(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1通信方式と、第1通信方式とは異なった第2通信方式による通信が可能な他の通信端末装置が第1通信方式によりサービスを提供するための第1情報と、前記他の通信端末装置との間で第2通信方式による通信を実行するための第2情報とを対応づけてメモリに記憶しており、前記他の通信端末装置からのサービスの提供を第1通信方式により受けるステップと、
前記他の通信端末装置と第2通信方式による通信を実行するとき、前記メモリにおいて記憶した第2情報をもとにした通信を優先的に実行させるステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
第1通信方式と、第1通信方式とは異なった第2通信方式による通信が可能な他の通信端末装置に対して第1通信方式によりサービスを提供するための他の通信端末装置の第1情報と、前記他の通信端末装置との間で第2通信方式による通信を実行するための第2情報とを対応づけてメモリに記憶しており、前記他の通信端末装置にサービスを第1通信方式により提供するステップと、
前記他の通信端末装置と第2通信方式による通信を実行するとき、前記メモリにおいて記憶した第2情報をもとにした通信を優先的に実行させるステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
互いに異なった第1通信方式と第2通信方式による通信を実行可能な第1通信端末装置が、第1通信方式でのブロードキャスト送信により、サービスを提供するステップと、
第1通信方式と第2通信方式による通信を実行可能な第2通信端末装置が、サービスの提供を受けた場合に、前記第1通信端末装置との間で第2通信方式による通信を実行するための情報を第1通信方式によって前記第1通信端末装置に通知するステップと、
前記第1通信端末装置が、第2通信方式により前記第2通信端末装置と通信する場合に、通知された情報をもとにした通信を優先的に実行するステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、2つの無線通信方式、例えば、携帯通信と業務用無線とが含まれた通信システムに関する。携帯通信は、前述のごとく、LTE、WiFiなどのIP通信であるが、これら以外にもWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線MAN(Metropolitan Area Network)を含んでもよい。これは、TCP(Transmission Control Protocol)/IPやその上下のレイヤを利用して通信する。携帯通信では、音声通信も可能であるが、ここでは、データ通信、特に動画像のストリーミング配信を説明の対象にする。一方、業務用無線は、予め定められた無線CHにおいて音声通信を実行する。音声通信の一例がPTT(Push to Talk)である。PTTでは、ユーザが、会話中にボタンを押し、会話終了時にボタンを離す。また、業務用無線では、複数の通信端末装置によってグループを形成することも可能である。業務用無線の基地局装置は、グループに対して、上りチャネルと下りチャネルを割り当てる。このような状況下において、グループ中の1つの通信端末装置が、上りチャネルにて信号を送信し、グループ中の他の通信端末装置が、下りチャネルにて信号を受信する。
【0016】
本実施例に係る通信端末装置は、携帯通信により他の通信端末装置からの動画像を受信している場合に、動画像の送信元になる他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。その際の操作の煩雑化を抑制するために、通信端末装置は、動画像の受信前に、携帯通信によってサーバ装置にアクセスし、サーバ装置からリンク情報を取得する。リンク情報は、他の通信端末装置が動画像をストリーミング配信する場合のIPアドレスと、他の通信端末装置が業務用無線を使用する場合の無線CH情報とを対応づけた情報である。通信端末装置は、リンク情報から無線CHを取得して、業務用無線による音声通信を実行する。
【0017】
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、通信端末装置10と総称される第1通信端末装置10a、第2通信端末装置10b、携帯通信用基地局装置12と総称される第1携帯通信用基地局装置12a、第2携帯通信用基地局装置12b、交換局14、PSTN(Public Switched Telephone Networks)16、インターネット18、サーバ装置20、業務用無線用基地局装置22と総称される第1業務用無線用基地局装置22a、第2業務用無線用基地局装置22b、ネットワーク24を含む。
【0018】
通信端末装置10は、携帯通信と業務用無線による通信を実行可能な装置である。携帯通信と業務用無線については公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bのうちの一方が、動画像をストリーミング配信すべきサーバ機能を実行し、他方が、ストリーミング配信された動画像を受信して再生するクライアント機能を実行する。なお、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bは、サーバ機能とクライアント機能とを有しているが、状況に応じていずれかを実行する。さらに、説明を明瞭にするために、ここでは、第1通信端末装置10aが業務用無線による音声通信の発信側に相当し、第2通信端末装置10bが業務用無線による音声通信の受信側に相当するが、逆の関係であってもよい。
【0019】
携帯通信用基地局装置12は、携帯通信のシステムに対応した基地局装置である。携帯通信用基地局装置12は、一端側において、携帯通信により通信端末装置10に接続され、他端側において、交換局14に接続される。第1携帯通信用基地局装置12aと第2携帯通信用基地局装置12bとは、異なった位置に設置される。交換局14は、携帯通信を制御する。交換局14は、PSTN16、インターネット18にも接続される。交換局14での制御によって、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bとが、第1携帯通信用基地局装置12a、交換局14、第2携帯通信用基地局装置12bを介して通信可能になる。また、通信端末装置10は、携帯通信用基地局装置12、交換局14を介して、PSTN16やインターネット18と通信可能である。
【0020】
PSTN16は、加入電話回線ネットワークであり、回線交換方式による音声通話を実行する。インターネット18は、IP通信により主にデータ通信を実行する。サーバ装置20は、インターネット18に接続され、インターネット18、交換局14、携帯通信用基地局装置12を介して通信端末装置10との通信を実行する。サーバ装置20は、後述するリンク情報を記憶・管理する。通信端末装置10は、携帯通信用基地局装置12、交換局14、インターネット18を介してサーバ装置20にアクセスし、サーバ装置20にリンク情報を登録したり、サーバ装置20からリンク情報を取得したりする。このような形態により、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bとの間において、リンク情報の交換が可能になる。
【0021】
業務用無線用基地局装置22は、業務用無線のシステムに対応した基地局装置である。業務用無線用基地局装置22は、一端側において、業務用無線により通信端末装置10に接続され、他端側において、ネットワーク24に接続される。第1業務用無線用基地局装置22aと第2業務用無線用基地局装置22bとは、異なった位置に設置される。ネットワーク24は、第1業務用無線用基地局装置22aと第2業務用無線用基地局装置22bとを接続する。このような接続によって、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bは、第1業務用無線用基地局装置22a、ネットワーク24、第2業務用無線用基地局装置22bを介して、通信可能になる。なお、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bの両方が、第1業務用無線用基地局装置22aに接続されて通信可能であってもよい。
【0022】
図2は、第1通信端末装置10aの構成を示す。第1通信端末装置10aは、携帯通信部30、業務用無線通信部32、処理部34、操作部36、モニタ38、マイク40、スピーカ42、記憶部44、制御部46を含む。処理部34は、携帯通信処理部300、業務用無線処理部302を含む。携帯通信処理部300は、リンク情報要求部310、リンク情報受付部312、動画要求部314、動画受付部316、動画再生部318を含む。第1通信端末装置10aは、動画像のストリーミング配信におけるクライアント機能を実行するとともに、業務用無線での発信を実行する。
【0023】
携帯通信部30は、携帯通信用基地局装置12との間で携帯通信による通信を実行する。また、携帯通信部30は、携帯通信用基地局装置12、交換局14を介して、他の通信端末装置10、PSTN16、インターネット18、サーバ装置20と通信する。通信端末装置10における携帯通信部30の特定は、例えば、IPアドレスによってなされる。このIPアドレスは、携帯通信によりサービスを提供するため、あるいは携帯通信によりサービスを提供されるための情報であり、以下では、これを「第1情報」という。なお、本実施例におけるサービスは、動画配信である。そのため、第1情報は、携帯通信により動画像を配信する際の宛先の情報であったり、携帯通信により動画像の配信を受ける際の配信元の情報であったりする。
【0024】
業務用無線通信部32は、業務用無線用基地局装置22との間で業務用無線による通信を実行する。また、業務用無線通信部32は、業務用無線用基地局装置22を介して、他の業務用無線通信部32との間で音声通信を実行する。通信端末装置10における業務用無線通信部32の特定は、無線CHによってなされ、無線CHは、業務用無線通信方式でのチャネルタイプの情報と、ユーザIDやグループID等の識別情報とによって特定される。以下では、これらを「第2情報」という。そのため、第2情報は、業務用無線による通信を実行するための情報である。
【0025】
処理部34は、携帯通信部30、業務用無線通信部32による通信を制御する。また、処理部34は、動画像を配信したり、配信された動画像を再生したりする。処理部34は、後述の第2通信端末装置10b、サーバ装置20と関連しながら処理を実行するので、それらの処理と合わせて後述する。
【0026】
操作部36は、ボタン、タッチパネル等によって構成されており、ユーザからの入力を受けつける。操作部36は、受けつけた入力を処理部34へ出力する。モニタ38は、処理部34からの画像、動画像、メッセージを受けつけ、それらを表示する。画面がタッチパネルである場合、モニタ38は、操作部36と一体的に構成される。マイク40は、通話の際に、ユーザからの音声を受けつけ、音声を音声信号に変換する。マイク40は、音声信号を処理部34へ出力する。スピーカ42は、通話の際に、処理部34からの音声信号を受けつけ、音声信号を音声として出力する。なお、スピーカ42は、警告音等を出力してもよい。記憶部44は、本通信端末装置10のリンク情報、他の通信端末装置10のリンク情報、動画データ等を記憶する。記憶部44への書込、記憶部44からの読出しは、処理部34によってなされる。制御部46は、第1通信端末装置10aの動作を制御する。
【0027】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0028】
図3は、第2通信端末装置10bの構成を示す。第2通信端末装置10bは、携帯通信部50、業務用無線通信部52、処理部54、操作部56、モニタ58、マイク60、スピーカ62、記憶部64、制御部66を含む。処理部54は、携帯通信処理部500、業務用無線処理部502を含む。携帯通信処理部500は、リンク情報登録部510、動画要求受付部512、動画出力部514を含む。第2通信端末装置10bは、動画像のストリーミング配信におけるサーバ機能を実行するとともに、業務用無線での着信を実行する。
【0029】
携帯通信部50から制御部66は、
図2の携帯通信部30から制御部46と同様であるので、ここでは説明を省略する。処理部54は、前述の処理部34と同様に、第1通信端末装置10a、サーバ装置20と関連しながら処理を実行するので、それらの処理と合わせて後述する。
【0030】
図4は、サーバ装置20の構成を示す。サーバ装置20は、通信部70、処理部72、記憶部74を含む。通信部70は、インターネット18に接続され、インターネット18、交換局14、携帯通信用基地局装置12を介して通信端末装置10と通信する。処理部72は、通信部70を介して、通信端末装置10からのリンク情報を受けつけたり、通信端末装置10へリンク情報を出力したりする。リンク情報は、1つの通信端末装置10に対する第1情報と第2情報との組合せであり、1つの通信端末装置10に対する携帯通信と業務用無線とを関連付けるための情報である。また、リンク情報を複数集めたものもリンク情報という。記憶部74は、リンク情報を記憶する。
【0031】
以下では、第1通信端末装置10aにおける処理部34、第2通信端末装置10bにおける処理部54、サーバ装置20における処理部72の処理を説明する。第2通信端末装置10bの携帯通信部50は、指示を受けつけて、携帯通信用基地局装置12に接続する。第2通信端末装置10bのリンク情報登録部510は、携帯通信によりサーバ装置20へ、第2通信端末装置10bのリンク情報を送信することによって、サーバ装置20にリンク情報を登録する。前述のごとく、リンク情報は、携帯通信によりサービスを提供するためのIPアドレスである第1情報と、業務用無線による通信を実行するための識別情報等の第2情報とを含む。
【0032】
図5は、第2通信端末装置10bから送信されるリンク情報のデータ構造を示す。図示のごとく、携帯通信情報、業務用無線情報、その他情報を含む。携帯通信情報は、前述の第1情報に相当し、IPアドレスである。業務用無線情報は、前述の第2情報に相当し、チャネルタイプ、ユーザID、グループIDを含む。チャネルタイプは、業務用無線情報において規定されている複数種類のプロトコルのいずれかを特定するための情報である。ユーザIDは、第2通信端末装置10bを特定するための識別情報であり、グループIDは、第2通信端末装置10bが含まれているグループを特定するための識別情報である。これらの情報の組合せによって無線CHが特定される。その他情報は、携帯通信、業務用無線以外の通信を実行する際の情報である。なお、業務用無線の音声通信で必要な周波数情報などはあらかじめ双方の端末側で設定されていて、それらの情報はユーザID、グループIDによって関連付けされている。
【0033】
サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を受けつけ、リンク情報を記憶部74に記憶させる。
図6は、サーバ装置20に記憶されるデータベースのデータ構造を示す。図示のごとく、各通信端末装置10の携帯通信情報、業務用通信情報、その他情報が含まれる。これらについては、
図5に示したとおりである。これらは、通信端末装置10からサーバ装置20までのネットワーク接続状況が変化するたびに更新される。更新の際、処理部72は、ユーザIDをキーとして古い情報を抽出して、それを新たな情報に書きかえる。
【0034】
第1通信端末装置10aのモニタ38は、ユーザに指示の入力を促すための画面を表示する。
図7は、第1通信端末装置10aにおいて表示される画面を示す。メインメニュー200は、動画ボタン202、通話ボタン204、その他ボタン206を含む。ユーザが動画ボタン202を選択すると、第1通信端末装置10aのリンク情報要求部310は、サーバ装置20に対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求がサーバ装置20に送信される。
【0035】
サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからのリンク情報要求を受けつけると、記憶部74からリンク情報を取得し、第1通信端末装置10aへリンク情報を送信する。
図8は、サーバ装置20から出力されるリンク情報のデータ構造を示す。送信されるリンク情報は、
図7と同様である。
【0036】
第1通信端末装置10aのリンク情報受付部312は、サーバ装置20からのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部312は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部44に記憶する。また、リンク情報受付部312は、リンク情報をもとに動画選択画面を生成してモニタ38に表示させる。
図9は、第1通信端末装置10aにおいて表示される画面を示す。動画選択画面210は、スライドバー212、動画選択ボタン214、無線CH切替ボタン216を含む。動画選択ボタン214がユーザによって選択されると、携帯通信による動画像のストリーミング受信が開始される。無線CH切替ボタン216がユーザによって選択されると、動画像にリンクした無線CHへの切替がなされる。なお、この操作では、業務用無線の無線CHが切り替えられるだけで、PTTによる音声は送信されない。
【0037】
第1通信端末装置10aの動画要求部314は、動画選択画面にてユーザが任意の動画選択ボタン214を選択すると、選択された動画像の動画要求を携帯通信にてサーバ装置20に送信する。
図10は、第1通信端末装置10aから出力される動画要求のデータ構造を示す。動画要求には、送信元情報と宛先情報とが含まれる。ここで、送信元情報とは、動画要求の送信元に関する情報であり、第1通信端末装置10aのリンク情報の一部に相当する。また、宛先情報は、動画要求の最終的な宛先であり、第2通信端末装置10bのIPアドレスである。これまでの処理では、記憶部44に記憶されたリンク情報をもとに動画選択画面210が生成されてから、動画要求が送信されている。つまり、記憶部44に記憶されたリンク情報をもとに動画要求が送信されている。しかしながら、動画要求は、記憶部44に記憶されたリンク情報をもとに送信されなくてもよい。例えば、第1通信端末装置10aのユーザが第2通信端末装置10bのIPアドレスを知っていて、IPアドレスを直接入力することによって、動画要求が送信されてもよい。また、ここでの第1情報以外の情報をもとに、動画要求が送信されてもよい。
【0038】
サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからの動画要求を受けつけ、これに応じて動画要求を第2通信端末装置10bに送信する。処理部72は、受けつけた動画要求に含まれた送信元情報をもとに動画配信の許可判定を行い、動画要求先から既に動画配信されていない場合に限って、動画要求を第2通信端末装置10bに送信する。
図11は、サーバ装置20から出力される動画要求のデータ構造を示す。送信先情報には、サーバ装置20のルートのIPアドレスが指定され、また動画フォーマット情報には、サーバ装置20の設定によって予め定義された情報が指定される。動画配信の送信先をサーバ装置20のルートのIPアドレスに指定する理由は、第2通信端末装置10bに動画配信のための複雑な処理をさせないためである。
【0039】
第2通信端末装置10bの動画要求受付部512は、サーバ装置20からの動画要求を受信する。第2通信端末装置10bの動画出力部514は、動画要求に応じて、記憶部64に記憶された動画データをサーバ装置20に送信する。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからの動画データを受けつける。処理部72は、動画配信の要求と許可判定にしたがって、動画データを第1通信端末装置10aに送信する。ここで、処理部72は、第2通信端末装置10bから送信された動画データを記憶部74に一旦バッファリングしておき、動画要求を受けつけ、かつ動画配信の許可判定が許可と判断した場合に、動画要求元の通信端末装置10に随時動画配信する。このように、動画データは、サーバ装置20を経由して配信される。
【0040】
第1通信端末装置10aの動画受付部316は、サーバ装置20からの動画データを携帯通信にて受けつける。動画受付部316は、受けつけた動画データを動画再生部318に出力する。第1通信端末装置10aの動画再生部318は、動画受付部316からの動画データを再生し、再生した動画データをモニタ38に表示させる。
【0041】
このように第1通信端末装置10aは、リンク情報に含まれた第1情報をもとに動画データの配信を携帯通信により受けている。そのような状況下において、ユーザ操作によって、視聴中の動画配信元に対して音声を送信すべく、音声送信の宛先の選択およびPTTなどの操作がなされると、業務用無線処理部302は、音声送信を実行する。具体的に説明すると、業務用無線処理部302は、業務用無線により第2通信端末装置10bとの通信を実行するとき、リンク情報に含まれた第2情報をもとにした通信を優先的に実行する。リンク情報に含まれた第2情報をもとにした通信とは、第2情報をもとに特定される無線CHでの通信に相当する。これに応じて、第2通信端末装置10bの業務用無線処理部502は、業務用無線による通信を実行する。
【0042】
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。
図12は、通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第2通信端末装置10bは、携帯通信による接続を実行する(S10)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20にリンク情報を登録する(S12)。第1通信端末装置10aにリンク情報要求が入力される(S14)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20へリンク情報要求を送信する(S16)。サーバ装置20は、第1通信端末装置10aにリンク情報を通知する(S18)。第1通信端末装置10aに動画要求が入力される(S20)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20へ動画要求を送信し(S22)、サーバ装置20は、第2通信端末装置10bへ動画要求を送信する(S24)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20へ動画データを送信し(S26)、サーバ装置20は、第1通信端末装置10aへ動画データを送信する(S28)。第1通信端末装置10aにおいてPTTのために、操作部36のボタンが押下げられる(S30)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ音声を送信する(S32)。
【0043】
図13は、サーバ装置20によるリンク情報要求の受信手順を示すフローチャートである。処理部72は、リンク情報が既に登録済であり(S50のY)、通知が許可されていれば(S52のY)、リンク情報の通知処理を実行する(S54)。一方、処理部72は、リンク情報が登録済でない場合(S50のN)、あるいは通知が許可されていない場合(S52のN)、エラー処理を実行する(S56)。
【0044】
図14は、サーバ装置20によるリンク情報要求の別の受信手順を示すフローチャートである。処理部72は、リンク情報が既に登録済であり(S70のY)、通知が許可されていれば(S72のY)、リンク情報の通知処理を実行する(S76)。一方、処理部72は、通知が許可されていない場合(S72のN)、リンク情報のフィルタリングを実行し(S74)、リンク情報の通知処理を実行する(S76)。処理部72は、リンク情報が登録済でない場合(S70のN)、エラー処理を実行する(S78)。
【0045】
図15は、サーバ装置20による動画データの配信手順を示すフローチャートである。配信許可がされていると(S90のY)、処理部72は、第1通信端末装置10aへ動画データを配信し(S92)、第2通信端末装置10bへ配信通知を送信する(S94)。一方、配信許可がされていないと(S90のN)、処理部72は、エラー処理を実行する(S96)。なお、配信通知の送信は省略されてもよい。
【0046】
本実施例によれば、第2通信端末装置についてのリンク情報を受けているので、第2通信端末装置から動画データを携帯通信により受信している場合に第2通信端末装置へ業務用無線により発信するときに、リンク情報の第2情報をもとに、第2通信端末装置の無線CHを特定できる。また、予めリンク情報を受けつけているので、第2通信端末装置の無線CHを自動的に特定できる。また、携帯通信により動画データを受信しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。また、リンク情報の管理はサーバ装置においてなされるので、通信端末装置の処理を簡易化できる。
【0047】
また、動画データの配信がサーバ装置を介してなされるので、許可判定を実行できる。また、サーバ装置において許可判定が実行されるので、通信端末装置での許可判定を不要にできる。また、サーバ装置において許可判定が実行されるので、配信の安全性を確保できる。また、サーバ装置が動画データを一旦記憶して配信するので、同一の動画データを複数の通信端末装置に配信する場合でも、通信送信端末は、当該動画データを再度配信することを不要にできる。また、携帯通信の接続先と業務用無線の無線CHの連携された情報を使ってチャネル操作がなされるので、ユーザの操作負荷を減少できる。
【0048】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。本発明の実施例2も、実施例1と同様に、2つの無線通信方式が含まれた通信システムに関する。実施例1に係る通信端末装置は、携帯通信により動画像を受信している場合に、動画像の送信元になる他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。一方、実施例2に係る通信端末装置は、実施例1と比較して動画像の送信元と宛先との関係が逆になる。つまり、通信端末装置は、携帯通信により動画像を送信している場合に、動画像の宛先になる他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。その際の操作の煩雑化を抑制するために、通信端末装置は、他の通信端末装置からの動画要求を携帯通信により受けつけると、サーバ装置にアクセスし、サーバ装置からリンク情報を取得する。通信端末装置は、リンク情報から無線CHを取得して、業務用無線による音声通信を実行する。実施例2に係る通信システム、サーバ装置は、
図1、
図4と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0049】
図16は、本発明の実施例2に係る第1通信端末装置10aの構成を示す。携帯通信処理部300は、リンク情報登録部320、動画要求受付部322、リンク情報要求部324、リンク情報受付部326、動画出力部328を含む。第1通信端末装置10aは、動画像のストリーミング配信におけるサーバ機能を実行するとともに、業務用無線での発信を実行する。携帯通信部30から制御部46は、
図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。処理部34は、第2通信端末装置10b、サーバ装置20と関連しながら処理を実行するので、それらの処理と合わせて後述する。
【0050】
図17は、本発明の実施例2に係る第2通信端末装置10bの構成を示す。携帯通信処理部500は、リンク情報登録部510、リンク情報要求部516、リンク情報受付部518、動画要求部520、動画受付部522、動画再生部524を含む。第2通信端末装置10bは、動画像のストリーミング配信におけるクライアント機能を実行するとともに、業務用無線での着信を実行する。携帯通信部50から制御部66は、
図3と同様であるので、ここでは説明を省略する。処理部54は、第1通信端末装置10a、サーバ装置20と関連しながら処理を実行するので、それらの処理と合わせて後述する。
【0051】
以下では、第1通信端末装置10aにおける処理部34、第2通信端末装置10bにおける処理部54、サーバ装置20における処理部72の処理を説明する。第2通信端末装置10bの携帯通信部50は、指示を受けつけて、携帯通信用基地局装置12に接続する。第2通信端末装置10bのリンク情報登録部510は、携帯通信によりサーバ装置20へ、第2通信端末装置10bのリンク情報を送信することによって、サーバ装置20にリンク情報を登録する。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を受けつけ、リンク情報を記憶部74に記憶させる。
【0052】
第1通信端末装置10aの携帯通信部30は、指示を受けつけて、携帯通信用基地局装置12に接続する。第1通信端末装置10aのリンク情報登録部320は、携帯通信によりサーバ装置20へ、第1通信端末装置10aのリンク情報を送信することによって、サーバ装置20にリンク情報を登録する。サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからのリンク情報を受けつけ、リンク情報を記憶部74に記憶させる。
【0053】
第2通信端末装置10bのモニタ58は、ユーザに指示の入力を促すための画面を表示する。この画面は、
図7と同様である。ユーザによる動画像の選択がなされると、第2通信端末装置10bのリンク情報要求部516は、サーバ装置20に対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求がサーバ装置20に送信される。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからのリンク情報要求を受けつけると、記憶部74からリンク情報を取得し、第2通信端末装置10bへリンク情報を送信する。第2通信端末装置10bのリンク情報受付部518は、サーバ装置20からのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部518は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部64に記憶する。また、リンク情報受付部518は、リンク情報をもとに動画選択画面を生成してモニタ58に表示させる。動画選択画面は、
図9と同様である。
【0054】
第2通信端末装置10bの動画要求部520は、動画選択画面にてユーザが任意の動画像を選択すると、選択された動画像の動画要求を携帯通信にてサーバ装置20に送信する。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからの動画要求を受けつけ、これに応じて動画要求を第1通信端末装置10aに送信する。第1通信端末装置10aの動画要求受付部322は、サーバ装置20からの動画要求を受信する。動画要求受付部322が動画要求を受けつけると、第1通信端末装置10aのリンク情報要求部324は、サーバ装置20に対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求がサーバ装置20に送信される。
【0055】
サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからのリンク情報要求を受けつけると、記憶部74からリンク情報を取得し、第1通信端末装置10aへリンク情報を送信する。第1通信端末装置10aのリンク情報受付部326は、サーバ装置20からのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部312は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部44に記憶する。第1通信端末装置10aの動画出力部328は、動画要求に応じて、記憶部44に記憶された動画データをサーバ装置20に送信する。
【0056】
サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからの動画データを受けつける。処理部72は、動画配信の要求と許可判定にしたがって、動画データを第2通信端末装置10bに送信する。このように、動画データは、サーバ装置20を経由して配信される。さらに、処理部72は、動画データを第2通信端末装置10bに送信すると、第2通信端末装置10bに動画配信したことを動画配信通知として第1通信端末装置10aへ通知する。第1通信端末装置10aの携帯通信処理部300は、サーバ装置20から動画配信通知を携帯通信により受けつける。
【0057】
第2通信端末装置10bの動画受付部522は、サーバ装置20からの動画データを携帯通信にて受けつける。動画受付部522は、受けつけた動画データを動画再生部524に出力する。第2通信端末装置10bの動画再生部524は、動画受付部522からの動画データを再生し、再生した動画データをモニタ58に表示させる。
【0058】
このように第1通信端末装置10aは、リンク情報に含まれた第1情報をもとに動画データを携帯通信により配信している。そのような状況下において、ユーザ操作によって、動画配信先に対して音声を送信すべく、音声送信の宛先の選択およびPTTなどの操作がなされると、業務用無線処理部302は、音声送信を実行する。業務用無線による音声送信についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0059】
図18は、本発明の実施例2に係る通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第2通信端末装置10bは、携帯通信による接続を実行する(S110)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20にリンク情報を登録する(S112)。第1通信端末装置10aは、携帯通信による接続を実行する(S114)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20にリンク情報を登録する(S116)。第2通信端末装置10bにリンク情報要求が入力される(S118)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20へリンク情報要求を送信する(S120)。サーバ装置20は、第2通信端末装置10bにリンク情報を通知する(S122)。
【0060】
第2通信端末装置10bに動画要求が入力される(S124)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20へ動画要求を送信し(S126)、サーバ装置20は、第1通信端末装置10aへ動画要求を送信する(S128)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20へリンク情報要求を送信する(S130)。サーバ装置20は、第1通信端末装置10aにリンク情報を通知する(S132)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20へ動画データを送信し(S134)、サーバ装置20は、第2通信端末装置10bへ動画データを送信する(S136)。サーバ装置20は、第1通信端末装置10aへ配信通知を送信する(S138)。第1通信端末装置10aにおいてPTTのために、操作部36のボタンが押下げられる(S140)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ音声を送信する(S142)。
【0061】
本実施例によれば、第2通信端末装置についてのリンク情報を受けているので、第2通信端末装置へ動画データを携帯通信により配信している場合に第2通信端末装置へ業務用無線により発信するときに、リンク情報の第2情報をもとに、第2通信端末装置の無線CHを特定できる。また、携帯通信により動画データを配信しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。
【0062】
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。本発明の実施例3も、これまでと同様に、2つの無線通信方式が含まれた通信システムに関する。これまでの通信端末装置は、動画要求に応じて動画像を配信している。一方、実施例3に係る通信端末装置は、動画像をブロードキャスト送信しており、動画像を受信した他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。通信端末装置は、動画像をブロードキャスト送信する際に、動画像を受信する他の通信端末装置を認識していない。その際の操作の煩雑化を抑制するために、通信端末装置は、ブロードキャスト送信した動画像を受信している他の通信端末装置から、視聴報告を受けつけると、サーバ装置にアクセスし、サーバ装置からリンク情報を取得する。通信端末装置は、リンク情報から無線CHを取得して、業務用無線による音声通信を実行する。実施例3に係る通信システム、サーバ装置は、
図1、
図4と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0063】
図19は、本発明の実施例3に係る第1通信端末装置10aの構成を示す。携帯通信処理部300は、リンク情報登録部320、動画出力部328、視聴報告受付部330、リンク情報要求部324、リンク情報受付部326を含む。第1通信端末装置10aは、動画像のストリーミング配信におけるサーバ機能を実行するとともに、業務用無線での発信を実行する。なお、実施例3におけるストリーミング配信は、ブロードキャスト送信である。携帯通信部30から制御部46は、
図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。処理部34は、第2通信端末装置10b、サーバ装置20と関連しながら処理を実行するので、それらの処理と合わせて後述する。
【0064】
図20は、本発明の実施例3に係る第2通信端末装置10bの構成を示す。携帯通信処理部500は、リンク情報登録部510、リンク情報要求部516、リンク情報受付部518、動画受付部522、動画再生部524、視聴報告部526を含む。第2通信端末装置10bは、動画像のストリーミング配信におけるクライアント機能を実行するとともに、業務用無線での着信を実行する。携帯通信部50から制御部66は、
図3と同様であるので、ここでは説明を省略する。処理部54は、第1通信端末装置10a、サーバ装置20と関連しながら処理を実行するので、それらの処理と合わせて後述する。
【0065】
以下では、第1通信端末装置10aにおける処理部34、第2通信端末装置10bにおける処理部54、サーバ装置20における処理部72の処理を説明する。第2通信端末装置10bの携帯通信部50は、指示を受けつけて、携帯通信用基地局装置12に接続する。第2通信端末装置10bのリンク情報登録部510は、携帯通信によりサーバ装置20へ、第2通信端末装置10bのリンク情報を送信することによって、サーバ装置20にリンク情報を登録する。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を受けつけ、リンク情報を記憶部74に記憶させる。
【0066】
第1通信端末装置10aの携帯通信部30は、指示を受けつけて、携帯通信用基地局装置12に接続する。第1通信端末装置10aのリンク情報登録部320は、携帯通信によりサーバ装置20へ、第1通信端末装置10aのリンク情報を送信することによって、サーバ装置20にリンク情報を登録する。サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからのリンク情報を受けつけ、リンク情報を記憶部74に記憶させる。
【0067】
第2通信端末装置10bのモニタ58は、ユーザに指示の入力を促すための画面を表示する。この画面は、
図7と同様である。ユーザによる動画像の選択がなされると、第2通信端末装置10bのリンク情報要求部516は、サーバ装置20に対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求がサーバ装置20に送信される。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからのリンク情報要求を受けつけると、記憶部74からリンク情報を取得し、第2通信端末装置10bへリンク情報を送信する。第2通信端末装置10bのリンク情報受付部518は、サーバ装置20からのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部518は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部64に記憶する。
【0068】
第1通信端末装置10aの動画出力部328は、記憶部44に記憶された動画データをサーバ装置20に送信する。サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからの動画データを受けつける。処理部72は、動画データをブロードキャスト送信する。これは、第1通信端末装置10aが動画データをブロードキャスト送信することに相当する。
【0069】
第2通信端末装置10bの動画受付部522は、リンク情報受付部518において受けつけたリンク情報、特に第1情報であるIPアドレスをもとに、サーバ装置20からブロードキャスト送信された動画データを携帯通信にて受けつける。動画受付部522は、受けつけた動画データを動画再生部524に出力する。第2通信端末装置10bの動画再生部524は、動画受付部522からの動画データを再生し、再生した動画データをモニタ58に表示させる。第2通信端末装置10bの視聴報告部526は、動画再生部524が動画データを再生すると、そのことを知らせるための動画視聴報告を携帯通信にてサーバ装置20に送信する。つまり、動画視聴報告は、リンク情報に含まれた第1情報をもとにした動画データの配信を第2通信端末装置10bが受けていることを知らせるための情報である。サーバ装置20の処理部72は、第2通信端末装置10bからの動画視聴報告を受けつけると、第1通信端末装置10aへ動画視聴報告を送信する。第1通信端末装置10aの視聴報告受付部330は、サーバ装置20からの動画視聴報告を携帯通信にて受けつけると、第2通信端末装置10bが動画データを再生していることを認識する。
【0070】
視聴報告受付部330が動画視聴報告を受けつけると、第1通信端末装置10aのリンク情報要求部324は、サーバ装置20に対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求がサーバ装置20に送信される。サーバ装置20の処理部72は、第1通信端末装置10aからのリンク情報要求を受けつけると、記憶部74からリンク情報を取得し、第1通信端末装置10aへリンク情報を送信する。第1通信端末装置10aのリンク情報受付部326は、サーバ装置20からのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部312は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部44に記憶する。
【0071】
このように第1通信端末装置10aは、携帯通信でのブロードキャスト送信により、動画データを配信し、かつ動画視聴報告を携帯通信により通知されている。そのような状況下において、ユーザ操作によって、動画配信先に対して音声を送信すべく、音声送信の宛先の選択およびPTTなどの操作がなされると、業務用無線処理部302は、音声送信を実行する。業務用無線による音声送信についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0072】
図21は、本発明の実施例3に係る通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第2通信端末装置10bは、携帯通信による接続を実行する(S160)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20にリンク情報を登録する(S162)。第1通信端末装置10aは、携帯通信による接続を実行する(S164)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20にリンク情報を登録する(S166)。第2通信端末装置10bにリンク情報要求が入力される(S168)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20へリンク情報要求を送信する(S170)。サーバ装置20は、第2通信端末装置10bにリンク情報を通知する(S172)。
【0073】
第1通信端末装置10aは、サーバ装置20へ動画データを送信し(S174)、サーバ装置20は、第2通信端末装置10bへ動画データを送信する(S176)。第2通信端末装置10bは、サーバ装置20へ視聴報告を送信し(S178)、サーバ装置20は、第1通信端末装置10aへ視聴報告を送信する(S180)。第1通信端末装置10aは、サーバ装置20へリンク情報要求を送信する(S182)。サーバ装置20は、第1通信端末装置10aにリンク情報を通知する(S184)。第1通信端末装置10aにおいてPTTのために、操作部36のボタンが押下げられる(S186)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ音声を送信する(S188)。
【0074】
本実施例によれば、第2通信端末装置についてのリンク情報を受けているので、第2通信端末装置へ動画データを携帯通信によりブロードキャスト送信している場合に第2通信端末装置へ業務用無線により発信するときに、リンク情報の第2情報をもとに、第2通信端末装置の無線CHを特定できる。また、携帯通信により動画データをブロードキャスト送信しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。また、視聴報告を受けつけるので、ブロードキャスト送信した動画データを再生している通信端末装置を認識できる。
【0075】
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。本発明の実施例4も、これまでと同様に、2つの無線通信方式が含まれた通信システムに関する。実施例1に係る通信端末装置は、携帯通信により動画像を受信している場合に、動画像の送信元になる他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。また、このような処理を実現するために、通信端末装置は、サーバ装置からリンク情報を取得している。一方、実施例4でも、実施例1と同様の状況で動画像の配信、音声通信がなされるが、サーバ装置が構成に含まれない。実施例4に係る第1通信端末装置10aは、
図2と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0076】
図22は、本発明の実施例4に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、
図1と比較してサーバ装置20を含まない。
図1では、サーバ装置20がリンク情報を記憶・管理していたが、ここでは、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bがリンク情報を記憶・管理する。そのため、第1通信端末装置10a、第2通信端末装置10bは、第1携帯通信用基地局装置12a、交換局14、第2携帯通信用基地局装置12bを介して、リンク情報を送信したり、受信したりする。このような形態により、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bとの間において、リンク情報の直接の交換が可能になる。
【0077】
図23は、第2通信端末装置10bの構成を示す。携帯通信処理部500は、リンク情報要求受付部528、リンク情報通知部530、動画要求受付部512、動画出力部514を含む。第2通信端末装置10bは、動画像のストリーミング配信におけるサーバ機能を実行するとともに、業務用無線での着信を実行する。携帯通信部50から制御部66は、
図3と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0078】
以下では、第1通信端末装置10aにおける処理部34、第2通信端末装置10bにおける処理部54の処理を説明する。第1通信端末装置10aのモニタ38は、ユーザに指示の入力を促すための画面を表示する。ユーザによる動画像の選択がなされると、第1通信端末装置10aのリンク情報要求部310は、第2通信端末装置10bに対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求が第2通信端末装置10bに送信される。第2通信端末装置10bのリンク情報要求受付部528は、第1通信端末装置10aからのリンク情報要求を携帯通信により受けつける。第2通信端末装置10bのリンク情報通知部530は、携帯通信により第1通信端末装置10aへ、第2通信端末装置10bのリンク情報を送信する。
【0079】
第1通信端末装置10aのリンク情報受付部312は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部312は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部44に記憶する。また、リンク情報受付部312は、リンク情報をもとに動画選択画面を生成してモニタ38に表示させる。第1通信端末装置10aの動画要求部314は、動画選択画面にてユーザが任意の動画像を選択すると、選択された動画像の動画要求を携帯通信にて第2通信端末装置10bに送信する。
【0080】
第2通信端末装置10bの動画要求受付部512は、第1通信端末装置10aからの動画要求を携帯通信により受信する。第2通信端末装置10bの動画出力部514は、動画要求に応じて、記憶部64に記憶された動画データを第1通信端末装置10aへ携帯通信により送信する。第1通信端末装置10aの動画受付部316は、第2通信端末装置10bからの動画データを携帯通信にて受けつける。動画受付部316は、受けつけた動画データを動画再生部318に出力する。第1通信端末装置10aの動画再生部318は、動画受付部316からの動画データを再生し、再生した動画データをモニタ38に表示させる。
【0081】
このように第1通信端末装置10aは、リンク情報に含まれた第1情報をもとに動画データの配信を携帯通信により受けている。そのような状況下において、ユーザ操作によって、視聴中の動画配信元に対して音声を送信すべく、音声送信の宛先の選択およびPTTなどの操作がなされると、業務用無線処理部302は、音声送信を実行する。業務用無線による音声送信についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
図24は、通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第1通信端末装置10aにリンク情報要求が入力される(S200)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへリンク情報要求を送信する(S202)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aにリンク情報を通知する(S204)。第1通信端末装置10aに動画要求が入力される(S206)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ動画要求を送信する(S208)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aへ動画データを送信する(S210)。第1通信端末装置10aにおいてPTTのために、操作部36のボタンが押下げられる(S212)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ音声を送信する(S214)。
【0083】
本実施例によれば、第2通信端末装置についてのリンク情報を受けているので、第2通信端末装置から動画データを携帯通信により受信している場合に第2通信端末装置へ業務用無線により発信するときに、リンク情報の第2情報をもとに、第2通信端末装置の無線CHを特定できる。また、予めリンク情報を受けつけているので、第2通信端末装置の無線CHを自動的に特定できる。また、携帯通信により動画データを受信しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。また、携帯通信を実行しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。また、リンク情報を通信端末装置間において直接伝送するので、サーバ装置を不要にできる。また、サーバ装置が不要になるので、構成を簡易にできる。
【0084】
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。本発明の実施例5も、これまでと同様に、2つの無線通信方式が含まれた通信システムに関する。実施例2に係る通信端末装置は、携帯通信により動画像を送信している場合に、動画像の宛先になる他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。また、このような処理を実現するために、通信端末装置は、サーバ装置からリンク情報を取得している。一方、実施例5でも、実施例2と同様の状況で動画像の配信、音声通信がなされるが、サーバ装置が構成に含まれない。実施例5に係る通信システムは、
図22と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0085】
図25は、本発明の実施例5に係る第1通信端末装置10aの構成を示す。携帯通信処理部300は、リンク情報要求受付部332、リンク情報通知部334、動画要求受付部322、リンク情報要求部324、リンク情報受付部326、動画出力部328を含む。第1通信端末装置10aは、動画像のストリーミング配信におけるサーバ機能を実行するとともに、業務用無線での発信を実行する。携帯通信部30から制御部46は、
図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0086】
図26は、本発明の実施例5に係る第2通信端末装置10bの構成を示す。携帯通信処理部500は、リンク情報要求部516、リンク情報受付部518、動画要求部520、リンク情報要求受付部528、リンク情報通知部530、動画受付部522、動画再生部524を含む。第2通信端末装置10bは、動画像のストリーミング配信におけるクライアント機能を実行するとともに、業務用無線での着信を実行する。携帯通信部50から制御部66は、
図3と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0087】
以下では、第1通信端末装置10aにおける処理部34、第2通信端末装置10bにおける処理部54の処理を説明する。第2通信端末装置10bのモニタ58は、ユーザに指示の入力を促すための画面を表示する。ユーザによる動画像の選択がなされると、第2通信端末装置10bのリンク情報要求部516は、第1通信端末装置10aに対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求が第1通信端末装置10aに送信される。第1通信端末装置10aのリンク情報要求受付部332は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を携帯通信により受けつける。第1通信端末装置10aのリンク情報通知部334は、携帯通信により第2通信端末装置10bへ、第1通信端末装置10aのリンク情報を送信する。
【0088】
第2通信端末装置10bのリンク情報受付部518は、第1通信端末装置10aからのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部518は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部64に記憶する。また、リンク情報受付部518は、リンク情報をもとに動画選択画面を生成してモニタ58に表示させる。第2通信端末装置10bの動画要求部520は、動画選択画面にてユーザが任意の動画像を選択すると、選択された動画像の動画要求を携帯通信にて第1通信端末装置10aに送信する。
【0089】
第1通信端末装置10aの動画要求受付部322は、第2通信端末装置10bからの動画要求を受信する。動画要求受付部322が動画要求を受けつけると、第1通信端末装置10aのリンク情報要求部324は、第2通信端末装置10bに対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求が第2通信端末装置10bに送信される。第2通信端末装置10bのリンク情報要求受付部528は、第1通信端末装置10aからのリンク情報要求を携帯通信により受けつける。第2通信端末装置10bのリンク情報通知部530は、携帯通信により第1通信端末装置10aへ、第2通信端末装置10bのリンク情報を送信する。
【0090】
第1通信端末装置10aのリンク情報受付部326は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部312は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部44に記憶する。第1通信端末装置10aの動画出力部328は、動画要求に応じて、記憶部44に記憶された動画データを第2通信端末装置10bに送信する。第2通信端末装置10bの動画受付部522は、第1通信端末装置10aからの動画データを携帯通信にて受けつける。動画受付部522は、受けつけた動画データを動画再生部524に出力する。第2通信端末装置10bの動画再生部524は、動画受付部522からの動画データを再生し、再生した動画データをモニタ58に表示させる。
【0091】
このように第1通信端末装置10aは、リンク情報に含まれた第1情報をもとに動画データを携帯通信により配信している。そのような状況下において、ユーザ操作によって、動画配信先に対して音声を送信すべく、音声送信の宛先の選択およびPTTなどの操作がなされると、業務用無線処理部302は、音声送信を実行する。業務用無線による音声送信についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0092】
図27は、本発明の実施例5に係る通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第2通信端末装置10bにリンク情報要求が入力される(S230)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aへリンク情報要求を送信する(S232)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bにリンク情報を通知する(S234)。第2通信端末装置10bに動画要求が入力される(S236)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aへ動画要求を送信する(S238)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへリンク情報要求を送信する(S240)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aにリンク情報を通知する(S242)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ動画データを送信する(S244)。第1通信端末装置10aにおいてPTTのために、操作部36のボタンが押下げられる(S246)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ音声を送信する(S248)。
【0093】
本実施例によれば、第2通信端末装置についてのリンク情報を受けているので、第2通信端末装置へ動画データを携帯通信により配信している場合に第2通信端末装置へ業務用無線により発信するときに、リンク情報の第2情報をもとに、第2通信端末装置の無線CHを特定できる。また、携帯通信により動画データを配信しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。また、リンク情報を通信端末装置間において直接伝送するので、サーバ装置を不要にできる。また、サーバ装置が不要になるので、構成を簡易にできる。
【0094】
(実施例6)
次に、実施例6を説明する。本発明の実施例5も、これまでと同様に、2つの無線通信方式が含まれた通信システムに関する。実施例3に係る通信端末装置は、動画像をブロードキャスト送信しており、動画像を受信した他の通信端末装置に対して、業務用無線による音声通信を実行する。また、このような処理を実現するために、通信端末装置は、ブロードキャスト送信した動画像を受信している他の通信端末装置から、視聴報告を受けつけると、サーバ装置にアクセスし、サーバ装置からリンク情報を取得する。一方、実施例6でも、実施例3と同様の状況で動画像のブロードキャスト送信、音声通信がなされるが、サーバ装置が構成に含まれない。実施例6に係る通信システムは、
図22と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0095】
図28は、本発明の実施例6に係る第1通信端末装置10aの構成を示す。携帯通信処理部300は、リンク情報要求受付部332、リンク情報通知部334、動画出力部328、視聴報告受付部330、リンク情報要求部324、リンク情報受付部326を含む。第1通信端末装置10aは、動画像のストリーミング配信におけるサーバ機能を実行するとともに、業務用無線での発信を実行する。なお、実施例3におけるストリーミング配信は、ブロードキャスト送信である。携帯通信部30から制御部46は、
図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0096】
図29は、本発明の実施例6に係る第2通信端末装置10bの構成を示す。携帯通信処理部500は、リンク情報要求部516、リンク情報受付部518、動画受付部522、動画再生部524、視聴報告部526、リンク情報要求受付部528、リンク情報通知部530を含む。第2通信端末装置10bは、動画像のストリーミング配信におけるクライアント機能を実行するとともに、業務用無線での着信を実行する。携帯通信部50から制御部66は、
図3と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0097】
以下では、第1通信端末装置10aにおける処理部34、第2通信端末装置10bにおける処理部54の処理を説明する。第2通信端末装置10bのモニタ58は、ユーザに指示の入力を促すための画面を表示する。ユーザによる動画像の選択がなされると、第2通信端末装置10bのリンク情報要求部516は、第1通信端末装置10aに対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求が第1通信端末装置10aに送信される。第1通信端末装置10aのリンク情報要求受付部332は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を携帯通信により受けつける。第1通信端末装置10aのリンク情報通知部334は、携帯通信により第2通信端末装置10bへ、第1通信端末装置10aのリンク情報を送信する。
【0098】
第2通信端末装置10bのリンク情報受付部518は、第1通信端末装置10aからのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部518は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部64に記憶する。第1通信端末装置10aの動画出力部328は、記憶部44に記憶された動画データをブロードキャスト送信する。
【0099】
第2通信端末装置10bの動画受付部522は、受けつけたリンク情報、特に第1情報であるIPアドレスをもとに、第1通信端末装置10aからブロードキャスト送信された動画データを携帯通信にて受けつける。動画受付部522は、受けつけた動画データを動画再生部524に出力する。第2通信端末装置10bの動画再生部524は、動画受付部522からの動画データを再生し、再生した動画データをモニタ58に表示させる。第2通信端末装置10bの視聴報告部526は、動画再生部524が動画データを再生すると、そのことを知らせるための動画視聴報告を携帯通信にて第1通信端末装置10aに送信する。第1通信端末装置10aの視聴報告受付部330は、第2通信端末装置10bからの動画視聴報告を携帯通信にて受けつけると、第2通信端末装置10bが動画データを再生していることを認識する。
【0100】
視聴報告受付部330が動画視聴報告を受けつけると、第1通信端末装置10aのリンク情報要求部324は、第2通信端末装置10bに対して、携帯通信によりリンク情報の送信を要求する。これにより、リンク情報要求が第2通信端末装置10bに送信される。第2通信端末装置10bのリンク情報要求受付部528は、第1通信端末装置10aからのリンク情報要求を携帯通信により受けつける。第2通信端末装置10bのリンク情報通知部530は、携帯通信により第1通信端末装置10aへ、第2通信端末装置10bのリンク情報を送信する。第1通信端末装置10aのリンク情報受付部326は、第2通信端末装置10bからのリンク情報を携帯通信により受けつける。リンク情報受付部312は、リンク情報を受けつけると、リンク情報を記憶部44に記憶する。
【0101】
このように第1通信端末装置10aは、携帯通信でのブロードキャスト送信により、動画データを配信し、かつ動画視聴報告を携帯通信により通知されている。そのような状況下において、ユーザ操作によって、動画配信先に対して音声を送信すべく、音声送信の宛先の選択およびPTTなどの操作がなされると、業務用無線処理部302は、音声送信を実行する。業務用無線による音声送信についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0102】
図30は、本発明の実施例6に係る通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第2通信端末装置10bにリンク情報要求が入力される(S260)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aへリンク情報要求を送信する(S262)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bにリンク情報を通知する(S264)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ動画データを送信する(S266)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aへ視聴報告を送信する(S268)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへリンク情報要求を送信する(S270)。第2通信端末装置10bは、第1通信端末装置10aにリンク情報を通知する(S272)。第1通信端末装置10aにおいてPTTのために、操作部36のボタンが押下げられる(S274)。第1通信端末装置10aは、第2通信端末装置10bへ音声を送信する(S276)。
【0103】
本実施例によれば、第2通信端末装置についてのリンク情報を受けているので、第2通信端末装置へ動画データを携帯通信によりブロードキャスト送信している場合に第2通信端末装置へ業務用無線により発信するときに、リンク情報の第2情報をもとに、第2通信端末装置の無線CHを特定できる。また、携帯通信により動画データをブロードキャスト送信しているときに、第2通信端末装置の無線CHが自動的に特定されるので、複数の通信方式に対応する場合でも操作の煩雑化を抑制できる。また、視聴報告を受けつけるので、ブロードキャスト送信した動画データを再生している通信端末装置を認識できる。また、リンク情報を通信端末装置間において直接伝送するので、サーバ装置を不要にできる。また、サーバ装置が不要になるので、構成を簡易にできる。
【0104】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0105】
本発明の実施例1乃至6では、携帯通信によって動画配信する場合を説明している。しかしながらこれに限らず例えば、携帯通信により提供するサービスは動画配信でなくてもよい。具体的に説明すると、サーマルカメラ(温度異常の検出)、煙検出デバイス(外気異常の検出)、ガスセンサデバイス(一酸化炭素の異常検出、水素など危険なガスの異常検出)のような周囲の異常検出可能なデバイスにおいて生成されたデータが配信されてもよい。本変形例によれば、さまざまな情報が携帯通信によって配信させることができる。
【0106】
本発明の実施例1乃至6において、業務用無線を第2通信方式とする場合の第1通信方式が携帯通信であるとあるとして説明している。しかしながらこれに限らず例えば、第1通信方式は、携帯通信でなくてもよく、有線通信であってもよい。本変形例によれば、第1通信方式としてさまざまな通信方式を適用可能である。
【0107】
本発明の実施例1乃至3において、サーバ装置20経由で動画データが配信されている。しかしながらこれに限らず例えば、サーバ装置20を経由せずに、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bの間で動画データが配信されてもよい。本変形例によれば、サーバ装置20の処理量を低減できる。
【0108】
本発明の実施例4乃至6において、第1通信端末装置10aと第2通信端末装置10bの間でリンク情報が伝送されている。しかしながらこれに限らず例えば、第1通信端末装置10aの記憶部44と第2通信端末装置10bの記憶部64に、リンク情報が予め記憶されていてもよい。本変形例によれば、リンク情報を要求するステップと、リンク情報を通知するステップとを省略できる。
【0109】
本発明の実施例1の
図12において、ステップ10から18に続いて、ステップ22から28が実行されているが、ステップ10から18の前に、ステップ22から28が実行されてもよい。本発明の実施例2の
図18において、ステップ110から122に続いて、ステップ126から138が実行されているが、ステップ110から122の前に、ステップ126から138が実行されてもよい。本発明の実施例3の
図21において、ステップ160から172に続いて、ステップ174から184が実行されているが、ステップ160から172の前に、ステップ174から184が実行されてもよい。本発明の実施例4の
図24において、ステップ200から204に続いてステップ208から210が実行されているが、ステップ200から204の前に、ステップ208から210が実行されてもよい。本発明の実施例5の
図27において、ステップ230から242に続いて、ステップ244が実行されているが、ステップ230から242の前に、ステップ244が実行されてもよい。本発明の実施例6の
図30において、ステップ260から264に続いて、ステップ266から272が実行されているが、ステップ260から264の前に、ステップ266から272が実行されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。