つのトナーコンテナ50の筐体51の両端が支持される。トナーコンテナ50が装着部34に装着された状態で、操作部54が操作されることにより、開閉機構(不図示)が作動して、トナー排出口52が開閉される。
【0026】
筐体51は、樹脂材料からなり、図3に示されるように、左右方向8に長い箱状に形成されている。つまり、筐体51の長手方向が、図1に示す画像形成装置10の左右方向8に一致する。
【0027】
図3に示されるように、筐体51は、コンテナ本体55と、蓋部56とを有する。蓋部56は、コンテナ本体55の上部の開放部分を閉塞している。コンテナ本体55は、上部が開放された有底の箱形状に形成されている。より詳細には、コンテナ本体55は、図5に示されるように、前後方向7の両方の側壁55A,55B間のサイズに対して上下方向6(底面に垂直な方向)のサイズが長い形状に形成されている。言い換えると、コンテナ本体55は横幅よりも縦方向に長い縦長形状である。コンテナ本体55は、下向きに湾曲した概ね円弧形状の底壁57を有する。
【0028】
図4及び図5に示されるように、トナー排出口52は、コンテナ本体55に形成されている。詳細には、トナー排出口52は、図4に示されるように、コンテナ本体55の底壁57の右端部に形成されている。トナー排出口52は、コンテナ本体55の底壁57を下方へ貫通するように形成されている。
【0029】
コンテナ本体55の内部には、トナーを撹拌する撹拌機構61(トナー撹拌機構)と、トナー排出口52へトナーを搬送する搬送部材62とが設けられている。なお、図4では、撹拌部材112の後述するフィルム片115の図示が省略されている。
【0030】
搬送部材62は、軸周りに螺旋形状の羽根を有する所謂スパイラル軸である。搬送部材62は、トナー排出口52の上側に配置されており、その両端の支軸が側壁59A,59Bに回転可能に支持されている。搬送部材62に外部から回転駆動力が入力されることにより、搬送部材62が回転されて、前記羽根によってトナーがトナー排出口52へ運ばれる。
【0031】
撹拌機構61は、トナーコンテナ50に収容されているトナーを撹拌するものである。撹拌機構61は、回転軸部材111と、撹拌部材112とを備えている。
【0032】
図4に示されるように、回転軸部材111は、トナーを収容するトナーコンテナ50の内部に回転可能に設けられている。回転軸部材111は、左右方向8に長い形状に形成された軸部材である。回転軸部材111は、コンテナ本体55の左右方向8の両端にある側壁59A,59Bに回転可能に支持されている。図5に示されるように、回転軸部材111は、軸本体120を有する。図6に示されるように、軸本体120は、回転軸部材111の軸方向に長い形状である。軸本体120は、その長手方向の両端に支軸121を有する(図6には一方のみ図示)。支軸121は、側壁59A,59Bに回転可能に支持されている。一方の支軸121には、ジョイント129が連結されており、このジョイント129を介して回転駆動力が入力されると、回転軸部材111が回転される。
【0033】
本実施形態では、図5に示されるように、回転軸部材111は、トナーコンテナ50の側壁55A,55Bの内面(内側面)及び底壁57の内面(底面)から等距離の位置に設けられている。
【0034】
図6に示されるように、軸本体120は、軸方向に延びる平板状の基部127Aと、複数の支持部127を有する。支持部127は、撹拌部材112の被取付部114(被支持部の一例;図7参照)を支持するためのものである。複数の支持部127は、軸方向に所定間隔を隔てて複数配置されている。
【0035】
支持部127は、大板片部1201と、小板片部128とを備える。小板片部128は、大板片部1201より軸方向及び基部127Aに直交する方向の長さが短い。大板片部1201及び小板片部128は、基部127Aから互いに平行に延び、小板片部128は、大板片部1201に対して微小隙間を隔てて対向するように設けられている。撹拌部材112の被取付部114は、この微小隙間に差し込まれることにより、軸本体120の大板片部1201と小板片部128とに挟み込まれて支持される。また、一部の小板片部128には、突起1281が設けられている。この突起1281については後述する撹拌部材112と併せて説明する。
【0036】
軸方向に隣り合う2つの支持部127のうち軸方向一方側の支持部127の位置は、軸方向他方側の支持部127の位置から回転軸部材111の軸周り方向一方側に所定角度回転した位置となる。以下、この支持部127の配置態様を螺旋配置という。前記所定角度は、本実施形態では90°である。
【0037】
撹拌部材112は、本実施形態では熱可塑性を有するPET(ポリエチレンテレフタラート)を材料として製作されており、厚みの薄いフィルム形状に形成されている。
【0038】
図5に示されるように、撹拌部材112は、回転軸部材111に取り付けられている。本実施形態では、撹拌部材112は、回転軸部材111においてその長手方向の全体に亘って取り付けられている。撹拌部材112は、回転軸部材111に取り付けられる前の状態と取り付けられた状態とで形状が異なる。
【0039】
撹拌部材112は、回転軸部材111に取り付けられる前の状態においては、図8に示されるように、回転軸部材111の長手方向に沿って長いシート状を成す。撹拌部材112は、回転軸部材111の長手方向に沿って長い被取付部114と、被取付部114から延出される撹拌部113とを有する。撹拌部113には、撹拌部材112の先端部112Aから前記長手方向に直交する方向に延びる切り込みが、前記長手方向に複数設けられている。これにより、前記軸方向に隣り合う2つのフィルム片115の間には、スペースS1が設けられ、撹拌部113には複数のフィルム片115(撹拌片の一例)が互いに分離する形で形成されている。このため、隣接するフィルム片115は、互いに独立して回転軸部材111の軸回りに撓むことができる。
【0040】
撹拌部材112は、複数の支持部127が前記螺旋配置されていることに対応して、被取付部114が回転軸部材111に巻き付けられつつ支持部127に挟み込まれることで取り付けられる。すなわち、或る支持部127に被取付部114が挟み込まれると、撹拌部材112を軸周り方向に前記所定角度(本実施形態では90°)だけ捩じられる。
【0041】
ここで、前述したように、一部の小板片部128には突起1281が設けられている。撹拌部材112の被取付部114には、係合片部116が設けられている。係合片部116は、被取付部114のうち支持部127に対応する位置に設けられている。係合片部116には、係合穴部1161が設けられている。撹拌部材112は、支持部127により被取付部114が挟み込まれる際、係合片部116の係合穴部1161が支持部127の突起1281に係合される。これにより、撹拌部材112が回転軸部材111から脱落するのを防止することができる。なお、前記係合作業の作業性を考慮して、大板片部1201のうち小板片部128と対向する部位には開口T1(図7参照)が設けられている。なお、被取付部114の固定方法の他の例として、支持部127と被取付部114との接着などが適用可能である。
【0042】
このような取り付けにより、撹拌部材112は回転軸部材111に巻き付けられる形で取り付けられる。そして、前記軸方向に隣り合う2つの前記撹拌片のうち前記軸方向の一方側の前記撹拌片が前記軸方向の他方側のフィルム片115の位置から所定角度を回転軸部材111の軸周りに隔てられた位置に設けられている。また、フィルム片115は、前記軸方向に直交する複数の方向へ回転軸部材111から延出されている。すなわち、回転軸部材111に取り付けられた複数のフィルム片115は、前記軸方向一方向に向かって螺旋状に配列されるように回転軸部材111に並設されている。これにより、軸本体120の軸方向からみて放射状に延出する。なお、このような取り付けを可能にするため、被取付部114の幅R1(図8参照)は回転軸部材111に対する巻き付け量に応じた十分な長さが確保されている。
【0043】
以上のように、撹拌部材112は、被取付部114で回転軸部材111に取り付けられている。そして、その被取付部114から回転軸部材111の軸方向に直交する方向へ複数のフィルム片115が延出されている。つまり、複数のフィルム片115は、回転軸部材111によって支持される被取付部114で互いに連接されることにより撹拌部材112として一体に形成されている。このような撹拌部材112が回転軸部材111に支持されることにより、複数のフィルム片115は、それぞれが独立して軸周りに撓むことができるように、回転軸部材111の軸方向に直交する方向へ延出した姿勢を維持する。
【0044】
図8に示されるように、前記切り込みは、略メスフラスコ形状を有している。すなわち、前記軸方向に隣り合う2つのフィルム片115は、先端部112Aにおいて前記軸方向に予め定められた距離D1離間し、また、前記軸方向と直交する方向における略中央部において、凹部117を有する。凹部117は、複数のフィルム片115における前記軸方向(回転軸部材111の長手方向)の一方又は両方の側端部に形成されている。具体的には、複数のフィルム片115のうち、一方端(図8の紙面左斜め下側の端部)に位置するフィルム片115には凹部117が一つ形成されている。また、複数のフィルム片115のうち他方端(図8の紙面右斜め上側の端部)に位置するフィルム片115Bには凹部117が形成されていない。このフィルム片115Bは、他のフィルム片115に比べて細幅であり、撓まされたときの弾性力(復元力)が小さいため、凹部117を備える必要がないからである。そして、複数のフィルム片115のうち、それら以外のフィルム片115には、両方の側端部それぞれに凹部117が形成されている。本実施形態では凹部117は、各フィルム片115の側端部から、頂部が湾曲した三角形状に凹まされた形状に形成されており、フィルム片115の前記軸方向中央側へ凹む。なお、前記一方端に位置するフィルム片115は、1つの凹部117が形成されたものに限られず、その軸方向の両端部それぞれに凹部117が形成されたものであってもよい。また、前記他方端のフィルム片115Bは、隣接するフィルム片115側の端部に一つの凹部117を有するものであってもよい。
【0045】
前記切り込みは、撹拌部材112の先端部112Aから前記長手方向に直交する方向に被取付部114に達しない形態で設けられている。したがって、撹拌部材112のうち前記長手方向に直交する方向においてスペースS1と隣接する部位118(図8参照)は、被取付部114の一部分(以下、第1部位という)114Aの他、撹拌部113の一部分(以下、第2部位という)112Bを含む。撹拌部材112は弾性材料(伸縮材料)で製作されているため、撹拌部材112が捩じられる際、第2部位112Bが伸長する。したがって、撹拌部材112が捩じられつつ回転軸部材111に取り付けられることで、第2部位112Bは、伸長した状態で前記軸方向に直交する平面に対し傾斜する伸長部119(図9参照)を形成する。伸長部119は、両側の2つのフィルム片115の延出基端X1側を互いに連接する。伸長部119は、撹拌部材112が回転軸部材111に取り付けられる際に、第2部位112Bに対し加熱による引き延ばし加工によって形成することができる。図10に示すように、伸長部119は、軸方向Z1に直交する基準面M1に対して軸方向Z1に傾斜する。
【0046】
図5は、フィルム片115を通るトナーコンテナ50の断面図である。図5に示されるように、撹拌部材112の各フィルム片115は、回転軸部材111からトナーコンテナ50の側壁55A,55Bまでのサイズよりも長い形状に形成されている。また、各フィルム片115は、回転軸部材111から底壁57までのサイズよりも長い形状に形成されている。なお、各フィルム片115は、回転軸部材111から蓋部56までのサイズよりも短い形状に形成されている。つまり、撹拌部材112の被取付部114から先端部112A(延出端)までのサイズは、回転軸部材111からトナーコンテナ50の側壁55A,55B及び底壁57までの距離よりも長く、蓋部56までの距離よりも短い。そのため、トナーコンテナ50の内部において撹拌部材112が回転軸部材111に支持された状態で、各フィルム片115の先端部112Aの側面がトナーコンテナ50の側壁55A,55Bの内面又は底壁57の内面に面接触可能となる。一方で、撹拌部材112が蓋部56側に位置しているときは、先端部112Aは蓋部56に接触せず、撓まされることはない。
【0047】
このような撹拌部材112の各フィルム片115は、撹拌部材112の回転によって以下の状態をとり得る。すなわち、フィルム片115は、例えば図11(A)の矢印E1で示されるように蓋部56側に位置するとき、どこにも当接していない第1の状態となる。また、この第1の状態から撹拌部材112が回動すると、図11(B)の矢印E2で示されるように、フィルム片115は側壁55Bに当接する第2の状態となる。このとき、フィルム片115と側壁55Bとの接触による接触音(衝突音)が発生する。更にこの第2の状態から撹拌部材112が回動すると、図11(C)の矢印E3で示されるように、フィルム片115は底壁57の湾曲形状に沿って円滑に摺接する第3の状態となる。その後、フィルム片115が搬送部材62に到達する第4の状態(不図示)となる。搬送部材62に到達したとき、フィルム片115と搬送部材62との接触による接触音が生じる。また、更に撹拌部材112の回動によって、フィルム片115が搬送部材62との接触によって更に撓まされつつ搬送部材62を通過すると、図11(D)の矢印E4で示されるように、フィルム片115が側壁55Aに接触する第5の状態となる。このとき、通過時にフィルム片115の撓みが変化することによる弾き音が発生し、また、側壁55Aとの接触音が発生する。更に撹拌部材112の回動によって、フィルム片115が側壁55Aから離れて蓋部56側に移動する第6の状態(不図示)となる。このとき、フィルム片115が元の状態に戻ろうとする弾性力(復元力)によって撓みが急激に無くなる。このため、フィルム片115が復元するときに弾き音が発生する。
【0048】
撹拌部材112の回動により各フィルム片115は主に前記第1〜第6の状態となり得るが、各フィルム片115は、回転軸部材111の軸周り方向に互いに異なる方向に延出されているため、全てのフィルム片115が同時に同じ状態になることはない。よって、同じ状態に基づく音が全てのフィルム片115から同時に発生することはなく、各フィルム片115によって発生する接触音(衝突音)や弾き音などの音が時間的に分散して発生することとなる。これにより、全てのフィルム片115が同時に同じ状態になることに起因して接触音(衝突音)や弾き音など特定の音が際立つのを抑制することができ、不快な異音を軽減することができる。
【0049】
また、本実施形態では、このような接触音や弾き音などの異音を低減させるために、凹部117は前記異音が生じ難い位置に形成されている。具体的には、凹部117は、撹拌部材112のフィルム片115が回動して側壁55A,55Bの内面及び底壁57の底面に面接触して撓まされる撓み部分115A(図5参照)に形成されている。詳細には、撓み部分115Aにおいて最も湾曲される部分、言い換えると、最も曲率の大きい部分に凹部117が設けられている。ここで、撹拌部材112の回動時にフィルム片115の撓み部分115Aが通る軌跡L10を図5に示す。この軌跡L10に対応する直線L11を図6に示す。本実施形態では、図8に示されるように、直線L11が凹部117の中心を通るように、凹部117の形成位置が定められている。凹部117は、搬送部材62との接触時に損傷することなく円滑に通過可能にする役割を担う。
【0050】
また、凹部117は、撹拌部材112の回動時にトナーが通り抜けるための開口部の役割を担う。そのため、図8に示されるように、回転軸部材111の軸方向に隣接するフィルム片115それぞれにおいて、凹部117は互いに対向する位置に形成されている。これにより、隣接する2つの凹部117が合わさることによって、概ね菱形状の開口が実現される。これにより、撹拌部材112の回動時にトナーが凹部117を円滑に通り抜けることができ、トナーに対して適度に撹拌することができる。
【0051】
このように撹拌機構61が構成されているため、撹拌部材112が回動してフィルム片115が撓まされると、元の形状に戻ろうとする弾性力(復元力)がフィルム片115に生じる。フィルム片115の撓み部分115Aに凹部117が形成されているため、実際に撓まされたときのフィルム片115の弾性力(復元力)は、凹部117を有しない場合に比べて小さくなる。このため、撓み量の変化によって前記弾性力が変化したり、撓みが無くなってフィルム片115が元の形状に復元したりしても、衝突音や弾き音などの異音が抑えられる。
【0052】
ところで、前記実施形態では、回転軸部材111に取り付けられる前の撹拌部材112において、前記軸方向に隣り合う2つのフィルム片115の離間距離が前記距離D1とされている。ただし、図12に示されるように、前記離間距離が前記距離D1より大きな距離D2であると、伸長部119がトナーの搬送能力を有する、もしくは搬送能力が高くなる点でより好ましい。
【0053】
この場合、図13に示されるように、撹拌部材112の捩じり状態において、前記距離D1とされる場合に比べて大きな伸長部119が形成される。そして、本実施形態では、軸方向に隣り合う2つのフィルム片115の軸周り方向における位置関係に応じた方向に回転軸部材111が回転される。すなわち、軸方向一方側からみて下流側のフィルム片115の位置が上流側のフィルム片115を時計回り方向に回転させた位置となる場合には、前記軸方向一方側からみて回転軸部材111が反時計周り方向に回転される。逆に、軸方向一方側からみて下流側のフィルム片115の位置が上流側のフィルム片115を反時計回り方向に回転させた位置となる場合には、軸方向一方側からみて回転軸部材111が時計周り方向に回転される。これにより、この伸長部119は、回転軸部材111の軸周りの回転に伴って撹拌部材112が回転したときに、トナーコンテナ50のトナーを搬送する機能を有することになる。本実施形態における伸長部119は、本発明の搬送部の一例である。
【0054】
さらに、図13に示されるように、搬送部材62によるトナーの搬送方向下流側に位置するものほど、換言するとトナー排出口52に近いものほど、フィルム片115の前記軸方向における長さが短く形成されるのがより好ましい。これは、フィルム片115の前記軸方向における長さを短くするとフィルム片115の腰は小さくなるが、トナー排出口52からトナーが排出されるため、トナーコンテナ50内のトナーは搬送方向下流側の位置ほど少なく、上流側ほど大きな撹拌力が必要無い。また、下流側に位置するトナーほど、より多くのフィルム片115で十分な撹拌がなされている。よって、フィルム片115の前記軸方向における長さを短くしても撹拌性の点で特に問題は生じることはない。そこで、搬送部材62によるトナーの搬送方向下流側に位置するものほど、フィルム片115の前記軸方向における長さが短く形成されることで、接触音(衝突音)及び弾き音のボリュームを小さくすることができる。なお、本実施形態では、全てのフィルム片115の前記軸方向における長さを互いに異ならせ、各長さをW1>W2>W3>W4>W5>W6>W7とされているが、全てのフィルム片115の前記軸方向における長さを互いに異ならせる必要はない。例えば複数のフィルム片115をトナー排出口52に近い側と遠い側の2つのグループに分けられた場合に、同一グループ内のフィルム片115の前記長さについては同一とされている。また、近い側のグループのフィルム片115の前記長さが、遠い側のグループのフィルム片115の前記長さより短い形態も採用可能である。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した内容のものに限られず、種々の変形例が適用可能である。
【0056】
上述の実施形態では、撹拌部材112がPET(ポリエチレンテレフタラート)を材料として製作され、第2部位112Bに対し加熱による引き延ばし加工によって伸長部119が形成されている。ただし、伸長部119の作成方法は、前記引き延ばし加工に限定されず、例えば次のような方法により形成されてもよい。例えば、前記切り込みが撹拌部材112の先端部112Aから前記長手方向に直交する方向に被取付部114に達する形態で設けられる。その後、前記実施形態における第2部位112Bに相当する部分に、次のようなフィルム体が接着により設けられる。このフィルム体は、第2部位112Bと同様の形状を有し、且つ熱可塑性を有するポリウレタン樹脂などの弾性材料(伸縮材料)で構成されている。これにより、回転軸部材111に撹拌部材112を取り付けられたときに上述の実施形態と同様の伸長部119が形成される。
【0057】
上述の実施形態では、隣接するフィルム片115において凹部117が対向する位置に形成されている例を例示したが、本発明はこれに限定されず、凹部117が対向する位置に形成されていなくてもよい。
【0058】
また、上述の実施形態では、複数のフィルム片115が被取付部114において連接された構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数のフィルム片115が完全に独立して設けられており、各フィルム片115が個々に回転軸部材111に固定された構成であってもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、4つのトナーコンテナ50を備えた画像形成装置10を例示したが、本発明は、1つのトナーコンテナ50を備えた画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10:画像形成装置
50:トナーコンテナ(トナー容器)
61:撹拌機構(トナー撹拌機構)
62:搬送部材
111:回転軸部材
112:撹拌部材
114:被取付部(被支持部)
115:フィルム片(撹拌片)
117:凹部
119:伸長部(搬送部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13