(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記報知制御部は、前記外部電話機を鳴動させた後、受話ができる状態となったときに、前記電話回線との接続が断たれていることを示す音声パターンを流すことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
前記報知制御部は、前記接続状態の判断時の電力供給モードが前記一時復帰モードである場合には、前記表示部にて警告表示のみを行わせることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
前記報知制御部は、前記電話回線との接続が断たれていると判断されたときに、前記設定部にて報知要が設定されている場合のみ、前記報知部にて報知させることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。以下では、画像形成装置として複合機100を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
【0016】
(複合機の概略の構成)
図1は、複合機100の一構成例を示す説明図である。複合機100は、前面に操作パネル1(破線で図示)を有している。複合機100の上部には、原稿搬送部2aと画像読取部2bとが設けられている。また、複合機100の内部には、用紙上に画像を形成するための画像形成機構3(給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3d)が設けられている。
【0017】
操作パネル1は、複合機100の状態、メッセージ、設定画面を表示する表示部11を備えている。表示部11にはタッチパネル部12が設けられている。タッチパネル部12は、画面に対する入力操作(タッチ)を受け付け、表示部11で押された部分の位置、座標を検出するためのものである。タッチパネル部12の出力に基づき、操作された(押された)ボタンやソフトキーが認識される。また、操作パネル1には、スタートキーやテンキーのような複数のハードキー13も設けられている。なお、操作パネル1には、タッチパネル部12の出力に基づき、操作されたソフトキーや操作されたハードキー13の認識を行い、また、表示部11の表示制御を行うパネル制御部10(
図2参照)が設けられている。
【0018】
また、操作パネル1は、後述するファクシミリ部7の受信モードや、電話回線400との接続が断たれている場合の報知や処理に関する条件の設定入力を受け付ける設定部として機能しており、また、ユーザからの後述する電力供給モードの指定を受け付ける入力部としても機能している。
【0019】
原稿搬送部2aは、セットされた原稿を1枚ずつ送り読取用コンタクトガラス(読み取り位置、不図示)に向けて連続的、自動的に搬送する。画像読取部2bは、送り読取用コンタクトガラスを通過する原稿や、載置読取用コンタクトガラス(不図示)にセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。
【0020】
画像形成機構3の給紙部3aは、複数の用紙を収容する。
図1に示す例では、2つの給紙カセットが給紙部3aとして設けられる。印刷ジョブを実行するとき、何れかの給紙カセットが1枚ずつ用紙を搬送部3bに送り出す。搬送部3bは給紙部3aから供給された用紙を搬送する。画像形成部3cは、画像データに基づき感光体上にトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部3dは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ3eに排出される。
【0021】
(複合機のハードウェア構成)
次に、複合機100の全体のハードウェア構成について説明する。
図2は、複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。複合機100内には、本体制御部4、電力供給部5、省電力制御部6、ファクシミリ部7および警告音発生部8が設けられている。
【0022】
本体制御部4は、制御基板や各種素子、回路等を組み合わせて構成されており、複合機100の各部の制御を司る。例えば画像形成機構3による画像形成動作は、この本体制御部4によって制御される。
【0023】
電力供給部5は、例えば商用電源と接続される。電力供給部5内には、整流回路、昇圧トランス、DC/DCコンバータ等、複数の回路、素子(不図示)が配され、各種電圧を生成する。例えば、画像形成部3c内の感光体等のような各種回転体を回転させるためのモータ駆動用の電圧(例えばDC24V)や、本体制御部4を駆動するための直流電圧(例えば5Vや3.3V等)などを生成する。電力供給部5で生成した電圧は、複合機100内の各部に供給される。つまり、複合機100内の各部には、電力供給部5から駆動に必要な電力が供給される。
【0024】
ここで、電力供給部5の電力供給モードとしては、通常モード、省電力モード、オフモードがある。通常モードは、複合機100内の各部に電力を供給して各部を動作させるモードである。この通常モードでは、画像形成等の通常の動作が行われる。省電力モードは、複合機100内の一部にのみ電力を供給し、他への電力供給を停止して、通常モードよりも省電力化を図るモードである。例えば通常モードでの画像形成動作の終了後、一定時間が経過すると、電力供給モードを通常モードから省電力モードに移行させることで、待機時の省電力化を図ることができる。オフモードは、複合機100内の各部への電力供給を停止して、省電力モードよりもさらに省電力化を図るモードであり、最も省電力効果の高いモードである。
【0025】
省電力制御部6は、電力供給部5の上述した電力供給モードを制御する電力供給制御部である。すなわち、省電力制御部6は、複合機100の使用状態に応じて電力供給部5を制御して、電力供給モードを、通常モード、省電力モード、オフモードのいずれかに移行させる。
【0026】
この省電力制御部6は、後述する電話回線400以外の通信回線であるネットワーク200(例えばイーサネットや無線LAN)と接続されて、外部のコンピュータ300(例えばパーソナルコンピュータやサーバー)との間でデータの送受信等を行うネットワーク制御部(NIC)としても機能している。これにより、ネットワーク200を介して画像データや特定のプロトコルを受信したり、複合機100のステータス情報をネットワーク200を介して外部に送信することができる。また、ネットワーク200からの画像データや特定のプロトコルの受信に基づいて、電力供給モードを省電力モードから通常モードに移行させることも可能となる。
【0027】
また、省電力モードにおいて、ネットワーク200からの特定のプロトコルを監視する機能や、ネットワーク200を介してステータス情報を送出する機能を実現するためには、ネットワーク200と接続されるMAC(Media Access Controller )部が動作している必要がある。これらのネットワーク機能を停止させずに省電力モードでの電力の消費を極限まで小さくすることができれば、複合機100の省電力を改善することができる。このため、本実施形態では、ネットワーク制御部と省電力制御部6とを一体化する回路構成とし、省電力モードでは、省電力制御部6にも電力を供給し、これ以外の部分(例えば本体制御部4や、回線制御部71以外のファクシミリ部7)への電力供給を停止する。これにより、省電力モードにおいて、必要なネットワーク機能を利用できる状態としながら、複合機100の消費電力を必要最小限に抑えることができる。さらに、ネットワークケーブルが接続されていないなど、ネットワーク200との接続が断たれていることを検出した場合には、ネットワーク制御部を兼ねた省電力制御部6への電力供給を停止して、さらなる低消費電力状態にすることができる(オフモード)。
【0028】
ファクシミリ部7は、電話回線400およびこれと接続される交換局600を介して外部との間でデータを送受信するものである。ここで、ファクシミリ部7での送受信の対象となるデータとは、文字、図形、絵等を構成する点や線などのデータを示す。電話回線400には、外部電話機500がファクシミリ部7を介して接続されており、電話回線400を共用して、外部電話機500による通話およびファクシミリ部7によるデータの送受信が可能となっている。外部電話機500は、複合機100に対して外付けのもの(いわゆるオプション)で、電話回線400以外の通信回線(有線、無線を問わない)を介してファクシミリ部7と通信できるものであればよく、固定電話であってもよいし、携帯電話であってもよいし、その他の通信機器であってもよい。
【0029】
警告音発生部8は、本体制御部4の制御のもとで、警告音(警告のための音声メッセージを含む)を発生するものであり、ブザー、音声出力装置、スピーカーなどを有して構成されている。例えば紙詰まりのように装置に異常が生じた場合や、停電などにより電話回線400との接続が断たれた場合には、警告音または音声メッセージの出力によって周囲に報知することができる。
【0030】
(主要部の詳細構成)
次に、上述した本体制御部4、電力供給部5、省電力制御部6およびファクシミリ部7の詳細について説明する。
図3は、複合機100の主要部の構成を示すブロック図である。なお、
図3において、供給される電力の方向は、白抜矢印で示している。
【0031】
本体制御部4内には、中央演算処理装置としてのCPU41、制御を行うためのデータやプログラムを記憶するROM42、データ、プログラム、画像データ、操作パネル1を介して設定された条件等を一時的に記憶するRAM43およびHDD(ハードディスク装置)44、画像データに濃度変換や拡大/縮小等の画像処理を施す画像処理部45、ファクシミリ部7との間でデータの送受信を行うためのI/F(インターフェイス)部46、省電力制御部6との間でデータの送受信を行うためのI/F47が設けられている。
【0032】
電話回線400を介してファクシミリ部7で受信した画像データや、ネットワーク200を介して省電力制御部6にて受信した画像データは、それぞれI/F部46・47を介して本体制御部4内に取り込まれ、RAM43またはHDD44に記憶される。そして、必要に応じて画像処理部45にて画像処理が施された後、画像形成機構3に送出され、そこで画像として印字される。
【0033】
電力供給部5内には、省電力用電力制御部51と、通常用電力制御部52とが設けられている。省電力用電力制御部51は、省電力モードにおいて、ファクシミリ部7の後述する回線制御部71と、省電力制御部6にのみ電力を供給し、それ以外への電力供給を停止する。すなわち、省電力モードでは、回線制御部71を除いてファクシミリ部7への電力供給が停止される。通常用電力制御部52は、通常モードで動作し、複合機100内のファクシミリ部7を含む各部に電力を供給する。なお、オフモードでは、電力供給部5は、省電力用電力制御部51による電力供給、すなわち、回線制御部71を含むファクシミリ部7、および省電力制御部6への電力供給も停止する。
【0034】
省電力制御部6内には、上記した電力供給部5(省電力用電力制御部51、通常用電力制御部52)による電力供給を制御する中央演算処理装置としてのCPU61が設けられている。また、省電力制御部6内には、省電力制御やネットワーク制御のためのプログラムやデータ等を記憶するROM/RAM62、ネットワーク200からの特定のプロトコルを監視したり、ネットワーク200へ複合機100のメンテナンス情報やステータス情報を送出するためのMAC部63、本体制御部4との間でデータの送受信を行うためのI/F64、ファクシミリ部7の回線制御部71から送信される呼出信号の検知信号(着呼検知信号)が入力されるI/O部65が設けられている。
【0035】
省電力モードにおいて、I/O部65が上記検知信号を受信すると、CPU61は、電力供給部5の通常電力用電力制御部51を制御して、電力供給モードを通常モードに移行させる。これにより、省電力モードでは、ファクシミリ部7において呼出信号の受信の検知に必要な回線制御部71のみを動作させて、ファクシミリ部7での消費電力を必要最小限に抑えながら、呼出信号の受信後は、通常モードへの復帰により、電話回線400を介して受信するデータに対する、後述する画像処理部75での画像処理や、画像処理後のデータに基づく画像形成機構3での画像形成動作が可能となる。
【0036】
また、省電力制御部6内には、計時部66が設けられており、計時部66にて各種の時間を計時することが可能となっている。例えば、画像形成機構3による画像形成動作の終了時点からの経過時間、操作パネル1(表示部11)にて後述する警告表示を開始してからの経過時間など、種々の時間を計時部66にて計時することができる。計時部66による計時時間は、例えば次に画像形成動作を開始したときにCPU61によってリセットされる。
【0037】
ファクシミリ部7は、回線制御部71、中央演算処理装置としてのCPU72、制御のためのデータやプログラム、操作パネル1にて設定入力された受信モード(後述する)などを記憶するROM/RAM73、画像蓄積用のNVRAM(不揮発性RAM)74、画像データに対して画像処理を施す画像処理部75、電話回線400との接続のためのMODEM76、本体制御部4との間でデータの送受信を行うためのI/F部77が設けられている。
【0038】
回線制御部71は、電話回線400と接続され、電話回線400に印加されている回線電圧を検知するNCU(Network Control Unit)である。電話回線400には、交換局600によって所定の電圧(例えば42〜53V程度)の直流電圧が加えられており、回線制御部71はこの電圧を回線電圧として検知する。また、回線制御部71は、電話回線400からの呼出信号を検知したときには、その検知信号(着呼検知信号)を省電力制御部6に出力する。これにより、上述したように、省電力制御部6による通常モードへの復帰制御により、電話回線400を介して受信する画像データに基づく画像形成が可能となる。
【0039】
なお、省電力モードでは、上述のように、回線制御部71に電力が供給されるため、回線制御部71が電話回線400からの呼出信号を検知して、上記のように通常モードに復帰することが可能となる。しかし、オフモードでは、回線制御部71への電力供給が停止されるため、上記呼出信号の検知ができず、上記呼出信号の検知に基づく通常モードへの復帰もできなくなる。このことから、省電力モードは、電話回線400からの着呼によって通常モードへの復帰が可能なモードであり、オフモードは、着呼によって通常モードへの復帰ができない状態まで機能を停止させて、省電力モードよりもさらに低消費電力となるモードであるとも言える。
【0040】
また、回線制御部71は、外部電話機500と接続されており、外部電話機500を鳴動させる機能と、外部電話機500とMODEM76との間で音声信号を送受する機能とを有している。これにより、電話回線400との接続が断たれている場合には、回線制御部71が外部電話機500を鳴動させて周囲に報知させたり、ユーザが外部電話機500の受話器を上げたときに、接続が断たれていることを示す音声メッセージを流したりすることが可能となる。
【0041】
CPU72は、電話回線400に印加されている回線電圧、つまり、回線制御部71にて検知された回線電圧に基づいて、電話回線400とファクシミリ部7との接続状態を判断する接続状態判断部である。例えば、回線制御部71にて、回線電圧として0Vが検知された場合は、CPU72は複合機100(ファクシミリ部7)と電話回線400との接続が断たれていると判断でき、回線電圧として40V以上が検知されている場合は、CPU72は電話回線400との接続が維持されていると判断できる。電話回線400との接続が断たれている状態としては、例えば電話回線400と接続されるモジュラー線が複合機100(ファクシミリ部7)から抜けている事態や、交換局600または終端装置の一時的な停電などを想定することができる。なお、前者は、モジュラー線を抜くというユーザの意図に基づいて起こるが、後者はユーザの意図に基づかず、ユーザの意図とは無関係に起こる。
【0042】
上述したように、通常モードでは、ファクシミリ部7の全体に電力が供給されるため、CPU72は回線電圧に基づく電話回線400との接続状態の判断が可能である。しかし、省電力モードでは、回線制御部71を除いてファクシミリ部7への電力供給が停止されるため、CPU72は動作することができず、上記の判断ができない。
【0043】
一方、ファクシミリ部7が電話回線400と接続されていない場合には、省電力モードから消費電力のより低いモードに移行させることが、環境規制の強化の観点から要求されていることは前述の通りである。この要求に応えるためには、省電力モードでは、定期的に通常モードに復帰してCPU72を定期的に動作させ、電話回線400との接続状態を判断させる必要がある。
【0044】
しかし、通常モードにおいて、CPU72が電話回線400との接続状態を判断し、接続が断たれていると判断した場合において、一律に(接続が断たれている原因がユーザの意図に基づくものか否かに関係なく)オフモードに移行したのでは、接続が断たれている原因が交換局600等の停電など、ユーザの意図に基づかないものである場合に、停電から復旧した後に複合機100(特にファクシミリ部7)や外部電話機500を利用できない状態となり(ファクシミリ部7がオフモードであるため)、ユーザの利便性が損なわれる。
【0045】
そこで、本実施形態では、電話回線400との接続が断たれている場合には、ファクシミリ部7の受信モード、接続状態の判断時の電力供給モード、操作パネル1にて予め設定された条件のいずれかに応じて、接続が断たれていることの報知/非報知を選択し、報知を選択した場合は周囲に報知させるようにしている。以下、より詳細に説明する。
【0046】
なお、以下での説明において、ファクシミリ部7がファクシミリ通信(データの送受信)を行うことが可能な通常モードと、省電力モードにおいてオフモードへの移行の要否を判断するために定期的に復帰する通常モードとを区別するために、後者の通常モードを便宜的に一時復帰モードと呼ぶことにする。したがって、省電力制御部6によって制御される電力供給モードは、ファクシミリ部7の回線制御部71およびCPU72に電力を供給する通常モードと、回線制御部71に電力を供給する一方、CPU72への電力供給を停止する省電力モードと、回線制御部71およびCPU72への電力供給を停止するオフモードと、省電力モードにおいてオフモードへの移行の要否を判断するために定期的に通常モードに復帰する一時復帰モードとを含むことになる。
【0047】
(ファクシミリ部の受信モードに応じた処理)
図4は、複合機100において、電話回線400との接続が断たれていることを検知した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、
図4の処理について説明する前に、ファクシミリ部7の受信モードについて説明する。ファクシミリ部7の受信モードとしては、自動受信モード、手動受信モード、自動切り替えモードの3種類がある。これらの受信モードは、操作パネル1を介して予め設定することができる。設定された受信モードは、例えばファクシミリ部7のROM/RAM73に記憶される。
【0048】
自動受信モードとは、電話回線400からのデータをファクシミリ部7にて自動で受信するモードである。例えば、外部電話機500の使用を想定していない場合(ファクシミリ部7に対して外部電話機500が接続されていない場合)には、受信モードを自動受信モードに設定しておくことにより、着信データを全てファクシミリ部7にて受信することができる。
【0049】
手動受信モードとは、電話回線400からの呼出信号(リンガー信号)の着信に対して、外部電話機500を鳴動させた後、操作パネル1でのユーザの手動操作によってファクシミリ部7での受信の指示があったときに、ファクシミリ部7にてデータを受信するモードである。この手動受信モードは、着信に対して外部電話機500を鳴動させることから、外部電話機500の使用を想定したモードであると言える。
【0050】
自動切り替えモードとは、電話回線400からの呼出信号の着信後に送信される情報に基づいて、受信先をファクシミリ部7と外部電話機500とで自動で切り替えるモードである。すなわち、自動切り替えモードも、手動受信モードと同様に、外部電話機500の使用を想定したモードである。ここで、呼出信号の着信後に送信される情報としては、ファクシミリ部7での受信の対象となるデータであってもよいが、呼出信号の着信後に送信側から送信される識別信号(例えばCNG信号)であってもよい。上記の識別信号は、送信側がファクシミリ機能を持っていることを示す信号である。受信側の装置がこの識別信号を受けて自分がファクシミリ機能を持っていることを示す初期通信信号(例えばCED信号)を送信側に向けて発信すると、送信側の装置は、この初期通信信号を受けて、お互いがファクシミリ機能を有していることを認識し、受信側に向けてデータを送信することになる。
【0051】
次に、
図4の処理について説明する。まず、通常モードまたは一時復帰モードにおいて、ファクシミリ部7の回線制御部71で検知される回線電圧に基づき、CPU72は、電話回線400との接続が断たれているか否か(回線電圧を喪失しているかどうか)を判断する(S1)。S1にて、電話回線400との接続が断たれていると判断されると、回線制御部71は、ROM/RAM73を参照し、ファクシミリ部7の受信モードが自動受信モードであるか否かを判断する(S2)。
【0052】
S2にて、自動受信モードである場合、ユーザによる外部電話機500の使用を想定しておらず、回線電圧の喪失は、ユーザがモジュラー線を意図的に抜いたことによるものと考えられるため、オフモードに移行しても、ユーザの利便性が損なわれることにはならない。そこで、回線制御部71は外部電話機500によるユーザへの報知は不要と判断し、非報知を選択する(S3)。そして、省電力制御部6は、電力供給モードをオフモードに移行させ(S4)、処理を終了する。つまり、S3で非報知を選択した後は、外部電話機500の鳴動によるユーザへの報知を行わずに、オフモードに移行する。
【0053】
一方、S2にて、受信モードが自動受信モードでない場合、回線制御部71は、受信モードが手動受信モードであるか否かを判断する(S5)。手動受信モードである場合、ユーザによる外部電話機500の使用を想定しており、回線電圧の喪失は、モジュラー線抜けなどのユーザの意図によるものではなく、交換局600の一時的な停電など、ユーザの意図によらないものと考えられる。この場合に、ユーザに確認することなくオフモードに移行すると、ユーザの利便性を損なうことになりかねない。このため、回線制御部71は、ユーザへの報知を選択し(S6)、ユーザへの報知を行う(S7)。S7での報知は、外部電話機500を鳴動させたり、外部電話機500の鳴動後、ユーザが受話器を上げたときに、電話回線400との接続が断たれていることを示す音声パターンを流すことによって行われる。
【0054】
S7の後は、操作パネル1でのユーザの指示を仰ぎ、省電力制御部6は、電力供給モードをユーザが指示するモードに移行させる(S8)。なお、手動受信モードでは、外部電話機500の使用を想定しているため、S8では、停電からの復旧後に外部電話機500の使用ができないオフモードへの移行ではなく、外部電話機500の使用ができる通常モード、または、着呼で通常モードに復帰して外部電話機500の使用が可能となる省電力モードへの移行が指示されて、それらの(いずれかの)モードに移行する可能性が高いと考えられる。
【0055】
S5において、受信モードが手動受信モードでない場合、回線制御部71は、受信モードが自動切り替えモードであると判断する(S9)。自動切り替えモードも手動受信モードと同様に、ユーザによる外部電話機500の使用を想定したモードであるため、回線電圧の喪失は、交換局600等の一時的な停電など、ユーザの意図によるものではないと考えられる。したがって、この場合、回線制御部71はユーザへの報知を選択し(S10)、ユーザへの報知を行う(S11)。S11での報知は、S7と同様に、外部電話機500を鳴動させたり、外部電話機500の鳴動後、ユーザが受話器を上げたときに、電話回線400との接続が断たれていることを示す音声パターンを流すことによって行われる。その後は、S8に移行して、省電力制御部6は、電力供給モードをユーザが指示するモードに移行させる。
【0056】
なお、S11にて、外部電話機500を鳴動させるときの呼出信号のパターン(リンガーパターン)は、外部電話機500が留守番電話機である場合を想定して、留守番電話機が着呼を検出できるパターンとしてもよい。また、留守番電話機が受話(応答)した場合を想定して、回線制御部71からは、回線断(電話回線400との接続が断たれていること)を検知したことやその検知時刻などの情報を、音声パターンとして留守番電話機に流してもよい。
【0057】
以上のように、ファクシミリ部7の回線制御部71は、CPU72によって電話回線400との接続が断たれていると判断された場合に(S1)、ファクシミリ部7の受信モードに応じて、接続が断たれていることの報知/非報知を選択し(S3、S6、S10)、報知を選択した場合は、複合機100に外付けされる、報知部としての外部電話機500を動作(鳴動)させて、接続が断たれていることを周囲に報知させる報知制御部として機能している(S7、S11)。
【0058】
外部電話機500による報知により、電話回線400との接続が断たれたことがユーザの意図によるものかどうか(モジュラー線抜けによるものか、停電によるものか)をユーザに確認できる。そして、この確認を経て、電力供給モードをユーザ指示に基づいてオフモード以外のモード(通常モードまたは省電力モード)に移行できる。したがって、ユーザにとってみれば、電話回線400との接続が断たれたときに一律にオフモードに移行することによる弊害(例えば停電からの復旧時に装置を使用できないことによる利便性低下)が生じるのを回避することができる。
【0059】
また、回線制御部71は、CPU72にて電話回線400との接続が断たれていると判断された場合において、受信モードが自動受信モードのときには非報知を選択し(S3)、受信モードが手動受信モードまたは自動切り替えモードのときには報知を選択する(S6、S10)。
【0060】
自動受信モードは、外部電話機500の使用を前提としないモードであるため、このモードで電話回線400との接続が断たれている場合には、それがユーザの意図によるもの(モジュラー線抜け)と判断できる。したがって、自動受信モードにおいて、電話回線400との接続が断たれている場合には、それがユーザの意図によるものかどうかを、わざわざ報知によってユーザに確認する必要がない。このため、電話回線400との接続が断たれている場合は、報知によるユーザへの確認なしに直ちにオフモードに移行して、より省電力化を図ることができ、上述した環境規制の要求に応えることが可能となる。
【0061】
一方、手動受信モードや自動切り替えモードは、外部電話機500の使用を前提とするモードであるため、このモードで電話回線400との接続が断たれている場合には、それがユーザの意図によらないもの(交換局600等の一時的な停電)と判断できる。したがって、手動受信モードまたは自動切り替えモードで、電話回線400との接続が断たれている場合に、外部電話機500による報知を行うことで、接続が断たれたことがユーザの意図によらないものかどうかをユーザに確認し、ユーザ指示に基づいて電力供給モードをオフモード以外のモード(通常モードまたは省電力モード)に移行させることができる。その結果、オフモードへの移行による上述の弊害を確実に回避できる。
【0062】
また、報知制御部としての回線制御部71が、受信モードに応じてユーザへの報知を選択したときに(S6、S10)、外部電話機500を鳴動させることによって、接続が断たれていることを周囲に報知させる(S7、S11)。これにより、ユーザは、外部電話機500から少し離れた場所にいても、外部電話機500の鳴動によって電話回線400との接続が断たれていることを認識することができる。
【0063】
また、回線制御部71は、外部電話機500の鳴動後、受話ができる状態となったときに(外部電話機500の受話器を上げたとき、外部電話機500が留守番電話機として応答したとき)、電話回線400との接続が断たれていることを示す音声パターンを流す(S7、S11)。これにより、ユーザは、音声パターンによって電話回線400との接続が断たれていることを確実に認識することができる。
【0064】
また、省電力制御部6は、通常モードまたは一時復帰モードにおいて、電話回線400との接続が断たれていると判断され(S1)、受信モードに応じてユーザへの非報知が選択された場合(S3)、電力供給モードをオフモードに移行させる(S4)。このように、ユーザへの報知を行うことなくオフモードに移行することで、オフモードへの移行要因が発生したときは直ちにオフモードに移行させて、より省電力化を図る環境規制の要求に十分応えることができる。
【0065】
(電力供給モードに応じた処理)
次に、電力供給モードに応じた処理について説明する。
図5は、複合機100において、電話回線400との接続が断たれていることを検知した場合の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、ファクシミリ部7の回線制御部71で検知される回線電圧に基づき、CPU72にて電話回線400との接続が断たれている(回線電圧が喪失している)と判断されると(S21)、省電力制御部6のCPU61は、接続状態の判断時の電力供給モードを把握する(S22)。
【0067】
S22にて、接続状態の判断時の電力供給モードが通常モードである場合、ユーザが複合機100を頻繁に利用しており、ユーザが複合機100の近くにいる可能性が高いと考えられる。この場合、本体制御部4のCPU41は、電話回線400との接続が断たれていることのユーザへの報知を選択し(S23)、ユーザへの確認を促すべく、操作パネル1の表示部11に、電話回線400との接続が断たれていることを警告として表示させるとともに、警告音発生部8にて警告音を発生させる(S24)。
【0068】
S24の後は、入力部としての操作パネル1にて、ユーザからの電力供給モードの指定を受け付ける。そして、省電力制御部6は、操作パネル1にて電力供給モードの指定があったときに(S25)、電力供給モードを指定されたモード(通常モード、省電力モード、オフモード)に移行させる(S26)。S25にて、電力供給モードの指定がなければ、CPU61は、オフモードへの移行を行わず、処理を終了する。
【0069】
一方、S22にて、接続状態の判断時の電力供給モードが通常モードでない場合、CPU61は、判断時の電力供給モードが一時復帰モードであると認識する(S27)。なお、省電力モードおよびオフモードでは、CPU72に電力が供給されないため、CPU72が接続状態を判断することはできない。それゆえ、S27にて、CPU61が判断時の電力供給モードを省電力モードまたはオフモードと認識することはあり得ない。
【0070】
S27にて一時復帰モードと認識された場合、本体制御部4のCPU41は、電話回線400との接続が断たれていることのユーザへの報知を選択し(S28)、ユーザへの確認を促すべく、操作パネル1の表示部11にて、電話回線400との接続が断たれていることの警告表示のみを行わせる(S29)。なお、警告音を発生させないのは、省電力モードでは、ユーザが複合機100の近くにいないことが想定され、警告音を発してもユーザがそれを認識できない可能性が高いためである。
【0071】
省電力制御部6の計時部66は、表示部11での警告表示を開始してからの時間を計時する。CPU61は、警告表示を開始してから所定時間内に、操作パネル1にてユーザから電力供給モードの指定がされた場合には(S30)、電力供給モードをユーザが指定したモードに移行させる(S31)。一方、上記所定時間内に電力供給モードの指定がない場合には、ユーザが複合機100を使用しておらず、オフモードに移行しても利便性が損なわれる可能性が少ないと考えられるため、CPU61は、電力供給モードをオフモードに移行させる(S31)。
【0072】
以上のように、本体制御部4(CPU41)は、ファクシミリ部7のCPU72にて電話回線400との接続が断たれていると判断された場合に(S21)、接続状態の判断時の電力供給モードに応じて(S22、S27)、複合機100が備える報知部(表示部11、警告音発生部8)での報知の態様を異ならせる報知制御部として機能している(S24、S29)。接続状態の判断時の電力供給モードに応じて報知の態様を異ならせることにより、ユーザによる複合機100の使用状態に応じた報知が可能となる。
【0073】
また、複合機100が備える報知部は、電話回線400との接続が断たれていることを警告として表示するための表示部11と、警告音を発生する警告音発生部8とを有している。そして、報知制御部としての本体制御部4は、CPU72による接続状態の判断時の電力供給モードが通常モードである場合には、表示部11に上記警告を表示させるとともに、警告音発生部8にて警告音を発生させる(S24)。判断時の電力供給モードが通常モードである場合には、ユーザが複合機100を通常モードで頻繁に使用しており、複合機100の近くにいることが想定されるため、表示部11での警告表示と、警告音発生部8での警告音の発生とにより、電話回線400との接続が断たれていることをユーザに確実に認識させることができる。
【0074】
また、省電力制御部6は、報知部(表示部11、警告音発生部8)による報知後、操作パネル1(入力部)にて電力供給モードの指定があったときに、指定された電力供給モードに移行させる(S26)。このように、ユーザの意思に基づいて電力供給モードを制御するため、たとえユーザの指定に基づいてオフモードに移行したとしても、ユーザの利便性が損なわれることはない。
【0075】
また、本体制御部4は、電話回線400との接続状態の判断時の電力供給モードが一時復帰モードである場合には、表示部11にて警告表示のみを行わせる(S29)。通常モードに一時復帰する前の省電力モードにおいては、ユーザが複合機100を使用していないことが想定されるため、表示部11での警告表示のみを行うことで、長期にわたって(表示されている期間全体にわたって)、ユーザへの確認を促すことができる。
【0076】
また、省電力制御部6は、表示部11での警告表示を開始してから所定時間内に、操作パネル1にて電力供給モードの指定があったときに、指定された電力供給モードに移行させ(S26)、電力供給モードの指定がなかったときにはオフモードに移行させる(S31)。電力供給モードの指定は、ユーザの意思に基づくものであるため、たとえユーザ指定に基づいてオフモードに移行したとしても、ユーザの利便性が損なわれることはない。また、警告表示を開始してから電力供給モードの指定なく所定時間が経過したときは、ユーザが複合機100を使用していない可能性が高く、オフモードに移行しても、ユーザの利便性が損なわれる可能性は少ない。したがって、この場合は、オフモードに移行することで、より省電力化を図る環境規制の要求に応えることができる。
【0077】
(予め設定された条件に応じた処理)
次に、操作パネル1によって予め設定された条件に応じた処理について説明する。
図6は、複合機100において、電話回線400との接続が断たれていることを検知した場合の処理の流れのさらに他の例を示すフローチャートである。
【0078】
まず、ファクシミリ部7の回線制御部71で検知される回線電圧に基づき、CPU72にて電話回線400との接続が断たれている(回線電圧が喪失している)と判断されると(S41)、本体制御部4のCPU41は、操作パネル1でのユーザ入力により、ユーザへの報知要が設定されているか否かを判断する(S42)。ユーザへの報知要が設定されている場合、CPU41は、ユーザへの報知を選択し(S43)、画像形成機構3を制御して、電話回線400との接続が断たれていることを示すレポートを用紙上に出力させることにより報知を行わせ(S44)、その後、S46に移行する。一方、S42にて、ユーザへの報知不要が設定されている場合、CPU41は、ユーザへの非報知を選択し(S45)、そのままS46に移行する。
【0079】
S46では、CPU41は、操作パネル1でのユーザ入力により、オフモードへの移行要が設定されているか否かを判断する。オフモードへの移行要が設定されている場合、省電力制御部6のCPU61は、電力供給モードをオフモードに移行させ(S47)、一連の処理を終了する。一方、S46にて、オフモードへの移行不要が設定されている場合、CPU61は、電力供給モードをオフモードに移行せず(通常モードまたは省電力モードに移行または維持)して(S48)、処理を終了する。
【0080】
以上のように、本体制御部4(CPU41)は、ファクシミリ部7のCPU72にて電話回線400との接続が断たれていると判断されたときに(S41)、設定部としての操作パネル1にてユーザへの報知要が設定されている場合のみ、複合機100が備える報知部(画像形成機構3)によって報知させる(S44)。回線断が生じたときに、ユーザが希望する場合のみ報知を行うため、ユーザの希望に沿った報知制御を実現することができる。また、回線断が生じたときに、ユーザは報知によって回線断を確実に認識して、それがユーザの意図によるものか否かを確実に判断できる。
【0081】
また、省電力制御部6(CPU61)は、電話回線400との接続が断たれていると判断されたときに(S41)、設定部としての操作パネル1にてオフモードへの移行要が設定されている場合のみ、電力供給モードをオフモードに移行させる(S46、S47)。回線断が生じたときに、ユーザが希望する場合のみオフモードに移行するため、ユーザの希望に沿った電力供給モード制御を実現できる。また、オフモードに移行することで、より低消費電力を図る環境規制の要求に応えることができる。さらに、例えば回線断/復帰が頻繁に行われるなど、複合機100の設置環境が悪い場合には、ユーザがオフモードへの移行不要を設定しておくことで、オフモードへの移行を阻止できるため、設置環境に合った電力供給モード制御を実現することもできる。
【0082】
また、本体制御部4は、報知部としての画像形成機構を制御して、電話回線400との接続が断たれていることを示すレポートを用紙上に出力させることにより、報知を行わせる(S44)。これにより、ユーザが複合機100から離れた場所にいて、その後、いつ戻ってきても、レポートが印字された用紙を見ることで、回線断が生じたことを認識できる。また、例えば用紙へのレポート印字後にオフモードに移行したとしても、ユーザはオフモードに移行する原因が回線断であったことを、その用紙(レポート)を見て認識できる。
【0083】
なお、以上で説明した3パターンの処理のうち、いずれか2つまたは3つ全てを組み合わせて処理を行ってもよい。例えば、ファクシミリ部7の受信モードに応じた報知制御では、外部電話機500を用いて報知を行い、電力供給モードに応じた報知制御では、複合機100の表示部11や警告音発生部8にて報知を行う。したがって、受信モードと電力供給モードとの組み合わせに応じた報知を行うことも可能である。また、設定部(操作パネル1)により、回線断のときに報知要が予め設定されている場合は、受信モードと電力供給モードとの組み合わせに応じた報知を行い、報知不要が予め設定されている場合は上記報知を行わないようにすることも可能である(ユーザ設定を優先した報知制御を行ってもよい)。
【0084】
以上のことから、本実施形態の画像形成装置としての複合機100は、以下のように表現することができる。すなわち、複合機100は、電話回線400を介して外部との間でデータを送受信するファクシミリ部7と、ファクシミリ部7に電力を供給するための電力供給部5とを備えており、ファクシミリ部7は、電話回線400に印加されている回線電圧に基づいて、電話回線400とファクシミリ部7との接続状態を判断する接続状態判断部としてのCPU72を有している。複合機100は、CPU72によって電話回線400との接続が断たれていると判断された場合に、ファクシミリ部7の受信モード、上記接続状態の判断時の電力供給部5の電力供給モード、設定部としての操作パネル1により予め設定された条件の少なくともいずれかに応じて、接続が断たれていることの報知/非報知を選択し、報知を選択した場合は、外付けの報知部(例えば外部電話機500)、および/または複合機100が備える報知部(例えば表示部11、警告音発生部8、画像形成機構3)を動作させて、接続が断たれていることを周囲に報知させる報知制御部(回線制御部71、本体制御部4)をさらに備えている。
【0085】
回線断が生じたときに、報知制御部は、ファクシミリ部7の受信モード、接続状態の判断時の電力供給モード、予め設定された条件の少なくともいずれかに応じて、報知/非報知を選択し、報知を選択した場合は報知部にて報知させる。これにより、回線断がユーザの意図によるものかどうかをユーザに確認できる。そして、回線断がユーザの意図によらないもの(例えば交換局600の停電)である場合には、ユーザは、必要に応じて、電力供給モードを、停電からの復旧後にファクシミリ部7にてデータを受信することができるモード(通常モードや省電力モード)に移行するよう指示できる。したがって、回線断がユーザの意図によらないものである場合に、復旧後にデータを受信できない事態が生じたり、外部電話機500にて通話ができない事態が生じるのを回避することができ、ユーザの利便性が低下するのを回避することができる。
【0086】
なお、以上では、ファクシミリ部7の回線制御部71とCPU72とを別々に構成した例について説明したが、回線制御部71にCPU72の機能(例えば電話回線400に印加されている回線電圧に基づいて電話回線400との接続状態を判断する機能)を持たせることも可能である。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。